JP4889692B2 - アンカープレートの設置方法及びアンカープレートの設置構造 - Google Patents

アンカープレートの設置方法及びアンカープレートの設置構造 Download PDF

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Description

本発明は、グラウンドアンカー工に用いるアンカープレートの定着構造に係り、特に、比較的小さい削孔に高強度の鋼材などの引張り材を挿入し、これを基盤内に定着させて、鋼材の引張り強さを利用することにより地すべり対策工としているグラウンドアンカー工に用いるアンカープレートの設置方法、及びアンカープレートの設置構造に関する。
従来より、山間地、あるいは工場敷地の造成地における斜面や、崩落又は崩壊のおそれのある法面の保護工として、また仮設又は本設土留壁の土留支保工としてグラウンドアンカー工が用いられている。
グラウンドアンカーは、一般に「定着部」、「引張り部」、及び「アンカー頭部」から構成される。定着部は、グラウトの注入により造成され、引張り部からの引張り力を地盤との摩擦抵抗もしくは支圧抵抗によって地盤に伝達するための抵抗部分であり、定着部は通常、PC鋼棒、PC鋼より線、多重PC鋼より線、連続繊維補強材などを材料としたテンドン、及びセメント系のグラウトによって構成される。引張り部は、アンカー頭部からの引張り力を定着部に伝達する部分であり、テンドン、及び伸び量を均一にするためのシースで構成される。アンカー頭部は、テンドンに発生している引張り力を、構造物へ確実に伝達させる機能を持つ。アンカー頭部はテンドンを締め付け、かつ固定するために用いるくさび、ナットなどの定着具、定着具による大きな支圧荷重を分散させるための鋼製の支圧板などによって構成される。
グラウンドアンカーは、定着部と定着地盤との定着方式により3つの定着機構に大別できる。すなわち、定着部周面と定着地盤との摩擦抵抗によりアンカー引抜力を定着地盤に伝達する摩擦型アンカー、定着部を大きく拡孔し定着部に作用する受働土圧にてアンカー引抜力に抵抗する支圧型アンカー、上記摩擦型と支圧型を併用した複合型アンカーなどである。
地すべり対策工としてのグラウンドアンカー工は、以下の二つの抑止機能を持つと考えられているが、地盤、及びすべり面の状況によって、どちらか一方の機能を重視して設計される場合がある。また、適する地盤条件はそれぞれ以下の通りである。
(a)締め付け機能:すべり面での垂直応力を増加させ、せん断抵抗力を増大させる。
・すべり面が比較的浅い、急斜面
・すべり土塊の強度が大きい
・岩盤すべり
(b)引止め機能:すべり力の反力としてグラウンドアンカーの引張り力を用いる。
・すべり面が比較的深い
・すべり面の勾配が緩勾配
・すべり土塊の強度が小さい
図5は、従来のアンカープレートの設置構造について示している。グラウンドアンカー90の定着部Bは、想定すべり線Sの下部の岩盤Rに固着されており、引張り部91は、アンカー頭部93が法面120に設置されているアンカープレート94に支圧板92を介して係合され、所定の引張力となるように設定されている。
斜面や法面は地震などの場合に想定すべり線Sに沿って流動することが想定されるため、グラウンドアンカー90は、そのすべり力101の反力102を確保するため、グラウンドアンカー90の引張力により、常時斜面や法面に必要な圧迫力を与えておくものである。ここで、斜面や法面の保護工において、グラウンドアンカー90を多数利用するが、同じ施工地に用いる各グラウンドアンカー90は、施工地全体を考慮して全体として最適な角度に設定される設置角度(水平面Lに対する角度θ)で、相互間の干渉を避けるため、お互いに全て平行に設置される。ここで、特に、斜面や法面が緩やかな斜面でありながら、その斜面や法面の下に重要設備がある、斜面直近に民家がある、あるいは斜面の土質が軟弱である、などの理由で、その緩やかな斜面や法面に安全対策上グラウンドアンカー90を設置するとき発生し易いことであるが、法面120の傾斜とグラウンドアンカー90の位置関係から、そこに設置されたアンカープレート94と引張り部91のなす角αが鋭角になる場合がある。この場合、引張り部91の引張力の分力の作用により、アンカープレート94に対して法面120に沿った上向きの横力103が発生し、アンカープレート94が所定の位置から法面120に沿って数mmから数10mm上方に移動する可能性があるという問題がある。アンカープレート94が所定の位置から移動すると、強い引張力の架かっている引張り部91も所定の位置からずれるという問題がある。
これらの問題について、法面を安定化するためのアンカープレートにおいて、アンカープレートをアンカーと直交させて設置すべくアンカープレートと地盤面との間にテーパー状断面の増設部を配置する技術(特許文献1参照)が開示されており、また、格子状の法枠におけるアンカー材の設置位置に関する技術(特許文献2参照)が開示されているが、アンカープレートのアンカー引張力による位置ずれの防止に関するもの、アンカープレートと法枠との関係に関するものは見当たらない。
特開2000−133509号公報 特開2006−132137号公報
本発明は、以上のような問題点を解決し、アンカープレートの移動を防止し、有効な法面保護を行うことができるアンカープレートの設置方法、及びアンカープレートの設置構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明者は、アンカープレートを設置する地表面を補強枠で囲むと共にグラウンドアンカーとほぼ直角になるように整地してアンカープレートを設置することによりアンカープレートを安定化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 法面に平面略格子状の補強枠を構築する工程と、前記補強枠で囲まれた内部地表面のほぼ中央に開口すると共に、一定長のアンカー挿通孔を削孔する工程と、前記アンカー挿通孔にグラウンドアンカーを挿入すると共に、グラウトを注入し前記グラウンドアンカーの定着部を岩盤に固着する工程と、前記内部地表面に、前記アンカー挿通孔を中心に所定の範囲にわたり、かつ前記グラウンドアンカーとほぼ直角となる整地面を形成する工程と、前記整地面にアンカープレートを設置し、前記グラウンドアンカーの前記アンカー挿通孔から突出するアンカー頭部を前記アンカープレートの中心に接続する工程と、前記グラウンドアンカーに所定の引張り力を印加する工程と、を含むアンカープレートの設置方法。
(1)の発明におけるアンカープレートの設置方法によれば、補強枠格子の内部地表面をグラウンドアンカーとほぼ直角になるような整地面を形成することにより、アンカープレートに引張力を印加してもアンカープレートのずれを防ぐことができる。また、元の内部地表面から大きく変更して整地面を形成した場合であっても補強枠の内部であるため、整地面が受止めた押圧力の横方向への分散力を補強枠が受止めることができるので、整地面は安定しており、そこに設置されているアンカープレートは安定的に整地面を押圧することができる。
(2) (1)に記載のアンカープレートの設置方法において、前記整地面を形成する工程は、前記内部地表面を実質的に掘削して行うアンカープレートの設置方法。
(3) (1)に記載のアンカープレートの設置方法において、前記整地面を形成する工程は、前記内部地表面の法面傾斜方向下側を実質的に掘削して、前記内部地表面の法面傾斜方向上側を実質的に盛土して行うアンカープレートの設置方法。
(2)及び(3)の発明におけるアンカープレートの設置方法は、施工しようとする法面の状況に応じて適宜使い分けることができる。特に、(3)の発明におけるアンカープレートの設置方法によれば、補強枠で囲まれた内部地表面の法面下側を実質的に掘削して、法面上側を実質的に盛土するため、補強枠の格子内部で土が再利用でき、外部への土の搬出が不要になる、もしくは少なくなる。
(4)(1)に記載のアンカープレートの設置方法において、前記整地面にアンカープレートを設置するとき前記アンカープレートと前記整地面の間に固化性充填剤を充填し、前記固化性充填剤が固化してから、前記グラウンドアンカーに所定の引張り力を印加する工程を行うアンカープレートの設置方法。
(4)の発明におけるアンカープレートの設置方法によれば、固化性充填剤が固化した後は、固化性充填剤がアンカープレートと整地面との両者に密着し、アンカープレートに加わる圧力を整地面に均等に伝達するようになるため、整地面は更に安定しており、そこに設置されているアンカープレートは安定的に整地面を押圧することができる。
(5) 法面に構築された平面略格子状の補強枠と、前記補強枠で囲まれる内部地表面のほぼ中央に開口するアンカー挿通孔と、前記アンカー挿通孔からアンカー頭部が突出すると共に定着部が地盤に固着されたグラウンドアンカーと、前記内部地表面に、前記アンカー挿通孔を中心に所定の範囲にわたり、かつ前記グラウンドアンカーとほぼ直角となるよう形成された整地面と、前記整地面に設置されたアンカープレートと、を備え、前記グラウンドアンカーは、所定の引張力を印加されると共に前記アンカー頭部が前記アンカープレートの中心に接続されたアンカープレートの設置構造。
(5)の発明におけるアンカープレートの設置構造によれば、補強枠の格子内部の地表面をグラウンドアンカーとほぼ直角になるような整地面を形成することにより、アンカープレートに引張力を印加してもアンカープレートのずれを防ぐことができる。また、元の内部地表面から大きく変更して整地面を形成した場合であっても補強枠の内部であるため、整地面が受止めた押圧力の横方向への分散力を補強枠が受止めることができるので、整地面が安定している。
(6) 前記アンカープレートと前記整地面の間に固化した固化性充填剤層を更に備える、(5)に記載のアンカープレートの設置構造。
(6)の発明におけるアンカープレートの設置構造によれば、固化した固化性充填剤がアンカープレートと整地面との両者に密着し、アンカープレートに加わる圧力を整地面に均等に伝達するようになるため、整地面は更に安定しており、そこに設置されているアンカープレートは安定的に整地面を押圧することができる。
(7) (5)に記載のアンカープレートの設置構造において、前記アンカープレートの法面傾斜方向の長さは、前記補強枠の法面傾斜方向の間隔の50%以上であるアンカープレートの設置構造。
(7)の発明のアンカープレートの設置構造によれば、アンカープレートの法面傾斜方向の長さが補強枠の法面傾斜方向の間隔の50%以上であるため、補強枠は押圧力が印加されている整地面に十分近く、補強枠による整地面の安定化効果は更に大きい。
(8) (5)から(7)のいずれかに記載のアンカープレートの設置構造において、前記内部地表面であって前記アンカープレートで覆われていない部分は、土壌が草本類の植生が可能であるアンカープレートの設置構造。
(9) (8)に記載のアンカープレートの設置構造において、前記アンカープレートの上面を草本類の植生が可能な土壌で覆うアンカープレートの設置構造。
(8)の発明のアンカープレートの設置構造によれば、アンカープレートの周囲の表土面に、草、芝生を生やすことができ、人工構造物であるアンカープレートが隠されて目立たなくさせることができる。また、(9)の発明のアンカープレートの設置構造によれば、アンカープレートの上面を土で覆い隠せばアンカープレートの上の土壌にも草本類の植生が可能になり、緑化が促進され景観保全が更に高められる。
本発明によれば、アンカープレートの移動を防止し、有効な法面保護を行うことができる法枠アンカープレートの定着構造を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付した図面を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
[第1の実施例]
図1は、アンカープレートの定着構造10の構成を示す断面図である。グラウンドアンカーを施工する法面120にコンクリート製の平面略格子状の補強枠99が設置され、補強枠99のほぼ中央にアンカー挿通孔95が開口している。ここで、グラウンドアンカー工のアンカー挿通孔95の削孔工程以降の工程は以下の通りである。
(1)アンカー挿通孔95の削孔
所定の位置に、ドリルパイプ(図示しない)により、設定した削孔径、削孔長、アンカー傾角、アンカー水平角になるようにグラウンドアンカーの削孔を行う。削孔終了後、周囲の地盤を乱すことがないように、削孔内を清水にて洗浄する。
(2)グラウト注入
アンカー挿通孔95に底部までグラウトホース(図示しない)を挿入し、グラウトホースよりグラウト材を注入し、削孔内の削孔水をグラウト材と完全に置き換えると共にグラウト材充填を行う。
(3)テンドン(図示しない)の挿入
テンドンは、前述の通り、通常、PC鋼棒、PC鋼より線、多重PC鋼より線、連続繊維補強材などを材料としている。
(4)グラウト材の加圧注入
(5)引張り力印加
グラウトが固まり所定の強度に達した後に、ジャッキ(図示しない)により計画した定着時緊張力で定着する。
この工程によって、定着部Bは、想定すべり線Sの下部の岩盤Rに固着されており、鋼線よりなるグラウンドアンカー90は、アンカー頭部23がアンカー挿通孔95より内部地表面に突出している。補強枠99の内部地表面121には、法面傾斜方向下側部分を大きく掘削することにより、グラウンドアンカー90にほぼ直角な整地面20が形成されている。整地面20にアンカープレート21を設置すると共に、アンカー挿通孔95より内部地表面に突出しているアンカー頭部23は、アンカープレート21に支圧板22を介して係合される。グラウンドアンカー90は、ジャッキ(図示せず)により、所定の張力となるように引張り力を印加される。
ここで、施工地全体の状況により水平面に対する設置角度が定められるグラウンドアンカー90と内部地表面121がなす角が鋭角である場合であっても、アンカープレート21はグラウンドアンカー90とほぼ直角な整地面20に面して設置されているので、アンカープレート21には横力が加わらず、移動することがない。
また、整地面20は、長期間のアンカープレート21の圧縮に耐えるようにその表面は多数の小石などを圧縮して固めておいてもよい。
また、整地面20にアンカープレート21を設置するときアンカープレート21と整地面の間に固化性充填剤27を充填し、固化性充填剤27が固化してから、グラウンドアンカー90に所定の引張り力を印加してもよい。この場合、固化した固化性充填剤27がアンカープレート21と整地面20との両者に密着し、アンカープレート21に加わる圧力を整地面20に均等に伝達するようになるため、整地面20は更に安定しており、そこに設置されているアンカープレート21は更に安定して整地面20を押圧することができる。
また、アンカープレート21の法面傾斜方向の長さ25は、補強枠99の法面傾斜方向の間隔26の50%以上にすると特に望ましい。この場合、アンカープレート21の法面傾斜方向の長さ25が補強枠99の法面傾斜方向の間隔26の50%以上であるため、補強枠99は押圧力が印加されている整地面20に十分近く、整地面20が受止めた押圧力の横方向への分散力を補強枠99が効果的に受止めることができて、補強枠99による整地面20の安定化効果は更に大きい。
[第2の実施例]
図2は、広い領域にグラウンドアンカーを多数設置する場合の概要を示す地山の法面断面図である。図3は、広い領域に補強枠を用いてグランドアンカーを多数設置する場合の概要を示す法面正面図である。図4は、アンカープレートの定着構造10Aの構成、特に、グラウンドアンカーを法面傾斜方向に、複数個を密接して配置する場合の構成を示す、図3におけるA−A視の断面図である。
図2は、斜面や法面の保護工として、広い領域にグラウンドアンカー90を多数施工する場合の概要を示している。地山100は、その上方部分110の土砂を除去して造成され、2段斜面になっているが、下方部分の法面120は緩斜面であっても斜面下に重要設備を予定している、斜面直近に民家がある、土質が軟弱である、などの理由で安全対策上、法面120に多数のグラウンドアンカー90を設置することを必要とする場合がある。グラウンドアンカー90の定着部Bは、想定すべり線Sより深部の不動層で堅固な岩盤に定着する必要があり、また定着長は原則として3m以上、10m以下とされる。グラウンドアンカー90の設置位置、アンカー力、間隔、及び設置角度は、施工する法面120の全体を見て、全体最適になるように決定され、定着地盤の強度やすべり面深度をもとに、アンカー径、アンカー長、テンドン諸元が決定される。また、各グラウンドアンカー90は同一の設置角度で、お互いに全て平行に設置される。
図3は、広い領域に補強枠を用いてグランドアンカーを多数設置する場合の概要を示す法面正面図である。コンクリート製の平面略格子状の補強枠99が法面120の広い範囲にわたって設置され、丸印は補強枠99の中に設置されたアンカープレート21(グランドアンカー)を示している。
図4は、アンカープレートの定着構造10Aの構成、特に、グラウンドアンカーを法面傾斜方向に、複数個を密接して配置する場合の構成を示す。この実施例においては、補強枠99、99a、99b、99cの間にそれぞれ整地面20a、20b、20c、及びアンカープレート21a、21b、21cなどが配置されているが、一つの補強枠間の構成は、いずれも第1の実施例の通りである。この実施例では、整地面20a、20b、20cの形成に関して、補強枠で囲まれた内部地表面の法面傾斜方向下側を実質的に掘削して、前記内部地表面の法面傾斜方向上側を実質的に盛土して行うため、補強枠の格子内部で土が再利用でき、外部への土の搬出が不要になる、もしくは少なくすることができる。
また、整地面20の下側の表土面29、29a、29b、29c、及びそれに繋がるアンカープレート21、21a、21b、21cの周囲の表土面(図示しない)に、草、芝生を生やすことができ、人工構造物であるアンカープレート21、21a、21b、21cが隠されて目立たなくさせることができる。これにより、周囲自然環境との調和を損なうことがない。この場合、アンカープレート21、21a、21b、21cの上面を土(図示しない)で覆うことができる。アンカープレート21、21a、21b、21cの上面を土で覆い隠せばアンカープレート21、21a、21b、21cの上の土壌にも草本類の植生が可能になり、緑化が促進され景観保全が更に高められる。
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更、又は改良を加えた形態も本発明の技術範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明に係るアンカープレートの定着構造の構成を示す断面図である。 本発明に係るアンカープレートの定着構造を適用する地山の断面図である。 本発明に係るアンカープレートの定着構造を適用する地山の正面図である。 本発明に係る別のアンカープレートの定着構造の構成を示す断面図である。 従来のアンカープレートの定着構造の構成を示す断面図である。
符号の説明
20、20a、20b、20c 整地面
21、21a、21b、21c アンカープレート
23、23a、23b、23c アンカー頭部
27 固化性充填剤
90 グラウンドアンカー
95 アンカー挿通孔
99、99a、99b、99c 補強枠
120 法面
121、121a、121b、121c 内部地表面
B 定着部
R 岩盤

Claims (9)

  1. 法面に平面略格子状の補強枠を構築する工程と、
    前記補強枠で囲まれた内部地表面のほぼ中央に開口すると共に、一定長のアンカー挿通孔を削孔する工程と、
    前記アンカー挿通孔にグラウンドアンカーを挿入すると共に、グラウトを注入し前記グラウンドアンカーの定着部を岩盤に固着する工程と、
    前記内部地表面に、前記アンカー挿通孔を中心に所定の範囲にわたり、かつ前記グラウンドアンカーとほぼ直角となる整地面を形成する工程と、
    前記整地面にアンカープレートを設置し、前記グラウンドアンカーの前記アンカー挿通孔から突出するアンカー頭部を前記アンカープレートの中心に接続する工程と、
    前記グラウンドアンカーに所定の引張り力を印加する工程と、を含むアンカープレートの設置方法。
  2. 請求項1記載のアンカープレートの設置方法において、前記整地面を形成する工程は、前記内部地表面を実質的に掘削して行うアンカープレートの設置方法。
  3. 請求項1記載のアンカープレートの設置方法において、前記整地面を形成する工程は、前記内部地表面の法面傾斜方向下側を実質的に掘削して、前記内部地表面の法面傾斜方向上側を実質的に盛土して行うアンカープレートの設置方法。
  4. 請求項1記載のアンカープレートの設置方法において、前記整地面にアンカープレートを設置するとき前記アンカープレートと前記整地面の間に固化性充填剤を充填し、前記固化性充填剤が固化してから、前記グラウンドアンカーに所定の引張り力を印加する工程を行うアンカープレートの設置方法。
  5. 法面に構築された平面略格子状の補強枠と、
    前記補強枠で囲まれる内部地表面のほぼ中央に開口するアンカー挿通孔と、
    前記アンカー挿通孔からアンカー頭部が突出すると共に定着部が地盤に固着されたグラウンドアンカーと、
    前記内部地表面に、前記アンカー挿通孔を中心に所定の範囲にわたり、かつ前記グラウンドアンカーとほぼ直角となるよう形成された整地面と、
    前記整地面に設置されたアンカープレートと、を備え、
    前記グラウンドアンカーは、所定の引張力を印加されると共に前記アンカー頭部が前記アンカープレートの中心に接続されたアンカープレートの設置構造。
  6. 前記アンカープレートと前記整地面の間に固化した固化性充填剤層を更に備える、請求項5記載のアンカープレートの設置構造。
  7. 請求項5記載のアンカープレートの設置構造において、前記アンカープレートの法面傾斜方向の長さは、前記補強枠の法面傾斜方向の間隔の50%以上であるアンカープレートの設置構造。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載のアンカープレートの設置構造において、前記内部地表面であって前記アンカープレートで覆われていない部分は、土壌が草本類の植生が可能であるアンカープレートの設置構造。
  9. 請求項8に記載のアンカープレートの設置構造において、前記アンカープレートの上面を草本類の植生が可能な土壌で覆うアンカープレートの設置構造。
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