JP2000160152A - 泥水トンネル掘削工法 - Google Patents

泥水トンネル掘削工法

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JP2000160152A
JP2000160152A JP35695498A JP35695498A JP2000160152A JP 2000160152 A JP2000160152 A JP 2000160152A JP 35695498 A JP35695498 A JP 35695498A JP 35695498 A JP35695498 A JP 35695498A JP 2000160152 A JP2000160152 A JP 2000160152A
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oligophosphate
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muddy
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JP35695498A
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Akio Kurano
彰夫 蔵野
Yoshinobu Nitta
喜宣 新田
Takahiro Ito
隆広 伊藤
Masahiro Aoyama
政裕 青山
Minoru Atsuji
稔 阿津地
Kunihiko Mizutani
邦彦 水谷
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Toagosei Co Ltd
Konoike Construction Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Konoike Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 掘削地盤が粘土を含む施工条件においても、
掘削用泥水の品質劣化を経済的かつ的確に防止し、余剰
泥水(廃棄泥水)の凝集脱水処理工程を不要にすることが
可能な泥水式シールド工法または推進工法等の泥水トン
ネル掘削工法を提供すること。 【解決手段】 掘削用泥水中にオリゴリン酸塩を添加
し、かつ泥水中のオリゴリン酸塩の純分濃度を100pp
m〜10000ppmの範囲内に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、泥水式シールド工
法、泥水式推進工法、泥水輸送方式を利用した土圧式シ
ールド工法等の泥水トンネル掘削工法に関し、特にそれ
らの工法に用いられる掘削用泥水の品質維持管理に特徴
を有するものであって、掘削地盤が粘土を含む施工条件
においても、掘削用泥水の品質劣化を経済的かつ的確に
防止し、余剰泥水(廃棄泥水)の凝集脱水処理工程を不要
にすることが可能な泥水式シールド工法または推進工法
等の泥水トンネル掘削工法に関する。
【0002】
【従来の技術】泥水式シールド工法および推進工法等の
工法は、掘削機前方の切羽と呼ばれる掘削面に掘削用泥
水を地上から加圧して送り、この泥水圧で切羽の安定を
保ちながら掘削を行い、掘削した土砂を前記掘削用泥水
とともに地上にポンプ圧送する工法であり、上記作業を
繰り返すことにより順次掘削が進行する。一方、土圧式
シールド工法は掘削機前部のチャンバー内の掘削土砂を
期待の推進力で加圧し、切羽に土圧を作用させて切羽の
安定を保ち、止水しながらスクリューコンベアーでチャ
ンバー内の土砂を順次排出し掘進する工法である。ここ
に、泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法では、
スクリューコンベアーの後段に混合調整槽を設け、この
混合調整槽において掘削土砂と泥水(搬送用泥水)を混合
し、これらをポンプ圧送で地上に搬出する方法であり、
掘削土砂の輸送に関して泥水式シールド工法と同じであ
る。前記の掘削用泥水および搬送用泥水は、掘削の進行
に伴い掘削土砂および塩分を含む地下水などが混入する
ことにより劣化する。この泥水の劣化とは、泥水中に掘
削土砂、特に微粒土砂が多量に混入して泥水比重および
泥水粘性が高くなることと、この微粒土砂の表面にカル
シウムイオンないし二価以上の陽イオンが吸着されるこ
とにより粒子相互が結合して凝集・ゲル化することなど
を意味するものであり、この劣化現象が現れ、強まると
泥水の懸濁安定性ならびに流動性が損なわれ、ひいては
掘削効率の低下、廃棄泥水の発生量の増大など、工事の
成否に係わる重大な支障を引き起こす。このため、泥水
式シールド工法および推進工法においては、泥水の品質
管理つまり泥水の物理・化学的性質を常に適正な状態に
維持することが最も重要であると認識されている。しか
し、泥水の品質管理の重要性については、従来より十分
認識されてはいるものの、そのための有効な劣化防止方
法が実用化されていないことや、現場内で廃棄泥水を凝
集脱水処理して減容化する方法が普及したことなどの理
由から、泥水の劣化を未然に防止する積極的な試みはほ
とんど行われていないのが実状である。
【0003】ここで、従来の泥水式シールド工法におけ
る掘削用泥水の品質管理方法を図1に基づいて説明する
と以下のようになる。 まず、切羽1から送られてきた掘削土砂混じりの掘
削用泥水は、一次処理として振動ふるいとサイクロンと
の組み合わせから成る土砂分離機2にかけられ、礫、砂
など74μm以上の土砂分が分離除去される。 次に、前記土砂分離機を通過した泥水、すなわちシ
ルト、粘土など74μm以下の微細土粒子が残留した泥
水は調整槽3に送られ、再び、掘削用泥水として切羽に
循環使用される。また、調整槽の泥水については比重が
計測され、もし、ここで泥水の比重値が管理目標値より
高い場合には、泥水の比重調整として水道水などの希釈
水が清水槽4から添加される。一方、希釈水に相当する
泥水量が余剰泥水として余剰泥水槽5に送られ、二次処
理(廃棄処理)される。 二次処理方法としては、余剰泥水槽5から余剰泥水
の一部が混合器6に供給され、これに凝集剤槽7から凝
集剤が添加され、泥水中の微細土粒子を脱水性の良いフ
ロックに変化させる。次に、フロック化された泥水はス
ラリー槽8を介して固液分離機9にかけられフロックと
分離水に分離される。そして、分離水は分離水槽10に
貯められ、前記比重調整のための希釈水としてわずかに
使用されるほかは、ほとんど三次処理装置11でpH中
和処理などをされたのち場外に排水される。なお、凝集
剤としては通常ポリ塩化アルミニウムが使用されるが、
ポリ塩化アルミニウムのみで脱水性の良いフロックを生
成できない場合にはポリアクリルアミドなどの有機系高
分子凝集剤が併用添加される。また、固液分離機として
は通常フィルタープレスが使用されている。
【0004】以上の通り、従来の泥水式シールド工法に
おける掘削用泥水の品質管理方法とは、一次処理と二次
処理により掘削用泥水の比重調整と余剰泥水の廃棄処理
を行うのが特徴であり、一次処理は掘削用泥水中に混入
した74μm以上の土砂分を分離除去した後に、泥水の
比重調整として泥水の希釈を行うもので、二次処理は前
記比重調整によって発生する余剰泥水の廃棄処理として
泥水の凝集脱水処理を行うものである。しかし、この方
法では、掘削地盤がシルトや粘土など74μm以下の微
細土粒子を主体とする場合には掘削用泥水中に溶け込ん
だ微細土粒子を前記土砂分離機により分離除去すること
ができないため、掘削に伴う泥水循環を繰り返していく
と掘削用泥水中に微細土粒子が蓄積され、泥水比重およ
び泥水粘性の上昇が著しくなる。また、これに伴い余剰
泥水の二次処理量つまり凝集脱水処理量が増大するうえ
に、泥水中の微細土粒子の濃度が高いことから凝集剤の
使用量が増大し、フィルタープレスに関しても処理能力
の低下ないしろ布の目詰まりなどが顕著となり、フィル
タープレスの増設、ろ布の洗浄作業量の増加など、多種
多様の問題が発生していた。そして、最終的には泥水管
理コストが著しく増大する結果となっていた。特に、こ
の問題は、工事スペースの確保が困難な市街地の工事に
おいて深刻な問題であり、フィルタープレスを適正台
数、設置できない工事では余剰泥水の全量を二次処理す
ることができず、そのまま場外へ廃棄処理することも少
なくはなく、泥水管理コストを著しく高いものとしてい
た。
【0005】そこで、上記問題点を解決する泥水管理方
法として、特開平2−24481号において一つの方法
が提案されている。その方法は、切羽から搬送されてき
た掘削土砂混じりの掘削用泥水を、一次処理として振動
ふるいまたは固定ふるいにかけることにより約1mm以上
または約20mm以上の粗粒土砂分を分離除去した後に、
さらに、上記ふるいを通過した泥水についてその全量を
遠心力30Gないし400Gの低速遠心分離機にかける
ことにより細砂およびシルトなど、約10μm以上の微
細土粒子を分離除去するというものであり、掘削用泥水
の比重調整および余剰泥水の二次処理(凝集脱水処理)方
法は従来の方法と全く同じである。この方法の効果とし
ては、泥水比重の上昇が低く、二次処理量も少なくなる
ことであるとされており、その結果として、二次処理工
程の簡略化すなわちフィルタープレスなど凝集脱水処理
設備の縮小および作業人員の削減が可能となり、最終的
には泥水管理コストを大幅に低減できるとされている。
しかし、この泥水管理方法でも、掘削用泥水中に溶け込
んだ掘削土砂のうち、細砂・シルトより粒径の小さな粘
土については前記遠心分離機を用いても分離除去するこ
とができないほか、泥水の品質管理(特に粘性)への配慮
が不足しているため、次のような問題点を潜在させてい
る。 掘削地盤の土質が粘土を含む場合には、掘削の進行
に伴って泥水中に粘土分が残留して蓄積されるため、泥
水比重の上昇は勿論のこと、泥水粘性の上昇も免れな
い。 粘土の混入などにより泥水の粘性が高くなった場合
には、実施例にて詳述するが遠心分離機の分級性能が低
下し、泥水の比重低減効果が十分に発揮されない恐れが
ある。また、このような場合には遠心分離機のみで泥水
の粘性を十分に下げることは困難である。 泥水粘性の上昇防止・低減方法が具体化されておら
ず、実用的でなく、特に、粘性土地盤において実用性に
欠ける。
【0006】一方、本出願人らは先に、特開平6−18
5046号において、分散剤としてポリアクリル酸ナト
リウムなどが添加された掘削用泥水を対象に、泥水の比
重と泥水中の分散剤濃度をシステムの制御量として取り
扱い、かつこれらの制御量をそれぞれの管理目標値と比
較して調整することを基本とする掘削用泥水の品質管理
システムを提案した。このシステムは、泥水比重の上昇
を防止するための制御手段として、泥水比重測定装置や
微粒分離装置(遠心分離機)、水供給装置などを備えてい
るほか、泥水粘性の上昇を防止するための制御手段とし
て、分散剤濃度測定手段や分散剤補充添加装置、さらに
は分散剤濃度の管理目標値を泥水の比重値に応じて設定
する装置などを備えており、地中連続壁工法、場所打ち
杭工法など、泥水を使用する掘削工事に幅広く適用でき
るものである。またこのシステムは、掘削土砂の種類や
地下水の水質などに影響されることなく、掘削用泥水の
品質劣化を確実に防止することができ、廃棄泥水の発生
量を大幅に抑制することができる。また、高比重・大容
量の泥水についても、迅速で効率の良い品質管理を行う
ことができるものである。しかしながら、これらの特長
は、地中連続壁工法および場所打ち杭工法においては良
好に発揮されるが、泥水式シールド工法および推進工法
においては、その効果が充分に発揮されない場合(施工
条件)があることが見出された。すなわち、地中連続壁
工法および場所打ち杭工法は、地表面(GL)に対して垂
直方向に地盤を掘削する工法であり、掘削地盤が粘性土
層を主体とする場合においても、支持層ないし中間層と
して砂礫層が存在し、この砂礫層を通じて逸泥と呼ばれ
る泥水の地盤への浸透・逸散があることから、泥水のソ
リッドコンテントの調整を兼ねた泥水の水希釈を行って
も泥水の容量を増加させることなく、泥水比重の上昇お
よび泥水粘性の上昇を効率よく防止することができる。
一方、泥水式シールド工法および推進工法は地表面に対
してほぼ水平掘削を行い、同一の地盤を長距離掘進する
のが特徴であり、掘削地盤が粘性土層である場合には泥
水の逸泥がほとんどなく、地中連続壁工法のように泥水
の水希釈を容易に行うことができないため、掘削に伴う
泥水比重の上昇を防止することが困難であり、これに対
処するために、前記泥水管理方法では、泥水比重の上昇
に応じて分散剤濃度の管理目標値(分散剤添加量)を随
時、高く設定することにより泥水粘性の上昇を防止し、
これにより遠心分離機の性能低下を防止して廃棄泥水量
の低減を図ることになる。しかし、この方法では分散剤
としてポリアクリル酸ナトリウムなどのアクリル酸塩系
分散剤の添加量(使用量)を非常に多くしなければならな
いという問題を発生させるのである。さらに、本出願人
らは、これらの問題を解決するべく特願平9−3324
02号において、掘削地盤が粘土を含む層であった場合
にも、掘削用泥水の品質劣化を経済的かつ的確に防止で
きることを特徴とする泥水を用いるトンネル掘削工法を
提案している。該工法によれば、掘削用泥水に不飽和カ
ルボン酸塩と炭酸ナトリウムを特定の割合で併用添加
し、かつ泥水中の不飽和カルボン酸塩を特定の濃度に管
理することにより泥水粘性の上昇を経済的かつ的確に防
止することができる。またこれにより、土砂分離装置、
特に遠心分離機の分級性能の低下が防止され、泥水比重
の上昇を効率よく防止できるとともに、掘削効率を維持
することができる。また、遠心分離された泥水は品質が
一定であり、裏込め注入等のリサイクルなどに好ましく
使用することができ、これにより余剰泥水の発生抑制な
いし泥水の水希釈が可能となる。さらに従来の工法で必
要であった、二次処理(余剰泥水の凝集脱水処理)工程が
不要となり、省人化ないし泥水処理設備の縮小が可能と
なる。また、最終的には泥水処理コストを大幅に低減さ
せることができる。しかしながら、該工法においても次
のような問題点が明らかになっている。すなわち、該工
法においては分散剤として不飽和カルボン酸塩と炭酸ナ
トリウムが併用添加されるが、この場合において掘削地
盤が粘性土でCaやMg等の硬度成分の少ない土質では、
炭酸ナトリウムの併用効果が十分に発揮されなくなり、
むしろ炭酸ナトリウムを添加することにより泥水の粘度
が逆に高くなることも度々発生する。このため、当該地
盤では炭酸ナトリウムを併用することができず、不飽和
カルボン酸塩の単独使用となるが、この場合には、特開
平6−185046で示したように不飽和カルボン酸塩
の添加量(使用量)を非常に多くしなければならないとい
う問題が発生し、さらには掘削用泥水に強いチクソトロ
ピー性が現れてしまう。具体的には、泥水を長時間静置
した場合、泥水の粘性が著しく高くなり、再び低粘性の
泥水に戻すためには、長時間でしかも強力な攪拌装置が
必要となる。このため実際の工事では、掘削作業を中断
あるいは長時間休止する場合にも泥水を常に攪拌してお
かなければならないという問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑み、先発明をさらに発展させ、掘削地盤がいかなる種
類の土質であった場合においても、泥水品質の劣化、特
に泥水粘性の上昇およびチクソトロピー性の増大を経済
的かつ的確に防止することができる新規な泥水トンネル
掘削工法、より具体的には新規な泥水式シールド工法、
推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式シールド
工法などを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
が、掘削用泥水への添加剤として、オリゴリン酸塩また
はオリゴリン酸塩と特定の不飽和カルボン酸重合体塩を
用い、その添加剤の泥水中の濃度を一定に、すなわち、
泥水の品質管理を行うことにより、解決しうることを見
出し本発明を完成したのである。すなわち、本発明は掘
削用泥水中にオリゴリン酸塩を添加し、かつ泥水中のオ
リゴリン酸塩の純分濃度を100ppm〜10000ppmの
範囲内に維持することを特徴とする泥水トンネル掘削工
法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるオリゴリン酸塩
[以下単に(a)ともいう]とは、リン酸基を2〜40個有
するリン酸塩のことであり、具体的な化合物としては、
トリポリリン酸ナトリウム塩、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム
塩などが挙げられるが、本発明においてはトリポリリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムがより好ま
しく、トリポリリン酸ナトリウムがさらに好ましい。ま
た、これらは1種類のみでなく2種類以上を併用使用す
ることも可能である。
【0010】本発明におけるオリゴリン酸塩の泥水への
添加方法としては、掘削時の循環泥水を対象に、掘削土
量に応じて水溶液の形で添加する方法が好ましい。ま
た、添加量は、掘削地盤の土質特性(シルト、粘土の物
理・化学特性:含有量・粒度分布・組成など)や地下水
の水質(多価陽イオンの種類・濃度)あるいは添加時の泥
水比重などによって異なるが、基本的には泥水中のオリ
ゴリン酸塩を純分濃度で100ppm〜10000ppmを維
持するように添加する。具体的な添加量としては通常、
掘削土量1m3に対してオリゴリン酸塩を純分量で0.5k
g〜15kgの範囲で添加すれば、通常泥水中のオリゴリ
ン酸塩の純分濃度を100ppm〜10000ppmの範囲に
維持することができる。オリゴリン酸塩の純分濃度が1
00ppmに満たない場合には、泥水粘性の上昇防止効果
が不安定となる。また、10000ppmを超えて使用し
ても効果の面でみるべき点はなく、いたずらにコストを
上昇させるだけである。さらにオリゴリン酸塩の濃度
は、掘削循環泥水の比重値および泥水中に含まれる微細
土粒子、特に10μm以下の土粒子の混入量に対応して
定めるのが好ましく、例えば、泥水比重が1.1、また
は10μm以下の土粒子の混入量が150g/L(注Lはリッ
トルを示す)であるとすると、この場合のオリゴリン酸
塩の好ましい濃度は500ppm〜2500ppmの範囲であ
る。また、泥水比重に対するオリゴリン酸塩の適正濃度
は下記の(1)式によって便宜的に求められ、泥水中の1
0μm以下の土粒子混入量に対する適正濃度は(2)式に
よって便宜的に求めるとよい。
【0011】
【式1】
【0012】
【式2】
【0013】これらの式において、Cγ、Cwは通常施
工におけるオリゴリン酸塩の適正純分濃度(ppm)であ
り、γxは分散剤添加時の泥水比重であり、Wxは分散剤
添加時の泥水中の10μm以下の土粒子混入量(g/L)であ
る。ただし、以上述べてきたオリゴリン酸塩の好ましい
添加量ならびにオリゴリン酸塩の好ましい濃度は、あく
まで通常施工での値であり、特殊な施工条件・泥水管理
条件などにおいては、それぞれの条件に適応するよう
に、オリゴリン酸塩の濃度を100ppm〜10000ppm
の範囲から選択すればよい。泥水中のオリゴリン酸塩の
濃度の測定方法としては、例えば次の様な方法がある。
すなわち、泥水300mLをNo.4Aのろ紙を用いて加圧
ろ過(圧力3kg/cm2)して採取した濾液を適量分取し、
これに蒸留水を加えてオリゴリン酸塩が純分濃度で2〜
40ppmの範囲になるよう希釈した水溶液に硝酸を加え
酸性にして20分間沸騰させる。50mLメスフラスコに
試料10mLにを採り、発色試薬(メタバナジン酸アンモ
ニウム−モリブデン酸アンモニウム−硝酸水溶液)10m
Lを添加して攪拌し、所定時間後の溶液について分光光
度計(波長420nm)を用いてその吸光度を測定し、予め
求められた検量線によりその濃度を算出する。
【0014】本発明は、掘削用泥水にオリゴリン酸塩と
重合度500以下の不飽和カルボン酸重合体塩をオリゴ
リン酸塩と不飽和カルボン酸重合体塩の純分重量比1:
(0.1〜2.5)の範囲内で併用添加し、かつ泥水中の
オリゴリン酸塩の純分濃度を100ppm〜5000ppmの
範囲内に維持することを特徴とする泥水トンネル掘削工
法に関する発明を含むものである。
【0015】オリゴリン酸塩と併用される重合度500
以下の不飽和カルボン酸重合体塩[以下単に(b)ともい
う]としては、ポリアクリル酸ナトリウムおよびアクリ
ル酸とスルホン酸の共重合物のナトリウム塩が代表的で
あるが、必要に応じてメタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、フマル酸などのカルボン酸単量体を共重合させ
たものであってもよい。ただし、これらを共重合するに
あたっては、ポリアクリル酸ナトリウムの土粒子分散性
能を損なわないようにするため、重合体の構成成分とし
て20重量%以下であることが好ましい。また、スルホ
ン酸としては2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスル
ホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸
などがあり、好ましくは2-アクリルアミド-2-メチルプ
ロパンスルホン酸である。さらに、不飽和カルボン酸重
合体塩は2種以上併用することもできる。また、不飽和
カルボン酸重合体塩に前記の単量体から誘導されるその
他の単量体の重合体を併用することも可能である。本発
明で使用される不飽和カルボン酸重合体塩の重合度は5
00以下である必要があり、好ましくは200以下であ
る。重合度が500を越えると土粒子の凝集作用が現れ
てくるため、泥水の粘性が増加して好ましくない。尚、
本発明において重合度とは、標準物質としてポリアクリ
ル酸を使用して、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーで得られた重量平均分子量をもとに、使用した単量
体の分子量から計算した値である。
【0016】本発明において、オリゴリン酸塩と不飽和
カルボン酸重合体塩を併用することにより、オリゴリン
酸塩単独使用の場合よりもオリゴリン酸塩の添加量ない
し泥水中の濃度を低減することができ、環境中へのリン
の影響(水質汚染;富栄養化)を極力抑えることが可能と
なる。また、Ca、Mgなどの硬度成分が泥水中に混入し
たり、あるいは泥水のpHが11以上になったときにも
泥水の凝集・ゲル化を的確に防止することができる。
【0017】本発明においてオリゴリン酸塩と不飽和カ
ルボン酸重合体塩を併用時のそれらの泥水への添加方法
としては、掘削時の循環泥水を対象に、掘削土量に応じ
て両者を水溶液の形で、同一箇所に緻密に添加する方法
が好ましい。また、両者の添加量は、掘削地盤の土質特
性(シルト、粘土の物理・化学特性:含有量・粒度分布
・組成など)や地下水の水質(多価陽イオンの種類・濃
度)あるいは添加時の泥水比重などによって異なるが、
基本的には両者を純分重量比でa:b=1:0.1〜2.
5の割合で添加し、泥水中のオリゴリン酸塩を純分濃度
で100ppm〜5000ppmを維持するよう添加する。b
の添加量がa=1に対し0.1未満の場合は、セメント
などのアルカリ物質が混入した際に泥水がゲル化し、
2.5を越える場合には、泥水のチクソトロピー性が増
大し、いずれも泥水品質の劣化を的確に防止することが
できなくなる。具体的な添加量としては、掘削土量1m3
に対してオリゴリン酸塩を純分量で0.2kg〜7.5kg、
不飽和カルボン酸重合体塩を純分量で0.2kg〜7.5kg
の範囲で添加すれば、泥水中のオリゴリン酸塩の純分濃
度を100ppm〜5000ppmの範囲に維持することがで
きる。なお不飽和カルボン酸重合体塩についても上記の
範囲で添加すれば、泥水中の純分濃度が100ppm〜5
000ppmの範囲に維持されることになる。さらに好ま
しいオリゴリン酸塩の濃度は、掘削泥水の比重値および
泥水中に含まれる微細土粒子、特に10μm以下の土粒
子の混入量に対応して定めたもので、例えば、泥水比重
が1.1、または10μm以下の土粒子の混入量が150
g/Lであるとすると、この場合の不飽和カルボン酸重合
体塩の好ましい濃度は250ppm〜1250ppmの範囲で
ある。また、泥水比重に対するオリゴリン酸塩の適性濃
度は下記の(3)式によって便宜的に求められ、泥水中の
10μm以下の土粒子混入量に対する適性濃度は(4)式
によって便宜的に求めると良い。
【0018】
【式3】
【0019】
【式4】
【0020】これらの式において、Cγ1、Cw1は通
常施工におけるオリゴリン酸塩の適正純分濃度(ppm)で
あり、γxは分散剤添加時の泥水比重であり、Wxは分散
剤添加時の泥水中の10μm以下の土粒子混入量(g/L)で
ある。なお、オリゴリン酸塩と併用する不飽和カルボン
酸重合体塩の適性純分濃度についても(3)式および(4)
式によって便宜的に求めるとよい。
【0021】ただし、以上述べてきたオリゴリン酸塩と
不飽和カルボン酸重合体塩の好ましい純分重量比および
添加量ならびにオリゴリン酸塩の好ましい濃度は、あく
まで通常施工での値であり、特殊な施工条件・泥水管理
条件等においては、それぞれの条件に適応するように、
オリゴリン酸塩と不飽和カルボン酸重合体塩の純分重量
比すなわちa:b=1:0.1〜2.5の範囲から選択
し、またオリゴリン酸塩の純分濃度についても100pp
m〜5000ppmの範囲から選択すればよい。例えば、シ
ールド工事の発進立坑および到達立坑の付近では対象地
盤をセメント系固化材により改良することが多く、この
ような場合には、不飽和カルボン酸重合体塩の添加割合
を大きくするとよい。
【0022】泥水中の不飽和カルボン酸重合体塩の濃度
は、例えば次のような方法で求められる。すなわち、泥
水300mLをNo.4Aのろ紙を用いて加圧ろ過(圧力3k
g/cm2)して採取した濾液から適量を分取し、これに蒸
留水を加えて不飽和カルボン酸重合体塩が純分濃度で2
〜40ppmの範囲になるよう試料を調製する。試料10m
lに試薬A(カルボン酸系化合物)0.5mlを添加して攪拌
し、pHを約8に調整した後、さらに試薬B(アミン系化
合物)10mlを加えて白濁を呈する錯体を生成させ、そ
の白濁度合を分光光度計(波長800nm)を用いて吸光度
を測定し、予め求められた検量線によりその濃度を算出
する。不飽和カルボン酸重合体塩は常時測定する必要は
ないが、定期的な測定は泥水の品質管理上、より好まし
いことである。
【0023】本発明の泥水トンネル掘削工法において、
オリゴリン酸塩またはオリゴリン酸塩と不飽和カルボン
酸重合体塩の添加により粘性管理されている泥水につい
て、その中に混入する微細土粒子を遠心分離機により分
離除去する工程を併用することができ、前記添加剤によ
り泥水粘度の上昇を防止抑制することにより、遠心分離
機の分級性能の低下を防止し、泥水中に混入したシル
ト、粘土などの微細土粒子を効率よく遠心分離すること
ができ、ひいては泥水比重ないし泥水粘性の上昇を的確
に防止できる。ここで用いられる遠心分離機は、特にそ
の形式は限定されないが遠心力として100G〜2,0
00Gのものが好ましく、より好ましくは150G〜7
50Gのものである。遠心力が100G未満の場合には
シルトなど微細土粒子の除去効率が安定せず、泥水比重
の低減効果が確実でない。また、遠心力が2,000G
を越えるものでは分級性能は良いものの高価なものとな
るため実用的でない。なお、本発明では遠心分離機の前
段に粗粒土砂の分離装置としてふるい機、土砂分離機
(振動ふるいとサイクロン)などを併用するのが実際的で
ある。
【0024】さらに本発明の泥水トンネル掘削工法にお
いて、前記遠心分離機により微細土粒子を分離除去され
た泥水をリサイクル使用することができ、特に該泥水を
裏込め注入剤または添加剤としてリサイクル使用するこ
とができ、泥水のリサイクル使用により余剰泥水の発生
抑制ならびに後記する掘削泥水のソリッドコンテントの
調整(泥水の水希釈)を可能とする。本発明における泥水
のリサイクル(有効利用)としては、まず、泥水式シール
ド工法などでの裏込め注入が挙げられる。この裏込め注
入は、通常、テールボイドと呼ばれる地山とセグメント
との間隙に、水道水、市販粘土、固化材(セメント)、固
化促進剤、固化安定剤などから構成されるスラリーを充
填するものである。裏込め注入に利用する泥水のリサイ
クルは水道水ならびに市販粘土をほとんど不必要とする
ものである。また、本発明の泥水にはオリゴリン酸塩お
よび不飽和カルボン酸重合体塩が含まれ、前記固化安定
剤と同様の効果を示すことから、その使用量を大幅に減
量することも可能である。さらに、裏込め注入プラント
を大幅にダウンサイジングでき、坑内設備として集約す
ることをも可能とするものである。また、泥水のリサイ
クルとして、土圧式シールド工法における添加剤注入が
ある。土圧式シールド工法では、掘削機前部のチャンバ
ー内の掘削土砂へ各種の添加剤を注入し、掘削土砂と添
加剤を混合することにより、掘削土砂の流動化とチャン
バー内の止水性を改善することがよく行われ(この場合
は特に泥土圧シールド工法と呼称している)、添加剤と
しては、粘土・ベントナイト、気泡材、高吸水性樹脂な
どがあり、通常は安価な粘土系材料が用いられる。従っ
て、泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法にあっ
ては、本発明による搬送用泥水の一部を前記添加剤に利
用すると、オリゴリン酸塩と不飽和カルボン酸重合体塩
の効果によって掘削土砂の流動化が促進され、添加剤プ
ラントや作泥材料が不要になる。但し、土質によって
は、当然のことであるが、搬送用泥水をサイクロン等で
濃縮し濃度を高めたり、増粘剤や逸泥防止剤を加えて使
用することもできる。
【0025】またその他の用途として、本発明の泥水は
劣化防止に重要な分散剤が適量含まれ、泥水比重および
泥水粘性が良好で、しかも泥水の粒度が均質で微細であ
り、さらに懸濁安定性に優れたものであるため、地中連
続壁工法、アースドリル杭工法の掘削用安定液あるいは
リバース杭工法の掘削用泥水として利用することもでき
る。なお、掘削用安定液として用いる場合には必要に応
じてエーテル化度の高いカルボキシメチルセルロース
(CMC)などを少量加えて調整するとより高品質なも
のとなる。
【0026】また、本発明の泥水トンネル掘削工法にお
いて、前記遠心分離機により微細土粒子を分離除去され
た泥水に水を添加して、微粒子の含有量の調整(泥水の
ソリッドコンテントの調整)を行うこともでき。本発明
における泥水のソリッドコンテントの調整は、掘削用泥
水のリサイクルなどに対応して実施するものであり、泥
水中に含まれる主として粘土など超微粒子(10μm以下
の土粒子)を対象にする。その調整方法は掘削循環中の
泥水に対して水道水などを直接添加するか、もしくはオ
リゴリン酸塩の溶解水として添加してもよい。水の添加
量は泥水のリサイクル量、掘削地盤への逸泥量、または
掘削土砂に付着して消耗する泥水量などによって異なる
が、少なくとも掘削土量1m3に対して0.1m3は必要で
ある。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、表および図面に
基づいて説明する。なお、表1〜表3において、ppmと
は、泥水1リットル中に含まれる各分散剤の重量分率、
すなわちmg/(泥水1リットル)を意味する。 ○ 実施例1〜9(表1)、比較例1〜4(表2) 水道水に神奈川県内で採取した粘性土(細砂8.4%、シ
ルト60.3%、粘土以下31.3%)を添加して攪拌
し、泥水比重が1.43、粘度2080cps、pH7.4の
泥水を作製した。作製した泥水に表1に示す分散剤の添
加処方に基づいて、オリゴリン酸塩またはオリゴリン酸
塩と不飽和カルボン酸重合体塩を併用添加して攪拌し、
その直後及び1日静置後の泥水についてBL型粘度計を
用いて20℃、30rpmの条件で泥水の粘度を測定し
た。また一方、本発明の効果を検証する目的で、比較例
として、表2に示す分散剤を上記の泥水に添加し、実施
例と同様の条件により泥水の粘度を測定した。比較例1
はオリゴリン酸塩と不飽和カルボン酸重合体塩のいずれ
も添加しない例であり、比較例2は不飽和カルボン酸重
合体塩のみを添加する例であり、比較例3は炭酸ナトリ
ウムと不飽和カルボン酸重合体塩を添加する例である。
【0028】実施例および比較例による泥水粘度の測定
結果を、それぞれ表1および表2に示す。これらの結果
を要約すると以下のようになる。なお、泥水式シールド
工法での泥水粘度の管理基準値としては、掘削効率(切
羽送・排泥ポンプの圧送性、土砂分離性)を考慮した場
合、100cps以下が好ましい。
【0029】 実施例1〜9における泥水の粘度は、
直後も1日静値後もすべて100cps以下となっている
のに対して、比較例1に示す分散剤無添加の泥水の粘度
は2080cpsであり、100cpsを大きく超えるもので
あった。また、比較例2における不飽和カルボン酸重合
体塩の単独添加の泥水の粘度は、直後に61cpsの低粘
性を示したが、1日静値後に545cpsを示す結果とな
った。比較例3における炭酸ナトリウムと不飽和カルボ
ン酸共重合体塩の併用添加による泥水の粘度は、直後お
よび1日静値後とも100cpsを大きく越えるものであ
った。このことから、不飽和カルボン酸重合体塩の単独
使用及び炭酸ナトリウムとの併用では、泥水の粘度を十
分に低減することはできないが、本発明のようにオリゴ
リン酸塩単独及びオリゴリン酸塩と不飽和カルボン酸重
合体塩を併用することにより、泥水の粘度を十分に低減
し、かつチクソトロピー性(静値による粘度の上昇)を十
分に抑えられることが確認された。
【0030】 不飽和カルボン酸重合体塩の重合度に
ついては、実施例1〜9の場合のように、重合度500
以下においてオリゴリン酸塩との併用効果(粘度低減効
果)が確認された。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】○実施例10、11、比較例4、5 本発明の、掘削用泥水にオリゴリン酸塩と不飽和カルボ
ン酸重合体塩を適正な比率で添加して、かつオリゴリン
酸塩の泥水中の濃度を適正な範囲に維持管理することに
より泥水粘性の上昇を防止し、さらにこの粘性管理され
た泥水を対象に、その中に混入した微細土粒子を遠心分
離機で除去することの重要性ならびに本発明の効果を検
証するため、以下の実験を行った。前記実施例で使用し
た供試泥水について、表3に示す分散剤の添加処方によ
って泥水の粘度を調整した。そして、この粘度調整した
泥水ならびに無調整(分散剤無添加)の泥水について遠心
力500G、遠心分離時間1分の条件で遠心分離を行
い、遠心分離前および分離後の泥水比重と粘度を測定し
た。実施例および比較例の結果を表3に示すが、その結
果を要約すると以下のようになる。 実施例10、11と比較例4、5の結果より、遠心
分離後の泥水比重は処理対象となる泥水の粘度によって
大きく左右され、粘度が低くなるほど泥水比重も低くな
ることが確認された。このことから、泥水中に含まれる
微細土粒子の遠心分離においては泥水の粘度管理がきわ
めて重要であり、本発明の効果が検証されている。 実施例10、11では遠心分離前および分離後の泥
水粘度は100cps以下の良好な値となっている。一
方、分散剤を添加しなかった比較例4では、遠心分離後
においても泥水粘度が1250cpsという高い値を示
し、遠心分離機による泥水粘度の低減効果は認められな
かった。また、比較例5は、炭酸ナトリウムと不飽和カ
ルボン酸重合体塩を併用添加した例であるが、やはりこ
の場合も遠心分離による泥水粘度の低減効果は示されな
かった。これらのことから遠心分離機のみで泥水の粘度
を十分低くすることは不可能であり、そのためには本発
明のように分散剤の適性添加が必要不可欠であることが
確認された。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、すなわち泥水式シール
ド工法、推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式
シールド工法等において、掘削用泥水に特定のオリゴリ
ン酸塩を単独添加またはオリゴリン酸塩と特定の不飽和
カルボン酸重合体塩とを特定の割合で併用添加し、泥水
中のオリゴリン酸塩を特定濃度に維持することによっ
て、泥水粘度の上昇を経済的かつ的確に防止することが
できる。またこれにより、土砂分離装置、特に遠心分離
機の分級性能の低下が防止され、泥水比重の上昇を効率
よく防止できるとともに、掘削効率を高めることができ
る。また、遠心分離された泥水は品質が一定であり、裏
込め注入等のリサイクルなどに好ましく使用できる。さ
らに、従来の工法で必要であった、二次処理(余剰泥水
の凝集脱水処理)工程が不要となり、省人化ないし泥水
処理設備の縮小が可能となる。また最終的には、泥水処
理コストを大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の泥水式シールド工法における掘削用泥
水の品質管理方法を示す工程図である。
【図2】 本発明の泥水式シールド工法における掘削用
泥水の品質管理方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 切羽 2 土砂分離機 3 調整槽 4 清水槽 5 余剰泥水槽 6 混合器 7 凝集剤槽 8 スラリー槽 9 固液分離機 10 分離水槽 11 三次処理装置 12 劣化防止装置 13 遠心分離機 14 貯泥槽 15 裏込め注入プラント a,b 分散剤の注入流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 隆広 大阪府大阪市此花区伝法四丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 青山 政裕 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 阿津地 稔 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 水谷 邦彦 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 2D054 AC05 DA12 DA35

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削用泥水中にオリゴリン酸塩を添加
    し、かつ泥水中のオリゴリン酸塩の純分濃度を100pp
    m〜10000ppmの範囲内に維持することを特徴とする
    泥水トンネル掘削工法。
  2. 【請求項2】 掘削用泥水にオリゴリン酸塩と重合度5
    00以下の不飽和カルボン酸重合体塩をオリゴリン酸塩
    と不飽和カルボン酸重合体塩の純分重量比1:0.1〜
    2.5の範囲内で併用添加し、かつ泥水中のオリゴリン
    酸塩の純分濃度を100ppm〜5000ppmの範囲内に維
    持することを特徴とする泥水トンネル掘削工法。
  3. 【請求項3】 オリゴリン酸塩がトリポリリン酸ナトリ
    ムまたはヘキサメタリン酸ナトリウムであることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の泥水トンネル掘
    削工法。
  4. 【請求項4】 不飽和カルボン酸重合体塩が、ポリアク
    リル酸ナトリウムまたはアクリル酸とスルホン酸の共重
    合体のナトリウム塩であることを特徴とする請求項2に
    記載の泥水トンネル掘削工法。
  5. 【請求項5】 泥水中に混入した微細土粒子を遠心分離
    機により分離除去する工程を有することを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の泥水トンネル掘削工法。
  6. 【請求項6】 遠心分離機により微細土粒子を分離除去
    された泥水を裏込め注入材や添加材等にリサイクル使用
    する工程を有することを特徴とする請求項5記載の泥水
    トンネル掘削工法。
  7. 【請求項7】 遠心分離機により微細土粒子を分離除去
    された泥水に水を添加して微粒子の含有量の調整を行う
    工程を併せて有することを特徴とする請求項6記載の泥
    水トンネル掘削工法。
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