JP2000157986A - 触媒オゾン法による有機物含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

触媒オゾン法による有機物含有排水の処理方法及び処理装置

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JP2000157986A
JP2000157986A JP10350799A JP35079998A JP2000157986A JP 2000157986 A JP2000157986 A JP 2000157986A JP 10350799 A JP10350799 A JP 10350799A JP 35079998 A JP35079998 A JP 35079998A JP 2000157986 A JP2000157986 A JP 2000157986A
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wastewater
reaction
oxidation
organic matter
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Tomohiko Kuno
智彦 久野
Shiro Fukui
史郎 福井
Yoshio Okabe
淑夫 岡部
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
Tadao Tanji
忠男 丹治
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AGC Engineering Co Ltd
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Asahi Glass Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物難分解性のCOD成分含有の有機物含有
排水をオゾンと触媒を使用して効率的かつ簡便に分解す
る排水処理技術の提供。 【解決手段】 該排水にオゾンガスを導入してオゾンを
溶解し排水中の有機物を予備酸化し、ついでオゾンと排
水を触媒内装の第1反応域に移行させて排水を高度に酸
化分解し、更にオゾンを残留する排水を触媒内装の第2
反応域に移行せしめて接触分解させる。その際には第1
反応域出口の酸化還元電位を700〜900mv、第2
反応域出口の酸化還元電位を400〜500mvに維持
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CODを含有する
排水をオゾンと触媒とを使用してCODを分解して排水
を浄化する技術に関する。より詳細には、オゾンと触媒
により排水中のCOD成分を高度の酸化分解により無害
化する排水の効率的かつ簡便な処理技術に関する。特に
生物処理後に残存する生物難分解性のCOD成分をも効
率的かつ簡便に分解することを可能とした排水処理技術
を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】中程度の濃度の生分解性有機物を含有す
る工場排水等の各種排水の処理方法としては、活性汚泥
法が処理排水中の有機物の分解に古くから広範に採用さ
れている。更に、生分解性の有機物を高濃度で含有する
排水では、嫌気性細菌による発酵分解も採用されてい
る。また、次亜塩素酸、過酸化水素/鉄イオン等を酸化
剤に用いた化学処理法も提案されている。
【0003】しかしながら、生物処理においては、生物
が分解できない、生物難分解性有機物や有毒有機物など
が排水中に存在する場合もあり、その場合には生物処理
後の排水中に未分解の有機物が残存することが危惧され
る。そのため従来は必要に応じて活性炭による吸着処理
もなされているが、活性炭では全ての有機物が吸着除去
できないし、その上にランニングコストが高くなる等の
問題がある。
【0004】また、昨今活性汚泥処理の工程において生
物自身が環境ホルモン様分泌物を産出し、それが処理後
の排水に漏洩するということも言われている。さらに化
学処理においても、過剰な薬剤の処理排水中への残留な
ども懸念され、この排水処理後の新たなる残留物の発生
あるいはその無害化等に伴う排水処理後の環境負荷は決
して小さくはない。このような中で近年排水の高度処理
技術も色々と開発され、その中にオゾンによる排水処理
があるが、この技術においてもオゾンの水中への貧溶解
性に起因する低除去効率とオゾンガスの人体に対する毒
性の危惧とが問題とされている。
【0005】以上のようなところはあるものの、このオ
ゾンによる排水処理については、処理後の排水が従来の
薬剤処理法によるものと比べ環境負荷が少ない点が注目
され、その利点を活用するために先の問題点を解決する
ための提案も既に色々となされており、それには光照射
オゾン反応法、過酸化水素添加オゾン処理法、高pHオ
ゾン処理法、触媒オゾン法等がある。その中の触媒オゾ
ン法は触媒の存在下でオゾンにより排水中の有機物を効
率的に分解するものであり、その技術に関する最近の提
案に特開平6−114387号公報に記載のものがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この提案における触媒
オゾン法による排水処理は、オゾンと触媒により有機物
を効率よく酸化分解するとともに未反応のオゾンも同時
に分解除去することを意図したものであり、触媒層は第
1層と第2層の2層とし、その中間にオゾンを供給して
排水とオゾンを向流で接触させ、第1の触媒層では一部
の有機物の分解を、第2の触媒層では残る有機物の分解
と未反応溶存オゾンを分解除去しようとするものであ
る。
【0007】この処理技術は有機物が効率的に分解さ
れ、かつ処理後の排水及び排ガス中にオゾンが残存しな
いようにすることを意図している点ではそれなりに優れ
た技術ではある。しかしながら、排水とオゾンとが向流
で気液接触していることから、残留するオゾンを分解す
ることをもっぱら意図する第2の触媒層に排水に導入直
後のオゾンガスが流入することになり、それを回避する
ことはできない。
【0008】そのため第2の触媒層では、オゾンガスの
人体への毒性の危惧を完全に排除するには、まず未溶解
のガス状オゾンを溶解し、次いで分解させることが必要
となる。その結果、第2の触媒層ではオゾンガスの溶解
と溶解後の溶存オゾンの分解との両者を実施できるだけ
の反応能力を確保できる滞留時間を有するものを設置す
ることが必要となり、排水とオゾンを向流で接触させる
と、かかる短所が存在し、このままではそれが解消でき
ないことがわかった。
【0009】そして、この提案の処理技術では、排水の
処理量あるいは排水中の有機物濃度の変動については全
く配慮されておらず、これを配慮して設計することにな
ると、触媒層の滞留時間に十分な安全性を確保すること
が必要となり、必要以上の滞留時間を有する排水処理装
置になってしまい非能率である。また安全性を最低限度
に抑えた場合には、先の変動が大きい場合にはオゾンあ
るいは未分解の有機物の流出が起こる短所を有するもの
となる。
【0010】本発明者は、この点に関連してオゾンと触
媒の共存下での有機物及びオゾンの分解反応を検討した
結果、両者が分解する各過程においては、排水の酸化還
元電位は所定の値にあるとの新たな知見を得、これを利
用することにより、先の問題を解決し本発明を完成する
ことができた。すなわち、本発明者は有機物がほぼ分解
し溶存オゾンが一部残存する時点では酸化還元電位は7
00〜900mvであり、残存オゾンを全て分解した時
点ではそれが400〜500mvになっていることを知
見し、本発明ではこの知見を利用することによってオゾ
ン触媒法の反応を簡便に制御することを可能とした。
【0011】したがって、本発明は、このような新規な
知見をも利用して触媒オゾン法における短所を解消しよ
うとするものであり、それは、触媒の存在下でオゾンに
より排水中の有機物を効率的に分解しようとする前記従
来技術において短所となっているところのオゾンガスを
分解無害化せしめる触媒反応工程へのガス状オゾンの流
入回避、並びに有機物及びオゾンの分解状態の監視手段
の不存在による触媒反応層における非効率性の改善を発
明の解決しようとする課題とするものである。すなわ
ち、本発明はオゾンガスを分解無害化せしめる反応工程
へのガス状オゾンの流入回避、並びに有機物及びオゾン
の分解状態を簡便に監視できる効率的で簡便な排水処理
技術を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記したとおり
の課題を解消するための有機物含有排水処理方法及び処
理装置を提供するものであり、本発明の排水処理方法
は、有機物含有排水にオゾンガスを導入してオゾンを溶
解し排水中の有機物を予備酸化せしめ、ついでオゾンと
排水の両者を触媒を内装する第1の反応域に移行させて
排水を高度に酸化分解せしめ、更に残留した過剰のオゾ
ンを含有する排水を触媒を内装する第2の反応域に移行
せしめて接触分解させ、かつ第1の反応域出口の酸化還
元電位を600mv以上、第2反応域出口の酸化還元電
位を600mv未満に維持するように分解浄化反応を行
う有機物を分解浄化すると共にオゾンを残存せしめない
ようにするものである。
【0013】本発明の排水処理装置は、オゾン供給装置
と処理排水供給装置とを備える、オゾンの溶解と排水中
の有機物を予備酸化せしめる前段反応部、その流出側に
接続された触媒を備えた第1の反応部、及びその流出側
に更に接続された触媒を備えた第2の反応部とを具備
し、かつ両反応部のいずれか1に少なくとも酸化還元電
位計を設置したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の排水処理方法及び処理装
置が処理対象とする排水は特に限定されるものではな
く、COD成分が含まれる有機物含有排水であればいず
れも処理可能であり処理対象となる。例えば、下水2次
処理水、し尿2次処理水、産業排水、産業排水2次処理
水、養殖池排水、産業廃棄物最終処分場浸出水、医療施
設排水等があるが、特に生物が分解できない、有毒有機
物や生物難分解性有機物を含む排水の処理には好適であ
る。その際には、オゾンは、排水中のオレフィン二重結
合を有する有機物、ベンゼン誘導体、脂肪族化合物と直
接反応あるいは触媒を使用することにより反応して分解
することができる。
【0015】以下、図面に記載された排水処理装置の具
体例に基づき、本発明の排水処理装置の構造、処理手
順、作用効果等を具体的に説明するが、本発明の排水処
理技術がこの具体例に限定されるものでないことは勿論
である。図1に記載の本発明の排水処理装置1では、前
段反応部2、第1の反応部3及び第2の反応部4の全反
応部が下からに順に1塔内に配置された構造となってい
る。
【0016】その前段反応部2には、排水供給装置であ
る排水供給管5とオゾン供給装置であるオゾン供給管6
が配置されており、第1反応部の出口と第2反応部出口
には、それぞれ酸化還元電位計(11、12)が設置さ
れ、処理装置1上部には、処理済み排液の流出管8と排
ガスの放出管9が設置されている。また前段反応部2と
第1反応部3の間にはオゾン及び排水を第1反応部に均
一に分散させるために、両者間を仕切るようにオゾン及
び排水の分配構造体7が設置されている。
【0017】この分配構造体7は第1反応部3内に触媒
層を安定して保持するものであると共に、前段反応部2
に供給された排水とオゾンとが、前段反応部2から第1
反応部3内に別々の流路を経て均一かつ円滑に分配でき
る構造を有する。そのために図2に図示された装置で
は、触媒10の粒子径より小さな開孔を有する金網、多
孔板等の多孔材13が支持体14に取り付けられてお
り、またこの多孔材13を貫通し、かつ排水が流通でき
る開口16、17を上下に持つ液流管15が分配構造体
7に備えられている。
【0018】そして、第1反応部3出口に設置された先
の酸化還元電位計11は、その出口の酸化還元電位を測
定し、所定の電位に管理することにより、この第1反応
部においてオゾンを過剰な状態に維持して有機物をCO
2、H2Oまでに分解消去する範囲に維持することにあ
る。また、同様に第2の反応部出口に設置された酸化還
元電位計も、その出口の電位を測定し、所定の電位に管
理することにより、この反応部の反応を排水中に溶解し
たオゾン及びガス状オゾンを触媒の分解作用により消去
する範囲に維持することにある。
【0019】次に、この図面に記載の排水処理装置に基
づいて、本発明による排水処理について以下に具体的に
説明する。浄化すべき処理排水とオゾンとが、それぞれ
排水供給管5及びオゾン供給管6によって前段反応部2
に導入され、ここにおいてオゾンガスが排水中に分散注
入され、僅かに溶解したオゾンが排水中の有機物とりわ
け生物が分解し得ない二重結合を有する有機物、例えば
オレフィン二重結合を有する有機物、ベンゼン誘導体、
脂肪族化合物と直接反応し、それらの分解を開始し、有
機物の予備酸化処理を行う。
【0020】この前段反応部2に導入されたオゾンは溶
解度が低いことから、その大部分は溶解することができ
ず、未溶解オゾンガスは分配構造体7の下部に層状にな
って蓄積した後、多孔材13の開孔を通過して徐々に第
1反応部3内に分散流入する。他方排水は液流管15の
下部に形成された入口用の開口16から液流管15内に
流入し出口用の開口17から第1反応部3内に流入す
る。このようにオゾンと排水は第1反応部内に別々の流
路を経て流入するようにしたことによって、両者は円滑
に第1反応部3内に流入することができる。
【0021】この第1反応部3内に分散流入したオゾン
は、亜鉛、ニッケル等の化合物が担持された円筒状、球
状等の触媒層により分解されて前段反応部2における予
備酸化で形成された分解過程の有機物を更にCO2、H2
Oまでに分解し無害化する。ここでの反応はオゾンが触
媒の存在下に水と反応して生成したヒドロキシラジカル
が寄与しているものと考えられる。またこの第1反応部
3に予備酸化されずに流入した有機物も酸化され無害化
する。そのために第1反応部では、その反応部3の出口
に設置された酸化還元電位計11によって、酸化還元電
位を測定し、その電位が600mv以上、好ましくは7
00〜900mvになるようにオゾン供給量、排水流入
量あるいは触媒量等を制御する。
【0022】第1反応部3内で無害化処理された排水
は、第2反応部4に流入し、ここに充填されている触媒
層により排水中に残留するガス状及び溶存したオゾンを
分解し、オゾンを残存しないようにする。そのため出口
に設置された酸化還元電位計12によって第1反応部3
の場合と同様に酸化還元電位を測定し、その電位が60
0mv未満、好ましくは400〜500mvになるよう
にオゾン供給量、排水流入量あるいは触媒量等を制御す
る。処理後の排水は排出管8により排水処理装置1外に
流出する。
【0023】前記した本発明の排水処理装置の処理対象
となる排水は、前記したとおり特に制限されることはな
く、それには、例えば下水2次処理水、し尿2次処理
水、産業排水、産業排水2次処理水、養殖池排水、産業
廃棄物最終処分場浸出水、医療施設排水等があるが、特
に生物が分解できない有毒有機物や生物難分解性有機物
を含む排水の処理には好適である。
【0024】また、有機物分解用に使用するオゾンはオ
ゾンを含有した気体で供給する。空気または酸素ガスを
原料として、これをオゾン化して供給するのが好まし
い。供給する気体中のオゾン濃度は2〜20体積%が好
ましい。このオゾンを含有した気体は無声放電法、電解
法、光化学反応法、放射線照射法、高周波電解法等の各
種方法で製造でき、本発明ではこれらの方法で発生させ
たオゾン含有ガスが何等制限されることなく使用可能で
ある。
【0025】この処理装置における前段反応部2、第1
反応部3及び第2反応部4の3反応部の組合せについて
は、図面記載のとおりに1塔内に配置するのが効率的で
あり好ましいが、それに限定されものではなく、例えば
各反応部を個別に設置し、それを接続管で連結すること
も可能であるし、また第1及び第2の反応部を1塔に
し、それに別に設置した前段反応部を連結流路で接続す
る等の各種の態様が採用可能である。
【0026】オゾン及び排水の分配構造体7は、オゾン
と排水を第1反応部内に分配するものであるが、この両
者は前段反応部から第1反応部に流入できればよいもの
であるから、その存在は不可欠のものではないものの図
示したように液体である排水と気体であるオゾンとが別
個の流路によって第1反応部内に導入できる構造の方が
両者を円滑に分配できるので好ましい。その際における
オゾン分配用の多孔材についてはオゾンが小気泡で分散
導入できる構造のものであれば好ましく、それには、例
えば多孔板、金網、多孔体あるいは布状帯等がある。
【0027】また、液流管15の構造についても、両端
部分に開口を有し内部を液体が通過でき、触媒が通過で
きないような構造のものであれば特に制限されることな
く採用でき、その管の断面形状は円あるいは各種の多角
形状であってもよい。さらに両端部分に設置された液体
通過用の開口16、17については、両端を解放した構
造、上下いずれか一端を解放し閉鎖した側の端部には筒
壁に開口を設置した図2に記載の構造、あるいは両端を
閉鎖し筒壁の上下両端部に開口を設置した図3に記載の
構造のいずれのものでもよいが、気液分離が容易である
点で後者の構造が好ましい。
【0028】前段反応部に接続する第1反応部は、充填
されている触媒によりオゾンを分解すると同時に有機物
を分解するるところであるから、これら反応が保持でき
る範囲にこの反応部の酸化還元電位を維持することが必
要である。そのためには第1反応部の出口における電位
が600mv以上、望ましくは700〜900mvに維
持できるようにオゾン及び排水の導入量等を制御するこ
とが好ましいが、それに制限されるわけではなく、この
反応部では入口から出口に向かい電位が低下することか
ら、それ以外の位置の電位を所定の電位になるようにオ
ゾンの供給量等を制御してもよい。
【0029】この反応部に充填する触媒としては、特に
制限されることはなく、オゾンを分解すると同時に有機
物の分解に役立つ触媒であれば各種の触媒が使用可能で
ある。それには多くの既知触媒があり、それらは亜鉛、
スズ、ニッケル、マンガン、チタン、鉄、コバルト、マ
グネシウム、セリウム、銅、マンガン、鉛、ビスマス、
バナジウム等の各種元素の単体、又はそれらの水不溶性
若しくは難溶性の化合物があり、化合物としては例えば
酸化物または水酸化物等がある。
【0030】最終の反応部である第2反応部は、元来残
留するオゾンを触媒により分解して無害化するところで
あり、有機物は本来残存しないところであるから、この
条件が保持できる範囲にこの反応部の酸化還元電位を維
持することが必要である。そのためには第2反応部の出
口における電位を測定し、それが600mv未満、望ま
しくは400〜500mvに維持できるようにオゾン及
び排水の導入量等を制御することが好ましいが、それに
制限されるわけではない。
【0031】なお、この第2反応部は前記したとおり本
来は残存するオゾンを分解するところであるが、僅かに
残留する有機物はここにおいて勿論分解可能であり、そ
れをここで分解することを排除するものではない。また
この第2反応部における残存オゾンの分解に使用する触
媒については、第1反応部で使用する触媒と同じものが
いずれも使用可能であり、それと活性炭等の炭素も併用
可能である。
【0032】そして、これら第1及び第2の両反応部に
おける触媒の構造及び形状については、触媒成分を担体
に担持した構造のものがよく、担体としては円筒形、球
形、矩形等の各種形状が使用可能である。またその寸法
についても特に制限されることはなく、取り扱い上支障
のない範囲で適宜のものを選定すればよい。例えば円筒
状の場合には、直径3〜10mm、長さ5〜20mm程
度のものがよい。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を示し本
発明の特徴及び卓越した効果等を具体的に示すが、本発
明はこの実施例によって何等制限されるものではなく、
特許請求の範囲の記載によって把握されとおりのもので
あることはいうまでもないことである。
【0034】(参考例)この参考例は、後述の実施例に
おける前段反応部及び第1反応部による排水処理の機能
等を具体的に示すためのものである。図1に図示する構
造を有する排水処理装置1を使用して排水処理を行っ
た。その処理装置の具体的構造を述べると、それはアク
リル製で、高さ500mm、直径100mmφの円筒で
あり、その最下部の前段反応部2は高さ150mm、そ
の上部に続く高さ350mmの部分を第1反応部3及び
第2反応部としてして用いた。
【0035】前段反応部及び第1反応部の中間に配置し
た分配構造体は、孔径10mmの多孔板(17孔)と、
前段反応部内及び第1反応部内に突出した5mmφの円
筒からなる液流管とを具備し、その液流管の前段反応部
内への突出長は10mmとした。なお、第1反応部3と
して、多孔板上に過酸化ニッケルを担持した5mmφの
棒状の触媒を体積で1l(高さ約150mm)充填し
た。その上部には触媒は一切充填しなっかった。すなわ
ち第2反応部4は形成しなかった。
【0036】次いで、この処理装置を使用して試験用に
調製した有機物含有排水を使用して分解浄化試験を実施
した。モデル排水として蒸留水にフェノールを添加して
有姿濃度25ppmに調整したものを使用し、これを1
00ml/minにて排水供給管5より定量ポンプにて
前段反応部2下部に注入した。このモデル排水の過マン
ガン酸カリウムによる化学的酸素消費量(以下、COD
Mnという)は50ppmであった。
【0037】オゾンは、酸素ガスを原料にオゾンガス生
成器(富士電機製オゾンガス生成能力1l/min)に
て発生させたオゾン含有ガス(オゾン1g/Hr)とし
て排水供給管5の上部に位置するオゾン供給管6である
多孔性散気管より注入した。第1反応部を通過して触媒
及びオゾンによる酸化処理を受けた後の試験用排水は流
出管8より流出した。触媒及びオゾンによる酸化処理を
受けた後の流出管より流出した試験用排水の酸化還元電
位を測定(東亜電波製PTS2019Cによる)したと
ころ、それは870mvであった。
【0038】また、処理後の排水中のCODMnを測定
したところ1ppmであり、原水中のフェノール由来の
CODMnがほぼ96%消滅した。なお、頂部の放出管
9より放出されたガスにはオゾン臭が認められた。また
TOC値を測定したところ処理前19mg/lであった
ものが処理後3mg/lとなった。以上のとおりである
から、第1反応部3出口の酸化還元電位を600mv以
上、好ましくは700〜900mvに維持することによ
り、有機物のほとんどが分解された。その結果、前段反
応部2及び第1反応部だけで、有機物が充分除去できる
ことが確認できた。
【0039】(実施例)実施例においては、上記参考例
と同じ構造の排水処理装置を使用したが、第1反応部4
の上に液体流通性の仕切板を設け、更にその上に第1反
応部3で使用したのと同じ触媒を、同じ量だけ充填し第
2反応部とした。また、この仕切板の部分に酸化還元電
位計を設置し、液体の酸化還元電位が測定できるように
した。
【0040】次いで、この装置を使用して排水の浄化試
験を以下のとおり実施した。排水は、参考例と同様に蒸
留水にフェノールを添加し有姿濃度25ppm(COD
Mn 50ppm)に調整したもの(酸化還元電位54
5mv pH7.3)を使用し、これを100ml/m
inにて排水供給管5より定量ポンプにて前段反応部2
下部に注入した。オゾンも、参考例と同様に酸素ガスを
原料にオゾンガス生成器(富士電機製オゾンガス生成能
力1l/min)にて発生させたオゾン含有ガス(オゾ
ン1g/Hr)を排水供給管の上部に位置するオゾン供
給管6である多孔性散気管より注入した。
【0041】前段反応部2で溶解したオゾンによる直接
分解反応を受けた排水は、第1反応部3に流入し、そこ
で触媒及びオゾンによる酸化処理を受け、続いて第2反
応部に流入し更に分解反応を受けて残留するオゾンを分
解した後流出管8より処理装置外に流出する。触媒及び
オゾンによる酸化処理を受けた後の流出管8より流出し
た試験用排水の酸化還元電位を参考例と同様に測定(東
亜電波製PTS2019Cによる)したところ、それは
580mv、pH7.8を示した。
【0042】また、CODMnも測定したところ1pp
mであり、原水中のフェノール由来の処理水のCODM
nはほぼ消滅しており、同時に処理水中の残存オゾン等
オキシダントも除去された。なお、処理装置頂部より放
出するガスにはオゾン臭が認められなかった。またTO
C値は参考例と同様であった。さらに仕切板の部分の酸
化還元電位計では、参考例のときと同じ酸化還元電位が
測定された。
【0043】(比較例1)参考例と同様の処理装置を使
用したが、第1及び第2反応部にはいずれも触媒を充填
しなかった。排水及びオゾンについては、参考例と同一
のものを同量供給した。浄化処理後の排水の酸化還元電
位を参考例と同様に測定したところそれは953mv、
pH7.7であった。またCODMnも測定したところ
12ppmであり、原水中のフェノール由来の有機物は
76%程度減少した。なお処理水中にはオゾン等オキシ
ダントも残存し処理装置上部の放出管より放出するガス
には強いオゾン臭が認めらた。またTOC値は処理前の
19mg/lが処理後14mg/lとなった。
【0044】(比較例2)参考例と同様の処理装置を使
用し、参考例と同様に第1反応部にのみ触媒を充填し、
充填した触媒も参考例と同一のものを同量とした。排水
については、蒸留水でフェノール有姿濃度25ppm
(CODMn50ppm)に調整した原水を使用した
が、供給量は参考例と同様に100ml/minとし
た。オゾンについても、参考例と同一のオゾン発生器よ
り発生させたものを使用したが、オゾン供給量は0.3
g/Hrとした。
【0045】浄化処理後の排水の酸化還元電位を参考例
と同様に測定したところ、それは540mvであった。
またCODMnも測定したところ20ppmであり、原
水中のフェノール由来のCODMnは高濃度に残存し
た。なお処理装置上部の放出管から放出されたガスには
オゾン臭がやや認められた。またTOC値は処理前19
mg/lであったものが処理後10mg/lとなった。
【0046】
【発明の効果】本発明では、処理排水とオゾンとが並流
となっており、その結果もっぱら残留するオゾンを分解
除去せしめるための反応域である第2の反応部ではオゾ
ンの残存量が極めて微量となっており、処理排水とオゾ
ンとが向流となっている最近提案された従来技術に比し
残留オゾンの分解除去が極めて効率的に行える技術とな
っている。すなわち、この従来技術では残留オゾンをも
っぱら分解除去する第2の触媒層に排水に導入直後のガ
ス状オゾンが流入することを回避することができず、そ
の結果オゾン分解除去の点で該従来技術は非能率であっ
たが、本発明は、それを回避することができ、優れた効
果を奏するものである。
【0047】そして、本発明の処理技術では、排水の酸
化還元電位を測定するという新規手段を採用することで
オゾン及び有機物の残留状態を簡単に検知することがで
き、更にこの検知結果に基づいて排水の供給量、オゾン
の供給量、触媒量等を調節することにより処理装置内の
分解反応の状態を容易に制御できるようになった。その
結果処理装置の利用効率を向上させることができると共
に処理装置内の反応状態を簡便に管理できるようにな
り、本発明では今までの触媒オゾン法の排水処理技術に
はない効率性と簡便性を持つ優れた触媒オゾン法による
排水処理技術が提供可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理装置。
【図2】本発明の排水処理装置のオゾン及び排水の分配
構造体の部分を拡大した図。
【図3】本発明の排水処理装置における前記分配構造体
に具備させる液流管の変形態様の図。
【符号の説明】
1 排水処理装置 2 前段反応部 3 第1の反応部 4 第2の反応部 5 排水供給管 6 オゾン供給管 7 排水及びオゾン分配構造体 10 触媒 11,12 酸化還元電位計 13 多孔材 14 支持体 15 液流管 16,17 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部 淑夫 千葉県市原市八幡海岸通り38番地 旭硝子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 鈴木 康夫 千葉県市原市八幡海岸通り38番地 旭硝子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 丹治 忠男 千葉県市原市八幡海岸通り38番地 旭硝子 エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA12 AB07 BB02 BC04 BC06 BD02 BD03 BD06 BD08 CA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾン供給装置と処理排水供給装置とを
    備える、オゾンの溶解と排水中の有機物を予備酸化せし
    める前段反応部、その流出側に接続された触媒を備えた
    第1の反応部、及びその流出側に更に接続された触媒を
    備えた第2の反応部とを具備し、かつ両反応部のいずれ
    か1に少なくとも酸化還元電位計を設置した有機物含有
    排水処理装置。
  2. 【請求項2】 酸化還元電位計を第1の反応部の出口
    と、第2の反応部の出口の両位置に設置した請求項1記
    載の有機物含有排水処理装置。
  3. 【請求項3】 第1の反応部出口の酸化還元電位をpH
    7基準で700〜900mv、第2の反応部の出口にお
    ける酸化還元電位を同基準で400〜500mvに制御
    する請求項2記載の有機物含有排水処理装置。
  4. 【請求項4】 前段反応部、第1の反応部及び第2の反
    応部が一塔内に配置されている請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載の有機物含有排水処理装置。
  5. 【請求項5】 第1の反応部下部にオゾン及び排水の分
    配構造体が配置されている請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載の有機物含有排水処理装置。
  6. 【請求項6】 オゾン及び排水の分配構造体が、オゾン
    ガス分散用の多数の小開孔を持つ多孔材と排水を通過さ
    せる開口を上下に持つと共に多孔材を貫通する液流管と
    を備え、かつ多孔材の下側において該多孔材と該液流管
    の下開口との空間がオゾンガスを貯留する構造となって
    いる請求項5記載の有機物含有排水処理装置。
  7. 【請求項7】 有機物含有排水にオゾンガスを導入して
    オゾンを溶解し排水中の有機物を予備酸化せしめ、つい
    でオゾンと排水の両者を触媒を内装する第1の反応域に
    移行させて排水を酸化分解せしめ、更に残留した過剰の
    オゾンを含有する排水を触媒を内装する第2の反応域に
    移行せしめて接触分解させ、かつ第1の反応域出口の酸
    化還元電位を600mv以上、第2反応域出口の酸化還
    元電位を600mv未満に維持するように分解浄化反応
    を行う有機物を分解浄化すると共にオゾンを残存せしめ
    ないようにする有機物含有排水処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011078945A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Tsukishima Kankyo Engineering Ltd 触媒層を用いた排水処理装置および排水処理方法
KR101208190B1 (ko) 2011-09-01 2012-12-04 서울시립대학교 산학협력단 초음파 분해 및 산화환원전위 기반 적정을 통한 화학적 산소요구량 분석방법 및 그 분석장치
CN104628187A (zh) * 2015-02-01 2015-05-20 中南民族大学 一种竖流式多级梯度臭氧催化氧化与过滤一体池
CN107902750A (zh) * 2017-12-26 2018-04-13 山东九思环保工程有限公司 一种新型臭氧催化氧化曝气滤池

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