JP2000157493A - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置

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JP2000157493A
JP2000157493A JP10336687A JP33668798A JP2000157493A JP 2000157493 A JP2000157493 A JP 2000157493A JP 10336687 A JP10336687 A JP 10336687A JP 33668798 A JP33668798 A JP 33668798A JP 2000157493 A JP2000157493 A JP 2000157493A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 瞼の開きが不十分な状態での検査による検査
エラーや検査のやり直しを低減し、信頼性の高い検査デ
ータを得る。 【解決手段】 被検眼を撮影又は被検眼の特性を測定す
る検査手段と、被検眼前眼部に検出光を投光する検出光
投光手段と、前記検出光による前眼部からの反射光を受
光する受光手段であって、被検眼角膜と略共役な位置で
被検眼の上下方向に検出面を持つように配置された位置
検出素子を有する受光手段と、前記位置検出素子からの
出力信号に基づいて被検眼の瞼の位置を経時的に検出す
る瞼位置検出手段と、検出される瞼位置に基づいて前記
検査手段による検査実行の可否を判定する判定手段と、
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼科医院や眼鏡店
等で使用される眼科装置に関する。
【0002】
【従来技術】被検眼の特性を測定する眼屈折力測定装
置、角膜曲率測定装置、非接触式眼圧計等の眼科装置で
は、検査に際して被検眼の上瞼の開きが十分でなく、測
定領域に上瞼が掛かると正確な検査ができなくなる。ま
た、被検眼角膜の広い領域に多数のプラチドリング像を
投影し、その反射像を撮像することにより角膜形状を解
析する角膜形状解析装置のような撮影装置では、詳細な
検査データを得るためにできるだけ上瞼を開かせた状態
で撮影することが望ましい。
【0003】このため、検者は被検眼の前眼部を観察し
ながらアライメントをした後、瞼の開きが十分でないと
きは被検者に眼を開けるように指示して検査を行ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被検眼
を観察しながらの瞼の開き具合の確認は、あくまで検者
の判断に委ねられており、その正確性は検者の経験など
に依存するものであった。このため、瞼の開きが十分で
ないことに気が付かずに検査(測定や撮影)を実行して
しまうことがあり、検査エラーを招いたり、検査データ
の信頼性が低下するといった問題があった。特に、でき
るだけ瞼が開いた状態で検査を実行することが望まれる
上記のような角膜形状解析装置の場合、検査に不慣れな
被検者では、撮影後の画像を確認しての再撮影が多くな
る。
【0005】また、瞼の開きが十分でないときは被検者
に眼を大きく開けてもらうが、眼を開ける動作時には、
一旦合せたアライメントがずれることもあり、アライメ
ントの適否と瞼の開き具合の適否の両方を検者が判断す
ることは容易でない。アライメントに関しては、アライ
メント検出機構を設け、その適否に応じて検査を開始す
るように自動化を図ることができるが、瞼の開きに拘わ
りなく検査が自動的に開始されると、信頼性の高い検査
が行い難い。
【0006】本発明は上記従来装置の問題点に鑑み、瞼
の開きが不十分な状態での検査による検査エラーや検査
のやり直しを低減し、信頼性の高い検査データを得るこ
とができる装置を提供することを技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
【0008】(1) 被検眼を撮影又は被検眼の特性を
測定する検査手段を具備する眼科装置において、被検眼
前眼部に検出光を投光する検出光投光手段と、前記検出
光による前眼部からの反射光を受光する受光手段であっ
て、被検眼角膜と略共役な位置で被検眼の上下方向に検
出面を持つように配置された位置検出素子を有する受光
手段と、前記位置検出素子からの出力信号に基づいて被
検眼の瞼の位置を経時的に検出する瞼位置検出手段と、
検出される瞼位置に基づいて前記検査手段による検査実
行の可否を判定する判定手段と、を備えることを特徴と
する。
【0009】(2) (1)の眼科装置において、前記
検出光投光手段は被検眼前眼部を照明するための照明光
を投光する前眼部照明手段、又は被検眼の上下方向に距
離が異なる多数個の指標を投影する指標投影手段である
ことを特徴とする。
【0010】(3) (1)の眼科装置において、前記
判定手段により前記検査手段の検査実行が可能と判定さ
れた場合に検査実行を許可する信号を発する許可信号発
生手段を備えることを特徴とする。
【0011】(4) (1)の眼科装置において、被検
眼のアライメント状態の適否を判断するアライメント判
断手段と、アライメント状態が適正と判断され、かつ前
記判定手段により前記検査手段の検査実行が可能と判定
されたときに検査の実行開始を制御する検査制御手段
と、を備えることを特徴とする。
【0012】(5) (1)の眼科装置において、前記
検査手段による検査を実行するためのトリガ信号を発す
るトリガ信号発生手段と、該トリガ信号に対して前記判
定手段により検査の実行が可能と判定されるまで検査実
行の開始を待機状態とする待機手段と、を備えることを
特徴とする。
【0013】(6) (5)の眼科装置において、前記
待機手段による待機状態であっても、前記トリガ信号に
対して検査実行のための準備動作を実行する準備動作実
行手段を含むことを特徴とする。
【0014】(7) (1)の眼科装置において、前記
判定手段は前記瞼位置検出手段により検出された瞼位置
の経時変化に基づいて瞼が最上位置に移動したことを検
知する最上位置検知手段を備え、瞼が最上位置に移動し
たことが検知された場合に前記検査手段による検査実行
を可能と判定することを特徴とする。
【0015】(8) (1)の眼科装置において、前眼
部を観察するために前眼部像を撮像する撮像素子を備
え、該撮像素子は前記位置検出素子を兼ねることを特徴
とする。
【0016】(9) 被検眼を撮影又は被検眼の特性を
測定する検査手段を具備する眼科装置において、被検眼
前眼部に検出光を投光する検出光投光手段と、前記検出
光による前眼部からの反射光を受光する受光手段であっ
て、被検眼角膜と略共役な位置で被検眼の上下方向に検
出面を持つように配置された位置検出素子を有する受光
手段と、前記位置検出素子からの出力信号に基づいて被
検眼の瞼の移動位置を経時的に検出する瞼位置検出手段
と、検出された瞼位置の経時変化に基づいて瞼が最上位
置に移動したことを検知する最上位置検知手段と、瞼が
最上位置に移動したことが検知された場合に前記検査手
段の検査実行を制御する制御手段と、を備えることを特
徴とする。
【0017】(10) (9)の眼科装置において、前
記最上位置検知手段は前記瞼位置検出手段により検出さ
れる瞼位置の経時的な変化量が所定の値を下回っている
ときに瞼が最上位置にあると検知することを特徴とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明に係る装置の概略光
学系を示す図であり、角膜形状測定系と眼屈折力測定系
を有する装置の例である。
【0019】1は拡散板からなるプラチド板であり、光
軸L1を中心にして多数のリング状の透光部と遮光部が
形成されている。その各透光部の背後には赤〜赤外の光
を発する多数のLED2がリング状の透光部に沿って配
置されている。プラチド板1の外側には前眼部照明用光
源4が設けられ、光源4は近赤外光により被検眼前眼部
を左右方向から略一様に照明する。
【0020】また、プラチド板1の背後には作動距離検
出用の指標投影系10と指標検出系15が設けられてい
る。指標投影系10は赤外の指標投影光源11、レンズ
12を備え、光源11からの光はレンズ12によって略
平行光束にされ、プラチド板1に開けられた開口を通っ
て被検眼Eの角膜に斜め方向から照射される。指標検出
系15の検出光軸は装置の正面の光軸L1に対して指標
投影系10の投影光軸と対称となるように設けられてお
り、その検出光軸上にはレンズ16、1次元位置検出素
子17が配置されている。指標投影系10により角膜反
射光はプラチド板1に開けられた開口を通り、レンズ1
6を介して1次元位置検出素子17に入射する。被検眼
EがZ方向(前後方向)である光軸L1方向に移動する
と、被検眼角膜に形成された指標像も位置検出素子17
上を移動するため、その偏位から被検眼の作動距離のア
ライメント状態が検出される。
【0021】プラチド板1の後方の光軸L1上にはビー
ムスプリッタ5が配置され、その後方には眼屈折力測定
系20が配置されている。21はビームスプリッタで、
光軸L1と同軸にされる光軸L2上には赤外照明光源2
2、回転セクター23、投影レンズ24、絞り25が配
置されている。回転セクター23にはその回転方向に対
して45度方向と135度方向の2種類のスリットが形
成されている。光源22によりスリットは照明され、回
転セクター23の回転により走査されたスリット光束は
投影レンズ24、絞り25、ビームスプリッタ21、及
びビームスプリッタ5を介して被検眼Eの角膜近傍で集
光した後、眼底に投影される。
【0022】ビームスプリッタ21の後方の光軸L1に
は、受光レンズ26、絞り27、受光センサ部28が順
に設けられている。絞り27は受光レンズ26の後ろ側
焦点位置に配置され、受光センサ部28は受光レンズ2
6に関して被検眼角膜と略共役な位置に配置される。受
光センサ部28は光軸L1を挟んで対称に配置された2
対の受光素子(4個の受光素子)を備える。各受光素子
は光軸L1を中心に90度間隔でも設けられ、2.5m
mの瞳孔径で屈折力を測定できるように配置されてい
る。回転セクター23の回転により被検眼眼底には傾き
が異なる2種類のスリット光束が投影される。眼屈折力
は、一方のスリット光束が走査されたときの各対の受光
素子による位相差信号と、もう一方のスリット光束が走
査されたときの各対の受光素子による位相差信号とか
ら、後述する制御部60で算出される(特開平10−1
08836号公報等を参照)。
【0023】ビームスプリッタ5によって光軸L1と同
軸にされる光軸L3上には、ハーフミラー30、31、
レンズ32、固視標33、固視光源34が配置され、レ
ンズ32は光軸方向に移動することによって被検眼Eの
雲霧を行う。ハーフミラー31は正面からのアライメン
ト用光を投光する光源36からの光を反射する。光源3
6からの近赤外光はレンズ35によって略平行光束にさ
れて被検眼に投影される。
【0024】また、ハーフミラー30の反射側の光軸L
4上には、レンズ40、光分割ミラー41、CCDカメ
ラ42が配置されている。CCDカメラ42は前眼部観
察用、アライメント用光源36により被検眼角膜に形成
される輝点の検出用、及び前眼部に投影されたプラチド
リング像の撮影用に使用される。一方、光分割ミラー4
1の反射側にはレンズ40を介して被検眼角膜と略共役
にされる1次元の位置検出素子45が設けられている。
この位置検出素子45は上瞼位置検出手段として使用さ
れ、図2(a)に示すように、その検出方向が被検眼E
の上下方向(光軸L1の上下方向)となるように配置さ
れ、検出面は少なくとも角膜中央から上瞼に掛かる範囲
を持つ。
【0025】図3は制御系の要部構成を示すブロック図
である。図1に示した光学系が配置される測定ユニット
50は、装置の基台51上を水平方向に摺動可能な移動
台52に対して、X方向(左右方向)、Y方向(上下方
向)、Z方向(前後方向)にそれぞれX駆動系55、Y
駆動系56、Z駆動系57により駆動される。なお、移
動台52はジョイスティック53の操作によって基台5
1上を摺動される。各駆動系55、56、57はそれぞ
れモータ、スライド機構等から構成され、装置全体を制
御する制御部60によりその駆動が制御される。
【0026】61は画像処理部であり、観察時にはCC
Dカメラ42に撮像されるアライメント指標像を検出
し、その検出結果を制御部60に入力する。制御部60
は入力された指標検出信号に基づいて被検眼に対する装
置(測定ユニット50)の上下左右のアライメント状態
を判定する。また、撮影用のトリガ信号が入力される
と、画像処理部61はCCDカメラ42に撮像されたプ
ラチドリング画像を取り込み、角膜形状解析用の所定の
画像処理を施す。62はCCDカメラ42により撮影さ
れる観察用の前眼部像や解析結果等を表示するカラーデ
ィスプレイである。また、制御部60には上瞼位置検出
用の位置検出素子45、作動距離検出用の位置検出素子
17、音声発生部63、測定モードを選択するスイッチ
等が設けられたスイッチ部64、眼屈折力測定系20が
接続されている。
【0027】次に以上のような装置における動作を説明
する。装置は測定モード切換用のスイッチにより、眼屈
折力測定モードと角膜形状解析モードが選択できる。以
下、それぞれの検査について説明する。
【0028】<眼屈折力測定>照明光源4により照明さ
れた前眼部像はCCDカメラ42により撮像され、その
像はディスプレイ62に映し出される。検者はディスプ
レイ62に表示され前眼部像を観察しながら、ジョイス
ティック53等を操作して粗くアライメントする。光源
36により形成される指標像が画像処理部61により検
出されるようになると、制御部60はXY方向が所定の
アライメント状態となるように、X駆動系55、Y駆動
系56の駆動を制御して測定ユニット50を移動する。
また、位置検出素子17により作動距離検出用の指標が
検出できるようになると、制御部60はその検出信号に
基づいてZ駆動系の駆動を制御して、Z方向が適正の状
態になるように測定ユニット50を前後移動する。XY
Z方向のアライメント状態がそれぞれ適正になると、被
検眼の調節を排除するための雲霧動作(測定準備動作)
を開始する。続いて、位置検出素子45からの検出信号
に基づいて瞼の開き具合の適否判定を行う。
【0029】この適否判定について説明する。前眼部照
明用光源4により照明された前眼部からの反射光は、ビ
ームスプリッタ5によって光軸L1と同軸にされる光軸
L3上には、ハーフミラー30、レンズ40、光分割ミ
ラー41を経て位置検出素子45に入射する。図2
(b)はアライメント完了時に位置検出素子45から出
力される信号を模式的に示した図である。図から分かる
ように、前眼部が照明された状態では、瞳孔、虹彩、上
瞼の順に各輝度は高くなるので、各輝度情報の比較によ
り上瞼部分を検出でき、エッジ検出処理等により基準位
置からの位置情報を得ることができる。基準位置は上下
左右のアライメント光軸上にとることにより、測定光束
が通過する測定領域に瞼が入っているかの判別がし易く
なる。すなわち、本形態の眼屈折力測定では2.5mm
の瞳孔径で測定できる構成としているので、上瞼が半径
1.25mm+αの測定可能領域より上の位置にあれば
瞼の開き具合が適正と判定され、それ以下であれば不十
分と判定される。
【0030】瞼の開きが不十分である場合には、音声発
生部63より「眼を大きく開けて下さい」等の音声指示
がなされる。また、ディスプレイ62上にもその旨が表
示されるので、検者が被検者に指示しても良い。被検者
が眼を開けることにより、瞼の開き具合が適正と判定さ
れると(この間も、XYZ方向の移動が自動的に行われ
る)、制御部60はトリガ信号を自動的に発し、眼屈折
力測定系20による測定を実行する。この測定実行中に
被検者の疲労で上瞼が上記の測定可能領域に下がってく
るときがある。この場合には、制御部60は測定を中断
し、被検者に対して注意を促す指示を音声発生部63よ
り行い、測定を待機状態とする。上瞼が測定可能領域よ
り上に移動したことが検出されると、測定を自動的に再
開する(又は再度測定をやり直す)。
【0031】また、通常、眼屈折力測定は同一被検眼で
複数回(3〜5回程度)の連続測定を行うので、制御部
60はXYZのアライメント検出情報に従って測定ユニ
ットを自動追尾させるとともに、位置検出素子45によ
り検出される上瞼位置の適否を測定実行の都度判定す
る。図4は上瞼の検出位置を時系列的に示した図であ
り、上瞼が下垂れぎみの被検者の例である。このような
被検者の場合、開眼の指示により瞼を上げるが、しばら
くすると疲労により下がってきてしまう。従って、連続
測定は、図に示す測定可能位置Dより上瞼が上側に位置
しているP1〜P2の間で行うが、この間で期待する回
数に達しなければ、再び開眼の指示を行った後のP3〜
P4の間で追加測定を行う。
【0032】なお、本形態ではXYZ方向のアライメン
ト検出によりトリガ信号を自動的に発して測定を行う構
成で説明したが、ディスプレイ62に表示されるレチク
ルとアライメント輝点を観察しながら、ジョイスティッ
ク53の操作でアライメントした後、測定開始スイッチ
54を押すことで測定開始のトリガ信号を発する構成で
も良い。この場合、制御部60は測定の準備動作である
雲霧動作を実行した後、上瞼の位置が図4に示した例で
P1以前であれば、測定実行は待機状態とし、上瞼が測
定可能な位置Dより上に移動したことが検出された時点
で測定を開始する。このようにすると測定のタイミング
を逃さずに測定エラーの発生を低減することができる。
【0033】<角膜形状解析>眼屈折力測定と異なる部
分を中心に説明する(図6参照)。眼屈折力測定の場合
と同様に、装置はアライメント検出情報に基づいてXY
Z方向のアライメントを自動的に行う。アライメントが
完了したら、位置検出素子45により検出される上瞼位
置が撮影に適する位置にあるか否かを判定し、撮影可能
と判定されればプラチドリングが投影された前眼部像の
撮影(画像処理部61が持つフレームメモリへ静止画像
として取り込む)を自動的に行う。プラチドリングの投
影による角膜形状解析では最大直径11mm程の角膜領
域を測定するので、この領域(半径5.5mm+α)よ
り上に瞼があれば測定可能と判断される。しかし、被検
者によっては開眼指示を行ってもこの領域より上に瞼を
位置させることが難しい場合がある。この場合には上瞼
の動きをモニタし、瞼が最上位置になったことを検知し
て撮影を行う。
【0034】上瞼の最上位置の検知について図5を使用
して説明する。図5は開眼の指示により上瞼が移動した
ときの位置を時系列的に示した図である。制御部60は
上瞼位置を経時的(一定時間間隔ごとに)にサンプリン
グして記憶しながら、サンプリングされた時刻t(n)
での上瞼位置P(n)に対して、その1つ前のサンプリ
ング時刻t(n−1)での上瞼位置P(n−1)との変
化を順次求める。ここで、P(n)−P(n−1)≧m
であるならば、上方向に瞼が移動中と見なせ、P(n)
−P(n−1)<mであるならば、上瞼の移動はほぼ停
止状態(または下降に転じている)と見なせる。但し、
mは上瞼の移動を判定するために設定された所定の変化
量で、m>0の定数とする。
【0035】したがって、一定時間間隔ごとにサンプリ
ングした位置データの変化が所定の変化量以上かそれ未
満かで、その被検者にとって上瞼が最上位置に来たかど
うかが判定できる。プラチドリングを角膜に投影して形
状解析をする場合には、できるだけ角膜の広い範囲に亘
ってリング像を得ることが望ましいので、装置は上瞼が
最上位置に来たことが検知されると、そのタイミングで
トリガ信号を自動的に発して撮影を行う。これにより被
検者にとって最も上瞼を開けた状態の撮影像をタイミン
グ良く得ることができる。
【0036】撮影像はフレームメモリに取り込まれ、画
像処理部61によりプラチドリング像のエッジが検出さ
れる。制御部60はその検出データに基づいて所定の演
算処理を行って角膜形状を解析する。解析結果は例えば
トポグラフとしてディスプレイ62に表示される。
【0037】以上のように測定の種類によって開眼が必
要な上瞼の位置が異なるので、前眼部照明の反射光から
瞼の位置を検出できることは装置の自由度が増して都合
が良い。特に本形態のように異なる測定を1台の装置で
行う構成の場合には、瞼位置検出系を共用できて好適で
ある。
【0038】また、角膜形状解析の場合には、角膜に投
影されるプラチドリング像の反射光の状態から上瞼の位
置を検出しても良い。すなわち、上瞼がプラチドリング
像にかかるとリングパターン像は検出されなくなるの
で、検出されるリングパターン像から上瞼の位置を判断
することができる。
【0039】以上の実施形態はさらに種々の変容が可能
である。例えば、上瞼位置検出には位置検出素子45の
代わりに観察用のCCDカメラ42を利用することがで
きる。CCDカメラ42からは1/60秒毎に奇数フィ
ールドと偶数フィールドの映像信号が交互に出力される
ので、何れかの信号をメモリに記憶してその輝度変化か
ら瞼の位置を随時検出していく。この場合、全ての領域
の信号を必要としないので、縦方向は位置検出素子45
と同じように中心から上瞼をカバーできる範囲をとり、
横方向は中心を挟んで数画素分の範囲をとる。瞼位置の
検出は横方向の輝度信号を平均処理して得れば良い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
瞼の開きが不十分な状態での検査実行による検査エラー
や検査のやり直しを低減し、また、信頼性の高い検査デ
ータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の概略光学系を示す図であ
る。
【図2】(a)上瞼位置を検出する位置検出素子の配置
を示す図である。 (b)アライメントが完了時に位置検出素子から出力さ
れる信号を模式的に示した図である。
【図3】制御系の要部構成を示すブロック図である
【図4】上瞼の検出位置を時系列的に示した図である。
【図5】開眼の指示により上瞼が移動したときの位置を
時系列的に示した図である。
【図6】角膜形状解析におけるフローチャートと示す図
である。
【符号の説明】
1 プラチド板 4 前眼部照明用光源 20 眼屈折力測定系 42 CCDカメラ 45 前眼部照明用光源 60 制御部 61 画像処理部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼を撮影又は被検眼の特性を測定す
    る検査手段を具備する眼科装置において、被検眼前眼部
    に検出光を投光する検出光投光手段と、前記検出光によ
    る前眼部からの反射光を受光する受光手段であって、被
    検眼角膜と略共役な位置で被検眼の上下方向に検出面を
    持つように配置された位置検出素子を有する受光手段
    と、前記位置検出素子からの出力信号に基づいて被検眼
    の瞼の位置を経時的に検出する瞼位置検出手段と、検出
    される瞼位置に基づいて前記検査手段による検査実行の
    可否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする
    眼科装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の眼科装置において、前記検出
    光投光手段は被検眼前眼部を照明するための照明光を投
    光する前眼部照明手段、又は被検眼の上下方向に距離が
    異なる多数個の指標を投影する指標投影手段であること
    を特徴とする眼科装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の眼科装置において、前記判定
    手段により前記検査手段の検査実行が可能と判定された
    場合に検査実行を許可する信号を発する許可信号発生手
    段を備えることを特徴とする眼科装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の眼科装置において、被検眼の
    アライメント状態の適否を判断するアライメント判断手
    段と、アライメント状態が適正と判断され、かつ前記判
    定手段により前記検査手段の検査実行が可能と判定され
    たときに検査の実行開始を制御する検査制御手段と、を
    備えることを特徴とする眼科装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の眼科装置において、前記検査
    手段による検査を実行するためのトリガ信号を発するト
    リガ信号発生手段と、該トリガ信号に対して前記判定手
    段により検査の実行が可能と判定されるまで検査実行の
    開始を待機状態とする待機手段と、を備えることを特徴
    とする眼科装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の眼科装置において、前記待機
    手段による待機状態であっても、前記トリガ信号に対し
    て検査実行のための準備動作を実行する準備動作実行手
    段を含むことを特徴とする眼科装置。
  7. 【請求項7】 請求項1の眼科装置において、前記判定
    手段は前記瞼位置検出手段により検出された瞼位置の経
    時変化に基づいて瞼が最上位置に移動したことを検知す
    る最上位置検知手段を備え、瞼が最上位置に移動したこ
    とが検知された場合に前記検査手段による検査実行を可
    能と判定することを特徴とする眼科装置。
  8. 【請求項8】 請求項1の眼科装置において、前眼部を
    観察するために前眼部像を撮像する撮像素子を備え、該
    撮像素子は前記位置検出素子を兼ねることを特徴とする
    眼科装置。
  9. 【請求項9】 被検眼を撮影又は被検眼の特性を測定す
    る検査手段を具備する眼科装置において、被検眼前眼部
    に検出光を投光する検出光投光手段と、前記検出光によ
    る前眼部からの反射光を受光する受光手段であって、被
    検眼角膜と略共役な位置で被検眼の上下方向に検出面を
    持つように配置された位置検出素子を有する受光手段
    と、前記位置検出素子からの出力信号に基づいて被検眼
    の瞼の移動位置を経時的に検出する瞼位置検出手段と、
    検出された瞼位置の経時変化に基づいて瞼が最上位置に
    移動したことを検知する最上位置検知手段と、瞼が最上
    位置に移動したことが検知された場合に前記検査手段の
    検査実行を制御する制御手段と、を備えることを特徴と
    する眼科装置。
  10. 【請求項10】 請求項9の眼科装置において、前記最
    上位置検知手段は前記瞼位置検出手段により検出される
    瞼位置の経時的な変化量が所定の値を下回っているとき
    に瞼が最上位置にあると検知することを特徴とする眼科
    装置。
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