JP2000158585A - ラミネート金属板の製造方法 - Google Patents

ラミネート金属板の製造方法

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JP2000158585A JP10340359A JP34035998A JP2000158585A JP 2000158585 A JP2000158585 A JP 2000158585A JP 10340359 A JP10340359 A JP 10340359A JP 34035998 A JP34035998 A JP 34035998A JP 2000158585 A JP2000158585 A JP 2000158585A
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    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、耐熱性、耐衝撃性、味特性に優れる
ラミネート金属板の製造方法を提供する。 【解決手段】 固体高分解能NMRによる構造解析にお
ける1、4位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρが15
0msec以上である二軸延伸ポリエステルフィルムを
金属板の少なくとも片面にラミネートする際に、ラミネ
ート開始時の金属板の温度T0をフィルムの融点Tf
上、ラミネートロールニップ出側の金属板の温度T1
フィルムの融点Tf以下にするとともに、更に下式で定
義されるラミネートインデックスKを1〜20msec
の範囲内にしてラミネートする。但し、K=(T0
f)×t/(T0−T1)、t:ニップ時間。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容器用フイルムラミ
ネート金属板に関するものである。更に詳しくは成形
性、耐衝撃性、味特性、耐レトルト白化性に優れる、絞
り成形やしごき成形等の成形加工によって製造される金
属缶の蓋や胴の素材に好適なラミネート金属板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶の缶内面及び外面は腐食防
止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の各種熱
硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布
し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しか
しながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料の
乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有機
溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、金属
缶の材料である鋼板、アルミニウム板等の金属板あるい
は該金属板にめっき等各種の表面処理を施した金属板に
フイルムをラミネートする方法がある。そして、フイル
ムのラミネート金属板を絞り成形やしごき成形加工して
金属缶を製造する場合、ラミネート金属板には次のよう
な特性が要求される。 (1)フィルムと金属板との接着性に優れていること。 (2)成形性に優れ、成形後にピンホールなどの欠陥を
生じないこと。 (3)金属缶に対する衝撃によって、フイルムが剥離し
たり、クラック、ピンホールが発生したりしないこと。 (4)缶の内容物の香り成分がフイルムに吸着したり、
フイルムの臭いによって内容物の風味がそこなわれない
こと(以下味特性と記載する)。 (5)絞り成形や蓋成形の後、印刷やシール剤硬化のた
め、あるいは内容物充填後の蒸気殺菌工程において、加
熱を受けた際に、フィルム外観が白く変色しないこと
(耐レトルト白化性)。
【0004】これらの要求を解決するために多くの提案
がなされており、例えば特開昭64−22530号公報
には特定の密度、面配向係数を有する金属板ラミネート
用ポリエステルフイルム、特開平2−57339号公報
には特定の結晶性を有する金属板ラミネート用共重合ポ
リエステルフイルム等が開示されている。しかしなが
ら、これらの提案は上述のような多岐にわたる要求特性
を総合的に満足できるものではなく、特に高度な成形
性、優れた味特性が要求される用途では十分に満足でき
るレベルにあるとは言えなかった。
【0005】また、特開平9−141735号公報に
は、特定の構造を有する金属板ラミネート用ポリエステ
ルフイルム等が開示されている。この提案によって多岐
にわたる要求特性がある程度解決されるが、缶に成形す
る際の成形加工熱や成形後の加熱工程、内容物の充填後
の高温殺菌工程で、密着性の劣化やフィルム外観の白
化、加工性の劣化等が生じる難点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解消することにあり、成形性、
耐熱性、耐衝撃性、味特性に優れるラミネート金属板の
製造方法、特に絞り成形やしごき成形等の成形加工によ
って製造される、成形性、耐衝撃性、味特性、耐レトル
ト白化性に優れた金属缶の素材に好適なラミネート金属
板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の手段は以下の通りである。
【0008】(1)固体高分解能NMRによる構造解析
における1、4位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρが
150msec以上である二軸延伸ポリエステルフィル
ムを金属板の少なくとも片面にラミネートする際に、ラ
ミネート開始時の金属板の温度T0をフィルムの融点Tf
以上、ラミネートロールニップ出側の金属板の温度T 1
をフィルムの融点Tf以下にするとともに、更に下式で
定義されるラミネートインデックスKを1〜20mse
cの範囲内にしてラミネートすることを特徴とするラミ
ネート金属板の製造方法。 K=(T0−Tf)×t/(T0−T1) 但し、t:ニップ時間
【0009】(2)前記(1)において、ニップ時間t
が0.005〜0.05secの範囲内であることを特
徴とするラミネート金属板の製造方法。
【0010】(3)前記(1)または(2)において、
フィルムを構成するポリエステル単位の90モル%以上
がエチレンテレフタレート単位であることを特徴とする
ラミネート金属板の製造方法。
【0011】(4)前記(1)〜(3)において、フィ
ルムを構成するポリエステル単位の95モル%以上がエ
チレンテレフタレート単位であることを特徴とするラミ
ネート金属板の製造方法。
【0012】(5)前記(1)〜(4)において、フィ
ルムの面配向係数が0.14以下であることを特徴とす
るラミネート金属板の製造方法。
【0013】(6)前記(1)〜(5)において、フィ
ルムが少なくとも2層以上から構成され、非ラミネート
面とラミネート面を形成する各層の固有粘度差が0.0
1〜0.5であることを特徴とするラミネート金属板の
製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、鋭意検討の結果、フィ
ルム分子鎖の安定性、運動性を制御した二軸延伸ポリエ
ステルフィルムと、その運動性の制御を損なわないラミ
ネート時の温度と時間の条件を組み合わせることによ
り、製缶工程での加熱履歴を経た後も、成形性、味特性
が良好で、特に耐衝撃性と耐白化性に優れるラミネート
鋼板が得られることを見出したことに基くものである。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いるポリエステルとは、ジカルボン酸成分とグ
リコール成分からなるポリマであり、ジカルボン酸成分
としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等
の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等
の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等
の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸等を挙げることができる。なかでもこれらの
ジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸が耐熱性、味特
性の点から好ましい。
【0016】一方、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールS等の芳香族グリコール等が挙げられ
る。中でもこれらのグリコール成分のうちエチレングリ
コールが好ましい。なお、これらのジカルボン酸成分、
グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
【0017】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロール
プロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
【0018】本発明において、使用するポリエステル中
に含有されるアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、
チタン化合物から任意に選択される金属化合物の金属元
素量は、耐熱性、味特性の点で、0.01ppm以上1
000ppm未満とすることが好ましく、さらに好まし
くは0.05ppm以上800ppm未満、特に好まし
くは0.1ppm以上500ppm未満である。
【0019】主としてゲルマニウム化合物が含有されて
いると、製缶工程で乾燥、レトルト処理などの高温熱履
歴を受けた後の味特性が良好となるので好ましい。ま
た、主としてアンチモン化合物を含有すると、副生成す
るジエチレングリコール量が低減でき耐熱性が良好とな
るので好ましい。また熱安定剤としてリン化合物を10
〜200ppm、好ましくは15〜100ppm加えて
も良い。リン化合物としては、リン酸や亜リン酸化合物
などが挙げられるが、特に限定するものではない。
【0020】本発明で使用するポリエステルは、好まし
くはジエチレングリコール成分量が0.01〜3.0重
量%、さらに好ましくは0.02〜2.5重量%、特に
好ましくは0.1〜2.0重量%であることが、製缶工
程での良好な成形性あるいは製缶工程での熱処理、製缶
後のレトルト処理などの多くの熱履歴を受けても良好な
耐衝撃性を維持する上で望ましい。これによって、20
0℃以上での耐酸化分解性が向上するものと考えられ、
さらに公知の酸化防止剤を0.0001〜1重量%添加
してもよい。
【0021】また、味特性を良好にする上で、ポリエス
テル中のアセトアルデヒドの含有量は好ましくは30p
pm以下、さらに好ましくは25ppm以下、特に好ま
しくは20ppm以下が望ましい。アセトアルデヒドの
含有量が30ppmを越えると味特性に劣る。ポリエス
テル中のアセトアルデヒドの含有量を30ppm以下と
する方法は特に限定されるものではないが、例えばポリ
エステルを重縮反応等で製造する際の熱分解によって生
じるアセトアルデヒドを除去するため、ポリエステルを
減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において、ポリエス
テルの融点以下の温度で熱処理する方法、好ましくはポ
リエステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下におい
て150℃以上、融点以下の温度で固相重合する方法、
ベント式押出機を使用して溶融押出する方法、ポリマを
溶融押出する際に押出温度を高融点ポリマ側の融点+3
0℃以内、好ましくは融点+25℃以内で、短時間、好
ましくは平均滞留時間1時間以内で押出す方法等を挙げ
ることができる。
【0022】また、本発明で使用するポリエステルは、
味特性の点から、ポリエステル中のオリゴマの含有量を
1.0重量%以下とすることが好ましく、さらに好まし
くは0.8重量%以下、より好ましくは0.7重量%以
下とすることが好ましい。ポリエステル中のオリゴマ含
有量が1.0重量%を越えると味特性に劣り好ましくな
い。ポリエステル中のオリゴマ含有量が1.0重量%以
下とする方法は特に限定されるものではないが、上述の
ポリエステル中のアセトアルデヒド含有量を低減させる
方法と同様の方法等を採用することで達成できる。
【0023】本発明で使用するポリエステルとしてはポ
リエステルエチレンテレフタレートを主たる構成成分と
するポリエステルが好ましく、繰り返し単位の90モル
%以上がエチレンテレフタレートであることが成形性、
耐経時性向上の点から好ましい。また、さらに好ましく
は95モル%以上あることが、特に味特性、耐衝撃性を
向上させる点からも望ましい。ポリエステルは、耐熱
性、味特性、耐経時性等の点から融点が230℃以上で
あることが好ましく、さらに好ましくは240℃以上、
特に好ましくは250℃以上である。
【0024】また、本発明において、特に耐衝撃性、味
特性を良好にするためには、好ましくはポリエステルの
固有粘度が0.5以上1.0以下、さらに好ましくは固
有粘度が0.55以上1.0以下、特に好ましくは固有
粘度が0.6以上1.0以下であると、ポリマ分子鎖の
絡み合い密度が高まるためと考えられるが、耐衝撃性、
味特性をさらに向上させることができるので好ましい。
【0025】また、本発明で用いるフイルムの取扱い
性、加工性を向上させるために、平均粒子径0.1〜1
0μmの公知の内部粒子、無機粒子および/または有機
粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子が
0.01〜10重量%含有されていることが好ましく、
さらには平均粒子径0.1〜5μmの内部粒子、無機粒
子および/または有機粒子が0.01〜3重量%含有さ
れていることが好ましい。
【0026】内部粒子の析出方法としては公知の技術を
採用できるが、例えば特開昭48−61556号公報、
特開昭51−12860号公報、特開昭53−4135
5号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の
技術が挙げられる。さらに特開昭59−204617号
公報などに記載の他の粒子との併用も行うことができ
る。10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用す
るとフィルムの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。
【0027】無機粒子および/または有機粒子として
は、例えば湿式および乾式シリカ、コロイド状シリカ、
酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸
バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無
機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を
構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。なか
でも湿式および乾式コロイド状シリカ、アルミナ等の無
機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタ
クリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等を構成成
分とする有機粒子等を挙げることができる。これらの内
部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を
併用してもよい。
【0028】本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィ
ルムのフィルム構成としては、単層、A層/B層の2
層、B層/A層/B層あるいはA層/B層/C層の3
層、さらには3層より多層の積層構成であってもよい。
【0029】前記フィルムを少なくとも2層以上から構
成される積層二軸延伸ポリエステルフィルムより構成す
る場合、非ラミネート面とラミネート面の層の固有粘度
差が0.01〜0.5であることが、優れたラミネート
特性、耐衝撃性、味特性を発現させる点からも好まし
い。
【0030】本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフイ
ルムの厚さは、金属板にラミネートした後の成形性、金
属板に対する被覆性、耐衝撃性、味特性の点で、5〜6
0μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜
40μmである。
【0031】また、フィルムの中心線平均粗さRaは、
味特性、成形性の点から、好ましくは0.001〜0.
08μm、さらに好ましくは0.002〜0.06μm
である。さらに、最大粗さRtとの比Rt/Raが5〜
50、好ましくは8〜40であると高速製缶性が向上す
る。
【0032】フィルム構成がA層、B層の2層より構成
され、A層を非ラミネート面、B層をラミネート面にす
る場合、積層厚みとしては、A層の厚みを0.01〜5
μmとすることが味特性、成形性の点で好ましく、さら
に好ましくは、0.1〜3μm、特に好ましくは0.5
〜2μmである。B層の厚みとしては4〜60μmであ
ることが好ましく、さらに好ましくは8〜30μmであ
る。
【0033】粒子はA層、B層のいずれに添加しても良
いがB層の中心線平均粗さRaは好ましくは0.005
〜0.08μm、さらに好ましくは0.008〜0.0
6μmである。さらに、最大粗さRtとの比Rt/Ra
が5〜50、好ましくは8〜40であると高速製缶性が
向上する。また、A層の中心線平均粗さRaは好ましく
は0.001〜0.05μm、さらに好ましくは0.0
02〜0.04μmであると味特性が向上するので好ま
しい。
【0034】本発明で用いるフィルムは、固体高分解能
NMRによる構造解析における1、4位のベンゼン環炭
素の緩和時間T1ρが150msec以上であることを
必須とするものであり、好ましくは180msec以
上、さらに好ましくは200msec以上である。緩和
時間T1ρが150msec未満であれば、ラミネート
後のフィルムの耐衝撃性において何の効果も得られな
い。緩和時間T1ρは分子運動性を表すものであり、T
1ρが大きいほど運動性は低くなる。本発明は、二軸延
伸フィルムの状態において、1、4位のベンゼン環炭素
のT1ρが150msec以上であることが必要である
が、これはこの部位の分子整列性を制御し、結晶構造に
も似た安定構造を形成するためであり、優れた耐衝撃性
を発現する。
【0035】緩和時間T1ρを150msec以上に達
成する方法としては、フィルム製造時に縦延伸工程で高
温予熱法、高温延伸法を組み合わせて採用することによ
って達成できるが、特にこれに限定されるものでなく、
例えば原料の固有粘度、触媒、ジエチレングリコール量
や延伸条件、熱処理条件などの適性化によっても達成で
きる。フィルム製造時の縦延伸の予熱温度としては、9
0℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上、更
に好ましくは110℃以上である。また延伸温度は10
5℃以上が好ましく、より好ましくは110℃以上、更
に好ましくは115℃以上である。
【0036】さらに固体高分解能NMRによる構造解析
におけるカルボニル炭素の緩和時間T1ρが250ms
ec以上、好ましくは300msec以上であることが
耐衝撃性を一層向上させる点から好ましい。
【0037】本発明で用いるフィルムは、面配向係数が
0.14以下であることが優れた成形性を発現させる点
から好ましい。面配向係数が0.14を越えるとフィル
ム全体の配向が高度になり、ラミネート後の成形が困難
となり好ましくない。
【0038】本発明において、優れた成形性を得るため
に、フィルムの破断伸度は、フィルム長手、横の両方向
で25℃で170%以上であることがが好ましく、さら
に好ましくは180%以上、特に好ましくは200%以
上である。伸度が170%未満であると成形性が低下
し、好ましくない。
【0039】本発明で用いるフィルム(積層フィルムを
含む)の製造方法としては、特に限定されないが、例え
ば各ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、単独及び
/または各々を公知の溶融積層用押出機に供給し、スリ
ット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方
式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未
延伸シートを得る。該シートをキャスティングドラムに
密着させ冷却固化して得た未延伸シートをフイルムの長
手方向及び幅方向に延伸することにより二軸延伸フィル
ムを得る。
【0040】延伸倍率は目的とするフイルムの配向度、
強度、弾性率等に応じて任意に設定することができる
が、好ましくはフィルムの品質の点でテンター方式によ
るものが好ましく、長手方向に延伸した後、幅方向に延
伸する逐次二軸延伸方式、長手方向、幅方向をほぼ同時
に延伸していく同時二軸延伸方式が望ましい。
【0041】延伸倍率としてはそれぞれの方向に1.5
〜4.0倍、好ましくは1.8〜4.0倍である。長手
方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくしてもよく、
同一としてもよい。また、延伸速度は1000%/分〜
200000%/分であることが望ましく、延伸温度は
ポリエステルのガラス転移温度以上であれば任意の温度
とすることができるが、80〜150℃が好ましく、優
れた成形性を発現させ、高伸度を得るために100℃〜
150℃が好ましい。
【0042】更に二軸延伸の後にフイルムの熱処理を行
うが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上
等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処
理温度は140℃以上255℃以下の任意の温度とする
ことができるが、好ましくは150〜245℃である。
また熱処理時間は任意とすることができるが、通常1〜
60sec間行うのが好ましい。熱処理はフイルムをそ
の長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行って
もよい。さらに、再延伸を各方向に対して1回以上行っ
てもよく、その後熱処理を行っても良い。
【0043】さらに本発明のフィルムは各種コーティン
グを施こしても良く、特に限定するものではない。
【0044】本発明で用いるフィルムは150℃×30
分での熱収縮率が7%以下であることが好ましい。熱収
縮率が7%以下、好ましくは6%以下、さらに好ましく
は5%以下であると金属板との熱ラミネート性が優れる
だけでなく、耐衝撃性が向上する。
【0045】さらに、本発明で用いるフィルムを製造す
るにあたり、必要により酸化防止剤、可塑剤、帯電防止
剤、耐候剤、末端封鎖剤等の添加剤も適宜使用すること
ができる。特に、酸化防止剤の併用は製缶工程での熱履
歴による金属板とのラミネート面の劣化を防止し好まし
い。その量としては、全フィルム重量に対し0.001
〜1重量%程度が好ましい。
【0046】次に、前記フィルムのラミネート方法につ
いて説明する。通常のラミネート金属板の製造を考える
と、熱せられた金属板にフィルムを接触させ、ロールで
圧着して、金属板界面のフィルム樹脂を溶融させて、金
属板に濡れさせることによって、金属板とフィルムの接
着を行っている。
【0047】本発明が対象とする二軸延伸ポリエステル
フィルムを前記の方法で金属板にラミネートすると、加
熱された金属板によって、フィルム−金属板界面でフィ
ルム樹脂が融解する。緩和時間T1ρで表現される抑制
された分子運動性は、一旦フィルムが溶融してしまう
と、この抑制効果が解消されて、加熱によって容易に結
晶化を起こし、成形加工熱や成形後の加熱工程、内容物
の充填後の高温殺菌工程で、この接着界面に結晶成長
し、密着性の劣化やフィルム外観の白化、加工性の劣化
等が生じる。
【0048】本発明者等による詳細な検討の結果、ラミ
ネートに際して、このフィルムの分子運動性の抑制機能
を失わせないためには、高温の金属板に接している時間
を厳しく制限、特に、金属板がフィルムの融点以上の温
度でフィルムと接している時間を厳密に制約する必要が
あることが判明した。
【0049】また、ラミネート金属板を容器用途に用い
る場合、ラミネート後水冷されるまでのフィルム温度も
成形性や耐衝撃性に大きく影響することも判明した。す
なわち、ラミネート後水冷までのフィルム温度は、高い
ほどラミネート後の成形性能が優れるものの、フィルム
が融点を超えると耐衝撃性がなくなり、かつ結晶化抑制
効果も失われて、製缶工程中の加熱によって、この加熱
工程後、成形性もフィルムの密着性もなくなってしま
う。逆にラミネート後水冷までのフィルム温度が低い
と、耐衝撃性が優れるものの、ラミネート金属板のフィ
ルム加工性が不十分になり、高度の成形に耐えられな
い。
【0050】フィルムの温度は、ラミネート時点で、金
属板に接する面が最も高い。ラミネート時の金属板の温
度とラミネート時間を制限することによって、フィルム
の持っている加工性や耐衝撃性、耐レトルト白化性を維
持できることが判明した。これは、樹脂の溶融には、温
度と時間が必要であるため、極めて短時間の高温状態で
あれば、融点以上の温度であっても、溶融せず、フィル
ムの本来持っている物性を実質的に残存させた状態で、
金属板と接する側のフィルムの極表層部が、金属板の表
面にそって変形するため、良好な接着が可能となってい
るものと考えられる。
【0051】従来より行われているラミネート方法で
は、ラミネートに際して、短時間融着の達成が困難なた
め、より高速でのラミネートが必要である。
【0052】高度の成形が可能で、且つ製缶工程で加熱
後も密着性に優れるようにするには、金属板をフィルム
融点より高温にしてラミネートをはじめ、できるだけ短
時間でロールによるフィルム圧着を行いフィルム温度を
フィルムの融点以下の温度に下げることが不可欠であ
り、さらにニップをでたラミネートフィルムを、できる
だけ短時間でガラス転移点以下の温度まで冷却すること
も重要であることもわかった。
【0053】このような知見に更に検討を加えた結果、
フィルムのラミネート方法としては、以下に記載する方
法が好適であることが明らかになった。
【0054】本発明においては、前記の二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを金属板にラミネートする際に、ラミネ
ート開始時の金属板の温度T0をフィルムの融点Tfの温
度以上、ラミネートロールのニップ出側の金属板の温度
1をフィルムの融点Tf以下にするとともに、更に下式
で定義されるラミネートインデックスKを1〜20ms
ecの範囲内にしてラミネートする必要がある。 K=(T0−Tf)×t/(T0−T1) 但し、t :ニップ時間
【0055】ラミネートインデックスKが1msec未
満では、フィルムが金属板に接着するのに充分でなく、
加工に耐えないで加工中に剥離する。また20msec
を超えると、金属板との密着面の近傍の分子運動性の抑
制効果が失われてしまう。そのままでの成形性能は得ら
れるが、成形後フィルムの歪み取りなどの加熱を受ける
と、ラミネート金属板のフィルムと金属板界面近傍に、
球晶が成長し、密着性や加熱された後の成形性能、内容
物充填後の殺菌工程での白化等が生じてしまう。ラミネ
ートインデックスKのより好ましい範囲は2〜15ms
ec、特に好ましい範囲は5〜10msecである。
【0056】良好な密着性、耐レトルト白化性、加工性
を得るために、ラミネート開始時の金属板温度T0をフ
ィルムの融点Tf以上、ラミネートロールのニップ出側
の金属板の温度T1をフィルムの融点Tf以下にする。
【0057】ラミネート開始時の金属板温度T0がフィ
ルム融点+40℃を超えるとラミネート界面でフィルム
が溶融しやすくなり、またフィルム融点+2℃を下回る
と、短時間のラミネートでは、金属板とフィルムを密着
させることが不十分となって、加工後の密着性確保が困
難となる場合が有る。従って、ラミネート開始時の金属
板温度T0は、フィルム融点+2℃〜フィルム融点+4
0℃の範囲であることが好ましく、より好ましい範囲は
フィルム融点+10℃〜フィルム融点+40℃の範囲、
特に好ましい範囲は、フィルム融点+20℃〜フィルム
融点+30℃の範囲である。
【0058】ニップ時間(ニップ長さ/ラミネート速
度)が0.05secを超えるとラミネート時間が長す
ぎて、加工性と耐衝撃性のどちらかがの特性が低下す
る。また、0.005secを下回ると、金属板とフィ
ルムを密着させることが不十分となって、加工後の密着
性確保が困難となる場合が有る。従って、好ましいニッ
プ時間は0.005〜0.05secであり、より好ま
しくは、0.01〜0.04sec、特に好ましくは、
0.015〜0.03secである。
【0059】ニップ加圧力とは、ロール加圧力をニップ
面積で割ったものであり、ニップ加圧力は1〜30kg
/cm2が好ましい。低すぎると、融点以上であって
も、時間が短時間であるため、接着時の変形が充分でな
く十分な密着性を得にくい。さらに、接着中の冷却効果
も十分に得られない。加圧力が大きくても特に品質面の
不都合はないものの、ラミネートロールにかかる力が大
きく、設備的な強度が必要となり、設備が大きくなって
不経済となる。加圧力のより好ましい範囲は5〜20k
g/cm2、特に好ましい範囲は5〜15kg/cm2
ある。
【0060】また、ラミネートロール直径/ラミネート
速度の比率が0.3secを超えると短時間でラミネー
トしながら、ラミネートロール入側と出側の板温度を前
記所望の範囲にすることが困難になる。従って、ラミネ
ートロール直径/ラミネート速度の比率は0.3sec
以下にするのが好ましく、より好ましくは0.25se
c以下、特に好ましくは0.2sec以下である。
【0061】ラミネート後水冷まで時間が5secを超
えると結晶化が進行して、加工性、加工後密着性が劣化
するので、5sec未満が好ましい。より好ましくは2
sec未満、特に好ましくは1sec未満である。な
お、ラミネート時間は短くても特に不都合はない。水冷
に際しての水温は、特に規定はしないが、フィルムのガ
ラス転移点以下の温度が好ましい。2層以上のフィルム
にあっては、ガラス転移点が低い方の温度以下であるこ
とが好ましい。
【0062】また、必要によっては、ラミネートした
後、表面にパラフィン系等のワックスを塗布して、製缶
の加工に際して潤滑性能を付与してもかまわない。
【0063】本発明の金属板とは特に限定されないが、
成形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材とする金属板
が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板の場合、そ
の表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸化物被膜
層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/リン
酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、クロムク
ロメート処理などで代表される化成処理被覆層を設けて
もよい。特に金属クロム換算値でクロムとして6.5〜
150mg/m2のクロム層と5〜30mg/m2の水和
酸化物を金属クロムの上層に有する金属板が好ましく、
さらに、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、
亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどを設けてもよ
い。スズメッキの場合0.5〜15mg/m2、ニッケ
ルまたはアルミニウムの場合1.8〜20g/m2のメ
ッキ量を有するものが好ましい。
【0064】本発明のラミネート金属板は、絞り成形や
しごき成形によって製造されるツーピース金属缶の内面
被覆用に好適に使用することができる。また、ツーピー
ス缶の蓋部分、あるいはスリーピース缶の胴、蓋、底の
被覆用としても良好な金属接着性、成形性を有するため
好ましく使用することができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。
【0066】金属板として、低炭素Al−キルド鋼の連
続鋳造スラブを、熱間圧延、脱スケール、冷間圧延、焼
鈍、調質圧延を施した、調質度T4CA、寸法0.19
6mm×920mmの冷延鋼帯を使用して、脱脂、酸洗
の後、電解クロメート処理によって、金属クロム130
mg/m2、クロム酸化物15mg/m2のめっき施した
TFSを準備した。
【0067】また、二軸延伸ポリエステルフィルムとし
て、厚さ25μmの1層又は2層からなるPETフィル
ムを準備した。
【0068】準備した金属板に準備した二軸延伸ポリエ
ステルフィルムをラミネートした。ラミネートに際して
は、スチールロールによる加熱に続いて、誘導加熱ロー
ルを用いて、ラミネート時のTFSの板温を282℃に
加熱し、幅1400mmのラミネートロールで加圧して
フィルムを両面にラミネートした。ラミネート後水温7
5℃の蒸留水中で冷却した後、両面にロールコーターを
用いてパラフィンワックスを片面あたり50mg/m2
塗布し、巻き取り、ラミネート金属板を製造した。2層
フィルムの場合は、B層がラミネート面になるようにラ
ミネートした。前記で得たラミネート金属板の性能を調
査した。
【0069】準備した二軸延伸ポリエステルフィルムの
特性、ラミネート条件および性能の調査結果を表1に記
載した。なお表中の略号は以下の通りである。 PET:ポリエチレンテレフタレート PET/I:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタ
レート(数字は共重合モル%)
【0070】また、フィルムの特性は下記の(1)〜
(4)、ラミネート金属板の特性は下記の(5)〜
(9)の方法により測定、評価した。更に、(5)〜
(9)の評価結果について、総合評価を行い、(5)〜
(9)の評価が何れも良以上のものを総合評価:○、何
れかの評価で可以下の評価があった場合、総合評価:×
とした。
【0071】(1)緩和時間T1ρ 固体NMRの測定装置は、日本電子製スペクトロメータ
JNM−GX270、日本電子製固体アンプ、MASコ
ントローラNM−GSH27MU、日本電子製プローブ
NM−GSH27TVT.W)を用いた。測定は13C核
のT1ρ(回転座標における縦緩和)測定を実施した。
【0072】測定は、温度24.5℃、湿度50RH
%、静磁場強度6.34T(テスラ)下で、1H、13
の共鳴周波数はそれぞれ270.2MHz、67.9M
Hzである。ケミカルシフトの異方性の影響を消すため
にMAS(マジック角度回転)法を採用した。回転数は
3.5〜3.7kHzで行った。パルス系列の条件は、
1Hに対して90°、パルス幅4μsec、ロッキング
磁場強度62.5kHzとした。1Hの分極を13Cに移
すCP(クロスポーラリゼーション)の接触時間は1.
5msecである。また保持時間τとしては、0.00
1,0.5,0.7,1,3,7,10,20,30,
40,50msecをもちいた。保持時間τ後の13Cの
磁化ベクトルの自由誘導減衰(FID)を測定した(F
ID測定中 1Hによる双極子相互作用の影響を除去する
ために高出力デカップリングを行った。なお、S/N比
を向上させるため、512回の積算を行った)。また、
パルス繰り返し時間としては、5〜15secの間で行
った。
【0073】T1ρ値は、通常I(t)=Σ(Ai)exp(−t
/T1ρi)(Ai:T1ρiに対する成分の割合)で記述する
ことができ、各保持時間に対して観測されたピーク強度
を片対数プロットすることにより、その傾きから求める
ことができる。ここでは2成分系(T1ρ1:非晶成
分、T1ρ2:結晶成分)で解析し、下記の式を用い最
小2乗法フィッティングによりその値を求めた。
【0074】I(t)=fa1・exp(−t/T1ρ1)+fa2・exp
(−t/T1ρ2) fa1:T1ρ1に対する成分の割合 fa2:T1ρ2に対する成分の割合 fa1+fa2=1 ここで、緩和時間T1ρとしてはT1ρ2を用いる。
【0075】(2)ポリエステルの融点 ポリエステルを結晶化させ、示差走査熱量計(パーキン
・エルマー社製DSC−2型)により、10℃/min
の昇温速度で測定した。
【0076】(3)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
【0077】(4)面配向係数(fn) 面配向係数(fn)は次式により定義される。 fn={(Nx+Ny)/2}−Nz
【0078】上記式において、Nx、Ny、Nzはそれ
ぞれフィルムの縦、横、厚さ方向の屈折率である。屈折
率はアッベの屈折率の接眼側に偏光板アナライザーを取
り付け、単色光NaD線で、ヨウ化メチレンをマウント
液としてそれぞれの屈折率を測定する。
【0079】(5)成形性 試料を絞り成形機を用いて、順次絞り比(成形前径/成
形後径)1.6、2.1および2.8の3段階、80〜
100℃において成形可能温度領域で成形した缶を得
た。第2段階及び第3段階の成形で得られた缶内に1%
の食塩水を入れて、食塩水中の電極と金属缶に6vの電
圧をかけて3sec後の電流値を読み取り、10缶測定
後の平均値を求め、以下の評価をした。 優 :0.001mA未満 良 :0.001mA以上0.01mA未満 可 :0.01mA以上0.1mA未満 不可:0.1mA以上
【0080】(6)耐衝撃性 第3段階の絞り成形加工後、成形性の評価が良以上の缶
について、水を満注し、各試験について10個ずつを高
さ1.25mから塩ビタイル床面に落とした後、電極と
金属缶に6vの電圧をかけて3sec後の電流値を読み
取り、10缶測定後の平均値を求め、以下の評価をし
た。 優 :0.001mA未満 良 :0.001mA以上0.01mA未満 可 :0.01mA以上0.1mA未満 不可:0.1mA以上
【0081】(7)耐レトルト白化性 第3段階の絞り成形加工後の缶について、水を満注した
のち蓋を巻き締め、各試験について10個ずつを125
℃で30分間の加圧水蒸気中に保持し、底面および胴部
分の白化程度を以下の基準で目視判定した。 優 :変化なし。 良 :ほとんど変化が認められない。 可 :部分的にわずかに白化が認められる。 不可:全体に白化が認められる。
【0082】(8)加熱加工後密着性 第3段階の絞り成形加工後の缶について、200℃で2
分間加熱し、ワックス分を除去した後、缶上部をネック
イン絞り加工を加え、続いて、蓋巻き締め用にフランジ
成形を施した。このフランジ部分内外面のフィルムの密
着程度を以下の基準で判定した。 優 :変化なし。 良 :ほとんど変化が認められない。 可 :端部にわずかにハガレが認められる。 不可:フランジ全体にハガレが認められる。
【0083】(9)味特性 第3段階の絞り成形加工後の缶に120℃×30分の加
圧蒸気処理を行った後、香料水溶液d−リモネン25p
pm水溶液を350ml充填し、40℃密封後45日放
置し、その後開封して官能検査によって、臭気の変化を
以下の基準で評価した。 優:臭気に全く変化が見られない。 良:臭気にほとんど変化が見られない。 可:臭気にやや変化が見られる。 不可:臭気に変化が大きく見られる。
【0084】
【表1】
【0085】本発明範囲を満足する発明例1〜6は何れ
も耐レトルト白化性、加熱加工後密着性が良好であり、
総合評価が○である。
【0086】1、4位のベンゼン環炭素の緩和時間T1
ρが150msecを下回る比較例1と2は、成形性が
劣り、また味特性、耐レトルト白化性、加熱加工後密着
性のいずれかが劣る。ラミネートインデックスが本発明
範囲を外れる比較例3〜6は、本発明例に比べて成形性
が劣り、また耐レトルト白化性、加熱加工後密着性が本
発明例に比べて明らかに劣る。比較例1〜6はいずれも
総合評価が×である。
【0087】
【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
ラミネート金属板は缶などに成形する際の成形性に優れ
ているだけでなく、味特性、耐衝撃性、耐レトルト白化
性などに優れた特性を有し、成形加工によって製造され
る金属缶の蓋や胴などの素材として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 (72)発明者 鈴木 威 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 茂野 雅彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 真介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA20 AB01B AB03 AB10 AK41A AK41C AK41D AK41E AK42A AK42C AK42D AK42E BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA10A BA10C BA13 BA26 EH012 EJ192 EJ38A EJ38C EJ38D EJ38E EJ422 EJ69 GB16 GB18 JA06A JA06C JA06D JA06E JA20A JA20C JA20D JA20E JJ03 JK06 JK10 JK20 JL00 JL01 YY00A YY00C YY00D YY00E 4F211 AA24 AD03 AD08 AG03 AH55 AR06 TA13 TC05 TN09 TQ03 TQ10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分解能NMRによる構造解析にお
    ける1、4位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρが15
    0msec以上である二軸延伸ポリエステルフィルムを
    金属板の少なくとも片面にラミネートする際に、ラミネ
    ート開始時の金属板の温度T0をフィルムの融点Tf
    上、ラミネートロールニップ出側の金属板の温度T1
    フィルムの融点Tf以下にするとともに、更に下式で定
    義されるラミネートインデックスKを1〜20msec
    の範囲内にしてラミネートすることを特徴とするラミネ
    ート金属板の製造方法。 K=(T0−Tf)×t/(T0−T1) 但し、t:ニップ時間
  2. 【請求項2】 ニップ時間tが0.005〜0.05s
    ecの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の
    ラミネート金属板の製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルムを構成するポリエステル単位の
    90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラミネ
    ート金属板の製造方法。
  4. 【請求項4】 フィルムを構成するポリエステル単位の
    95モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のラ
    ミネート金属板の製造方法。
  5. 【請求項5】 フィルムの面配向係数が0.14以下で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載のラミネート金属板の製造方法。
  6. 【請求項6】 フィルムが少なくとも2層以上から構成
    され、非ラミネート面とラミネート面を形成する各層の
    固有粘度差が0.01〜0.5であることを特徴とする
    請求項1〜請求項5の何れかに記載のラミネート金属板
    の製造方法。
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