JP2003116546A - 耐塩性付与タンパク質及びそれをコードする核酸並びに耐塩性形質転換植物 - Google Patents

耐塩性付与タンパク質及びそれをコードする核酸並びに耐塩性形質転換植物

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JP2003116546A
JP2003116546A JP2001321252A JP2001321252A JP2003116546A JP 2003116546 A JP2003116546 A JP 2003116546A JP 2001321252 A JP2001321252 A JP 2001321252A JP 2001321252 A JP2001321252 A JP 2001321252A JP 2003116546 A JP2003116546 A JP 2003116546A
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Akiyoshi Hamada
秋義 浜田
Hiroyuki Kakegawa
浩之 掛川
Koichiro Maeda
幸一郎 前田
Mamiko Soga
麻美子 曽我
Hideo Akiyama
英雄 秋山
Kenichiro Furuki
健一郎 古木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 植物の耐塩性を増大させることができる新規
なタンパク質及び該タンパク質をコードする核酸並びに
該核酸を導入され、耐塩性が増大された植物を提供する
こと。 【解決手段】 マングローブの1種であるメヒルギ中に
存在する新規な耐塩性増大遺伝子を見出し、その塩基配
列及びそれがコードするアミノ配列を決定し、さらに該
遺伝子を他の植物に導入してその耐塩性が増大すること
を確認した。本発明のタンパク質は、特定なアミノ酸配
列を有するタンパク質又は該アミノ酸配列のうちの1若
しくは複数のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しく
は該アミノ酸配列に1若しくは複数のアミノ酸配列が付
加若しくは挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質
であって植物の耐塩性を増大することができるものであ
る。このタンパク質をコードする核酸及びこの核酸が導
入され、耐塩性が増大された植物も提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の耐塩性を増
大するタンパク質及びそれをコードする核酸並びに該核
酸を導入され、耐塩性が増大された形質転換植物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】乾燥気候下における可溶性塩類の集積
は、植物の生育を阻害するため農作物の栽培に大きな障
害になっている。塩害により植物が受ける障害は、主と
してナトリウムイオンNa+であり、過剰のNa+は植物細胞
に対し「浸透圧ストレス」として作用するだけでなく、
細胞内にNa+が浸透することで酵素活性阻害などの代謝
異常をもたらす「イオンストレス」としても作用する。
また、根から栄養分を取り込む際にイオン間で結合が生
じ、植物に必要な元素の取り込み阻害を引き起こしたり
する。これら塩ストレスに対して、塩性植物は体内の浸
透圧を高めて吸水力を確保するとともに、ナトリウム塩
の細胞外への排除や液胞への隔離を行うことで、塩に対
する耐性を高めていることが知られている。
【0003】例えば、細胞質内のNa+濃度を低く保つた
めには、Na+/H+アンチポーターは、バクテリアから高等
植物に至るまで様々な生物で存在が知られ、多くの研究
がなされている(Handbook of Biological Physics Vol.
II (Elsevier Science, TheNetherlands), 501 (199
6))。高等植物では、オオムギの根の形質膜画分にNa+/H
+アンチポート機能があることが示唆されて以来、様々
な植物種で報告されている(Plant Cell Environ, 2, 28
1(1979); Plant Physiol, 78, 163(1985), PlantPhysio
l, 78, 163(1985), Plant Physiol, 94, 196(1998)な
ど)。
【0004】一方、主要な農作物に耐塩性を付与し、農
作物の生産性を高めることは、近い将来の食料不足を解
決するための有効な手段であると考えられ、これまでに
浸透圧調整物質である、グリシン−ベタインやプロリン
を産生する遺伝子を植物に導入し、過剰発現させること
により、耐塩性能が向上した植物の作出が報告されてい
る(Plant J. 12, 133 (1997)など)。しかしながら、こ
の方法で作出された植物は、まだ塩性植物にみられるよ
うな強い耐塩性が付与されるには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、植物
の耐塩性を増大させることができる新規なタンパク質及
び該タンパク質をコードする核酸並びに該核酸を導入さ
れ、耐塩性が増大された植物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、マングローブの1種であるメヒルギ中に存在
する新規な耐塩性増大遺伝子を見出し、その塩基配列及
びそれがコードするアミノ配列を決定し、さらに該遺伝
子を他の植物に導入してその耐塩性が増大することを確
認し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、配列表の配列番号1
に示すアミノ酸配列を有するタンパク質又は該アミノ酸
配列のうちの1若しくは複数のアミノ酸が置換し若しく
は欠失し、若しくは該アミノ酸配列に1若しくは複数の
アミノ酸配列が付加若しくは挿入されたアミノ酸配列を
有するタンパク質であって植物の耐塩性を増大すること
ができるタンパク質を提供する。また、本発明は、上記
本発明のタンパク質をコードする核酸を提供する。さら
に、本発明は、上記本発明の核酸から成る、植物の耐塩
性増大用核酸を提供する。さらに、本発明は、上記本発
明の核酸が導入され、耐塩性が増大された植物を提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】下記実施例で詳述するように、本
願発明者らは、先ず、淡水又は海水中で栽培したマング
ローブの1種であるメヒルギ(Kandelia candel)のcD
NAライブラリーを作製した。得られた各cDNAを挿
入物として含む組換えベクターで大腸菌を形質転換し、
5% NaCl含有培地中で生育する大腸菌クローンを選択
し、各cDNAの塩基配列を決定した。次いで、選択さ
れたクローン中のcDNA挿入物を含むアグロバクテリ
ウムのバイナリーベクターを作製し、該バイナリーベク
ターを含むアグロバクテリウムでタバコ培養細胞BY-2を
形質転換し、0.75% NaCl含有培地でよく増殖するクロー
ンを選択した。さらに、選択されたクローンの形質転換
に用いたバイナリーベクターを含むアグロバクテリウム
でアラビドプシス(Arabidopsis thaliana)を形質転換
し、耐塩性が増大された植物を作出することに成功し
た。さらに、耐塩性が増大された植物の染色体DNA中
に、形質転換に用いたメヒルギ由来cDNAが組み込ま
れていることを確認した。
【0009】この方法により、植物の耐塩性を増大する
ことができる、新規な遺伝子が同定され、それがコード
するタンパク質のアミノ酸配列も明らかにされた。下記
実施例で明らかにされた、本発明の実施例であるタンパ
ク質のアミノ酸配列を、配列表の配列番号1に示す。
【0010】一般に、生理活性を有するタンパク質にお
いて、そのアミノ酸配列のうち、1若しくは複数のアミ
ノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミノ配列に
1若しくは複数のアミノ酸が挿入され若しくは付加され
た場合であっても、該生理活性が維持されることがある
ことは周知である。従って、配列番号1に示されるアミ
ノ配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換し若し
くは欠失し、若しくは該アミノ配列に1若しくは複数の
アミノ酸が挿入され若しくは付加されたアミノ配列を有
し、植物の耐塩性を増大させる活性を有するタンパク質
(以下、便宜的に「修飾タンパク質」)も本発明の範囲
に含まれる。このような修飾タンパク質のアミノ酸配列
は、配列番号1に示されるアミノ酸配列と70%以上、
好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の
相同性を有することが好ましい。なお、アミノ酸配列の
相同性は、FASTAのような周知のコンピューターソフト
を用いて容易に算出することができ、このようなソフト
はインターネットによっても利用に供されている。さら
に、該修飾タンパク質としては、配列番号1に示される
アミノ酸配列又は該配列において1若しくは数個のアミ
ノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは該アミノ配列に
1若しくは数個のアミノ酸が挿入され若しくは付加され
たアミノ配列を有するものが特に好ましい。なお、植物
の耐塩性を増大させるとは、該核酸が導入されていない
植物(対照植物)が生育阻害を起こすNaCl濃度の環境下
において、該核酸が導入された同種植物を栽培した場合
に、生育阻害が起きない又は、生育阻害の程度が対照植
物よりも小さいことを意味する。生育阻害の程度は、例
えば、コントロールと比較した時の植物丈や葉の大きさ
に基づいて測定することができる。
【0011】本発明は、配列番号1で示されるアミノ酸
配列をコードする核酸及び上記修飾タンパク質のアミノ
酸配列をコードする核酸も提供する。核酸としてはDN
Aが好ましい。なお、周知の通り、コドンには縮重があ
り、1つのアミノ酸をコードする塩基配列が複数存在す
るアミノ酸もあるが、上記アミノ酸配列をコードする塩
基配列であれば、いずれの塩基配列を有するものも本願
発明の範囲に含まれる。なお、下記実施例において実際
にクローニングされたcDNAの塩基配列が配列番号2
に示されている。なお、配列番号2記載の塩基配列の19
6nt〜2232ntまでがコード領域であり、この領域にコー
ドされるアミノ酸配列は配列番号1記載のアミノ酸配列
である。また、本発明の核酸は、配列番号2で示される
塩基配列の196nt〜2232ntまでを有する核酸と、ストリ
ンジェントな条件(すなわち、5 xDenhardt's reagent,
6 x SSC,0.5% SDS又は0.1% SDSといった一般的なハイブ
リダイゼーション溶液を用いて50〜65℃で反応を行
なう)において、ハイブリダイズするものであることが
好ましい。
【0012】本発明の核酸は、本発明によりその塩基配
列が明らかにされたので、メヒルギ細胞のmRNAを出
発材料とするRT−PCRにより容易に調製することが
できる。RT−PCRの手法自体は、周知であり、その
ためのキットも市販されているので、市販のキットを用
いて容易に行うことができる。
【0013】本発明の核酸を植物に導入することによ
り、該植物の耐塩性を増大させることができる。ここ
で、植物としては、何ら限定されず、双子葉植物でも単
子葉植物でもよい。下記実施例で明らかになるように、
本発明の核酸は、メヒルギ由来であるが、離弁花亜綱の
ナス科に属するタバコや合弁花亜綱のアブラナ科に属す
るアラビドプシスにおいても耐塩性増大効果を発揮して
いる。すなわち、亜綱のレベルで異なる、分類学的に大
きく異なる植物に対して耐塩性増大効果を発揮してい
る。さらには、植物のみならず、大腸菌に対しても耐塩
性増大効果を発揮している。従って、本発明の核酸の耐
塩性増大効果は、普遍的なものであり、対象となる植物
は限定されない。
【0014】植物に所望の外来遺伝子を導入する方法自
体は、既に確立されており、周知の方法のいずれをも採
用することができる。アグロバクテリウム法による1例
が下記実施例に詳記されている。もっとも、植物の形質
転換方法はアグロバクテリウム法に限定されるものでは
なく、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、
パーティクルガン法等の他の方法を用いてもよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0016】I. 耐塩性cDNAの取得 1.材料および方法 1.1 淡水と海水によるメヒルギの栽培 メヒルギ2株について、それぞれに淡水と海水を与える
ことによって、両者を比較し、耐塩・好塩遺伝子の発現
を観察した。給水は用土の表面が乾いた段階で行った。
淡水栽培には水道水のみを、海水栽培には海産生物飼育
用海水(レンゴー)を蒸留水で規定の濃度にしたものと
水道水を交互に用いた。
【0017】1.2 全RNAの単離とpoly(A)+mRNAの
精製 木本植物に適した公知のRNA単離法(「植物のPCR実験プ
ロトコール」、秀潤社(1997))にしたがって、淡水およ
び海水栽培のメヒルギの芽生えおよび若葉各2gから全RN
Aを単離し、1%アガロースゲル電気泳動により確認し
た。得られた全の吸光度を測定しRNA濃度を算出した。
全RNA 0.5mgから、Oligotex-dT30<super>(宝酒造)を
用いて、poly(A)+mRNAを精製した。得られたpoly(A)+mR
NAの吸光度を測定しRNA濃度を算出した。
【0018】1.3 メヒルギcDNAライブラリーからの
耐塩・好塩遺伝子スクリーニング 1.3.1 メヒルギcDNA発現ライブラリーの作製 SUPERSCRIPT(登録商標)Plasmid System for cDNA Syn
thesis and Plasmid Cloning Kit(invitrogen社製)を
用い、図1に示す方法で、淡水および海水栽培のメヒル
ギcDNAライブラリーを作製した。まず、2.2で得られた
淡水および海水栽培のpoly(A)+mRNA各4.5μgに図2に
示すNotI プライマー-アダプターをアニーリングして逆
転写反応を行い、1本鎖の cDNAを合成した。RNaseH処理
によってテンプレートのRNAを分解し、1本鎖 cDNAを次
のテンプレートとして2本鎖cDNAを合成した。得られた2
本鎖cDNAの末端に図2に示すSalIアダプターをライゲー
ション反応によって付加した後、制限酵素NotIで切断
し、SalI-NotI末端の2本鎖cDNAとした。これらをサイズ
分画した後、大腸菌形質転換用プラスミドpSPOTRT1(in
vitrogen社製)の NotI-SalI-Cutにライゲーションし、
大腸菌コンピテントセル DH5αの形質転換を行って淡水
および海水栽培のメヒルギcDNA発現ライブラリーを各1m
lずつ作製した。
【0019】1.3.2 メヒルギcDNAのライブラリー
のスクリーニング プラスミドpSPORT1はlacプロモーター(lacP)をIPTG
(イソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシド)で誘導する
ことによりクローニングされた遺伝子の発現が可能であ
る。そのため、メヒルギcDNAライブラリーをIPTGとNaCl
を含む培地で培養して、クローニングされた耐塩・好塩
遺伝子を誘導し、スクリーニングを行った。
【0020】すなわち、1.2で作製した各ライブラリー
を1%、3%、5%、7%NaClを含むLB-Amp-IPTG(1% トリプト
ン, 0.5% 酵母抽出物, X% NaCl, 100μg/l アンピシリ
ン,1mM IPTG)培地で培養した後、NaOH-SDS法2)により
プラスミド DNAを調製して新たなコンピテントセルDH5
αへ導入することにより、再形質転換株を作製した。再
形質転換株各50μlを1%、3%、5%、7%NaClを含むLB-Amp
-IPTG(1% トリプトン,0.5% 酵母抽出物, X% NaCl, 100
μg/l アンピシリン,1mM IPTG)プレート上で培養し、
耐塩性を指標にスクリーニングした。
【0021】1.3.3 耐塩・好塩クローンのシーク
エンス NaClを含むLB-Amp-IPTGプレートに出現したクローンを
培養し、培養液からプラスミドDNAをプラスミド調製装
置PI-100(KURABO)を用いて調製し、インサートの確認
を行った。600bp以上のインサートを持つクローンにつ
いてシークエンスを解析した。シークエンス反応には D
NA Sequencing Kit (Applied Biosystems社製) を用
い、シークエンサーPRISM 377(Applied Biosystems社
製)およびソフトウェアSequncing Analysis(Applied
Biosystems社製)により解析を行った。得られた複数の
cDNAインサートのうちの1つが、後で植物に対する
耐塩性増大効果が確認された、本発明の核酸を含むcD
NA配列(配列番号2、以下、「W1」)であった。さら
に解析したシークエンスをもとにBLAST法によりDNAデー
タベースGenBankを検索し、シークエンス情報を得た。
【0022】1.4 耐塩・好塩遺伝子の発現確認 メヒルギカルス0.5gを液体窒素中で粉砕し、CTAB法によ
り調製したRNA 200ngを鋳型に8種類の遺伝子W1、W6、W
9、W14、W19、S3、S5、S20の塩基配列情報から作製した
プライマーセットでSuperScript One-Sep RT-PCR Kit
(invitrogen社製)を用いてRT(逆転写(reverse trans
cription))-PCRを行った。本発明の核酸を含むW1の増
幅に用いたセンスプライマーの配列は、5'-ttgaggcatat
ggccgatcaggtga-3'であり、アンチセンスプライマーの
配列は、5'-aattcagcggcccccaattgatcc-3'であった。ま
た、ポジティブコントロールとして、耐塩性遺伝子のプ
ラスミドDNA 5ngを鋳型として、PCRを行った。PCR産物2
μLを2%アガロースゲルで電気泳動し、観察した。
【0023】2. 結果 2.1 淡水と海水によるメヒルギの栽培 メヒルギ2株をそれぞれ淡水と弱塩濃度の海水で栽培す
ることによって、両者の形質に変化が現れた。海水栽培
の生育が形状、色ともに正常であるのに対し、淡水栽培
の芽生えや若葉は緑色が薄く、縮緬状となり、葉の厚さ
も薄くなった。
【0024】2.2 全RNAの単離とpoly(A)+mRNAの精
製 淡水および海水栽培のメヒルギより、抽出した全の1%ア
ガロースゲル電気泳動により分析した結果、rRNAととも
にスメアなバンドとして広範囲にmRNAが観察された。吸
光度測定による全RNAおよびpoly(A)+mRNAのRNA濃度を表
1に示す。
【0025】
【表1】表1 メヒルギ芽生えおよび若葉2gより得られ
たRNA量(μg)
【0026】2.3 メヒルギcDNAライブラリーからの
耐塩・好塩遺伝子スクリーニング SUPERSCRIPT(登録商標)Plasmid System for cDNA Syn
thesis and Plasmid Cloning Kit(invitrogen社製)で
作製したcDNAライブラリーを5% NaClを含むLB-Amp-IPTG
液体培地で培養した後、プラスミド DNAを調製し、新た
なコンピテントセルDH5αへ導入して再形質転換株を作
製した。再形質転換株を1%、3%、5%、7%NaCl-LB-Amp-IP
TGプレート上で培養した結果、1〜5%までのLB-Amp-IPTG
NaClプレートにおいて多くのコロニーが出現した。7%
で生育されるコロニーは1クローンもなかった(表
2)。そこで、5% NaCl LB-Amp-IPTGプレートで出現し
たコロニーについて、淡水、海水栽培について無作為に
各20クローンを選択し、プラスミドDNAを調製した。さ
らに600bp以上のインサートを持つクローンを選択し、
塩基配列を決定した。これらのうちの1つに、上記W1
(配列番号2)が含まれていた。
【0027】
【表2】表2 NaClを含むLB-Amp-IPTGプレートにおけ
る1度目の形質転換株の出現コロニー数
【0028】II. タバコ培養細胞BY-2を用いた耐塩
性評価 3.材料および方法 3.1.1 タバコ培養細胞BY-2の塩条件下における予
備検討 タバコ培養細胞BY-2をNaCl濃度を変えた条件下で培養
し、生育状況を観察した。培地にはムラシゲ・スクーグ
(MS)培地用混合塩類(日本製薬)を用い、NaCl濃度を
0、0.1、0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5%と
してMSプレートを作製した。10mL MS液体培地に1mLのBY
-2細胞を懸濁して、MSプレート上に1滴、滴下し、26℃
で2週間培養した。
【0029】3.1.2 バイナリーベクターの構築 新規遺伝子(機能未知遺伝子)W1、W6、S5、既知遺伝子
W9、および耐塩性が既に報告されている遺伝子W19につ
いて、植物形質転換のためのバイナリーベクターを作製
した。バイナリーベクターとしてpMAT137-Hm(Proc. Na
tl. Acad. Sci.USA (1991) vol. 88, 834-838)のマル
チクローニング部位を再構築して使用した。具体的に
は、pMAT137-Hmを制限酵素BglII/NotIで切断・脱リン酸
化した後、図3に示すDNA断片を挿入することにより制
限酵素SmaI、XhoIを構築した。
【0030】pSPORT1(invitrogen)に挿入されている
各遺伝子を制限酵素SalIで切断・平滑末端処理した後、
制限酵素NotIで切り出した後、pMAT137-HmのBglII(平
滑末端処理)/NotI部位に挿入し、大腸菌コンピテント
セルJM109を形質転換し、カナマイシンを含むLBプレー
トに塗布し37℃で1晩培養した。LBプレート上に出現し
た形質転換コロニーを液体培地で37℃、1晩培養してプ
ラスミドDNAを精製し、塩基配列を確認した。
【0031】3.1.3 アグロバクテリウムへのバイ
ナリベクターの導入 アグロバクテリウムEHA101を0.125g/mLゲンタマイシン
G-418(ナカライテスク)を含むLB培地5mLに植菌し、30
℃、24時間の予備培養を行った後、500mLの同LB培地に
加えOD600値が0.5になるまで培養した。遠心により集菌
し、上清を除いた後、冷やした500mLの1mM HEPES(pH7.
0)を加えて懸濁させた。遠心により上清を除去し、HEP
ESによる洗浄を行った後、2mLの10%グリセロールを加
え、アグロバクテリウムのコンピテントセルを作製し
た。
【0032】3.1.2で作製したpMAT137-Hm(W1、W
6、W9、W19、S5)およびネガティブコントロールとして
インサートを持たない(V)をバイナリーベクターとし
て用いた。バイナリーベクター各1μgを上記のアグロバ
クテリウムのコンピテントセル50μLに以下の条件のエ
レクトロポレーション法で導入し、ハイグロマイシンを
含むLBプレートに塗布して、30℃で二晩培養した。
【0033】エレクトロポレーション条件:GenePulser
(BIO-RAD) キュベット電極間 0.2cm 抵抗 200Ω 電気容量 25μF 時定数 4〜5 msec パルス 1回
【0034】3.1.4 アグロバクテリウム感染によ
るBY-2形質転換体の作製 バイナリーベクターで形質転換したアグロバクテリウム
W1、W6、W9、S5、W19、Vをハイグロマイシンを含むAB液
体培地2mL中で30℃、2晩培養した。これらを新しい培地
に植継ぎ(10μL / 4 mL)、さらに1晩培養した。MS培
地で3日間、前培養したBY-2細胞4mLに先に培養したアグ
ロバクテリウムを100μL加え、さらに26℃で2晩培養し
て接触感染させた。次いでMS培地で5回洗浄し、感染し
ていないアグロバクテリウムを除去した後、MS培地13mL
に再懸濁した。懸濁液1mLをNaCl濃度の異なるMSプレー
ト(0、0.5、0.75、1.0%)各3枚に塗布し、26℃で2週間
培養した。なお、MSプレートには薬剤選抜のためのカナ
マイシン、セフォタキシムを加えた。
【0035】3.1.5 BY-2形質転換体の継代 5種類の遺伝子W1、W6、W9、W19、S5を導入したBY-2形
質転換体およびネガティブコントロールであるベクター
(V)のみを導入したBY-2形質転換体の継代培養を行っ
た。各遺伝子について21クローンを選抜し、MS寒天培地
に1mm角のカルスを植え、26℃で3週間の培養を行った。
さらに、新しいMS寒天培地に同様にカルスを植継ぎ、3
週間の培養を行った。
【0036】3.1.6 BY-2形質転換体の耐塩性評価 NaCl濃度が0.75%となるようにMS寒天培地を作製し、2回
継代後のカルス1mm角を植えた。26℃で2週間培養した
後、新しいMS寒天培地(NaCl濃度0.75%)にカルスを植
継ぎ、3週間の培養を行った。この操作を3回繰り返した
後、各遺伝子について5クローン(ネガティブコントロ
ールであるベクター(V)については3クローン)を選抜し
た。
【0037】3.1.7 BY-2形質転換体のRT-PCR解析 乳鉢にBY-2カルス0.5〜1gを入れ、液体窒素を加えてす
りつぶし、チューブに移した。抽出バッファー(100mM
Tris-HCl pH8.0, 10mM EDTA pH8.0, 100mM LiCl, 1% SD
S)2mLと水飽和フェノール2mLおよびクロロホルム/イソ
アミルアルコール(24:1)2mLを加えて撹拌した後、遠心
分離した。上層(水層)を新しいチューブに移して、フ
ェノール/クロロフォルム/イソアミルアルコール(25:2
4:1)2mLを加えて撹拌した後、遠心分離した。水層を新
しいエッペンドルフチューブに移し、1/3容量の10M LiC
lを加えて混和した後、-20℃で1時間以上静置し、遠心
分離した。沈殿に2M LiCl solution(2M LiCl, 50mM ED
TA)1mLを加え懸濁し、遠心した。沈殿をTE(10mM Tris
-HCl pH8.0, 1mM EDTA pH8.0)400μLに熔解した後、フ
ェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:
1) 、次いでクロロホルムで抽出した。水層に3M 酢酸ナ
トリウム(pH5.2)40μL、エタノール1mLを加え撹拌し
た後、遠心分離した。沈殿を70%エタノールで洗浄し、
風乾後、DEPC処理水20μLに溶解し、RNA溶液とした。RN
A溶液の一部を取って希釈し、OD260nmを測定し、RNA濃
度を算出した。
【0038】各カルスから調製したRNAを鋳型にSuperSc
ript ONE-STEP RT-PCR System(invitrogen)を用い
て、以下に示す条件でRT-PCRを行った。プライマーには
目的遺伝子の配列に基づき、400bpのPCR産物が増幅され
るように作製したものを使用した。本発明の核酸を含む
W1の増幅に用いたセンスプライマー及びアンチセンスプ
ライマーは、上記と同じであった。また、ポジティブコ
ントロールとして目的遺伝子を導入する際に使用したプ
ラスミドクローン5ngを鋳型RNAに替えて使用した。RT-P
CR後、反応液2μLを1% アガロースゲルで電気泳動し
た。
【0039】 RNA 0.5μg 2×Reaction Mix 12.5μL センスプライマー 50 pmol アンチセンスプライマー 50 pmol RT/Taq Mix 0.5μL dH2O 25μLへの残部
【0040】また、PCRは、50℃ 30分間、次いで94
℃ 2分間保持した後、94℃ 15秒間/60℃ 30秒間/72℃
3分間のサイクルを35サイクル行い、最後に72℃で
10分間保持することにより行った。
【0041】4. 結果 4.1 タバコ培養細胞BY-2の塩ストレス評価 タバコBY-2のNaClに対する耐性を確認するため、0、0.
1、0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5% NaCl濃
度のMSプレート上で培養して、生育状況を観察した。そ
の結果、NaCl濃度が0%と0.1%では差は認められず、0.
25%になると、わずかな生育阻害が認められ、固形培地
上の細胞の色が0%などと比べ白っぽくなることがわか
った。0.5%では、0.25%の症状が強調されたように見
受けられ、細胞の色はほとんど白色に近くなって扁平な
形状を示した。これらの濃度では、弱い生育阻害は認め
られるものの、BY-2の増殖を極端に阻害していなかっ
た。1.0%では、極わずかな増殖しか認められなかっ
た。1.5%以上では、増殖は全く認められず、固形培地
上の細胞が死滅しているように観察された。
【0042】以上の結果から、耐塩性遺伝子によるBY-2
形質転換体を0%、0.5%、0.75%、1%のNaClを含むMS
培地上で生育を比較することとした。
【0043】4.2 タバコ培養細胞BY-2の形質転換お
よび機能評価 pSPORT1クローンから各耐塩性遺伝子W1、W6、S5、W9、W
19を制限酵素で切り出し、pMAT137-Hmにクローニング・
塩基配列を確認した後、アグロバクテリウムEHA101を形
質転換した。各形質転換体からプラスミドDNAを精製し
てPCRを行った結果、いずれも目的サイズのDNA断片が増
幅されたことから、作製したアグロバクテリウム形質転
換体において目的遺伝子が導入されていることが確認で
きた。
【0044】次いで5種類の耐塩性遺伝子が導入された
アグロバクテリウムを介して、タバコ培養細胞BY-2の形
質転換を行ったところ、5種類の遺伝子についてBY-2形
質転換体をすべて得ることができた。
【0045】さらにBY-2形質転換体各21クローンを選択
し、MSプレートで2回継代を繰り返した後、0.75% NaCl
を含むMSプレートで3回継代を繰り返すことで耐塩遺伝
子の評価を行った。5種類の遺伝子について0.75% NaCl
を含むMSプレート上で大きなコロニーを形成するクロー
ン5個ずつ選別し、RT-PCRにより遺伝子の発現状況を解
析した。比較的大きなコロニーを形成するクローンでは
目的遺伝子が発現していたが、生き残っているものの小
さなコロニーしか形成しないクローンでは目的遺伝子が
発現していないことが判明した。またネガティブコント
ロールであるベクター(V)で形質転換したクローンは0.7
5% NaClを含むMSプレート上で直径8mm以上に成長しなか
ったことから(表3)、5種類の遺伝子は耐塩性に関与
する遺伝子である可能性が考えられる。
【0046】
【表3】表3 BY-2形質転換体5回継代時の生育状況
【0047】III. アラビドプシスを用いた耐塩性評価 5.2.1 アラビドプシスの栽培 アラビドプシスWT-02(Colombia株)の種子約100粒をエ
ッペンチューブに入れ、1mLの70%エタノールを加え、Vo
rtexで撹拌し、2〜3秒間の遠心後、上清を除いた。沈殿
した種子に滅菌溶液(5% NaOCl, 0.05% Tween 20)を加
え、Vortexで撹拌し、2〜3秒間の遠心後、上清を除い
た。さらに1mLの滅菌蒸留水を加え、Vortexで撹拌し、
遠心後、上清を除いて種子を洗浄した。この洗浄を5回
繰り返した後、チューブに1mLの滅菌蒸留水を加えて4℃
で2〜5日間放置し、種子の休眠打破を行った。
【0048】休眠打破した種子を1mLピペットのチップ
で吸い上げ、直径9cmのMSプレート(以下に組成を示
す)に1粒ずつ滴下し播種した。グロースキャビネット
を22℃、2000〜3000lux(蛍光灯4本)で、長日条件(明
16時間、暗8時間)に設定し、播種したプレートを入れ
て栽培した。
【0049】MSプレート(1L中) MS培地用混合塩類(日本製薬) 4.6g ショ糖 20g MES 0.5g ゲルライト 3g KOH pH5.7になるまで
【0050】バーミキュライト25に対し、マグァンプK
(ハイポネックス)1の割合で混合して栽培用土を作製
した。直径9cmプラスチック鉢に用土を9分目程度入れ、
その上にロックファイバーミニポットM30S30(日東紡
績)4片を載せ、0.05% ハイポネックスを含む蒸留水を
充分に吸水させた。発芽後、約2週間経過したアラビド
プシスをロックファイバー1片につき1株移植した。移植
した鉢をハイポネックスを含む蒸留水を入れたバットに
並べ、グロースキャビネットに戻した。バットの水が乾
いたら給水し、約3週間栽培を行った。茎の高さが数cm
になったところで、摘心(花芽の切除)を行い、側枝を
誘導した。摘心後、茎の高さが12cm程度になるまでさら
に約11日栽培した。
【0051】5.2.2 植物感染用アグロバクテリウ
ムの作製 アグロバクテリウムC58C1を0.125g/mLゲンタマイシン G
-418(ナカライテスク)を含むLB培地5mLに植菌し、30
℃で24時間の予備培養を行った後、500mLの同LB培地に
加えOD600値が0.5になるまで培養した。遠心により集菌
し、上清を除いた後、冷やした500mLの1mM HEPES(pH7.
0)を加えて懸濁させた。遠心により上清を除去し、HEP
ESによる洗浄を行った後、2mLの10%グリセロールを加
え、アグロバクテリウムのコンピテントセルを作製し
た。
【0052】5.1.2で作製したpMAT137-Hm(W1、W
6、W9、W19、S5)およびネガティブコントロールとして
インサートを持たない(V)をバイナリーベクターとし
て用いた。バイナリーベクター各1μgを上記のアグロバ
クテリウムのコンピテントセル50μLに以下の条件のエ
レクトロポレーション法で導入し、ハイグロマイシンを
含むLBプレートに塗布して、30℃で二晩培養した。
【0053】エレクトロポレーション条件:GenePulser
(BIO-RAD) キュベット電極間 0.2cm 抵抗 200Ω 電気容量 25μF 時定数 4〜5msec パルス 1回
【0054】LBプレートに出現したコロニーを滅菌蒸留
水10μLに懸濁し、99℃で10分間の熱変性を行った後、
以下のPCR条件によって目的遺伝子を増幅し、2% アガロ
ースゲル電気泳動により確認した。本発明の核酸を含む
W1の増幅に用いたセンスプライマー及びアンチセンスプ
ライマーは、上記と同じであった。PCRは、98℃1秒
間/60℃ 10秒間/72℃ 10秒間のサイクルを35回行
った。
【0055】PCR反応液組成 コロニー変性液 10.0μL 10×Z-Taq Buffer(宝酒造) 2.0μL 2.5mM dNTP mix(宝酒造) 1.6μL センスプライマー 50 pmol アンチセンスプライマー 50 pmol TaKaRa Z- Taq(宝酒造) 0.2μL dH2O 25μL
【0056】溶浸(Infilteration) Buffer組成(1L中) MS培地用混合塩類(日本製薬) 2.3g Gamborg's B5 Medium(Gibco BRL) 23.2g ショ糖 50g MES 0.5g 5mg/mLベンジルアミノプリン 2μL NUC SILICONE L-77(日本ユニカー社製) 200μL
【0057】5.2.3 減圧湿潤法によるアラビドプ
シスの形質転換 5.2.1で栽培したアラビドプシスから既に開花・結
実している花を取り除き、開花前のつぼみだけを残し
た。ロックファイバーミニポットごとプラスチック鉢よ
り抜き取ったアラビドプシスを逆さにして吊し、先に調
製したInfilteration Bufferに懸濁したアグロバクテリ
ウム(300mLビーカーに300mL)につぼみが全てアグロバ
クテリウムの懸濁液に浸るようにした。これをデシケー
ターに入れ、2016 VACUGENE(LKB BROMMA社製)を用い
て400mmHgで10分間減圧した。アラビドプシスを懸濁液
より取り出し、元のプラスチック鉢に戻した。OHPフィ
ルムで鉢の周りを囲み、上部をラップで覆った。これを
前述と同条件のグロースキャビネットに戻した。24時間
後、ラップの覆いをはずし、さらに約1ヶ月間の栽培を
行った。種子が出来始めたところで、根より上部部分を
切り取り封筒に入れ、約1週間乾燥させた後、種子を回
収した。
【0058】5.2.4 形質転換植物(T1)の選抜 5.2.3で回収した種子約3000粒を5.2.1と同様
に殺菌し、0.1% 寒天水溶液に懸濁した。これを、角型
プレート(栄研:角型2号)に作製した一次選択培地
(以下に組成を示す)に播種した。発芽後約2週間で、
選択培地に耐性を示し、本葉が展開している株を、直径
9cmの新しい選択培地(二次選択培地)に移植し、本葉
が5〜6枚展開するまで栽培した。さらに、耐性株をマグ
ァンプKを含むバーミキュライトを入れたプラスチック
鉢に移植し、種子ができるまで約1ヶ月間の栽培を行
い、種子(T2)を回収した。
【0059】選択培地組成(1L中) MS培地用混合塩類(日本製薬) 4.6g ショ糖 10g MES 0.53g Benomyl(アルドリッチ) 20 mg 寒天 8g セフォタキシム(和光純薬) 200mg ハイグロマイシン(和光純薬) 20mg
【0060】5.2.5 形質転換植物(T1)における
目的遺伝子の確認 アラビドプシスの形質転換植物(T1)の葉50〜100mgを
乳鉢に入れ、液体窒素で冷やしながら粉砕した。粉末に
なった葉組織をエッペンチューブに入れ、400μLの抽出
バッファー(0.3M NaCl, 0.05M Tris-HCl(pH7.5), 20
mM EDTA(pH8.0), 0.5% SDS, 5M Urea, 10mM 2-ME, 5%
TE飽和フェノール)と等量のTE飽和フェノール/クロ
ロフォルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を加
え、緩やかに撹拌した。15,000回転で5分間遠心して上
清を回収した後、400μLのフェノール/クロロフォルム
/イソアミルアルコール(25:24:1)を加え、緩やか
に撹拌した。15,000回転で5分間遠心して上清を回収し
た後、800μLのエタノールを加え、室温で1分間放置し
た。15,000回転で5分間遠心して上清を除去し、沈殿に5
00μLの70% エタノールを加えた後、15,000回転で3分間
遠心して洗浄した。沈殿を乾燥させた後、滅菌蒸留水10
μLで溶解し、1% アガロースゲル電気泳動によりゲノム
DNAを確認した。各形質転換体から調製したゲノムDNAを
鋳型に以下の条件でPCRを行い、目的遺伝子の導入につ
いて解析した。なお、W1の増幅に用いたセンスプライマ
ー及びアンチセンスプライマーは上記と同じであった。
また、PCRは、反応溶液を95℃、5分間保持した
後、94℃ 15秒間/60℃ 30秒間/72℃ 30秒間のサイク
ルを30回行い、さらに72℃で7分間保持することに
より行った。
【0061】PCRの反応液組成 ゲノムDNA(50〜100倍希釈液) 2.0μL 10×Ex Taq Buffer(宝酒造) 2.0μL 2.5mM dNTP mix(宝酒造) 1.6μL センスプライマー 50pmol アンチセンスプライマー 50pmol TaKaRa Ex Taq(宝酒造) 0.1μL dH2O 25μLへの残部
【0062】5.2.6 形質転換植物(T2)を用いた
耐塩性評価 回収したアラビドプシスの形質転換体の種子(T2)を
5.2.1と同様に殺菌し、0.1% 寒天水溶液に懸濁し
た後、一次選択MSプレートに播種した。発芽後約2週間
で、選択培地に耐性を示し、本葉が展開している株を、
NaCl濃度の異なる二次選択MSプレート(0、0.5、0.75、
1.0%)に移植し、本葉が5〜6枚展開するまで栽培するこ
とにより耐塩性を評価した。なお、MSプレートには薬剤
選抜のためのカナマイシンセフォタキシムを添加した。
【0063】6. 結果 作製した植物感染用アグロバクテリウムのコロニーを鋳
型にPCRを行い、目的遺伝子の存在を確認した後、アラ
ビドプシスの形質転換を減圧湿潤法により行った。回収
されたT1種子を一次選択培地、二次選択培地上で栽培し
た結果、5種類の目的遺伝子(W1,W6,W9,W19,S5)の
うち4種類(W1,W6,W9,W19)の遺伝子について形質転
換植物(T2)を得ることができた。さらに各形質転換植
物(T1)から調製したゲノムDNAを鋳型にPCRした結果、
3種類の(W1,W6,W9)遺伝子について、ゲノムDNA中に
組み込まれていることが確認できた。W19については、
今回分析した形質転換株では目的遺伝子を確認できなか
ったが、他の形質転換体について分析を行ったところ、
目的遺伝子が目的遺伝子が組み込まれていた。
【0064】そこで各形質転換植物(T2)について耐塩
性を解析するため、回収した形質転換植物(T2)の種子
を一次選択MSプレートに播種した。発芽後約2週間で、
選択培地に耐性を示し、本葉が展開している株をNaCl濃
度の異なる二次選択MSプレート(0、0.5、0.75、1.0%)
に移植し、本葉が5〜6枚展開するまで栽培した。その結
果、ネガティブコントロールであるベクター(V)で形質
転換したクローンは0.5% NaClを含むMSプレート上で生
育が阻害されたことに対し、特にW1-2やW19-2では生育
阻害の度合いが小さく、根の発育も良好であった。
【0065】以上の結果から、上記実施例においてクロ
ーニングされた、配列番号2に示す塩基配列を有するc
DNAを植物に導入することにより、該植物の耐塩性が
増大すること、及びアラビドプシスに該遺伝子を導入し
た植物では、該遺伝子が染色体DNAに組み込まれたこ
とが確認され、次代に遺伝することが確認された。
【0066】
【発明の効果】本発明により、植物の耐塩性を増大させ
ることができる新規なタンパク質及び該タンパク質をコ
ードする核酸並びに該核酸を導入され、耐塩性が増大さ
れた植物が提供された。本発明の核酸は、これを公知の
方法で植物に導入することにより、該植物の耐塩性を増
大させることができ、また、染色体DNAに組み込まれ
て遺伝することも可能である。また、広範囲の植物に導
入することができる。従って、本発明により、各種有用
植物を、従来栽培することができなかった高塩濃度環境
下で栽培することが可能になり、農業にとって有用であ
る。
【0067】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> EPDC ENVIRONMENTAL ENGINEERING SERVICE CO., LTD. <120> Protein increasing resistance to salt, nucleic acid encoding the same and salt-resistant transformed plants <130> 01736 <160> 4
【0068】 <210> 1 <211> 679 <212> PRT <213> <400> 1 Met Tyr Leu Lys Arg Leu Ala Asn Arg Gln Thr Val Ser Asn Leu Ser 1 5 10 15 Arg Phe Ser Gly Gly Leu Val Pro Pro Tyr Leu Tyr Ser Ile His Arg 20 25 30 Tyr Phe Ser Ile Ser Thr Ser Asn Ala Pro Ile Leu Pro Phe Ile Tyr 35 40 45 Pro Leu Val Gly Asn Gly Asn Ala Cys Leu Pro Asn Leu Lys Tyr Pro 50 55 60 Lys Pro Ile Phe Phe Phe Ser Arg Phe Ile His Ser Ala Gln Gln Thr 65 70 75 80 Gly Leu Asn Val Ser Asn Phe Asn Leu Ile His Gly Val Asp Asp Ser 85 90 95 Asp Glu Asp Gly Thr Met Asn Glu Phe Leu Ser Arg Phe Val Trp Arg 100 105 110 Met Arg Ala Lys Leu Ser Glu Ala Tyr Pro Asp Ser Asp Lys Gln Thr 115 120 125 Ile Asp Gly Met Leu Leu Ile Ile Val Glu Lys Val Val Ser Glu Met 130 135 140 Glu Lys Gly Ser Leu Glu Gln Met Leu Ser Ala Gly Leu Val Thr Pro 145 150 155 160 Ser Arg Asp Phe Ser Glu Asp Leu Trp Arg Thr Val Trp Glu Val Gly 165 170 175 Asn Ser Val Val Lys Asp Met Glu Lys Glu Arg Lys Lys Glu Lys Met 180 185 190 Lys Gly Ala Leu His Ser Glu Glu Val Lys Glu Met Cys Arg Phe Ala 195 200 205 Ala Asp Ile Gly Ile Arg Gly Asp Leu Leu Arg Glu Leu Lys Phe Lys 210 215 220 Trp Ala Arg Glu Lys Val Asp Glu Asn Glu Phe Tyr Glu Ser Leu Glu 225 230 235 240 Trp Leu Arg Asn Glu Glu Arg Ala Gln Asp Lys Glu Lys Ala Glu Gly 245 250 255 Lys Ser Thr Gly Thr Ile Pro Glu Glu Ala Phe Met Asp Glu Glu Arg 260 265 270 Thr Lys Val Val Ser Leu Pro Lys Arg His Gly Lys Ile Lys Tyr Lys 275 280 285 Ile Tyr Gly Leu Asp Leu Ser Asp Pro Lys Trp Ala Glu Val Ala Asp 290 295 300 Lys Ile His Glu Thr Gly Glu Ile Ile Trp Pro Gln Glu Pro Lys Lys 305 310 315 320 Ile Ser Gly Lys Cys Lys Leu Leu Thr Glu Asn Ile Leu Ser Leu Lys 325 330 335 Glu Glu Asp Asp Pro Ser Pro Leu Leu Ala Lys Trp Val Glu Leu Leu 340 345 350 Gln Pro Ser Arg Ile Asp Trp Ile Ala Leu Leu Asp Lys Leu Lys Gly 355 360 365 Gln Asn Thr Asn Ile Tyr Leu Lys Ile Ala Glu Leu Leu Leu Asp Glu 370 375 380 Lys Ser Phe Gln Pro Thr Ile His Asp Tyr Ser Leu Leu Ile Asp Ala 385 390 395 400 Tyr Ala Lys Gly Ser Cys Leu Glu Asp Ala Glu Arg Ile Leu Lys Lys 405 410 415 Met Asn Gln Ser Gly Ile Leu Pro Asp Ile Ile Thr Ala Thr Val Leu 420 425 430 Val His Met Tyr Ser Lys Ala Gly Asn Ile Asp Arg Ala Lys Glu Ala 435 440 445 Phe Glu Ser Leu Arg Ser His Gly Phe Gln Pro Asp Ile Lys Leu Tyr 450 455 460 Asn Ser Met Ile Met Ala Cys Val Ser Ala Gly Asp Val Lys Ser Gly 465 470 475 480 Glu Ser Leu Met Arg Glu Met Glu Thr Lys Asp Ile Lys Pro Thr Glu 485 490 495 Glu Ile Tyr Met Ala Leu Leu Arg Ser Phe Ala Gln Ser Gly Asp Val 500 505 510 Gly Gly Ala Gly Arg Ile Ala Thr Thr Met Gln Phe Ala Gly Tyr Gln 515 520 525 Pro Ser Leu Glu Ser Cys Thr Leu Leu Ile Glu Ala Tyr Gly Arg Ser 530 535 540 Gly Asp Pro Asp Gln Ala Arg Ser Asn Phe Asp Tyr Met Met Asn Val 545 550 555 560 Gly Gln Arg Pro Asp Asp Arg Cys Val Ala Ser Met Ile Ala Ala Tyr 565 570 575 Glu Lys Lys Asn Leu Leu Asp Lys Ala Leu Asn Leu Leu Leu Gln Leu 580 585 590 Glu Lys Asp Gly Leu Asp Pro Gly Pro Ala Thr Asn Phe Val Leu Phe 595 600 605 Asp Trp Leu Cys Lys Leu Leu Leu Val Glu Glu Ala Glu Glu Leu Leu 610 615 620 Ala Lys Met Ala His Gln Gly Asp Ala Pro Ser Val Lys Ile Gln Val 625 630 635 640 Ser Leu Cys Asp Met Tyr Ala Arg Ala Gly Met Glu Lys Lys Thr Leu 645 650 655 Gln Thr Leu Gly Ile Leu Glu Ala Lys Lys Asp Gln Leu Gly Ala Ala 660 665 670 Glu Leu Glu Lys Lys Lys Lys 675
【0069】 <210> 2 <211> 2233 <212> DNA <213> <400> 2 tgcattcgct agccgccaag ccgactgcct gaagccaact tcccatccca ccaccatttt 60 tatgaggttt ggtaatacta ctggaggaga tgggtattcg atagattgtc ttctggttcg 120 tttctttggc tatttctttc tttctttctt tttcatcaag ttttctaggg ttctctatct 180 gtacatctct gagac atg tat ctg aag cga tta gct aat agg cag aca gta 231 Met Tyr Leu Lys Arg Leu Ala Asn Arg Gln Thr Val 1 5 10 agc aat cta tct aga ttc agt gga ggc tta gtt cct cct tac ctg tat 279 Ser Asn Leu Ser Arg Phe Ser Gly Gly Leu Val Pro Pro Tyr Leu Tyr 15 20 25 tct att cat aga tat ttc tct atc tct act agt aat gcc cca att ctg 327 Ser Ile His Arg Tyr Phe Ser Ile Ser Thr Ser Asn Ala Pro Ile Leu 30 35 40 cct ttc att tat cca cta gtt ggt aat ggc aat gct tgt cta cca aac 375 Pro Phe Ile Tyr Pro Leu Val Gly Asn Gly Asn Ala Cys Leu Pro Asn 45 50 55 60 ctt aaa tac cca aag ccc att ttt ttc ttt agt agg ttc att cat tct 423 Leu Lys Tyr Pro Lys Pro Ile Phe Phe Phe Ser Arg Phe Ile His Ser 65 70 75 gct cag caa act ggc cta aat gtg tcc aat ttt aat 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gag gag gtg aag gag atg 807 Lys Glu Lys Met Lys Gly Ala Leu His Ser Glu Glu Val Lys Glu Met 190 195 200 tgt agg ttt gct gct gac att ggc att cgt ggg gac ctt ttg aga gag 855 Cys Arg Phe Ala Ala Asp Ile Gly Ile Arg Gly Asp Leu Leu Arg Glu 205 210 215 220 ctg aaa ttc aaa tgg gct cgt gaa aag gtg gat gag aat gag ttt tac 903 Leu Lys Phe Lys Trp Ala Arg Glu Lys Val Asp Glu Asn Glu Phe Tyr 225 230 235 gag agt ttg gag tgg ctt aga aat gaa gaa aga gcc caa gac aaa gag 951 Glu Ser Leu Glu Trp Leu Arg Asn Glu Glu Arg Ala Gln Asp Lys Glu 240 245 250 aaa gct gag ggc aag agc acc ggg acc att ccc gaa gag gct ttc atg 999 Lys Ala Glu Gly Lys Ser Thr Gly Thr Ile Pro Glu Glu Ala Phe Met 255 260 265 gat gaa gag aga act aaa gtt gtt tcc ctt ccc aag aga cat ggg aag 1047 Asp Glu Glu Arg Thr Lys Val Val Ser Leu Pro Lys Arg His Gly Lys 270 275 280 ata aag tac aag atc tat gga ctt gat ctt tct gac cca aag tgg gct 1095 Ile Lys Tyr Lys Ile Tyr Gly Leu Asp Leu Ser Asp Pro Lys Trp Ala 285 290 295 300 gaa gtt gct gat aaa atc cat gag aca ggg gag atc att tgg ccg cag 1143 Glu Val Ala Asp Lys Ile His Glu Thr Gly Glu Ile Ile Trp Pro Gln 305 310 315 gaa ccc aag aaa ata tct ggg aaa tgc aaa cta ttg aca gag aat att 1191 Glu Pro Lys Lys Ile Ser Gly Lys Cys Lys Leu Leu Thr Glu Asn Ile 320 325 330 ctt tca ttg aaa gag gag gat gac cct tct cca ttg cta gct aaa tgg 1239 Leu Ser Leu Lys Glu Glu Asp Asp Pro Ser Pro Leu Leu Ala Lys Trp 335 340 345 gta gag ctt cta cag cca agt agg att gat tgg att gct ttg ctt gat 1287 Val Glu Leu Leu Gln Pro Ser Arg Ile Asp Trp Ile Ala Leu Leu Asp 350 355 360 aag ctg aag gga cag aat acc aat ata tac ttg aag ata gct gaa ctg 1335 Lys Leu Lys Gly Gln Asn Thr Asn Ile Tyr Leu Lys Ile Ala Glu Leu 365 370 375 380 tta ttg gat gaa aaa tct ttc caa cca acc att cat gac tac tcc ttg 1383 Leu Leu Asp Glu Lys Ser Phe Gln Pro Thr Ile His Asp Tyr Ser Leu 385 390 395 ctg att gat gcc tat gct aaa ggg agt tgc tta gaa gat gct gag aga 1431 Leu Ile Asp Ala Tyr Ala Lys Gly Ser Cys Leu Glu Asp Ala Glu Arg 400 405 410 att ctg aag aaa atg aat caa agt ggt atc ctg cct gat atc ata act 1479 Ile Leu Lys Lys Met Asn Gln Ser Gly Ile Leu Pro Asp Ile Ile Thr 415 420 425 gct aca gtg ttg gta cac atg tac agc aag gca ggc aat att gac cgt 1527 Ala Thr Val Leu Val His Met Tyr Ser Lys Ala Gly Asn Ile Asp Arg 430 435 440 gcc aaa gaa gcc ttt gaa agc tta aga agc cat ggt ttc caa cca gac 1575 Ala Lys Glu Ala Phe Glu Ser Leu Arg Ser His Gly Phe Gln Pro Asp 445 450 455 460 att aaa ctc tat aac tca atg atc atg gca tgt gta agt gct ggt gat 1623 Ile Lys Leu Tyr Asn Ser Met Ile Met Ala Cys Val Ser Ala Gly Asp 465 470 475 gtc aag tcg ggc gag tca tta atg aga gag atg gag aca aaa gac atc 1671 Val Lys Ser Gly Glu Ser Leu Met Arg Glu Met Glu Thr Lys Asp Ile 480 485 490 aaa cca aca gag gaa att tac atg gca ttg ctt cgg tca ttt gcc caa 1719 Lys Pro Thr Glu Glu Ile Tyr Met Ala Leu Leu Arg Ser Phe Ala Gln 495 500 505 agt ggt gat gtt ggt ggg gct gga aga att gca aca act atg caa ttt 1767 Ser Gly Asp Val Gly Gly Ala Gly Arg Ile Ala Thr Thr Met Gln Phe 510 515 520 gca gga tac cag cca agt ctt gag tcc tgt aca ttg ctt att gag gca 1815 Ala Gly Tyr Gln Pro Ser Leu Glu Ser Cys Thr Leu Leu Ile Glu Ala 525 530 535 540 tat ggc cga tca ggt gat cct gac cag gca agg agc aac ttt gac tat 1863 Tyr Gly Arg Ser Gly Asp Pro Asp Gln Ala Arg Ser Asn Phe Asp Tyr 545 550 555 atg atg aat gtt gga cag agg cct gat gac agg tgt gtt gct agc atg 1911 Met Met Asn Val Gly Gln Arg Pro Asp Asp Arg Cys Val Ala Ser Met 560 565 570 atc gcc gca tat gag aag aag aat tta ctg gat aag gcc tta aac ctg 1959 Ile Ala Ala Tyr Glu Lys Lys Asn Leu Leu Asp Lys Ala Leu Asn Leu 575 580 585 ttg ttg cag ctt gag aaa gat gga ttg gac cct gga cct gcc act aac 2007 Leu Leu Gln Leu Glu Lys Asp Gly Leu Asp Pro Gly Pro Ala Thr Asn 590 595 600 ttt gtt ctt ttt gac tgg ttg tgt aaa ttg ctg ctg gtt gag gag gct 2055 Phe Val Leu Phe Asp Trp Leu Cys Lys Leu Leu Leu Val Glu Glu Ala 605 610 615 620 gag gag cta tta gcg aag atg gct cat caa ggt gat gct cct tct gtt 2103 Glu Glu Leu Leu Ala Lys Met Ala His Gln Gly Asp Ala Pro Ser Val 625 630 635 aag att caa gta agc ctc tgt gat atg tat gca agg gct ggg atg gag 2151 Lys Ile Gln Val Ser Leu Cys Asp Met Tyr Ala Arg Ala Gly Met Glu 640 645 650 aag aag aca ctc caa act cta ggg att ctg gaa gct aag aag gat caa 2199 Lys Lys Thr Leu Gln Thr Leu Gly Ile Leu Glu Ala Lys Lys Asp Gln 655 660 665 ttg ggg gcc gct gaa tta gaa aaa aaa aaa aaa a 2233 Leu Gly Ala Ala Glu Leu Glu Lys Lys Lys Lys 670 675
【0070】 <210> 3 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide forward primer used in PCR for amplifying W1 cDNA <400> 3 ttgaggcata tggccgatca ggtga 25
【0071】 <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligonucleotide reverse primer used in PCR for amplifying W1 cDNA <400> 4 aattcagcgg cccccaattg atcc 24
【0072】 <210> 5 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Not I primer adapter used in preparation of cDNA library <400> 5 gactagttct agatcgcgag cggccgccct tttttttttt tttt 44
【0073】 <210> 6 <211> 16 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Sal I primer adapter used in preparation of cDNA library <400> 6 tcgacccacg cgtccg 16
【0074】 <210> 7 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA fragment used in preparation of binary vector <400> 7 agatctcccg ggctcgaggc ggccgc 26
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の核酸を取得する過程において採用し
た、cDNAライブラリーの作製方法を説明するための
図である。
【図2】メヒルギcDNA発現ライブラリーの作製に用い
た、アダプターの塩基配列及び制限酵素部位を示す図で
ある。
【図3】本発明の核酸を含むバイナリーベクターの構築
に用いたDNA断片の塩基配列及び制限酵素部位を示す
図である。
フロントページの続き (72)発明者 前田 幸一郎 東京都千代田区九段北4丁目2番5号 株 式会社電発環境緑化センター内 (72)発明者 曽我 麻美子 神奈川県鎌倉市手広1111 株式会社東レリ サーチセンター内 (72)発明者 秋山 英雄 神奈川県鎌倉市手広1111 株式会社東レリ サーチセンター内 (72)発明者 古木 健一郎 神奈川県鎌倉市手広1111 株式会社東レリ サーチセンター内 Fターム(参考) 2B030 AA02 AA03 AB03 AD04 CA06 CA17 CA19 CB02 CD03 CD09 CD13 CD17 4B024 AA08 BA80 CA04 DA01 EA04 GA14 HA12 4H045 AA10 AA30 BA10 CA30 EA05 FA74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列
    を有するタンパク質又は該アミノ酸配列のうちの1若し
    くは複数のアミノ酸が置換し若しくは欠失し、若しくは
    該アミノ酸配列に1若しくは複数のアミノ酸配列が付加
    若しくは挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質で
    あって植物の耐塩性を増大することができるタンパク
    質。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示すアミノ酸配列と70%
    以上の相同性を有するアミノ酸配列を有する請求項1記
    載のタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列番号1に示すアミノ酸配列を有する
    請求項1記載のタンパク質。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のタンパク質をコード
    する核酸。
  5. 【請求項5】 配列番号2記載の塩基配列の196nt〜223
    2ntまでの塩基配列を有する核酸又は該核酸とストリン
    ジェントな条件下でハイブリダイズする請求項4記載の
    核酸。
  6. 【請求項6】 配列番号2記載の塩基配列の196nt〜223
    2ntまでの塩基配列塩基配列を有する核酸。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれか1項に記載
    の核酸から成る、植物の耐塩性増大用核酸。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし6のいずれか1項に記載
    の核酸が導入され、耐塩性が増大された植物。
  9. 【請求項9】 前記核酸が染色体DNA中に組み込まれ
    た請求項8記載の植物。
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