JP2000156986A - 車両に搭載された超音波モータのための電気制御装置 - Google Patents

車両に搭載された超音波モータのための電気制御装置

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JP2000156986A
JP2000156986A JP10326940A JP32694098A JP2000156986A JP 2000156986 A JP2000156986 A JP 2000156986A JP 10326940 A JP10326940 A JP 10326940A JP 32694098 A JP32694098 A JP 32694098A JP 2000156986 A JP2000156986 A JP 2000156986A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両に搭載された超音波モータを、確実に変
位体を変位させて被駆動部材を駆動できる状態に保つ。 【解決手段】マイクロコンピュータは、イグニッション
スイッチのオン操作に応じてステップ100にてプログ
ラムの実行を開始したとき、ステップ102の解除制御
処理を実行する。このとき、マイクロコンピュータは、
駆動回路に制御信号を出力することにより、超音波モー
タに対し、振動体とロータとの固着を解除するための駆
動信号を付与する。また、マイクロコンピュータは、上
記ステップ102の解除制御処理を、超音波モータの非
駆動状態が所定時間だけ継続した場合にも実行する。こ
の場合、マイクロコンピュータは、ステップ110の判
定処理により、上記ステップ102の解除制御処理を、
この車両が停止中であるときにのみ許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載され
て、例えばショックアブソーバの発生する減衰力を変更
するためなどに用いられる超音波モータを駆動制御する
電気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開平4−21788
4号公報に示されているように、超音波モータをカメラ
に適用することは知られている。この場合、超音波モー
タは、駆動信号の付与に応じて振動する振動体と、振動
体に圧接して振動体の振動に応じて変位する変位体とを
備えていて、駆動回路が振動体に駆動信号を付与するこ
とにより振動体を振動させて変位体の変位により被駆動
部材としてのレンズ枠を移動させるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来装置
においては、超音波モータの非駆動状態、すなわち振動
体に対して変位体が一定の位置に保たれたままの状態が
長時間継続したとき、振動体と変位体とが固着して変位
体が変位不能となり、被駆動部材が駆動不能になること
があるという問題があった。
【0004】
【発明の概要】本発明は上記問題に対処するためになさ
れたものであり、その目的は、車両に搭載された超音波
モータの変位体を確実に変位させて被駆動部材を駆動で
きる状態に保つようにした車両に搭載された超音波モー
タのための電気制御装置を提供することにある。
【0005】上記目的を達成するために、本発明の第1
の構成上の特徴は、車両に搭載されて前記振動体及び変
位体を備え変位体の変位により被駆動部材を駆動する超
音波モータのための電気制御装置において、振動体に駆
動信号を付与する駆動回路と、イグニッションスイッチ
がオン操作されたとき駆動回路を制御して振動体に同振
動体と変位体との固着を解除するための解除用駆動信号
を付与する解除手段を設けたことにある。これによれ
ば、イグニッションスイッチがオン操作されたとき、解
除手段による制御に応じて駆動回路が振動体に解除用駆
動信号を付与するため、イグニッションスイッチのオフ
状態時に生じた振動体と変位体との固着が解除される。
したがって、超音波モータを、その変位体を確実に変位
させて被駆動部材を駆動できる状態に保つことができ
る。
【0006】また、本発明の第2の構成上の特徴は、前
記駆動回路を備えた超音波モータのための電気制御装置
において、超音波モータが継続して非駆動状態にある時
間を計測する計時手段と、計時手段が所定時間を計時し
たとき駆動回路を制御して振動体に同振動体と変位体と
の固着を解除するための解除用駆動信号を付与する解除
手段とを設けたことにある。これによれば、超音波モー
タの非駆動状態が所定時間だけ継続したとき、解除手段
による制御に応じて駆動回路が振動体に解除用駆動信号
を付与するため、超音波モータが非駆動状態にあるとき
発生した振動体と変位体との固着が解除される。したが
って、超音波モータを、その変位体を確実に変位させて
被駆動部材を駆動できる状態に保つことができる。
【0007】また、本発明の第3の構成上の特徴は、前
記第2の構成上の特徴を有する車両に搭載された超音波
モータのための電気制御回路において、車両が停止中で
あることを検出する停止検出手段と、停止検出手段によ
り車両が停止中であることが検出されているときにのみ
解除手段による解除用駆動信号の付与を許容する解除駆
動許容手段とを設けたことにある。これによれば、解除
手段が車両の停止時にのみ超音波モータの振動体に対し
解除用駆動信号を付与するようになるため、同解除用駆
動信号の付与による超音波モータの駆動が車両の走行に
影響することを回避できる。
【0008】また、本発明の第4の構成上の特徴は、前
記第1〜3の構成上の特徴のうちのいずれか一つを有す
る車両に搭載された超音波モータのための電気制御装置
において、変位体の変位を検出する変位検出手段と、解
除手段による解除用駆動信号付与時に変位検出手段によ
り変位体の変位が検出されなかったとき超音波モータの
駆動不能状態を報知する報知手段とを設けたことにあ
る。これによれば、解除手段による解除用駆動信号の付
与時に、振動体と変位体との固着が解除されず変位体が
変位しなかった場合、報知手段が超音波モータの駆動不
能状態を報知する。したがって、振動体と変位体との解
除不能な固着に対して迅速に対処することが可能とな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。同実施形態は、本発明に係る電気制
御装置を車両の減衰力可変ショックアブソーバに組み付
けられた超音波モータに対して適用したものであり、図
1は上記電気制御装置の全体を概略的に表したブロック
図である。この電気制御装置が適用された減衰力可変シ
ョックアブソーバSAは、図2に示すように、シリンダ
10と、シリンダ10の内周面に液密的かつ軸線方向に
摺動可能に組み付けられたピストン20と、ピストン2
0を下端部にて固定したピストンロッド30とを備えて
いる。
【0010】シリンダ10は、共に円筒状に形成されて
同軸的に配置したアウタシリンダ11及びインナシリン
ダ12を備えている。アウタシリンダ11は、その下端
にてブラケット13を介してばね下部材としてのロアア
ームに組み付けられるようになっている。インナシリン
ダ12は、その上端にて環状の支持プレート14を介し
てアウタシリンダ11の上端部外周面上に液密的に支持
されているとともに、その下端にて環状の支持プレート
15を介してアウタシリンダ11の下端部内周面上に支
持されている。
【0011】インナシリンダ12内は、ピストン20に
より上下室R1,R2に区画されている。上下室R1,
R2はそれぞれ作動油で満たされており、下室R2はア
ウタシリンダ11とインナシリンダ12との間に形成さ
れた環状室R3にインナシリンダ12の下端にて連通し
ている。環状室R3は気体を封入しており、ピストンロ
ッド30の進退に伴う上下室R1,R2内における作動
油の体積変化を吸収する。
【0012】ピストン20は、図3に詳細に示すよう
に、それぞれピストンロッド30の外周面上に固定され
たカップ状部材21及び環状部材22により構成され、
同ピストンロッド30の外周面上に油室R4を形成して
いる。カップ状部材21及び環状部材22にはそれぞれ
上下室R1,R2と油室R4とを連通させる油路21
a,22aが設けられており、各油路21a,22aの
一端には作動油の両方向への移動を許容する環状のリー
フバルブ23,24がそれぞれ組み付けられている。
【0013】ピストンロッド30は、円筒状かつ長尺状
の本体部31、及び円筒状のスリーブ部32により構成
されている。本体部31は、上端部をシリンダ10の上
端面から進退可能に突出させて、上端にてばね上部材と
しての車体に組み付けられるようになっている。スリー
ブ部32は、上端部にて細径部32aを形成していると
ともに同細径部32aの下方位置にて大径部32bを形
成しており、同大径部32bの外周面上にて本体部31
の下端部内周面上に液密的に固着されている。スリーブ
部32は、下端部外周面上に螺着したナット33によっ
てピストン20を中間部外周面上に固定するとともに、
下端を下室R2内に開口させている。スリーブ部32の
側壁には、下室R2を同スリーブ部32の内部を介して
それぞれ上室R1及び油室R4に連通させる油路32
c,32dが形成されている。
【0014】スリーブ部32内には、同スリーブ部32
と共にバルブ機構を構成するスプール34(被駆動部
材)が同軸的かつ軸線回りに回転可能に組み込まれてい
る。スプール34は、下端を開口した円筒状に形成され
て、スリーブ部32の各油路32c,32dに対向する
位置にて側壁に絞り孔34a,34bをそれぞれ形成し
ている。各絞り孔34a,34bは、スプール34のス
リーブ部32に対する回転位置に応じて各油路32c,
32dの開度を変更する。スプール34の下面であって
同スプール34の軸線に対して対称の位置には、一対の
ピン34c,34cがそれぞれ下方に向けて突設されて
いる。ピン34c,34cは、スプール34の回転時に
同スプール34と一体的に回転し、スリーブ部32内に
て径方向に延設されたバー32eとの当接によりスプー
ル34の回転角を規制する。スプール34は、その上面
に形成したシャフト部34fを介してピストンロッド3
0の本体部31内に収容された超音波モータ40に連結
されている。
【0015】超音波モータ40は、ピストンロッド30
と同軸的に配設された円筒状のケーシング41を備えて
いる。ケーシング41の外周面とピストンロッド30の
本体部31の内周面との間には0.15mm以上の間隙
Sが設けられており、ケーシング41の上端部外周面上
には弾性部材により形成した環状のバンド42が巻かれ
ている。ケーシング41の内周面には、図4にて詳細に
示すように、段差41aを境に上部にて小径部41bが
形成されているとともに下部にて大径部41cが形成さ
れており、ケーシング41は同大径部41cの下端部に
てピストンロッド30のスリーブ部32の細径部32a
外周面上に固着されている。
【0016】ケーシング41内には、同ケーシング41
と同軸的なシャフト43が収容されている。シャフト4
3は上下両端部にてベアリング44,45によりケーシ
ング41に対して軸線回りに回転可能に支持され、下端
にてスプール34のシャフト部34fを回転不能に連結
しているとともに、中間部にて同シャフト43と同軸的
な円柱状の振動体50を貫通している。シャフト43の
外周面上であって振動体50の上下位置には、変位体と
してのロータ46,47が同シャフト43に回転不能に
固定されている。ロータ46,47は、シャフト43を
貫通させるとともにケーシング41、シャフト43及び
振動体50と同軸的な環状に形成されてなり、皿ばね4
8,49によってそれぞれベアリング44,45に対し
内側に向けて付勢されて、振動体50の上下端面にその
内側端面を圧接させている。
【0017】振動体50は、シャフト43を軸線回りに
回転可能に挿通させた円管状のボルト51と、同ボルト
51の軸方向中央部に配設された上下一対の円筒状の励
振部52,53と、励振部52,53の各外側に配設さ
れた上下一対のカップ状の駆動部54,55とを備えて
いる。
【0018】励振部52,53は、例えばPZTなどの
圧電素子と、周方向に並設された4枚の電極板とを軸方
向に交互に積層して構成したものである。各層の各電極
板には、ケーシング41の内周面上の溝41dに沿って
導かれたハーネス56を介し駆動信号が付与される。こ
の駆動信号は、互いに90度異なる2種類の位相(以
下、A相及びB相と呼ぶ)の交流電気信号であり、各電
極板に付与される交流電気信号の位相は、各電極板毎
に、A相又はB相に予め定められている。励振部52,
53は、上記駆動信号の付与に応じて、屈曲振動すると
ともに同屈曲の方向を軸線回りに回転させ、上下端面に
周方向の進行波を発生する。
【0019】駆動部54,55は、底板部にてシャフト
43を軸線周りに回転可能に貫通させるとともに内周面
上にてボルト51の上下端部外周面上にそれぞれ螺合し
て、各内側の端面上にて励振部52,53を挟持してお
り、前記励振部52,53の端面に発生した進行波によ
って励振されるものである。振動体50は、上記励振部
52,53への駆動信号の付与に応じて、同振動体50
全体で軸方向中央位置すなわち両励振部52,53の間
を節として屈曲振動するとともに同屈曲の方向を軸線回
りに回転させ、駆動部54,55の各外側端面にて摩擦
により各ロータ46,47を互いに同一方向に回転させ
る。このとき、シャフト43が、各ロータ46,47及
び皿ばね48,49と一体的に回転し、ピストンロッド
30のスリーブ部32に対してスプール34を回転駆動
する。なお、この回転の方向は、上記励振部52,53
に付与される駆動信号において、A相とB相とでいずれ
の位相が進んでいるかによって定まるようになってい
る。ここで、A相がB相に対して遅れている場合の回転
方向を正方向とし、A相がB相に対して進んでいる場合
の回転方向を逆方向とする。
【0020】両励振部52,53の間には、環状の平板
57が配設されている。平板57は、図5にて詳細に示
すように、ボルト51を貫通させるとともに両励振部5
2,53に挟持された中央部57aと外周端部57bと
の間に複数の円弧状の貫通孔57cを形成しており、中
央部57aの外周端部57bに対する若干の変位を許容
するように、すなわち可撓に構成されている。なお、貫
通孔57cの数量及び形状は後に詳述する必要に応じて
適当に設定されるものであり、図5の(a),(b)は
それぞれ同貫通孔57cの数量及び形状の異なった採用
例を示したものである。平板57の外周端部57bは、
ケーシング41の内周面上の段差41aと、同内周面上
の大径部41b内に嵌入された円筒状の内部ケーシング
41eの上端とにより上下方向から挟持されている。
【0021】また、ピストンロッド30内には、ロータ
リエンコーダ60も収容されている。ロータリエンコー
ダ60は、超音波モータ40のシャフト43の外周面上
に固定されて周方向に並設された複数個の磁石61と、
磁石61に対向してケーシング41の上面上に固定され
周方向に並設された複数個のホール素子62とを備えて
おり、シャフト43のピストンロッド30に対する回転
に伴って、各ホール素子62毎に磁石61の接近を検出
し同各検出を表すパルス信号をハーネス63を介して出
力する。
【0022】上記減衰力可変ショックアブソーバSAに
適用された電気制御装置は、ハーネス56を介して超音
波モータ40に接続されるとともにハーネス63を介し
てロータリエンコーダ60に接続された駆動回路70
と、ハーネス63を介してロータリエンコーダ60に接
続されたマイクロコンピュータ80とを備えている。駆
動回路70は、ロータリエンコーダ60から入力される
パルス信号を利用しながら、超音波モータ40に対し前
記A相及びB相の交流電気信号からなる駆動信号を付与
するものである。マイクロコンピュータ80は、図6〜
9のフローチャートに対応したプログラムを実行して、
駆動回路70に対し制御信号を出力し超音波モータ40
を駆動制御する。
【0023】マイクロコンピュータ80には、イグニッ
ションスイッチ81、ばね上加速度センサ82、相対速
度センサ83、車速センサ84及び表示器85も接続さ
れている。イグニッションスイッチ81は、図示しない
キーにより操作されて、この車両のエンジンを始動させ
るためのスイッチである。ばね上加速度センサ82は、
この車両のばね上部材(車体)の加速度を検出するもの
である。相対速度センサ83は、この車両のばね上部材
のばね下部材(車輪)に対する相対速度を検出するもの
である。車速センサ84は、この車両の速度vを検出す
るものである。表示器85は、超音波モータ40の駆動
不能状態を視覚的に報知するためのものである。また、
マイクロコンピュータ80には、タイマ80aが内蔵さ
れている。タイマ80aは、所定の短時間毎にタイマイ
ンタラプト信号を発生し、マイクロコンピュータ80に
図9のタイマインタラプトプログラムを実行させるもの
である。
【0024】次に、上記のように構成した実施形態の動
作を図6〜9のフローチャートに沿って説明する。イグ
ニッションスイッチ81のオン操作に応じて、マイクロ
コンピュータ80は、図6のステップ100にてメイン
プログラムの実行を開始し、まず、ステップ102に
て、図7に詳細に示す解除制御処理を実行する。
【0025】上記解除制御処理は、超音波モータ40の
振動体50と各ロータ46,47との固着を解除するた
めの処理である。マイクロコンピュータ80は、ステッ
プ200にてこの解除制御処理の実行を開始したとき、
まず、ステップ202にて、駆動電圧V及び駆動周波数
ωをそれぞれ初期駆動電圧V0及び初期駆動周波数ω0
に設定するとともに、試行カウント値n、パルスカウン
ト値m及びタイマカウント値TMをそれぞれ値“0”に
設定する。駆動電圧V及び駆動周波数ωはそれぞれ超音
波モータ40に付与する駆動信号の電圧及び周波数を表
すものであり、初期駆動電圧V0及び初期駆動周波数ω
0はそれぞれ同駆動信号の電圧及び周波数として適当な
値に予め設定されたものである。試行カウント値nは、
超音波モータ40の振動体50とロータ46,47との
固着の解除を試みた回数を計測するためのものである。
パルスカウント値mは、ロータリエンコーダ60からパ
ルス信号が入力された回数を計測するためのものであ
る。タイマカウント値TMは、超音波モータ40が継続
して非駆動状態にある時間を計測するためのものであ
る。
【0026】上記ステップ202の各設定後、マイクロ
コンピュータ80は、ステップ204にて、超音波モー
タ40の正転駆動を開始する。具体的には、上記設定さ
れた駆動電圧V及び駆動周波数ωに基づき駆動回路70
に制御信号を出力して、超音波モータ40に、A相の交
流電気信号として信号V・sinωtを付与するととも
に、B相の交流電気信号としてA相より90度だけ位相
の進んだ信号V・cosωtを付与する。これにより、超
音波モータ40の振動体50が振動し、通常は、同振動
体50との摩擦により各ロータ46,47が正転する。
【0027】上記正転駆動開始後、マイクロコンピュー
タ80は、ステップ206にて、ロータリエンコーダ6
0からのパルス信号の入力の有無を判定する。このと
き、上述のように振動体50の振動に伴い各ロータ4
6,47が正常に回転していれば、同回転に伴いシャフ
ト43が回転するため、ロータリエンコーダ60の各ホ
ール素子62が磁石61の接近を検出し、同各検出を表
すパルス信号がハーネス63を介してマイクロコンピュ
ータ80に入力される。これにより、マイクロコンピュ
ータ80は同ステップ206にて「YES」と判定し、
プログラムをステップ208以降へ進める。
【0028】ところで、超音波モータ40の振動体50
及びロータ46,47は、互いに所定の摩擦力を得るた
めに常時圧接しているため、超音波モータ40の非駆動
状態、すなわち振動体50に対してロータ46,47が
一定の回転位置に保たれたままの状態が長時間継続する
と、振動体50とロータ46,47とが固着して、前記
ステップ204にて付与された駆動信号ではロータ4
6,47が回転しないことがある。この場合、シャフト
43が回転せずに、ロータリエンコーダ60からパルス
信号が出力されることもないため、マイクロコンピュー
タ80は、ステップ206にて「NO」と判定して、プ
ログラムをステップ210以降へ進める。
【0029】この場合、マイクロコンピュータ80は、
まず、ステップ210にて、駆動周波数ωをそれまでの
値より補正周波数Δωだけ低い値に更新設定する。補正
周波数Δωは、予め設定された微少な値である。そし
て、同設定後、ステップ212にて、上記更新設定され
た駆動周波数ωが予め設定された最小駆動周波数ωmin
より小さいか否かを判定する。このとき、駆動周波数ω
が最小駆動周波数ωmin以上であれば、「NO」と判定
してプログラムを再びステップ204へ進め、上記更新
設定された駆動周波数ωに基づいて、超音波モータ40
に駆動信号を付与する。
【0030】上記ステップ204の再実行時において
は、前回の同ステップ204の実行時と比較して、駆動
周波数ωが低く設定されているため、超音波モータ40
の駆動トルクは大きくなる。この駆動トルクの増加によ
り、振動体50とロータ46,47との固着が解除され
てロータ46,47が回転し始めれば、マイクロコンピ
ュータ80はロータリエンコーダ60からのパルス信号
に基づきステップ206にて「YES」と判定し、プロ
グラムをステップ208以降へ進める。一方、上記固着
が依然解除されなければ、ステップ206における「N
O」との判定のもとに、プログラムは再びステップ21
0へ進められて、駆動周波数ωがさらに補正周波数Δω
だけ低い値に更新設定される。このステップ210,2
12,204,206からなる処理の繰り返し実行によ
り、マイクロコンピュータ80は、駆動周波数ωを徐々
に低下させて駆動トルクを上昇させながら超音波モータ
40に駆動信号を付与し続け、振動体50とロータ4
6,47との固着の解除を試みる。
【0031】上記ステップ210,212,204,2
06の処理の繰り返し実行中、振動体50とロータ4
6.47との固着が解除されないまま駆動周波数ωが最
小駆動周波数ωminより小さくなった場合、マイクロコ
ンピュータ80は、ステップ212における「YES」
との判定のもとに、プログラムをステップ214以降へ
進める。ステップ214は、試行カウント値nが値
“1”であるか否かを判定する処理である。最初、試行
カウント値nは前記ステップ202にて値“0”に設定
されているため、マイクロコンピュータ80は、同ステ
ップ214にて「NO」と判定し、プログラムをステッ
プ216へ進める。ステップ216は、駆動電圧Vを最
大駆動電圧Vmaxに更新設定するとともに、駆動周波数
ωを再び初期駆動周波数ω0に設定し、試行カウント値
nを値“1”に設定する処理である。最大駆動電圧Vma
xは、初期駆動電圧V0より大きい値に予め設定された
ものである。
【0032】上記各設定後、マイクロコンピュータ80
は、プログラムを再びステップ204へ進め、上記更新
設定された駆動電圧Vに基づいて、超音波モータ40に
駆動信号を付与する。このステップ204の再実行時に
おいては、前回の同ステップ204の実行時と比較し
て、駆動電圧Vが高く設定されているため、超音波モー
タ40の駆動トルクは大きくなる。この駆動トルクの増
加により、振動体50とロータ46,47との固着が解
除されてロータ46,47が回転し始めれば、マイクロ
コンピュータ80はロータリエンコーダ60からのパル
ス信号に基づきステップ206にて「YES」と判定
し、プログラムをステップ208以降へ進める。一方、
上記固着が依然解除されなければ、ステップ206にお
ける「NO」との判定のもとに、前述した駆動電圧Vと
して初期駆動電圧V0が設定されていた場合と同様に、
ステップ210,212,204,206からなる処理
を繰り返し実行して、駆動周波数ωを徐々に低下させて
駆動トルクを上昇させながら超音波モータ40に駆動信
号を付与し続け、振動体50とロータ46,47との固
着の解除を試みる。
【0033】上記ステップ210,212,204,2
06の処理の繰り返し実行中、振動体50とロータ4
6.47との固着が解除されないまま駆動周波数ωが最
小駆動周波数ωminより小さくなった場合、マイクロコ
ンピュータ80は、前記同様に、ステップ214にて試
行カウント値nが値“1”であるか否かを判定する。こ
のとき、試行カウント値nは前記ステップ216にて値
“1”に設定されているため、マイクロコンピュータ8
0は同ステップ214にて「YES」と判定しプログラ
ムをステップ217以降へ進める。ステップ217にお
いては、超音波モータ40の駆動を停止する。ステップ
218においては、表示器85にて超音波モータ40が
駆動不能状態であることを表示する。そして、これら各
処理後、マイクロコンピュータ80はステップ220に
てこのメインプログラムの実行を終了する。この場合、
以降、超音波モータ40が駆動されることはない。
【0034】一方、前述のように、振動体50とロータ
46,47とが最初から固着していなかったか又は上記
各処理中に同固着が解除されたかしてプログラムがステ
ップ208以降へ進められた場合、マイクロコンピュー
タ80は、ステップ208にてパルスカウント値mに値
“1”を加算し、ステップ222にて同加算したパルス
カウント値mが予め設定された所定値m0に達したか否
かを判定する。そして、このとき同パルスカウント値m
が所定値m0に達していなければ、「NO」との判定の
もとにプログラムを再びステップ206へ進めてロータ
リエンコーダ60からのパルス信号の入力を待つ。この
ステップ206,208,222からなる処理の繰り返
し実行により、各ロータ46,47及びシャフト43
は、ロータリエンコーダ60がパルス信号を所定値m0
回だけ出力するまで正転し続ける。
【0035】上記ステップ206,208,222から
なる処理の繰り返し実行中、ロータリエンコーダ60か
らパルス信号が入力された回数が所定値m0回に達する
と、マイクロコンピュータ80はステップ222におけ
る「YES」との判定のもとにプログラムをステップ2
24以降へ進める。ステップ224においては、前記ス
テップ202と同様に、駆動電圧V及び駆動周波数ωを
それぞれ初期駆動電圧V0及び初期駆動周波数ω0に設
定するとともに、試行カウント値n、パルスカウント値
m及びタイマカウント値TMをそれぞれ値“0”に設定
する。ステップ226においては、超音波モータ40の
逆転駆動を開始する。具体的には、前記ステップ224
にて設定された駆動電圧V及び駆動周波数ωに基づき駆
動回路70に制御信号を出力して、超音波モータ40
に、A相の交流電気信号として信号V・cosωtを付与
するとともに、B相の交流電気信号としてA相より90
度だけ位相の遅れた信号V・sinωtを付与する。これ
により、超音波モータ40の振動体50が振動し、同振
動体50との摩擦により各ロータ46,47が逆転す
る。
【0036】上記逆転駆動開始後、マイクロコンピュー
タ80は、ステップ228〜232からなる処理を繰り
返し実行する。このステップ228〜232の処理は、
前記ステップ206,208,222の処理と同様に、
ロータリエンコーダ60からパルス信号が入力される毎
にパルスカウント値mに値“1”を加算しながら、同加
算したパルスカウント値mが所定値m0に達するまで継
続される循環処理である。これにより、各ロータ46,
47及びシャフト43は、ロータリエンコーダ60がパ
ルス信号を所定値m0回だけ出力するまで逆転し続け
る。そして、上記循環処理中、ロータリエンコーダ60
からパルス信号が入力された回数が所定値m0に達する
と、マイクロコンピュータ80は、プログラムをステッ
プ234へ進めて、超音波モータ40の駆動を停止す
る。これにより、各ロータ46,47及びシャフト43
は、前記ステップ204にて正転駆動される前の元の回
転位置に戻される。
【0037】なお、上記超音波モータ40の逆転駆動時
に各ロータ46,47が回転しなかった場合、マイクロ
コンピュータ80は、ステップ228における「NO」
との判定にもとづいて、前記超音波モータ40の正転駆
動時におけるステップ210〜220の処理と同等のス
テップ236〜248の処理を実行する。すなわち、駆
動周波数ωを徐々に低下させるとともに駆動電圧Vを段
階的に上昇させて駆動トルクを上昇させながら、超音波
モータ40に駆動信号を付与し続ける。これにより各ロ
ータ46,47が回転を開始すれば、ステップ228に
おける「YES」との判定のもとに、プログラムを前記
ステップ230以降へ進める。一方、各ロータ46,4
7が依然回転しないままであれば、ステップ244にて
超音波モータ40の駆動を停止し、ステップ246にて
表示器85により超音波モータ40が駆動不能状態であ
ることを表示し、ステップ248にてこのメインプログ
ラムの実行を終了する。この場合も、以降、超音波モー
タ40が駆動されることはない。
【0038】各ロータ46,47が正常に逆転して、同
各ロータ46,47及びシャフト43が正転駆動前の元
の回転位置に戻された場合、マイクロコンピュータ80
は、ステップ250にて駆動電圧Vを初期駆動電圧V0
に設定した後、ステップ252にてこの解除制御処理を
終了する。
【0039】上記解除制御処理の実行後、マイクロコン
ピュータ80は、図6のステップ104にて、フラグF
LGの値を“0”に設定する。フラグFLGは、値
“1”にて、振動体50とロータ46,47とが固着し
ている可能性が高く超音波モータ40に上記解除制御処
理が必要であることを表し、値“0”にて、上記固着の
可能性が低く超音波モータ40に上記解除制御処理の必
要がないことを表すものである。同設定後、マイクロコ
ンピュータ80は、フラグFLGが値“0”に設定され
たままであることを条件に、ステップ106における
「NO」との判定のもとに、ステップ106,108の
循環処理を繰り返し実行し続ける。
【0040】上記循環処理中、減衰力可変ショックアブ
ソーバSAにおいては、ばね上部材がばね下部材に対し
て上下動すると、ピストン20及びピストンロッド30
がシリンダ10に対して上下動する。この場合、ピスト
ン20及びピストンロッド30が上側に変位するとき
は、上室R1内の作動油が、リーフバルブ23及び油路
21aを介して油室R4内に流れ込み、同油室R4か
ら、リーフバルブ24及び油路22aと、スリーブ部3
2の油路32d及びスプール34の絞り孔34bとを介
して下室R2内に流れ込む。また、スリーブ部32の油
路32c及びスプール34の絞り孔34aを介して下室
R2内に流れ込む。一方、ピストン20及びピストンロ
ッド30が下側に変位するときは、下室R2内の作動油
が、油路22a及びリーフバルブ24と、スプール34
の絞り孔34b及びスリーブ部32の油路32dとを介
して油室R4内に流れ込み、同油室R4から油路21a
及びリーフバルブ23を介して上室R1内に流れ込む。
また、スプール34の絞り孔34a及びスリーブ部32
の油路32cを介して上室R1内に流れ込む。これら各
場合において、上記作動油の通過する各油路がそれぞれ
同作動油の流れに対し抵抗として作用し、上記ピストン
20及びピストンロッド30の上下動に対し減衰力が付
与される。
【0041】マイクロコンピュータ80は、上記循環処
理中、ステップ108にて、図8に詳細に示す減衰力制
御処理を繰り返し実行し続ける。この場合、マイクロコ
ンピュータ80は、ステップ300にて同減衰力制御処
理の実行を開始する毎に、まず、ステップ302にて、
ピストンロッド30のスリーブ部32に対するスプール
34の目標回転位置を算出する。具体的には、予め定め
られた所定の算出方法に従って、ばね上加速度センサ8
2及び相対速度センサ83による検出に基づいて上記ピ
ストン20及びピストンロッド30の上下動に対し付与
すべき理想的な減衰力を算出し、同算出した減衰力に対
応するスプール34の回転位置を上記目標回転位置とし
て算出する。
【0042】上記算出後、マイクロコンピュータ80
は、ステップ304にて、ピストンロッド30のスリー
ブ32に対するスプール34の実際の回転位置が上記算
出した目標回転位置と等しいか否かを判定する。なお、
上記実際の回転位置は、ロータリエンコーダ60から入
力されたパルス信号に基づいて算出したものである。こ
のとき、上記実際の回転位置が目標回転位置と等しけれ
ば、マイクロコンピュータ80は同ステップ304にて
「YES」と判定し、プログラムをステップ306へ進
める。ステップ306は、超音波モータ40を非駆動状
態に保つ処理である。同処理後、マイクロコンピュータ
80はステップ312にてこの減衰力制御処理を一旦終
了する。
【0043】一方、上記実際の回転位置が目標回転位置
と異なっていれば、マイクロコンピュータ80は、ステ
ップ304における「NO」との判定のもとに、ステッ
プ306にて回転位置制御処理を実行する。同処理にお
いて、マイクロコンピュータ80は、駆動回路70に制
御信号を出力し、上記実際の回転位置が目標回転位置と
等しくなるように、超音波モータ40に正転又は逆転駆
動を開始させる。また、この場合、マイクロコンピュー
タ80は、ステップ310にてタイマカウント値TMを
値“0”にリセットする。同リセット後、マイクロコン
ピュータ80は、ステップ312にてこの減衰力制御処
理を一旦終了する。
【0044】上記ステップ308にて開始された超音波
モータ40の回転駆動により、上記実際の回転位置が上
記算出した目標回転位置と等しくなると、マイクロコン
ピュータ80は、ステップ304における「YES」と
の判定のもとに、ステップ306にて上記回転駆動を停
止させる。このステップ108の減衰力制御処理の繰り
返し実行により、上記ステップ106,108の循環処
理中、ピストンロッド30のスリーブ部32に対するス
プール34の回転位置は、前記ステップ302にて算出
される目標回転位置に随時保たれ続ける。これにより、
スリーブ部32の各油路32c,32dの開度が制御さ
れて、上記ピストン20及びピストンロッド30の上下
動に対して付与される減衰力が制御される。
【0045】ところで、マイクロコンピュータ80は、
上記ステップ106,108の循環処理中、タイマ80
aが所定の短時間を計時する毎に、図9に示すタイマイ
ンタラプトプログラムを割り込み実行している。マイク
ロコンピュータ80は、ステップ300にてこのタイマ
インタラプトプログラムの実行を開始する毎に、まず、
ステップ402にて、フラグFLGが値“1”であるか
否かを判定する。最初、フラグFLGは、前記ステップ
104にて、振動体50とロータ46,47との固着の
可能性が低く超音波モータ40に上記解除制御処理の必
要がないことを表す値“0”に設定されているため、マ
イクロコンピュータ80は、同ステップ402における
「NO」との判定のもとに、プログラムをステップ40
4以降へ進める。ステップ404においては、タイマカ
ウント値TMに値“1”を加算する。ステップ406に
おいては、同加算したタイマカウント値TMが予め設定
された所定値T0以上であるか否かを判定する。このと
きタイマカウント値TMが所定値T0に達していなけれ
ば、マイクロコンピュータ80は同ステップ406にお
ける「NO」との判定のもとにステップ410にてこの
タイマインタラプトプログラムの実行を一旦終了する。
【0046】上記ステップ400〜406,410の処
理の繰り返し実行により、タイマカウント値TMは、値
“1”ずつ増加して時間を計測し続ける。この場合、タ
イマカウント値TMは、前記図8のステップ308の回
転位置制御処理にて超音波モータ40が駆動される毎に
ステップ310にてリセットされるため、超音波モータ
40が継続して非駆動状態にある時間を計測することに
なる。そして、この超音波モータ40の非駆動状態が長
時間継続してタイマカウント値TMが所定値T0に達す
ると、マイクロコンピュータ80は、ステップ406に
て「YES」と判定し、ステップ408にて、フラグF
LGを、振動体50とロータ46,47との固着の可能
性が高く超音波モータ40に上記解除制御処理の必要が
あることを表す値“1”に設定し、ステップ410にて
このタイマインタラプトの実行を一旦終了する。このフ
ラグFLGの設定により、以後、マイクロコンピュータ
80は、このタイマインタラプトプログラムを実行した
とき、ステップ402における「YES」との判定のも
とに、そのままステップ410にて同タイマインタラプ
トプログラムの実行を終了するようになる。
【0047】一方、上記フラグFLGの設定により、マ
イクロコンピュータ80は、前記図6のメインプログラ
ムにおけるステップ106,108の繰り返し実行中、
ステップ106の判定処理を実行したとき、「YES」
と判定してプログラムをステップ110へ進めるように
なる。ステップ110は、車速センサ84により検出さ
れた車速vが値“0”であるか否か、すなわち、この車
両が停止中であるか否かを判定する処理である。このと
き、この車両が走行中であって車速vが値“0”でなけ
れば、マイクロコンピュータ80は、同ステップ110
における「NO」との判定のもとに、ステップ106〜
110の循環処理を継続する。一方、この車両が停止中
であって車速vが値“0”であれば、マイクロコンピュ
ータ80は、同ステップ110における「YES」との
判定のもとに、プログラムを再び前記ステップ102へ
進めて解除制御処理を実行する。そして、同解除制御処
理の実行後、前記同様に、ステップ104にてフラグF
LGを値“0”に設定した上で、再びステップ106,
108の循環処理を繰り返し実行する。
【0048】上述のように、上記実施形態においては、
イグニッションスイッチ81がオン操作されたとき、マ
イクロコンピュータ80が、図7のステップ204に
て、駆動回路70に制御信号を出力することにより、超
音波モータ40に対し、振動体50とロータ46,47
との固着を解除するための駆動信号(解除用駆動信号)
を付与する。これにより、イグニッションスイッチ81
のオフ状態時に発生した振動体50とロータ46,47
との固着が解除されるため、超音波モータ40が確実に
ロータ46,47を変位させてスプール34を駆動でき
る状態に保たれる。なお、上記解除用駆動信号による超
音波モータ40の駆動時にはイグニッションスイッチ8
1のオン操作に伴いエンジンの始動音が発生しているた
め、上記駆動に伴う超音波モータ40の駆動音は、上記
エンジンの始動音に紛れて、運転者に違和感を与えるこ
とがない。
【0049】また、上記ステップ204における解除用
駆動信号の付与は、タイマカウント値TMによる計時に
基づいて、超音波モータ40の非駆動状態が所定値T0
によって表される所定時間だけ継続した場合においても
実行される。これにより、超音波モータ40が非駆動状
態にあるとき発生した振動体50とロータ46,47と
の固着が解除されるため、超音波モータ40が確実にロ
ータ46,47を変位させてスプール34を駆動できる
状態に保たれる。
【0050】また、上記ステップ204における解除用
駆動信号の付与は、図6のステップ110の判定処理に
より、この車両が停止中であるときにのみ許容されるよ
うになっている。これにより、上記解除用駆動信号の付
与による超音波モータの駆動が車両の走行に影響するこ
とを回避するようになっている。
【0051】また、上記ステップ204における解除用
駆動信号の付与時に、振動体50とロータ46,47と
の固着が解除されずロータ46,47が回転しなかった
場合、ステップ218の処理により、表示器85が超音
波モータ40の駆動不能状態を表示する。これにより、
振動体50とロータ46,47との解除不能な固着に対
して迅速に対処することが可能となっている。
【0052】なお、上記実施形態においては、本発明に
係る電気制御装置を車両の減衰力可変ショックアブソー
バに組み付けられた超音波モータに対して適用したが、
本発明は、車両の例えばブレーキやパワーウィンドウな
どに組み付けられた超音波モータに対しても同様に適用
できる。
【0053】また、上記実施形態においては、超音波モ
ータ40の駆動不能状態を報知する報知手段として同状
態を視覚的に報知する表示器85を採用したが、この報
知手段としては、超音波モータ40の駆動不能状態を聴
覚的に報知する警報器を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両に搭載された超
音波モータのための電気制御装置の全体ブロック図であ
る。
【図2】図1の減衰力可変ショックアブソーバの全体縦
断面図である。
【図3】図2のピストン及びピストンロッドの拡大縦断
面図である。
【図4】図1,2の超音波モータの拡大縦断面図であ
る。
【図5】(a),(b)はそれぞれ図4の平板の一採用
例を示す平面図である。
【図6】図1のマイクロコンピュータにより実行される
メインプログラムを示すフローチャートである。
【図7】図6の解除制御処理の詳細を示すフローチャー
トである。
【図8】図6の減衰力制御処理の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図9】図1のマイクロコンピュータにより実行される
タイマインタラプトプログラムを示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
10…シリンダ、20…ピストン、30…ピストンロッ
ド、40…超音波モータ、46,47…ロータ、50…
振動体、60…ロータリエンコーダ、70…駆動回路、
80…マイクロコンピュータ、80a…タイマ、81…
イグニッションスイッチ、84…車速センサ、85…表
示器、SA…減衰力可変ショックアブソーバ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に搭載されて、駆動信号の付与に応じ
    て振動する振動体と、前記振動体に圧接して前記振動体
    の振動に応じて変位する変位体とを備え、前記変位体の
    変位により被駆動部材を駆動する超音波モータのための
    電気制御装置において、 前記振動体に前記駆動信号を付与する駆動回路と、 イグニッションスイッチがオン操作されたとき前記駆動
    回路を制御して前記振動体に同振動体と前記変位体との
    固着を解除するための解除用駆動信号を付与する解除手
    段を設けたことを特徴とする車両に搭載された超音波モ
    ータのための電気制御装置。
  2. 【請求項2】車両に搭載されて、駆動信号の付与に応じ
    て振動する振動体と、前記振動体に圧接して前記振動体
    の振動に応じて変位する変位体とを備え、前記変位体の
    変位により被駆動部材を駆動する超音波モータのための
    電気制御装置において、 前記振動体に前記駆動信号を付与する駆動回路と、 前記超音波モータが継続して非駆動状態にある時間を計
    測する計時手段と、 前記計時手段が所定時間を計時したとき前記駆動回路を
    制御して前記振動体に同振動体と前記変位体との固着を
    解除するための解除用駆動信号を付与する解除手段とを
    設けたことを特徴とする車両に搭載された超音波モータ
    のための電気制御装置。
  3. 【請求項3】前記請求項2に記載の車両に搭載された超
    音波モータのための電気制御装置において、 車両が停止中であることを検出する停止検出手段と、 前記停止検出手段により車両が停止中であることが検出
    されているときにのみ前記解除手段による解除用駆動信
    号の付与を許容する解除駆動許容手段とを設けたことを
    特徴とする車両に搭載された超音波モータのための電気
    制御装置。
  4. 【請求項4】前記請求項1乃至請求項3のうちのいずれ
    か一つに記載の車両に搭載された超音波モータのための
    電気制御装置において、 前記変位体の変位を検出する変位検出手段と、 前記解除手段による解除用駆動信号付与時に前記変位検
    出手段により前記変位体の変位が検出されなかったとき
    前記超音波モータの駆動不能状態を報知する報知手段と
    を設けたことを特徴とする車両に搭載された超音波モー
    タのための電気制御装置。
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