JP2000157287A - Na+/H+アンチポ―タ―蛋白質及びそれをコ―ドする遺伝子 - Google Patents

Na+/H+アンチポ―タ―蛋白質及びそれをコ―ドする遺伝子

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JP2000157287A
JP2000157287A JP11261606A JP26160699A JP2000157287A JP 2000157287 A JP2000157287 A JP 2000157287A JP 11261606 A JP11261606 A JP 11261606A JP 26160699 A JP26160699 A JP 26160699A JP 2000157287 A JP2000157287 A JP 2000157287A
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Mariko Shono
真理子 庄野
Takahiko Hayakawa
孝彦 早川
Akira Tanaka
章 田中
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SHOKUBUTSU KOGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Na+ /H+ アンチポーター遺伝子を単離し、そ
れを利用することで、耐塩性を高めた形質転換植物を得
る。 【解決手段】 ホソバノハマアカザのmRNAよりcDNAを合
成した後Na+ /H+ アンチポーター遺伝子の部分断片を
得、3′−及び5′−RACE法を用い、該遺伝子を単
離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩性植物(haloph
yte )であるホソバノハマアカザ(Atliplex gmelini)
より単離されたNa+ /H+ アンチポーター遺伝子の塩基配
列及び該遺伝子を用いた耐塩性植物の作出方法に関する
発明であり、本発明を用いて主要作物等への耐塩性の付
与が可能となる。即ち、乾燥地域での高塩濃度等の劣悪
環境下における作物栽培への利用が考えられる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】乾燥気
候下における可溶性塩類の集積は、植物の生育を阻害す
るため農作物の栽培に大きな障害となっている。塩害に
より植物が受ける傷害は、主としてナトリウムイオン
(Na+ )によるものである。過剰のNa+ は、植物細胞に
対し「浸透圧ストレス」として作用するだけでなく、細
胞内にNa+ が浸透することで酵素活性阻害等の代謝異常
をもたらす「イオンストレス」としても作用する。ま
た、根から栄養分を取込む際にイオン間で競合が生じ、
植物に必須な元素の取込み阻害を引き起こしたりする。
これら塩ストレスに対して、塩性植物(halophyte )は
体内の浸透圧を高めて吸水力を確保するとともに、ナト
リウム塩の細胞質外への排除や液胞への隔離をおこなっ
て、塩に対する耐性を高めていることが知られている。
【0003】この内、細胞質内のNa+ 濃度を低く保つ仕
組みの一つであるNa+ /H+ アンチポーターは、バクテリ
アから高等植物にいたるまで様々な生物で存在が知ら
れ、多くの研究がなされている(Handbook of Biologic
al Physics Vol. II(ElsevierScience,The Netherlan
d),501 (1996))。高等植物では、オオムギの根の形質
膜画分にNa+ /H+ アンチポート機能があること(Plant
Cell Environ.2, 281(1979))が示唆されて以来、サト
ウダイコンの根(Plant Physiol.78, 163 (1985))やワ
タの根(Plant Physiol.94, 1795 (1990) )、イネの根
(Plant Cell Physiol.39 , 196(1998) )、ホソバノハ
マアカザの葉(Plant Physiol.89, 180 (1987))トマト
の根(Plant Science 107, 147(1995))の液胞膜画分や
形質膜画分など、塩性植物だけでなく甘性植物(glycop
hyte)にもその活性が存在することが報告されてきた。
【0004】液胞膜上のNa+ /H+ アンチポーターは、 H
+ -ATPアーゼ(V 型)および H+ −ピロホスファターゼ
の働きにより作り出された H+ 濃度勾配を利用してNa+
を液胞内に蓄積し、細胞質内のNa+ 濃度を低く保つと同
時に、外界に対しては浸透圧を高める役割を果たしてい
る。一方、形質膜上のNa+ /H+ アンチポーターは、H + -
ATPアーゼ(P 型)の働きにより作り出された H+ 濃度
勾配を利用してNa+ を細胞外へ排出し、細胞質内のNa+
濃度を低く保つ働きを担っていることが知られている。
【0005】一方、主要な農作物に耐塩性を付与し農作
物の生産性を高めることは、近い将来の食糧不足を解決
するための有効な手段と考えられており、これまで、浸
透圧調整物質である、グリシン−ベタインやプロリンを
産生する遺伝子を植物に導入し過剰発現させることによ
り、耐塩性能が向上した植物の作出が報告されている
(Plant J.12,133(1997);特願平 9-006793 号明細
書)。しかしながら、この方法で作出された植物は、ま
だ塩性植物に見られるような強い耐塩性が付与されるに
は至っていない。
【0006】さらに、これまで、大腸菌(J.Biol.Chem.
264, 20297(1989))をはじめとした微生物や酵母(EMBO
J.11, 1631(1992) )、ヒトをはじめとした動物(Ann
u.Rev. Physiol.47, 545(1985) )などからは多くのNa
+ /H+ アンチポーターが単離され、塩基配列が決定され
てきた。しかし、植物のNa+ /H+ アンチポーター遺伝子
の単離は液胞膜型、形質膜型いずれも報告されておら
ず、これらの遺伝子のクローニングが待たれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液胞膜型
のNa+ /H+ アンチポーター等を用いてNa+ の液胞膜への
隔離を行い「イオンストレス」を排除することで、植物
に有効な耐塩性を付与することが可能となり、より一層
の耐塩性能の向上を図る有効な手段と考え、また、Na+
/H+ アンチポーターによるNa+ の液胞膜への隔離のみだ
けでなく、さらに、ベタイン等の浸透圧調製物質の過剰
生産とNa+ /H+ アンチポーターの活性増加との組み合わ
せによる相乗効果も期待されるものと考え、耐塩性の強
い塩性植物であるホソバノハマアカザ(Atliplex gmeli
ni)より液胞膜型のNa+ /H+ アンチポーターを単離精製
し、その遺伝子配列の決定を行った。さらに、該遺伝子
を用いて形質転換を行い、形質転換植物の細胞内Na+
度を下げることにより耐塩性植物の作出を目指すもので
ある。
【0008】すなわち本発明の要旨は、配列表の配列番
号1に記載のアミノ酸配列、または、この配列に1もし
くは複数のアミノ酸残基が挿入、欠失もしくは置換され
たアミノ酸配列を有し、かつ、Na+ /H+ アンチポーター
活性を有するタンパク質、該タンパク質ををコードする
遺伝子及びそれを用いた形質転換体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の遺伝子は、例えば、以下に記載の方法で単離する
ことができる。発芽後4〜6週間のホソバノハマアカザ
を50〜100 mM程度の食塩水で灌水した後4〜10時間後に
葉を採種し、mRNAを単離する。線虫(C.elegans)(Genban
k/EMBLのaccession No.Z69646 、あるいは、Z73898)・
カルシナス(Carcinus)(accession No.U09274 )と哺乳
動物、例えば、ラット(accession No.M85299 )やヒト
(accession No.D87743 )、のNa+ /H+ アンチポーター
遺伝子と酵母の第4染色体に位置するD9461.40遺伝子
(液胞型Na+ /H+ アンチポーター遺伝子;J.Biological
Chem.272,26145(1997) ;(accession No.U33007 ))
のタンパク質をアラインメントし、ホモロジーの高い領
域を探す。この内、以下で行うPCR で検出が容易である
アミノ酸数百残基(核酸で数百〜1k bp )程度離れた領
域を選び、アミノ酸配列及び各々の核酸配列を比較して
ミックスプライマーを作製する。この時、ミックスプラ
イマー中に含まれるプライマーの種類をできるだけ少な
くする領域を選択することにより、PCR の際にミックス
プライマーが実際の配列とアニールできる確率を高める
ことができる。ホソバノハマアカザより単離したmRNAよ
りcDNAを合成した後(GublerとHoffman の方法;Gene 2
5,263 (1983))、これを鋳型とし、上記で作製したミッ
クスプライマーを用いてPCR を行う。増幅された断片を
適当なベクター(pUC やpBluescript(ストラタジーン社
製) 、各種のTAクローニングベクター(例えばインビト
ロジェン社やプロメガ社製)等)へ挿入しクローニング
する。蛍光シーケンス法で塩基配列を決定し、アミノ酸
配列を比較することにより、クローニングしたPCR 増幅
断片の配列中にプライマー領域以外の残りの部分ともホ
モロジーの高い領域があることを確認する。こうして該
遺伝子の部分断片を得る。該部分断片の情報を基に、
3' 及び5'Rapid Amplification of cDNA Ends (RACE)
法(Proc.Natl .Acad.Sci.USA 85,8998 (1988))によ
り、上記で得られた該部分断片の下流域及び上流域であ
る3' 端及び5' 端までの該遺伝子の断片の増幅を行
い、それぞれの断片の塩基配列を決定する。フレームを
ずらして塩基配列をアミノ酸配列に翻訳し、最も長い読
みとり枠(open reading frame:ORF )を決定する。決
定したORF の塩基配列を基にNa+ /H+ アンチポーター遺
伝子のORF をカバーするようにプライマーを設定してPC
R を行い、増幅された断片を適当なベクター(pUC やpB
luescript 、各種のTAクローニングベクター等)に挿入
する。かくして、ホソバノハマアカザ(Atliplex gmeli
ni)由来のNa+ /H+ アンチポーターをコードする遺伝子
の塩基配列を決定し、該遺伝子のクローンを取得するこ
とができる。
【0010】上述の3' 及び5'RACE 法の他にも、cDNA
libraryを用いた以下のような方法によっても該遺伝子
を取得することができる。即ち、ホソバノハマアカザよ
り単離したmRNAよりcDNAを合成し(GublerとHoffman の
方法;Gene 25,263 (1983))、リンカーを付けた後、λ
gt11等のファージ用ベクターに挿入する。これをファー
ジに封入し、cDNA libraryを作製する。上記で得た部分
断片のクローンをプローブに用いてcDNA libraryをスク
リーニングし、強くハイブリダイズするクローンを選
び、その塩基配列を決定することができる。
【0011】上記遺伝子の機能の解析は、例えば、Na+
/H+ アンチポーター遺伝子を破壊した大腸菌(J.Bacter
iol.176,4311 (1994) )や酵母を用いて、次のような相
補実験を行うことにより推定できる。液胞膜型のNa+ /H
+ アンチポーター遺伝子を破壊した酵母(例えば、YR89
( Δpmr2A-E)のNHX1遺伝子破壊株(nhx1::URA1);J.Bio
l.Chem.272,26145(1997) )は、NaClに対する感受性が
高い。この酵母にGAL1等、酵母で機能するでプロモータ
ーで制御された該遺伝子を含むベクター(例えば、pYX1
43;R&D Systems 社製)を酢酸リチウム法で導入する。
GAL1プロモーターを用いる場合、ガラクトースで遺伝子
を誘導、発現させることにより、ベクターのみを導入し
たものに比べて、NaClに対する耐性が高くなることが観
察されれば、該遺伝子が導入することによりNa+ を液胞
に隔離されたためと考えられ、このことにより該遺伝子
がNa+ /H+ アンチポーター活性を有することを推定する
ことができる。
【0012】本発明のタンパク質は、配列番号1記載の
アミノ酸配列から成り、またNa+ /H + アンチポーター能
を損なうことがない限りにおいて、1若しくは複数のア
ミノ酸残基の挿入、欠失もしくは置換があってもよい。
このような変異はPCRを用いた変異導入法、ニトロソ
グアニジン(NTG) やヒドロキシルアミン等の変異剤を用
いる等の方法で該タンパク質をコードする遺伝子に導入
することができる。
【0013】本発明の遺伝子は、配列番号1に記載の塩
基配列を含む上記タンパク質をコードする遺伝子コード
する遺伝子であり、またそれらとストリンジェントな条
件でハイブリダイズし、かつNa+ /H+ アンチポーター活
性を有するものである。配列番号1記載の塩基配列で表
される遺伝子は、上記の方法で単離する事も可能である
が、今般その塩基配列が確認されたので、それをもとに
合成することも可能である。
【0014】本発明においてストリンジェントな条件で
ハイブリダイズするとは、通常には、配列番号1に記載
の塩基配列と70%、好ましくは80%以上の相同性を有す
るものである。また、上記手法で変異を導入された塩基
配列のNa+ /H+ アンチポーター能の確認は、上記で述べ
た方法で行うことが出来、そのような手法で活性が確認
されたものは、本発明の遺伝子に含まれるものである。
【0015】さらに、得られたNa+ /H+ アンチポーター
遺伝子のcDNAを植物用の発現ベクターのカリフラワーモ
ザイクウイルス(CaMV)35S プロモーターやその他の植
物で機能するプロモーターの下流に挿入し、エレクトロ
ポレーション法・アグロバクテリウム法・パーティクル
ガン法等を用いて主要穀物であるイネ、トウモロコシ、
コムギ、オオムギ、ジャガイモ、等や油量作物である、
ダイズ、ナタネ、パーム椰子やワタ等を形質転換する。
かくして、本発明の塩害に強い植物の作出が可能とな
る。
【0016】イネの場合、エレクトロポレーション法
(Nature338,274 (1989))、アグロバクテリウム法(Pl
ant J.6,271 (1994))又はパーティクルガン法(Plant
Cell Rep.14,586 (1995))により形質転換を行うことが
できる。例えば、エレクトロポレーション法の場合に
は、以下の手法が例示される。即ち、継代後3〜6日の
サスペンジョン細胞よりイネプロトプラストを単離後、
EPバッファー(5mM MgCl2, 70 mM KCl, 0.1%MES, pH5.
6 ;フィルター滅菌する。)10 ml に懸濁、遠心する。
再度EPバッファーを加えて、最終(6〜8)×106プロ
トプラスト/10 ml とする。35S プロモーター等で制御
された該遺伝子を含むベクター及び35S プロモーターで
制御されたHygromycin B phosphotransferase 遺伝子を
含むベクターをそれぞれ懸濁液1mlに対し、各々30μg
を加え混合する。この懸濁液をマイクロキュベットに入
れ、X-Cell 450 Electroporation System (プロメガ社
製)にて、1,000 μF 、750V/cm の減衰波を30秒かけ
る。プロトプラストをチューブに戻し氷中で冷却後、直
径3cmのプラスチックシャーレに移す。アガロース(80
mg )を入れたパイレックスチューブ(オートクレーブ
滅菌)に、R2P 培地2.5 mlを加え溶かした後、37〜40℃
に冷却する。プロトプラストを入れたシャーレに寒天溶
液を0.5 ml加え、素早く混合して固めた後、R2P 培地を
5ml入れた直径5cmのプラスチックシャーレに移す。ナ
ース細胞として、OC細胞を100 mg程度加え、30℃、80回
転/分で振とう培養する。10〜14日に20〜30個の細胞塊
となるのでこれを取り出し、新しいシャーレに移す。新
たにR2P 培地5mlを入れ、最終濃度25μg/mlとなるよう
に、ハイグロマイシン溶液(5mg/ml)を加える。2〜
3週間後、耐性を示して生育を続ける形質転換細胞と、
分裂を停止する非形質転換細胞とが区別できるようにな
る。耐性を示した形質転換細胞塊をハイグロマイシン
(30μg/ml)を含むR2SA寒天培地5mlに置き、30℃、2,
000 lux で静置培養する。3週間から1カ月で耐性コロ
ニーは生育を続けてカルスとなる。カルスをR2A 培地上
で2週間ほど培養した後、PCR 等で該遺伝子の導入を確
認する。遺伝子の導入されたものを再生培地に移し、再
生個体を得る。
【0017】ナタネの形質転換を、アグロバクテリウム
法またはエレクトロポレーション法で行う場合には以下
に記載の方法が例示される。アグロバクテリウム法によ
る形質転換(Plant Mol.Biol.26,1115(1994))は、以下
のように行う。10%過酸化水素水で25分間処理して乾燥
させた種子をMS寒天培地上で照明下(1,000 〜4,000 lu
x )2〜3週間培養する。発芽し生長した無菌の下胚軸
を2〜5mmの長さに切断し、前培養培地(B5- ビタミ
ン、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(1mg/l)、3%
ショ糖、0.7%アガロースを含むMS寒天培地上に適当量の
タバコ培養細胞BY-2を敷き詰め滅菌ろ紙をかぶせた培
地)上に置いて明所下一晩前培養する。植物で作用する
プロモーターで制御された該遺伝子を含むプラスミドを
有したアグロバクテリウムを抗生物質を含む5mlのYEB
液体培地中、30℃で一晩培養する。この培養液を3,000
rpm で10分間遠心分離し3%のショ糖を含むMS液体培地
で一回洗浄した後、同じMS培地に懸濁する。このアグロ
バクテリウム懸濁液に先の前培養した下胚軸を入れて25
℃で5〜20分間振とう培養する。この溶液をろ過し下胚
軸のみを取り出し、無菌ペーパータオル上で余分なアグ
ロバクテリウムを取り除き元の前培養培地上で二晩同時
培養し下胚軸にアグロバクテリウムを感染させる。この
後、下胚軸を除菌培地(B5−ビタミン、2,4−ジクロ
ロフェノキシ酢酸(1mg/l)、3%ショ糖、0.7%アガロ
ース、500 mg/lカルベニシリンを含んだMS寒天培地)上
に移して三日間培養してアグロバクテリウムの増殖を抑
える。次にこれらの下胚軸を一次選抜培地(B5−ビタミ
ン、3mg/lベンジルアミノプリン、1mg/lゼアチン、2
%ショ糖、0.7%アガロース、30mg/lカナマイシン、500
mg/lカルベニシリンを含むMS寒天培地)上に移して2週
間培養する。更にこれらの下胚軸を二次選抜培地(一次
選抜培地のショ糖含量を2%から1%に減少させた培
地)上に移し3週間培養する。この時形質転換したカル
スは更に大きくなるので、次にこのカルス部分のみを発
芽培地(二次選抜培地よりカナマイシンを除き、カルベ
ニシリンを500mg/l から250mg/l に減少させたもの)に
移す。再生した芽は伸長培地(0.1 mg/lベンジルアミノ
プリン、250mg/l カルベニシリン、0.7%アガロースを含
むB5寒天培地)上で成長させ、次に発根培地(0.1 mg/l
1- ナフタレン酢酸、0.01mg/lベンジルアミノプリン、
3%ショ糖、0.8%アガロースを含むMS寒天培地)に移し
た後、馴化させる。馴化の終了した植物体は隔離温室内
で生育させ自家受粉させて種子を得ることができる。
【0018】エレクトロポーレーション法によるナタネ
の形質転換(Plant Tissue CultureLetters11,199 (199
4))は、以下のように行う。無菌発芽させた下胚軸よ
りプロトプラストを得、エレクトロポーレーション懸濁
溶液(0.4 Mマンニトール、5mM塩化マグネシウム、70
mM 塩化カリウム、0.1%MES 、pH 5.5)に6×105 個/m
l の濃度で懸濁する。この懸濁液0.5 mlに該遺伝子のDN
A を含んだプラスミドを40μg/ml、ウシ精子遺伝子を40
μg/mlの濃度になるように加えた後、X-Cell450 (プロ
メガ社製)で電気パルス(電気容量400 μF 、電圧600
V/cm、時間7.5ms)を印加して遺伝子導入する。エレク
トロポーレーション処理したプロトプラストは、0.4 M
グルコース、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(1mg/
l)、0.1mg/lナフタレン酢酸、0.4 mg/lベンジルアミノ
プリンを含むKM8p培地で1週間培養した後、10 mg/l カ
ナマイシンを加えて形質転換細胞を選抜する。3週間後
に得られた形質転換カルスを10 mg/l カナマイシンを含
んだCN培地、DN培地、K3培地、B5培地、MSMS培地に3
週間毎に移植し、再生個体を得る。馴化の終了した植物
体は隔離温室内で生育させ自家受粉させて種子を得るこ
とができる。
【0019】その他、各植物の形質転換は、常法により
行うことが出来、例えば、大豆等を形質転換する場合に
は、Bio/technology 6,915 (1988)、同 5,1202 (1987)
(以上アグロバクテリウム法)、Plant Cell Rep.10,10
6 (1991)、同 9,55 (1990)(以上エレクトロポーレーシ
ョン法)及びTheor.Appl.Gnet.79,337 (1990) 、Plant
Cell Rep.12,250 (1993)(以上パーティクルガン法)等
に準じて、行うことができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて更に具体的に本発明を
説明するが、本発明は以下の実施例によって限定される
ものではない。 (1)ホソバノハマアカザからのmRNAの単離 播種後1ヶ月のホソバノハマアカザを50 mM 食塩水で灌
水した後6時間後のものより葉を採種し、mRNAを単離す
る材料とした。mRNAの調製は、Chomczynski とSacchiの
方法(Anal.Biochem.162,156(1987))に従った。即ち、
約0.2 gの葉を乳鉢中で液体窒素を加えて良く粉砕し
た。これに0.8 mlのsolution D(4 Mグアニジンチオシ
アン酸・25 mM クエン酸(pH7.0 )・0.5%ザルコシール
・0.1M2−メルカプトエタノール)を加えさらに良く擦
り潰した。これを2 ml のエッペンドルフチューブへ移
し、2 M酢酸ナトリウム(pH4.0 )、フェノール(0.1
M トリス緩衝液飽和)、クロロフォルムをそれぞれ0.08
ml 、0.8 ml、0.16 ml 加えた後、良く攪拌して、氷中
に15分間静置した。4℃で20分間遠心分離し、浮遊物に
注意して上層を2 ml のエッペンドルフチューブへ移
し、等量のイソプロピールアルコールを加えた。4℃で
20分間遠心分離後、さらに0.3 mlのsolution Dに溶か
し、再び、等量のイソプロピルアルコールでRNA を沈殿
させた。これを70%のエタノールで洗浄し、乾固した後
30μl のジエチルピロカーボネート(DEPC)処理した滅
菌水に溶かしtotal RNA を得た。Total RNA 溶液にElut
ion buffer(最終濃度:10mM Tris-HCl pH7.5 ・1 mM E
DTA・ 0.1 % SDS)と滅菌水を加えRNA 量が1μg/μl
となるように調製した。Olygotex-dT30 (ロッシュ社
製)を等量加え、65℃で5分間加熱し、氷上で3分間急
冷後、5 M NaCl を1/10量加え、37℃で30分間インキュ
ベートした。15,000 rpmで3分間の遠心分離後上清を除
去した。ペレットを1 ml の滅菌水に懸濁後65℃で5分
間加熱し、氷上で3分間急冷した。15,000 rpmで3分間
の遠心分離後、上清を回収し、エタノール沈殿によりmR
NAを回収した。
【0021】(2)cDNA の合成 得られたmRNAよりcDNA合成キット(例えば、Gibco BRL
社製)を用いてcDNAを合成した。即ち、鋳型として上記
(1)で得られたホソバノハマアカザのmRNA(2μg )
を添付の5X 緩衝液(最終濃度:50 mM Tris-HCl(pH 8.
3) 、75 mM KCl、3 mM MgCl2 )に溶かした。これにポ
リA配列部と結合するオリゴ(dT)プライマー(1μg
)、dNTP混合物(最終濃度: 各0.5 mM)、ジチオスレ
イトール(最終濃度:10 mM )、Superscript II逆転写
酵素(400 ユニット:Gibco BRL 社製)を加え、DEPC処
理水で全量を20μlとした。振盪後、37℃で1時間保温
し、終了後氷冷した。この操作により、1本鎖cDNAを合
成した。
【0022】次に、添付の緩衝液(最終濃度:25 mM Tri
c-HCl(pH 7.5) 、100 mM KCl、5 mMMgCl2、10 mM (NH4)
2SO4 、0.15 mM β-NDA+ )とdNTP混合物(最終濃度:
各250 μM )を加えた後、大腸菌のDNA リガーゼ(10ユ
ニット)とDNA ポリメラーゼI (40ユニット)、RNaseH
(2ユニット)を加え、DEPC処理水で全量を150 μlと
した。軽い攪拌後、16℃で2時間処理した。この操作に
より2本鎖cDNAを合成した。更に、平滑末端にするため
にT4ファージのDNA ポリメラーゼ(10ユニット)を加え
て16℃で10分間保温した。反応を終了させるために0.5
M EDTA(pH 8.0)10μlを加え攪拌した。これを等量の
フェノール/クロロホルムで2回処理して酵素を除き、
更に、倍量のジエチルエーテルで洗浄を行い、エタノー
ル沈澱で精製されたcDNAを回収した。70%エタノールで
洗浄後乾燥させ、滅菌水に溶かしたものを以下の実験に
用いた。
【0023】(3)プライマー領域の設定 これまで報告のあるNa+ /H+ アンチポーター遺伝子のア
ミノ酸配列のホモロジー比較を行い、共通する配列を探
した。線虫(Genbank/EMBLのaccession No.Z73898 )・
ラット(accession No.P26431 )・ヒト(accession N
o.D87743 )・Carcinus(accession No.U09274 )のNa
+ /H+ アンチポーター遺伝子と第4染色体に位置する酵
母のD9461.40遺伝子(液胞型Na+ /H+ アンチポーター遺
伝子;J.Biological Chem.272,26145(1997) ;(access
ion No.U33007 ))のタンパク質をアラインメントし、
ホモロジーの高い部分を探したところ、図1に示すホモ
ロジー領域が認められた。図1の内、四角で囲んだ部分
がホモロジーの高い部分である。この内、300 bp程度離
れた領域(αとβ)を選び、アミノ酸配列及び核酸配列
の比較から配列番号3と4に示すようなミックスプライ
マーを作製した。配列番号3と4の組み合せにより作製
したプライマーは2048種類であり、これを用いてPC
R で遺伝子増幅を行った。
【0024】(4)PCR による目的遺伝子の増幅とクロ
ーニング (2)で作製したcDNA 100 ng を鋳型にし、(3)のプ
ライマー1μM を用いて、100 μl 溶液(最終濃度:20
mM Tris-HCl pH8.3・1.5 mM MgCl2・0.2 mM dNTP ・0.
02% gelatin・0.1 % Triton X-100 )で以下の条件で
PCR を行った。即ち94℃で1分加熱後、94℃,30 秒、42
℃,60 秒、72℃,60 秒の反応を35回繰り返し、最後に72
℃,120秒加熱した。1%アガロースゲルで生成物を電気
泳動しエチジウムブロマイドで染色したところ1本の主
バンドが確認された。エタノール沈殿後乾固し100 μl
の滅菌水に溶かした。本溶液1μl とTAクローニングベ
クター(pCR2.1;インビトロジェン社製)1μl を混合
し、ライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃
でライゲーションを行った。形質転換は、コンピテント
セル(DH5 α)を用いてHanahan の方法(DNA cloning.
vol1. p109-136.(1985))に従って行った。
【0025】50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地上に
形成された白色コロニーの中から、アルカリ−SDS 法で
ミニスクリーニングを行った。制限酵素EcoRIで切断し
DNA断片の長さから目的とする該Na+ /H+ アンチポータ
ー遺伝子の一部を含むと考えられるクローンを選抜し
た。
【0026】(5)cDNA断片の塩基配列の決定 (4)で得たクローンよりプラスミドDNA を抽出し、さ
らに塩化セシウム密度勾配遠心により精製されたプラス
ミドDNA を得た。蛍光シーケンス法により該DNA 断片の
全領域(約300 bp)の塩基配列を決定した(Brow, M.A.
D. (1990) PCRProtocols. A Guide to Methodsand Appl
ications, pp.189-196, Editted by M.A. Innis et al.
Academic Press)。得られた塩基配列をGENETYX (ソ
フトウェアーディベロップメント社製)を用いてアミノ
酸に翻訳し、(3)で類似性比較させたNa+ /H+ アンチ
ポーター遺伝子のアミノ酸配列の残りの領域を比較した
ところ、プライマー領域の内側の領域においても共通配
列の部分が一致した(図2)。図2中、網掛けになって
いるところはホモロジーが高い部分であり、四角で囲ん
だ部分は特に全ての配列においてホモロジーが一致した
部分である。これより、得られたクローンが目的のNa+
/H+ アンチポーターである可能性が高いと判断し、本情
報を用いて全領域をカバーするクローンの取得を以下の
方法で行った。
【0027】(6)3' RACE法によるcDNAのクローニン
グ 3' RACE kit(Gibco BRL 社製)を用いて(5)で得た
cDNA断片より下流の3' 端までのcDNA断片の取得を試み
た。即ち、(1)で得たmRNA 50 ngと配列番号5に示す
APプライマー(最終濃度:0.5 μM )を用い、20μl の
溶液(最終濃度:20 mM Tris-HCl pH8.4・50 mM KCl ・
2.5 mM MgCl2・10 mM DTT ・500 μM dNTP)中で42℃、
50分間Superscript II逆転写酵素(200 ユニット:Gibc
o BRL 社製)を反応させた。15分間70℃で加熱後、RNas
eH(2ユニット)を加え20分間反応させた。本溶液を2
μl と配列番号6と7に示されるプライマー(最終濃
度:0.2 μM )を用い、50μl の溶液(最終濃度:20 m
M Tris-HCl pH8.4・50 mM KCl ・1.5 mM MgCl2・200μM
dNTP)中で以下の条件でPCR を行った。即ち、94℃3分
間のプレヒートをした後、TaqDNAポリメラーゼを加え93
℃30秒、64℃30秒、72℃90秒のサイクルを30回行った。
マイクロスピンカラム(S-400 HR;ファルマシア社製)
で生成物をゲルろ過後、配列7のプライマー領域より内
側(3' 側)の領域をプライマーに用いて2度目のPCR
を行った。即ち、本ろ過溶液2μl と配列番号6と8で
示されるプライマー(最終濃度:0.2 μM )を用い、50
μl の溶液(最終濃度:20 mM Tris-HCl pH8.4・50 mM
KCl ・1.5 mM MgCl2・200 μM dNTP)中で前述と同様の
条件でPCR を行った。
【0028】PCR の最終産物の一部を1%アガロースゲ
ルで電気泳動し、PCR サザン解析を行った。即ち、電気
泳動後ゲルを250 mM HCl溶液に30分間浸析後、1.5 M Na
Clを含む0.5 M NaOH溶液で変性させ、1.5 M NaCl、0.5
M Tris-HCl(pH7.2) の中和溶液で洗浄した。ゲル中のDN
A をバキュジーン(ファルマシア-LKB社製)を用いて半
乾燥的にハイボンドN + (アマシャム社製)へトランス
ファーした。ランダムプライマーキット(アマシャム
社)を用いて(5)で得られた断片(25 ng )をα-32P
-dCTP でラベルしてプローブとした。メンブレインを、
42℃で3時間以上プレハイブリダイズ(50%フォルムア
ミド・2X SSPE(0.3 M NaCl,0.02M リン酸ナトリウム,2
mM EDTA) ・250 μg キャリアDNA ・0.5%スキムミルク
・1% SDS)した後、ラベルされたプローブを加えて、4
2℃で一昼夜ハイブリダイズした。2X 及び0.1XのSSC
溶液(20X SSC :3 M NaCl,0.3 Mクエン酸ナトリウム)
(42〜65℃)で洗浄後X線フィルムに露光してバンドの
有無を確認した。約1kbp 付近に強いシグナルが観察さ
れた。
【0029】そこで、1%アガロースゲルで残りのPCR
最終産物を電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色
し、1kb付近のバンドを切り出した。これを電気的に溶
出し、フェノール/クロロフォルム処理の後エタノール
沈殿させ、適当な量の滅菌水に溶解した。このPCR 増幅
断片をTAクローニングベクター(pGEM-T Easy ;プロメ
ガ社製)に挿入し、DH5 αをコンピテントセルとして形
質転換を行った。50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地
上に形成された白色コロニーの中から、アルカリ−SDS
法でミニスクリーニングを行った。制限酵素EcoRIで切
断しDNA 断片の長さから目的とする該Na+ /H+ アンチポ
ーター遺伝子の3' 領域を含むと考えられるクローンを
選抜した。
【0030】(7)5'RACE 法によるcDNAのクローニン
グ 5' RACE kit(Gibco BRL 社製)を用いて(5)で得た
cDNA断片より上流の5' 端までのcDNA断片の取得を試み
た。即ち、(2)で得たmRNA 780 ng とキット中のrand
om primer 150 ngを滅菌水12μl に溶かし、65℃で10分
間熱処理後氷上で急冷した。これに緩衝液(最終濃度:
20 mM Tris-HCl・50 mM KCl ・3 mM MgCl2・10 mM DTT
・400 μM dNTP)とSuperscript II逆転写酵素(200 ユ
ニット:Gibco BRL 社製)を加え25μl の溶液とし、37
℃で1時間反応させた。さらに65℃で15分間加熱後、RN
aseH(2ユニット)を加え55℃で10分間反応させた。こ
れをGlassMax spin cartridge (Gibco BRL 社製)にか
け、プライマー等を除去した。次にcDNAのTdT tailing
を行った。即ち、本ろ過液1/5 量を含む25μl の溶液
(最終濃度:20 mM Tris-HCl pH8.4・50 mM KCl ・1.5
mM MgCl2・200 μM dCTP)にterminal deoxynucleotidy
l transferase (TdT )を10ユニット加え37℃で10分間
反応させた後、65℃で10分間加熱した。本溶液の1/5 量
及び配列番号9と10に示すプライマー(最終濃度:0.
2 μM )とを用いて、50μl の溶液(最終濃度:20 mM
Tris-HCl pH8.4・50 mM KCl ・1.5 mM MgCl2・200 μM
dNTP)中で以下の条件でPCR を行った。即ち、94℃3分
間のプレヒートをした後、TaqDNAポリメラーゼを加え93
℃30秒、58℃30秒、72℃90秒のサイクルを35回行った。
マイクロスピンカラム(S-400 HR;ファルマシア社製)
で生成物をゲルろ過後、配列10のプライマー領域より
内側(5' 側)の領域をプライマーに用いて2度目のPC
R を行った。即ち、本ろ過溶液1μl と配列番号9と1
1で示されるプライマー(最終濃度:0.2 μM )を用
い、50μl の溶液(最終濃度:20 mM Tris-HClpH8.4・5
0 mM KCl ・1.5 mM MgCl2・200 μM dNTP)中で前述と
同様の条件でPCR を行った。1%アガロースゲル電気泳
動を行いエチジウムブロマイドで染色したところ1本の
主バンドが認められた。これをTAクローニングベクター
(pGEM-TEasy ;プロメガ社製)に挿入し、DH5 αをコ
ンピテントセルとして形質転換を行った。50μg/mlのア
ンピシリンを含むLB培地上に形成された白色コロニーの
中から、アルカリ−SDS 法でミニスクリーニングを行っ
た。制限酵素EcoRIで切断しDNA 断片の長さから目的と
する該Na+ /H+ アンチポーター遺伝子の5' 領域を含む
と考えられるクローンを選抜した。
【0031】(8)3' 及び5'RACE 法により得たcDNA
断片の塩基配列の決定 (6)及び(7)で得たクローンよりプラスミドDNA を
抽出し、さらに塩化セシウム密度勾配遠心により精製さ
れたプラスミドDNA を得た。蛍光シーケンス法により該
DNA 断片の全領域(約1.1 kbp 及び約1.5 kbp )の塩基
配列を決定した。即ち、決定済みの塩基配列に基づいて
プライマーを合成しながら、両端より中方向へ塩基配列
を読み進み、クローンの全塩基配列を決定した。これら
2つの断片をつなぎ合わせることにより1つのcDNAとし
て該遺伝子の全塩基配列決定を完成した。さらに、決定
した5' 端と3' 端の塩基配列を基に配列12と13で
示されるプライマーを設定しこれを用いて(1μM )、
50μl 溶液(最終濃度:50mM Tris-HCl pH9.2・1.75 mM
MgCl2 ・0.35 mM dNTP・1.4 mM (NH4)2SO4)で以下の
条件でTaq DNA polymeraseとPwo DNA polymeraseを用い
てlong PCR(ExpandLong Template PCR system :ベー
リンジャーマンハイム社製)を行った。即ち95℃で1分
間加熱し、62℃で30秒アニーリング後、72℃で1分反応
を行い、これを25回繰り返した。1%アガロースゲルで
生成物を電気泳動しエチジウムブロマイドで染色したと
ころ1本の主バンドが観察された。これをTAクローニン
グベクター(pGEM-T Easy ;プロメガ社製)に挿入し、
コンピテントセル(DH5 α)を用いてHanahan の方法に
従って形質転換を行った。50μg/mlのアンピシリンを含
むLB培地上に形成された白色コロニーの中から、アルカ
リ−SDS 法でミニスクリーニングを行った。制限酵素Ec
oRIで切断しDNA 断片の長さから目的とする該Na + /H+
アンチポーター遺伝子の全部を含むと考えられるクロー
ンを選抜した。本クローンの塩基配列を蛍光シーケンス
法により決定し、先に即ち得られた3' 及び5'RACE 法
で得られた断片の塩基配列と一致することを確認した。
【0032】(9)Na+ /H+ アンチポーター遺伝子のコ
ピー数及び発現の解析 単離されたNa+ /H+ アンチポーター遺伝子の一部をプロ
ーブとしてサザン解析及びノザン解析により遺伝子のコ
ピー数及びmRNAの発現の解析を行った。即ち、ホソバノ
ハマアカザの葉よりCTAB法(Nucleic Acid Res.8,4321
(1980) )を用いてゲノムDNA を単離精製した。即ち、
ホソバノハマアカザの葉0.2 gを液体窒素中で破砕し、
300 μl の2% CTAB 溶液(100 mM Tris-HCl(pH8.0)・20
mM EDTA(pH8.0) ・1.4 M NaCl・2% cetyltrimethylamm
onium bromide )を加え転倒混和した。65℃で30分加熱
後、等量のクロロフォルム−イソアミルアルコール(2
4:1)を加え撹拌した。12,000rpm で15分間遠心分離し
た後、上層をとり1〜1.5 倍容量の1%CTAB 溶液(50 m
M Tris-HCl(pH8.0) ・10 mM EDTA・1%CTAB )を加え、
1時間静置した。8,000rpmで10分間遠心後、沈殿に400
μl の1M CsClを加えて溶解した。これに800 μl のエ
タノールを加えて、DNA を得た。10μg のゲノムDNA を
EcoRI・HindIII ・Pst I等の制限酵素で切断し、1%
アガロースゲル電気泳動を行った。ゲルを250 mM HCl溶
液に30分間浸析後、1.5 M NaClを含む0.5M NaOH溶液で
変性し、Tris-HCl緩衝液で洗浄した。ゲル中のDNA をバ
キュジーン(ファルマシア-LKB社製)を用いて半乾燥的
にハイボンドN + (アマシャム社製)へトランスファー
した。ランダムプライマーキット(アマシャム社)を用
いて該遺伝子の断片(25 ng )をα-32P-dCTP でラベル
してプローブとした。メンブレインを、42℃で3時間以
上プレハイブリダイズ(50% フォルムアミド・2X SSPE
(0.3 M NaCl,0.02M リン酸ナトリウム,2 mM EDTA) ・25
0 μg キャリアDNA ・0.5%スキムミルク・1% SDS )し
た後、ラベルされたプローブを加えて、42℃で一昼夜ハ
イブリダイズした。2X 及び0.1XのSSC 溶液(20X SSC
:3 M NaCl,0.3Mクエン酸ナトリウム)(42〜65℃)で
洗浄後X線フィルムに露光してバンドの有無を確認した
(サザン解析)。本願のアンチポーター遺伝子は、内部
に上記の各制限酵素のサイトを持っており、それを考慮
すると本願遺伝子は1〜2コピーの遺伝子であることが
推察された(図3)。
【0033】さらに、(1)で得たmRNA2〜3μg を50
%ホルムアミドと2.2Mホルムアルデヒドを含む100 mMの
MOPS緩衝液中で変性後、2.2Mホルムアルデヒドを含む1
%アガロースゲルで分離した。分離したRNA をバキュジ
ーン(ファルマシア-LKB社)を用いて約1時間吸引する
ことによってナイロン膜(ハイボンドN + ;アマシャム
社)へトランスファーした。その後、約2分間紫外線を
当て、RNA をナイロン膜へ固定した。上述と同様にして
該遺伝子の断片(25 ng )をプローブとしてラベルし、
50%フォルムアミド下、42℃でハイブリダイズした。2
X 及び0.1XのSSC 溶液(20X SSC :3 M NaCl,0.3 Mクエ
ン酸ナトリウム)(42〜65℃)で洗浄後X線フィルムに
露光してバンドを確認したところ、2.37 kb (0.24-9.5
Kb RNAラダー;Gibco BRL 社製)を表すマーカーの上部
に1本のバンドが観察された(ノザン解析)(図4)。
【0034】(10)Na+ /H+ アンチポーター遺伝子の
構造の解析 単離されたNa+ /H+ アンチポーター遺伝子は、1,668 bp
(555 amino acids )よりなり分子量 61 kDa のタンパ
ク質をコードしていた。データベースとのホモロジー比
較により、機能の解析さている遺伝子のなかでは、酵母
の液胞膜型のNa + /H+ アンチポーターや動物、線虫のNa
+ /H+ アンチポーターと30%前後のホモロジーを示し
た。その結果を表1に示す。Kyte & Doolittleの方法
(J.Mol.Biol.157,105(1982))により親水性値・疎水性
値を見たところ、膜貫通タンパク質に特徴的な12個の膜
貫通ドメインを持つことが明らかとなった(図5)。こ
れらのことより単離された該遺伝子は、Na+ /H+ アンチ
ポーター遺伝子で、しかも液胞型Na+ /H+ アンチポータ
ー遺伝子であることが強く示唆された。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のNa+ /H+ アンチポーターをコー
ドする遺伝子は、塩害に強い農作物を作成するのに有用
と考えられる。
【0037】
【配列表】 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>1 <211>1668 <212>DNA <213>Atliplex gmel ini <400>1 ATGTGGTCAC AGTTAAGCTC TTTGTTGTCT GGAAAGATGG ACGCTCTTAC CACTTCTGAT 60 CACGCTTCTG TGGTCTCGAT GAACTTGTTT GTGGCACTGT TATGTGGTTG TATCGTAATT 120 GGTCATCTTC TAGAGGAGAA TCGTTGGATG AATGAGTCCA TCACTGCCCT TCTTATAGGT 180 TTGGCTACTG GGGTTGTGAT TCTGCTGATT AGTGGAGGAA AAAGTTCACA TCTTTTGGTC 240 TTCAGTGAAG ATCTTTTCTT CATATACCTT CTTCCACCGA TTATATTCAA TGCAGGCTTT 300 CAGGTGAAGA AGAAGCAGTT CTTCCGCAAC TTCATTACTA TTGTATTGTT TGGAGCTGTT 360 GGTACATTGG TATCATTCAC CATCATATCT CTGGGAGCGT TGTCAATTTT TAAGAAATTG 420 GATATTGGTA CTCTGGAGTT GGCAGACTAT CTTGCAATTG GTGCAATATT CGCTGCCACA 480 GATTCTGTTT GCACACTGCA GGTTCTTAAT CAGGATGAGA CCCCTCTGCT CTACAGTCTG 540 GTCTTTGGCG AGGGTGTTGT TAATGATGCC ACATCAGTGG TTCTTTTCAA TGCAATTCAG 600 AGCTTTGACC TCACAAGAAT TGATCACAGA ATAGCTTTAC AATTTATGGG CAACTTCTTA 660 TATTTATTTA TCGCAAGCAC GATACTTGGA GCATTTACTG GCTTGCTCAG TGCTTACATT 720 ATCAAAAAGC TGTACTTTGG AAGGCATTCC ACTGATCGTG AGGTTGCTTT AATGATGCTT 780 ATGGCTTATC TATCTTACAT GCTTGCTGAA CTTTTCTATT TGAGTGGAAT TCTTACTGTA 840 TTCTTCTGTG GGATTGTCAT GTCCCATTAT ACCTGGCACA ATGTGACAGA GAGCTCAAGA 900 GTAACCACCA AGCATGCTTT TGCAACACTA TCTTTTGTTG CTGAGGTTTT CCTATTTCTA 960 TATGTCGGTA TGGATGCATT GGACATTGAG AAGTGGAGAT TTGTTAGTGA TAGTCCTGGC 1020 ATTTCTGTTG CTGTGAGTTC CATATTGCTA GGTCTAGTCA TGGTTGGAAG AGCAGCTTTT 1080 GTTTTCCCCT TATCCTGGTT GATGAACTTT GCCAAGAAAT CGCAAAGTGA AAAGGTCACT 1140 TTCAACCAGC AGATTGTCAT ATGGTGGGCT GGTCTTATGA GAGGTGCTGT TTCCATGGCA 1200 CTTGCTTATA ATCAGTTTAC GAGGTCTGGG CACACACAGC TTAGGGGAAA TGCAATCATG 1260 ATCACAAGCA CTATATCTGT TGTCCTTTTT AGTACAATGG TGTTCGGGTT GCTGACAAAG 1320 CCTCTCATCA TGTTTTTGCT GCCTCAACCG AAACACTTCA CTAGTTGCAG CACCGTATCA 1380 GATGTGGGAA GTCCAAAGTC ATACTCGTTG CCACTCCTTG AGGGCAACCA AGATTATGAA 1440 GTTGATGTGG GAAACGGAAA CCATGAAGAC ACCACTGAGC CGCGGACTAT AGTTCGACCT 1500 AGTAGCCTCC GCATGCTTCT AAATGCACCT ACTCACACCG TCCATCACTA TTGGCGCAAA 1560 TTCGATGACT CCTTCATGCG GCCCGTTTTT 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AGT CCT GGC ATT TCT GTT GCT GTG AGT TCC ATA TTG CTA GGT CTA 1056 Asp Ser Pro Gly Ile Ser Val Ala Val Ser Ser Ile Leu Leu Gly Leu GTC ATG GTT GGA AGA GCA GCT TTT GTT TTC CCC TTA TCC TGG TTG ATG 1104 Val Met Val Gly Arg Ala Ala Phe Val Phe Pro Leu Ser Trp Leu Met AAC TTT GCC AAG AAA TCG CAA AGT GAA AAG GTC ACT TTC AAC CAG CAG 1152 Asn Phe Ala Lys Lys Ser Gln Ser Glu Lys Val Thr Phe Asn Gln Gln ATT GTC ATA TGG TGG GCT GGT CTT ATG AGA GGT GCT GTT TCC ATG GCA 1200 Ile Val Ile Trp Trp Ala Gly Leu Met Arg Gly Ala Val Ser Met Ala CTT GCT TAT AAT CAG TTT ACG AGG TCT GGG CAC ACA CAG CTT AGG GGA 1248 Leu Ala Tyr Asn Gln Phe Thr Arg Ser Gly His Thr Gln Leu Arg Gly AAT GCA ATC ATG ATC ACA AGC ACT ATA TCT GTT GTC CTT TTT AGT ACA 1296 Asn Ala Ile Met Ile Thr Ser Thr Ile Ser Val Val Leu Phe Ser Thr ATG GTG TTC GGG TTG CTG ACA AAG CCT CTC ATC ATG TTT TTG CTG CCT 1344 Met Val Phe Gly Leu Leu Thr Lys Pro Leu Ile Met Phe Leu Leu Pro CAA CCG AAA CAC TTC ACT AGT TGC AGC ACC GTA TCA GAT GTG GGA AGT 1392 Gln Pro Lys His Phe Thr Ser Cys Ser Thr Val Ser Asp Val Gly Ser CCA AAG TCA TAC TCG TTG CCA CTC CTT GAG GGC AAC CAA GAT TAT GAA 1440 Pro Lys Ser Tyr Ser Leu Pro Leu Leu Glu Gly Asn Gln Asp Tyr Glu GTT GAT GTG GGA AAC GGA AAC CAT GAA GAC ACC ACT GAG CCG CGG ACT 1488 Val Asp Val Gly Asn Gly Asn His Glu Asp Thr Thr Glu Pro Arg Thr ATA GTT CGA CCT AGT AGC CTC CGC ATG CTT CTA AAT GCA CCT ACT CAC 1536 Ile Val Arg Pro Ser Ser Leu Arg Met Leu Leu Asn Ala Pro Thr His ACC GTC CAT CAC TAT TGG CGC AAA TTC GAT GAC TCC TTC ATG CGG CCC 1584 Thr Val His His Tyr Trp Arg Lys Phe Asp Asp Ser Phe Met Arg Pro GTT TTT GGT GGC CGG GGT TTT GTA CCT TTT GTC CCG GGT TCA CCT ACT 1632 Val Phe Gly Gly Arg Gly Phe Val Pro Phe Val Pro Gly Ser Pro Thr GAA CAA AGC ACC AAC AAT TTG GTA GAC AGA ACA TAG 1668 Glu Gln Ser Thr Asn Asn Leu Val Asp Arg Thr <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>3 <211>17 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>N=i <400>3 WYYTNYTSCC NCCNATY 17 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>4 <211>20 <212>DNA <213>Artificial Sequence <220> <223>N=i <400>4 TTNARNARNG MYTCNCCRAA 20 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>5 <211>37 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>5 GGCCACGCGT CGACTAGTAC TTTTTTTTTT TTTTTTT 37 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>6 <211>20 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>6 GGCCACGCGT CGACTAGTAC 20 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>7 <211>25 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>7 CGATGCAGGC TTTCAGGTGA AGAAG 25 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>8 <211>25 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>8 CGAGAAGAAG CAGTTCTTCC GCAAC 25 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>9 <211>18 <212>DNA <213>Atliplex gmel ini <400>9 CGCGTCGACT AGTACGGG 18 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>10 <211>22 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>10 GTTGCGGAAG AACTGCTTCT TC 22 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>11 <211>22 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>11 CTTCTTCACC TGAAAGCCTG CA 22 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>12 <211>27 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>12 TGATAGCAGA TGCTCCGTGA ATATCAT 27 <110>株式会社植物工学研究所 <120>Na+ /H+ アンチポーター蛋白質及びそれをコードする遺伝子 <130>J04189 <160>13 <210>13 <211>32 <212>DNA <213>Atliplex gmelini <400>13 GGAGTACTCT CTAGCTACAG CCAGATTAAA GA 32
【図面の簡単な説明】
【図1】公知の配列同士のホモロジーが高い部分につい
ての比較とプライマーの設定範囲について示した図であ
る。
【図2】プライマーに挟まれた部分の本願遺伝子と公知
の配列とについてのホモロジー比較を示した図である。
【図3】本願遺伝子のコピー数を確認するために各制限
酵素で切断した断片についてサザン解析を行った結果を
表す図である。
【図4】本願遺伝子を含むmRNAの大きさについてノ
ザン解析を行った結果を示す図である。
【図5】本願タンパク質中のアミノ酸の親水性・疎水性
値を表す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列、または、この配列に1もしくは複数のアミノ酸残基
    が挿入、欠失もしくは置換されたアミノ酸配列を有し、
    かつ、Na+ /H+ アンチポーター活性を有するタンパク
    質。
  2. 【請求項2】 植物由来であることを特徴とする請求項
    1記載のタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列で表されるタンパク質をコードするDNA。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1に記載の塩基配列、
    または、この配列からなるDNAとストリンジェントな
    条件でハイブリダイズし、かつ、Na+ /H+ アンチポータ
    ー活性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載
    のタンパク質をコードするDNA。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の遺伝子を導入し
    た植物およびその作出方法。
  6. 【請求項6】 植物が耐塩性を示すことを特徴とする請
    求項5に記載の植物およびその作出方法。
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