JP3638779B2 - 固体量算定システムおよび方法並びに制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体量算定システムおよび方法並びに制御システムに関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】
従来より泥水処理システムは、各種の分野において広く用いられている。特に、泥水工法の分野では、例えば安定液を用いた立坑の掘削工法や、泥水式シールド工法等において、掘削に伴い発生する固体(土砂、粘土等)と液体(水等)を含む泥水を処理するために用いられている。
【0003】
このような泥水処理システムにおいて、固体を回収する場合は通常、振動篩やサイクロン、回転ドラムを有する固体回収機等が用いられ、回収された固体は土砂ホッパーに蓄積される。掘削機を最適に制御し、切羽安定のための泥水への薬剤添加量を必要最小限に抑えるためにも固体回収量を正確に測定する必要がある。
【0004】
しかし、従来は固体回収量の測定は土砂ホッパーや土砂ホッパーからベルトコンベヤーに送られた固体量を測定していたため、正確な測定量ではなく、測定装置も大がかりなものであった。
【0005】
また、同時に泥水への固体の溶解量を測定できれば、高価な添加剤の泥水への添加量を必要最小限に抑えられる上、さらに適切な掘削制御が行える。
【0006】
本発明の第1の目的は、掘削泥水に含まれる固体量を正確に算定することができる固体量算定システムおよび方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の第2の目的は、得られた固体量に基づき固体回収機や掘削機、添加剤の泥水への添加量等を適切に制御することのできる制御システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の固体量算定システムは、固体と液体を含む泥水の流路に設けられ、前記泥水から固体を分離回収する固体回収装置を有する固体量算定システムにおいて、
前記固体回収装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水の流量を測定する第1の流量測定装置と、
前記固体回収装置の下流側に設けられ、下流側の流路における前記泥水の流量を測定する第2の流量測定装置と、
前記第1の流量測定装置で求められた泥水流量と前記第2の流量測定装置で求められた泥水流量との差に基づき、前記泥水から分離回収した前記固体の回収量を示す固体回収量を演算する演算装置と、
を有し、
前記固体回収装置は、
前記泥水の流路に設けられ、前記固体と前記液体を分離する分離経路と、
この分離経路を洗浄する洗浄手段と、
洗浄液の供給量を測定する洗浄液量測定手段と、
を含んで構成され、
前記演算装置は、前記第1の流量測定装置で求められた泥水流量に前記洗浄液量測定手段で求められた洗浄液供給量を加えた供給流量と前記第2の流量測定装置で求められた泥水流量との差に基づき、前記固体回収量を演算するよう構成されていることを特徴とする。
また、請求項2記載の固体量算定システムは、固体と液体を含む泥水の流路に設けられ、前記泥水から固体を分離回収する固体回収装置を有する固体量算定システムにおいて、
前記固体回収装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水の流量を測定する第1の流量測定装置と、
前記固体回収装置の下流側に設けられ、下流側の流路における前記泥水の流量を測定する第2の流量測定装置と、
前記第1の流量測定装置で求められた泥水流量と前記第2の流量測定装置で求められた泥水流量との差に基づき、前記泥水から分離回収した前記固体の回収量を示す固体回収量を演算する演算装置と、
前記第1の流量測定装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水に含まれる前記固体の流量を示す固体流量を測定する固体流量測定装置と、
を有し、
前記演算装置は、前記固体流量と前記固体回収量との差に基づき、前記固体回収装置の下流側の流路における前記泥水に溶け込んだ固体の溶解量を示す固体溶解量を演算するよう構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、固体回収装置への泥水の供給量と固体回収後の泥水の排出量との差を演算することにより、固体の回収量を簡易かつ正確に測定することができる。
【0010】
なお、ここで「固体」とは、例えば、砂、レキ、粘土等の集合をいう。
【0011】
【0012】
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1において、
前記第1の流量測定装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水に含まれる前記固体の流量を示す固体流量を測定する固体流量測定装置を有し、
前記演算装置は、前記固体流量と前記固体回収量との差に基づき、前記固体回収装置の下流側の流路における前記泥水に溶け込んだ固体の溶解量を示す固体溶解量を演算するよう構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、固体流量測定装置から固体回収装置まで泥水が流れる間に泥水中に溶解した固体の量を測定することができる。なお、固体流量測定装置は切羽近くの前記上流側の流路に設けることが好ましい。
【0015】
なお、ここで「固体流量測定装置」としては、泥水に電波を放射し、泥水中を伝播する電波を受信し、この受信レベルにより固体の密度を演算し、この密度から固体の流量を演算する装置等を適用することが可能である。
【0016】
【0017】
【0018】
また、請求項4記載の制御システムは、請求項2、3のいずれかに記載された前記固体量算定システムと、
前記固体回収量および前記固体溶解量の少なくとも一方に基づき、前記固体回収装置を制御する固体回収制御装置と、
を有することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、測定された固体回収量または固体溶解量の少なくとも一方に基づき、固体回収装置を制御することにより、固体回収量を即座に変更することができる。
【0020】
また、請求項5記載の発明は、請求項4において、
前記固体回収量に基づき、切羽へ供給する泥水への薬剤添加量を制御する薬剤添加制御装置を有することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、正確に測定された固体回収量に基づき、薬剤添加量を制御することにより、より少ない薬剤で適切な泥水掘削を行うことができる。したがって、省資源とコストの削減が実現できる。なお、薬剤としては、泥水の粘性を高める増粘剤、泥水の粘性を下げる分散剤、固体の泥水中への溶解を抑える溶解防止剤等がある。
【0022】
また、請求項6記載の発明は、請求項4、5のいずれかにおいて、
前記固体溶解量に基づき、切羽から前記固体回収装置へ向け送られる泥水への溶解防止剤添加量を制御する溶解防止剤添加制御装置を有し、
この溶解防止剤添加制御装置は、前記固体溶解量が所望の値より多い場合に溶解防止剤を添加するよう構成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、泥水中の固体の溶解率が高い場合に、泥水に溶解防止剤を添加することにより、溶解率を下げ、固体回収率を高めることができる。
【0024】
また、請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれかにおいて、
前記固体回収量および前記固体溶解量の少なくとも一方に基づき、掘削機を制御する掘削制御装置を有することを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、正確に測定された固体回収量に基づき、掘削機を制御することにより、掘削機の制御をより正確に行うことができる。これにより、固体回収量を増加させ、固体回収率を向上させることができる。
【0026】
なお、掘削機の制御としては、ジャッキ速度や、ビットの伸び量、カッター回転速度、ビット角度の変更等がある。
【0027】
また、請求項8記載の発明は、請求項4〜7のいずれかにおいて、
前記固体回収装置は、泥水式シールド工法の1次処理設備において、1次本処理前に用いられる1次前処理装置であることを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、1次前処理装置等の制御により、1次処理前に最大限の固体回収を行うことができ、1次処理以降の処理量を減らし、泥水処理効率を向上させることができる。
【0029】
【0030】
【0031】
また、請求項9記載の固体量算定方法は、切羽の掘削土砂が混合された排泥水に含まれる固体の流量を示す固体流量を測定する固体流量測定工程と、
前記排泥水の流量を測定する第1の流量測定工程と、
前記排泥水から固体を分離回収する固体回収工程と、
この固体回収後の前記泥水の流量を測定する第2の流量測定工程と、
前記第1の流量測定工程での泥水測定量と、前記第2の流量測定工程での泥水測定量との差に基づき、前記固体の分離回収量を示す固体回収量を演算する固体回収量演算工程と、
前記固体流量と、前記固体回収量との差に基づき、前記固体回収後の前記泥水に溶け込んだ固体の溶解量を示す固体溶解量を演算する固体溶解量演算工程と、
を含むことを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、固体流量測定装置から固体回収装置まで泥水が流れる間に泥水中に溶解した固体の量を測定することができる。これにより、泥水への添加剤の添加量を調整すれば、より少ない添加量で最適な掘削を行うことができる。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による泥水処理システムを活用した好適な実施の形態について、泥水式シールド工法を例にとり、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の実施の形態の一例に係る泥水式シールド工法の全体図を示す。
【0044】
泥水式シールド工法は、立坑32を掘削した後、泥水をシールド機34内部のチャンバー42に供給して切羽46の安定を図りながら、シールド機34のカッターディスク40で切羽46を掘削してトンネル36を構築する工法である。 泥水式シールド工法は、シールド機34と、送泥システム43と、排泥システム47と、泥水処理設備30と、切羽安定管理システム58とを有して実現される。
【0045】
泥水処理設備30から送泥システム43を介してシールド機34内部のシールドチャンバー42に送られ、切羽46の安定に用いられた泥水は、シールドチャンバー42内で掘削土砂と撹拌混合され、排泥システム47を介して泥水処理設備30に送り返される。泥水処理設備30では、送り返された泥水から土砂等が分級され、必要な成分調整が行われた後、再度シールド機34へ向け、送り出される。
【0046】
送泥システム43は、泥水処理設備30からチャンバー42までの泥水流路でである送泥管44と、送泥ポンプ96とを含んで構成される。また、排泥システム47は、チャンバー42から泥水処理設備30までの泥水流路である排泥管48と、チャンバー42付近の排泥管48に設けられた排泥ポンプ98と、立坑32底部付近の排泥管48に設けられた中継ポンプ97と、チャンバー42付近の排泥管48に設けられた固体流量計70とを含んで構成されている。
【0047】
切羽安定管理システム58は、主に切羽46の安定を図るためのものであり、シールド機34に近接したトンネル36内に設けられている。切羽安定管理システム58は、分散剤タンク50と、溶解防止剤タンク52と、送泥管44に設けられ、分散剤タンク50から供給された分散剤と泥水とを混合撹拌するスタティックミキサー54とを含んで構成されている。また、溶解防止剤タンク52から供給された溶解防止剤が、必要に応じて排泥管48内の排泥水に添加されるようになっている。
【0048】
泥水処理設備30は、1次処理設備26と、2次処理設備28と、調整槽3とを含んで構成される。
【0049】
排泥システム47から泥水処理設備30に送り返された泥水は、1次処理設備26において、泥水中に含まれる土粒子の粒径が74μm以上の砂、礫、粘土等の固体が分級され、調整槽3に送られる。調整槽3では、泥水は、性状を調整されて送泥システム43に送り出されるとともに、送り出されなかった泥水は2次処理設備28に送られて74μm未満のシルト粘土等が分級され、分級後の泥水が調整槽3に送り返されて循環的に分級される。
【0050】
1次処理設備26における1次処理は、前処理と本処理とに分けられる。前処理は、本処理の負担を軽減する目的で用いられるもので、特に本処理で分離されにくい粘土等の固体分を泥水から分離除去することを目的とする。
【0051】
具体的には、前処理の役目を果たすものとして、1次前処理機20が、本処理の役目を果たすものとして、液体サイクロン17と、振動篩4とが設けられている。さらに、分離した粘土等を貯留するホッパー13が設けられている。
【0052】
排泥システム47から、1次処理設備26に送られた泥水は、1次前処理機20に投入され、泥水に含まれる粘土等の固体分が回収された後、振動篩4に投入され、金網を振動させることにより前処理で除去されなかった砂礫等が分級される。
【0053】
分級後の泥水は、液体サイクロン17に供給され、水流の回転による遠心分離作用により濃縮された泥水は再び振動篩4に送られ、循環的に分級される。1次前処理機20、振動篩4および液体サイクロン17で74μm以上の土砂等が除去された泥水は、調整槽3に送られる。一方、分級された74μm以上の土砂等は、ホッパー13に投入されて一時貯留された後、ダンプトラックにより、処分場に運ばれる。
【0054】
図2は、1次前処理機20の概略図を示す。
【0055】
1次前処理機20は、固体の分離経路となる網目状の回転ドラム172と、回転ドラム172を回転させるモーター170と、回転ドラム172の下方に設けられ、回収されなかった泥水を一時貯留するタンク176とを含んで構成されている。
【0056】
排泥水は、排泥システム47から管142を介して1次前処理機20に送られる。回転ドラム172は、その一端が排泥水の供給口で、他端が分離した固体の排出口となっており、排泥水が自重で供給口から排出口へ向けて流れるよう、供給口は排出口より上部の位置に設けられている。
【0057】
すなわち、供給口に供給された排泥水のうち、回転ドラム172の網目から漏れなかった固体分は、自重で排出口から排出され、回転ドラム172の網目から漏れた排泥水はタンク176に貯留される。この際、モーター170により分離性能を調整できる。
【0058】
また、1次前処理機20のタンク176に貯留された泥水は、タンク176底部付近に設けられたポンプ90により管140を介して振動篩4へ向け圧送される。
【0059】
管142には1次前処理機20に送られる泥水の流量を測定する第1の流量計162が設けられ、管140には1次前処理機20での固体回収後の泥水の流量を測定する第2の流量計160が設けられている。これらの流量計160、162は、通常用いられるもので、安価かつ簡易に測定できる。
【0060】
図2に示すように、流量計160および流量計162はできるだけ1次前処理機20に近い位置に設けることが好ましい。近い位置に設けることにより、固体回収時と泥水測定時のタイムラグがほとんどないため、正確に固体量を測定できる。
【0061】
また、1次前処理機20による固体回収は、回転ドラム172を回転させることと、回転ドラム172への泥水供給口付近にエアと洗浄水を供給することにより調整される。これらを供給する理由は、回転ドラム172に供給される排泥水は、粘土等のため網目に付着しやすく、この付着物を洗浄水により洗浄して洗い流したり、エアで吹き飛ばすことにより、良好に固体回収を行うためである。
【0062】
エアの供給は管144を介してコンプレッサー80により、洗浄水の供給は、管146を介し、図示しない洗浄水タンクから送られた洗浄水を圧送するポンプ92により、上記の供給口付近の管144、146先端の各ノズルから回転ドラム172内に供給される。
【0063】
泥水の流れは以上説明したとおりであり、以下に固体回収量の演算と制御について説明する。
【0064】
図3は、固体回収量の演算と制御の流れを示すフローチャートを示す。
【0065】
まず、流量計162により1次前処理機20への泥水の供給量V1が求められる(ステップ2)。また、洗浄水の流量V2は、ポンプ92と回転ドラム172との間の洗浄水流路に設けられた流量計164を用いて測定される(ステップ4)。ここで用いる流量計164も流量計160、162と同様のものでよい。
【0066】
1次前処理機20から送出される泥水の流量V3は、流量計160を用いて測定される(ステップ6)。
【0067】
以上のようにして求められたV1、V2、V3から固体回収量Vが求められる。演算式は、V=V1+V2−V3であり、図2に示す演算装置180により求められる(ステップ8)。
【0068】
このようにして、固体回収量Vを求めることができる。この式から分かるように、固体回収効果を高めるため、洗浄水を、固体を含んだ泥水に添加した場合でも、洗浄水添加量を考慮した演算が行えるため、固体回収量を正確に演算できる。
【0069】
なお、洗浄を行わないときは、上記の演算式をV=V1−V3として演算すればよい。
【0070】
また、求められた固体回収量Vに基づき、切羽安定と固体回収率向上のため、所定の制御を行うことが重要である。
【0071】
図1〜図3に示すように、制御装置182により、演算された固体回収量を所望の値と比較し(ステップ10)、所望の値より固体回収量が少ない場合、シールド機34のジャッキ速度と伸縮可能な先行ビット伸び量を増加させ、カッター40の回転速度を減少させ、切羽に供給する分散剤の添加量を減少させ、さらに、コンプレッサー80およびポンプ92を制御し、1次前処理機20に供給するエア量と洗浄水量を減少させる(ステップ14)。
【0072】
なお、所望の固体回収量以上の場合は特に制御する必要はないが、必要に応じて制御することは可能である。
【0073】
このように、1次前処理機20等の制御により、1次処理前に最大限の固体回収を行うことができ、1次処理以降の処理量を減らし、泥水処理効率を向上させることができる。
【0074】
ここで、伸縮可能な先行ビットとは、カッター40に設けられたカッタービットの一部を他のカッタービットに先行して地山掘削を行うビットであって、伸縮可能なものをいい、本出願人が先に出願した特許出願による明細書出願書面(特開平8−312293)に記載されたものである。
【0075】
正確に演算された固体回収量に基づき、掘削機を制御することにより、掘削機の制御をより正確に行うことができる。これにより、固体回収量を増加させ、固体回収率を向上させることができる。
【0076】
また、固体回収装置20を制御することにより、固体回収量を即座に変更することができる。これにより、切羽46の安定が図れ、固体回収率を向上させることもできる。
【0077】
さらに、正確に演算された固体回収量に基づき、分散剤添加量を制御することにより、より少ない薬剤で適切な泥水掘削を行うことができる。したがって、省資源とコストの削減が実現できる。なお、分散剤以外の薬剤、例えば増粘剤等を添加してもよい。
【0078】
図4は、固体溶解量の演算と制御の流れを示すフローチャートの一例である。泥水中に溶解する固体分を測定し、溶解率を減少させることにより、さらに固体回収率を向上させることができる。
【0079】
まず、排泥管48中の泥水の固体量を固体流量計70により測定する(ステップ20)。この測定は、本願出願人が先に出願した特許出願による明細書(特開平9−159595および特開平9−159623)に記載された電波を用いた測定装置を用いて行うことが好ましい。
【0080】
この測定装置は、泥水に電波を放射し、泥水中を伝播する電波を受信し、この受信レベルにより固体の密度を演算し、この密度から固体の流量を演算する装置である。このため、複雑かつ高価であるが、正確に測定できる。
【0081】
図1に示す固体流量計70にはこの測定装置を用いている。図1に示すように、固体流量計70は切羽46近くの排泥管48に設けられている。これにより、排泥管48を経過する間の固体量をより適切に測定できる。ここで、固体流量計70で測定された固体量をV4とする。
【0082】
次に、上述した手順と同じように、流量計162で泥水流量V1を測定し(ステップ22)、流量計164で洗浄水量V2を測定し(ステップ24)、流量計160で泥水流量V3を測定する(ステップ26)。
【0083】
次に、演算装置180により、固体溶解量V0を演算する(ステップ28)。ここで、V0=V4−(V1+V2−V3)である。
【0084】
この演算結果に基づき、制御装置182を用いて所定の制御を行う。固体溶解量V0が所望の溶解量より多い場合(ステップ30)は、排泥管中で固体が溶解しすぎているため、排泥ポンプ98を制御し、排泥流速を減少させ、溶解防止剤タンク52からの溶解防止剤の排泥水への添加量を増加させる(ステップ32)。
【0085】
なお、所望の溶解量以下の場合は特に制御する必要はないが、必要に応じて制御することは可能である。
【0086】
以上の制御システムによれば、固体流量計70から1次前処理機20まで泥水が流れる間に泥水中に溶解した固体の量を測定することができる。この測定結果に基づき、泥水への添加剤の添加量を調整すれば、より少ない添加量で最適な掘削を行うことができる。
【0087】
なお、固体溶解量の演算結果に基づき、固体回収量の演算結果に基づいて行っていた制御を行ってもよい。
【0088】
以上のようにして、掘削泥水に含まれる固体量を簡易かつ正確に測定し、得られた固体量に基づき1次前処理機や掘削機、添加剤の泥水への添加量等を適切に制御することができる。
【0089】
なお、本実施の形態は、上述した泥水シールド工法に限られない。例えば、リバース工法や、地中連続壁工法といった各種の泥水工法に適用することができる。
【0090】
また、上記の例では1次前処理機での固体量測定の例を示したが、1次前処理機を、1次処理設備や、泥水処理設備と置き換えれば、これらの設備での固体量測定も可能である。
【0091】
なお、制御対象はあくまで一例であり、これら以外の制御、例えばビット角度の変更等の制御も可能である。また、演算装置180および制御装置182は、図2では1次前処理機20の近くに設けられているが、設ける位置は任意である。例えばトンネル36内の切羽安定システム58付近に設けてもよい。
【0092】
また、本実施の形態では、制御装置182を一体として設けているが、1次前処理機20等の固体回収装置を制御する固体回収制御装置、切羽へ供給する増粘剤等の薬剤添加量を制御する薬剤添加制御装置、切羽から1次前処理機20等の固体回収装置へ向け送られる泥水への溶解防止剤添加量を制御する溶解防止剤添加制御装置、掘削機を制御する掘削制御装置といった具合に各制御に対して制御装置を設けてもよい。
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例に係る泥水式シールド工法の全体図である。
【図2】 1次前処理機の概略図である。
【図3】 固体回収量の演算と制御の流れを示すフローチャートの一例である。
【図4】 固体溶解量の演算と制御の流れを示すフローチャートの一例である。
【符号の説明】
3 調整槽
20 1次前処理機
70 固体流量計
90、92 ポンプ
160〜164 流量計
170 モータ
176 タンク
180 演算装置
182 制御装置
Claims (9)
- 固体と液体を含む泥水の流路に設けられ、前記泥水から固体を分離回収する固体回収装置を有する固体量算定システムにおいて、
前記固体回収装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水の流量を測定する第1の流量測定装置と、
前記固体回収装置の下流側に設けられ、下流側の流路における前記泥水の流量を測定する第2の流量測定装置と、
前記第1の流量測定装置で求められた泥水流量と前記第2の流量測定装置で求められた泥水流量との差に基づき、前記泥水から分離回収した前記固体の回収量を示す固体回収量を演算する演算装置と、
を有し、
前記固体回収装置は、
前記泥水の流路に設けられ、前記固体と前記液体を分離する分離経路と、
この分離経路を洗浄する洗浄手段と、
洗浄液の供給量を測定する洗浄液量測定手段と、
を含んで構成され、
前記演算装置は、前記第1の流量測定装置で求められた泥水流量に前記洗浄液量測定手段で求められた洗浄液供給量を加えた供給流量と前記第2の流量測定装置で求められた泥水流量との差に基づき、前記固体回収量を演算するよう構成されていることを特徴とする固体量算定システム。 - 固体と液体を含む泥水の流路に設けられ、前記泥水から固体を分離回収する固体回収装置を有する固体量算定システムにおいて、
前記固体回収装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水の流量を測定する第1の流量測定装置と、
前記固体回収装置の下流側に設けられ、下流側の流路における前記泥水の流量を測定する第2の流量測定装置と、
前記第1の流量測定装置で求められた泥水流量と前記第2の流量測定装置で求められた泥水流量との差に基づき、前記泥水から分離回収した前記固体の回収量を示す固体回収量を演算する演算装置と、
前記第1の流量測定装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水に含まれる前記固体の流量を示す固体流量を測定する固体流量測定装置と、
を有し、
前記演算装置は、前記固体流量と前記固体回収量との差に基づき、前記固体回収装置の下流側の流路における前記泥水に溶け込んだ固体の溶解量を示す固体溶解量を演算するよう構成されていることを特徴とする固体量算定システム。 - 請求項1において、
前記第1の流量測定装置の上流側に設けられ、上流側の流路における前記泥水に含まれる前記固体の流量を示す固体流量を測定する固体流量測定装置を有し、
前記演算装置は、前記固体流量と前記固体回収量との差に基づき、前記固体回収装置の下流側の流路における前記泥水に溶け込んだ固体の溶解量を示す固体溶解量を演算するよう構成されていることを特徴とする固体量算定システム。 - 請求項2、3のいずれかに記載された前記固体量算定システムと、
前記固体回収量および前記固体溶解量の少なくとも一方に基づき、前記固体回収装置を制御する固体回収制御装置と、
を有することを特徴とする制御システム。 - 請求項4において、
前記固体回収量に基づき、切羽へ供給する泥水への薬剤添加量を制御する薬剤添加制御装置を有することを特徴とする制御システム。 - 請求項4、5のいずれかにおいて、
前記固体溶解量に基づき、切羽から前記固体回収装置へ向け送られる泥水への溶解防止剤添加量を制御する溶解防止剤添加制御装置を有し、
この溶解防止剤添加制御装置は、前記固体溶解量が所望の値より多い場合に溶解防止剤を添加するよう構成されていることを特徴とする制御システム。 - 請求項4〜6のいずれかにおいて、
前記固体回収量および前記固体溶解量の少なくとも一方に基づき、掘削機を制御する掘削制御装置を有することを特徴とする制御システム。 - 請求項4〜7のいずれかにおいて、
前記固体回収装置は、泥水式シールド工法の1次処理設備において、1次本処理前に用いられる1次前処理装置であることを特徴とする制御システム。 - 切羽の掘削土砂が混合された排泥水に含まれる固体の流量を示す固体流量を測定する固体流量測定工程と、
前記排泥水の流量を測定する第1の流量測定工程と、
前記排泥水から固体を分離回収する固体回収工程と、
この固体回収後の前記泥水の流量を測定する第2の流量測定工程と、
前記第1の流量測定工程での泥水測定量と、前記第2の流量測定工程での泥水測定量との差に基づき、前記固体の分離回収量を示す固体回収量を演算する固体回収量演算工程と、
前記固体流量と、前記固体回収量との差に基づき、前記固体回収後の前記泥水に溶け込んだ固体の溶解量を示す固体溶解量を演算する固体溶解量演算工程と、
を含むことを特徴とする固体量算定方法。
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