JPH10337618A - 肉盛り部品の加工装置及び加工方法 - Google Patents

肉盛り部品の加工装置及び加工方法

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JPH10337618A
JPH10337618A JP14824497A JP14824497A JPH10337618A JP H10337618 A JPH10337618 A JP H10337618A JP 14824497 A JP14824497 A JP 14824497A JP 14824497 A JP14824497 A JP 14824497A JP H10337618 A JPH10337618 A JP H10337618A
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Japan
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cutting
processing
built
grinding
tool
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JP14824497A
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Inventor
Kenji Suzuki
木 健 司 鈴
Makoto Kano
納 眞 加
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肉盛り部品を切削等の加工を施して所望の仕
上げ形状にする際に、加工工具の欠損等を防止し、生産
性の低下等を抑制する。 【解決手段】 シリンダヘッド1のバルブシート部2に
合金粉末を溶融肉盛りして肉盛り部5を形成し、この肉
盛り部5を所定の形状に加工して加工面を形成する加工
装置において、シリンダヘッド1と肉盛り部5との境界
部7を少なくとも含む領域を所定の形状に研削する研削
工具12aと、未研削の残りの肉盛り部を少なくとも含
む領域を所定の形状に切削する切削工具12bとを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合金粉末等を肉盛
りした肉盛り部品を所定の形状に仕上げ加工する肉盛り
部品の加工装置及び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】肉盛りとは、例えばプラズマアーク,レ
ーザビーム等の熱源により、被肉盛り部材すなわち素材
とは異なった特性を持つ材料を素材表面に付加する技術
であり、特開昭62−150014号公報等に開示され
ている。
【0003】このような肉盛り加工を施した製品は、肉
盛りしたままの状態で使用される場合と、さらに切削加
工等を施して使用される場合がある。
【0004】後者の場合の一例として、エンジンのシリ
ンダヘッドにおけるバルブシート部が挙げられる。これ
は、図1に示すように、アルミニウム系鋳造合金(JI
S規格AC2A材)製のシリンダヘッド1におけるバル
ブシート部2に、図2に示すように、例えばR5.0の
溝加工を環状に施し、肉盛り材料である銅合金粉末をこ
の溝加工したバルブシート部に供給しつつ、例えば、5
kWの出力を発振可能なCO2レーザ等を照射し、素材
のバルブシート部表面で肉盛り材料を溶融させ、銅合金
の肉盛り層5を形成したものである。
【0005】この肉盛り層からなるバルブシート5に
は、吸気バルブ3a,排気バルブ3bとの接触面に気密
性を得るため、バルブ3の軸芯を中心として、中心角1
20度,90度,30度のテーパ面を形成させる。一般
に、120度面及び30度面はプランジ加工により形成
し、90度面はトラバース加工により形成する。
【0006】このようなテーパ面の加工を行う場合、従
来においては、刃具ホルダに対して、30度面加工用バ
イト、120度面加工用バイトをそれぞれ同心円上に装
着し、この刃具ホルダに対して、さらに、90度面加工
用バイトを装着した加工装置を用いていた。
【0007】そして、切削加工は、まずそれぞれの加工
用バイトにより30度面及び120度面をプランジ加工
した後、3度面及び120度面加工用の切削刃を1〜3
mm後退させ、90度面加工用バイトの切削刃を移動さ
せながら90度面をトラバース加工し、バルブシートの
仕上げ加工を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き肉盛り部品の加工手法では、用いられる肉盛り材料
によっては、以下の如き問題が生じる。
【0009】すなわち、仕上げ加工を行う際の高温環境
下での強度及び耐摩耗性の要求、又、エンジンの高出力
化の要求に応えるべく、肉盛り材料として耐摩耗性の銅
系合金を用いる場合、肉盛りされた銅系合金と素材であ
るシリンダヘッドとの溶着部は金属結合の状態にあり、
20μm〜50μmの幅で両者の境界領域に硬くて脆い
金属間化合物が形成されることになる。
【0010】このような肉盛りバルブシートにおいて仕
上げ加工を行う場合、シリンダヘッドの構造上、あるい
はエンジン性能上の制約等により、バルブシートのテー
パ面である120度面に、上述の金属間化合物が存在す
る場合があり、この領域を従来の如くプランジ加工によ
り切削すると、切削刃の寿命が短くなり、又、切削刃の
刃先が欠損する等の問題が生じる。
【0011】上記従来技術の問題点に鑑み、本発明の目
的とするところは、肉盛り部に硬質の肉盛り層等が存在
していても容易にかつ高精度に加工を施すことができる
肉盛り部品の加工装置及び加工方法を提供することにあ
る。
【0012】また、切削工具等の短寿命化,欠損等を防
止できる肉盛り部品の加工装置及び加工方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
肉盛り部品の加工装置は、被肉盛り部材に合金粉末を溶
融肉盛りして肉盛り部を形成した肉盛り部品を所定の形
状に加工して加工面を形成する肉盛り部品の加工装置で
あって、前記被肉盛り部材と肉盛り部との境界部を少な
くとも含む領域を所定の形状に研削する研削手段と、未
研削の残りの肉盛り部を少なくとも含む領域を所定の形
状に切削する切削手段とを有する構成となっている。
【0014】本発明の請求項2に係る肉盛り部品の加工
装置は、前記研削手段及び切削手段が、相対的に移動可
能な研削工具及び切削工具からなる構成となっている。
【0015】本発明の請求項3に係る肉盛り部品の加工
装置は、前記切削工具及び研削工具が、切削工具の移動
方向が研削工具の移動方向に対して所定の角度をなすよ
うにお互いに配置されている構成となっている。
【0016】本発明の請求項4に係る肉盛り部品の加工
装置は、前記切削工具の移動方向と研削工具の移動方向
とのなす角度が10度〜45度の範囲である構成となっ
ている。
【0017】本発明の請求項5に係る肉盛り部品の加工
装置は、前記切削工具として、肉盛り部の加工方向に対
して交差する方向において前記研削工具を挟むように配
置された2つの切削工具が含まれる構成となっている。
【0018】本発明の請求項6に係る肉盛り部品の加工
装置は、前記2つの切削工具の各々の切削刃の伸長方向
が、肉盛り部の加工方向に直交する方向に対してそれぞ
れ+/−5度の範囲にある構成となっている。
【0019】本発明の請求項7に係る肉盛り部品の加工
方法は、被肉盛り部材に合金粉末を溶融肉盛りして肉盛
り部を形成した肉盛り部品を所定の形状に加工して加工
面を形成する肉盛り部品の加工方法であって、前記被肉
盛り部材と肉盛り部との境界部を少なくとも含む領域を
研削する研削工程と、前記研削工程で研削されなかった
残りの肉盛り部を少なくとも含む領域を切削する切削工
程とを含む構成となっている。
【0020】本発明の請求項8に係る肉盛り部品の加工
方法は、前記切削工程において、切削を行う切削刃が、
研削を行う研削刃よりも肉盛り部に向けて突出させられ
る構成となっている。
【0021】本発明の請求項9に係る肉盛り部品の加工
方法は、前記切削工程により切削された切削加工面が、
肉盛り部の加工方向に対して直交する幅方向において、
前記研削工程により研削された研削加工面と10%以上
オーバラップしている構成となっている。
【0022】本発明の請求項10に係る肉盛り部品の加
工方法は、前記研削工程において、被研削領域を肉盛り
部の加工方向に沿う溝形状に研削し、前記溝形状の溝幅
が0.5mm〜1.0mmの範囲である構成となってい
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る肉盛り部品の加
工装置によれば、肉盛り部品を所定形状に仕上げ加工を
行う際に、被肉盛り部材と肉盛り部との境界領域に金属
結合をなす硬質の金属間化合物が存在する場合であって
も、この境界領域を予め研削手段により研削し、その
後、未研削の残った肉盛り部を切削手段により切削する
ことで、容易にかつ高精度に仕上げ加工を行うことがで
き、又、従来に比べて切削手段の長寿命化を達成するこ
とができる。
【0024】本発明の請求項2に係る肉盛り部品の加工
装置によれば、研削工具及び切削工具が相対的に移動可
能となっていることから、例えば研削工具による研削が
終了した後、切削工具を移動させて研削工具よりも前方
に突出させることで、残りの肉盛り部を切削することが
できる。従って、研削加工から切削加工への移行動作に
おいて、研削工具と切削工具との取り替え等を要せず、
加工段取りの簡略化が達成でき、又、これにより、高精
度に加工を行うことができる。
【0025】本発明の請求項3に係る肉盛り部品の加工
装置によれば、研削加工から切削加工へ移行する際に、
研削工具と切削工具とが干渉することなくスムーズな移
行動作が達成できる。
【0026】本発明の請求項4に係る肉盛り部品の加工
装置によれば、研削加工から切削加工へ移行する際に、
研削工具と切削工具との干渉を確実に防止でき、さら
に、よりスムーズな移行動作が達成できる。
【0027】本発明の請求項5に係る肉盛り部品の加工
装置によれば、研削工具により被肉盛り部材と肉盛り部
との境界領域を研削した後、残りの肉盛り部を確実にか
つ高精度に切削して所望の加工形状を得ることができ
る。
【0028】また、研削工具を挟むように配置した2つ
の切削工具を用いることで、1つの切削工具の場合に比
べて切削抵抗による切削刃に加わる負荷を少なくするこ
とができ、又、各々刃の材種の異なる切削工具を採用す
ることもでき、これにより、効率良く仕上げ加工を行う
ことができる。
【0029】本発明の請求項6に係る肉盛り部品の加工
装置によれば、切削工具の切削刃に加わる負荷をより一
層少なくすることができ、又、切削加工の効率をより一
層向上させることができ、全体としての加工時間の短縮
化を達成することができる。
【0030】本発明の請求項7に係る肉盛り部品の加工
方法によれば、被肉盛り部材と肉盛り部との境界領域を
予め所定形状に研削し、その後、残りの肉盛り部を所定
形状に切削することで、境界領域に金属結合をなす硬質
の金属間化合物が存在する場合であっても、切削刃に欠
損等を生ずることなく、これにより、切削刃の長寿命化
が達成できる。
【0031】本発明の請求項8に係る肉盛り部品の加工
方法によれば、研削加工から切削加工への移行動作にお
いて、研削工具と切削工具との取り替えを要せず、加工
段取りの簡略化が達成でき、又、これにより、高精度に
加工を行うことができる。
【0032】本発明の請求項9に係る肉盛り部品の加工
方法によれば、研削工程において研削刃のエッジ部(角
R部)により削り残された部分が発生した場合であって
も、切削工程において10%以上オーバラップして加工
するため、確実かつ高精度に所定形状に仕上げ加工する
ことができる。
【0033】本発明の請求項10に係る肉盛り部品の加
工方法によれば、脆くて硬い金属間化合物が存在する領
域を確実に研削することができ、又、研削工具の欠損等
を防止できることから、加工時間の短縮化が行え、これ
により、生産性の向上を達成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
【0035】図3は、本発明に係る加工装置及び加工方
法が適用される肉盛り部品としてのシリンダヘッド1の
一部分及び肉盛り方法を示すものである。
【0036】図3に示すように、低圧鋳造法により製造
された被肉盛り部材としてのアルミニウム合金(JIS
規格AC2A材)製シリンダヘッド1には、そのバルブ
シート部2にR5.0mmのR溝加工が環状に施され、
このR溝部に対して、粉末供給ノズル4により耐摩耗性
の銅合金粉末5´が例えば50g/minで供給され、
供給された銅合金粉末5´にレーザビーム6を照射して
溶融固着(溶着)させ、肉盛り部5が形成される。
【0037】ここで用いられるレーザビームとしては、
例えば加工出力4.5kWのCOレーザビームを図示
するように肉盛り方向Pに対して直交する方向Lにオシ
レートさせたオシレートレーザビーム、あるいは、例え
ば短径2mm,長径6mmの楕円光にデフォーカスした
レーザビームを採用することができる。
【0038】図4は、所望の肉盛り部5が形成された未
加工シリンダヘッド1の一部断面図を示すものである。
図4に示すように、シリンダヘッド1と肉盛り部5との
境界部7には、金属結合をなす金属間化合物が生じ易
く、又、この領域は他の領域に比べ硬くて脆い性質をも
っている。
【0039】一方、このように肉盛りされたシリンダヘ
ッド1に加工を施して所定の仕上げ面Sを得る場合、肉
盛り部5の領域には、吸排気バルブ3の適合を許容すべ
く、それぞれ30度テーパ面S,90度テーパ面
,120度テーパ面Sが形成されることになる。
この際、図4に示すように、120度テーパ面S
は、境界部7が存在することになる。
【0040】次に、本発明に係る加工装置について説明
する。図5ないし図8は、加工装置の一実施例を示すも
のであり、図5は正面図、図6は図5中のC−C部にお
ける断面図、図7は図5中のD−D部における断面図、
図8は図7中の一部拡大図である。
【0041】この加工装置のホルダ部10は、図6及び
図7に示すように、主軸モータ(不図示)によって進退
自在に支持され回転駆動されるようになっている。ま
た、このホルダ部10には、図5に示すように、30度
テーパ面を加工するための切削手段としての30度切削
工具(バイト)11、120度テーパ面を加工するため
の研削手段としての研削工具(バイト)12a及び切削
手段としての2つの切削工具(バイト)12b、及び9
0度テーパ面を加工するための切削手段としての切削工
具(バイト)13が、それぞれ円周方向に分割されて配
置されている。さらに、切削工具13は、トラバース加
工を行うため、送り部材14に保持されてT方向におい
て往復動自在となっている。
【0042】ここで、120度面加工用工具12につい
て詳細に説明すると、図8に示すように、中央部には研
削工具12aが配置されており、研削刃12a´が12
0度テーパ面Sと常に平行となる状態で、この研削工
具12aは120度テーパ面Sに対して垂直な方向M
に往復動自在となっている。尚、研削刃12a´の刃幅
(肉盛り部の加工方向Pに直交する方向でかつ120度
テーパ面Sに平行な方向の長さ)は、約1.0mmに
設定されている。
【0043】この研削工具12aは、シリンダヘッド1
と肉盛り部5との境界部7、すなわち、金属結合状態に
ある金属間化合物を含む領域を加工するのに用いるもの
であり、一般にこの領域(Al−Cu界面領域)は20
μm〜50μmの幅の層となっている。従って、研削刃
12a´の刃幅は10mm以下で十分であり、機械的強
度等の点から0.5mm〜1.0mmとするのが好まし
い。
【0044】これにより、脆くて硬いAl−Cuの金属
間化合物の領域を確実に研削することができ、かつ、研
削時間を短縮することができる。
【0045】また、肉盛り部の加工方向P(図3及び図
9参照)に直交する幅方向において、図8に示すよう
に、上述の研削工具12aを挟むようにして2つの切削
工具12b,12bが配置されている。これらの切削工
具12b,12bは、120度テーパ面Sに垂直な方
向すなわち研削工具12aの軸線方向と各々の切削工具
12b,12bの軸線とのなす角度θが30度となる
ように、傾斜して配置されており、各々の軸線方向K,
Nにおいて往復動自在となっている。そして、研削加工
時には、切削工具12b,12bの刃先が、研削工具1
2aの刃先から約5mm後退した位置に停止するように
設定されている。
【0046】さらに、これら切削工具12b,12bの
切削刃12b´,12b´は、常に120度テーパ面S
すなわち仕上げ加工面に対して平行となるように設定
されている。
【0047】尚、本実施例では、角度θを30度とし
たが、これに限定されるものではなく、10度〜45度
の範囲で適宜設定することができる。この範囲以外、す
なわち、角度θが10度よりも小さいと、切削領域両
端部の削り加工が不十分となり、角度θが45度より
も大きいと、切削領域以外の部分に切削刃12b´が接
触する可能性があるからである。
【0048】上述のようにして設定された2つの切削工
具12b,12bは、研削工具12aにより研削加工さ
れた後、残りの肉盛り部5を切削加工するのに用いられ
るものである。
【0049】このように、境界部7が生じる120度テ
ーパ面Sを研削加工及び切削加工の2段階に分けて加
工することにより、工具の破壊等を防止でき、確実かつ
高精度に加工を施すことができる。
【0050】また、これら2つの切削工具12b,12
bは、図9に示すように、各々の切削刃12b´,12
b´の伸長方向と肉盛り部5の加工方向P(肉盛り方向
に沿う方向)に直交する方向Lとのなす角度θが、左
右(+/−)5度の範囲に含まれるように設定されてい
る。
【0051】このように設定することにより、効率良く
スムーズに切削加工を施すことができる。
【0052】次に、本発明に係る加工装置を用いて肉盛
り部を所定の形状に加工する手順について説明する。
【0053】先ず、90度テーパ面S加工用の切削工
具13を後退させた状態で、ホルダ部10をシリンダヘ
ッド1のバルブシート部開口領域に挿入する。そして、
図10及び図11に示すように、120度テーパ面S
の境界部7領域を加工する研削工具12aと、30度テ
ーパ面Sを加工する切削工具11を肉盛り部5に向け
て前進させつつ、ホルダ部10を回転させて、両テーパ
面S,Sの加工を行う。尚、この研削工程において
は、加工部が幅約1.0mmの溝形状となるように研削
する。
【0054】この研削加工及び切削加工が終了すると、
研削工具12a及び切削工具11を後退させ、続いて、
図12に示すように、2つの切削工具12b,12bを
前進させて120度テーパ面Sにおける残りの肉盛り
部5を切削する。
【0055】この際に、切削された切削加工面が、肉盛
り部5の加工方向P(図3及び図9参照)に対して直交
する幅方向Lにおいて、前工程の研削加工により研削さ
れた研削加工面と10%以上オーバラップするように加
工する。より具体的に説明すると、研削工具12aの研
削刃12a´を120度テーパ面Sに対して垂直な方
向からこの120度テーパ面Sに投影した際の幅方向
Lにおける研削刃の幅の両端からそれぞれその幅の10
%以上の領域を重ねて切削するものである。
【0056】このように、オーバラップして切削するこ
とにより、研削刃12a´の両端エッジ部(角R部)に
より削り残された部分を切削刃12b´,12b´によ
り確実に仕上げ加工することができる。
【0057】その後、送り部材14を前進させて、図1
3に示すように、切削工具13により90度テーパ面S
をトラバース加工して、バルブシートとしての最終形
状に仕上げ加工する。
【0058】上述の120度テーパ面Sにおける研削
工程と切削工程とによる仕上げ加工面は、切削加工によ
る加工面を0〜+0.01mmの公差に仕上げることに
より、バルブ3の傘部が確実に密着するようなバルブシ
ート形状を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンのバルブシートを肉盛りにより形成
した状態を示すシリンダヘッドの一部断面図である。
【図2】 図1中のA部拡大図で、肉盛りを施す前の未
加工の状態を示す図である。
【図3】 エンジンのバルブシート部に肉盛りを施す際
の状態を示す概略図である。
【図4】 シリンダヘッドのバルブシート部に肉盛りを
施した状態を示す断面図である。
【図5】 本発明に係る加工装置の概略を示す正面図で
ある。
【図6】 図5中のC−C部における断面図である。
【図7】 図5中のD−D部における断面図である。
【図8】 図7中の120度テーパ面加工工具を示す拡
大図である。
【図9】 本発明に係る120度テーパ面切削工具の配
置関係を説明するための概略図である。
【図10】 本発明に係る加工方法の一部である120
度テーパ面の研削工程を示す断面図である。
【図11】 本発明に係る加工方法の一部である30度
テーパ面の切削工程を示す断面図である。
【図12】 本発明に係る加工方法の一部である120
度テーパ面の切削工程を示す断面図である。
【図13】 本発明に係る加工方法の一部である90度
テーパ面の切削工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 バルブシート部 3 バルブ 4 粉末供給ノズル 5 肉盛り部 6 レーザビーム 7 境界部 10 ホルダ部 11 30度面切削工具 12a 120度面研削工具 12a´ 研削刃 12b 120度面切削工具 12b´ 切削刃 13 90度面切削工具 14 送り部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被肉盛り部材に合金粉末を溶融肉盛りし
    て肉盛り部を形成した肉盛り部品を所定の形状に加工し
    て加工面を形成する肉盛り部品の加工装置であって、 前記被肉盛り部材と肉盛り部との境界部を少なくとも含
    む領域を所定の形状に研削する研削手段と、未研削の残
    りの肉盛り部を少なくとも含む領域を所定の形状に切削
    する切削手段とを有することを特徴とする肉盛り部品の
    加工装置。
  2. 【請求項2】 前記研削手段及び切削手段は、相対的に
    移動可能な研削工具及び切削工具からなることを特徴と
    する請求項1記載の肉盛り部品の加工装置。
  3. 【請求項3】 前記切削工具及び研削工具は、切削工具
    の移動方向が研削工具の移動方向に対して所定の角度を
    なすようにお互いに配置されていることを特徴とする請
    求項2記載の肉盛り部品の加工装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の角度が10度から45度の範
    囲であることを特徴とする請求項3記載の肉盛り部品の
    加工装置。
  5. 【請求項5】 前記切削工具には、肉盛り部の加工方向
    に対して交差する方向において前記研削工具を挟むよう
    に配置された2つの切削工具が含まれることを特徴とす
    る請求項2ないし4いずれか1つに記載の肉盛り部品の
    加工装置。
  6. 【請求項6】 前記2つの切削工具の各々の切削刃の伸
    長方向が、肉盛り部の加工方向に直交する方向に対して
    それぞれ+/−5度の範囲にあることを特徴とする請求
    項5記載の肉盛り部品の加工装置。
  7. 【請求項7】 被肉盛り部材に合金粉末を溶融肉盛りし
    て肉盛り部を形成した肉盛り部品を所定の形状に加工し
    て加工面を形成する肉盛り部品の加工方法であって、 前記被肉盛り部材と肉盛り部との境界部を少なくとも含
    む領域を研削する研削工程と、前記研削工程で研削され
    なかった残りの肉盛り部を少なくとも含む領域を切削す
    る切削工程とを含むことを特徴とする肉盛り部品の加工
    方法。
  8. 【請求項8】 前記切削工程において、切削を行う切削
    刃は、研削を行う研削刃よりも肉盛り部に向けて突出さ
    せられることを特徴とする請求項7記載の肉盛り部品の
    加工方法。
  9. 【請求項9】 前記切削工程により切削された切削加工
    面は、肉盛り部の加工方向に対して直交する幅方向にお
    いて、前記研削工程により研削された研削加工面と10
    %以上オーバラップしていることを特徴とする請求項7
    又は8記載の肉盛り部品の加工方法。
  10. 【請求項10】 前記研削工程において、被研削領域を
    肉盛り部の加工方法に沿う溝形状に研削し、前記溝形状
    の溝幅が0.5mm〜1.0mmの範囲であることを特
    徴とする請求項7ないし9いずれか1つに記載の肉盛り
    部品の加工方法。
JP14824497A 1997-06-05 1997-06-05 肉盛り部品の加工装置及び加工方法 Pending JPH10337618A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6564457B2 (en) 2000-10-25 2003-05-20 Nissan Motor Co., Ltd. Machining method of valve seat with laser-clad metal
CN103659155A (zh) * 2013-10-25 2014-03-26 浙江吉利控股集团有限公司 一种发动机缸体螺栓孔加工方法
US11534857B2 (en) 2014-10-21 2022-12-27 Advanced Research For Manufacturing Systems, Llc Composite member and method for manufacturing composite member

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