JP2005254283A - 耐摩耗部材の補修方法 - Google Patents

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昌子 中橋
Yuji Yasuda
祐司 安田
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隆志 徳永
Toshiaki Fuse
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Abstract

【課題】フラックスを用いず、また不活性雰囲気に保つための容器も必要なく、耐摩耗性部材に生じた割れや減肉等の欠陥を補修することができ、しかも硬く、かつ耐食性に富む材料により肉盛性の良い補修を行うことができる耐摩耗部材の補修方法を提供する。
【解決手段】欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる第1の補修材を設ける工程(S102)と、被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して第1の補修材を欠陥部に浸透する前工程(S102、S103))と、ろう材に少なくとも1種類の硬質材料を混合した第2の補修材を被補修部に設ける工程(S104)と、被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して第2の補修材を欠陥部に浸透・融着する後工程(S105)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属製基材に形成した耐摩耗部材、例えば発電プラントに設置される各種弁の弁座等に適用される耐摩耗部材における、欠陥部を含む部位を補修するための耐摩耗部材の補修方法に関する。
従来、機械的接触等により部材が減耗することを低減する目的で、金属製構造物における各種摺動部等の当たり面に、硬質材料からなる耐摩耗部材を形成することが行われている。この耐摩耗部材の形成方法としては、溶接肉盛や溶射コーティング等が多く用いられている。
このような方法で形成された耐摩耗部材には、過酷な使用に伴い、き裂や減耗等の欠陥が生成することがある。この欠陥を補修する方法として、従来では、欠陥を含む耐摩耗部材を機械的に除去し、再度溶接や溶射による肉盛補修が行われている。
しかしながら、従来の補修方法では、欠陥を含む耐摩耗部材を機械的に除去するために多大な労力を要するとともに、溶接補修部の近傍に再度き裂が発生する等の問題があった。再度き裂が発生する原因としては、耐摩耗部材が機械的に大きく除去されるため、溶接補修にともなう凝固収縮により補修部近傍に残留応力が大きく発生するためと考えられる。
そこで従来では、耐摩耗部材を大きく除去する必要のない補修方法として、欠陥部(き裂部等)に、ろう材を加熱浸透させて補修する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法は、大気中で加熱を行い、酸化を防止するためフラックスを用いて、ろう付けを行う方法である。ろう材としては、銀系ろう材が開示されている。
同様に、ろう付け補修による他の方法として、ろう付け補修後に、補修部に耐摩耗部材層を形成して、耐摩耗部材の肉盛層を設ける方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。この方法は、き裂などの補修と肉盛補修の両方を満たす方法である。しかしながら、この方法でもろう付けでは、フラックスが用いられている。
さらに、補修部を不活性雰囲気に保持しながら、ろう付け補修を行う方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。この提案では、ろう材中に耐摩耗部材を混合して、肉盛性を改善する方法が開示されている。しかしながら、不活性雰囲気に保つために、局部的に不活性雰囲気をつくるための容器の使用が必要である。また、ろう材中に耐摩耗部材を混合して、肉盛性を改善する方法が開示されている。
なお、これらの公知例では、フラックスを用いることなく、かつ不活性雰囲気をつくるために特定の容器を用いることなく、容易にろう付け補修する方法は提示されていない。
特開平11−123617号公報 特開2002−46028号公報 特開2003−1402号公報
上述した公知文献記載の方法では、フラックスが必要なため、フラックスに含まれる成分が耐摩耗部材に悪影響を与える恐れがある。さらに、ろう材が、き裂には浸透しても、肉盛は殆どされない問題がある。
容器などを用いると、容器と被補修物との気密性を保持するために多大の労力を必要とし、また狭隘部や、複雑な形状の部分の補修のため、それらの形状にあった容器がその都度必要になる問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フラックスを用いず、また不活性雰囲気に保つための容器も必要なく、耐摩耗性部材に生じた割れや減肉等の欠陥を補修することができ、しかも硬く、かつ耐食性に富む材料により肉盛性の良い補修を行うことができる耐摩耗部材の補修方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、請求項1に係る発明では、金属製基材に形成した耐摩耗部材の欠陥部を含む部位を被補修部とする耐摩耗部材の補修方法であって、前記欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる第1の補修材を設ける工程と、前記被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して前記第1の補修材を前記欠陥部に浸透する前工程と、前記ろう材に少なくとも1種類の硬質材料を混合した第2の補修材を前記被補修部に設ける工程と、前記被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して前記第2の補修材を前記欠陥部に浸透・融着する後工程とを備えることを特徴とする耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項2に係る発明では、金属製基材に形成した耐摩耗部材の欠陥部を含む部位を被補修部とする耐摩耗部材の補修方法であって、前記欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる補修材を設ける工程と、前記被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して前記補修材を前記欠陥部に浸透する前工程と、溶射法により前記耐摩耗部材と同質の新耐摩耗部材を前記被補修部に形成する後工程とを備えることを特徴とする耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項3に係る発明では、前記被補修部および前記欠陥部近傍にガスシールド板を設け、前記不活性ガスの流路を形成することを特徴とする請求項1または2記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項4に係る発明では、前記被補修部および前記欠陥部近傍を予熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項5に係る発明では、耐食性に富む合金を主成分とする前記ろう材が、Au、Ag、Cu,NiまたはPdを主成分とし、Cu、Ni、Fe、Co、Si、Mn、PまたはAgを副成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項6に係る発明では、耐食性に富む合金を主成分とする前記ろう材が、Auを主成分とし、Cu、Ni、Fe、CoまたはSiを第1副成分とし、Al、Cr、TiまたはZrを第2副成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項7に係る発明では、耐食性に富む合金を主成分とする前記ろう材が、Auを主成分とし、Cu、Ni、Fe、CoまたはSiを第1副成分とし、Al、Cr、TiまたはZrを第2副成分とし、Ag、Liを第3副成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項8に係る発明では、前記硬質材料が、Ni基合金,Co基合金,耐火金属,炭化物,ほう化物または窒化物から選択されることを特徴とする請求項1、または請求項3〜7のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項9に係る発明では、前記新耐摩耗部材が、析出硬化型のNi基合金またはCo基合金から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項10に係る発明では、前記被補修部の欠陥部近傍および前記補修材に、前記レーザビームを複数回照射して加熱することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項11に係る発明では、前記レーザビームのエネルギ密度は、1平方ミリメートル当たり2ワット以上120ワット以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
請求項12に係る発明では、前記補修材を、合金化により、または金属粉末の混合物を有機バインダーでペースト化することにより、または前記金属粉末の融点以下の温度で加熱することにより、または加圧下で焼結することにより、一体化することを特徴とすることを請求項1〜11記載の耐摩耗部材の補修方法を提供する。
本発明によれば、被補修部の欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる補修材を設ける工程、被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して補修材を欠陥部に浸透する前工程、およびレーザビームの照射または溶射により第2の補修材または耐摩耗部材を補修部に形成する後工程とを備えることにより、フラックスを用いず、また不活性雰囲気に保つための容器も必要なく、耐摩耗性部材に生じた割れや減肉等の欠陥を補修することができ、しかも硬く、かつ耐食性に富む材料により肉盛性の良い補修を行うことができる。
以下、本発明に係る耐摩耗部材の補修方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態](図1〜図4)
本実施形態では、プラント機器である蒸気弁の弁座を被補修部とする場合を例として、欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる第1の補修材を設ける工程と、被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して第1の補修材を欠陥部に浸透する前工程と、ろう材に少なくとも1種類の硬質材料を混合した第2の補修材を被補修部に設ける工程と、被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して第2の補修材を欠陥部に浸透・融着する後工程とを備える補修方法について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャートであり、図2(a)〜(f)は、図1に示した各工程に対応して具体的な補修状態を順次に示す模式図である。図3は、補修対象となる弁座を有する弁の全体図であり、図4は、弁座補修用機器設備の配置等を示す詳細図である。
図3に示すように、弁1は、弁ケーシング2内に、弁棒3、弁体4、弁座5等を備えて構成されている。この弁座5は、金属製基材に形成した耐摩耗部材の欠陥部を含む部位を被補修部とする耐摩耗部材の補修方法であって、耐摩耗部材は、弁体4との機械的接触等により減耗することを低減する目的で、弁体4との当たり面に硬質材料により耐摩耗部材が形成されている。しかし、過酷な使用に伴い、耐摩耗部材には、き裂や減耗などの欠陥が生成することがあり、本実施形態では、この弁座5の欠陥補修を例として説明する。
図4に示すように、弁座5の基材5a先端側の当り面側に形成された耐摩耗部材6に欠陥部7が生じている場合には、事前に行われる欠陥検査、不純物除去作業等の後に、配管部8内に補修用機器が導入設置され、欠陥補修が行われる。導入設置される補修用機器は、例えば加熱源としてのレーザヘッド9、不活性ガス吹付けノズル10、補修材11、ガスシールド板12等である。レーザヘッド9には光ファイバ13が接続され、不活性ガス吹付けノズル10には、ガス配管14が接続される。以下、図1および図2(a)〜(f)を参照して補修方法について具体的に説明する。
本実施形態では、まず、図1の第1ステップ(S101)および図2(a)に示すように、欠陥部7および欠陥部近傍の不純物層15を、洗浄液等により除去する。
次に、図1の第2ステップ(S102)および図2(b)に示すように、欠陥部7の内部および欠陥部7の上部に、耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる第1の補修材16を被着させて設ける。この第1の補修材16について、以下に、3種の実施例を示す。
<実施例1>
下記の表1は、第1の補修材16の一の組成(実施例1)を示したものである。
Figure 2005254283
この表1に示すように、本実施形態の実施例1では、耐食性の良いろう材として、Au,Ag,Cu,Ni,Pdを主成分とする。
また、第1副成分として、主成分に対応して、Cu,Ni,Fe,Co,Si,Mn,P,B,Agなどが挙げられる。
なお、第1副成分を添加することにより、主成分と合金化して融点を低下して欠陥部に浸透し易くする効果を有する。
<実施例2>
下記の表2は、第1の補修材の他の組成(第2実施例)を示したものである。
Figure 2005254283
この表2に示すように、本実施形態の実施例2では、主成分として、耐食性の良いろう材であるAuを選択した場合、第1副成分は、主成分と合金化して融点を低下して欠陥部に浸透し易くする効果を有するCu,Ni,Fe,Co,Siの選択が考えられる。
さらに、第2副成分として、主成分あるいは第1副成分と反応して硬質生成物を生成し、補修部の硬さを向上する効果を有するAl,Cr,Ti,Zrの選択が考えられる。
<実施例3>
下記の表3は、第1の補修材の別の組成を示したものである。
Figure 2005254283
この表3に示すように、本実施形態の実施例3では、前記表1および表2に記載の第1補修材にさらに、第3副成分として、ろう材の欠陥部7への浸透性を向上する効果を有するAgまたはLiを添加したものである。
なお、各成分の添加量としては、上記各主成分となるAu,Ag,Cu,Ni,Pdは少なくとも50重量%を含むものであり、例えばAuを主成分としたろう材を用いた場合、主成分であるAuを50重量%以上、第1副成分としてNiを用いる場合には5〜25重量%、第2副成分としてTiを用いる場合0.5〜15重量%とするのが望ましい。さらに第3副成分を添加する場合には、その浸透性の良否で自由にその添加割合は選べるが、例えばAgの場合は1〜20重量%、Liの場合では最低量として0.1重量%程度にするのがよい。
以上の第2ステップ(S102)の後、図1の第3ステップ(S103)および図2(b)に示すように、被補修部である耐摩耗部材6に不活性ガス吹付けノズル10から不活性ガス17を吹き付けながら、加熱源であるレーザヘッド9からレーザビーム18を照射して、短時間加熱することにより、第1の補修材16を欠陥部7に浸透する前工程を施す。
すなわち、この前工程(S103)では、金属製の被補修部である弁座5に発生した欠陥部7に第1の補修材16を供給するとともに、被補修部である欠陥部7の近傍に不活性ガス17を吹き付けながら、高エネルギビームであるレーザビーム18を照射して加熱することにより、図2(c)に示すように、第1の補修材16を欠陥部7に浸透させるものである。この場合、第1の補修材16は、欠陥部7の内部あるいは底部に浸透すればよく、補修部上部に盛り上がって肉盛られる必要は特に無い。これにより、耐摩耗部材6の非欠陥部分である健全な部位には、レーザビームを用いることにより短時間で局所的な加熱で済むもので、余分な変質や歪等の発生がなく、初期の強度特性が維持される。
なお、このステップにおいては、図4に示したように、補修加工位置の周囲をガスシールド板12で囲むことにより、周囲へのエネルギ、ガス等の飛散を防止することが望ましい。
その後、図1の第4ステップ(S104)、図2(d)および図4に示すように、第2の補修材19を被補修部における欠陥部7の上部に設ける。この工程で使用する第2の補修材19は、第1の補修材16と同様のろう材に、少なくとも1種類の硬質材料を混合したものとする。
この第2の補修材19に含まれる硬質材料は粉末であり、例えば下記の第4表に示す組成のものが適用される。
Figure 2005254283
この表4に示すように、第2補修材に混合して用いる硬質材料粉末は、Ni基合金、Coの合金、耐火金属、炭化物、ほう化物、窒化物等であり、含有率は体積%で1〜40である。これらの硬質材料粉末は、補修部の硬さを向上し、かつ、補修部の肉盛性を向上する効果を有する。
次に、図1の第5ステップ(S105)および図2(e)に示すように、被補修部に不活性ガス17を吹き付けながらレーザビーム18を照射して短時間加熱し、第2の補修材19を欠陥部7に浸透・融着する後工程を行う。これにより、第2の補修材19が耐摩耗部材6に融着して欠陥部7内の上部を被覆した状態で一体化される。したがって、耐摩耗部材6の溶融が必要最小限の範囲内に抑制されつつ、前工程(S103)で欠陥部7の底部側に非融着状態で浸透した第1の補修材19も強固に封じ込める状態となり、後の新たな欠陥発生の原因を抑止しつつ、十分強度の補修が行えるようになる。
その後、図1の第5ステップ(S105)および図2(e)に示すように、余分な補修材をグラインダ等による機械作業により耐摩耗部材表面から除去する、表面加工を行い、終了する。
なお、本実施形態においては、欠陥部近傍と補修材に、レーザビームを複数回照射して加熱することが望ましい。数回照射することにより、補修材を充分浸透することができ、また、照射位置を0.1ミリメートルから5ミリメートル程度ずらして照射することにより、欠陥位置とレーザビームの微妙な位置ずれを補って、欠陥位置を含む領域をまんべんなく加熱する効果や予熱効果も有する。また、レーザビームはパルス状に極く短時間の照射を必要な回数だけ繰り返してもよい。
また、本発明においては、レーザビームのエネルギ密度を、1平方ミリメートル当たり2ワット以上、120ワットとすることが望ましい。
また、本発明の補修材は、粉末のペースト化、合金化あるいは金属粉末の混合物を前記金属粉末の融点以下の温度で加熱あるいは加圧して焼結する方法などで一体化されて供給されることが望ましい。
以上の第1実施形態によれば、金属製の被補修部材に発生した欠陥部に補修材を供給しながら、かつ欠陥部近傍に不活性ガスを吹き付けながら高エネルギビームを照射して加熱することにより、第1および第2の補修材を前記補修部に浸透させるステップを含む工程を有することにより、フラックスを用いず、また不活性雰囲気に保つための容器も必要なく、耐摩耗性部材に生じた割れや減肉等の欠陥を補修することができ、しかも硬く、かつ耐食性に富む材料により肉盛性の良い補修を行うことができる。
[第2実施形態](図3〜図6)
図5は、本発明の第2実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャートであり、図6(a)〜(c)は、図5に示したステップ(S203)、(S204)および(S20)の工程に対応して具体的な補修状態を順次に示す模式図である。
なお、図5に示したステップ(S201)、(S202)、(S203)および(S205)は、第1実施形態と異ならない。
すなわち、金属製の被補修部材に発生した欠陥部の補修材を供給しながら、第1実施形態における第1補修材と同様の補修材を、欠陥部近傍に不活性ガスを吹き付けながら高エネルギビームを照射して加熱することにより、補修材を欠陥部に浸透させるステップ、ならびに最終ステップの除去工程は、第1実施形態と同様である。
したがって、これらのステップ(S201)、(S202)および(S203)については、第1実施形態における図1のステップ(S101)、(S102)および(S103)、図2(a)、(b)、(c)、図3および図4を用いた上記説明、ならびに図6(a)、(c)を参照し、重複説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、図5に示した後段のステップ(S204)および対応する図6(b)の工程にある。
すなわち、ステップ(S204)および図6(b)に示すように、本実施形態では、第1実施形態の第1補修材と同様の補修材をレーザビーム照射欠陥部7に浸透した後に、溶射法により耐摩耗部材6と同質の新耐摩耗部材20を被補修部に形成する後工程(S204)を行う。
この後工程(S204)においては、図6(b)に示すように、熱源として溶射ガン21を用いた溶射法により、新耐摩耗部材20を補修部上部に形成する。溶射法としては、通常の大気中溶射(APS)や高速フレーム溶射(HVOF)が挙げられるが、HVOFの方が緻密で密着性の良い皮膜形成が可能であり、望ましい。
下記の表5は、本実施形態の溶射法で用いる新耐摩耗部材19の組成を示したものである。
Figure 2005254283
この表5に示したように、溶射用耐摩耗部材の組成は、析出型Ni基合金、析出効硬化型Co基合金、粒径5〜100μmのものが望ましい。
このような本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、フラックスを用いず、また不活性雰囲気に保つための容器も必要なく、耐摩耗性部材に生じた割れや減肉等の欠陥を補修することができ、しかも硬く、かつ耐食性に富む材料により肉盛性の良い補修を行うことができる。
[第3実施形態](図1〜図7)
図7は、本発明の第3実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャートである。
本実施形態では、図7にステップS301、S302、S303、S304、S305、S306および、S307で示したように、上述した第1、第2実施形態のステップを全て含み、これらを選択的に適用する。上記説明と重複する説明は省略する。
本実施形態が第1、第2実施形態と異なる点は、補修部材の欠陥部近傍に不活性ガスを吹き付けながら高エネルギビームを照射して加熱する工程(S303)について、図7にステップS303aとして示すように、必要に応じて、補修部近傍にガスシールド板12を設けて、不活性ガス18が、補修部近傍に溜まりやすくする工程を含む。
これにより、第1,第2実施形態の効果に加えて、ガスシールド板12の必要性判断による使用選択により、効率よい補修作業が行える。
[第4実施形態](図1〜図8)
図8は、本発明の第4実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャートである。
本実施形態では、図8にステップS401、S402、S403、S403a、S404、S405、S406および、S407で示したように、上述した第3実施形態のステップを全て含み、これらを選択的に適用する。上記説明と重複する説明は省略する。
本実施形態が第3実施形態と異なる点は、補修部材の欠陥部近傍に不活性ガスを吹き付けながら高エネルギビームを照射して加熱する工程(S303)について、図8にステップS303bとして示すように、必要に応じて、被補修部近傍を予熱する工程を含む点にある。
本実施形態によれば、第3実施形態の効果に加えて、補修部近傍を予熱することで、補修材の欠陥部への浸透性を促進することができる。予熱は、通常のヒータ加熱などでも良いが、レーザ照射により行うこともできる。
本発明に係る耐摩耗部材の補修方法の第1実施形態の手順を示すフローチャート。 (a)〜(f)は、第1実施形態における図1に示した各工程に対応して具体的な補修状態を順次に示す模式図。 第1実施形態における補修対象となる弁座を有する弁の全体図。 第1実施形態における弁座補修用機器設備の配置等を示す詳細図。 本発明の第2実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャート。 (a)〜(c)は、図5に示したステップに対応して具体的な補修状態を順次に示す模式図。 本発明の第3実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャート。 本発明の第4実施形態による耐摩耗部材の補修工程を示すフローチャート。
符号の説明
1 弁
2 弁ケーシング
3 弁棒
4 弁体
5 弁座
5a 基材
6 耐摩耗部材
7 欠陥部
8 配管部
9 レーザヘッド
10 不活性ガス吹付けノズル
11 補修材
12 ガスシールド板
13 光ファイバ
14 ガス配管
15 不純物層
16 第1の補修材
17 不活性ガス
18 レーザビーム
19 第2の補修材
20 新耐摩耗部材
21 溶射ガン

Claims (12)

  1. 金属製基材に形成した耐摩耗部材の欠陥部を含む部位を被補修部とする耐摩耗部材の補修方法であって、前記欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる第1の補修材を設ける工程と、前記被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して前記第1の補修材を前記欠陥部に浸透する前工程と、前記ろう材に少なくとも1種類の硬質材料を混合した第2の補修材を前記被補修部に設ける工程と、前記被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して前記第2の補修材を前記欠陥部に浸透・融着する後工程とを備えることを特徴とする耐摩耗部材の補修方法。
  2. 金属製基材に形成した耐摩耗部材の欠陥部を含む部位を被補修部とする耐摩耗部材の補修方法であって、前記欠陥部に耐食性に富む合金を主成分とするろう材からなる補修材を設ける工程と、前記被補修部に不活性ガスを吹き付けながらレーザビームを照射して短時間加熱して前記補修材を前記欠陥部に浸透する前工程と、溶射法により前記耐摩耗部材と同質の新耐摩耗部材を前記被補修部に形成する後工程とを備えることを特徴とする耐摩耗部材の補修方法。
  3. 前記被補修部および前記欠陥部近傍にガスシールド板を設け、前記不活性ガスの流路を形成することを特徴とする請求項1または2記載の耐摩耗部材の補修方法。
  4. 前記被補修部および前記欠陥部近傍を予熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  5. 耐食性に富む合金を主成分とする前記ろう材が、Au、Ag、Cu,NiまたはPdを主成分とし、Cu、Ni、Fe、Co、Si、Mn、PまたはAgを副成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  6. 耐食性に富む合金を主成分とする前記ろう材が、Auを主成分とし、Cu、Ni、Fe、CoまたはSiを第1副成分とし、Al、Cr、TiまたはZrを第2副成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  7. 耐食性に富む合金を主成分とする前記ろう材が、Auを主成分とし、Cu、Ni、Fe、CoまたはSiを第1副成分とし、Al、Cr、TiまたはZrを第2副成分とし、Ag、Liを第3副成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  8. 前記硬質材料が、Ni基合金,Co基合金,耐火金属,炭化物,ほう化物または窒化物から選択されることを特徴とする請求項1、または請求項3〜7のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  9. 前記新耐摩耗部材が、析出硬化型のNi基合金またはCo基合金から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  10. 前記被補修部の欠陥部近傍および前記補修材に、前記レーザビームを複数回照射して加熱することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  11. 前記レーザビームのエネルギ密度は、1平方ミリメートル当たり2ワット以上120ワット以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の耐摩耗部材の補修方法。
  12. 前記補修材を、合金化により、または金属粉末の混合物を有機バインダーでペースト化することにより、または前記金属粉末の融点以下の温度で加熱することにより、または加圧下で焼結することにより、一体化することを特徴とすることを請求項1〜11記載の耐摩耗部材の補修方法。
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