JP2000157216A - 食肉へのインジェクション方法及び装置 - Google Patents

食肉へのインジェクション方法及び装置

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JP2000157216A JP10331733A JP33173398A JP2000157216A JP 2000157216 A JP2000157216 A JP 2000157216A JP 10331733 A JP10331733 A JP 10331733A JP 33173398 A JP33173398 A JP 33173398A JP 2000157216 A JP2000157216 A JP 2000157216A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料肉に対して、肉質を損なうことなく、効
率良く、連続的にピックル液や調味液を肉塊中に均一に
分散させ、タンブリングマシンやマッサージマシン等を
長時間使わなくても塩漬や調味を達成することができ、
更に肉質の注入抵抗の差が有ってもピックル液や調味液
を均一に分散させることができるインジェクション方法
を提供すること。 【解決手段】 予め所定の圧力に高められている高圧の
液状物質を、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ注入
するインジェクション方法であって、高圧の初発注入圧
力で注入を開始し、その後、液状物質を注入しながら、
注入圧力が変化するように注入圧力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、豚肉、牛肉、家禽
肉等の食肉塊に、ピックル液や調味液等の液状物質を均
一に分散させるインジェクション(注入)方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食肉加工には食肉に塩漬剤や調味料を均
一に分散させるニーズがあり、多針型のピックルインジ
ェクターを使用することが、近年主流となっている。多
針型のピックルインジェクターを使用する方法により、
ピックル液あるいは調味液に含まれる添加物を以前より
均一に分散させた製品を製造できるようになったが、注
入直後は、針の刺さった部分に液が溜まった状態であ
り、タンブリンマシンやマッサージマシン等で力学的な
刺激を与え、かつ、ピックル液あるいは調味液が肉塊中
に浸透し、均一に分散するまで放置しておいてからでな
いと、次の工程に進むことができないというのが現状で
ある。したがって、ロースハムやボンレスハムの塩漬又
は焼き豚の調味に何日もかかるという問題があった。
【0003】しかも、ピックル液の注入圧はその構造上
12kg/cm2 程度が限度であり、調味液の中に含ま
れる物質のうち、食塩のように低分子のものは、肉塊中
で移動しやすいが、高分子のものや、食肉を構成する物
質との反応性の高いものは、肉塊中で移動しにくく、そ
の結果として分散が悪いという欠点があった。
【0004】現状の多針型のピックルインジェクターの
改良を考えた場合、多針型のピックルインジェクターの
針の密度を更に高めることが必要であるが、針自体細い
ものでも直径約3mmであり、針を固定する治具の幅も
あり、現状の針の間隔である12〜25mmを改善する
ことは難しい。また、万一改善できたとしても、針の密
度をあげると肉への針の差し込みと取り出しの抵抗が大
きくなり、実際に装置を稼動することが難しくなる。し
たがって、多針型のピックルインジェクターによる注入
では、液を短時間により均一に肉塊中に分散させるとい
う目的を達成することは不可能であった。
【0005】また、大きな肉塊に従来の多針型のピック
ルインジェクターで注入する際、一塊の肉であっても、
部位によって硬さが異なり、一様に注入しても肉質の注
入抵抗の差で、均一に注入されないという欠点があっ
た。例えば、実公昭60−11799号公報及び特開平
6−209693号公報には、肉質の注入抵抗の差によ
るピックル液注入の不均一を解決する方法が開示されて
いるが、この方法では精度の高い結果を得ることは困難
であり、満足できるものではなかった。
【0006】他方、無針型ピックルインジェクター及び
インジェクション方法のハムなどの食肉加工品への応用
については次のような先行技術が知られている。特開平
5−244906号には、スプレイノズルを用いて高圧
下に無針型のピックルインジェクターにより肉片の中に
塩水等の液状物質を導入する方法が開示されている。該
ピックルインジェクターは、圧力ローラとコンベアで肉
塊の厚みを一定にしておき、下からスプレイノズルでイ
ンジェクションする構造であり、ノズル間隔が20mm
以内で、厚さ20mmの肉に液状物質を注入することが
可能である旨記載されているものの、該ピックルインジ
ェクターは拡散型のスプレイノズルを使用しているた
め、該公報の図5に示されるように、液状物質が同心円
状に広がり、注入されない部分や液が重複する部分が発
生し、均一に注入分散することができる方法とはいい難
く、また、該ピックルインジェクターは、肉の厚みを押
し潰して薄くした後インジェクションする構造であり、
同心円状に広がる高いスプレー圧力は肉に損傷を与える
ため、肉の厚みが厚いものには使用できないという欠点
がある。また、この方法では圧力ローラによって、肉塊
の割れや崩れ等が生じるおそれがある。したがって、こ
の導入方法では、圧力ローラで例え厚みを減らしたとし
ても、厚みが30mmを超えるような豚モモ肉やロース
肉に適用することは困難である。
【0007】米国特許第2418914号明細書には、
屠殺後短時間の内に肉を柔らかくするために、脂質物質
や少量の水からなる肉質柔軟化剤等の可食性粒子を高圧
下高速で肉表面にスプレイし、肉の深部まで浸透させる
と共に、肉の筋線維を機械的に破壊することが開示され
ているが、その可食性粒子の分散状況等の詳細について
は記載されていない。
【0008】米国特許第3016004号明細書及び米
国特許第3436230号明細書には、肉表面にノズル
の先端を接触させて保存液等の液体を高圧で注入し、肉
線維を壊すことなく、液体を分散させる方法が開示され
ており、具体例として、ベーコンベリーの赤身と脂肪
に、赤身注入ノズル及び脂肪注入ノズルを備えた自動注
入機械を用いて、高速度液体流を注入することが記載さ
れている。
【0009】米国特許第3769037号明細書及び米
国特許第3649299号明細書には、肉中への柔軟化
剤及び/又は香味付与剤の液の浸透深度を効果的に制限
するために、3方向からの直進水流を焦点でぶつかり合
わせ、エネルギーを消失させ、拡散させることで浸透深
度を制限する方法が記載されている。
【0010】米国特許第3675567号明細書には、
上記米国特許第3769037号明細書及び米国特許第
3649299号明細書記載のインジェクションノズル
を肉と同じ速さで移動させながら、電気タイマーにより
素速くオン−オフしうるソレノイドバルブの制御によ
り、1000〜5000psiの圧力で、柔軟化剤、香
味付与剤等の液を家禽肉に高速で注入する装置が記載さ
れている。
【0011】米国特許第3739713号明細書及び米
国特許第3814007号明細書には、予め定めておい
た値に達するまでノズル通路中の液の圧力を高めてお
き、バルブ解放後、不定形の肉塊に適合する、複数本の
種々の長さのノズル通路の先端部から、素早く一気に液
体を噴射させ、液漏れが生じることがないインジェクシ
ョン装置が開示されている。
【0012】米国特許第5053237号明細書には、
低級肉の柔らかさや官能的品質を向上させるために、肉
から一定の距離だけ離したノズルから、移動している肉
に、バインダーとしての植物性油又は脂肪等が肉組織中
に充分浸入しうるような圧力で注入し、肉の結合組織を
横方向及び縦方向に切断しうる肉の処理法が記載されて
いる。
【0013】米国特許第5112270号明細書には、
ウオータージェット屠殺を行うために、超高圧(300
0〜4000kg/cm2 )で頭蓋骨を破壊することが
記載されている。
【0014】米国特許第5200223号明細書には、
配管中を連続的に搬送されている肉に、高圧ノズルか
ら、短時間の細いジェットの形で液体を間欠的又は周期
的に噴射し、該液体を肉の与えられた深さまで注入する
方法が記載されている。
【0015】米国特許第5176071号明細書には、
肉に損傷が生じない手段の改善をするために、押圧ロー
ラーによってコンベア上の肉塊を予め決められた厚さに
平たくすると共にスプレーノズルに接触せしめ、肉の外
面にインジェクションストリームを噴霧することなく、
調味液等を均質に分散させる方法及び装置が記載されて
いる。
【0016】しかしながら、上記の無針型ピックルイン
ジェクター及びそれを用いたインジェクション方法は、
肉表面を傷つけるものであったり、適用対象となる肉塊
の肉厚が限定されるものであったりして、汎用性がな
く、また何よりも、種々の肉厚の原料肉を対象とした実
用的なレベルにおいて、液状物質を均一に分散させるこ
とができるとは到底いいうるものではなかった。そし
て、直進水流と注入しながらの圧力制御とを組み合わせ
た均一分散インジェクション方法や均一分散インジェク
ターについては知られていなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
多針型のピックルインジェクターや、無針型ピックルイ
ンジェクターを用いたインジェクション方法における問
題を解決し、食肉の厚みが薄いものばかりでなく、厚い
原料肉に対しても、またその形状や大きさが種々異なる
原料肉に対して、肉質を損なうことなく、効率良く、連
続的にピックル液や調味液を肉塊中に均一に分散させ、
タンブリングマシンやマッサージマシン等を長時間使わ
なくても塩漬や調味を達成することができ、更に肉質の
注入抵抗の差が有ってもピックル液や調味液を均一に分
散させることができる実用的なインジェクション方法や
ピックルインジェクターを提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず現在
その使用が主流である多針型ピックルインジェクターに
ついて検討をしたがその解決策が見当たらなかったの
で、無針型ピックルインジェクターを使用するインジェ
クション方法について、高圧水発生装置と直進水流噴射
ノズルを備えたモデル機械を製作し、検討を始めた。し
かし、この種の無針型ピックルインジェクターに関する
公知の知見からは実用的なインジェクション方法には到
達できなかった。そこで、食肉加工用に実際に適用可能
な条件を見い出すべく、上記モデル機械の改良と肉塊中
への液状物質の注入及び分散における特性の研究に取り
組み、その結果高圧水発生装置と直進水流噴射ノズルを
用いた場合の肉塊中への液状物質の注入及び分散におけ
る特性の研究から得られた、圧力上昇速度を調節するこ
とにより注入率を制御することが可能であるという知見
に基づいて、液状物質を注入しながら注入圧力を制御し
うる機構となるように上記モデル機械に改良を加え、直
進水流と注入しながらの圧力制御との組み合わせを特徴
とするインジェクション方法やそれに用いるピックルイ
ンジェクターを先に開発した。
【0019】先に開発したインジェクション方法(特願
平9−121924号)は、直進水流噴射ノズルを用い
て食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入
しながら注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させる等
の変化などの制御を行う食肉塊への液状物質のインジェ
クションに関し、また、先に開発したピックルインジェ
クター(特願平9−2536784号)は、食肉塊に液
状物質を注入する装置であって、高圧液発生部と、液状
物質の噴射部と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入
するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力をゼロ又
は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構を有する圧力
制御部とを備えたピックルインジェクターに関するもの
である。これらのインジェクション方法やピックルイン
ジェクターは、ピックル液や調味液を食肉塊に均一に分
散させることができ、非常に優れたものということがで
きるが、適用される注入圧力が2000kg/cm2
度と高く、ピックルインジェクターの作製やそのメンテ
ナンスにおけるコストが高価なものになっていた。本発
明者らは上記インジェクション方法やピックルインジェ
クターにおいて適用される注入圧力を低減する方法につ
いて鋭意研究した結果、例えば最高500kg/cm2
程度の圧力に高められている高圧の液状物質を、直進水
流噴射ノズルを用いて注入圧力の制御下に食肉塊へ注入
すると、比較的低い圧力しか発生させることができない
例えばポンプを用いても、ピックル液や調味液を食肉塊
に均一に分散させることができることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0020】すなわち本発明は、予め所定の圧力に高め
られている高圧の液状物質を、直進水流噴射ノズルを用
いて食肉塊へ注入するインジェクション方法であって、
高圧の初発注入圧力で注入を開始し、その後、注入圧力
が変化するように注入圧力を制御しながら液状物質を注
入することを特徴とする食肉塊への液状物質のインジェ
クション方法や、配管内の予め所定の圧力に高められて
いる高圧の液状物質を、該配管に設けられたバルブを開
き、高圧の初発注入圧力で注入を開始し、その後注入圧
力を低圧又はゼロまで下降させながら注入することを特
徴とする上記の食肉塊への液状物質のインジェクション
方法や、初発注入圧力の高圧化と注入圧力の制御とをサ
ーボモーターを用いて行うことを特徴とする上記の食肉
塊への液状物質のインジェクション方法や、トレー内の
食肉塊を複数の噴射部で押さえつけ、各噴射部から順次
液状物質を注入し、トレーにより食肉塊の横方向への膨
張を防止することを特徴とする上記の食肉塊への液状物
質のインジェクション方法や、食肉塊の両面から液状物
質を注入することを特徴とする上記の食肉塊への液状物
質のインジェクション方法に関する。本発明はまた、上
記の食肉塊への液状物質のインジェクション方法を用い
ることを特徴とする食肉製品の製造方法に関する。
【0021】また本発明は、食肉塊に予め所定の圧力に
高められている高圧の液状物質を注入する装置であっ
て、高圧液発生部と、直進水流噴射ノズルを有する液状
物質の噴射部と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入
するに際し、高圧の初発注入圧力で注入を開始するため
のバルブと、液状物質を注入しながら、注入圧力が変化
するように注入圧力の制御を行うことができる圧力制御
部とを備えたことを特徴とするピックルインジェクター
や、単流を複流に分岐するマニホールドが複数個連結さ
れた噴射部と、液状物質の噴射部と、それぞれ独立して
開閉することができる複数のバルブからなるバルブユニ
ットと、モーターの回転数を制御することにより注入圧
力の制御を行うことができる圧力制御部とを備えたこと
を特徴とする上記ピックルインジェクターや、食肉塊の
搬送部と、該搬送部の上方に配置された2つの噴射部を
有する、上記のピックルインジェクターと、該ピックル
インジェクターの2つの噴射部間の搬送部に設けられた
食肉塊反転手段とを備えた食肉加工装置に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明において、食肉としては、
豚肉、牛肉、家禽肉、馬肉、羊肉及びこれらの内臓肉、
骨付き肉及び皮付き肉、並びに魚肉等を例示することが
でき、食用に供される肉であればどのような肉をも使用
することができる。
【0023】本発明において、液状物質としては、塩漬
用のピックル液、調味用の調味液の他、脂質、植物タン
パク質等の組織改良剤、天然保存剤、天然色素剤、酵
素、微生物等の溶液、分散懸濁液を例示することがで
き、直進水流噴射ノズルから噴射しうる液状のものであ
れば、気体状のガスを含むものなど、いかなるものでも
使用することができる。
【0024】本発明において、食肉製品とは、食肉加工
品であればどのようなものでもよいが、例えば食品衛生
法上の分類に従うと、乾燥食肉製品、非加熱食肉製品、
特定加熱食肉製品、加熱食肉製品のいずれかに該当する
ものである。またこの内、非加熱食肉製品とは、食肉塊
の中心まで、例えば60℃で30分間の加熱処理又はこ
れと同等以上効力を有する処理等の加熱殺菌を行ってい
ない食肉製品をいい、例えば、各種原料の生ハムや生ベ
ーコンを例示することができる。
【0025】本発明において、直進水流とは、同心円状
に拡散して噴出することなく、直線状に収束して噴出す
る液状物質の流れをいい、直進水流噴射ノズルとは、直
進水流を噴射させるノズルをいう。また、本発明におい
て、注入圧力とは、直進水流噴射ノズルから噴出された
直後の液状物質の液圧をいい、通常は高圧水発生装置と
直進水流噴射ノズルとの間の配管中の液圧として、例え
ば圧力センサにより測定される。圧力センサを備えるこ
とにより、注入圧力をその設定値に一層正確に調整する
ことができる。
【0026】本発明のピックルインジェクターは、食肉
塊に予め所定の圧力に高められている高圧の液状物質を
注入する装置であって、高圧液発生部と、直進水流噴射
ノズルを有する液状物質の噴射部、好ましくは単流を複
流に分岐するマニホールドが複数個連結された噴射部
と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入するに際し、
高圧の初発注入圧力で注入を開始するためのバルブ、好
ましくはそれぞれ独立して開閉することができる複数の
バルブからなるバルブユニットと、液状物質を注入しな
がら、注入圧力が変化するように例えばモーターの回転
数を制御することにより注入圧力の制御を行うことがで
きる圧力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0027】本発明のピックルインジェクターにおける
高圧液発生部は、上記液状物質を高圧、例えば7〜50
0kg/cm2 にしうるものであれば、どのような機構
のものでもよく、例えばプランジャーポンプや流体圧シ
リンダ等の往復ポンプ、回転ポンプ、渦巻ポンプなどの
ポンプ類を挙げることができるが、別に液状物質を高圧
にしうるものであればポンプ以外のものでもよい。プラ
ンジャーポンプ等のポンプをモータの回転数を制御する
ことにより駆動してポンプの出力を制御する場合など、
高圧液発生部と後述する圧力制御部とを一体的に構成す
ることもできる。
【0028】また、高圧の液状物質は、高圧液発生部か
ら高圧配管を経由して噴射部に移送されるが、該噴射部
から食肉塊へ液状物質を注入するに際し、最高500k
g/cm2 程度の高圧の初発注入圧力で注入を開始する
ためのバルブ、好ましくはそれぞれ独立して開閉するこ
とができる複数のバルブからなるバルブユニットが設け
られる。そして複数のバルブからなるバルブユニットを
用いる場合、各バルブから下流はそれぞれに対応する噴
射部と連結する複数の高圧配管が設けられることにな
る。この場合、高圧液発生部から高圧配管を経由して移
送されてくる高圧の液状物質は、バルブユニットの各バ
ルブを順次開閉していくことにより、各高圧配管を経由
してそれぞれの噴射部から高圧の初発注入圧力で注入が
開始されることになる。
【0029】また、噴射部としては、バルブから下流の
各高圧配管からの単流を複流に分岐するマニホールドと
呼ばれる部材を有する噴射部を用いることが望ましい。
マニホールドは噴射部の先端部に設けることが好ましい
が、場合によっては配管途中に設けることもできる。従
来の高圧液発生装置の噴射部は、単孔式もしくは、マニ
ホールド内の配管を放射状に分岐した形状であったが、
本発明者らは、食肉用のピックルインジェクターとして
特に適したものとなる様にマニホールドを加工し、マニ
ホールド内の配管を分岐し、該配管を平行に一列ないし
複数列並べたものを作製した。ここでいう平行とは、1
列に平行に並べる場合ばかりでなく、千鳥形等多列に平
行に並べる場合も含まれる。このように、ノズルを平行
に並べることにより、ノズル間隔を10mm以下、例え
ば5.6mmと狭くして注入することができるので、高
密度の均一な注入が可能となる。かかる平行に並べられ
たノズル、それも直進水流噴射ノズルを多数有するマニ
ホールドを用いることが一層望ましい。
【0030】このようなマニホールドを用いると、各配
管の先端部のノズルからは、高圧の液状物質が直進水流
として噴射され、平行に並んだ各ノズルから食肉塊に対
し同時に液状物質が注入される。また、このように1つ
のマニホールドに多数のノズルを設けると、一回の注入
処理で液状物質を効率良く注入することが可能となる
が、1つのマニホールドにあまりに多くのノズルを設け
ると、高圧液発生部に負荷がかかることから、複数個の
マニホールドを連結し、前記のように各マニホールドの
上流部にそれぞれバルブを設けておき、各バルブを順次
開閉していくことにより、各マニホールドから順次噴射
するようにしておくことが好ましい。
【0031】本発明のピックルインジェクターにおける
圧力制御部は、注入圧力の制御を行う機構を有している
ものであればどのようなものでもよいが、高圧液発生部
での圧力を制御する手段を有するもの、バルブから下流
の高圧配管中や噴出部の圧力を制御する手段を有するも
の、及びこれらを組み合わせて制御するものに大別する
ことができる。
【0032】高圧液発生部での圧力を制御する手段を有
するものとしては、例えばプランジャーポンプのプラン
ジャーの駆動を、サーボモータ、ステッピングモータ、
あるいはインバータを有する3相モータを使用してモー
タの回転数を制御することにより行い、高圧液発生部の
出力、すなわち注入圧力の制御を行うものや、油圧シリ
ンダ、水圧シリンダ、エアシリンダ等のピストンの駆動
を、可変調節バルブ等を用いて流体圧を制御することに
より行い、高圧液発生部の出力、すなわち注入圧力の制
御を行うものを例示することができる。
【0033】バルブから下流の高圧配管中の圧力を制御
する手段を有するものとしては、高圧液発生部の出力を
一定にして、高圧配管の途中に1ないし2以上の圧力調
整バルブを設けるもの、アクチュエータを用いて高圧配
管の途中の圧力調整バルブを可動させるもの、圧力を吸
収するピストンシリンダ等のバッファーが高圧配管に連
通する分岐管の端部に設けられたものなどを挙げること
ができ、また噴出部の圧力を制御する手段を有するもの
としては、高圧液発生部の出力を一定にして、ノズルの
孔径や噴射部に連結するノズル数を変化させるものを挙
げることができる。
【0034】また、必要に応じて、高圧液発生部での圧
力を制御する手段とバルブから下流の高圧配管中や噴出
部の圧力を制御する手段とを組み合わせて制御すること
ができるが、いずれにしても制御の簡便性・正確性及び
多様な圧力制御を可能にする点から、サーボモータ等を
用いて、モータの回転数を制御する方式が望ましい。
【0035】例えば、モータとドライバとプログラマブ
ルコントローラ(PLC)から構成されているサーボモ
ータを用いる場合について説明すると、ドライバは、P
LCと接続され、モータの運転状態のPLCへの出力と
PLCの指令を受けてモータの駆動を行う。モータはド
ライバがPLCより受けたパルス数に比例して回転を行
い、そのパルスの速さ(時間的密度)に応じて回転速度
を変化させる。そして、サーボモータにより高圧ポンプ
を駆動する場合、概略、液体の流量はモータの回転数
(位置決め)に比例し、液体の圧力はモータの回転数に
比例することになる。
【0036】肉塊中で均一な分散状態を得るためには、
本発明のピックルインジェクターを用いて、高圧の初発
注入圧力で注入を開始し、注入しながら注入圧力が初発
注入圧力から徐々に一定の圧力下降速度で低圧又はゼロ
まで下降させることが望ましい。初発注入圧力は、食肉
塊の物性(赤身と脂肪の割合、肉の硬さ、骨の有無
等)、食肉塊の肉厚・形状、液状物質の物性(溶質又は
分散質の分子量、粘度、肉成分との反応性の有無等)、
直進水流噴射ノズル先端と食肉塊との距離等によっても
種々調整可能であるが、通常7〜500kg/cm2
望ましくは150〜350kg/cm2 の範囲に設定さ
れる。
【0037】初発注入圧力が7kg/cm2 未満の場
合、肉塊の応力よりも注入圧力が低いため、肉塊中に十
分分散せず、逆に初発注入圧力が500kg/cm2
超えると、比較的高い圧力を発生するポンプが必要にな
る。したがって、通常使用される肉の厚さや、肉塊中で
の分散、損傷等を考慮した場合、初発注入圧力150〜
350kg/cm2 の範囲で種々設定することが好まし
く、本発明のピックルインジェクターにおける高圧液発
生部は、500kg/cm2 までの範囲で種々の圧力を
付与する能力を有するものが望ましい。例えば、食肉塊
の物性は肉への注入抵抗に大きく関与し、食肉の由来や
部位により、その応力は約7kg/cm2から26kg
/cm2 程度までばらついており、従来の多針型のピッ
クルインジェクターの注入圧力は高くても12kg/c
2 程度であるから、これが肉の由来や部位の違いによ
る注入の不均一の原因となっていたが、本発明の食肉塊
への液状物質の均一分散インジェクション方法において
は、高い注入圧力(直流水流噴射圧力)を使用するた
め、肉の注入抵抗の差による、注入方向及びそれと直交
する方向への不均一分散という問題は払拭される。ま
た、食肉塊をピックルインジェクターの噴射部のマニホ
ールドにより一定の力で押さえつけることにより、均一
分散の精度がさらに上昇する。
【0038】液状物質が肉塊を通り越して肉塊の外に噴
出したり、逆に液状物質が充分に末端まで注入分散しな
いのを防止するためには、押圧ローラー等を用いて肉厚
を予め一定にする方法もあるが、直進水流噴射ノズルか
らの液状物質の初発注入圧力を調節することによって、
液状物質の注入深度を制御することができるので、本発
明のピックルインジェクターに肉厚測定部を設け、測定
値に基づいて初発注入圧力を算出し、その後の圧力制御
を行う工程をも含めて全て自動化しておくこともでき
る。肉厚測定部としては、肉厚の自動測定機構を有する
ものが望ましく、例えば食肉塊の上下面の距離を測定す
る肉厚の自動測定機構としては、ロボットハンドの先端
に設けられたノズルを肉塊に当接させポテンショメータ
の変位により肉厚を自動的に計測する方式や、光センサ
ーを用いて肉厚を自動的に計測する方式があり、また画
像処理によって肉厚を自動的に算出する方式等を採用す
ることもできる。そして、肉厚の自動測定は、液状物質
を食肉塊に注入する前に行ってもよいが、上記ロボット
ハンドの先端に設けられたノズルを利用して計測する場
合のように、注入と同時に行ってもよい。
【0039】また、肉厚が一定な食肉塊や物性が一定な
食肉塊の場合など、予め初発注入圧力を設定しておくこ
ともできる。特に、結合組織からなる硬い膜状の層が存
在する外モモや肩ロース等の食肉塊や、赤身と脂肪が交
互に層状となっており、結合組織からなる硬い膜状の層
が存在するバラ肉等の食肉塊の場合は、液状物質が肉塊
を通り越して肉塊の外に噴出するように初発注入圧力を
あらかじめ設定することもできる。例えば、ベーコンの
原料であるバラ肉の場合、従来の多針型ピックルインジ
ェクターでは、結合組織からなる硬い膜状物により、液
状物質をそれ以遠に浸透させることができないばかり
か、液状物質をむしろ分散させる必要のない脂肪の層部
分に溜まった液状物質により、柔らかい脂肪の層が膨ら
む等の不都合があったが、本発明によると、その応力が
小さい脂肪の層部分にはあまり分散せず、硬い膜状物の
層以遠も含め、赤身の層部分全体に液状物質が均一に分
散した優れたベーコンが得られる。
【0040】本発明においては、高圧の初発注入圧力で
直進水流噴射ノズルから噴射開始された液状物質の注入
圧力が低圧又はゼロに到達するまでの注入時間を制御・
調節することによって、液状物質の注入量を制御するこ
とができる。注入圧力が低圧又はゼロに到達するまでの
注入時間は、肉質、液状物質の物性等によって種々設定
しうるが、通常0.05〜10秒、好ましくは0.1〜
5秒、より好ましくは0.1〜2秒に設定される。
【0041】注入時間が0.05秒未満の場合は、必要
な圧力まで到達しなかったり流量が少なく肉塊中での分
散が不十分になるおそれがある。また、10秒を超える
と注入に時間がかかり、注入量は増加するが、肉塊中に
おける液状物質の保持力には限界があるため、注入時に
注入箇所から漏出する液状物質が増加し、注入率の精度
が悪くなる傾向がある。
【0042】本発明において、「注入圧力が変化するよ
うに注入圧力を制御しながら液状物質を注入する」と
は、高圧の初発注入圧力での注入の開始から終了までの
間、上記の注入圧力を制御しながら液状物質を注入する
ことをいい、高圧配管に設けられたバルブの開放後、注
入圧力を制御することなく液状物質を自然に任せて注入
する場合や、注入に先立って孔径の異なるノズルに交換
して注入圧を予め変更する場合は除かれる。
【0043】本発明においては、注入圧力を、ゼロ又は
低圧に漸次下降、好ましくは漸次連続的に下降させるよ
うに変化させながら、直進水流噴射ノズルから液状物質
を注入することが、液状物質を食肉塊へ均一に分散させ
る上で望ましい。直進水流噴射ノズルを用いると、肉塊
中への液状物質の注入及び分散の特性として、ある初発
注入圧力に応じてある深度まで注入された液状物質は、
肉組織の抵抗により横方向へ分散し、注入圧力が漸次下
降するとその注入圧力に見合った注入深度となり、その
深度における肉組織の抵抗により、横方向に分散する。
かかる現象が注入深度の減少と共に繰り返し生じ、肉塊
の底部から表面まで液状物質が均一に分散されていくこ
とを見出した。したがって、注入圧力を低圧又はゼロに
漸次下降させると、注入した液状物質の均一分散性に優
れた製品が得られる。なお、肉塊の特定部位に液状物質
を分散させる目的等の観点から、注入圧力を、低圧又は
ゼロに漸次連続的に下降させることなく、段階的に下降
させることもできる。
【0044】液状物質を注入しながら注入圧力の制御を
行うことなく、従来行われていたように、高圧の初発注
入圧力からバルブを開放すると、注入圧力は急激に低下
し、その後緩やかに低下する。それに伴い液状物質は急
激に低下した深度帯では殆ど分散せず、緩やかに低下す
る深度帯に多く滞留することになる。肉塊中で均一な分
散状態を得るためには、本発明のように、注入しながら
注入圧力を、前記サーボモータ等を用いたモータの回転
数制御等を利用して制御し、高圧の初発注入圧力から徐
々に一定の圧力下降速度で低圧又はゼロまで下降させる
ことが必要である。
【0045】注入深度は注入圧力の最高値に比例し、注
入量は注入時間に比例するので、例えば一定のノズル間
隔で等密度に注入した場合、同一の圧力下降速度であれ
ば肉塊が厚くなると初発注入圧力は高く設定し、それに
比例して注入時間が長くなるため、注入量は多くなる。
逆に、肉塊が薄くなると初発注入圧力は低く設定し、そ
れに比例して注入時間が短くなるため、注入量は少なく
なる。
【0046】また、同じ厚さの肉塊に対して一定のノズ
ル間隔で等密度に注入した場合、圧力下降速度を上げる
と注入時間が短くなり注入量も少なくなる。その結果、
注入率が低下するが、逆に、圧力下降速度を下げると注
入時間が長くなり注入量も多くなる。その結果、注入率
が増加する。したがって、圧力下降速度を変化させるこ
とにより、単位時間当たりの注入量が変化するので、圧
力下降速度を調節することにより注入率を制御すること
が可能となる。これらの制御は、圧力を調節する手段に
より行われるが、該圧力調節の作動はコンピューター及
びアクチュエーターで自動的に作動させることができ
る。
【0047】本発明においては、肉塊中に分散しにくい
物質であっても均一に注入分散させることができる。肉
塊中に分散しにくい物質としては、酵素、微生物(乳酸
菌、酵母等)、植物タンパク質等の高分子物質や食肉を
構成する物質との反応性が高い物質等があり、肉塊中に
注入された後移動しにくく、力学的刺激や静置期間等の
手段を設けても分散しにくいものである。しかし、本発
明の均一分散インジェクション方法では、注入最高圧力
が、前記の多針型インジェクション方法に比べて高く、
また、圧力下降速度を制御することにより、これら分散
しにくい物質をも肉塊中に均一に分散させることができ
る。
【0048】本発明のピックルインジェクターは、ノズ
ル間隔を10mm以下、例えば5.6mmと狭くして注
入することができるので、高密度の均一な注入が可能と
なり、初発注入圧力を調節することにより注入深度を制
御することができるため、液状物質が肉塊に注入された
時点で均一に分散されており、肉塊中で分散しにくい物
質も注入と同時に肉塊全体に均一に分散する。
【0049】本発明のピックルインジェクターを用いて
肉塊中へ液状物質を注入分散させる場合、複数の噴射
部、例えば複数の直進水流噴射ノズル先端を、搬送コン
ベア等からなる搬送部により間欠的に搬送されてくる搬
送トレー内の食肉塊に当接させ、食肉塊を噴射部で押さ
えた状態で液状物質を直線的に噴射させて注入し、搬送
トレーにより食肉塊の横方向への膨張を防止したり、食
肉塊の両面から液状物質を注入することが望ましい。ま
た、食肉の塩漬又は調味に用いる場合、直進水流噴射ノ
ズルと注入対象物である肉塊との間にクリアランスを設
けると直進性が強すぎて分散が悪くなる。しかし、クリ
アランスが大きいほど空気の混入割合が高くなり、硬い
赤身肉などに適用すると、テクスチャーの変わった肉製
品が得られる場合もある。
【0050】本発明のピックルインジェクターは、食肉
塊に液状物質を注入する場合の注入位置を決める機構、
すなわち注入位置決め機構を有している。注入位置決め
機構としては、噴射部が少なくとも食肉塊の搬送方向に
おいて固定されたものと噴射部が少なくとも食肉塊の搬
送方向に移動するものとに大別することができる。
【0051】噴射部が少なくとも食肉塊の搬送方向にお
いて固定されている場合、注入位置決め機構としては、
従来の多針型インジェクターにおけると同様に、食肉塊
を該固定噴射部のある所定位置まで間欠的に搬送してく
るコンベアを例示することができ、食肉塊が静止状態に
あるときに液状物質を注入する。そして、肉厚が一定の
場合は該固定噴射部を上下動させる必要はないが、通常
は食肉塊が所定位置まで搬送され静止状態にあるとき
に、該固定噴射部が下降して食肉塊の上面からあるいは
該固定噴射部が上昇して食肉塊の下面から液状物質を注
入する。
【0052】他方、噴射部が移動する場合、注入位置決
め機構としては、その先端に噴射部を有するロボットハ
ンドを例示することができる。ロボットハンドは、連続
又は間欠的に搬送されてきた食肉塊に応じて、その噴射
部を有する先端部がコントローラ等で制御され、X,
Y,Z軸動が可能である(上下左右前後方向に自由に可
動しうる)ものが望ましい。このようなロボットハンド
を有するピックルインジェクターを用いて肉塊中へ液状
物質を注入分散させる場合、1又は2以上の方向から注
入することができる。注入の方向については、上から下
への方向に限定されるものではなく、ノズルの位置や肉
塊の載置台を順次移動・回転することにより、横から又
は下からなど1又は2以上の方向から注入することがで
きる。
【0053】また、X,Y,Z軸動に加えて、食肉塊の
どの面からも注入可能なようにその先端部が全方位に向
けることができるロボットハンドを用いることもでき
る。このようなロボットハンドを有するピックルインジ
ェクターを用いると、食肉塊の形状を光センサー等によ
り自動的に計測し、計測した肉塊の形状に応じて、肉塊
の載置台を順次移動・回転することなく、2方向以上の
方向から同時又は順次注入することができる。
【0054】そして、上記噴射ロボットハンドの先端部
に、食肉塊搬送用手段を設けておくと、ロボットハンド
で食肉塊を移動させながら液状物質を注入し、注入終了
と同時に次の処理工程へ処理済食肉塊を搬送するように
することもできる。このロボットハンドの先端部に食肉
塊搬送用手段を設けて食肉塊を移動させながら液状物質
を注入する場合、肉固定用スライドガイドで、注入時に
両側から肉塊を固定してから注入することが、肉に損傷
を与えないという観点から望ましいが、肉の筋線維等の
組織を切断したいような場合には肉塊を連続的に移動し
ながら直進水流を注入してもよい。このような食肉塊搬
送用手段としては、搬送用の爪や、搬送用の吸引部を有
するものを例示することができるが、搬送の確実性から
搬送用爪を有するものが好ましい。
【0055】そして、これらのロボットハンドの注入位
置決め機構や搬送用爪等による移動しながらの注入処理
は、予め設定されたプログラムや、食肉塊の形状等に基
づくプログラムにより運転することが好ましい。
【0056】上記のように構成されたピックルインジェ
クターは、注射針を使用しないことから、ノズルの間隔
を従来の多針型ピックルインジェクターに比較し格段に
狭めることができ、かつ、噴射部の構成として分岐配管
を平行にしたマニホールドを1乃至複数個連結し、1つ
の駆動で複数の平行な噴射を高密度で行うことを実現し
たので、1回の処理で液状物質を効率良く肉塊中に注入
すると同時に分散させることができる。
【0057】また、本発明に用いられるピックルインジ
ェクターは高圧水発生装置を用いて、肉の抵抗圧力より
も格段に高い圧力で注入するので、硬い肉も軟らかい肉
も同様に均一に注入することが可能であり、従来の多針
型ピックルインジェクターの場合に問題となっていた肉
質の注入抵抗の差は、ほとんど影響しない。
【0058】本発明の場合、針を使用しないため針によ
る肉塊内部の微生物の汚染がなく、注入液が注入と同時
に肉中に緻密に分散するため、注入時に肉からの注入液
の漏出がほとんどない。従って、注入により微生物に汚
染された注入液を使用することなく製造可能となる。こ
のように、本発明によると、注入液の肉中での分散が均
一であり、バラツキも小さいため、安定した品質で、か
つ安全性についても、細菌数、水分活性値において、食
品衛生法の規格基準に合致するものが得られる。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げてこの発明をさらに具体
的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施
例に限定されるものではない。本発明のピックルインジ
ェクターを用いて、豚バラ肉に対してピックル液を注入
し、ベーコンを製造した場合について、図1〜6を参照
して説明する。図1は2つの噴射部を有するピックルイ
ンジェクターを備えた本発明の食肉加工装置の長手方向
の概略縦断面図である。図2は該食肉加工装置の短手方
向の概略縦断面図である。図3は該食肉加工装置の反転
手段による搬送トレーの反転の様子を示す説明図であ
る。図4は同じく該食肉加工装置の反転手段による搬送
トレーの反転の様子を示す説明図である。図5は同じく
該食肉加工装置の反転手段による搬送トレーの反転の様
子を示す説明図である。図6は該食肉加工装置の概略上
面図である。
【0060】図1〜6において、1は搬送トレー、2は
搬送コンベア、3は第一噴射部、4は第二噴射部、5は
マニホールド、6は直進水流噴射ノズル、7はバルブユ
ニット、8はバルブ、9は反転装置、10はトレー昇降
アーム、11は搬送トレーの側面突出部、12はトレー
昇降シリンダ、13は反転機構、Mは豚バラ肉、M1は
豚バラ肉の既注入面、M2は豚バラ肉の未注入面をそれ
ぞれ示す。
【0061】搬送トレー1に収容された豚バラ肉Mは、
間欠的に移動する搬送コンベア2により第一噴射部3の
下に搬送されてくると、第一噴射部3が下降し、第一噴
射部3に設けられた8個のマニホールド5の複数の直進
水流噴射ノズル6の先端が搬送トレー1内の豚バラ肉M
を押さえつけた状態で、バルブユニット7の各バルブ8
が順次開閉されていき、豚バラ肉Mの片面全体にピック
ル液が注入された。注入後の豚バラ肉Mが収容された搬
送トレー1は、搬送コンベア2により反転ステーション
まで搬送される(図3参照)。
【0062】搬送トレー1が搬送コンベア2により反転
ステーションまで搬送されると、反転装置9のトレー昇
降アーム10が閉じて搬送トレー1の側面突出部11を
支持した状態でトレー昇降シリンダ12により、下向き
で待機している空の搬送トレー1と当接するまで上方に
持ち上げられ(図4参照)、トレーチャックでクランプ
した状態で反転機構13により反転される(図5参
照)。上記空の搬送トレーに豚バラ肉の既注入面M1が
下に、未注入面M2が上にくるように移載された後、ト
レー昇降シリンダ12によりもとの反転ステーションの
位置まで下降する。この搬送トレー1に収容された豚バ
ラ肉Mは、間欠的に移動する搬送コンベア2により第二
噴射部4の下に搬送され、同様にピックル液が未注入面
M2の全面に注入された。
【0063】ピックル液の注入条件は、初発注入圧力を
350kg/cm2 、注入時間を約0.2秒とし、バル
ブ開放後の圧力の制御をしなかった場合と圧力を制御し
た場合との比較を行った。図7はバルブ開放後の圧力の
制御をしなかった場合の注入2回分の注入圧力の変化を
表す図であり、図8はバルブ開放後の圧力を制御した場
合の注入2回分の注入圧力の変化を表す図である。
【0064】図7に示すように、バルブ開放後の圧力の
制御をしなかった場合、バルブ開放直後に圧力が急激に
低下し、その後の圧力下降速度が遅くなった。注入終了
直後の豚バラ肉を切断し、断面を評価したところ、注入
部分の中心部にピックル液が滞留しており、その前後は
殆ど分散が見られなかった。また、注入後常法に従い製
造したベーコンにおいてもピックル液の滞留が認めら
れ、ピックル液が分散していない部分は断面の発色が不
十分であった。
【0065】他方、図8に示すように、バルブ開放後の
圧力の制御をした場合、バルブ開放後の圧力下降速度は
ほぼ一定となり、圧力は徐々に低下した。注入終了直後
の豚バラ肉を切断し、断面を評価したところ、注入部分
の中心部にピックル液の滞留は認められず、注入部分全
体に均一に分散していた。また、注入後常法に従い製造
したベーコンにおいてもピックル液の滞留が認められ
ず、全体に均一に発色した高品質の製品が得られ得た。
【0066】表1は、豚バラ肉20枚にピックル液を注
入した場合の注入率を示す。バルブ開放後の圧力の制御
をしなかった場合、ピックル液の滞留部分よりのピック
ル液の漏出が認められたため、注入率のバラツキが大き
かったが、バルブ開放後の圧力の制御をした場合、注入
率のバラツキが極端に小さくなった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にあっては、次に列挙するような効果がある。 1.肉塊中へ液状物質を従来に比べて優れた均一さで注
入分散させることが可能となり、肉質の注入抵抗の差に
よる液状物質の注入の不均一を解決することができる。 2.肉塊中で分散の悪い物質を物理的に分散させること
に利用することができ、ピックル液組成に今まで利用で
きなかった物質を使うことができる。 3.注入直後で、均一な分散がほぼ完了しているため、
タンブリングマシンやマッサージマシン等で力学的な刺
激を長時間与える必要がなく、塩漬時間又は調味時間を
大巾に短縮することが可能となる。 4.初発注入圧力を調節することにより注入深度を制御
する方法が得られたため、薄い肉から厚いブロック肉ま
で液状物質を均一に注入分散させることが可能となり、
また、無針型の為、多針型では不可能もしくは不具合で
あった魚肉や骨付き、皮付きの原料肉に対しても、液状
物質を均一に注入分散させることが可能となった。 5.初発注入圧力を調節することにより注入深度を制御
する方法と、注入時間を調節することにより注入量を制
御する方法が得られたため、圧力下降速度を調節するこ
とにより注入率を制御することが可能となり、注入率の
異なる多規格の製品を製造することが可能となった。 6.先に開発した前記のピックルインジェクターに比べ
て安価な部材・部品を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2つの噴射部を有するピックルインジ
ェクターを備えた本発明の食肉加工装置の長手方向の概
略縦断面図である。
【図2】本発明の2つの噴射部を有するピックルインジ
ェクターを備えた食肉加工装置の短手方向の概略縦断面
図である。
【図3】本発明の2つの噴射部を有するピックルインジ
ェクターを備えた食肉加工装置の反転手段による搬送ト
レーの反転の様子を示す説明図である。
【図4】本発明の2つの噴射部を有するピックルインジ
ェクターを備えた肉加工装置の反転手段による搬送トレ
ーの反転の様子を示す説明図である。
【図5】本発明の2つの噴射部を有するピックルインジ
ェクターを備えた食肉加工装置の反転手段による搬送ト
レーの反転の様子を示す説明図である。
【図6】本発明の2つの噴射部を有するピックルインジ
ェクターを備えた食肉加工装置の概略上面図である。
【図7】図7はバルブ開放後の圧力の制御をしなかった
場合の注入2回分の注入圧力の変化を表す図である。
【図8】図8はバルブ開放後の圧力を制御した場合の注
入2回分の注入圧力の変化を表す図である。
【符号の説明】
1 搬送トレー 2 搬送コンベア 3 第一噴射部 4 第二噴射部 5 マニホールド 6 直進水流噴射
ノズル 7 バルブユニット 8 バルブ 9 反転装置 10 トレー昇降ア
ーム 11 搬送トレーの側面突出部 12 トレー昇降
シリンダ 13 反転機構 M 豚バラ肉 M1 豚バラ肉の既注入面 M2 豚バラ肉の
未注入面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め所定の圧力に高められている高圧の
    液状物質を、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ注入
    するインジェクション方法であって、高圧の初発注入圧
    力で注入を開始し、その後、注入圧力が変化するように
    注入圧力を制御しながら液状物質を注入することを特徴
    とする食肉塊への液状物質のインジェクション方法。
  2. 【請求項2】 配管内の予め所定の圧力に高められてい
    る高圧の液状物質を、該配管に設けられたバルブを開
    き、高圧の初発注入圧力で注入を開始し、その後注入圧
    力を低圧又はゼロまで下降させながら注入することを特
    徴とする請求項1記載の食肉塊への液状物質のインジェ
    クション方法。
  3. 【請求項3】 初発注入圧力の高圧化と注入圧力の制御
    とをサーボモーターを用いて行うことを特徴とする請求
    項1又は2記載の食肉塊への液状物質のインジェクショ
    ン方法。
  4. 【請求項4】 トレー内の食肉塊を複数の噴射部で押さ
    えつけ、各噴射部から順次液状物質を注入し、トレーに
    より食肉塊の横方向への膨張を防止することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか記載の食肉塊への液状物質の
    インジェクション方法。
  5. 【請求項5】 食肉塊の両面から液状物質を注入するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の食肉塊へ
    の液状物質のインジェクション方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の食肉塊への液状物質
    のインジェクション方法を用いることを特徴とする食肉
    製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 食肉塊に予め所定の圧力に高められてい
    る高圧の液状物質を注入する装置であって、高圧液発生
    部と、直進水流噴射ノズルを有する液状物質の噴射部
    と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入するに際し、
    高圧の初発注入圧力で注入を開始するためのバルブと、
    液状物質を注入しながら、注入圧力が変化するように注
    入圧力の制御を行うことができる圧力制御部とを備えた
    ことを特徴とするピックルインジェクター。
  8. 【請求項8】 単流を複流に分岐するマニホールドが複
    数個連結された噴射部と、液状物質の噴射部と、それぞ
    れ独立して開閉することができる複数のバルブからなる
    バルブユニットと、モーターの回転数を制御することに
    より注入圧力の制御を行うことができる圧力制御部とを
    備えたことを特徴とする請求項7記載のピックルインジ
    ェクター。
  9. 【請求項9】 食肉塊の搬送部と、該搬送部の上方に配
    置された2つの噴射部を有する、請求項7又は8記載の
    ピックルインジェクターと、該ピックルインジェクター
    の2つの噴射部間の搬送部に設けられた食肉塊反転手段
    とを備えた食肉加工装置。
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