JP2002339690A - 泥水式推進工法 - Google Patents

泥水式推進工法

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JP2002339690A
JP2002339690A JP2001144596A JP2001144596A JP2002339690A JP 2002339690 A JP2002339690 A JP 2002339690A JP 2001144596 A JP2001144596 A JP 2001144596A JP 2001144596 A JP2001144596 A JP 2001144596A JP 2002339690 A JP2002339690 A JP 2002339690A
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茂郎 林
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彰夫 蔵野
Takahiro Ito
隆広 伊藤
Mamoru Yamana
守 山名
Shoji Takahashi
正二 高橋
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄泥水の発生量を削減し、泥水処理費用、
産業廃棄物処分量及び処分費を大幅に低減することがで
きる泥水式推進工法を提供すること。 【解決手段】 推進機1の切羽部に掘削用泥水2を送り
ながら掘削を行い、掘削した土砂を排泥水3として排出
するとともに、排泥水3を掘削用泥水2として循環使用
する泥水式推進工法において、循環使用する掘削用泥水
2に分散剤7を添加することにより、掘削用泥水2を低
粘性化させ、掘削用泥水2の比重を1.2〜1.4の高
比重領域に管理するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、泥水式推進工法に
関し、特に、掘削用泥水の比重を高い状態に維持するこ
とを可能とすることにより切羽の安定を図るとともに、
併せて、比重の高くなった掘削用泥水をボイド充填材と
して利用することにより、ボイドの安定を図り、さら
に、廃棄泥水の発生量を削減して、泥水処理費用等の施
工費用並びに産業廃棄物処分量及びその処分費を大幅に
低減することができるようにした泥水式推進工法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】泥水式推進工法は、推進機前方の切羽と
呼ばれる掘削面に掘削用泥水を地上から加圧して送り、
切羽の地山面に泥水中の微細土粒子の目詰作用によって
泥膜を形成するとともに、この泥膜を介して推進機の切
羽部隔壁内の泥水圧で切羽の安定を保ちながら掘削を行
い、掘削した土砂を排泥水として排出するものであり、
排泥水は、掘削した土砂を分離した後、掘削用泥水とし
て循環使用される。
【0003】また、この泥水式推進工法では、推進管の
外周面と地山との間にボイドと呼ばれる微少な隙間が形
成されるが、この隙間に推進管の外周面と地山との間の
抵抗を低減するための滑材を充填するようにしている。
【0004】ところで、泥水式推進工法において用いら
れる掘削用泥水の管理は、土質に適合した泥水性状を維
持する必要があるため、比重、粘性、濾水量、砂分濃
度、pH等の物性を計測して行うようにしている。ここ
で、一般的に微細土粒子の含有率の多い、すなわち、比
重の高い泥水ほど逸泥しにくい性質を有しており、この
点では、掘削用泥水として好ましいものということがで
きるが、従来は、送排泥用ポンプの送泥条件等との関係
で、1.1〜1.2未満(粘性土の場合は1.1未満、
砂質土の場合は1.2未満)に管理するようにしてい
た。これは、泥水の比重が1.2を超えると、泥水の粘
度が急激に上昇し、送排泥用ポンプの圧送能力や一次処
理設備(振動ふるい、サイクロン)の土砂分離効率が著
しく低下するためである。
【0005】このため、従来は、掘削用泥水の比重が
1.1〜1.2を越えると、水を加えて希釈するように
しているが、希釈に当たっては、掘削用泥水の総量を一
定に保つ必要があることから、その一部を抜き取り廃棄
泥水としてバキューム車等で産業廃棄物として処分する
ようにしていた。
【0006】この場合、泥水式推進工法は、例えば、シ
ールド工法等に比べて、施工規模が比較的小規模となる
ため、工事スペース等も小さく、排泥水の処理装置も、
振動ふるい、サイクロン等の簡易な一次処理設備に限ら
れ、施工コスト、工事スペース等の理由から、廃棄泥水
の減量を目的とする二次処理設備(フィルタープレスに
よる凝集脱水処理等)を設置することが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の泥水式推進工法では、掘削用泥水の比重及び粘度の調
整を、水を加えて希釈することにより行うことや廃棄泥
水の減量を目的とする二次処理設が設置されることがな
いため、廃棄泥水が大量に発生するという問題があっ
た。そして、この問題点は、掘削地盤の土質が粘性土の
場合に特に顕著となり、廃棄泥水を産業廃棄物として廃
棄する際の処分費が嵩む上に、環境保全面でも好ましく
なく、また、廃棄処分場の不足に伴い、廃棄泥水を廃棄
すること自体が困難になってきている現状があった。
【0008】本発明は、上記従来の泥水式推進工法が有
する廃棄泥水に関する問題点に鑑み、廃棄泥水の発生量
を削減し、泥水処理費用、産業廃棄物処分量及び処分費
を大幅に低減することができる泥水式推進工法を提供す
ることを第1の目的とする。
【0009】一方、この泥水式推進工法では、推進管の
外周面と地山との間に形成されるボイドが崩壊すると、
推進管の外周面に地山から弛み土圧が作用して推進管を
締め付け、推力負荷が増大することとなり、特に長距離
施工の場合は元押し装置のほかに中押し装置が必要とな
るなど、施工効率が悪化し、施工コスト増の要因となっ
ていた。
【0010】この問題点への対応措置として、推力負荷
の増大を抑制し、元押し装置のみによって長距離推進を
可能とするため、ボイドに混合型又は一体型混合の滑
材を注入することによりボイドを安定化させる方法や、
ボイドに固結型(2液固結型)の滑材を一次注入し、
さらにその内側に混合型又は一体型混合の滑材を二次注
入する方法などが実施されているが、の方法の場合、
ボイドに注入した滑材が地山に逸散しやすく、滑材の効
果が十分に発揮されず、また、滑材の使用量の増大に伴
う施工コスト増の問題があり、一方、の方法の場合、
固結型(2液固結型)の滑材は長期安定性が乏しく、長
期間に亘って継続的に滑材の効果を発揮させるようにす
ることが困難で、また、2種類の滑材の使用及び2段階
施工に伴う施工コスト増の問題があった。
【0011】本発明は、上記従来の泥水式推進工法が有
するボイド(ボイドに充填する滑材)に関する問題点に
鑑み、廃棄泥水をボイド充填材として経済的に再生利用
することにより、高品質のボイド充填材を容易に、かつ
低コストで得られるようにするとともに、併せて、廃棄
泥水の発生量を削減し、泥水処理費用、産業廃棄物処分
量及び処分費を大幅に低減することができる泥水式推進
工法を提供することを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本第1発明の泥水式推進工法は、推進機の切羽
部に掘削用泥水を送りながら掘削を行い、掘削した土砂
を排泥水として排出するとともに、該排泥水を掘削用泥
水として循環使用する泥水式推進工法において、循環使
用する掘削用泥水に分散剤を添加することにより、掘削
用泥水を低粘性化させ、掘削用泥水の比重を1.2〜
1.4の高比重領域に管理することを特徴とする。
【0013】この泥水式推進工法は、循環使用する掘削
用泥水に分散剤を添加することにより、掘削用泥水を低
粘性化させ、掘削用泥水の比重を1.2〜1.4の高比
重領域に管理するようにしているので、掘削用泥水の比
重を従来より高く設定することができ、これにより、地
山への逸泥を抑制して切羽を安定させるとともに、廃棄
泥水の発生量を削減することができる。
【0014】この場合において、循環使用する掘削用泥
水に予め分散剤を添加するとともに、排泥用ポンプのポ
ンプ効率が予め設定した稼動下限値に達した段階で、掘
削用泥水に分散剤を補充添加するようにすることができ
る。
【0015】これにより、掘削用泥水の粘度の上昇を、
排泥用ポンプのポンプ効率を用いて、簡易に、かつ分散
剤の使用量を極力少なくしながら、抑制することができ
る。
【0016】また、分散剤として、分子量5万以下のカ
ルボン酸系重合体又はその中和塩を用いることができ
る。
【0017】これにより、掘削用泥水の粘度の上昇を経
済的かつ的確に防止することができ、掘削用泥水の比重
を高く設定しても送泥が可能となり、掘削効率を向上す
ることができるとともに、掘削用泥水の余剰分を以下に
記載するボイド充填材として、利用に供することができ
る。
【0018】また、上記第2の目的を達成するため、本
第2発明の泥水式推進工法は、推進機の切羽部に掘削用
泥水を送りながら掘削を行い、掘削した土砂を排泥水と
して排出するとともに、該排泥水を掘削用泥水として循
環使用する泥水式推進工法において、掘削用泥水の余剰
分を利用し、該余剰泥水に増粘剤を添加したものを、ボ
イド充填材として使用することを特徴とする。
【0019】この泥水式推進工法は、掘削用泥水の余剰
分を利用し、余剰泥水に増粘剤を添加したものを、ボイ
ド充填材として使用するようにしているので、高性能の
ボイド充填材を容易に、かつ低コストで得ることがで
き、ボイドにこのようにして得られた充填材を注入する
ことによりボイドを安定させ、推力負荷の増大を抑制
し、長距離推進を可能とするとともに、併せて、廃棄泥
水の発生量を削減することができる。
【0020】この場合において、増粘剤として、分子量
10万〜100万のカルボン酸系重合体又はその中和塩
を用いることことができる。
【0021】これにより、泥水の粘度を高めると同時に
チキソトロピー性を与え、推力負荷の増大を一層抑制す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の泥水式推進工法の
実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】図1に、本発明の泥水式推進工法の一実施
例を示す。この泥水式推進工法は、推進機1の前方の切
羽部に掘削用泥水2を送りながら掘削を行い、掘削した
土砂を排泥水3として排出するとともに、排泥水を掘削
用泥水2として循環使用するようにしている。また、こ
の泥水式推進工法では、推進管4の外周面と地山との間
にボイド5を積極的に形成し、このボイド5に後述のボ
イド充填材6を注入するようにしている。
【0024】掘削した土砂は、掘削用泥水2に混入され
て排泥水3として排出されるが、この排泥水3は、振動
ふるい、サイクロン等の泥水の一次処理設備8により、
一般残土処分が可能な一次処理土9として分離される。
そして、一次処理土9が分離された泥水30は、調整槽
10から掘削用泥水2として再循環される。
【0025】ところで、このように掘削用泥水を循環使
用していると、振動ふるい、サイクロン等の泥水の一次
処理設備8で除去できない掘削土中の微粒子が溶け込
み、泥水の比重及び粘度が上昇し、送排泥用ポンプの圧
送能力や一次処理設備8の土砂分離効率が著しく低下す
ることとなって、使用に適さなくなる。この場合は、従
来は、掘削用泥水の比重が1.1〜1.2を越えると、
水を加えて希釈するようにするが、希釈に当たっては、
掘削用泥水の総量を一定に保つ必要があることから、そ
の一部を抜き取り廃棄泥水としていた。
【0026】これに対して、本実施例においては、一次
処理土9が分離された泥水30を調整槽10に導入し、
調整槽10において、分散剤添加装置12から分散剤7
を添加することにより、掘削する地山の性状等に応じ
て、掘削用泥水の比重を従来より高比重の1.2〜1.
4、より好ましくは、1.25〜1.4に調整して掘削
用泥水2として再使用するようにしている。
【0027】なお、本実施例においても、掘削用泥水の
比重が(1.2〜)1.4を越えると、水を加えて希釈
する場合があるが、希釈に当たっては、掘削用泥水の総
量を一定に保つ必要があることから、その一部を抜き取
り余剰泥水31として貯泥槽13に貯留し、後述のよう
に、ボイド充填材6として使用するとともに、その残部
を廃棄泥水11として産業廃棄物として処理するように
している。
【0028】この場合において、掘削用泥水2に添加す
る分散剤7には、分子量5万以下のカルボン酸系重合体
又はその中和塩(分散主剤)(より具体的には、特に限
定されるものではないが、ポリアクリル酸ナトリウム、
アクリル酸とスルホン酸の共重合体のナトリウム塩を代
表的に挙げることができる。)と、必要に応じて、炭酸
ナトリウム又はトリポリリン酸ナトリウム等(分散助
剤)とからなるものを好適に用いることができる。これ
により、掘削用泥水2の粘度の上昇を経済的かつ的確に
防止することができ、掘削用泥水2の比重を高く設定し
ても掘削用泥水2及び排泥水3の送泥が可能となり、掘
削効率を向上することができるとともに、掘削用泥水の
余剰分31をボイド充填材6として、利用に供すること
ができるものとなる。
【0029】そして、掘削用泥水2への分散剤7の添加
方法としては、掘削する地山の性状等に応じて、循環使
用する掘削用泥水2に予め所定量の分散剤7を添加して
おくようにするとともに、排泥用ポンプのポンプ効率が
予め設定した稼動下限値に達した段階で、掘削用泥水
2、より具体的には、一次処理土9が分離された泥水3
0に分散剤7を補充添加するようにする。この場合、排
泥用ポンプのポンプ効率は、排泥水3の比重及び流量
と、排泥用ポンプの吐出圧力と吸込圧力との差圧と、消
費電力とに基づいて、容易に算出することができる。
【0030】この排泥用ポンプのポンプ効率の稼動下限
値は、排泥用ポンプが排泥水3の比重及び粘度の高まり
によって停止するときのポンプ効率よりも少なくとも大
きい、例えば、40〜45%程度(なお、この種の排泥
用ポンプの清水におけるポンプ効率は、45〜57%程
度である。)に設定することが望ましい。このように、
分散剤7を添加して掘削用泥水2の粘度を下げることに
より、従来排泥用ポンプによる排泥ができなかった高比
重のものでも、円滑に排泥することができるため、掘削
用泥水2は、掘削する地山の性状等に応じて、1.2〜
1.4、より好ましくは、1.25〜1.4の高比重領
域で管理するようにする。
【0031】そして、高比重で、かつ分散剤7を添加し
た掘削用泥水2は、掘削壁面に薄くて不透水性に優れた
泥膜を形成し、この泥膜を介して泥水圧が有効に作用す
るため、切羽及びボイドが安定する。また、粘土層から
透水性の高い砂礫層まで、広範囲の土質に対応すること
ができるものとなる。
【0032】この泥水式推進工法は、このように循環使
用する掘削用泥水に予め分散剤7を添加するとともに、
排泥用ポンプのポンプ効率が予め設定した稼動下限値に
達した段階で、掘削用泥水2に分散剤7を補充添加する
ようにしているので、掘削用泥水2の粘度の上昇を、排
泥用ポンプのポンプ効率を用いて、簡易に、かつ分散剤
7の使用量を極力少なくしながら、抑制することができ
るとともに、掘削用泥水2の比重を従来より高く設定す
ることができ、これにより、地山への逸泥を抑制して切
羽を安定させるとともに、廃棄泥水11の発生量を削減
することができるものとなる。
【0033】一方、掘削用泥水2の希釈に当たって、掘
削用泥水2の一部を抜き取り、貯泥槽13に貯留されて
いる余剰泥水31の一部32を、ボイド充填材6として
使用するために、ボイド注入プラント14に導入し、ボ
イド注入プラント14の分級サイクロン15を通すこと
により、細砂分の除去等の調整を行うことにより懸濁安
定性に優れた泥水とし、これに増粘剤16を添加するこ
とにより、ボイド充填材6を得るようにする。
【0034】この場合において、余剰泥水32に添加す
る増粘剤16には、分子量10万〜100万のカルボン
酸系重合体又はその中和塩(より具体的には、特に限定
されるものではないが、ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸ナトリウム又はアクリル酸とアクリル酸エステルの共
重合体又はそのナトリウム塩を代表的に挙げることがで
きる。)、あるいは分子量10万〜100万のカルボン
酸系重合体又はその中和塩(同)と炭酸カリウムとから
なるものを使用することができ、これにより、練上り直
後の見かけ粘度を1,000mPa・s以上にしたもの
を好適に用いることができる。なお、炭酸カリウムの代
わりに、同じ炭酸アルカリ金属塩である炭酸ナトリウム
等の使用も考えられるが、この場合は、本発明が目的と
する増粘剤としての効果が得られない。このようにして
作成したボイド充填材6は、チキソトロピー性を有し、
静置するとゲル化して高粘度となり、せん断力を受ける
とゾル化して低粘度となり、また、材料分離を起こさ
ず、長期安定性に優れたものとなる。
【0035】そして、ボイド充填材6は、推進機1の後
方の推進管4よりボイド5に注入するようにするととも
に、必要に応じて、例えば、長距離施工の場合等には、
地山への逸散等によるボイド充填材6の減少分を補充す
るため、適宜間隔をあけてさらに後方の推進管4からも
注入するようにする。この場合、推進機1の直後から注
入したボイド充填材6が切羽側に逆流しても、ボイド充
填材6に用いられている増粘剤16は、分散剤(分散主
剤)7と基本的に分子量のみが異なる同じ成分からなる
同系物質であることから、掘削用泥水2に悪影響を及ぼ
すことはない。また、ボイド充填材6は、余剰泥水32
を利用するため、十分な量のボイド充填材6を安定的に
確保することができる。また、このようにして得たボイ
ド充填材6は、材料分離を起こしにくく、濾水量をさら
に減少させる特性を有し、ボイド5の保持や地山の剥落
を防止し、さらに、長期安定性に優れるため、長期間に
亘ってボイド5の安定に寄与することができる。
【0036】この泥水式推進工法は、このように掘削用
泥水2の余剰分31の一部32を利用し、この余剰泥水
32に増粘剤16を添加したものを、ボイド充填材6と
して使用するようにしているので、高性能のボイド充填
材を容易に、かつ低コストで得ることができ、ボイド5
にこのようにして得られた充填材6を注入することによ
りボイド5を安定させ、推力負荷の増大を抑制し、長距
離推進を可能とするとともに、併せて、廃棄泥水11の
発生量を削減することができるものとなる。
【0037】そして、この泥水式推進工法によれば、よ
り具体的には、掘削用泥水2を、掘削する地山の性状等
に応じて、1.2〜1.4、より好ましくは、1.25
〜1.4の高比重領域で管理するようにすることと併せ
て実施することにより、廃棄泥水11の発生量を、従来
の泥水式推進工法との比較において、1/2以上削減す
ることができるものとなる。
【0038】以上、本発明の泥水式推進工法について、
その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例
に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を
逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することが
できるものである。
【0039】
【発明の効果】本第1発明の泥水式推進工法によれば、
循環使用する掘削用泥水に分散剤を添加することによ
り、掘削用泥水を低粘性化させ、掘削用泥水の比重を
1.2〜1.4の高比重領域に管理するようにしている
ので、掘削用泥水の比重を従来より高く設定することが
でき、これにより、地山への逸泥を抑制して切羽を安定
させるとともに、廃棄泥水の発生量を削減することがで
き、これにより、地山への逸泥を抑制して切羽を安定さ
せるとともに、廃棄泥水の発生量を削減することがで
き、泥水処理費用、産業廃棄物処分量及び処分費を大幅
に低減することができる。
【0040】また、循環使用する掘削用泥水に予め分散
剤を添加するとともに、排泥用ポンプのポンプ効率が予
め設定した稼動下限値に達した段階で、掘削用泥水に分
散剤を補充添加するようにすることにより、掘削用泥水
の粘度の上昇を、排泥用ポンプのポンプ効率を用いて、
簡易に、かつ分散剤の使用量を極力少なくしながら、抑
制することができる。
【0041】また、分散剤として、分子量5万以下のカ
ルボン酸系重合体又はその中和塩を用いることにより、
掘削用泥水の粘度の上昇を経済的かつ的確に防止するこ
とができ、掘削用泥水の比重を高く設定しても送泥が可
能となり、掘削効率を向上することができるとともに、
掘削用泥水の余剰分を以下に記載するボイド充填材とし
て、利用に供することができる。
【0042】一方、本第2発明の泥水式推進工法によれ
ば、掘削用泥水の余剰分を利用し、余剰泥水に増粘剤を
添加したものを、ボイド充填材として使用するようにし
ているので、高性能のボイド充填材を容易に、かつ低コ
ストで得ることができ、ボイドにこのようにして得られ
た充填材を注入することによりボイドを安定させ、推力
負荷の増大を抑制し、長距離推進を可能とするととも
に、併せて、廃棄泥水の発生量を削減することができ、
泥水処理費用、産業廃棄物処分量及び処分費を大幅に低
減することができる。
【0043】また、増粘剤として、分子量10万〜10
0万のカルボン酸系重合体又はその中和塩を用いること
により、泥水の粘度を高めると同時にチキソトロピー性
を与え、推力負荷の増大を一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の泥水式推進工法の一実施例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 推進機 2 掘削用泥水 3 排泥水 30 一次処理泥水 31 余剰泥水 32 余剰泥水(一部) 4 推進管 5 ボイド 6 ボイド充填材 7 分散剤(分散主剤及び分散助剤) 8 一次処理設備 9 一次処理土 10 調整槽 11 廃棄泥水 12 分散剤添加装置 13 貯泥槽 14 ボイド注入プラント 15 分級サイクロン 16 増粘剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 茂郎 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 蔵野 彰夫 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 伊藤 隆広 大阪府大阪市此花区伝法4丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 山名 守 大阪府大阪市北区芝田2丁目2番1号 新 梅田ビル 南野建設株式会社内 (72)発明者 高橋 正二 大阪府大阪市北区芝田2丁目2番1号 新 梅田ビル 南野建設株式会社内 Fターム(参考) 2D054 AC05 AC18 AD22 DA12 DA33 DA35 FA12 GA67 GA68 4D077 AA10 AB20 AC05 BA02 DD17X DD17Y DE10X DE10Y DE29X DE29Y

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 推進機の切羽部に掘削用泥水を送りなが
    ら掘削を行い、掘削した土砂を排泥水として排出すると
    ともに、該排泥水を掘削用泥水として循環使用する泥水
    式推進工法において、循環使用する掘削用泥水に分散剤
    を添加することにより、掘削用泥水を低粘性化させ、掘
    削用泥水の比重を1.2〜1.4の高比重領域に管理す
    ることを特徴とする泥水式推進工法。
  2. 【請求項2】 循環使用する掘削用泥水に予め分散剤を
    添加するとともに、排泥用ポンプのポンプ効率が予め設
    定した稼動下限値に達した段階で、掘削用泥水に分散剤
    を補充添加することを特徴とする請求項1記載の泥水式
    推進工法。
  3. 【請求項3】 分散剤として、分子量5万以下のカルボ
    ン酸系重合体又はその中和塩を用いることを特徴とする
    請求項1又は2記載の泥水式推進工法。
  4. 【請求項4】 推進機の切羽部に掘削用泥水を送りなが
    ら掘削を行い、掘削した土砂を排泥水として排出すると
    ともに、該排泥水を掘削用泥水として循環使用する泥水
    式推進工法において、掘削用泥水の余剰分を利用し、該
    余剰泥水に増粘剤を添加したものを、ボイド充填材とし
    て使用することを特徴とする泥水式推進工法。
  5. 【請求項5】 増粘剤として、分子量10万〜100万
    のカルボン酸系重合体又はその中和塩を用いることを特
    徴とする請求項4記載の泥水式推進工法。
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