JP2000157120A - 両軸受リールの制動機構 - Google Patents

両軸受リールの制動機構

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JP2000157120A
JP2000157120A JP10336984A JP33698498A JP2000157120A JP 2000157120 A JP2000157120 A JP 2000157120A JP 10336984 A JP10336984 A JP 10336984A JP 33698498 A JP33698498 A JP 33698498A JP 2000157120 A JP2000157120 A JP 2000157120A
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Japan
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rotation
handle shaft
spool
pressing
drag
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JP10336984A
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English (en)
Inventor
Shinichi Morimoto
伸一 森本
Hitoshi Katayama
仁志 片山
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Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドルの逆転によりあたりを知ることがで
きる両軸受リールのドラグ機構において、魚の急な引き
戻しや仕掛けの絡みが生じても釣り糸が切断しないよう
にする。 【解決手段】 両軸受リールの回転制御機構31は、リ
ール本体に対してハンドル軸30が糸繰り出し方向に回
転可能な両軸受リールのスプール10の糸繰り出し方向
の回転を制動する機構であって、メインドラグ機構41
と、サブドラグ機構42とを備えている。メインドラグ
機構41は、ハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が
禁止されるとスプール10の糸繰り出し方向の回転を制
動可能な機構である。サブドラグ機構42は、ハンドル
軸30の糸繰り出し方向の回転が許容されるとスプール
10の糸繰り出し方向の回転を制動可能な機構である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動機構、特に、
リール本体に対してハンドル軸が糸繰り出し方向に回転
可能な両軸受リールのスプールの糸繰り出し方向の回転
を制動する両軸受リールの制動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】両軸受リールには、スプールの糸繰り出
し方向の回転を制動するためのドラグ機構が設けられて
いる。この種の両軸受リールのドラグ機構で、メインギ
アをハンドル軸に対して相対回転不能に固定し、ハンド
ル軸又はメインギアに糸繰り出し方向の制動力を加える
ドラグ機構が知られている。このドラグ機構は、ハンド
ル軸に螺合するスタードラグにより糸繰り出し方向への
回転が規制された部材にハンドル軸又はメインギアを押
圧することにより、ハンドル軸又はメインギアに糸繰り
出し方向の制動力を与えている。したがって、このよう
なドラグ機構を有する両軸受リールは、スプールとハン
ドルとが直結されている。
【0003】このようなドラグ機構を有する両軸受リー
ルは、船縁などへの置き竿で魚のあたりを待ち、あたり
があると合わせを行って直ちに巻き上げを開始する、た
とえば真鯛釣りのような釣りに使用される。すなわち、
この両軸受リールを真鯛釣りに使用する場合、ドラグ力
(スプールの糸繰り出し方向の制動力)を微小に設定し
ておく。そして、魚が餌を食べて仕掛けが繰り出される
と、ドラグ力が微小なため魚の引きによりスプールから
釣り糸が繰り出され、ハンドルが糸繰り出し方向に回転
する。このハンドルの糸繰り出し方向への回転により置
き竿しても魚のあたりを知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のハンドル軸
に対して相対回転不能なメインギアを有する両軸受リー
ルのドラグ機構では、スプールからハンドルまでが直結
されている。このため、合わせた後にハンドルを握って
釣り糸を巻き上げる操作を行うと、スプールが糸繰り出
し方向に回転できない。スプールが糸繰り出し方向に回
転できないと、魚の急な引き戻しや仕掛けの絡みが生じ
ると急激な張力が釣り糸に作用し、釣り糸が切断される
おそれがある。
【0005】本発明の課題は、ハンドルの逆転によりあ
たりを知ることができる両軸受リールのドラグ機構にお
いて、魚の急な引き戻しや仕掛けの絡みが生じても釣り
糸が切断しないようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルの制動機構は、リール本体に対してハンドル軸が糸繰
り出し方向に回転可能な両軸受リールのスプールの糸繰
り出し方向の回転を制動する機構であって、第1制動手
段と、第2制動手段とを備えている。第1制動手段は、
ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が禁止されるとスプ
ールの糸繰り出し方向の回転を制動可能な手段である。
第2制動手段は、ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が
許容されるとスプールの糸繰り出し方向の回転を制動可
能な手段である。
【0007】この制動機構では、ハンドル軸の糸繰り出
し方向の回転が許容されると、第2制動手段によりスプ
ールの糸繰り出し方向の回転が制動される。また、ワン
ウェイクラッチによる逆転禁止機能や手でハンドルを握
ること等によりハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が禁
止されると、第1制動手段によりスプールの糸繰り出し
方向の回転が制動される。したがって、たとえば真鯛釣
りを行う場合、第2制動手段の制動力を第1制動手段に
比べて微小に設定する。これにより、置き竿時のように
ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が許容された状態で
は、魚が餌を食べて仕掛けを引くと、第2制動手段が作
用してスプールが僅かな制動力で制動されつつ糸繰り出
し方向に回転する。スプールが糸繰り出し方向に回転す
ると、ハンドルが糸繰り出し方向に回転してあたりを知
ることができる。しかも、このときスプールに制動力が
作用するので、魚の引きによるバックラッシュが生じに
くい。あたりを確認して合わせを行った後にハンドルを
持って巻き上げる際には、ハンドル軸の糸繰り出し方向
の回転が禁止されるので、第2制動手段は作用せずに第
1制動手段が作用する。このため、魚の急な引き戻しや
仕掛けの絡みが生じても、釣り糸が第1制動手段で設定
された制動力で制動されながら繰り出される。したがっ
て、釣り糸に過大な張力が作用しにくくなり、釣り糸が
切断されにくくなる。
【0008】発明2に係る両軸受リールの制動機構は、
発明1に記載の機構において、第1制動手段は、ハンド
ル軸に回転自在に装着されたメインギアに対する押圧力
を変更することで制動力を調整可能である。この場合に
は、スプールを直接制動するのではなく、スプールに連
動して回転するメインギアを制動するので、制動手段の
構成が簡素になるとともに制動力の調整が容易になる。
【0009】発明3に係る両軸受リールの制動機構は、
発明2に記載の機構において、第1制動手段は、ハンド
ル軸に係合し回動によりハンドル軸の軸方向に進退する
第1操作部材と、第1操作部材とメインギアとの間でハ
ンドル軸の外周側に少なくとも一部がハンドル軸に連動
するように配置され第1操作部材によりメインギアに押
圧される1又は複数の第1押圧部材と、メインギアの第
1押圧部材と逆側でハンドル軸に回転不能かつ押圧方向
に移動不能に装着され、第1押圧部材を介して押圧され
るメインギアを支持するための第1受け部材とを有す
る。この場合には、第1操作部材を回動させると第1操
作部材がハンドル軸の軸方向に進退して第1押圧部材の
押圧力が変化し、第1押圧部材と第1受け部材とに挟ま
れたメインギアへの圧接力が変化する。ここでは、通常
の簡素な構成のスタードラグ型の制動機構で第1制動手
段の構成を実現できる。
【0010】発明4に係る両軸受リールの制動機構は、
発明3に記載の機構において、第1操作部材と第1押圧
部材との間に両部材に接触して配置されハンドル軸方向
に伸縮自在な第1弾性部材をさらに備える。この場合に
は、第1弾性部材の弾性力によって第1制動手段の制動
力を細かく調整できる。
【0011】発明5に係る両軸受リールの制動機構は、
発明1から4のいずれかに記載の機構において、第2制
動手段は、リール本体又はリール本体に対して少なくと
も糸繰り出し方向の回転が禁止された回転禁止部材にス
プールに連動して回転する回転部材を圧接させることに
よりスプールの糸繰り出し方向の回転を制動する。この
場合には、ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が許容さ
れた状態でも、リール本体又は回転禁止部材に回転部材
を圧接させることで、簡素な構成でスプールを確実に制
動できる。
【0012】発明6に係る両軸受リールの制動機構は、
発明5に記載の機構において、回転禁止部材は、ハンド
ル軸の外周側に配置された第1ワンウェイクラッチであ
り、第2制動手段は、ハンドル軸と第1ワンウェイクラ
ッチとの間に配置され、ハンドル軸の糸繰り出し方向の
回転が許容されると、ハンドル軸の糸繰り出し方向の回
転を制動する。この場合には、第2制動手段は、回転部
材をリール本体ではなくハンドル軸の外周側に配置され
た第1ワンウェイクラッチに圧接させることによりハン
ドル軸を制動しているので、第2制動手段もハンドル軸
の周囲に配置でき、2つの制動手段をコンパクトに配置
できる。
【0013】発明7に係る両軸受リールの制動機構は、
発明6に記載の機構において、第2制動手段は、1又は
複数の第1押圧部材のうちハンドル軸に連動して回転す
る第1押圧部材のいずれかに係合し回動により第1押圧
部材の軸方向に進退する第2操作部材と、第2操作部材
と第1ワンウェイクラッチとの間で第1押圧部材の外周
側に第1押圧部材と連動するように配置され第2操作部
材により押圧される1又は複数の第2押圧部材と、第1
ワンウェイクラッチの第2押圧部材と逆側で第1押圧部
材に回転不能かつ押圧方向に移動不能に連結され、第2
押圧部材を介して押圧される第1ワンウェイクラッチを
支持するための第2受け部材とを有している。この場合
には、ハンドル軸の外周側に配置された第1押圧部材に
係合する第2操作部材を回動させると第2操作部材が第
1押圧部材の軸方向に進退して第2押圧部材の押圧力が
変化し、第2押圧部材と第2受け部材とに挟まれた第1
ワンウェイクラッチへの圧接力が変化する。ここでは、
第1操作部材と第2操作部材とをハンドル軸の軸方向に
並べて配置することができるので、それぞれの制動操作
を手を持ち替えることなく簡単に行える。
【0014】発明8に係る両軸受リールの制動機構は、
発明7に記載の機構において、第2操作部材と第2押圧
部材との間に両部材に接触して配置されハンドル軸方向
に伸縮自在な第2弾性部材をさらに備える。この場合に
は、第2弾性部材の弾性力によって第2制動手段の制動
力を細かく調整できる。
【0015】発明9に係る両軸受リールの制動機構は、
発明5に記載の機構において、第2制動手段は、スプー
ルの回転軸に装着されメインギアに噛み合うピニオンギ
アとリール本体との間に配置され、ハンドル軸の糸繰り
出し方向の回転が許容されると、ピニオンギアの前記糸
繰り出し方向の回転を制動する。この場合には、ピニオ
ンギアを制動することによりスプールを制動しているの
で、第1制動手段の設定制動力に関わらず、第2制動手
段でスプールを確実に制動できる。
【0016】発明10に係る両軸受リールの制動機構
は、発明9に記載の機構において、第2制動手段は、ピ
ニオンギアの外周側でリール本体に係合し回動によりピ
ニオンギアの軸方向に進退自在な第2操作部材とピニオ
ンギアの糸繰り出し方向の回転に連動して回転する第2
ワンウェイクラッチと、第2操作部材と第2ワンウェイ
クラッチとの間に配置され第2操作部材により押圧され
る1又は複数の第2押圧部材と、第2ワンウェイクラッ
チの第2押圧部材と逆側に配置され、第2押圧部材を介
して押圧される前記第2ワンウェイクラッチを支持する
ための第2受け部材とを有する。この場合には、リール
本体に係合する第2操作部材を回動させると第2操作部
材がピニオンギアの軸方向に進退して第2押圧部材の押
圧力が変化し、第2押圧部材と第2受け部材とに挟まれ
た第2ワンウェイクラッチへの圧接力が変化する。ここ
では、第1操作部材と第2操作部材とを離して配置する
ことができるので、それぞれの制動操作を間違えること
なく確実に行える。
【0017】発明11に係る両軸受リールの制動機構
は、発明1から10のいずれかに記載の機構において、
第1制動手段と第2制動手段とを切り換える制動切換手
段をさらに備える。この場合には、ハンドルを手で持た
なくても2つの制動手段を切り換えできる。
【0018】発明12に係る両軸受リールの制動機構
は、発明11に記載の機構において、制動切換手段は、
ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転を禁止・許容可能な
第3ワンウェイクラッチと、第3ワンウェイクラッチを
回転禁止状態と回転許容状態とに切り換えるための状態
切換手段とを有する。この場合には、状態切換手段によ
り第3ワンウェイクラッチを回転禁止状態にすると、ハ
ンドル軸の糸繰り出し方向の回転が禁止されて第1制動
手段で設定された制動力がスプール作用する。また、回
転許容状態にすると、第2制動手段で設定された制動力
がスプールに作用する。ここでは、第3ワンウェイクラ
ッチの状態を切り換えるだけの簡単な操作で2つの制動
手段を切り換えできる。
【0019】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕 <全体構成>図1に示す両軸受リールは、リール本体1
と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハ
ンドル2と、リール本体1の内部に回転自在に装着され
た糸巻き用のスプール10とを主に備えている。リール
本体1とハンドル2との間には、メインドラグ調整用の
メインスタードラグ(第1操作部材の一例)3aと、サ
ブドラグ調整用のサブスタードラグ(第2操作部材の一
例)3bとが並べて装着されている。また、リール本体
1の上部には、水深を表示するカウンタ部4が設けられ
ている。カウンタ部4は、液晶ディスプレイからなる表
示部5と、3つのボタンからなる操作キー部6とを有し
ている。
【0020】リール本体1は、図1及び図2に示すよう
に、左右1対の第1側板7a及び第2側板7bを有する
フレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の第1側カ
バー8a及び第2側カバー8bと、フレーム7の前部を
覆う前カバー9とを有している。フレーム7の図1下部
には、両軸受リールを釣り竿に装着するための竿装着脚
17が固定されている。
【0021】1対の側板7a,7bの間にはスプール1
0が回転自在に配置されており、スプール10の前方に
は、図2に示すように、スプール10に釣り糸を均一に
巻くためのレベルワインド機構11が、スプール10の
後方にはサムレストを兼ねるクラッチレバー12がそれ
ぞれ配置されている。クラッチレバー12は、所定の範
囲で、すなわちクラッチオン位置(上方位置)とクラッ
チオフ位置(下方位置)との間で上下動が可能であり、
後述するクラッチ機構をオフするためのものである。ま
た、クラッチレバー12に対向するようにサムレスト1
3が設けられている。このサムレスト13はリール本体
1のフレーム7に固定されている。さらに、第2側板7
bの上部には、所定の範囲でクラッチレバー12と同方
向に、すなわち上下あるいは前後方向に移動可能なよう
に戻しレバー14が設けられている。この戻しレバー1
4はクラッチレバー12をクラッチオン位置に戻すため
のものである。なお、スプール10はスプール軸15に
固定されており、このスプール軸15が軸受によりフレ
ーム7に回転自在に支持されている。そして、スプール
軸15のハンドル2側の端部には、キャスティングコン
トロール用の調整つまみ16が設けられている。
【0022】<回転伝達機構の構成>第2側板7bの外
側で第2側カバー8b内には、図2に示すように、ハン
ドル2からの回転力をスプール10に伝えるための第1
回転伝達機構20と、この第1回転伝達機構20内に設
けられたクラッチ機構21とが設けられている。また、
第1側カバー8a内部には、スプール10の回転力をレ
ベルワインド機構11に伝達するための第2回転伝達機
構22が設けられている。
【0023】第1回転伝達機構20は、一端にハンドル
2が固定されたハンドル軸30と、ハンドル軸30の周
囲に設けられた回転制御機構31と、ハンドル軸30の
他端に回転制御機構31を介して連結されたメインギア
32と、メインギア32に噛み合うピニオンギア33と
を有している。
【0024】ハンドル軸30は、スプール軸15と平行
に配置されており、一端側が軸受を介して第2側板7b
に回転自在に支持されている。ハンドル軸30は、リー
ル本体1に対して回転自在である。ハンドル軸30は、
図4に示すように、ハンドル2が装着される先端部に小
径部30aを有し基端部近傍に鍔部30bを有する軸部
材である。ハンドル軸30の小径部30aと鍔部30b
より先端側とには断面が小判形となる平行な面取り部3
0c,30dが形成されている。また、鍔部30bに隣
接して断面が略正方形の面取り部30gが形成されてい
る。この面取り部30c,30d,30gは、ハンドル
軸30に各部材を回転不能に装着するために形成されて
いる。また、小径部30aと小径部30aに隣接する先
端部分とには、外周面に第1及び第2雄ネジ部30e,
30fがそれぞれ形成されている。第1雄ネジ部30e
は、ハンドル2をハンドル軸30に固定するために設け
られ、第2雄ネジ部30fは、メインスタードラグ3a
を軸方向に進退するために設けられている。
【0025】回転制御機構31は、スプール10からハ
ンドル2側にトルクが逆に伝達された場合のトルクを規
制するための機構であり、具体的には仕掛けの引き等に
よる糸繰り出し時にスプール10を制動する機構であ
る。
【0026】メインギア32は、ハンドル軸30の一端
側に回転制御機構31を介して相対回転不能に連結する
ことが可能である。ピニオンギア33は、筒状に形成さ
れており、スプール軸15の外周部にスライド自在に装
着されている。ピニオンギア33のスプール側の端部に
は係合溝が形成されており、この溝に、スプール軸15
に形成された係合部が係合可能である。すなわち、ピニ
オンギア33の係合溝とスプール軸15の係合部とが係
合している場合(図2に示す状態)はクラッチはオン状
態である。一方、ピニオンギア33が図2に示す位置か
ら右方に移動させられた場合は、ピニオンギア33の係
合溝とスプール軸15の係合部との係合が外れ、クラッ
チオフ状態となる。
【0027】以上から明らかなように、ピニオンギア3
3の係合溝とスプール軸15の係合部とによってクラッ
チ機構21が構成されている。そして、クラッチ機構2
1がオン状態の場合はハンドル2の回転がスプール10
に伝達され、クラッチ機構21がオフ状態の場合はハン
ドル2とは無関係にスプール10は自由に回転すること
が可能である。
【0028】第2回転伝達機構22は、スプール軸15
の他端に固定された第1ギア35と、第1側板7aに回
転自在に装着され第1ギアに噛み合う中間ギア36と、
レベルワインド機構11の一端に固定され中間ギア36
に噛み合う第2ギア37とを有している。
【0029】<回転制御機構の構成>回転制御機構31
は、図3及び図4に示すように、ハンドル軸30の周囲
に配置された第1ワンウェイクラッチ40と、ハンドル
軸30の糸繰り出し方向の回転が禁止されると作用する
メインドラグ機構41と、ハンドル軸30の糸繰り出し
方向の回転が許容されると作用するサブドラグ機構42
とを有している。
【0030】第1ワンウェイクラッチ40は外輪遊転型
のローラワンウェイクラッチであり、ハンドル2側の第
2側カバー8bに形成されたボス部50に装着された外
輪45と、外輪45の内周側に回転自在に装着された内
輪46と、外輪45と内輪46との間に両輪45,46
に接触可能に配置されたローラ47とを有している。
【0031】外輪45は、ボス部50に回転不能に装着
されている。内輪46は、外輪より長い円筒状の部材で
あり、両側方に突出する1対の係止片46a,46bを
両端部にそれぞれ有している。
【0032】ローラ47は、図示しない保持器により周
方向に間隔を隔てて所定距離移動可能に保持されてい
る。外輪45の内周面には、図示しない凹部が形成され
ている。この凹部にローラ47が収納され、外輪45に
食い込む位置(連結位置)と食い込まない位置(遮断位
置)との間に周方向に移動する。ローラ47は、保持器
内に装着されたバネ部材(図示せず)により連結位置側
に付勢されている。この第1ワンウェイクラッチ40
は、内輪46が糸繰り出し方向に回転しようとすると、
ローラ47が連結位置に転がって内輪46の糸繰り出し
方向の回転を禁止し、内輪46が糸巻取方向に回転する
と、遮断位置に転がって内輪46の糸巻取方向の回転を
許容する。
【0033】メインドラグ機構41は、メインギア32
を押圧することによりハンドル軸30を制動してスプー
ル10の糸繰り出し方向の回転を制動するものである。
メインドラグ機構41は、ハンドル軸30に螺合してド
ラグ力を調整するためのメインスタードラグ3aと、メ
インスタードラグ3aによりメインギア32に押圧され
る複数の第1押圧部材51〜57と、第1押圧部材51
〜57により押圧されるメインギア32を支持するため
の2つの第1受け部材60,61と、メインスタードラ
グ3aと第1押圧部材51との間に配置された4枚の皿
ばね62とを有している。
【0034】メインスタードラグ3aは、放射状に径方
向に延びる5つのアーム部を有する筒状の部材であり、
ハンドル軸30の第2雄ネジ部30fに螺合する雌ネジ
部3cを内周面に有しており、回動によりハンドル軸3
0の軸方向に進退する。メインスタードラグ3aとハン
ドル2との間には、メインスタードラグ3aとハンドル
2(ハンドル軸30)との相対回転により発音する発音
機構34が設けられている。
【0035】第1押圧部材51〜57は、メインギア3
2とメインスタードラグ3aとの間でハンドル軸30の
外周側に装着されている。第1押圧部材51は、パイプ
状の部材であり、ハンドル軸30に回転自在に装着され
ている。第1押圧部材51の基端部には、鍔部51aが
形成されている。鍔部51aの基端面には、メインギア
32側に突出した1対の係止片51b(図3)が形成さ
れている。この係止片51bは、第1押圧部材52に係
止され、第1押圧部材51をハンドル軸30に回転不能
に連結するために設けられている。鍔部51aの先端面
には、1対の係止突起51cが形成されている。この係
止突起51cは、サブドラグ機構42の第2受け部材
(後述)70を回転不能に連結するために設けられてい
る。第1押圧部材51の先端側には、1対のスリット5
1dが形成されている。スリット51dは、サブドラグ
機構42の第2押圧部材(後述)65を回転不能に連結
するために設けられている。第1押圧部材51の先端部
外周面には、雄ネジ部51eが形成されている。この雄
ネジ部51eは、サブドラグ機構42のサブスタードラ
グ3bを軸方向に進退させるために設けられている。
【0036】第1押圧部材52は、第1押圧部材51に
隣接して設けられたワッシャ状の部材である。第1押圧
部材52の中心部には、小判孔52aが形成されてお
り、第1押圧部材52は、ハンドル軸30に回転不能に
装着されている。小判孔52aには、第1押圧部材51
の係止片51bが係止される1対の係止凹部52bが形
成されており、係止片51bが係止凹部52bに係止さ
れることにより第1押圧部材51はハンドル軸30に回
転不能に連結され、ハンドル軸30と一体回転する。
【0037】第1押圧部材53,54,55,57は、
ワッシャ状の部材であり、ハンドル軸30に回転自在に
装着されている。なお、第1押圧部材54,57は、外
周部にメインギア32に係止される係止片54a,57
aをそれぞれ有しており、メインギア32と一体回転す
る。第1押圧部材56は、中心部に面取り部30dに係
止される小判孔56aが形成されたリング状部材であ
り、ハンドル軸30と一体回転する。
【0038】第1受け部材60,61は、メインギア3
2とハンドル軸30の鍔部30bとの間でハンドル軸3
0の外周側に配置されている。第1受け部材60は、ワ
ッシャ状の部材であり、ハンドル軸30及びメインギア
32に対して回転自在である。第1受け部材61は、外
周面にリターン用の歯形が形成された部材であり中心部
に略矩形の係止孔61aが形成されている。この係止孔
61aは、面取り部30gに係止される。このため、第
1受け部材61は、ハンドル軸30に対して回転不能で
ある。しかも、第1受け部材61は、鍔部30bにより
軸方向のうち押圧方向に移動不能である。このため、第
1押圧部材51〜57により押圧されたメインギア32
を支持可能である。
【0039】4枚の皿ばね62は、2枚1組で各組の外
周部を接触させて配置されており、メインスタードラグ
3aの進退により圧縮・伸長し第1押圧部材51〜57
に与える押圧力を細かく変化させる。皿ばね62とサブ
スタードラグ3bとの間には、サブスタードラグ3bを
付勢する波板バネ63が装着されている。波板バネ63
は、サブスタードラグ3bを付勢することにより、サブ
スタードラグ3bに対して回転抵抗を付与してサブスタ
ードラグ3bを緩みにくくするために装着されている。
【0040】サブドラグ機構42は、第1ワンウェイク
ラッチ40とメインドラグ機構41との間に配置されて
いる。サブドラグ機構42は、サブドラグ力を調整する
ためのサブスタードラグ3bと、サブスタードラグ3b
により第1ワンウェイクラッチ40の内輪46に押圧さ
れる複数の第2押圧部材65〜67と、第2押圧部材6
5〜67により押圧される内輪46を支持するための複
数の第2受け部材68〜70と、サブスタードラグ3b
と第2押圧部材65との間に配置された2枚の皿ばね7
1とを有している。
【0041】サブスタードラグ3bは、第1押圧部材5
1の雄ネジ部51eに螺合する雌ネジ部3dを内周面に
有する筒状の部材である。サブスタードラグ3bは、回
動により第1押圧部材51の軸方向に進退する。
【0042】第2押圧部材65〜67は、サブスタード
ラグ3bと内輪46との間で第1押圧部材51の外周側
に装着されている。第2押圧部材65は、ワッシャ状の
部材であり、第1押圧部材51のスリット51dに係止
される係止突起65aを中心部に有している。このた
め、第2押圧部材65は、第1押圧部材51に回転不能
に連結され第1押圧部材51と一体回転する。第2押圧
部材66は、ワッシャ状の部材であり第1押圧部材51
に対して回転自在である。第2押圧部材67は、ワッシ
ャ状の部材であり、中心部に内輪46の係止片46aに
係止される係止凹部67aを有している。このため、第
2押圧部材67は、内輪46に回転不能に連結され内輪
46と一体回転する。
【0043】第2受け部材68〜70は、内輪46と第
1押圧部材51の鍔部51aとの間で第1押圧部材51
の外周側に配置されている。第2受け部材68は、ワッ
シャ状の部材であり、内輪46の係止片46bに係止さ
れる係止凹部68aを中心部に有している。このため、
第2受け部材68は、内輪46に回転不能に連結され内
輪46と一体回転する。第2受け部材69は、ワッシャ
状の部材であり第1押圧部材51に対して回転自在であ
る。第2受け部材70は、ワッシャ状の部材であり、中
心部に第1押圧部材51の係止突起51cに係止される
係止凹部70aを有している。このため、第2押圧部材
70は、第1押圧部材51に回転不能に連結され第1押
圧部材51と一体回転する。しかも、鍔部51aにより
挟まれているので、軸方向のうち押圧方向に移動不能で
ある。
【0044】2枚の皿ばね71は、外周部が接触するよ
うに配置されており、サブスタードラグ3bの進退によ
り圧縮・伸長し第2押圧部材65〜67に与える押圧力
を細かく変化させる。
【0045】<動作>次に、特に回転制御機構31の動
作について、置き竿による真鯛釣りを例に説明する。
【0046】釣りを行う前に2つのドラグ機構41,4
2のドラグ力を設定する。ここで、メインドラグ機構4
1のドラグ力は、魚を引き上げる際に使用するためのド
ラグ力であり、サブドラグ機構42のドラグ力は、魚の
あたりを確認するためのドラグ力である。このため、サ
ブドラグ機構42のドラグ力は、仕掛けの自重ではスプ
ール10が糸繰り出し方向に回転せず魚の引きによりス
プール10が糸繰り出し方向に回転する程度の微小な値
にサブスタードラグ3bにより設定する。また、メイン
ドラグ機構41のドラグ力は、魚を取り込めかつ魚の急
な引き戻しや仕掛けの絡みが生じても釣り糸が切れない
ようにするために大きい値にメインスタードラグ3aに
より設定する。
【0047】サブスタードラグ3bを図4時計回りに回
転させると、サブスタードラグ3bが第1ワンウェイク
ラッチ40に接近する方向に移動し、皿ばね71を圧縮
する。この結果、第2押圧部材65〜67及び第2受け
部材68〜70の第1ワンウェイクラッチ40に対する
圧接力が大きくなり、サブドラグ機構42のドラグ力が
大きくなる。逆にサブスタードラグ3bを図4反時計回
りに回転させると、ドラグ力は弱くなる。
【0048】メインスタードラグ3aを図4時計回りに
回転させると、メインスタードラグ3aがメインギア3
2に接近する方向に移動し、皿ばね62を圧縮する。こ
の結果、第1押圧部材52〜57及び第1受け部材6
0,61のメインギア32に対する圧接力が大きくな
り、メインドラグ機構41のドラグ力が大きくなる。逆
にメインスタードラグ3aを図4反時計回りに回転させ
ると、ドラグ力は弱くなる。
【0049】船縁から仕掛けを投入するために釣り糸を
繰り出す際には、クラッチレバー12によりクラッチ機
構21をクラッチオフ状態にする。これによりピニオン
ギア33とメインギアとのかみ合いがはずれ、スプール
10は自由回転状態になる。この状態では仕掛けの自重
などによりスプール10が糸繰り出し方向に回転し、釣
り糸が高速で繰り出される。
【0050】仕掛けが所定の棚に到達すると、釣り糸の
繰り出しを停止する。これは棚設定を予め行えば自動的
にクラッチ機構21がクラッチオンして停止する。この
状態で置き竿して真鯛等の魚のあたりを待つ。この待ち
状態では、ハンドル軸30は、糸繰り出し方向に回転が
許容されているので、スプール10は糸繰り出し方向に
回転しようとする。しかし、サブドラグ機構42により
ハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が制動されてい
るので、仕掛けの自重ではスプール10は、糸繰り出し
方向に回転しない。すなわち、第1ワンウェイクラッチ
40の内輪46は、糸繰り出し方向の回転が禁止されて
おり、その内輪46に対して第2押圧部材65〜67及
び第2受け部材68〜70が圧接しているので、第1押
圧部材51の糸繰り出し方向の回転が制動される。この
第1押圧部材51は、第1押圧部材52によりハンドル
軸30に回転不能に連結されているので、ハンドル軸3
0の糸繰り出し方向の回転が制動される。
【0051】魚が仕掛けにかかると、スプール10が糸
繰り出し方向に回転しようとする。このとき、魚の引き
がサブドラグ機構42で設定されたドラグ力、つまり第
2押圧部材65〜67及び第2受け部材68〜70の第
1ワンウェイクラッチ40に対する圧接力より大きけれ
ば、第2押圧部材65〜67及び第2受け部材68〜7
0で滑りが生じてハンドル軸30を介して第1押圧部材
51が糸繰り出し方向に回転する。この結果は,ハンド
ル2が糸繰り出し方向に回転し、魚のあたりを知ること
ができる。
【0052】魚のあたりを知るとハンドル2を持って竿
をしゃくり魚に針を引っかける合わせを行う。このと
き、ハンドル2を手で持つことによりハンドル軸30の
糸繰り出し方向の回転が禁止される。そして合わせを行
った後にハンドル2を糸巻取方向に回転させる巻取動作
と竿のしゃくり動作とを行って魚を取り込む。
【0053】ハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が
禁止されると、メインドラグ機構41で設定されたドラ
グ力を超えない場合には、ハンドル2の回転力は、ハン
ドル軸30からメインドラグ機構41を介してメインギ
ア32に伝達される。そしてピニオンギア33及びクラ
ッチ機構21を介してスプール10に伝達され、スプー
ル10が糸巻取方向に回転する。
【0054】この巻取途中で、魚の急な引き戻しや仕掛
けの絡みが生じてメインドラグ機構41で設定した以上
のドラグ力がピニオンギア33からメインギア32に作
用すると、第1押圧部材52〜57、メインギア32及
び第1受け部材60,61で滑りが生じ、メインギア3
2がハンドル軸30に対して糸繰り出し方向に相対回転
する。この結果、スプール10から釣り糸が繰り出さ
れ、釣り糸に瞬時に過大な張力が作用せず、釣り糸が切
断するのを防止できる。そして、設定以下のドラグ力に
戻ると、メインギア32が滑らなくなり、ハンドル2の
糸巻取方向の回転がメインギア32を介してピニオンギ
ア33に伝達され、クラッチ機構21を介してスプール
10に伝達され、スプール10が糸巻取方向に回転して
釣り糸がスプール10に巻き取られる。
【0055】ここでは、ハンドル2を手で持つことによ
りハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が禁止される
と、メインドラグ機構41が作用するので、メインドラ
グ機構41で設定されたドラグ力以上の過剰な張力が釣
り糸に作用しにくい。このため、魚の急な引き戻しや仕
掛けの絡みが生じても釣り糸の切断を防止できる。ま
た、ハンドル2を手で持っていない状態では、ハンドル
軸30の糸繰り出し方向の回転が許容されているので、
サブドラグ機構42が作用し、魚のあたりなどの僅かな
力でもハンドル軸30が糸繰り出し方向に回転しハンド
ル2の糸繰り出し方向の回転により、置き竿していても
魚のあたりを知ることができる。しかも、置き竿中は、
サブドラグ機構42が作用してスプール10の糸繰り出
し方向の回転に抵抗を付与しているので、魚がかかって
急激に動いてもスプール10にバックラッシュが生じに
くい。
【0056】〔実施形態2〕前記実施形態1では、ハン
ドル軸30の周囲に2つのドラグ機構41,42を設け
たが、この実施形態2では、サブドラグ機構42aをピ
ニオンギア33の周囲に設けている。回転制御機構を除
く他の機構の構成及び動作は前記実施形態とほぼ同様で
あるので、以下に回転制御機構の構成及び動作について
説明する。
【0057】図5及び図6において、回転制御機構31
aは、第1ワンウェイクラッチ40aと、ハンドル軸3
0の周囲に配置されたメインドラグ機構41と、ピニオ
ンギア33の周囲に配置されたサブドラグ機構42a
と、両ドラグ機構41,42aを切り換えるためのドラ
グ切換機構43とを備えている。
【0058】第1ワンウェイクラッチ40aは、図6に
示すように、ドラグ切換機構43により逆転許容状態と
逆転禁止状態とに切換可能な外輪遊転型のローラワンウ
ェイクラッチである。ここで、ワンウェイクラッチ40
aが逆転許容状態になると、ハンドル軸30の糸繰り出
し方向の回転(逆転)が許容され、逆転禁止状態になる
と禁止される。
【0059】第1ワンウェイクラッチ40aは、ハンド
ル軸30のハンドル2側の第2側カバー8bに形成され
たボス部50に回転不能に装着された装着筒部49内に
装着されている。第1ワンウェイクラッチ40aは、図
7に示すように、装着筒部49に装着された外輪45
と、外輪45の内周側に回転自在に装着された内輪46
と、外輪45と内輪46との間に両輪45,46に接触
可能に配置されたローラ47と、周方向に間隔を隔てて
所定距離移動可能に保持する保持器48とを有してい
る。
【0060】外輪45は、装着筒部49に回転不能に装
着されている。外輪45の内周面には、凹部45aが周
方向に間隔を隔てて複数箇所形成されている。内輪46
は、外輪より長い円筒状の部材であり、側方に突出する
1対の係止片46a(図6)をメインギア32側の基端
部に有している。内輪46のメインスタードラグ3a側
に延びた部分の外周面と装着筒部49との間には、ハン
ドル軸30を回転自在に支持するための軸受44が外輪
45と並べて装着されている。
【0061】ローラ47は、保持器48により周方向に
間隔を隔てて所定距離移動可能に保持されている。ロー
ラ47は、外輪45の凹部45aに収納され、外輪45
に食い込む位置(連結位置)と食い込まない位置(遮断
位置)との間に周方向に移動する。ローラ47は、保持
器48内に装着されたバネ部材(図示せず)により連結
位置側に付勢されている。この第1ワンウェイクラッチ
40aでは、逆転禁止状態にあるとき、内輪46が糸繰
り出し方向に回転しようとすると、ローラ47が連結位
置に転がって内輪46の糸繰り出し方向の回転を禁止
し、内輪46が糸巻取方向に回転すると、遮断位置に転
がって内輪46の糸巻取方向の回転を許容する。
【0062】保持器48は、外輪45と内輪46との間
に設けられている。保持器48の内部には、ローラ47
を等間隔に保持するための保持空間48aが形成されて
いる。保持器48は、ドラグ切換機構43により周方向
に所定距離移動可能である。保持器48の端面には、ド
ラグ切換機構43に係止される係止突起48bが形成さ
れている。
【0063】ドラグ切換機構43は、第1ワンウェイク
ラッチ40aを逆転許容状態と逆転禁止状態とに切り換
えて、2つのドラグ機構41,42aのいずれかが作用
するように切り換えるものである。ドラグ切換機構43
は、外輪45に揺動自在に装着された切換レバー81を
有している。切換レバー81は中間部が外輪45に揺動
自在に支持されており、一端部(図7下端部)には、保
持器48の係止突起48bを係止するための係止孔81
aが形成されている。切換レバー81の他端は、図5に
示すように、リール本体1の第2側カバー8bから外部
に突出しており、リールの外側から操作可能である。切
換レバー81には、図示しないトグルバネ機構が連結さ
れており、揺動時にトグルバネ機構の死点を超えると、
図7に実線で示す禁止位置と2点鎖線で示す許容位置と
に付勢されてその位置を保持する。
【0064】このドラグ切換機構43の切換レバー81
を禁止位置に操作すると、ローラ47は、保持器48内
を連結位置と遮断位置との間で移動自在になり、第1ワ
ンウェイクラッチ40aは逆転禁止状態になり、ハンド
ル軸30の逆転を禁止できる。切換レバー81を図7に
2点鎖線で示す許容位置に操作すると、係止孔81aが
係止突起48bに係止されて保持器48が所定距離周方
向に移動し、ローラ47は遮断位置から移動できなくな
る。この結果、第1ワンウェイクラッチ40aは逆転許
容状態になり、ハンドル軸30の逆転が許容される。し
たがって、切換レバー81を禁止位置に操作するとハン
ドル軸30の逆転が禁止されてメインドラグ機構41が
作用し、許容位置に操作するとハンドル軸の逆転が許容
されてサブドラグ機構42aが作用する。
【0065】メインドラグ機構41は、メインギア32
を押圧することによりハンドル軸30を制動してスプー
ル10の糸繰り出し方向の回転を制動するものであり、
実施形態1とほぼ同様な構成である。メインドラグ機構
41は、ハンドル軸30に螺合してドラグ力を調整する
ためのメインスタードラグ3aと、メインスタードラグ
3aによりメインギア32に押圧される複数の第1押圧
部材52〜57と、第1押圧部材52〜57により押圧
されるメインギア32を支持するための2つの第1受け
部材60,61と、メインスタードラグ3aと内輪46
との間に配置された4枚の皿ばね62とを有している。
ここで、第1ワンウェイクラッチ40aの内輪46が実
施形態1の第1押圧部材51に相当している。
【0066】メインスタードラグ3aは、実施形態1と
同様に放射状に径方向に延びる5つのアーム部を有する
筒状の部材であり、ハンドル軸30の第2雄ネジ部30
fに螺合する雌ネジ部3cを内周面に有しており、回動
によりハンドル軸30の軸方向に進退する。メインスタ
ードラグ3aとハンドル2との間には、メインスタード
ラグ3aとハンドル2(ハンドル軸30)との相対回転
により発音する発音機構(図示せず)が設けられてい
る。
【0067】第1押圧部材52〜57は、メインギア3
2と第1ワンウェイクラッチ40aとの間でハンドル軸
30の外周側に装着されている。第1押圧部材52は、
内輪46に隣接して設けられたワッシャ状の部材であ
る。第1押圧部材52の中心部には、小判孔52aが形
成されており、第1押圧部材52は、ハンドル軸30に
回転不能に装着されている。小判孔52aには、内輪4
6の係止片46aが係止される1対の係止凹部(図示せ
ず)が形成されており、係止片46aが係止凹部に係止
されることにより内輪46はハンドル軸30に回転不能
に連結され、ハンドル軸30と一体回転する。
【0068】第1押圧部材53,54,55,57は、
ワッシャ状の部材であり、ハンドル軸30に回転自在に
装着されている。なお、第1押圧部材54,57は、外
周部にメインギア32に係止される係止片(図示せず)
をそれぞれ有しており、メインギア32と一体回転す
る。第1押圧部材56は、中心部に面取り部30dに係
止される小判孔(図示せず)が形成されたリング状部材
であり、ハンドル軸30と一体で回転する。
【0069】第1受け部材60,61は、メインギア3
2とハンドル軸30の鍔部30bとの間でハンドル軸3
0の外周側に配置されている。第1受け部材60は、ワ
ッシャ状の部材であり、ハンドル軸30及びメインギア
32に対して回転自在である。第1受け部材61は、外
周面にリターン用の歯形が形成された部材であり中心部
に略矩形の係止孔61aが形成されている。この係止孔
61aは、面取り部30gに係止される。このため、第
1受け部材61は、ハンドル軸30に対して回転不能で
ある。しかも、第1受け部材61は、鍔部30bにより
軸方向のうち押圧方向に移動不能である。このため、第
1押圧部材52〜57により押圧されたメインギア32
を支持可能である。
【0070】4枚の皿ばね62は、内輪46とメインス
タードラグ3aとの間で2枚1組で各組の外周部を接触
させて配置されており、メインスタードラグ3aの進退
により圧縮・伸長し内輪46を介して第1押圧部材52
〜57に与える押圧力を細かく変化させる。
【0071】サブドラグ機構42aは、スプール軸15
の先端部で第2側カバー8bから突出したボス部58に
設けられている。ボス部58の外周部には、雄ネジ部5
8aが形成されている。ボス部58の内周側には、スプ
ール軸15に回転自在かつ軸方向移動自在に装着された
ピニオンギア33の端部が延びており、サブドラグ機構
42aは、ピニオンギア33を制動することでスプール
10の糸繰り出し方向の回転を制動する。サブドラグ機
構42aは、サブドラグ力を調整するためのサブドラグ
レバー82と、ボス部58の内周部とピニオンギア33
との間に配置された第2ワンウェイクラッチ83と、サ
ブドラグレバー82により第2ワンウェイクラッチ83
に押圧される第2押圧部材84と、第2押圧部材84に
より押圧される第2ワンウェイクラッチ83を支持する
ための第2受け部材85と、第2ワンウェイクラッチ8
3の外周面とボス部58の内周面との間に装着されたス
リーブ86を有している。
【0072】サブドラグレバー82は、図5及び図6に
示すように、ボス部58の雄ネジ部58aに螺合する雌
ネジ部82aを内周面に有する有底筒状部82bと有底
筒状部82bから径方向に突出するレバー部82cとを
有するレバー部材である。サブドラグレバー82は、回
動によりボス部58の軸方向に進退する。サブドラグレ
バー82の底部には、ネジ孔82dが形成されており、
このネジ孔82dにキャスティングコントロール用の調
整つまみ16がねじ込まれている。
【0073】第2ワンウェイクラッチ83は、外輪遊転
型のローラワンウェイクラッチであり、スリーブ86の
内周側にスリーブ86に回転不能に装着された外輪88
と、外輪88の内周側に配置されたローラ89とを有し
ている。なお、内輪は、ピニオンギア33に一体で形成
されている。ローラ89は、図示しない保持器により周
方向に間隔を隔てて所定距離移動自在に配置されてい
る。ローラ89は、連結位置と遮断位置との間で保持器
内を移動自在であり、図示しないバネ部材により連結位
置側に常時付勢されている。
【0074】第2押圧部材84は、サブドラグレバー8
2の底部と外輪88の一端面との間に両者に接触可能に
配置されており、サブドラグレバー82からの押圧力を
外輪88に伝達し外輪88を制動する。第2受け部材8
5は、ボス部58の壁部と外輪88の他端面との間に両
者に接触可能に配置されており、サブドラグレバー82
により押圧された外輪88を支持する。スリーブ86
は、ボス部58の内周面に回転自在に装着されており、
外輪88と一体回転する。
【0075】<動作>次に、特に実施形態2の回転制御
機構31aの動作について、置き竿による真鯛釣りを例
に説明する。
【0076】釣りを行う前に2つのドラグ機構41,4
2aのドラグ力を設定する。ここで、メインドラグ機構
41のドラグ力は、魚を引き上げる際に使用するための
ドラグ力であり、サブドラグ機構42aのドラグ力は、
魚のあたりを確認するためのドラグ力である。このた
め、サブドラグ機構42aのドラグ力は仕掛けの自重で
はスプール10が糸繰り出し方向に回転せず、魚の引き
によりスプール10が糸繰り出し方向に回転する程度の
微小な値にサブドラグレバー82により設定する。ま
た、メインドラグ機構41のドラグ力は、魚を取り込め
かつ魚の急な引き戻しや仕掛けの絡みが生じても釣り糸
が切れないようにするために大きい値にメインスタード
ラグ3aにより設定する。
【0077】サブドラグレバー82を図5時計回りに揺
動させると、サブドラグレバー82が第2ワンウェイク
ラッチ83に接近する方向に移動し、第2ワンウェイク
ラッチ83に対する圧接力が大きくなり、サブドラグ機
構42aのドラグ力が大きくなる。逆にサブスタードラ
グ3bを図5反時計回りに揺動させると、ドラグ力は弱
くなる。
【0078】メインスタードラグ3aを図5時計回りに
回転させると、メインスタードラグ3aがメインギア3
2に接近する方向に移動し、皿ばね62を圧縮する。こ
の結果、第1押圧部材52〜57及び第1受け部材6
0,61のメインギア32に対する圧接力が大きくな
り、メインドラグ機構41のドラグ力が大きくなる。逆
にメインスタードラグ3aを図5反時計回りに回転させ
ると、ドラグ力は弱くなる。
【0079】船縁から仕掛けを投入するために釣り糸を
繰り出す際には、クラッチレバー12によりクラッチ機
構21をクラッチオフ状態にする。これによりピニオン
ギア33とメインギアとのかみ合いがはずれ、スプール
10は自由回転状態になる。この状態では仕掛けの自重
などによりスプール10が糸繰り出し方向に回転し、釣
り糸が高速で繰り出される。
【0080】仕掛けが所定の棚に到達すると、釣り糸の
繰り出しを停止する。これは棚設定を予め行えば自動的
にクラッチ機構21がクラッチオンして停止する。この
状態で切換レバー81を許容位置側に操作して置き竿し
て真鯛等の魚のあたりを待つ。この待ち状態では、第1
ワンウェイクラッチ40aが逆転許容状態のため、ハン
ドル軸30は糸繰り出し方向に回転が許容されている。
このため、スプール10は糸繰り出し方向に回転しよう
とする。しかし、サブドラグ機構42aによりハンドル
軸30の糸繰り出し方向の回転が制動されているので、
仕掛けの自重ではスプール10は、糸繰り出し方向に回
転しない。すなわち、第2ワンウェイクラッチ83の外
輪88がサブドラグレバー82により制動されているの
で、糸繰り出し方向の回転が禁止された内輪であるピニ
オンギア33は糸繰り出し方向に制動されている。しか
し、ピニオンギア33は、糸巻取方向には回転が許容さ
れているので糸巻取方向には制動されていない。この結
果、ピニオンギア33に連結されたハンドル軸30が第
2ドラグ機構42aにより糸繰り出し方向の回転が僅か
な制動力で制動されている。
【0081】魚が仕掛けにかかると、スプール10が糸
繰り出し方向に回転しようとする。このとき、魚の引き
がサブドラグ機構42aで設定されたドラグ力、つまり
第2押圧部材84及び第2受け部材85の第2ワンウェ
イクラッチ83に対する圧接力より大きければ、第2押
圧部材84、第2受け部材85、スリーブ86及び第2
ワンウェイクラッチ83の間で滑りが生じてピニオンギ
ア33が糸繰り出し方向に回転する。この結果は、ハン
ドル軸30を介してハンドル2が糸繰り出し方向に回転
し、魚のあたりを知ることができる。
【0082】魚のあたりを知ると、切換レバー81を禁
止位置に操作し第1ワンウェイクラッチ40aを逆転禁
止状態にする。なお、この許容位置から禁止位置への切
換レバー81の操作を、ハンドル2の糸巻取操作に連動
して行うオートリターン機構を設けて自動的に行っても
よい。この結果、ハンドル軸30の糸繰り出し方向の回
転が禁止される。そして、竿をしゃくり魚に針を引っか
ける合わせを行う。そして合わせを行った後にハンドル
2を糸巻取方向に回転させる巻取動作と竿のしゃくり動
作とを行って魚を取り込む。
【0083】ハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が
禁止されると、メインドラグ機構41で設定されたドラ
グ力を超えない場合には、ハンドル2の回転力は、ハン
ドル軸30からメインドラグ機構41を介してメインギ
ア32に伝達される。そしてピニオンギア33及びクラ
ッチ機構21を介してスプール10に伝達され、スプー
ル10が糸巻取方向に回転する。
【0084】この巻取途中で、魚の急な引き戻しや仕掛
けの絡みが生じてメインドラグ機構41で設定した以上
のドラグ力がピニオンギア33からメインギア32に作
用すると、第1押圧部材52〜57、メインギア32及
び第1受け部材60,61で滑りが生じ、メインギア3
2がハンドル軸30に対して糸繰り出し方向に相対回転
する。この結果、スプール10から釣り糸が繰り出さ
れ、釣り糸に瞬時に過大な張力が作用せず、釣り糸が切
断するのを防止できる。そして、設定以下のドラグ力に
戻ると、メインギア32が滑らなくなり、ハンドル2の
糸巻取方向の回転がメインギア32を介してピニオンギ
ア33に伝達され、クラッチ機構21を介してスプール
10に伝達され、スプール10が糸巻取方向に回転して
釣り糸がスプール10に巻き取られる。
【0085】ここでは、切換レバー81を操作してハン
ドル軸30の糸繰り出し方向の回転が禁止されると、メ
インドラグ機構41が作用するので、メインドラグ機構
41で設定されたドラグ力以上の過剰な張力が釣り糸に
作用しにくい。このため、魚の急な引き戻しや仕掛けの
絡みが生じても釣り糸の切断を防止できる。また、切換
レバー81により、ハンドル軸30の糸繰り出し方向の
回転を許容すれば、サブドラグ機構42が作用し、魚の
あたりなどの僅かな力でもハンドル軸30が糸繰り出し
方向に回転しハンドル2の糸繰り出し方向の回転によ
り、置き竿していても魚のあたりを知ることができる。
しかも、置き竿中は、サブドラグ機構42が作用してス
プール10の糸繰り出し方向の回転に抵抗を付与してい
るので、魚がかかって急激に動いてもスプール10にバ
ックラッシュが生じにくい。
【0086】しかも、実施形態2では、2つのドラグ機
構41,42aが独立して動作するので、2つのドラグ
機構41,42aのドラグ力の設定値の大小に関わら
ず、両ドラグ機構41,42aによる制度を確実に行え
る。
【0087】〔他の実施形態〕 (a) 前記2つの実施形態では、ワンウェイクラッチ
としてローラワンウェイクラッチを用いたが、爪式のワ
ンウェイクラッチを用いてもよい。
【0088】(b) 前記実施形態1では、第1ワンウ
ェイクラッチ40の状態を切り換えずにハンドル軸30
を手で持つことによりハンドル軸30の逆転を禁止して
いるが、実施形態2と同様に第1ワンウェイクラッチ4
0を逆転禁止状態と逆転許容状態とに切り換えできるよ
うにしてもよい。
【0089】(c) 前記実施形態では、スタードラグ
型の制動機構を例に説明したが、スプール軸の軸方向の
移動によりスプールを制動するレバードラグ型の制動機
構にも本発明を適用できる。
【0090】(d) 前記実施形態では、ネジの螺合に
より各スタードラグ3a,3bやサブドラグレバー82
等の操作部材の回動を軸方向の移動に変換したが、斜面
カムなどの他の係合手段により、操作部材の回転を軸方
向の移動に変換してもよい。
【0091】(e) 前記2つの実施形態では、第2制
動手段(サブドラグ機構42,42a)をハンドル軸3
0やスプール軸15に同軸上に配置したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。たとえば、これらの軸3
0,15と別に独立して立設された軸を設け、この軸を
ハンドル軸30又はスプール軸15とワンウェイクラッ
チを介して連結した構造にし、この軸に同軸上に第2制
動手段を配置してもよい。
【0092】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、ハンド
ル軸の糸繰り出し方向の回転が許容された状態では、第
2制動手段が作用してスプールが僅かな制動力で制動さ
れつつ糸繰り出し方向に回転する。スプールが糸繰り出
し方向に回転すると、ハンドルが糸繰り出し方向に回転
してあたりを知ることができる。しかも、このときスプ
ールに制動力が作用するので、魚の引きによるバックラ
ッシュが生じにくい。あたりを確認して合わせを行った
後にハンドルを持って巻き上げる際には、ハンドル軸の
糸繰り出し方向の回転が禁止されるので、第2制動手段
は作用せずに第1制動手段が作用する。このため、魚の
急な引き戻しや仕掛けの絡みが生じても、釣り糸が第1
制動手段で設定された制動力で制動されながら繰り出さ
れる。したがって、釣り糸に過大な張力が作用しにくく
なり、釣り糸が切断されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
斜視図。
【図2】その両軸受リールの断面側面図。
【図3】その両軸受リールのハンドル軸部分の断面拡大
図。
【図4】回転制御機構の分解斜視図。
【図5】実施形態2の図1に相当する図。
【図6】実施形態2の図3に相当する図。
【図7】第1ワンウェイクラッチの一部破断正面図。
【符号の説明】 1 リール本体 2 ハンドル 3a メインスタードラグ 3b サブスタードラグ 10 スプール 15 スプール軸 30 ハンドル軸 31,31a 回転制御機構 32 メインギア 33 ピニオンギア 40,40a 第1ワンウェイクラッチ 41 メインドラグ機構 42,42a サブドラグ機構 51〜57 第1押圧部材 60,61 第1受け部材 62 皿ばね 65〜67 第2押圧部材 68〜70 第2受け部材 81 切換レバー 82 サブドラグレバー 83 第2ワンウェイクラッチ 84 第2押圧部材 85 第2受け部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に対してハンドル軸が糸繰り出
    し方向に回転可能な両軸受リールのスプールの糸繰り出
    し方向の回転を制動する両軸受リールの制動機構であっ
    て、 前記ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が禁止されると
    前記スプールの糸繰り出し方向の回転を制動可能な第1
    制動手段と、 前記ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転が許容されると
    前記スプールの糸繰り出し方向の回転を制動可能な第2
    制動手段と、を備えた両軸受リールの制動機構。
  2. 【請求項2】前記第1制動手段は、前記ハンドル軸に回
    転自在に装着されたメインギアに対する押圧力を変更す
    ることで制動力を調整可能である、請求項1に記載の軸
    受リールの制動機構。
  3. 【請求項3】前記第1制動手段は、 前記ハンドル軸に係合し回動により前記ハンドル軸の軸
    方向に進退する第1操作部材と、 前記第1操作部材と前記メインギアとの間で前記ハンド
    ル軸の外周側に少なくとも一部が前記ハンドル軸に連動
    するように配置され前記第1操作部材により前記メイン
    ギアに押圧される1又は複数の第1押圧部材と、 前記メインギアの第1押圧部材と逆側で前記ハンドル軸
    に回転不能かつ押圧方向に移動不能に装着され、前記第
    1押圧部材を介して押圧される前記メインギアを支持す
    るための第1受け部材とを有する、請求項2に記載の両
    軸受リールの制動機構。
  4. 【請求項4】前記第1操作部材と第1押圧部材との間に
    前記両部材に接触して配置されハンドル軸方向に伸縮自
    在な第1弾性部材をさらに備える、請求項3に記載の両
    軸受リールの制動機構。
  5. 【請求項5】前記第2制動手段は、前記リール本体又は
    前記リール本体に対して少なくとも糸繰り出し方向の回
    転が禁止された回転禁止部材に前記スプールに連動して
    回転する回転部材を圧接させることにより、前記ハンド
    ル軸の糸繰り出し方向を回転が許容されると前記スプー
    ルの糸繰り出し方向の回転を制動する、請求項1から4
    のいずれかに記載の両軸受リールの制動機構。
  6. 【請求項6】前記回転禁止部材は、前記ハンドル軸の外
    周側に配置された第1ワンウェイクラッチであり、 前記第2制動手段は、前記ハンドル軸と前記第1ワンウ
    ェイクラッチとの間に配置され、前記ハンドル軸の糸繰
    り出し方向の回転が許容されると、前記ハンドル軸の前
    記糸繰り出し方向の回転を制動する、請求項5に記載の
    両軸受リールの制動機構。
  7. 【請求項7】前記第2制動手段は、 前記1又は複数の第1押圧部材のうち前記ハンドル軸に
    連動して回転する第1押圧部材のいずれかに係合し回動
    により前記第1押圧部材の軸方向に進退する第2操作部
    材と、 前記第2操作部材と前記第1ワンウェイクラッチとの間
    で前記第1押圧部材の外周側に前記第1押圧部材と連動
    するように配置され前記第2操作部材により押圧される
    1又は複数の第2押圧部材と、 前記第1ワンウェイクラッチの前記第2押圧部材と逆側
    で前記第1押圧部材に回転不能かつ押圧方向に移動不能
    に連結され、前記第2押圧部材を介して押圧される前記
    第1ワンウェイクラッチを支持するための第2受け部材
    と、を有する、請求項6に記載の両軸受リールの制動機
    構。
  8. 【請求項8】前記第2操作部材と第2押圧部材との間に
    前記両部材に接触して配置されハンドル軸方向に伸縮自
    在な第2弾性部材をさらに備える、請求項7に記載の両
    軸受リールの制動機構。
  9. 【請求項9】前記第2制動手段は、前記スプールの回転
    軸に装着され前記メインギアに噛み合うピニオンギアと
    前記リール本体との間に配置され、前記ハンドル軸の糸
    繰り出し方向の回転が許容されると、前記ピニオンギア
    の前記糸繰り出し方向の回転を制動する、請求項5に記
    載の両軸受リールの制動機構。
  10. 【請求項10】前記第2制動手段は、 前記ピニオンギアの外周側で前記リール本体に係合し回
    動により前記ピニオンギアの軸方向に進退自在な第2操
    作部材と、 前記ピニオンギアの糸繰り出し方向の回転に連動して回
    転する第2ワンウェイクラッチと、 前記第2操作部材と前記第2ワンウェイクラッチとの間
    に配置され前記第2操作部材により押圧される1又は複
    数の第2押圧部材と、 前記第2ワンウェイクラッチの前記第2押圧部材と逆側
    に配置され、前記第2押圧部材を介して押圧される前記
    第2ワンウェイクラッチを支持するための第2受け部材
    とを有する、請求項9に記載の両軸受リールの制動機
    構。
  11. 【請求項11】前記第1制動手段と第2制動手段とを切
    り換える制動切換手段をさらに備える、請求項1から1
    0のいずれかに記載の両軸受リールの制動機構。
  12. 【請求項12】前記制動切換手段は、前記ハンドル軸の
    糸繰り出し方向の回転を禁止・許容可能な第3ワンウェ
    イクラッチと、前記第3ワンウェイクラッチを回転禁止
    状態と回転許容状態とに切り換えるための状態切換手段
    とを有する、請求項11に記載の両軸受リールの制動機
    構。
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