JP3636288B2 - 連続高速処理ピックルインジェクター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特開平11−89542号公報記載の本発明者らによって開発されたピックルインジェクターの改良に係り、豚肉、牛肉、家畜肉等の食肉塊に、連続的にピックル液や調味料等の液状物質を注入し、液状物質を均一に分散させることができる生産性が向上した連続高速処理ピックルインジェクターに関する。
【0002】
【従来の技術】
食肉加工には食肉に塩漬剤や調味料を均一に分散させるニーズがあり、多針型のピックルインジェクターが従前より使用されてきたが、ピックル液あるいは調味液の注入直後は、針の刺さった部分に液が溜まった状態であり、タンブリンマシンやマッサージマシン等で力学的な刺激を与え、かつ、ピックル液あるいは調味液が肉塊中に浸透し、均一に分散するまで放置しておいてからでないと、次工程に進むことができず、したがって、ロースハムやボンレスハムの塩漬又は焼き豚の調味に何日もかかるという問題があり、しかも、多針型のピックルインジェクターにおけるピックル液の注入圧はその構造上12kg/cm2程度が限度であり、調味液の中に含まれる物質のうち、食塩のように低分子のものは、肉塊中で移動しやすいが、高分子のものや、食肉を構成する物質との反応性の高いものは、肉塊中で移動しにくく、その結果として分散が悪いという欠点があった。
【0003】
そこで、本発明者らは先に上記問題を解決した無針型のピックルインジェクターを開発した。すなわち、本発明者らによる特開平11−89542号公報には、食肉の厚みが薄いものばかりでなく、厚い原料肉に対しても、またその形状や大きさが種々異なる原料肉に対して、肉質を損なうことなく、効率良く、連続的にピックル液や調味液を肉塊中に均一に分散させ、タンブリングマシンやマッサージマシン等を長時間使わなくても塩漬や調味を達成することができ、更に肉質の注入抵抗の差が有ってもピックル液や調味液を均一に分散させることができる実用的なピックルインジェクターが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記特開平11−89542号公報記載のピックルインジェクターによる生ハム等の生産性を一層向上させることができる連続高速処理が可能なピックルインジェクターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究し、食肉塊の搬送を連続搬送とし、液状物質の注入開始から終了までの注入動作を繰り返し行うことができ、該注入動作の間に連続的に搬送されてくる食肉塊の搬送速度と同期した移動速度で移動しながら液状物質を注入することができる噴射部を複数設け、これら噴射部それぞれの注入動作のタイミングをコントロールすることにより、単位時間当たりの注入効率が高まり、生産性を向上させることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、食肉塊に液状物質を注入する装置であって、1又は2列以上の食肉塊の連続搬送コンベアと、該連続搬送コンベアにより連続的に搬送されてくる食肉塊の搬送速度と同期した移動速度で移動しながら食肉塊に液状物質を注入することができ、いずれか1の噴射部のみが、食肉塊へ液状物質を注入する注入動作を行うことができるようにタイミング設定がなされている2以上の噴射部と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入するに際し、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構を有する圧力制御部とを備えたことを特徴とするピックルインジェクター(請求項1)に関する。
【0007】
また本発明は、噴射部が、食肉塊の連続搬送速度と同期した移動速度で移動しながら昇降する噴射部であることを特徴とする請求項1記載のピックルインジェクター(請求項2)や、2以上の噴射部が、食肉塊の連続搬送方向上方に沿って1列に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のピックルインジェクター(請求項3)や、1列に設けられている2以上の噴射部の間隔が、噴射部の食肉塊の連続搬送方向の長さと噴射部数との積の整数倍の長さであることを特徴とする請求項3記載のピックルインジェクター(請求項4)や、2以上の噴射部が、連続搬送される2列以上の食肉塊の各列の上方に少なくとも1以上設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のピックルインジェクター(請求項5)や、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構が、複数の高圧ポンプを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のピックルインジェクター(請求項6)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のインジェクターは、食肉塊に液状物質を注入する装置であって、1又は2列以上の食肉塊の連続搬送手段と、該連続搬送手段により連続的に搬送されてくる食肉塊の搬送速度と同期した移動速度で移動しながら食肉塊に液状物質を注入することができる2以上の噴射部と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入するに際し、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構を有する圧力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明における食肉としては、豚肉、牛肉、家禽肉、馬肉、羊肉及びこれらの内臓肉、骨付き肉及び皮付き肉、並びに魚肉等を例示することができ、食用に供される肉であればどのような肉をも使用することができる。
【0010】
本発明における食肉塊の連続搬送手段としては、所定の幅を有する食肉塊を連続的に搬送することができるものであればどのようなものでもよく、例えば、搬送方向に沿う両側に立設部を有する無端ベルトコンベアを具体的に挙げることができる。また、搬送手段は必要に応じて複数列平行に配設することができ、例えばn列平行に設けた場合の搬送速度は、1列の場合の搬送速度の1/nに設定することが好ましい。
【0011】
本発明における液状物質としては、塩漬用のピックル液、調味用の調味液の他、脂質等の組織改良剤、天然保存剤、天然色素剤、酵素、微生物等の溶液、分散懸濁液を例示することができ、直進水流噴射ノズル等噴射部から食肉塊に注入しうる液状のものであれば、気体状のガスを含むものなど、いかなるものでも使用することができる。
【0012】
本発明における噴射部としては、上記液状物質の注入開始から終了までの注入動作を繰り返し行うことができ、該注入動作の間に連続的に搬送されてくる食肉塊の搬送速度と同期した移動速度で移動しながら液状物質を注入することができるものであればどのようなものでもよく、本発明のピックルインジェクターはかかる噴射部を2以上備えている。また、噴射部は、高圧液発生部・圧力制御部から高圧配管を経由して移送されてくる液状物質を食肉塊に注入することができるものであり、かかる噴射部としては高圧配管からの単流を複流に分岐するマニホルドを具体的に例示することができ、かかるマニホルドとしては、先端部に直進水流噴射ノズルを有する平行に並べられた配管をその内部に有するものが好ましい。そして、ピックルインジェクターを用いて肉塊中へ液状物質を注入分散させる場合、直進水流噴射ノズル先端を食肉塊に当接させ、液状物質を直線的に噴射させて食肉塊に液状物質を注入分散させることが望ましい。
【0013】
上記高圧液発生部としては、液状物質を高圧、例えば7〜3000kg/cm2にしうるものであれば、どのような機構のものでもよく、例えばプランジャーポンプや流体圧シリンダ等の往復ポンプ、回転ポンプ、渦巻ポンプなどのポンプ類を挙げることができるが、別に液状物質を高圧にしうるものであればポンプ以外のものでもよい。プランジャーポンプ等のポンプをモータの回転数を制御することにより駆動してポンプの出力を制御する場合など、高圧液発生部と後述する圧力制御部とを一体的に構成することもできる。
【0014】
本発明における圧力制御部は、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構を有するものであればどのようなものでもよいが、高圧液発生部での圧力を制御する手段を有するもの、高圧配管中や噴射部の圧力を制御する手段を有するもの、及びこれらを組み合わせて制御するものに大別することができる。高圧液発生部での圧力を制御する手段を有するものとしては、例えばプランジャーポンプのプランジャーの駆動を、サーボモータ、ステッピングモータ、あるいはインバータを有する3相モータを使用してモータの回転数を制御することにより行い、高圧液発生部の出力、すなわち注入圧力の制御を行うものを好ましい例として示すことができる。
【0015】
また、本発明のピックルインジェクターは高生産性であり、単位時間当たりの注入量も当然のことながら増加し、上記サーボモータ等を利用した高圧ポンプにかかる負荷も大きくなることから、配管系に高能力の高圧ポンプを使用することが好ましい。しかし、かかる高圧ポンプは、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構としても用いられることから、ポンプの流量を高め得ると同時に、精確な圧力制御性能も要求されることになる。本発明者らは、大型の高圧ポンプを1台用いるより、小型の高圧ポンプを複数台用いる方が圧力制御性能の面やコスト面等で有利となることを見い出した。また、従来のインジェクターに比して、高圧ポンプの数をp倍にすると、各ノズルから噴射される注入圧力を従来と同じにするため噴射部におけるノズル数もp倍とすることができ、生産性を単純にp倍に向上させることができる。また、連続搬送ベルトコンベアの一列につき2つの噴射部を設け、各噴射部からの注入動作を順次間断なく実施することで注入回数を2倍とすることができることから、例えば、高圧ポンプ数をp倍に増やすことにより生産性は2p倍になり、より一層の生産性の向上を達成することができる。
【0016】
そして、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構を有する圧力制御部を備えた本発明のピックルインジェクターを用いる場合は、前記特開平11−89542号公報に詳しく説明されているように、通常注入圧力の上昇速度は100〜20000kg/cm2・秒の範囲に設定される。このように漸次連続的に上昇させるように変化させることで、液状物質を食肉塊へ均一に分散させることができる。直進水流噴射ノズルを用いると、肉塊中への液状物質の注入及び分散の特性として、注入された液状物質は、肉組織の抵抗によりある一定の深度で横方向へ分散し、注入圧力が漸次上昇するとその注入圧力に見合った注入深度となり、その深度における肉組織の抵抗により、横方向に分散する。そして、かかる現象が液状物質の注入深度の増加と共に繰り返し生じ、肉塊の表面から底部まで液状物質が均一に分散されていくことになる。したがって、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させると、注入した液状物質の均一分散性に優れた製品が得られる。
【0017】
本発明のピックルインジェクターによる食肉塊への液状物質の注入は、前記2以上の噴射部のいずれか1の噴射部のみが、食肉塊へ液状物質を注入する注入動作を行うことができるように設定しておくことが好ましく、また、液状物質の注入開始から終了までの注入動作を前記2以上の噴射部のいずれか1の噴射部から順次行うことができるように設定しておくことがより好ましい。連続的に搬送されてくる食肉塊に2以上の噴射部から順次連続的に液状物質を注入することにより、液状物質の単位時間当たりの注入回数を増加させることが可能となり、例えば、前記のように、連続搬送ベルトコンベアの一列につき2つの噴射部を設け、各噴射部からの注入動作を順次間断なく実施することで注入回数を2倍とすることができ、生産性を2倍に向上させることができる。2以上の噴射部は、食肉塊の連続搬送方向に沿って1列に設けたり、連続搬送される2列以上の食肉塊の各列の上方に少なくとも1以上設けることができる。そして、1列に2以上の噴射部が設けられる場合には、各噴射部の間隔は、食肉塊の連続搬送方向の長さと噴射部数との積の整数倍の長さであることが、食肉塊に液状物質を過不足なく注入する点で好ましいが、一部重複して注入することもできる。
【0018】
各噴射部は、前記ノズル先端が連続的に搬送されてくる食肉塊に接触するまで下降、注入動作の間に連続的に搬送されてくる食肉塊の搬送速度と同期した移動速度での移動、上昇、食肉塊の搬送方向と反対方向への移動・復帰、下降を順次繰り返すが、かかる上昇・下降も食肉塊の連続搬送速度と同期した移動速度で移動しながら昇降することが、食肉塊表面を傷つけない点で好ましい。また、2以上の噴射部のそれぞれの稼動タイミングは、1の噴射部が注入動作が終了するとほぼ同時に、次の噴射部が注入動作を開始することができるように設定することが好ましく、その場合、1の噴射部の注入動作と高圧液発生部における高圧液の発生が同期するように設定することが好ましい。
【0019】
そして、液状物質の食肉塊への注入時には、注入最高圧力まで上昇させることが好ましく、かかる注入最高圧力は、食肉塊の物性(赤身と脂肪の割合、肉の硬さ、骨の有無等)、食肉塊の肉厚・形状、液状物質の物性(溶質又は分散質の分子量、粘度、肉成分との反応性の有無等)、直進水流噴射ノズル先端と食肉塊との距離等によっても種々調整可能であるが、通常300〜2000kg/cm2の範囲に設定される。この場合、本発明のピックルインジェクターにおける高圧液発生部は、3000kg/cm2までの範囲で種々の圧力を付与する能力を有するものが望ましい。なお、肉塊中への液状物質の注入深度を制御できる注入最高圧力等については前記特開平11−89542号公報に詳しく説明されている。
【0020】
本発明のピックルインジェクターを用いると、前記のように、直進水流噴射ノズルからの液状物質の注入最高圧力に到達するまでの注入時間を制御・調節することによって、液状物質の注入量を制御することができる。注入最高圧力に到達するまでの注入時間は、肉質、液状物質の物性等によって種々設定しうるが、通常0.05〜10秒、好ましくは0.1〜5秒、より好ましくは0.3〜2秒に設定される。そして、本発明のピックルインジェクターを用いて、圧力上昇速度を100〜20000kg/cm2・秒、好ましくは200〜10000kg/cm2・秒、より好ましくは1000〜4000kg/cm2・秒に設定して、注入しながら制御することにより、液状物質を均一かつ効率よく肉塊中に分散させることができる。
【0021】
次に、2つの噴射部を備えた本発明のピックルインジェクター、特にその噴射部の機構・動作等を図面に基づいてさらに具体的に説明する。図1は本発明のピックルインジェクターの概略斜視図、図2は噴射部の正面図、図3は噴射部の平面図、図4は噴射部の側面図、図5は連続搬送ベルトコンベアが1列幅の場合の注入動作説明図、図6は連続搬送ベルトコンベアが2列幅の場合の注入動作説明図、図7は噴射部のタイミングチャートを示す図、図8は液状物質の配管系の構成を模式的に示す図である。
【0022】
図1に示される本発明の無針型ピックルインジェクターは、高圧液発生部と圧力制御部とが一体的に構成され、かかる高圧液発生部・圧力制御部は、その中に液状物質が収容されている液体タンク1と、ダイヤフラムポンプ2と、サーボモータ3、高圧プランジャーポンプ4、耐圧4200kg/cm2のステンレス配管からなる高圧配管5、切替バルブ6及び耐圧3500kg/cm2のフレキシブルホース7とからなり、サーボモータ3により高圧プランジャーポンプ4を駆動させることにより、液体タンク1からの液圧をゼロ又は低圧から漸次上昇させることができる。また図1において、8は食肉塊を、9は連続搬送ベルトコンベアを、10は噴射部を示している。
【0023】
図2〜4には、噴射部10が連続搬送ベルトコンベア9上の食肉塊8の搬送方向に沿って2つ並んだ場合の噴射手段11が示されている。各噴射手段11は、噴射部10を駆動するための搬送サーボモータ12と、搬送サーボモータ12の駆動を伝えるタイミングベルト13と、タイミングベルト13により正逆回転自在なボールネジ14と、ボールネジナット15と、ボールネジ14とボールネジナット15により搬送方向に進退自在に螺着されている噴射部支持体16と、噴射部(マニホルド)10を搬送方向にスムーズに進退自在にスライドさせるための2本の水平スライドシャフト17と水平スライドベアリング18と、噴射部支持体16に設けられた垂直スライドベアリング19を介して昇降自在に嵌挿されている垂直スライド上部シャフト20と、これら垂直スライド上部シャフト20に固着されている上部連結板21にピストンロッド22の端部23が固着され、シリンダ24の下端部が噴射部支持体16に固定されているシリンダピストンと、垂直スライド上部シャフト20に固着されている下部連結板25の両端部近傍に設けられた垂直スライドベアリング26を介して昇降自在に嵌挿されている垂直スライド下部シャフト27と、これら垂直スライド下部シャフト27に固着されている噴射部固定板28と、この噴射部固定板28に固定されている下端に噴射ノズルを備えた噴射部(マニホルド)10とから構成されており、この噴射部(マニホルド)10に高圧の液状物質を導入するフレキシブルホース7が接続されている。
【0024】
噴射部(マニホルド)の搬送方向駆動機構は、タイミング制御部(図示せず)からの信号に基づき正逆自在に回転する搬送サーボモータ12の駆動がタイミングベルト13を介してボールネジ14に伝えられ、ボールネジ14が正逆回転すると、ボールネジ14にボールネジナット15を介して螺着されている噴射部支持体16が2本の水平スライドシャフト17にガイドされて搬送方向に進退自在に移動するようになっている。噴射部(マニホルド)10の搬送方向前進速度は、連続搬送ベルトコンベア9の搬送速度と同期しており、液状物質の噴射注入中及び下降及び上昇中も連続搬送ベルトコンベア9の搬送速度と同じ速度で前進するようになっている。
【0025】
また、噴射部(マニホルド)10の昇降は、図4に噴射部(マニホルド)10の上昇時と下降時の状態が示されているように、シリンダ24へのピストンロッド22の進退により行われるが、搬送されてくる食肉塊8の厚みが一定でないことや、また液状物質の噴射注入により食肉塊8が膨らんでその高さが増すので、噴射部(マニホルド)10が上方向に逃げられる構造、すなわち噴射部(マニホルド)10を固定している噴射部固定板28に固着されている垂直スライド下部シャフト27が垂直スライドベアリング26を介して昇降しうるようになっている。
【0026】
噴射部(マニホルド)は、図5及び図6に示されているように、初期位置から下降、注入、上昇、復帰というサイクルで移動することになるが、前記のように、噴射部(マニホルド)10の搬送方向前進速度は、液状物質の噴射注入中及び下降及び上昇中も連続搬送ベルトコンベア9の搬送速度と同じ速度で前進するように、連続搬送ベルトコンベア9の搬送速度と同期するようになっているが、搬送速度よりもより速い速度で初期位置に復帰するように設定されている。連続搬送ベルトコンベア9は一定速度での連続運転が行われるが、その搬送速度は、通常、噴射方向の長さ、すなわち噴射部(マニホルド)10の搬送方向の長さと、噴射注入動作のサイクル時間によって決まり、例えば、噴射部(マニホルド)10の搬送方向の長さが60mm、1回当たりの噴射注入時間が2秒、すなわち2つある噴射部(マニホルド)から間断なく交互に噴射注入が行われるので1つの噴射部(マニホルド)の動作の1サイクル時間が4秒のとき、図5に示される食肉塊搬送ベルトコンベア9が1列幅の場合は毎秒3cmとなり、図6に示される連続搬送ベルトコンベア9が2列幅の場合は毎秒1.5cmとなる。
【0027】
連続搬送ベルトコンベア9が1列幅の図5に示される場合、噴出注入動作は120mmピッチで行われ、一方が他方の注入箇所の合間を間断なく注入することができるように、2つの噴射部(マニホルド)10の間隔は120mmの倍数の240mmに設定されている。連続搬送ベルトコンベア9が2列幅の図6に示される場合、噴射部(マニホルド)10の一方が搬送方向に対して直交する方向にスライドできるように構成されており、2倍の幅での注入が可能である。この場合、2つの噴射部(マニホルド)10は各々の列に対して独立して噴射を行うことになるので、噴射部(マニホルド)10間の間隔は適宜決めることができる。
【0028】
連続搬送ベルトコンベア9が1列幅の図5に示される場合も、連続搬送ベルトコンベア9が2列幅の図6に示される場合も、2つの噴射部(マニホルド)10の動作タイミングは同じであり、図7には噴射部のタイミングチャートが示されている。図7に示されているように、圧力制御部による注入圧力は各噴射部10における噴射注入と同期しており、搬送モータは噴射部(マニホルド)10の下降、噴射注入、上昇時は正方向に一定速度で回転し、復帰時は逆方向に回転し、初期位置での待機時は停止するようになっている。そしてこれらの動きはすべてタイミング制御部からの指令により行われている。
【0029】
このように、連続搬送ベルトコンベア9上の食肉塊8に2つの噴射部から交互に液状物質を間断なく注入するため、図1に示されるように、高圧配管5には切替バルブ6が設けられ、サーボモータ3の駆動による高圧プランジャーポンプ4から圧力の制御された高圧液を間断なく交互に噴射部(マニホルド)10に圧送することができるようになっている。そして、本発明のインジェクターにおける配管系の構成が模式的に示されている図8により、液状物質の流れの具体例を説明すると、液体タンク1に収容されているピックル液等の液状物質は、前記サーボモータ3の駆動と連動するダイヤフラムポンプ2により、流路切替バルブ30、31を介して2系列の濾過器32のいずれかに移送され、濾過された後、並列に配置された3台の高圧ポンプにより、制御された圧力で高圧配管5に設けられた切替バルブ6を介して、ラインフィルター33、フレキシブルホース7を経由して、制御された注入圧力で噴射部(マニホルド)10から噴射される。図8中、34は圧力センサー、35はセンサーバルブを示す。
【0030】
【発明の効果】
本発明のピックルインジェクターを用いると、豚肉、牛肉、家畜肉等の食肉塊に、連続的にピックル液や調味料等の液状物質を注入し、液状物質を均一に分散させることができるばかりでなく、かかる液状物質の均一分散処理を高速かつ連続的に行うことができ、単位時間当たり及び装置1台当たりの生ハム等の生産性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピックルインジェクターの概略斜視図である。
【図2】本発明のピックルインジェクターにおける噴射部の正面図である。
【図3】本発明のピックルインジェクターにおける噴射部の平面図である。
【図4】本発明のピックルインジェクターにおける噴射部の側面図である。
【図5】本発明の連続搬送ベルトコンベアが1列幅のピックルインジェクターにおける注入動作の説明図である。
【図6】本発明の連続搬送ベルトコンベアが2列幅のピックルインジェクターにおける注入動作の説明図である。
【図7】本発明のピックルインジェクターにおける噴射部のタイミングチャートを示す図である。
【図8】本発明のピックルインジェクターにおける液状物質の配管系の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 液体タンク
2 ダイヤフラムポンプ
3 サーボモータ
4 高圧プランジャーポンプ
5 高圧配管
6 切替バルブ
7 フレキシブルホース
8 食肉塊
9 連続搬送ベルトコンベア
10 噴射部(マニホルド)
Claims (6)
- 食肉塊に液状物質を注入する装置であって、1又は2列以上の食肉塊の連続搬送コンベアと、該連続搬送コンベアにより連続的に搬送されてくる食肉塊の搬送速度と同期した移動速度で移動しながら食肉塊に液状物質を注入することができ、いずれか1の噴射部のみが、食肉塊へ液状物質を注入する注入動作を行うことができるようにタイミング設定がなされている2以上の噴射部と、該噴射部から食肉塊へ液状物質を注入するに際し、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構を有する圧力制御部とを備えたことを特徴とするピックルインジェクター。
- 噴射部が、食肉塊の連続搬送速度と同期した移動速度で移動しながら昇降する噴射部であることを特徴とする請求項1記載のピックルインジェクター。
- 2以上の噴射部が、食肉塊の連続搬送方向上方に沿って1列に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のピックルインジェクター。
- 1列に設けられている2以上の噴射部の間隔が、噴射部の食肉塊の連続搬送方向の長さと噴射部数との積の整数倍の長さであることを特徴とする請求項3記載のピックルインジェクター。
- 2以上の噴射部が、連続搬送される2列以上の食肉塊の各列の上方に少なくとも1以上設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のピックルインジェクター。
- 注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させうる圧力制御機構が、複数の高圧ポンプを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のピックルインジェクター。
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