JP2000160232A - 低窒素溶鋼の減圧精錬方法及びその減圧精錬装置 - Google Patents

低窒素溶鋼の減圧精錬方法及びその減圧精錬装置

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JP2000160232A
JP2000160232A JP10339889A JP33988998A JP2000160232A JP 2000160232 A JP2000160232 A JP 2000160232A JP 10339889 A JP10339889 A JP 10339889A JP 33988998 A JP33988998 A JP 33988998A JP 2000160232 A JP2000160232 A JP 2000160232A
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refractory
refining
reduced pressure
nitrogen
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Hiroyuki Aoki
裕幸 青木
Masateru Nakaho
真輝 仲保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減圧して脱炭及び脱ガス等を行う際に、耐火
物の隙間を伝って減圧容器内に浸入する外気によって、
溶鋼への窒素のピックアップを防止する低窒素溶鋼の減
圧精錬方法及びその減圧精錬装置を提供する。 【解決手段】 耐火物19、20、22を張った減圧容
器10の浸漬管13を取鍋11内の溶鋼12に浸漬し、
減圧容器10内を減圧して溶鋼12の精錬を行なう際
に、減圧容器10の残存する内張りの耐火物22の少な
くとも一部の厚みが60〜120mmになった場合、耐
火物26、28により補修してから、次の減圧精錬を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、減圧して脱炭及び
脱ガス等を行う際に、内張りした耐火物の損耗に伴って
生じる溶鋼への窒素ピックアップを防止する低窒素溶鋼
の減圧精錬方法及びその減圧精錬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の炭素あるいは窒素濃度を低下させ
る方法として、真空(減圧)を利用したRH、DHやV
OD等が広く用いられている。しかし、これ等の方法で
は、炭素や窒素をある程度にまで低減できる。しかし、
溶製の際に生じる溶鋼への窒素ピックアップ等により十
分に窒素を減じた溶鋼を溶製することが困難である。従
って、減圧精錬の安定と精錬の効率を高めて、極低炭
素、低窒素等の溶鋼の溶製を行う方法として、例えば、
特開平1−92314号公報では、減圧容器に設けた取
鍋内径の0.5以下に相当する内径を有する浸漬管を用
い、取鍋の底部から不活性ガスを吹き込んで溶鋼を攪拌
しながら、脱炭及び脱ガス精錬等を行なって炭素濃度等
の低い溶鋼を溶製する取鍋精錬方法が提案されている。
また、特開平2−298212号公報では、減圧容器の
外側(真空槽と浸漬管のフランジ部)を鉄皮で覆い、こ
の鉄皮により形成された空間を減圧して、耐火物の溶損
部や亀裂部に不定形耐火物を吹き付けることにより、充
填密度を高めて減圧容器内への外気の浸入を抑制して窒
素のピックアップを防止することが提案されている。更
に、溶鋼の窒素を低減するには、特開平2−29821
2号公報で行われているように、高い炭素濃度の溶鋼を
用いて容器内を減圧してから、この溶鋼に酸素を吹き付
けて脱炭反応を高めて、生成するCOガスにより窒素を
低減することも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
1−92314号公報に記載の方法では、脱炭及び脱ガ
ス等の減圧精錬の際に、減圧容器に張った耐火物に隙間
が生じ、この隙間から外気が浸漬管の心がねを伝って減
圧容器の内側に浸入する。浸入した外気は、減圧容器内
の耐火物の溶損部で、しかも溶鋼面と接触する部位から
溶鋼中へ浸入して窒素ピックアップを生じる。更に、減
圧容器の耐火物は、精錬の繰り返しにより溶損されて薄
くなり、使用限界に近くなってから不定形耐火物の吹き
付けや溶射等による補修を行うので、溶鋼に対する外気
の浸入を防止できない。また、特開平2−298212
号公報に記載の方法では、減圧容器の外側(真空槽と浸
漬管のフランジ部)を鉄皮で覆っているために、減圧容
器の構造が複雑になり、鉄皮の赤熱や溶鋼洩れ等の緊急
事態が生じた場合、外から目視観察することが困難にな
り、重大事故を招く可能性がある。しかも、減圧容器の
内部から鉄皮に伝わる熱を放射して冷却することが阻害
され、浸漬管の心がねや減圧容器の鉄皮等の温度が上昇
して変形を招く。この浸漬管の心がねや鉄皮の変形によ
り、減圧容器の耐火物の隙間を大きくし、外気の浸入を
招いて溶鋼への窒素ピックアップが増大する。また、特
開平2−298212号公報に記載の方法では、低窒素
の溶鋼を溶製することを目的とするものであり、溶鋼へ
の窒素ピックアップを如何に防止するかについて明確で
なく、精錬過程で発生する心がねや鉄皮の変形や耐火物
の隙間を伝って浸入する外気に起因した溶鋼の窒素ピッ
クアップを防止できない等の問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、減圧して脱炭及び脱ガス等を行う際に、耐火物の隙
間を伝って減圧容器内に浸入する外気によって生じる溶
鋼への窒素のピックアップを防止した低窒素溶鋼の減圧
精錬方法及び減圧精錬装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る低窒素溶鋼の減圧精錬方法は、耐火物を張った減圧
容器の浸漬管を取鍋内の溶鋼に浸漬し、該減圧容器内を
減圧して前記溶鋼の精錬を行なう際に、前記減圧容器の
残存する内張りの耐火物の少なくとも一部の厚みが60
〜120mmになった場合、耐火物により補修してか
ら、次の減圧精錬を行う。この方法により、減圧容器の
鉄皮、浸漬管の心がねの変形等により耐火物に生じた隙
間を通り溶損部から減圧容器内に浸入する外気を補修に
より形成した耐火物により遮断し、溶鋼への窒素ピック
アップを防止できる。なお、減圧容器の内張り耐火物の
一部の残存厚みが60mm未満では、残存した内張り耐
火物の目地開きが大きくなり、減圧容器の変形した鉄皮
や浸漬管の心がね等を伝って溶損部から浸入する外気を
遮断することができずに、溶鋼の窒素ピックアップが生
じる。一方、耐火物の残存厚みが120mmを超えた状
態で耐火物の補修を行うと、過剰な補修となり、耐火物
のコストが上昇したり、補修による休止時間の増加等に
より稼働率が低下して生産性を阻害する。
【0006】ここで、前記耐火物による内張りの耐火物
の補修を、圧入れんがを装着し、該圧入れんがと前記残
存する耐火物の間に不定形耐火物を充填することによっ
て行うことができる。圧入れんがを型枠にしているの
で、減圧容器の耐火物と圧入れんがの間隙に充填する不
定形耐火物の密度を高め、不定形耐火物を通した外気の
浸入を抑制できる。
【0007】更に、前記内張りの耐火物の表面の少なく
とも一部に溶鋼を飛散させて生成した地金のコーティン
グ層を形成することができる。従って、減圧容器の内張
りの耐火物の表面に付着させた地金コーティング層によ
り、心がね、鉄皮と耐火物の隙間から減圧容器内への外
気の浸入を遮断でき、減圧容器の内部の雰囲気中の窒素
の濃度も低くして溶鋼への窒素のピックアップを抑制で
きる。
【0008】また、本発明に係る減圧精錬装置は、減圧
容器に内張りした耐火物が溶鋼面と接する部位に、スロ
ート部を設けている。これにより、耐火物の目地の開き
を抑制して、減圧容器内に浸入する外気を抑制できる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
低窒素溶鋼の減圧精錬方法に適用する減圧精錬装置の断
面図、図2は溶損部を補修した減圧容器の断面図、図3
は溶損部を不定形耐火物の溶射により補修したスロート
部を有する減圧容器の断面図である。まず、本発明の一
実施の形態に係る低窒素溶鋼の減圧精錬方法に用いる減
圧精錬装置Aは、図示しない鋼鉄の鉄皮に耐火物を内張
りした取鍋11と、この取鍋11に入れた溶鋼12と減
圧容器10から構成されている。この減圧容器10は、
浸漬管13及び真空槽14を有し、浸漬管13のフラン
ジ13aと真空槽14のフランジ14aをボルト・ナッ
ト等の締結手段を用いて固定し、浸漬管13と真空槽1
4を連結しており、この浸漬管13及び真空槽14の内
部を排気して減圧するための図示しないエゼクターに連
接した排気ダクト15と、浸漬管13内に合金鉄等を添
加するための貯蔵ホッパー16、添加シュート17を備
えている。また、浸漬管13には、内部を中空にした心
がね18を設け、気体を供給して冷却を行うようにして
いる。この心がね18には、心がね18を覆うように、
内側及び先端に、内張りの耐火物の一例であるMgO−
Cr2 O3 系の厚み200〜400mmの耐火れんが1
9、外側に耐火物の一例であるAl2 O3 −MgO系の
厚み120〜200mmの不定形耐火物20を張ってい
る。そして、真空槽14にも、鉄皮21の内側に内張り
の耐火物の一例であるMgO−Cr2 O3 系の厚み20
0〜400mmの耐火れんが22を設けており、溶鋼1
2や図示しないスラグ等による溶損を防止している。ま
た、前記の取鍋11の底部23には、取鍋11内に不活
性ガスを吹き込むポーラスプラグ24を設けており、矢
印で示す流れを形成することにより溶鋼12の攪拌を行
う。なお、12aは、減圧容器10内の溶鋼12の溶鋼
面であり、25は、浸漬管13内の溶鋼12が飛散して
耐火れんが22に付着して形成された地金コーティング
層である。
【0010】次に、本発明の一実施の形態に係る減圧精
錬装置Aを用いた低窒素溶鋼の減圧精錬方法について説
明する。精錬炉の一例である図示しない転炉を用いて、
炭素濃度を50〜500ppmに脱炭精錬した150ト
ンの溶鋼12を取鍋11に受鋼し、ポーラスプラグ24
から不活性ガスの一例であるアルゴンガスを0.6〜1
5NL/(分・溶鋼トン)溶鋼12中に吹き込みなが
ら、減圧容器10の浸漬管13を300〜600mmの
深さになるように溶鋼12内に浸漬した。そして、減圧
容器10の浸漬管13及び真空槽14内を0.1〜10
0torrに減圧し、アルゴンガスの攪拌により炭素濃
度が3〜10ppmになるまで脱炭精錬を行った後に脱
ガス精錬を行った。この脱炭及び脱ガス精錬等に用いる
取鍋11と浸漬管13の条件としては、浸漬管の浸漬部
の内表面積(S1 )の取鍋内の溶鋼の全表面積(S)に
対する比S1 /Sを0.1〜0.7とした。これは、比
S1 /Sが0.1よ小さいと、浸漬管13内に吹き込ま
れたアルゴンガスにより形成される気泡活性面(アルゴ
ンガス気泡の放出面)が狭くなり、脱炭と脱ガス精錬及
びその後に行う還元精錬等の反応が阻害され、一方、比
S1/Sが0.7より大きくなるとサンプリング等の作
業性が阻害されるからである。この理由から比S1 /S
を0.15〜0.65にするとより好ましい結果が得ら
れる。また、前記の脱炭及び脱ガス精錬を行う際には、
ポーラスプラグ24から供給されるアルゴンガスによっ
て、取鍋11内の溶鋼12が図1中の矢印で示す流れに
よる攪拌と、浸漬管13内の溶鋼12の溶鋼面12aで
膨張したアルゴンガスにより形成される気泡活性面によ
り、脱炭反応や脱ガス(脱水素及び脱窒素等)の促進を
図ることができる。
【0011】そして、脱炭精錬の際に、溶鋼面12aの
アルゴンガス気泡の破泡と溶鋼12の強い攪拌により、
溶鋼12の一部が飛散して真空槽14の耐火れんが22
の表面に付着して凝固し、0.5〜10mm程度の厚み
の地金コーティング層25が形成される。この地金コー
ティング層25は、脱炭精錬等を繰り返し行っても無く
ならずに多少変化する程度であり、浸漬管13のフラン
ジ13aや外側の不定形耐火物20に生じた亀裂、間隙
等から心がね18を伝って真空槽14の内部に浸入する
外気を遮断することができる。更に、一旦、耐火れんが
22の内部に浸入した外気は、地金コーティング層25
の無くなる上方の排気ダクト15の近傍で真空槽14の
内部に入り、速やかに排気ダクト15から排出されるの
で、減圧雰囲気中の窒素濃度を低くすることができる。
しかし、脱炭精錬と脱ガス精錬を繰り返し行うと、図2
の太い実線で示すように、浸漬管13の耐火れんが19
及び真空槽14の耐火れんが22が溶損し、特に真空槽
14の耐火れんが22の下方の溶鋼面12aの近傍が減
圧時に大きく溶損する。この溶損部29は、地金コーテ
ィング層25もなく、耐火れんが22が露出した状態で
溶鋼面12aと接触している。一方、浸漬管13のフラ
ンジ13aや外側の不定形耐火物20に生じた亀裂、間
隙等から心がね18を伝って真空槽14の内部に浸入し
てくる外気は、溶鋼12の静圧が小さく、かつ地金コー
ティング層25のない溶損部29から集中的に内部に浸
入する。その結果、浸入した外気中の窒素が溶損部29
に接触する溶鋼面12aから活発に溶鋼12に吸収さ
れ、溶鋼12の窒素ピックアップが生じる。この溶鋼1
2の窒素ピックアップは、耐火れんが22の溶損部29
の残存厚みが120mm以下になると増加する。溶損部
29を補修する場合、この溶損部29の残存厚みが60
mm未満になると、薄くなり過ぎて耐火れんが22の目
地開きが大きくなり、補修しても外気の浸入を抑制する
ことができず、溶鋼12への窒素ピックアップが増加す
る。残存厚みが120mmを超えると、耐火れんが22
の残存した厚みが十分にある時期に補修することになる
ので、耐火物の使用量の増加や補修等による稼働率の低
下、耐火物コストの増加となる。この理由から残存する
耐火物の厚みは、70〜100mmになった際に不定形
耐火物により補修することが好ましい。
【0012】従って、耐火れんが19及び耐火れんが2
2の溶損により残存する少なくとも一部の厚みが、前記
の60〜150mmになった時点で、浸漬管13及び真
空槽14の内側に初期の耐火物の内面プロフィルとなる
大きさの圧入れんがの一例であるスリーブれんが26を
挿入し、浸漬管13の下端及び外側に金枠27等を取付
けて、溶損によって生じた隙間に、耐火物の一例である
不定形耐火物28を図示しない圧送ポンプ及び充填ノズ
ル等を用いて圧入する。この不定形耐火物28を圧入し
て浸漬管13の耐火れんが19及び真空槽14の耐火れ
んが22の溶損部29を初期の状態に補修することによ
り、浸漬管13のフランジ13aや外側の不定形耐火物
20の亀裂あるいは間隙等から浸入してくる外気が、溶
鋼面12a(図1)に集中的に浸入するのを抑制して、
窒素が溶鋼12に吸収されるのを防止できる。更に、真
空槽14の補修した部分の上側には、地金コーティング
層25が連続して形成されており、真空槽14の内部に
浸入する外気を遮断するので、減圧雰囲気中の窒素濃度
の上昇も小さくなり、減圧雰囲気から溶鋼12への窒素
のピックアップも防止できる。このように、不定形耐火
物28により補修した部分に連続して地金コーティング
層25が存在するので、溶鋼面12a及びその近傍での
外気の内部への浸入を抑制する。しかも、排気ダクト1
5の近傍に位置する地金コーティング層25のない耐火
れんが22から外気が侵入しても速やかに排気して、減
圧雰囲気中の窒素濃度が高くなるのを防止することがで
き、窒素と溶鋼12の接触を抑制する。
【0013】また、図3に示すように,減圧容器10a
の真空槽14bに内張りした耐火れんが22が溶鋼面1
2aと接する部位にスロート部31を設けて、浸漬管1
3bの耐火れんが19と真空槽14bの耐火れんが22
が膨張した際に、競り合うことにより目地の開きをなく
して、溶鋼面12aへの外気の浸入を防止することがで
きる。更に、溶鋼面12aと接する溶損部29に不定形
耐火物粉を供給し、溶射ノズルを介して不定形耐火物を
溶射して溶射層30を形成して補修を行うことができ
る。この溶射層30と地金コーティング層25を連続さ
せることにより、浸漬管13bのフランジ13aや外側
の不定形耐火物20に生じた亀裂、間隙等から心がね1
8を伝って真空槽14bの内部に浸入してくる外気を遮
断して溶鋼12の窒素ピックアップを防止することがで
きる。このようにして、補修を行った後、次の減圧精錬
を行い、脱炭及び脱ガス精錬を終了した後は、浸漬管1
3、13bを溶鋼12中から上昇して、溶鋼12を連続
鋳造等の後工程に搬送し、鋳片等に加工される。
【0014】
【実施例】次に、低窒素溶鋼の減圧精錬方法の実施例に
ついて説明する。転炉を用いて、炭素濃度を300pp
mに脱炭した150トンの溶鋼を入れた減圧精錬装置の
取鍋内に、ポーラスプラグから5NL/(分・溶鋼ト
ン)のアルゴンガスを吹き込みながら、減圧容器の浸漬
管及び真空槽内を1torrに減圧して脱炭及び脱ガス
精錬を行った。そして、溶鋼の精錬後の窒素濃度、耐火
物のコスト指数等を調査した。
【0015】表1に示すように、まず、実施例1は、浸
漬管の浸漬部の内表面積S1 の取鍋内の溶鋼の全表面積
Sに対する比S1 /Sが0.6の浸漬管を用い、脱炭及
び脱ガス精錬を行う前の真空槽の耐火れんがの残存厚み
が70mmになり、耐火れんがの表面に4mmの地金コ
ーティング層を形成した状態から、MgO68重量%と
Cr2 O3 25重量%とを主成分にした厚み50mmの
スリーブれんがを挿入してから、Al2 O3 88重量%
とMgO6重量%とを主成分にした不定形耐火物を圧入
して、補修後の全厚みを200mmにしてから脱炭及び
脱ガス精錬を行った場合であり、溶鋼への窒素ピックア
ップがなく、溶鋼の精錬後の窒素濃度を13ppmに低
くでき、比較例に比べ耐火物のコスト指数が低く(○)
なり、総合評価は良好(◎)であった。また、実施例2
は、浸漬管の浸漬部の内表面積S1 の取鍋内の溶鋼の全
表面積Sに対する比S1 /Sが0.3の浸漬管を用い、
脱炭及び脱ガス精錬を行う前の真空槽の耐火れんがの残
存厚みが100mmになり、耐火れんがの表面に8mm
の地金コーティング層を形成した状態から、Al2 O3
60重量%とMgO30重量%とを主成分にした不定形
耐火物を溶射して、補修後の全厚みを200mmにして
から脱炭及び脱ガス精錬を行った場合であり、溶鋼への
窒素ピックアップがなく、溶鋼の精錬後の窒素濃度を1
0ppmに低くでき、比較例に比べ耐火物のコスト指数
が低く(○)なり、総合評価は良好(○)であった。
【0016】
【表1】
【0017】これに対して、比較例は、浸漬管の浸漬部
の内表面積S1 の取鍋内の溶鋼の全表面積Sに対する比
S1 /Sが0.6の浸漬管を用い、脱炭及び脱ガス精錬
を行う前の真空槽の耐火れんがの残存厚みが50mmに
なり、不定形耐火物の圧入あるいは不定形耐火物の溶射
等の補修を行わず耐火れんがの表面に8mmの地金コー
ティング層を形成した状態で、脱炭及び脱ガス精錬を行
った場合であり、溶鋼への窒素ピックアップが大きく、
溶鋼の精錬後の窒素濃度が20ppmに高くなり、耐火
物のコスト指数がやや高く(△)なり、総合評価は良好
(×)となった。
【0018】以上、本発明の一実施の形態を説明した
が、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、
要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲
である。例えば、アルゴンガスの吹き込みを行う際に、
ポーラスプラグのかわりに、浸漬ランスを用いて浸漬管
の下方の溶鋼中から吹き込んでも良い。また、耐火れん
がの溶損部の補修は、浸漬管あるいは真空槽の耐火れん
がが熱い状態か、あるいは冷却した後に行うことがで
き、不定形耐火物の充填も吹き付けや流し込み等により
行うことができる。
【0019】
【発明の効果】請求項1〜3記載の低窒素溶鋼の減圧精
錬方法は、耐火物を張った減圧容器の浸漬管を取鍋内の
溶鋼に浸漬し、該減圧容器内を減圧して前記溶鋼の精錬
を行なう際に、前記減圧容器の残存する内張りの耐火物
の少なくとも一部の厚みが60〜120mmになった場
合、耐火物により補修してから、次の減圧精錬を行うの
で、外気の浸入を抑制して溶鋼の窒素ピックアップを防
止し、浸漬管及び真空槽の寿命の延長と耐火物コストの
低減ができる。
【0020】特に、請求項2記載の低窒素溶鋼の減圧精
錬方法は、耐火物による内張りの耐火物の補修が、圧入
れんがを装着し、該圧入れんがと残存する耐火物の間に
不定形耐火物を充填することにより行われるので、耐火
物の隙間を伝って浸入する外気を抑制し、溶鋼への窒素
ピックアップを防止して低窒素の溶鋼を安定して溶製で
きる。
【0021】請求項3記載の低窒素溶鋼の減圧精錬方法
は、内張りの耐火物の表面の少なくとも一部に溶鋼を飛
散させて生成した地金のコーティング層を形成している
ので、減圧雰囲気中の窒素濃度を低減して溶鋼の窒素ピ
ックアップを防止できる。
【0022】請求項4記載の減圧精錬装置は、減圧容器
に内張りした耐火物が溶鋼面と接する部位に、スロート
部を設けているので、耐火物の目地の開きを防止し、減
圧雰囲気中の窒素濃度及び溶鋼の窒素ピックアップを防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る低窒素溶鋼の減圧
精錬方法に適用する減圧精錬装置の断面図である。
【図2】溶損部を補修した減圧容器の断面図である。
【図3】溶損部を不定形耐火物の溶射により補修したス
ロート部を有する減圧容器の断面図である。
【符号の説明】
A 減圧精錬装置 10 減圧容器 10a 減圧容器 11 取鍋 12 溶鋼 12a 溶鋼面 13 浸漬管 13a フラン
ジ 13b 浸漬管 14 真空槽 14a フランジ 14b 真空槽 15 排気ダクト 16 貯蔵ホッ
パー 17 添加シュート 18 心がね 19 耐火れんが 20 不定形耐
火物 21 鉄皮 22 耐火れん
が 23 底部 24 ポーラス
プラグ 25 地金コーティング層 26 スリーブ
れんが 27 金枠 28 不定形耐
火物 29 溶損部 30 溶射層 31 スロート部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火物を張った減圧容器の浸漬管を取鍋
    内の溶鋼に浸漬し、該減圧容器内を減圧して前記溶鋼の
    精錬を行なう際に、前記減圧容器の残存する内張りの耐
    火物の少なくとも一部の厚みが60〜120mmになっ
    た場合、耐火物により補修してから、次の減圧精錬を行
    うことを特徴とする低窒素溶鋼の減圧精錬方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の低窒素溶鋼の減圧精錬方
    法において、前記耐火物による内張りの耐火物の補修
    が、圧入れんがを装着し、該圧入れんがと前記残存する
    耐火物の間に不定形耐火物を充填することによって行わ
    れる低窒素溶鋼の減圧精錬方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の低窒素溶鋼の減圧
    精錬方法において、前記内張りの耐火物の表面の少なく
    とも一部に前記溶鋼を飛散させて生成した地金のコーテ
    ィング層を形成している低窒素溶鋼の減圧精錬方法。
  4. 【請求項4】 減圧容器に内張りした耐火物が溶鋼面と
    接する部位に、スロート部を設けたことを特徴とする減
    圧精錬装置。
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