JP2000158161A - レーザービームによる肉盛方法 - Google Patents
レーザービームによる肉盛方法Info
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Abstract
割れの発生を有効に抑制できるレーザービームによる肉
盛方法を提供する。 【解決手段】 第1層目と第2層目とが重なるラップ部
が始まる前に粉末供給量を増加させる。その際、粉末供
給量を増加させるタイミングと量は、第1層目の開始部
の形状や被加工物の内径に応じて変化させる。粉末供給
量を増加させるタイミングは、ラップ部が始まる位置か
ら60°またはそれ以内とする。また、粉末供給量の増
加量は、定常部での粉末供給量の40%以下とする。
Description
よる肉盛方法の改良に関する。
ースとなる金属(母材)に特殊な性質を持った他の金属
(被覆材)を肉盛りする方法として、レーザービームを
用いて肉盛り加工を行うようにしたものがある。例え
ば、自動車エンジンのシリンダーヘッドのバルブシート
においては、その溝部に粉末状の肉盛り用金属を供給し
ながらレーザービームを照射することにより、アルミニ
ウム系母材のバルブシート(の溝部)に耐熱性、耐磨耗
性、耐蝕性などに優れた銅系の肉盛り用合金材料を肉盛
りすることが行われている。
する場合、図5に示すように、肉盛り部1をその開始位
置(肉盛り始端部)と終了位置(肉盛り終端部)との間
でオーバーラップさせる。つまり、第1層目の開始部
(以下単に「開始部」という)に重ねて第2層目を肉盛
りする(以下、第1層目と第2層目とが重なる部分を
「ラップ部」という)。オーバーラップさせないとリン
グ部の形成に必要な肉盛り量を確保できないからであ
る。
末(以下単に「粉末」という)を供給する際に、図6に
示すように、粉末供給量を開始部では増加させ、開始部
とラップ部との間の定常部では一定の値に維持し、ラッ
プ部では減少させるようにして、ラップ部にて第1層目
と第2層目とが滑らかにつながるようにしている。な
お、このとき、レーザービーム2と粉末供給ノズル3か
ら噴出される粉末4とを完全に同軸とすることはできな
いので、粉末4の投入位置はレーザービーム2の前方ま
たは後方となる(図5参照)。
うな従来の方法にあっては、溝部に他金属を肉盛りする
際に、開始部や定常部では、第1層目の加工であるた
め、図7(A)に示すように、粉末供給ノズル3から供
給される粉末4はほとんど全て母材5の溝部6内にとど
まるが、ラップ部では、既に第1層目が存在するため、
図7(B)に示すように、粉末供給ノズル3から供給さ
れる粉末4は第1層目にけられて外部へ飛散し、加工点
に実質的に投入される粉末量は予定された量よりも減少
する。このため、ラップ部直前の肉盛り部1表面に凹部
(欠肉)7が形成され、凝固収縮応力の集中や入熱過多
による母材5の希釈により割れ(クラック)8が発生す
る場合があり(図4参照)、品質が不安定になりがちで
ある。
ものであり、粉末供給量の制御に起因して生じうる凹部
や割れの発生を有効に抑制することができるレーザービ
ームによる肉盛方法を提供することを目的とする。
記の手段によって達成される。 (1)本発明に係るレーザービームによる肉盛方法は、
母材の表面に粉末状の被覆用金属を供給しながらレーザ
ービームを照射することにより前記母材の表面に前記被
覆用の他金属を肉盛りする方法において、第1層目と第
2層目とが重なるラップ部が始まる前に、前記被膜用金
属の粉末供給量を増加させることを特徴とする。
て飛散する粉末量が補われ、加工点に実質的に投入され
る粉末の供給量が安定化される。その結果、ラップ部直
前の凹部の形成や割れの発生が抑制でき、品質の向上と
安定化が図られる。 (2)粉末供給量を増加させるタイミングは、第1層目
の開始部の形状および被加工物の内径に応じて変化させ
る。
加工物(例えば、バルブシート)の内径が変わっても対
応することができる。 (3)粉末供給量を増加させるタイミングは、前記ラッ
プ部が始まる位置から60°またはそれ以内である。
置から粉末供給量を増加させた場合、定常部において粉
末過多による未溶着の不具合が発生したからである。 (4)粉末供給量の増加量は、第1層目の開始部の形状
および被加工物の内径に応じて変化させる。
加工物(例えば、バルブシート)の内径が変わっても対
応することができる。 (5)粉末供給量の増加量は、定常部での粉末供給量の
40%以下である。
超えて粉末供給量を増加させた場合、定常部およびラッ
プ部において粉末過多による未溶着の不具合が発生した
からである。
うな効果を奏する。
が始まる前に粉末供給量を増加させるので、ラップ部の
第1層目にけられて飛散する粉末量が補われ、加工点に
実質的に投入される粉末の供給量が安定化されるため、
従来粉末供給量の制御に起因して生じる場合があったラ
ップ部直前の凹部の形成や割れの発生を有効に抑制する
ことが可能となり、品質の向上と安定化が図られる。
量を増加させるタイミングを第1層目の開始部の形状お
よび被加工物の内径に応じて変化させるので、第1層目
の開始部の形状や被加工物(例えば、バルブシート)の
内径が変わっても対応することが可能である。
量を増加させるタイミングを好適に限定したので、定常
部における粉末過多による未溶着不具合の発生を有効に
防止することができる。
量の増加量を第1層目の開始部の形状および被加工物の
内径に応じて変化させるので、第1層目の開始部の形状
や被加工物(例えば、バルブシート)の内径が変わって
も対応することが可能である。
量の増加量を好適に限定したので、定常部における粉末
過多による未溶着不具合の発生を有効に防止することが
できる。
係る粉末供給量の制御特性図である。
と第2層目とが重なるラップ部が始まる前に粉末供給量
を増加させる。これにより、ラップ部の第1層目にけら
れて飛散する粉末量が補われ、加工点に実質的に投入さ
れる粉末の供給量が安定化されるため、ラップ部直前の
凹部の形成や割れの発生を抑制することができるように
なる。
せるタイミングと量を第1層目の開始部の形状や被加工
物の内径に応じて変化させる。第1層目の開始部の形状
や被加工物(例えば、バルブシート)の内径が変わって
も対応できるようにするためである。
るタイミングは、ラップ部が始まる位置から60°また
はそれ以内とする。実験などの結果として、60°を超
える位置から粉末供給量を増加させた場合には、定常部
において粉末過多による未溶着の不具合が発生したから
である。
は、定常部での粉末供給量の40%以下とする。実験な
どの結果として、定常部の40%を超えて粉末供給量を
増加させた場合には、定常部およびラップ部において粉
末過多による未溶着の不具合が発生したからである。
の制御特性図である。
よるAC2A材)のシリンダーヘッドのバルブシートを
母材5とし、これに肉盛りする合金材料として、銅合金
粉末(Cu−8.9Ni−3.2Si−1.5Fe−2.0
Cr−0.9Al−2.0V−0.5P)を用いた。
参照) ・粉末供給量の増分:定常部の約34%(図2参照) なお、比較例として、他の条件は同じにした上で、図2
中の破線で示すような従来の粉末供給量制御を行ってみ
た。
ろ、本実施例では、図3に示すように、ラップ部の直前
に凹部(欠肉)や割れ(クラック)のない良好なクラッ
ド品が得られたが、比較例では、図4に示すような欠陥
(凹部7や割れ8)が発生した。
御特性図である。
性図である。
図である。
図である。
ある。
の径方向要部断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 母材の表面に粉末状の被覆用金属を供給
しながらレーザービームを照射することにより前記母材
の表面に前記被覆用の他金属を肉盛りする方法におい
て、 第1層目と第2層目とが重なるラップ部が始まる前に、
前記被膜用金属の粉末供給量を増加させることを特徴と
するレーザービームによる肉盛方法。 - 【請求項2】 粉末供給量を増加させるタイミングは、
第1層目の開始部の形状および被加工物の内径に応じて
変化させることを特徴とする請求項1に記載のレーザー
ビームによる肉盛方法。 - 【請求項3】 粉末供給量を増加させるタイミングは、
前記ラップ部が始まる位置から60°またはそれ以内で
あることを特徴とする請求項2に記載のレーザービーム
による肉盛方法。 - 【請求項4】 粉末供給量の増加量は、第1層目の開始
部の形状および被加工物の内径に応じて変化させること
を特徴とする請求項1記載のレーザービームによる肉盛
方法。 - 【請求項5】 粉末供給量の増加量は、定常部での粉末
供給量の40%以下であることを特徴とする請求項4に
記載のレーザービームによる肉盛方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33271098A JP3614004B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | レーザービームによる肉盛方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33271098A JP3614004B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | レーザービームによる肉盛方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000158161A true JP2000158161A (ja) | 2000-06-13 |
JP3614004B2 JP3614004B2 (ja) | 2005-01-26 |
Family
ID=18258008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33271098A Expired - Fee Related JP3614004B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | レーザービームによる肉盛方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3614004B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010201480A (ja) * | 2009-03-05 | 2010-09-16 | Honda Motor Co Ltd | レーザ肉盛方法 |
JP2010207849A (ja) * | 2009-03-10 | 2010-09-24 | Honda Motor Co Ltd | レーザ肉盛方法 |
EP3117952A1 (en) * | 2015-07-16 | 2017-01-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Laser build-up method |
-
1998
- 1998-11-24 JP JP33271098A patent/JP3614004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010207849A (ja) * | 2009-03-10 | 2010-09-24 | Honda Motor Co Ltd | レーザ肉盛方法 |
EP3117952A1 (en) * | 2015-07-16 | 2017-01-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Laser build-up method |
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---|---|
JP3614004B2 (ja) | 2005-01-26 |
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