JP2000159042A - 衝撃吸収式電動パワーステアリング装置 - Google Patents
衝撃吸収式電動パワーステアリング装置Info
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Abstract
増大を図った衝撃吸収式電動パワーステアリング装置を
提供する。 【解決手段】 アウトプットシャフト17は、先端にユ
ニバーサルジョイント23のジョイントヨーク61が溶
接・一体化されたアウタチューブ63と、アウタチュー
ブ63に嵌挿されたインナシャフト65とからなってい
る。アウタチューブ63とインナシャフト65とは、セ
レーション結合されると共に、アウタチューブ63に形
成された貫通孔67とインナシャフト65に形成された
環状溝69とが樹脂ピン51により係止されている。
Description
ワーステアリング装置に係り、詳しくは、一次衝突時に
おける衝撃エネルギ吸収量の増大を図る技術に関する。
た場合、ステアリングギヤを保持するクロスメンバ等が
後退し、ステアリングシャフトが車室内に進入する虞が
ある。そこで、近年の自動車では、このような事態を未
然に防ぐべく、特開平10−76958号公報等に記載
されたように、衝撃吸収式ステアリング装置が広く採用
されている。衝撃吸収式ステアリング装置は、ステアリ
ングシャフトなどが衝撃エネルギを吸収しながらコラプ
ス(短縮動)するもので、ステアリングシャフトをアウ
タシャフトとインナシャフトとに分割すると共に、両シ
ャフトをセレーション等により摺動可能に結合させたも
のが一般的である。通常、アウタシャフトとインナシャ
フトとの間には、コラプスに抗する衝撃吸収機構が設け
られており、所定値以上の軸方向荷重が作用したときに
ステアリングシャフトなどがコラプスし、その際にエネ
ルギ吸収手段により衝撃エネルギが吸収される。
しては、エンジンの駆動損失を抑制すると共に小排気量
の軽自動車等への採用も可能にするべく、電動モータを
動力源とする電動パワーステアリング装置(以下、EP
S:Electric Power Steering system と記す)の開発
が進められている。EPSは、電動モータの装着部位に
よってコラムアシスト型やピニオンアシスト型等に分類
され、その型式に応じてステアリングシャフトやステア
リングギヤピニオン等に対してアシストが行われる。コ
ラムアシスト型のEPSでは、前述した特開平10−7
6958号公報等に記載されたように、ステアリングコ
ラムの先端に車体側構造部材に固定される減速ギヤボッ
クスが一体化され、この減速ギヤボックスに電動モータ
が取り付けられている。電動モータの回転は、減速ギヤ
ボックスに収納されたウォーム減速機構により減速され
た後、ステアリングシャフトの一部を構成するアウトプ
ットシャフトに伝達される。
テアリング装置にコラムアシスト型のEPSを採用した
場合、以下に述べる理由により、一次衝突時における衝
撃による変位量の吸収が十分に行われないことがあっ
た。通常、この種のステアリング装置においては、車室
側のステアリングシャフトに、ステアリングホイールが
装着される第1のステアリングシャフト(ステアリング
アッパシャフト)と、アウトプットシャフトにユニバー
サルジョイントを介して連結される第2のステアリング
シャフト(ステアリングインタミシャフトあるいはステ
アリングロアシャフト)とに分割される。ところが、第
1のステアリングシャフト側に二次衝突に対応する衝撃
エネルギ吸収機構が設けられる、減速ギヤボックスが前
方に位置することになり、第2のステアリングシャフト
の全長が通常のものより短くなることが多い。そのた
め、二次衝突側での変位吸収量を維持するために、一次
衝突によるステアリングギヤ後退等により、車体側構造
部材が変形したりすることによる変位を、第2のステア
リングシャフトの衝撃吸収機構で吸収し切れず、車体側
構造部材から減速ギヤボックスが脱落し、第1のステア
リングシャフトが運転者側に後退する虞があった。本発
明は、上記状況に鑑みなされたもので、一次衝突時にお
ける衝撃による変位吸収量の増大を図った衝撃吸収式電
動パワーステアリング装置を提供することを目的とす
る。
解決するべく、ステアリングコラムの先端に取り付けら
れ、車体側構造部材に固定されると共に、減速ギヤ機構
と電動モータとの保持に供される減速ギヤボックスと、
この減速ギヤボックスに回動自在に保持されると共に、
ステアリングシャフトの一部を構成するアウトプットシ
ャフトと、このアウトプットシャフトにユニバーサルジ
ョイントを介して連結されると共に、その一部に衝撃吸
収機構を備えた第2のステアリングシャフトとを有する
衝撃吸収式電動パワーステアリング装置において、前記
アウトプットシャフトと前記ユニバーサルジョイントと
の間にも衝撃に伴って全長が縮まる吸収機構が設けられ
たものを提案する。この発明によれば、一次衝突時にお
ける衝撃による変位は、第2のステアリングシャフトに
設けられた衝撃エネルギ吸収機構のみならず、アウトプ
ットシャフトとユニバーサルジョイントとの間に設けら
れた衝撃吸収機構によっても吸収され、車体側構造部材
の変形や減速ギヤボックスの脱落が起こり難くなる。
参照して説明する。図1は、本発明に係る衝撃吸収式電
動パワーステアリング装置の車室側部分を示す側面図で
あり、同図中の符号1はステアリングコラムを示す。ス
テアリングコラム1は、チルト機構3とピボットピン5
とを介して、車体構造部材たるクロスメンバ7,9に固
定されている。ステアリングコラム1には、その内部に
第1のステアリングシャフトたるステアリングアッパシ
ャフト11が回動自在に支持されると共に、先端部に電
動モータ13や減速ギヤボックス15,アウトプットシ
ャフト17等からなる電動アシスト機構19が一体化さ
れている。
は、アルミ合金を素材とする鋳造品であり、その上部に
は前述したピボットピン5が回動自在に保持されてい
る。図1中、21は第2のステアリングシャフトたるス
テアリングインタミシャフトであり、ユニバーサルジョ
イント23を介してアウトプットシャフト17の先端に
連結されている。
はステアリングホイール25が取り付けられており、運
転者がステアリングホイール25を回動させると、その
回転力が電動アシスト機構19により増大された後、ア
ウトプットシャフト17を介してステアリングインタミ
シャフト21に伝達され、更に図示しないステアリング
ロアシャフトを介してステアリングギヤに伝達される。
ように、ステアリングインタミシャフト21は、先端に
ジョイントヨーク31が溶接・一体化された第1アウタ
チューブ33と、第1アウタチューブ33の後方に配置
された第2アウタチューブ35と、両アウタチューブ3
3,35に嵌挿されたインナシャフト37とからなって
いる。両アウタチューブ33,35とインナシャフト3
7とは、それぞれセレーション結合されると共に、両ア
ウタチューブ33,35に形成された貫通孔41,43
とインナシャフト37に形成された環状溝45,47と
が樹脂ピン51,53により係止されている。図2中、
55はインナシャフト37に形成された小径の脆弱部で
ある。
示したように、アウトプットシャフト17も、先端にユ
ニバーサルジョイント23のジョイントヨーク61が溶
接・一体化されたアウタチューブ63と、アウタチュー
ブ63に嵌挿されたインナシャフト65とからなってい
る。アウタチューブ63とインナシャフト65とは、セ
レーション結合されると共に、アウタチューブ63に形
成された貫通孔67とインナシャフト65に形成された
環状溝69とが樹脂ピン51により係止されている。
ウトプットシャフト17においては、図4の要部断面図
に示したように、インナシャフト65側には衝撃吸収機
構として不完全セレーション部71が一部に形成されて
いる。この不完全セレーション部71は図5に示したよ
うに、セレーションの谷部を一部切り残したもので、ア
ウタチューブ63内をインナシャフト65が摺動する際
に大きな抵抗となる。尚、不完全セレーション部71の
前後端には傾斜が設けられており、アウタチューブ63
内をインナシャフト65が摺動する際において、アウタ
チューブ63側のセレーションとの囓りや急激な荷重変
動が防止される。
の衝突に伴いステアリングギヤを保持したクロスメンバ
等が後退した場合、図示しないステアリングロアシャフ
トを介して、ステアリングインタミシャフト21には大
きな軸方向荷重が作用する。すると、ステアリングイン
タミシャフト21では、樹脂ピン51,53の頭部が切
断され、図6に示したように、第1,第2アウタチュー
ブ33,35内にインナシャフト37が進入する。これ
により、ステアリングインタミシャフト21は所定量コ
ラプスし、衝撃による変位の吸収がなされる。
荷重は、ステアリング21に連結されたアウトプットシ
ャフト17にも作用する。したがって、アウトプットシ
ャフト17においても、樹脂ピン51が切断され、図6
に示したように、アウタチューブ63内にインナシャフ
ト65が進入する。これにより、アウトプットシャフト
17は所定量コラプスし、衝撃の吸収がなされる。ま
た、吸収機構を設ける場合は、不完全セレーション部7
1による摺動抵抗により衝撃エネルギの吸収がなされ
る。
グインタミシャフト21のみならず、アウトプットシャ
フト17においても衝撃エネルギが吸収されるため、従
来装置に較べてクロスメンバ9の変形や減速ギヤボック
ス15の脱落が遙かに起こり難くなった。尚、本実施形
態の場合、ステアリングインタミシャフト21およびア
ウトプットシャフト17により衝撃エネルギが完全に吸
収できない場合、図7に示したように、ステアリングイ
ンタミシャフト21側のインナシャフト37が脆弱部5
5で折れ曲り、減速ギヤボックス15やクロスメンバ9
に過大な荷重が掛かることが防止される。折れ曲がりの
手段としては、他にベローズタイプなどでも良い。又、
折れ曲がらなくても、折損させる手段でも過大な荷重が
掛かることが防止される。
の三つの変形例をそれぞれ示してある。図8に示した第
1の変形例では、インナシャフト65の一部に凹部81
を形成し、この凹部81に鋼球83を収納したもので、
鋼球83がアウタチューブ63側のセレーションの山部
と所定の圧力をもって圧接している。この変形例によれ
ば、アウタチューブ63内をインナシャフト65が摺動
する際に、鋼球83と圧接したアウタチューブ63側の
セレーションの山部が塑性あるいは弾性変形し、その変
形抵抗により衝撃エネルギが吸収される。
83を120゜間隔で3箇所に設けたもので、第1の変
形例に較べて衝撃エネルギの吸収量が容易に調整可能と
なる他、各鋼球83の軸方向位置をずらすことでピーク
荷重の発生を抑制することも可能となる。一方、図10
に示した第3の変形例は、真円形状のアウタチューブ6
3とインナシャフト(インナチューブ)65とを嵌合さ
せた上で、その一部を楕円形状に変形させたもので、摺
動時に両者が弾性あるいは塑性変形することで衝撃エネ
ルギが吸収される。尚、第3の変形例においては、アウ
タチューブ63とインナシャフト65とを単なる円管と
してもよいし、セレーション接合してもよい。
本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態はチルト機構を有する衝撃吸収式
電動パワーステアリング装置に本発明を適用したもので
あるが、チルト機構を備えないものに適用してもよい。
また、ステアリングインタミシャフトやアウトプットシ
ャフトに設けるコラプシブル機構や衝撃エネルギ吸収機
構としては、実施形態で挙げたセレーションタイプの
他、スプラインやボールを埋め込んだタイプ等を採用し
てもよい。その他、ステアリング装置の具体的構成につ
いても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適宜
変更可能である。
収式電動パワーステアリング装置によれば、ステアリン
グコラムの先端に取り付けられ、車体側構造部材に固定
されると共に、減速ギヤ機構と電動モータとの保持に供
される減速ギヤボックスと、この減速ギヤボックスに回
動自在に保持されると共に、ステアリングシャフトの一
部を構成するアウトプットシャフトと、このアウトプッ
トシャフトにユニバーサルジョイントを介して連結され
ると共に、その一部に衝撃吸収機構を備えた第2のステ
アリングシャフトとを有する衝撃吸収式電動パワーステ
アリング装置において、前記アウトプットシャフトと前
記ユニバーサルジョイントとの間に衝撃エネルギ吸収機
構が設けられたものとしたため、一次衝突時における衝
撃の吸収は、第2のステアリングシャフトに設けられた
衝撃吸収機構のみならず、アウトプットシャフトとユニ
バーサルジョイントとの間に設けられた衝撃吸収機構に
よっても吸収され、車体側構造部材の変形や減速ギヤボ
ックスの脱落が起こり難くなる。従って、二次衝突側の
吸収機構に影響を及ぼさず、又本発明の吸収機構が、一
次衝突時で作用する必要がない場合では、二次衝突時
に、ステアリングコラム全体が移動した際に、本部位で
吸収可能である。
グ装置を示す側面図である。
要部縦断面図である。
面図である。
面図である。
断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】後端部にステアリングホイールが装着され
る第1のステアリングシャフトと、 その内部に前記第1のステアリングシャフトを回動自在
に支持するステアリングコラムと、 このステアリングコラムの先端に取り付けられ、車体側
構造部材に固定されると共に、減速ギヤ機構と電動モー
タとの保持に供される減速ギヤボックスと、 この減速ギヤボックスに回動自在に保持されると共に、
ステアリングシャフトの一部を構成するアウトプットシ
ャフトと、 このアウトプットシャフトにユニバーサルジョイントを
介して連結されると共に、その一部に衝撃吸収機構を備
えた第2のステアリングシャフトとを有する衝撃吸収式
電動パワーステアリング装置において、 前記アウトプットシャフトと前記ユニバーサルジョイン
トとの間に衝撃に伴って全長が縮まる機構が設けられた
ことを特徴とする衝撃吸収式電動パワーステアリング装
置。
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