JPH10299433A - エンジンのバルブガイド及び溶着加工装置 - Google Patents

エンジンのバルブガイド及び溶着加工装置

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JPH10299433A
JPH10299433A JP9106419A JP10641997A JPH10299433A JP H10299433 A JPH10299433 A JP H10299433A JP 9106419 A JP9106419 A JP 9106419A JP 10641997 A JP10641997 A JP 10641997A JP H10299433 A JPH10299433 A JP H10299433A
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JP
Japan
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valve
valve guide
welding
powder
engine
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Application number
JP9106419A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
木 健 司 鈴
Makoto Kano
納 眞 加
Kenji Tsushima
島 健 次 津
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンのバルブに伝わる熱をバルブガイド
から効率よく逃がすようにしてエンジン出力の向上を図
る。 【解決手段】 エンジンの吸排気バルブ3を往復動自在
に案内するバルブガイドを耐摩耗性の合金粉末20a,
20bを直接溶着して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダヘッドに配置される吸排気バルブを往復動自在に案内
するバルブガイドに関し、特に、金属材料を溶着して形
成したエンジンのバルブガイド及び溶着加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、エンジンのバルブガ
イド2は、エンジンのシリンダヘッド1に形成された燃
焼室1aの近傍に位置し、吸気バルブ3a及び排気バル
ブ3bを往復動自在に案内する部品であり、両バルブ3
が往復動する際にそのステム部3cの摺動により発生す
るシリンダヘッド素材との間の摩擦及び摩耗を抑制する
役割を成すものである。
【0003】このバルブガイド2としては、従来から鉄
系合金の焼結材が使用されており、この焼結材からなる
バルブガイド2は、予め加工されたシリンダヘッド1の
嵌合孔に圧入により取り付けられていた。
【0004】尚、上述の吸排気バルブ3は、スプリング
4により常時上向きに付勢されてバルブの傘部3dがバ
ルブシート5に着座しており、カムシャフト(不図示)
の駆動により、スプリング4の付勢力に抗して下方に押
し下げられて、吸気ポート1bあるいは排気ポート1c
を燃焼室1aに連通させる働きをなすものである。
【0005】一方、合金等の金属材料を溶着する技術と
しては、TIG溶接,MIG溶接,プラズマ溶着,電子
ビームあるいはレーザビーム等の高密度エネルギビーム
を熱源として用いる肉盛り溶着技術等があり、これらの
技術を使用したエンジン部品あるいは加工部分として
は、ピストンリング溝,バルブフェース,バルブシート
等が存在する。
【0006】その中でも、シリンダヘッドのバルブシー
トは、耐熱性,耐摩耗性,耐蝕性等の向上を図るため
に、レーザ肉盛りにより形成される傾向にあり、又、こ
のような肉盛りバルブシートとしては、特開平8−35
027号公報,特開昭62−150014号公報等に示
されているように、アルミニウム鋳造合金製シリンダヘ
ッドのバルブシート部に、銅合金粉末を溶融させて肉盛
りしたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
鉄系焼結材からなるバルブガイドをシリンダヘッドの嵌
合孔に圧入した構造においては、吸排気バルブに伝わる
熱を効率良くシリンダヘッドに拡散させるのが困難であ
り、エンジン性能特に出力の向上を図る観点から、吸排
気バルブの温度を低くする、すなわち、吸排気バルブと
接触する部品からの熱の放出量(伝熱量)を如何に大き
くするかが1つの課題であった。
【0008】また、従来の溶着加工等は、閉ざされた構
造ではなく、比較的加工スペースを取れる構造に対して
行われていたが、筒形状のような凹部領域の底あるいは
内側面に溶着加工を施す際には、その加工時に発生する
溶着用材料の溶融によるヒューム(煙気)及び溶け残っ
た溶着材料が、溶融エネルギ源としての例えばレーザビ
ームの照射を妨害して、本来必要とされるエネルギが供
給されず、あるいは溶け残った溶着材料の悪影響によ
り、クラック(割れ),空洞,ポア等が発生することが
あった。
【0009】従って、筒形状のような凹部領域に溶着加
工を施す際において、上述の如きヒューム,未溶着の材
料等を如何に処理するかがまた1つの課題であった。
【0010】本発明は、上述の如き課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、バルブに伝わ
る熱を効率良く逃がして、エンジン出力の向上が図れる
ようなエンジンのバルブガイドを提供することにあり、
又、凹部領域等に溶着加工を施す際に、その加工により
発生するヒューム,溶け残った溶着材料等の悪影響を取
り除くことのできる溶着加工装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エンジンのバルブガイドは、シリンダヘッドのバルブガ
イド領域に形成されてバルブを往復動可能に案内するエ
ンジンのバルブガイドであって、上記バルブガイド領域
に対して耐摩耗性の合金粉末を直接溶着して形成したこ
とを特徴としている。
【0012】本発明の請求項2に係るエンジンのバルブ
ガイドは、バルブの往復動方向において、上記バルブガ
イド領域の少なくとも両端から所定の深さまで合金粉末
を直接溶着して形成した溶着部を有することを特徴とし
ている。
【0013】本発明の請求項3に係るエンジンのバルブ
ガイドは、上記溶着部の深さが5mm〜10mmの範囲
であることを特徴としている。
【0014】本発明の請求項4に係るエンジンのバルブ
ガイドは、バルブの往復動方向に対して垂直な方向にお
ける上記溶着部の肉厚が、バルブのステム部直径の0.
5〜1.0倍であることを特徴としている。
【0015】本発明の請求項5に係るエンジンのバルブ
ガイドは、上記バルブガイド領域において、上記溶着部
のバルブ案内孔径をdg、シリンダヘッド素材部のバル
ブ案内孔径をdhとするとき、dhはdgに対してプラ
ス公差となっていることを特徴としている。
【0016】本発明の請求項6に係るエンジンのバルブ
ガイドは、上記プラス公差が、0.05mm〜0.20
mmの範囲であることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項7に係るエンジンのバルブ
ガイドは、上記合金粉末が銅合金粉末からなり、その粒
径が、50μm〜150μmの範囲であることを特徴と
している。
【0018】本発明の請求項8に係るエンジンのバルブ
ガイドは、上記合金粉末を溶着した溶着層に硬質相が析
出した組織を有することを特徴としている。
【0019】本発明の請求項9に係るエンジンのバルブ
ガイドは、上記合金粉末の材料組成が重量%で、アルミ
ニウム:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元素の
バナジウム,ニオブ,タンタルのうち1種又は2種以上
が:0.1〜5.0%、シリコン:1.0〜5.0%、
残部が銅及び不純物からなることを特徴としている。
【0020】本発明の請求項10に係る溶着加工装置
は、素材に形成された穴部に対して、供給手段により金
属粉末材料を供給し、高密度エネルギビームを照射して
金属粉末材料を素材に溶着させる溶着加工装置であっ
て、溶着加工の際に上記穴部に発生する不要物を吸引す
る吸引手段を設けたことを特徴としている。
【0021】本発明の請求項11に係る溶着加工装置
は、上記素材に形成された穴部が円柱形状をなす場合に
おいて、上記供給手段は穴部に対して相対的に挿脱可能
でかつ回転可能な円柱形状の外周面をなすノズル部材を
有し、このノズル部材には、高密度エネルギビームを導
くビーム通路、金属粉末材料を導く粉末通路、シールド
ガスを導くシールドガス通路、及び上記吸引手段の一部
となる吸引通路が一体的に形成されていることを特徴と
している。
【0022】本発明の請求項12に係る溶着加工装置
は、上記吸引通路の吸引口が、溶着加工方向において、
上記粉末通路,シールドガス通路,及びビーム通路のそ
れぞれの開口部よりも後方に配置されていることを特徴
としている。
【0023】本発明の請求項13に係る溶着加工装置
は、高密度エネルギビームを楕円ビームにするインテグ
レーションレンズを有し、このインテグレーションレン
ズは、上記穴部に対して、上記ノズル部材と一体的に回
転することを特徴としている。
【0024】本発明の請求項14に係る溶着加工装置
は、金属材料粉末への照射位置において、上記楕円ビー
ムが、上記ノズル部材の半径方向に長径をもち、この長
径が上記ノズル部材の中心と外周壁との間に位置するこ
とを特徴としている。
【0025】本発明の請求項15に係る溶着加工装置
は、上記吸引手段の吸引力が、0.2〜0.5kg/c
の範囲であることを特徴としている。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るエンジンのバル
ブガイドによれば、耐摩耗性合金とシリンダヘッド素材
との接合部に金属結合を有した界面が存在することにな
り、エンジン運転時にバルブに伝わった熱は、そのステ
ム部からこの界面を通してシリンダヘッドへ効率良く逃
がされ、従来の鉄基焼結材からなるバルブガイドに比べ
て優れたバルブの温度低減が達成され、これにより、エ
ンジンの高回転時におけるノッキングを低減できエンジ
ンの性能を向上させることができるという優れた効果が
もたらされる。
【0027】本発明の請求項2に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、バルブガイド領域の両端すなわちカム
シャフト側及び燃焼室側の両端から所定の深さまで耐摩
耗性合金を直接溶着させてバルブガイドを形成すること
で、従来の如くバルブガイド部品の打ち込み作業を必要
とせず、かつ、従来と同等以上の耐摩耗性を確保できる
ことから、高価である鉄基焼結バルブガイド部品を廃止
することができ、その結果、コストの低減が達成できる
という優れた効果がもたらされる。
【0028】本発明の請求項3に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、耐摩耗性合金を不必要に用いることな
く、バルブ温度の低減、耐摩耗性の確保、及びコストの
低減を達成できるという優れた効果がもたらされる。
【0029】本発明の請求項4に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、通常におけるバルブの摺動動作に対し
て十分耐え得る強度を確保できるのはもちろんのこと、
突発的な負荷入力に対しても耐え得る十分な強度を確保
できるという優れた効果がもたらされる。
【0030】本発明の請求項5に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、バルブのステム部はシリンダヘッドの
素材そのものにより支持されなくなり、従って、摺動時
における抵抗を低減することができるという優れた効果
がもたらされる。
【0031】本発明の請求項6に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、バルブガイド領域の強度を確保しつ
つ、バルブの摺動抵抗を低減することができるという優
れた効果がもたらされる。
【0032】本発明の請求項7に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、銅合金粉末を用いることで十分な熱伝
導性が得られて、バルブの温度をより一層低減させるこ
とができ、これにより、エンジン性能をさらに向上させ
ることができるという優れた効果がもたらされる。
【0033】また、銅合金粉末の粒径を50〜150μ
mの範囲とすることで、粉末の流動性が高く優れた粉末
供給性が得られることから、粉末の使用量を必要最小限
に抑えることができ、これにより、コストの低減を達成
することができるという優れた効果がもたらされる。
【0034】本発明の請求項8に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、溶着領域に硬質相が析出した組織を有
することから、バルブガイド領域全てを溶着により形成
しなくとも、十分な耐摩耗性を得ることができ、性能の
経時劣化を防止することができるという優れた効果がも
たらされる。
【0035】本発明の請求項9に係るエンジンのバルブ
ガイドによれば、溶着により形成されたバルブガイドと
シリンダヘッドとの界面における金属間化合物は強度が
極端に低くなることはなく、従って、穴加工時の割れ強
度が高まり、これによって、不良品の発生を抑制でき、
生産性の向上を達成することができるという優れた効果
がもたらされる。
【0036】本発明の請求項10に係る溶着加工装置に
よれば、溶着加工の際に発生する不要物、すなわちヒュ
ーム(煙気)、溶け残った残粉末等を吸引する吸引手段
を有することから、金属粉末に向けて照射される高密度
エネルギビームがヒュームにより遮られるのを防止する
ことができ、又、残粉末等の影響によるポア,未溶着等
の欠陥の発生を抑制することができ、さらに、これまで
加工が困難であった穴形状の加工部位への溶着が可能に
なるという優れた効果がもたらされる。
【0037】本発明の請求項11に係る溶着加工装置に
よれば、加工領域である円柱状の穴部に適合する外形を
なすノズル部材を有し、このノズル部材にビーム通路、
粉末通路、シールドガス通路、吸引通路が一体的に形成
されていることから、簡単な手順で容易に溶着加工を行
うことができるという優れた効果がもたらされる。
【0038】本発明の請求項12に係る溶着加工装置に
よれば、加工領域での溶着状態を乱すことなく、効率良
くヒューム及び残粉末を除去することができ、高品質の
製品を得ることができるという優れた効果がもたらされ
る。
【0039】本発明の請求項13に係る溶着加工装置に
よれば、加工位置を正確に設定することができ、これに
より、生産性を向上させることができるという優れた効
果がもたらされる。
【0040】本発明の請求項14に係る溶着加工装置に
よれば、ノズル部材を回転させて加工を行う際のビーム
モードの変化を抑えることができ、これにより、加工を
安定して行うことができ、生産速度を高めることができ
るという優れた効果がもたらされる。
【0041】本発明の請求項15に係る溶着加工装置に
よれば、加工領域で消費されるべき溶着粉末及びシール
ドガスの吸い込みを防ぎ、かつヒューム及び残粉末を確
実に除去することができることから、ポア,未溶着等の
欠陥の発生を防止でき、これにより、製品の歩留りを一
定水準に維持することができるという優れた効果がもた
らされる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
【0043】図2は、本発明に係るバルブガイドを採用
したシリンダヘッドの一部断面図を示している。本図に
示すように、素材としてのアルミニウム合金(JIS規
格AC2A)製シリンダヘッド1のバルブガイド領域で
ある素材柱状部分1dには、カムシャフト(不図示)に
近い上端側と燃焼室に近い下端側にそれぞれ穴加工が施
され、これら穴部にそれぞれ銅基耐摩耗性合金が肉盛り
溶着されて、溶着部としての燃焼室側(下側)バルブガ
イド部20a及びカム側(上側)バルブガイド部20b
が形成されている。
【0044】また、このバルブガイド部20a,20b
及び素材部分1hには、バルブのステム部3cを往復動
かつ摺動自在に案内する案内孔が形成され、この案内孔
の素材部分1hの領域は、ステム部3cの外径に対して
プラス公差で加工されている。
【0045】従って、バルブ3のステム部3cを実質的
に摺動可能に支持する部分は、銅基耐摩耗性合金からな
る上側バルブガイド部20b及び下側バルブガイド部2
0aのみとなっている。
【0046】これにより、摺動介面での摩耗を抑制しつ
つ、燃焼室1aからバルブ3に伝わる熱が、ステム部3
cから銅基耐摩耗性合金で形成された両バルブガイド部
20a,20bを介してシリンダヘッド本体へ効率良く
伝えられ、バルブ3の温度が低減させられる。
【0047】次に、上述バルブガイドの形成手法につい
て説明する。
【0048】図3は、本発明に係るバルブガイドを形成
する際の前加工状態を示す断面図である。図3に示すよ
うに、アルミニウム合金の鋳造品であるシリンダヘッド
1に対して、前加工として、バルブガイド領域としての
素材柱状部分1dに、バルブ3のステム部3c直径(例
えば6mm)の約3倍(18mm)の内径で、かつ、燃
焼室1a側の例えば吸気ポート1b壁面から深さ約15
mmの下側穴部1eと、カムシャフト側上端面から深さ
約10mmの上側穴部1fとを加工する。その際、上下
両側からの穴開け加工は、貫通しないように行う。
【0049】次に、下側の円柱状穴部1eの底部に、そ
の軸心を中心としてリング状の溝1gを加工する。この
溝加工は、底部の円周領域に生じる角部分を取り除いて
合金粉末の溶融溶着を容易にしかつ確実にするためのも
のであり、特に下向きで深穴の場合有効である。この溝
加工を上側の穴部1fに施すことももちろん可能であ
る。
【0050】次に、図4及び図5に示す溶着加工装置3
0を用いて、溶着加工を施す。
【0051】この溶着加工装置30は、図4に示すよう
に、円柱形状をなすノズル部材としてのノズル本体31
と、このノズル本体31を軸心まわりに回転させるノズ
ル回転部32と、このノズル回転部32を駆動するモー
タ34と、ノズル回転部32の上方に位置してレーザ発
振器(不図示)から出射される非集光のレーザビーム4
0を例えば長径6mm,短径2mmの楕円光に集光させ
るインテグレーションレンズ33とを備えている。
【0052】また、ノズル本体31の内部には、インテ
グレーションレンズ33により楕円光に集光されたレー
ザビーム40を導くビーム通路36、溶着材料としての
金属粉末を導く粉末通路37、及び加工領域をガスシー
ルドするためのシールドガスを導くシールドガス通路3
8がそれぞれ形成されており、粉末通路37及びシール
ドガス通路38は、その上流側がノズル本体31の外周
壁にて開口し、その外側に配置されたそれぞれのパイプ
に接続されて、粉末供給源及びシールドガス供給源(共
に不図示)に連通している。一方、ビーム通路36、粉
末通路37、及びシールドガス通路38の下流端は、ノ
ズル本体31の端面31a上にて、それぞれレーザビー
ム照射口36a、粉末供給口37a、及びシールドガス
供給口38aとして開口して開口部を形成しており、ノ
ズル本体31の回転方向すなわち加工方向Rにおいて、
粉末供給口37a及びシールドガス供給口38aがレー
ザビーム照射口36aよりも僅かに前方に位置してい
る。
【0053】また、ノズル本体31の端面31aの一部
には、円柱の略4分割形状をなす突出部35が一体的に
形成されており、この突出部35の端面に形成された吸
引口39aを上流端とし、突出部35及びノズル本体3
1の内部に形成され、さらに、ノズル本体31の上部外
周壁にて開口し、その外側に配置されたパイプに接続さ
れて排出物容器(不図示)に通じる一連の吸引通路39
が形成されている。そして、この吸引通路39を通し
て、加工時に発生したヒューム(煙気)及び溶け残った
残粉末42が、吸引ポンプ等を含んだ吸引手段(不図
示)により吸い込まれて取り除かれるようになってい
る。
【0054】ここで、上述の吸引口39aは、加工方向
Rにおいて、前述のレーザビーム照射口36aよりも後
方に配置されている。すなわち、加工方向Rにおいて、
先ず粉末供給口37a及びシールドガス供給口38a、
その後方にレーザビーム照射口36a、さらにその後方
に吸引口39aが配置された構成となっている。
【0055】これにより、粉末等の供給、溶着加工、後
処理を順番に効率良く行なわせることができる。
【0056】図5は、上述の溶着加工装置30をシリン
ダヘッド1の穴部1e,1fに挿入して、溶着加工を行
う際の状態を示す図である。図5に示すように、ノズル
本体31は円柱状の穴部1e,1fに適合するような穴
部の径よりも僅かに小さい径寸法をなしており、ノズル
本体31がR方向に1回転すると、1層の肉盛り溶着が
行われるようになっている。
【0057】この際、ノズル本体31とインテグレーシ
ョンレンズ33とは、ノズル本体31の回転中心に対し
て一体的に回転するようになっている。
【0058】従って、インテグレーションレンズ33に
より楕円光に集光されたレーザビーム40は、ノズル本
体31が回転しても常にその径方向に長径をもつような
楕円光となり、効率良く加工領域に照射されることにな
る。
【0059】また、加工領域に照射される楕円光のレー
ザビーム40は、円柱状をなすノズル本体31の中心と
外周壁との間、すなわち、半径の範囲内に楕円光の長径
方向における両端が位置するように設定されることによ
り、レーザビームのエネルギを効率良く利用することが
できると共に、回転して加工を行う際のビームモードの
変化を抑えることができ、これにより、加工が安定して
行え、生産速度を高めることができる。
【0060】次に、上述の溶着加工装置30を用いた加
工手順について説明する。
【0061】先ず、図5に示すように、ノズル本体31
が被加工領域としての穴部1e,1fの奥深くまで挿入
される。次に、モータ34により回転部32を介してノ
ズル本体31がR方向に回転され、これと同時に粉末供
給口37aから金属粉末41が供給され、又、シールド
ガス供給口38aから不活性の例えばアルゴンガスが供
給される。
【0062】そして、ノズル本体31の回転につれて、
レーザビーム照射口36aから照射される楕円レーザビ
ーム49が堆積された金属粉末41を走査するように照
射される。このレーザビームの照射により、金属粉末4
1が溶融して穴部1e,1fの底部及び内壁と一体的に
溶着する。
【0063】この際、発生したヒューム及び溶け残った
残粉末42は、レーザビーム40の後方に続く吸引口3
9aからの吸引作用により取り除かれる。
【0064】上述の如き一連の処理を行いつつノズル本
体31が1回転すると、1層の肉盛り溶着が終了する。
【0065】続いて、上下移動手段(不図示)により、
シリンダヘッド1を下方へあるいは溶着加工装置30を
上方へ所定量移動させて、同様の加工処理を行い、2層
目の肉盛り溶着を終了する。
【0066】以上のような工程を繰り返し行って、多層
の肉盛り溶着加工を施すことで、所望の肉盛り溶着部を
形成することができる。
【0067】尚、穴部の深さに応じて、何層の肉盛りに
するか決定することができ、場合によっては、1層の肉
盛りとすることも可能である。
【0068】次に、上述の溶着加工装置30を用いて、
溶着加工を行う際の条件としては、下記表1に示すもの
を採用することができる。
【0069】
【表1】
【0070】図6は、鋳造アルミニウム合金(JIS規
格AC2A)からなる素材50に内径30mmの円筒状
穴部50aを形成し、この穴部50aに対して溶着加工
を施した際に、ヒューム及び残粉末42を吸い込む吸引
力を変化させた場合の溶着高さ(H)と残粉末量との関
係を示す図である。
【0071】ここで、溶着高さ(H)としては、図7に
示すように、被加工材である素材50と溶着材料41と
の界面からの高さを測定した。
【0072】尚、この溶着加工には、非集光のCO
ーザをインテグレーションレンズ33により長径6m
m,短径2mmの楕円光に集光した高密度エネルギレー
ザビームを使用し、穴部50aの底に径27mmの円周
上に沿って銅合金(アルニブロンズ)を供給して行っ
た。
【0073】図6から明らかなように、溶着高さ(H)
は、吸引力0.5kg/cm以上で低くなる傾向にあ
り、これは加工領域に供給された粉末の一部が吸込まれ
たためであり、吸引力の増加に比例して吸込まれる粉末
の量も増加している。
【0074】一方、残粉末は、吸引力0.2kg/cm
以上では計測できない程微量であった。
【0075】従って、吸引力の下限としては、粉末が殆
ど残らない0.2kg/cmが好ましく、又、吸引力
の上限としては、溶着高さを低下させない0.5kg/
cmが好ましい。
【0076】さらに、上述の条件下で、多層溶着加工を
施した際の吸引力の変化による溶着欠陥の発生数の違い
を図8に示す。図8から分かるように、吸引力が0〜
0.1kg/cmの範囲では、残粉末が2層,3層で
の界面において悪影響を及ぼし、その結果、未溶着部分
が発生した。また、吸引力が0.5kg/cm以上の
範囲では、加工領域に供給された粉末の吸い込み量が増
加して、吸い込まれず加工領域に残った粉末に加えられ
る熱エネルギすなわち、加工領域へ供給された実際の粉
末供給量に対する入熱が大きくなり、その結果、素材の
溶着層への希釈が生じて溶着部に割れが生じた。
【0077】これに対し、0.2〜0.5kg/cm
の範囲の吸引力では、何んら欠陥は発生しなかった。従
って、この範囲の吸引力を採用すれば、溶着加工に必要
とされる溶着粉末及びシールドガスの吸い込みを防止
し、かつ、確実に溶け残った残粉末等を除去でき、これ
により、ポア,未溶着等の欠陥の発生が防げ、製品の歩
留りを所望の水準に保つことができる。
【0078】次に、溶着加工に用いられる溶着粉末材料
について説明する。
【0079】材料としては、その組成が重量%で、C
o:12.5%、Fe:6.4%、Ni:12.7%、
V:1.9%、Nb:2.2%、Mn:1.2%、A
l:1.0%、残部が銅及び不純物からなる銅合金粉末
(A)を使用することができる。
【0080】また、溶着層に硬質相が析出する組成のも
のを使用することができ、例えば、その組成が重量%
で、Al:1.0〜5.0%、元素周期律表Va族元素
のV,Nb,Taのうち1種又は2種以上が:0.1〜
5.0%、Si:1.0〜5.0%、残部が銅及び不純
物からなる銅合金粉末(B)を使用することができる。
【0081】この後者の銅合金粉末(B)をバルブガイ
ドの形成に用いると、十分な耐摩耗性が得られると共
に、形成されたバルブガイドと素材であるシリンダヘッ
ドとの界面において、強度が極端に低いような金属間化
合物が形成されることはなく、従って、後工程の加工時
に割れを生ずることもなく、不良品の発生を抑えること
ができる。
【0082】粉末の粒径としては、0〜100μm及び
100〜200μmの範囲では、粒度分布のばらつきが
大きく、照射されたビームの熱エネルギを効率良く均一
に導くことが難しくなる。従って、50μm未満及び1
50μmを超える範囲を除いて、50μm以上150μ
m以下の範囲の粒径の粉末を使用するのが好ましい。
【0083】この範囲の粒径をもつ粉末を使用すること
で、粉末の流動性が確保されて優れた粉末供給性が得ら
れ、これにより、粉末の使用量を必要最小限に抑えるこ
とができ、材料費の面での低コスト化が可能となる。
【0084】次に、溶着によりバルブガイド部20a,
20bを形成する際の諸寸法について、図9に基づき説
明する。
【0085】先ず、溶着により形成したバルブガイド部
20a,20bの肉厚(S)は、バルブ3のステム部3
cの直径をDとすると、0.5×D〜1.0×Dの寸
法、例えば、ステム部3cの直径Dが6mmの場合、肉
厚は3mm〜6mmに設定するのが好ましい。
【0086】この範囲の肉厚(S)とすることで、バル
ブ3が摺動する際のバルブガイド部20a,20bの強
度が確保されて、通常の動作モードとは異なる突発的な
負荷に対しても十分に耐え得ることができる。
【0087】また、バルブ3を挿通させる貫通孔につい
ては、溶着バルブガイド部20a,20bの貫通孔20
cの孔径dgに比べて、素材部分の貫通孔1hの孔径d
hが、0.05〜0.20mm大きくなるようなプラス
公差で加工されることが好ましい。
【0088】このように、アルミニウム合金鋳物からな
る素材部分をプラス公差で加工することにより、比較的
に軟いこの素材部分とステム部3cとの接触が避けら
れ、摩擦抵抗を低減することができる。
【0089】次に、図4及び図5に示す溶着加工装置3
0を用いて、前述表1に示す条件のもとで、直列4気筒
DOHCエンジンのシリンダヘッド1に溶着加工を施し
てバルブガイド部を形成した実施例について説明する。
尚、バルブガイド部の諸寸法としては、図10に示す
A,B,C,F,Eのそれぞれを設定した。ここで、A
は前加工での円筒状穴部1e,1fの内径、Bは上側
(カム側)溶着バルブガイド部20bの溶着深さ、Cは
素材部分の長さ、Fは下側(燃焼室側)溶着バルブガイ
ド部20aの溶着深さ、Eは溶着バルブガイド部20
a,20bの貫通孔20cの内径dgを基準とした素材
部分の貫通孔1hの公差をそれぞれ示す。
【0090】また、この溶着加工は、上述シリンダヘッ
ド1の2番及び4番気筒に対応するバルブガイド部につ
いて行い、欠陥を生じなかたシリンダヘッドの1番及び
3番気筒に対応するバルブガイド部に従来の鉄基焼結合
金からなるバルブガイドを圧入した。そして、このシリ
ンダヘッドを実機エンジンに組み込んで、下記表2に示
す実機エンジン試験条件のもとで、摩耗試験及び排気側
バルブの傘表部における温度測定を行った。
【0091】
【表2】
【0092】さらに、図11に示すように、バルブ3の
摺動方法Lに対して垂直な方向から、押さえ荷重Fvと
して4kgfを与え、その際の単体の摺動抵抗Rs(k
gf)を測定した。尚、従来の鉄基焼結材からなるバル
ブガイドの摺動抵抗を1fとして、これとの相対比較を
行った。
【0093】以下、実施例1ないし6及び比較例1及び
2として、具体的に説明する。
【0094】
【実施例1】本実施例では、溶着材料として銅及びアル
ミニウムからなる粉末を用い、バルブガイド部の寸法は
それぞれA:18mm,B:10mm,C:10mm,
F:10mm,E:+0.2mmに設定して溶着加工及
び穴加工を行い、バルブガイドを形成した。
【0095】そして、実機エンジンに組み込んで試験を
行ったところ、バルブ傘表部の温度は520℃、バルブ
ガイド部分の摩耗量は100μm以上であった。
【0096】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、0.8fであった。
【0097】
【実施例2】本実施例では、溶着材料として硬質相が析
出する銅合金粉末を用い、バルブガイド部の寸法はそれ
ぞれA:18mm,B:10mm,C:10mm,F:
10mm,E:+0.2mmに設定して溶着加工及び穴
加工を行い、バルブガイドを形成した。
【0098】そして、実機エンジンに組み込んで試験を
行ったところ、バルブ傘表部の温度は560℃、バルブ
ガイド部分の摩耗量は最大で20μmであった。
【0099】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、0.8fであった。
【0100】
【実施例3】本実施例では、溶着材料として硬質相が析
出する銅合金粉末を用い、バルブガイド部の寸法はそれ
ぞれA:18mm,B:5mm,C:10mm,F:1
5mm,E:+0.05mmに設定して溶着加工及び穴
加工を行い、バルブガイドを形成した。
【0101】そして、実機エンジンに組み込んで試験を
行ったところ、バルブ傘表部の温度は565℃、バルブ
ガイド部分の摩耗量は最大で25μmであった。
【0102】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、0.8fであった。
【0103】
【実施例4】本実施例では、溶着材料として硬質相が析
出する銅合金粉末を用い、バルブガイド部の寸法はそれ
ぞれA:18mm,B:4mm,C:22mm,F:4
mm,E:+0.2mmに設定して溶着加工及び穴加工
を行い、バルブガイドを形成した。
【0104】そして、実機エンジンに組み込んで試験を
行ったところ、バルブ傘表部の温度は590℃、バルブ
ガイド部分の摩耗量は最大で65μmであった。
【0105】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、0.6fであった。
【0106】
【実施例5】本実施例では、溶着材料として硬質相が析
出する銅合金粉末を用い、バルブガイド部の寸法はそれ
ぞれA:18mm,B:15mm,C:0mm,F15
mm,E:0.0mmに設定して溶着加工及び穴加工を
行い、バルブガイドを形成した。
【0107】そして、実機エンジンに組み込んで試験を
行ったところ、バルブ傘表部の温度は510℃、バルブ
ガイド部分の摩耗量は最大で15μmであった。
【0108】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、1.5fであった。
【0109】
【実施例6】本実施例では、溶着材料として硬質相が析
出する銅合金粉末を用い、バルブガイド部の寸法はそれ
ぞれA:18mm,B:10mm,C:10mm,F:
10mm,E:0.0mmに設定して溶着加工及び穴加
工を行い、バルブガイドを形成した。
【0110】そして、実機エンジンに組み込んで試験を
行ったところ、バルブ傘表部の温度は530℃、バルブ
ガイド部分の摩耗量は最大で35μmであった。
【0111】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、1.3fであった。
【0112】
【比較例1】本比較例では、バルブガイド材料として、
鉄基焼結合金からなり、外径10mm,内径6mmの従
来のバルブガイドをシリンダヘッドに圧入したものを実
機エンジンに組み込んで試験を行った。
【0113】その結果、バルブ傘表部の温度は640
℃、バルブガイド部分の摩耗量は最大で25μmであっ
た。
【0114】
【比較例2】本比較例では、バルブガイドとしてアルミ
ニウム合金鋳物のシリンダヘッドそのものに貫通孔を開
けて、この貫通孔を直接バルブガイドとして用いて、実
機エンジンによる試験を行った。
【0115】その結果、バルブ傘表部の温度は545
℃、バルブガイド部分の摩耗量は100μm以上であっ
た。
【0116】また、バルブ単体の摺動抵抗の測定結果
は、1.2fであった。
【0117】以上述べた実施例及び比較例の仕様及び測
定結果を表3に示す。
【0118】
【表3】
【0119】表3から分かるように、バルブガイドを銅
合金等の粉末を溶着して形成した実施例1ないし6で
は、従来のもの(比較例1)に比べて、バルブの温度が
低下しており、従って、バルブ内の熱が効率良くシリン
ダヘッドに拡散したことが認められる。
【0120】また、粉末材料として、硬質相が析出する
耐摩耗性銅合金を用いた実施例2,3,及び5の場合、
バルブガイド部の摩耗量は、従来品と同等かあるいはそ
れ以上に低減できた。
【0121】次に、バルブの加速試験を行って、バルブ
ガイド部におけるクラック等の発生状況を確認した結果
について説明する。
【0122】試験方法としては、下記表4に示すような
仕様のバルブガイドにステム径6mmのバルブ3を通し
て、バルブの摺動方向に対して垂直な方向からバルブに
300Nの荷重を10Hzで1時間連続して加え、その
後、クラックの発生個数を調べた。尚、実験数は、各実
施例毎にシリンダヘッド1個分(4気筒DOHCエンジ
ンで16ケ所)とした。
【0123】
【表4】
【0124】表4から分かるように、実施例7及び8に
おいては、溶着バルブガイド部20の肉厚Sがそれぞれ
1mm((8−6)/2mm)と、2mm((10−
6)/2mm)であり、強度不足のためクラックが発生
したものと考えられる。
【0125】これに対し、実施例9及び10において
は、溶着バルブガイド部20の肉厚Sは、それぞれ3m
m((12−6)/2mm)と、6mm((18−6)
/2mm)であり、クラックは発生しなかった。
【0126】従って、肉厚Sは、バルブのステム径をD
とすると、少なくとも0.5×D〜1.0×Dの範囲に
あることが好ましい。
【0127】以上述べた実施例においては、高密度エネ
ルギビームとして楕円光に集光されたレーザビームを用
いたが、これに限られるものではなく、例えば、集光ビ
ームを加工方向に対して垂直な方向に所望の振り幅でオ
シレートさせながら走査させる、いわゆるオシレートレ
ーザビームを用いることも可能である。
【0128】また、上述の実施例では、被加工材(シリ
ンダヘッド)を固定して、溶着加工装置30のノズル本
体31を回転させながら溶着加工を行ったが、ノズル本
体31を固定して被加工材を逆回わりに回転移動させて
溶着加工を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のバルブガイドを取り付けたシリンダヘッ
ドの一部を示す断面図である。
【図2】本発明に係るバルブガイドを設けたシリンダヘ
ッドの一部を示す断面図である。
【図3】本発明に係るバルブガイドを溶着成形する際の
前加工を示すシリンダヘッドの一部の断面図である。
【図4】本発明に係る溶着加工装置を示す概略斜視図で
ある。
【図5】図4に示す溶着加工装置を用いて溶着加工を施
す状態を示す側断面図である。
【図6】図4に示す溶着加工装置における吸引力と溶着
高さ及び残粉末量との関係を示す図である。
【図7】図6中における溶着高さの定義を示す説明図で
ある。
【図8】図4に示す溶着加工装置における吸引力と溶着
欠陥発生数との関係を示す図である。
【図9】本発明に係るバルブガイド部における穴加工の
寸法公差を説明するための断面図である。
【図10】本発明に係るバルブガイドの実施例における
諸寸法の定義を説明するための断面図である。
【図11】摺動抵抗の試験を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 1a 燃焼室 1b,1c 吸排気ポート 1e 下側穴部 1f 上側穴部 1g 溝 1h 素材部分 3 バルブ 4 スプリング 5 バルブシート 20a 燃焼室側バルブガイド部 20b カム側バルブガイド部 30 溶着加工装置 31 ノズル本体 31a 端面 32 回転部 33 インテグレーションレンズ 34 モータ 36 ビーム通路 36a レーザビーム照射口 37 粉末通路 37a 粉末供給口 38 シールドガス通路 38a シールドガス供給口 39 吸引通路 39a 吸引口 40 楕円レーザビーム 41 金属粉末 42 ヒューム及び残粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 9/01 C22C 9/01 C23C 4/08 C23C 4/08 F01L 3/12 F01L 3/12 Z F02F 1/24 F02F 1/24 F // B23K 26/00 310 B23K 26/00 310B

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドのバルブガイド領域に形
    成されてバルブを往復動可能に案内するエンジンのバル
    ブガイドであって、 前記バルブガイド領域に対して耐摩耗性の合金粉末を直
    接溶着して形成したことを特徴とするエンジンのバルブ
    ガイド。
  2. 【請求項2】 バルブの往復動方向において、前記バル
    ブガイド領域の少なくとも両端から所定の深さまで前記
    合金粉末を直接溶着して形成した溶着部を有することを
    特徴とする請求項1記載のエンジンのバルブガイド。
  3. 【請求項3】 前記溶着部の深さが5mm〜10mmの
    範囲であることを特徴とする請求項2記載のエンジンの
    バルブガイド。
  4. 【請求項4】 バルブの往復動方向に対して垂直な方向
    における前記溶着部の肉厚は、バルブのステム部直径の
    0.5〜1.0倍であることを特徴とする請求項2又は
    3記載のエンジンのバルブガイド。
  5. 【請求項5】 前記バルブガイド領域において、前記溶
    着部のバルブ案内孔径をdg、シリンダヘッド素材部の
    バルブ案内孔径をdhとするとき、dhはdgに対して
    プラス公差となっていることを特徴とする請求項2ない
    し4いずれか1つに記載のエンジンのバルブガイド。
  6. 【請求項6】 前記プラス公差は、0.05mm〜0.
    2mmの範囲であることを特徴とする請求項5記載のエ
    ンジンのバルブガイド。
  7. 【請求項7】 前記合金粉末は銅合金粉末からなり、そ
    の粒径は、50μm〜150μmの範囲であることを特
    徴とする請求項1ないし6いずれか1つに記載のエンジ
    ンのバルブガイド。
  8. 【請求項8】 溶着した領域に硬質相が析出した組織を
    有することを特徴とする請求項7記載のエンジンのバル
    ブガイド。
  9. 【請求項9】 前記合金粉末は、その材料組成が重量%
    で、アルミニウム:1.0〜5.0%、元素周期律表V
    a族元素のバナジウム,ニオブ,タンタルのうち1種又
    は2種以上が:0.1〜5.0%、シリコン:1.0〜
    5.0%、残部が銅及び不純物からなることを特徴とす
    る請求項8記載のエンジンのバルブガイド。
  10. 【請求項10】 素材に形成された穴部に対して、供給
    手段により金属粉末材料を供給し、高密度エネルギビー
    ムを照射して金属粉末材料を素材に溶着させる溶着加工
    装置であって、溶着加工の際に前記穴部に発生する不要
    物を吸引する吸引手段を設けたことを特徴とする溶着加
    工装置。
  11. 【請求項11】 前記穴部は円柱形状をなし、前記供給
    手段は前記穴部に対して相対的に挿脱可能でかつ回転可
    能な円柱形状の外周面をなすノズル部材を有し、前記ノ
    ズル部材には、高密度エネルギビームを導くビーム通
    路、金属粉末材料を導く粉末通路、シールドガスを導く
    シールドガス通路、及び前記吸引手段の一部となる吸引
    通路が一体的に形成されていることを特徴とする請求項
    10記載の溶着加工装置。
  12. 【請求項12】 前記吸引通路の吸引口は、溶着加工方
    向において、前記粉末通路,シールドガス通路,及びビ
    ーム通路のそれぞれの開口部よりも後方に配置されてい
    ることを特徴とする請求項11記載の溶着加工装置。
  13. 【請求項13】 前記高密度エネルギビームを楕円ビー
    ムにするインテグレーションレンズを有し、前記インテ
    グレーションレンズは、前記穴部に対して、前記ノズル
    部材と一体的に回転することを特徴とする請求項11又
    は12記載の溶着加工装置。
  14. 【請求項14】 金属材料粉末への照射位置において、
    前記楕円ビームは、前記ノズル部材の半径方向に長径を
    もち、前記長径は前記ノズル部材の中心と外周壁との間
    に位置することを特徴とする請求項13記載の溶着加工
    装置。
  15. 【請求項15】 前記吸引手段の吸引力は、0.2〜
    0.5kg/cmの範囲であることを特徴とする請求
    項10ないし14いずれか1つに記載の溶着加工装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2921118A1 (fr) * 2007-09-14 2009-03-20 Peugeot Citroen Automobiles Sa Cylindre de moteur a combustion pour vehicule automobile comprenant dans sa chambre de combustion ou sur sa culasse un ou des inserts a haute conductivite thermique
JP2014161905A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Suzuki Denki Kogyo Kk 肉盛り加工装置
CN111456864A (zh) * 2019-01-22 2020-07-28 长城汽车股份有限公司 用于车辆的气缸盖组件及车辆

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