JPH10339117A - エンジンの肉盛りバルブシート及びその製造方法 - Google Patents
エンジンの肉盛りバルブシート及びその製造方法Info
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- JPH10339117A JPH10339117A JP9148256A JP14825697A JPH10339117A JP H10339117 A JPH10339117 A JP H10339117A JP 9148256 A JP9148256 A JP 9148256A JP 14825697 A JP14825697 A JP 14825697A JP H10339117 A JPH10339117 A JP H10339117A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 肉盛り部に切削加工を施して所望の仕上げ形
状にする際の加工工具の損傷等を防止し、又、耐座屈性
等を備えた肉盛りバルブシートを提供する。 【解決手段】 シリンダヘッド1のバルブシート部2に
合金粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り部5を形成し、
この肉盛り部を所定形状に加工して吸排気バルブ3の傘
部を当接させる環状当接面S2を設けたエンジンの肉盛
りバルブシートにおいて、肉盛り部5を環状当接面の外
周部S2pよりも半径方向外側の領域においてシリンダ
ヘッドとの境界部7に低硬度の合金層を形成する合金粉
末を肉盛りした第1肉盛り部5aと、環状当接面の外周
部S2pよりも半径方向内側の領域において耐摩耗性の
合金粉末を肉盛りした第2肉盛り部5bとにより形成す
る。
状にする際の加工工具の損傷等を防止し、又、耐座屈性
等を備えた肉盛りバルブシートを提供する。 【解決手段】 シリンダヘッド1のバルブシート部2に
合金粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り部5を形成し、
この肉盛り部を所定形状に加工して吸排気バルブ3の傘
部を当接させる環状当接面S2を設けたエンジンの肉盛
りバルブシートにおいて、肉盛り部5を環状当接面の外
周部S2pよりも半径方向外側の領域においてシリンダ
ヘッドとの境界部7に低硬度の合金層を形成する合金粉
末を肉盛りした第1肉盛り部5aと、環状当接面の外周
部S2pよりも半径方向内側の領域において耐摩耗性の
合金粉末を肉盛りした第2肉盛り部5bとにより形成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの吸排気
バルブが着座するバルブシートに関し、特に合金粉末を
溶着し所定の形状に加工して形成する肉盛りバルブシー
ト及びその製造方法に関する。
バルブが着座するバルブシートに関し、特に合金粉末を
溶着し所定の形状に加工して形成する肉盛りバルブシー
ト及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのバルブシートとしては、シリ
ンダヘッドのバルブシート部に鉄系焼結合金を圧入した
もの、及び合金粉末を肉盛り溶着したものが存在する。
ンダヘッドのバルブシート部に鉄系焼結合金を圧入した
もの、及び合金粉末を肉盛り溶着したものが存在する。
【0003】ここで、肉盛りとは、例えばプラズマアー
ク,レーザビーム等の熱源により素材(シリンダヘッ
ド)とは異なった特性を持つ材料を素材表面に付加する
技術であり、特開昭62−150014号公報等に開示
されている。このような肉盛り加工を施した製品は、肉
盛りしたままの状態で使用される場合と、さらに切削加
工等を施して使用される場合がある。
ク,レーザビーム等の熱源により素材(シリンダヘッ
ド)とは異なった特性を持つ材料を素材表面に付加する
技術であり、特開昭62−150014号公報等に開示
されている。このような肉盛り加工を施した製品は、肉
盛りしたままの状態で使用される場合と、さらに切削加
工等を施して使用される場合がある。
【0004】後者の場合の一例としては、図1に示すよ
うに、アルミニウム系鋳造合金(JIS規格AC2A
材)製のシリンダヘッド1におけるバルブシート部2
に、図2に示すように、例えばR5.0の溝加工を環状
に施し、肉盛り材料である銅合金粉末をこの溝加工した
バルブシート部に供給しつつ、例えば最大5kWの出力
を発振可能なCO2レーザ等を照射し、素材のバルブシ
ート部表面で肉盛り材料を溶融させ、銅合金の肉盛り層
5を形成したものがある。
うに、アルミニウム系鋳造合金(JIS規格AC2A
材)製のシリンダヘッド1におけるバルブシート部2
に、図2に示すように、例えばR5.0の溝加工を環状
に施し、肉盛り材料である銅合金粉末をこの溝加工した
バルブシート部に供給しつつ、例えば最大5kWの出力
を発振可能なCO2レーザ等を照射し、素材のバルブシ
ート部表面で肉盛り材料を溶融させ、銅合金の肉盛り層
5を形成したものがある。
【0005】このような肉盛りバルブシートは、エンジ
ン稼動時の耐摩耗性を確保するため、硬質相が析出する
合金粉末を肉盛り材料として用いて形成されるものであ
る。
ン稼動時の耐摩耗性を確保するため、硬質相が析出する
合金粉末を肉盛り材料として用いて形成されるものであ
る。
【0006】また、他の肉盛りバルブシートとしては、
バルブの傘部が当接する当接面が設けられる表面側と、
素材であるシリンダヘッド1のR溝底側とに上下2層に
分けて、R溝底側に硬質相が析出しない合金粉末を肉盛
りし、表面側に硬質相が析出する耐摩耗性合金粉末を肉
盛りするものがある。
バルブの傘部が当接する当接面が設けられる表面側と、
素材であるシリンダヘッド1のR溝底側とに上下2層に
分けて、R溝底側に硬質相が析出しない合金粉末を肉盛
りし、表面側に硬質相が析出する耐摩耗性合金粉末を肉
盛りするものがある。
【0007】上述の如く肉盛りされたバルブシート5に
は、吸気バルブ3a,排気バルブ3bとの接触面に気密
性を得るため、バルブ3の軸芯を中心として、中心角1
20度,90度,30度のテーパ面を形成させる。一般
に、120度面及び30度面はプランジ加工により形成
し、90度面はトラバース加工により形成する。
は、吸気バルブ3a,排気バルブ3bとの接触面に気密
性を得るため、バルブ3の軸芯を中心として、中心角1
20度,90度,30度のテーパ面を形成させる。一般
に、120度面及び30度面はプランジ加工により形成
し、90度面はトラバース加工により形成する。
【0008】このようなテーパ面の加工を行う場合、従
来においては、刃具ホルダに対して、30度面加工用バ
イト、120度面加工用バイトをそれぞれ同心円上に装
着し、この刃具ホルダに対して、さらに、90度面加工
用バイトを装着した加工装置を用いることになる。
来においては、刃具ホルダに対して、30度面加工用バ
イト、120度面加工用バイトをそれぞれ同心円上に装
着し、この刃具ホルダに対して、さらに、90度面加工
用バイトを装着した加工装置を用いることになる。
【0009】そして、切削加工は、まずそれぞれの加工
用バイトにより30度面及び120度面をプランジ加工
した後、30度面及び120度面の切削刃を1〜3mm
後退させ、90度面加工用バイトの切削刃を移動させな
がら90度面をトラバース加工し、所定の形状にバルブ
シートの仕上げ加工を行うことになる。
用バイトにより30度面及び120度面をプランジ加工
した後、30度面及び120度面の切削刃を1〜3mm
後退させ、90度面加工用バイトの切削刃を移動させな
がら90度面をトラバース加工し、所定の形状にバルブ
シートの仕上げ加工を行うことになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き肉盛りバルブシートにおいては、以下のような問題
が生じる。
如き肉盛りバルブシートにおいては、以下のような問題
が生じる。
【0011】すなわち、仕上げ加工を行う際の高温環境
下での強度及び耐摩耗性の要求、又、エンジンの高出力
化の要求に応えるべく、肉盛り材料として耐摩耗性の銅
系合金を用いる場合、肉盛りされた銅系合金と素材であ
るシリンダヘッドとの溶着部は金属結合の状態にあり、
20μm〜50μmの幅で両者の境界領域に硬くて脆い
金属間化合物が形成されることになる。
下での強度及び耐摩耗性の要求、又、エンジンの高出力
化の要求に応えるべく、肉盛り材料として耐摩耗性の銅
系合金を用いる場合、肉盛りされた銅系合金と素材であ
るシリンダヘッドとの溶着部は金属結合の状態にあり、
20μm〜50μmの幅で両者の境界領域に硬くて脆い
金属間化合物が形成されることになる。
【0012】このような肉盛りバルブシートにおいて仕
上げ加工を行う場合、シリンダヘッドの構造上、あるい
はエンジン性能上の制約等により、バルブシートのテー
パ面である120度面に、上述の金属間加工物が存在す
る場合があり、この領域を上述の如くプランジ加工によ
り切削すると、切削刃の寿命が短くなり、又、切削刃の
刃先が欠損する場合がある。
上げ加工を行う場合、シリンダヘッドの構造上、あるい
はエンジン性能上の制約等により、バルブシートのテー
パ面である120度面に、上述の金属間加工物が存在す
る場合があり、この領域を上述の如くプランジ加工によ
り切削すると、切削刃の寿命が短くなり、又、切削刃の
刃先が欠損する場合がある。
【0013】また、硬質相が析出する材料の熱膨張率
は、アルミニウム合金製シリンダヘッドの熱膨張率に比
べて小さく、肉盛り加工点においてシリンダヘッド及び
肉盛り材料が溶融,収縮する際に、又は、急激な温度変
化が起こる特殊な環境下で、肉盛り層と素材との接合界
面においてクラックが発生する可能性がある。この場
合、製品歩留りの悪化などを招くことになる。
は、アルミニウム合金製シリンダヘッドの熱膨張率に比
べて小さく、肉盛り加工点においてシリンダヘッド及び
肉盛り材料が溶融,収縮する際に、又は、急激な温度変
化が起こる特殊な環境下で、肉盛り層と素材との接合界
面においてクラックが発生する可能性がある。この場
合、製品歩留りの悪化などを招くことになる。
【0014】さらに、肉盛り層をR溝底側と表面側との
2層に分けて肉盛りしたバルブシートでは、R溝底側す
なわちシリンダヘッド側の材料の硬度が低く、エンジン
の高出力時においてバルブの往復動方向における耐座屈
性が低くなる場合がある。
2層に分けて肉盛りしたバルブシートでは、R溝底側す
なわちシリンダヘッド側の材料の硬度が低く、エンジン
の高出力時においてバルブの往復動方向における耐座屈
性が低くなる場合がある。
【0015】本発明は上述の如き課題を解決すべく達成
されたものであり、その目的とするところは、肉盛り部
に加工を施して所定の形状に仕上げる際の加工工具の欠
損等を防止でき、又、肉盛り部におけるクラック,座屈
等の発生を防止でき、製品の歩留りあるいは生産性の向
上を図ることのできるエンジンの肉盛りバルブシート及
びその製造方法を提供することにある。
されたものであり、その目的とするところは、肉盛り部
に加工を施して所定の形状に仕上げる際の加工工具の欠
損等を防止でき、又、肉盛り部におけるクラック,座屈
等の発生を防止でき、製品の歩留りあるいは生産性の向
上を図ることのできるエンジンの肉盛りバルブシート及
びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エンジンの肉盛りバルブシートは、シリンダヘッドのバ
ルブシート部に合金粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り
部を形成し、前記肉盛り部を所定形状に加工して吸排気
バルブの傘部を当接させる環状当接面を設けたエンジン
の肉盛りバルブシートであって、前記肉盛り部は、前記
環状当接面の外周部よりも半径方向外側の領域において
前記シリンダヘッドとの境界部に低硬度の合金層を形成
する合金粉末を肉盛りした第1肉盛り部と、前記環状当
接面の外周部よりも半径方向内側の領域において耐摩耗
性の合金粉末を肉盛りした第2肉盛り部とからなる構成
となっている。
エンジンの肉盛りバルブシートは、シリンダヘッドのバ
ルブシート部に合金粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り
部を形成し、前記肉盛り部を所定形状に加工して吸排気
バルブの傘部を当接させる環状当接面を設けたエンジン
の肉盛りバルブシートであって、前記肉盛り部は、前記
環状当接面の外周部よりも半径方向外側の領域において
前記シリンダヘッドとの境界部に低硬度の合金層を形成
する合金粉末を肉盛りした第1肉盛り部と、前記環状当
接面の外周部よりも半径方向内側の領域において耐摩耗
性の合金粉末を肉盛りした第2肉盛り部とからなる構成
となっている。
【0017】本発明の請求項2に係るエンジンの肉盛り
バルブシートは、前記第1肉盛り部の熱膨張率をX、前
記第2肉盛り部の熱膨張率をY、及び前記シリンダヘッ
ドの熱膨張率をZとするとき、Z>X>Yなる関係式を
満たす構成となっている。
バルブシートは、前記第1肉盛り部の熱膨張率をX、前
記第2肉盛り部の熱膨張率をY、及び前記シリンダヘッ
ドの熱膨張率をZとするとき、Z>X>Yなる関係式を
満たす構成となっている。
【0018】本発明の請求項3に係るエンジンの肉盛り
バルブシートは、前記シリンダヘッドはアルミニウム合
金からなり、前記第1肉盛り部を形成する合金粉末は、
重量%で、Sn:3.5〜7.0%、P:0.09〜
0.12%、残部が銅及び不純物からなる銅合金粉末で
あり、前記第2肉盛り部を形成する合金粉末は、重量%
で、Al:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元素
であるV,Nb,Taのうち少なくとも1種:0.1〜
5.0%、Si:1.0〜5.0%、残部が銅及び不純
物からなる銅合金粉末である構成となっている。
バルブシートは、前記シリンダヘッドはアルミニウム合
金からなり、前記第1肉盛り部を形成する合金粉末は、
重量%で、Sn:3.5〜7.0%、P:0.09〜
0.12%、残部が銅及び不純物からなる銅合金粉末で
あり、前記第2肉盛り部を形成する合金粉末は、重量%
で、Al:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元素
であるV,Nb,Taのうち少なくとも1種:0.1〜
5.0%、Si:1.0〜5.0%、残部が銅及び不純
物からなる銅合金粉末である構成となっている。
【0019】本発明の請求項4に係る肉盛りバルブシー
トの製造方法は、シリンダヘッドのバルブシート部に合
金粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り部を形成し、前記
肉盛り部を所定形状に加工して吸排気バルブの傘部を当
接させる環状当接面を設ける肉盛りバルブシートの製造
方法であって、前記環状当接面の外周部が形成される位
置よりも半径方向外側の領域において前記シリンダヘッ
ドとの境界部に低硬度の合金層を形成する合金粉末を供
給溶着して第1肉盛り部を形成し、前記環状当接面の外
周部が形成される位置よりも半径方向外側の領域に位置
する前記第1肉盛り部の表面の一部分まで覆うように、
前記第1肉盛り部よりも半径方向内側の領域において耐
摩耗性の合金粉末を供給溶着して第2肉盛り部を形成す
る構成となっている。
トの製造方法は、シリンダヘッドのバルブシート部に合
金粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り部を形成し、前記
肉盛り部を所定形状に加工して吸排気バルブの傘部を当
接させる環状当接面を設ける肉盛りバルブシートの製造
方法であって、前記環状当接面の外周部が形成される位
置よりも半径方向外側の領域において前記シリンダヘッ
ドとの境界部に低硬度の合金層を形成する合金粉末を供
給溶着して第1肉盛り部を形成し、前記環状当接面の外
周部が形成される位置よりも半径方向外側の領域に位置
する前記第1肉盛り部の表面の一部分まで覆うように、
前記第1肉盛り部よりも半径方向内側の領域において耐
摩耗性の合金粉末を供給溶着して第2肉盛り部を形成す
る構成となっている。
【0020】本発明の請求項5に係る肉盛りバルブシー
トの製造方法は、前記合金粉末を溶着させる際にレーザ
ビームを使用する構成となっている。
トの製造方法は、前記合金粉末を溶着させる際にレーザ
ビームを使用する構成となっている。
【0021】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るエンジンの肉盛
りバルブシートによれば、バルブの往復動方向に対して
垂直な方向、すなわち、環状バルブシートに形成された
環状当接面の半径方向において、環状当接面の外周部よ
りも外側の領域にシリンダヘッドとの境界部に硬度の低
い合金層を形成する合金粉末を用いて肉盛り部を形成
し、環状当接面の外周部よりも内側の領域に耐摩耗性の
合金粉末を用いて肉盛り部を形成することから、シリン
ダヘッドと肉盛り部との境界部領域にプランジ切削加工
等を施しても、切削刃の損傷等を防止でき、これによ
り、切削工具の長寿命化及び製造コストの低減を達成す
ることができる。
りバルブシートによれば、バルブの往復動方向に対して
垂直な方向、すなわち、環状バルブシートに形成された
環状当接面の半径方向において、環状当接面の外周部よ
りも外側の領域にシリンダヘッドとの境界部に硬度の低
い合金層を形成する合金粉末を用いて肉盛り部を形成
し、環状当接面の外周部よりも内側の領域に耐摩耗性の
合金粉末を用いて肉盛り部を形成することから、シリン
ダヘッドと肉盛り部との境界部領域にプランジ切削加工
等を施しても、切削刃の損傷等を防止でき、これによ
り、切削工具の長寿命化及び製造コストの低減を達成す
ることができる。
【0022】また、バルブの往復動方向において、バル
ブの着座による衝撃荷重を支えるのは耐摩耗性合金粉末
により形成された高硬度の肉盛り部であるため、バルブ
シートとしての耐座屈性を向上させることができる。
ブの着座による衝撃荷重を支えるのは耐摩耗性合金粉末
により形成された高硬度の肉盛り部であるため、バルブ
シートとしての耐座屈性を向上させることができる。
【0023】本発明の請求項2に係るエンジンの肉盛り
バルブシートによれば、バルブシートを形成する肉盛り
部の表面側からシリンダヘッドに向けて熱膨張率が順次
に大きくなっていることから、肉盛り部が溶融,凝固,
収縮という過程を辿る際に生じる内部応力を緩和させる
ことで、肉盛り部においてクラック等が発生するのを極
力防止することができ、これにより、製品の歩留り、さ
らには生産性を向上させることができる。
バルブシートによれば、バルブシートを形成する肉盛り
部の表面側からシリンダヘッドに向けて熱膨張率が順次
に大きくなっていることから、肉盛り部が溶融,凝固,
収縮という過程を辿る際に生じる内部応力を緩和させる
ことで、肉盛り部においてクラック等が発生するのを極
力防止することができ、これにより、製品の歩留り、さ
らには生産性を向上させることができる。
【0024】本発明の請求項3に係るエンジンの肉盛り
バルブシートによれば、シリンダヘッドに対する肉盛り
部の溶着性を維持しつつ、両者の境界部領域を切削工具
の損傷等を招くことなくスムーズかつ確実に切削加工す
ることができ、又、バルブシートとして要求される耐摩
耗性及び衝撃荷重に耐える高強度を兼ね備えることがで
きる。
バルブシートによれば、シリンダヘッドに対する肉盛り
部の溶着性を維持しつつ、両者の境界部領域を切削工具
の損傷等を招くことなくスムーズかつ確実に切削加工す
ることができ、又、バルブシートとして要求される耐摩
耗性及び衝撃荷重に耐える高強度を兼ね備えることがで
きる。
【0025】本発明の請求項4に係る肉盛りバルブシー
トの製造方法によれば、まず、シリンダヘッドとの境界
部に低硬度の合金層を形成する合金粉末を用いて外側の
第1肉盛り部を形成し、続いて、内側の領域に耐摩耗性
の合金粉末を用いて第2肉盛り部を形成する際に、環状
当接面の外周部が形成される領域において、第2肉盛り
部が第1肉盛り部の表面を半径方向外側に向かって覆う
ように第2肉盛り部を形成するため、肉盛り部形成後に
所定のバルブシート形状とすべくこの肉盛り部に切削加
工を施しても、環状当接面の領域には、耐摩耗性の肉盛
り層を確実に位置付けることができ、これにより、所望
の耐摩耗性を備えたバルブシートを形成することができ
る。
トの製造方法によれば、まず、シリンダヘッドとの境界
部に低硬度の合金層を形成する合金粉末を用いて外側の
第1肉盛り部を形成し、続いて、内側の領域に耐摩耗性
の合金粉末を用いて第2肉盛り部を形成する際に、環状
当接面の外周部が形成される領域において、第2肉盛り
部が第1肉盛り部の表面を半径方向外側に向かって覆う
ように第2肉盛り部を形成するため、肉盛り部形成後に
所定のバルブシート形状とすべくこの肉盛り部に切削加
工を施しても、環状当接面の領域には、耐摩耗性の肉盛
り層を確実に位置付けることができ、これにより、所望
の耐摩耗性を備えたバルブシートを形成することができ
る。
【0026】本発明の請求項5に係る肉盛りバルブシー
トの製造方法によれば、シリンダヘッドと肉盛り部との
境界層をより薄くなるように肉盛りすることができ、こ
れにより、プランジ切削加工等を施す際に切削刃に加わ
る切削抵抗あるいは切削抵抗の極端な変化を抑制するこ
とができる。
トの製造方法によれば、シリンダヘッドと肉盛り部との
境界層をより薄くなるように肉盛りすることができ、こ
れにより、プランジ切削加工等を施す際に切削刃に加わ
る切削抵抗あるいは切削抵抗の極端な変化を抑制するこ
とができる。
【0027】従って、切削工具の損傷等を防止でき、そ
の長寿命化、さらには生産性の向上、製造コストの低減
等を達成することができる。
の長寿命化、さらには生産性の向上、製造コストの低減
等を達成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0029】本発明に係る肉盛りバルブシートを形成す
る被肉盛り部材としては、排気量1998ccの直列4
気筒DOCH型エンジン用のアルミニウム合金(JIS
規格AC2A材)製シリンダヘッドを用いた。
る被肉盛り部材としては、排気量1998ccの直列4
気筒DOCH型エンジン用のアルミニウム合金(JIS
規格AC2A材)製シリンダヘッドを用いた。
【0030】図3は、このシリンダヘッド1の下面1a
の一部を示す底面図であり、図示するように、燃焼室上
面1bには、中央部に点火プラグ孔4、そのまわりに径
の大きい2つの吸気バルブ用バルブシート部2a、径の
小さい2つの排気バルブ用バルブシート部2bがそれぞ
れ形成されている。
の一部を示す底面図であり、図示するように、燃焼室上
面1bには、中央部に点火プラグ孔4、そのまわりに径
の大きい2つの吸気バルブ用バルブシート部2a、径の
小さい2つの排気バルブ用バルブシート部2bがそれぞ
れ形成されている。
【0031】これらバルブシート部の形状について詳述
すると、図4(図3中のC−C部における断面を示す)
に示すように、例えば吸気バルブ用バルブシート部2a
は、例えば半径4.5mmの環状R溝に予め加工されて
おり、このR溝領域に肉盛りが施されることになる。
すると、図4(図3中のC−C部における断面を示す)
に示すように、例えば吸気バルブ用バルブシート部2a
は、例えば半径4.5mmの環状R溝に予め加工されて
おり、このR溝領域に肉盛りが施されることになる。
【0032】そして、施された肉盛り部をバルブに適合
するような所定の形状に仕上げ加工を施し、30度テー
パ面S1,バルブの傘部が当接する環状当接面となる9
0度テーパ面S2,及び120度テーパ面S3からなる
加工面Sを形成することになる。
するような所定の形状に仕上げ加工を施し、30度テー
パ面S1,バルブの傘部が当接する環状当接面となる9
0度テーパ面S2,及び120度テーパ面S3からなる
加工面Sを形成することになる。
【0033】ここで、説明の便宜上、図4に示すよう
に、環状R溝部(バルブシート部)2aと燃焼室上面1
bの交点、すなわち、環状R溝部2aの外周端をH、環
状R溝部2aの内周端をN、点Nからバルブの往復動方
向Lに伸長した直線と点Hから方向Lに垂直な方向に伸
長した直線との交点をM、環状当接面S2の外周部S2
pを通りかつバルブの往復動方向Lに平行な直線と点H
から方向Lに垂直な方向に伸長した直線との交点をJ、
環状当接面S2の外周部S2pを通りかつバルブの往復
動方向Lに平行な直線と環状R溝部2aとの交点をK、
とする。
に、環状R溝部(バルブシート部)2aと燃焼室上面1
bの交点、すなわち、環状R溝部2aの外周端をH、環
状R溝部2aの内周端をN、点Nからバルブの往復動方
向Lに伸長した直線と点Hから方向Lに垂直な方向に伸
長した直線との交点をM、環状当接面S2の外周部S2
pを通りかつバルブの往復動方向Lに平行な直線と点H
から方向Lに垂直な方向に伸長した直線との交点をJ、
環状当接面S2の外周部S2pを通りかつバルブの往復
動方向Lに平行な直線と環状R溝部2aとの交点をK、
とする。
【0034】次に、肉盛りに使用される合金粉末につい
て説明する。
て説明する。
【0035】先ず、環状当接面S2の外周部S2pが形
成される位置よりも半径方向F外側の領域(略HJKで
囲まれる領域)において、シリンダヘッド1との界面に
低硬度の合金層を形成する合金粉末としては、例えば、
成分組成が重量パーセントで、Sn:3.5〜7.0
%、P:0.09〜0.12%、残部が銅及び不純物か
らなる銅合金粉末を適用することができる。
成される位置よりも半径方向F外側の領域(略HJKで
囲まれる領域)において、シリンダヘッド1との界面に
低硬度の合金層を形成する合金粉末としては、例えば、
成分組成が重量パーセントで、Sn:3.5〜7.0
%、P:0.09〜0.12%、残部が銅及び不純物か
らなる銅合金粉末を適用することができる。
【0036】次に、環状当接面S2の外周部S2pが形
成される位置よりも半径方向F内側の領域(略JKMN
で囲まれる領域)において、硬質相を析出する耐摩耗性
の合金粉末としては、例えば、成分組成が重量パーセン
トで、Al:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元
素であるV,Nb,Taのうち少なくとも1種:0.1
〜5.0%、Si:1.0〜5.0%、場合によっては
Co:5.0〜20.0%、同じく場合によってはFe
及びNiの1種又は2種:5.0〜20.0%、同じく
場合によってはMn:1.0〜10.0%を含有し、残
部が銅(Cu)及び不純物からなる耐摩耗性銅合金粉末
を適用することができる。
成される位置よりも半径方向F内側の領域(略JKMN
で囲まれる領域)において、硬質相を析出する耐摩耗性
の合金粉末としては、例えば、成分組成が重量パーセン
トで、Al:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元
素であるV,Nb,Taのうち少なくとも1種:0.1
〜5.0%、Si:1.0〜5.0%、場合によっては
Co:5.0〜20.0%、同じく場合によってはFe
及びNiの1種又は2種:5.0〜20.0%、同じく
場合によってはMn:1.0〜10.0%を含有し、残
部が銅(Cu)及び不純物からなる耐摩耗性銅合金粉末
を適用することができる。
【0037】尚、本実施例では、肉盛り用合金粉末とし
て、下記表1に示す成分組成を有する2種類の銅合金粉
末U,Vを使用した。
て、下記表1に示す成分組成を有する2種類の銅合金粉
末U,Vを使用した。
【0038】
【表1】
【0039】また、上記表1に示す銅合金粉末U,V及
びアルミニウム合金(JIS規格AC2A材)製シリン
ダヘッド1の硬度(Hv)及び熱膨張率X,Y,Zを下
記表2に示す。
びアルミニウム合金(JIS規格AC2A材)製シリン
ダヘッド1の硬度(Hv)及び熱膨張率X,Y,Zを下
記表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】上述表1及び表2に示す銅合金粉末U,V
を用いて、バルブシート部2に肉盛り部を形成する方法
について以下に説明する。
を用いて、バルブシート部2に肉盛り部を形成する方法
について以下に説明する。
【0042】先ず、環状当接面S2の外周部S2pが形
成される位置よりも半径方向F外側の領域(略HJKで
囲まれる領域)に対して、粉末供給装置(不図示)によ
り表1に示す銅合金粉末Uを供給しつつレーザビームを
照射して、図5に示すような第1肉盛り部5aを形成す
る。ここで適用される肉盛り加工条件としては、例え
ば、下記表3に示すものが適用可能である。
成される位置よりも半径方向F外側の領域(略HJKで
囲まれる領域)に対して、粉末供給装置(不図示)によ
り表1に示す銅合金粉末Uを供給しつつレーザビームを
照射して、図5に示すような第1肉盛り部5aを形成す
る。ここで適用される肉盛り加工条件としては、例え
ば、下記表3に示すものが適用可能である。
【0043】
【表3】
【0044】次に、環状当接面S2の外周部S2pが形
成される位置よりも半径方向F内側の領域(略JKMN
で囲まれる領域)に対して、粉末供給装置により表1に
示す耐摩耗性銅合金粉末Vを供給しつつレーザビームを
照射して、図6に示すような第2肉盛り部5bを形成す
る。ここで適用される肉盛り加工条件としては、例え
ば、下記表4に示すものが適用可能である。
成される位置よりも半径方向F内側の領域(略JKMN
で囲まれる領域)に対して、粉末供給装置により表1に
示す耐摩耗性銅合金粉末Vを供給しつつレーザビームを
照射して、図6に示すような第2肉盛り部5bを形成す
る。ここで適用される肉盛り加工条件としては、例え
ば、下記表4に示すものが適用可能である。
【0045】
【表4】
【0046】ここで、第2肉盛り部5bを形成する際
に、環状当接面S2の外周部S2pが形成される位置よ
りも半径方向F外側の領域に位置する第1肉盛り部5a
の表面の一部分まで覆うような肉盛り部5b´を形成す
るように肉盛り加工を施す。
に、環状当接面S2の外周部S2pが形成される位置よ
りも半径方向F外側の領域に位置する第1肉盛り部5a
の表面の一部分まで覆うような肉盛り部5b´を形成す
るように肉盛り加工を施す。
【0047】このような肉盛り部5b´を設けることに
より、第2肉盛り部5bに切削加工を施して仕上げ面S
を形成する場合に、肉盛り部の厚さにばらつきがあって
も、環状当接面S2の外周部S2pが、第1肉盛り部5
aの領域により形成されるようなことはなく、確実に第
2肉盛り部5bを形成する耐摩耗性合金により形成され
ることになる。これにより、バルブシートとして要求さ
れる耐摩耗性を確実に確保することができる。
より、第2肉盛り部5bに切削加工を施して仕上げ面S
を形成する場合に、肉盛り部の厚さにばらつきがあって
も、環状当接面S2の外周部S2pが、第1肉盛り部5
aの領域により形成されるようなことはなく、確実に第
2肉盛り部5bを形成する耐摩耗性合金により形成され
ることになる。これにより、バルブシートとして要求さ
れる耐摩耗性を確実に確保することができる。
【0048】次に、上述の如く形成された第1肉盛り部
5a及び第2肉盛り部5bに対して、切削加工を施し、
バルブシートとしての仕上げ形状を得るための加工方法
について説明する。
5a及び第2肉盛り部5bに対して、切削加工を施し、
バルブシートとしての仕上げ形状を得るための加工方法
について説明する。
【0049】ここで用いる切削用の加工装置は、主軸モ
ータ(不図示)によって軸方向に進退自在にかつ回転駆
動されるように支持されたホルダ部(不図示)と、この
ホルダ部にそれぞれ支持された120度テーパ面S3を
加工するための切削バイト11、30度テーパ面S1を
加工するための切削バイト12、90度テーパ面S2を
加工するための切削バイト13等を備えている。
ータ(不図示)によって軸方向に進退自在にかつ回転駆
動されるように支持されたホルダ部(不図示)と、この
ホルダ部にそれぞれ支持された120度テーパ面S3を
加工するための切削バイト11、30度テーパ面S1を
加工するための切削バイト12、90度テーパ面S2を
加工するための切削バイト13等を備えている。
【0050】加工に際し、先ずホルダ部をシリンダヘッ
ド1のバルブシート部開口領域に挿入する。そして、図
7及び図8に示すように、120度テーパ面S3を切削
バイト11を用いて、又、30度テーパ面S1を切削バ
イト12を用いて、それぞれプランジ加工を施し、所定
の仕上げ面S3,S1を形成する。
ド1のバルブシート部開口領域に挿入する。そして、図
7及び図8に示すように、120度テーパ面S3を切削
バイト11を用いて、又、30度テーパ面S1を切削バ
イト12を用いて、それぞれプランジ加工を施し、所定
の仕上げ面S3,S1を形成する。
【0051】この際、図7に示すようなシリンダヘッド
1と第1肉盛り部5aとの境界部7の領域に硬質相が析
出しないように、第1肉盛り部5aは合金粉末(本実施
例では、Cu−3.5Sn−0.12P)を用いて肉盛
りされているため、切削バイト11の切削刃に加わる切
削抵抗を低減させることができ、これにより、切削バイ
ト11の寿命を延ばすことができる。尚、本実施例で
は、境界部7に金属間化合物等の硬質相が析出するもの
を切削するものに比べて、切削バイト11の寿命を約5
0%向上させることができた。
1と第1肉盛り部5aとの境界部7の領域に硬質相が析
出しないように、第1肉盛り部5aは合金粉末(本実施
例では、Cu−3.5Sn−0.12P)を用いて肉盛
りされているため、切削バイト11の切削刃に加わる切
削抵抗を低減させることができ、これにより、切削バイ
ト11の寿命を延ばすことができる。尚、本実施例で
は、境界部7に金属間化合物等の硬質相が析出するもの
を切削するものに比べて、切削バイト11の寿命を約5
0%向上させることができた。
【0052】上述の切削加工が終了すると、切削バイト
11及び切削バイト12を後退させ、続いて、図9に示
すように、切削バイト13を前進させて、90度テーパ
面S2をトラバース加工し、バルブシートとしての最終
形状に仕上げ加工する。
11及び切削バイト12を後退させ、続いて、図9に示
すように、切削バイト13を前進させて、90度テーパ
面S2をトラバース加工し、バルブシートとしての最終
形状に仕上げ加工する。
【0053】以上のようにして形成された肉盛りバルブ
シートを図10に示す。図10に示すように、吸気バル
ブ3a(あるいは排気バルブ3b)の傘部3as(ある
いは3bs)が当接する環状当接面は90度テーパ面S
2に相当し、この環状当接面の外周部S2pよりも半径
方向F外側の領域に硬度の低い第1肉盛り部5a、外周
部S2pよりも半径方向F内側の領域に硬度の高い第2
肉盛り部5bがそれぞれ設けられている。
シートを図10に示す。図10に示すように、吸気バル
ブ3a(あるいは排気バルブ3b)の傘部3as(ある
いは3bs)が当接する環状当接面は90度テーパ面S
2に相当し、この環状当接面の外周部S2pよりも半径
方向F外側の領域に硬度の低い第1肉盛り部5a、外周
部S2pよりも半径方向F内側の領域に硬度の高い第2
肉盛り部5bがそれぞれ設けられている。
【0054】また、バルブ3aの往復動方向Lにおい
て、バルブの衝撃荷重を支えるのは高硬度の第2肉盛り
部5bであるため、エンジン稼働時のバルブシートの耐
座屈性を向上させることができる。
て、バルブの衝撃荷重を支えるのは高硬度の第2肉盛り
部5bであるため、エンジン稼働時のバルブシートの耐
座屈性を向上させることができる。
【図1】 エンジンのバルブシートを肉盛りにより形成
した状態を示すシリンダヘッドの一部断面図である。
した状態を示すシリンダヘッドの一部断面図である。
【図2】 図1中のA部拡大図で、肉盛りを施す前の未
加工の状態を示す図である。
加工の状態を示す図である。
【図3】 シリンダヘッドのバルブシート部を示す底面
図である。
図である。
【図4】 図3中のC−C部におけるバルブシート部の
断面図である。
断面図である。
【図5】 シリンダヘッドのバルブシート部に第1肉盛
り部を施した状態を示す断面図である。
り部を施した状態を示す断面図である。
【図6】 シリンダヘッドのバルブシート部に第1肉盛
り部及び第2肉盛り部を施した状態を示す断面図であ
る。
り部及び第2肉盛り部を施した状態を示す断面図であ
る。
【図7】 バルブシートの120度テーパ面を切削加工
する状態を示す断面図である。
する状態を示す断面図である。
【図8】 バルブシートの30度テーパ面を切削加工す
る状態を示す断面図である。
る状態を示す断面図である。
【図9】 バルブシートの90度テーパ面を切削加工す
る状態を示す断面図である。
る状態を示す断面図である。
【図10】 最終形状に仕上げ加工された肉盛りバルブ
シートを示す断面図である。
シートを示す断面図である。
1 シリンダヘッド 1a 下面 1b 燃焼室上面 2 バルブシート部 2a 吸気バルブ用バルブシート部 2b 排気バルブ用バルブシート部 3 バルブ 4 点火ブラグ孔 5 肉盛り部 5a 第1肉盛り部 5b 第2肉盛り部 7 境界部 11 切削バイト(120度面) 12 切削バイト(30度面) 13 切削バイト(90度面)
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダヘッドのバルブシート部に合金
粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り部を形成し、前記肉
盛り部を所定形状に加工して吸排気バルブの傘部を当接
させる環状当接面を設けたエンジンの肉盛りバルブシー
トであって、 前記肉盛り部は、前記環状当接面の外周部よりも半径方
向外側の領域において前記シリンダヘッドとの境界部に
低硬度の合金層を形成する合金粉末を肉盛りした第1肉
盛り部と、前記環状当接面の外周部よりも半径方向内側
の領域において耐摩耗性の合金粉末を肉盛りした第2肉
盛り部とからなることを特徴とするエンジンの肉盛りバ
ルブシート。 - 【請求項2】 前記第1肉盛り部の熱膨張率をX、前記
第2肉盛り部の熱膨張率をY、及び前記シリンダヘッド
の熱膨張率をZとするとき、Z>X>Yなる関係式を満
たすことを特徴とする請求項1記載のエンジンの肉盛り
バルブシート。 - 【請求項3】 前記シリンダヘッドはアルミニウム合金
からなり、前記第1肉盛り部を形成する合金粉末は、重
量%で、Sn:3.5〜7.0%、P:0.09〜0.
12%、残部が銅及び不純物からなる銅合金粉末であ
り、前記第2肉盛り部を形成する合金粉末は、重量%
で、Al:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元素
であるV,Nb,Taのうち少なくとも1種:0.1〜
5.0%、Si:1.0〜5.0%、残部が銅及び不純
物からなる銅合金粉末であることを特徴とする請求項1
又は2記載のエンジンの肉盛りバルブシート。 - 【請求項4】 シリンダヘッドのバルブシート部に合金
粉末を肉盛り溶着して環状の肉盛り部を形成し、前記肉
盛り部を所定形状に加工して吸排気バルブの傘部を当接
させる環状当接面を設ける肉盛りバルブシートの製造方
法であって、前記環状当接面の外周部が形成される位置
よりも半径方向外側の領域において前記シリンダヘッド
との境界部に低硬度の合金層を形成する合金粉末を供給
溶着して第1肉盛り部を形成し、前記環状当接面の外周
部が形成される位置よりも半径方向外側の領域に位置す
る前記第1肉盛り部の表面の一部分まで覆うように、前
記第1肉盛り部よりも半径方向内側の領域において耐摩
耗性の合金粉末を供給溶着して第2肉盛り部を形成する
ことを特徴とする肉盛りバルブシートの製造方法。 - 【請求項5】 前記合金粉末を溶着させる際にレーザビ
ームを使用することを特徴とする請求項4記載の肉盛り
バルブシートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9148256A JPH10339117A (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | エンジンの肉盛りバルブシート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9148256A JPH10339117A (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | エンジンの肉盛りバルブシート及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10339117A true JPH10339117A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15448723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9148256A Pending JPH10339117A (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | エンジンの肉盛りバルブシート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10339117A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005029894A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-02-03 | Daimler Chrysler Ag | 弁座生産方法 |
JP2021169108A (ja) * | 2020-04-15 | 2021-10-28 | 住友重機械ハイマテックス株式会社 | 硬質金属部材の製造方法及び硬質金属部材 |
US11427889B2 (en) | 2020-06-24 | 2022-08-30 | Hyundai Motor Company | Copper alloy for engine valve seats manufactured by laser cladding |
WO2022199837A1 (en) * | 2021-03-26 | 2022-09-29 | Jaguar Land Rover Limited | A casting for an internal combustion engine |
US11560610B2 (en) | 2020-06-22 | 2023-01-24 | Hyundai Motor Company | Copper alloy for valve seats |
-
1997
- 1997-06-05 JP JP9148256A patent/JPH10339117A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005029894A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-02-03 | Daimler Chrysler Ag | 弁座生産方法 |
JP2021169108A (ja) * | 2020-04-15 | 2021-10-28 | 住友重機械ハイマテックス株式会社 | 硬質金属部材の製造方法及び硬質金属部材 |
US11560610B2 (en) | 2020-06-22 | 2023-01-24 | Hyundai Motor Company | Copper alloy for valve seats |
US11427889B2 (en) | 2020-06-24 | 2022-08-30 | Hyundai Motor Company | Copper alloy for engine valve seats manufactured by laser cladding |
WO2022199837A1 (en) * | 2021-03-26 | 2022-09-29 | Jaguar Land Rover Limited | A casting for an internal combustion engine |
GB2620065A (en) * | 2021-03-26 | 2023-12-27 | Jaguar Land Rover Ltd | A casting for internal combustion engine |
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