JP2000154001A - 触媒薄膜シート積層型メタノールおよびジメチルエーテル改質器 - Google Patents

触媒薄膜シート積層型メタノールおよびジメチルエーテル改質器

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JP2000154001A
JP2000154001A JP10324968A JP32496898A JP2000154001A JP 2000154001 A JP2000154001 A JP 2000154001A JP 10324968 A JP10324968 A JP 10324968A JP 32496898 A JP32496898 A JP 32496898A JP 2000154001 A JP2000154001 A JP 2000154001A
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catalyst
combustion
reforming
methanol
sheet
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English (en)
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Yoshihide Kotogami
佳秀 言上
Kazunori Tsuchino
和典 土野
Kenro Mitsuta
憲朗 光田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタノールあるいはジメチルエーテル改質器
において、改質率・燃焼率の向上、改質ガス中のCO濃
度低減、圧力損失の低減、軽量コンパクト化を目的とす
る。 【解決手段】 この発明は、メタノールおよびジメチル
エーテル改質器を構成する改質部、触媒燃焼部、CO酸
化部に用いる改質・燃焼・CO酸化触媒を薄膜シート化
し、触媒シート1,3とコルゲートフィン2を交互に積
層し、コルゲートフィン2の間に反応ガスを通過させ、
触媒シート1,3に反応ガスを拡散させ、多数の折り返
し流路を構成することにより、上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば一般電源用
の可搬型燃料電池、あるいは電気自動車に搭載する燃料
電池等に必要な水素を生成するために用いられ、メタノ
ールあるいはジメチルエーテルを水素リッチの改質ガス
に変換する触媒薄膜シート積層型のメタノールおよびジ
メチルエーテル改質器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一次燃料として液体のメタノールあるい
はジメチルエーテルから水素リッチガスを製造する従来
の技術としては、例えば特願平9−45898号に開示
した平板積層構造のメタノール改質器がある。図8は、
平板積層構造のメタノール改質装置の基本的構成を示す
構成図である。図において、31は液体原料加熱部、3
2は蒸発部、33は蒸気過熱部、34は改質部、34a
はシフト部、35はCO酸化部、36aは触媒燃焼部
(上)、36bは触媒燃焼部(下)、37aは熱回収部
(上)、37bは熱回収部(下)である。図9は触媒粒
子の充填構造を示す。図において、43は改質触媒、4
4は燃焼触媒である。図中、実線は液体原料、過熱蒸気
の流れを示し、破線は改質ガスの流れ、一点鎖線は燃焼
ガスの流れを示す。
【0003】次にこのメタノール改質器の動作について
説明する。メタノールと水の液体原料を液体原料加熱部
31に供給する。メタノールと水の割合は所定のスチー
ム・カーボン比(例えば1.5)になるように、予めそ
れぞれの流量を調節して設定する。メタノールと水は液
体原料加熱部31で隣接するCO酸化部35を流れる改
質ガスと熱交換することにより予熱される。予熱された
液体原料を蒸発部32で蒸発させ、蒸発に必要な熱を主
に熱回収部37aの燃焼ガス排熱およびCO酸化部35
の発熱により供給する。蒸発に必要な温度は150〜2
00℃であり、CO酸化部35の入口温度は200〜2
40℃、熱回収部の燃焼ガス温度は250℃以上になる
ので、蒸発の熱源として十分高い温度レベルであり、蒸
発熱として利用できる。
【0004】メタノール、水の蒸気を蒸気過熱部33で
改質温度300℃にまで過熱するため、蒸気過熱部の両
側には加熱源として熱回収部37bと触媒燃焼部36a
を設ける。触媒燃焼部の燃焼ガス温度は300℃以上の
高温であり、蒸気を300℃まで過熱するのに十分な熱
を保有する。過熱蒸気を改質部34に供給し、メタノー
ルとスチームを改質反応により水素と二酸化炭素に変換
する。改質反応に必要な熱は、改質部の上下に設けた触
媒燃焼部36a,36bより供給する。触媒燃焼部で
は、燃料電池の燃料極から排気され、未利用の水素を含
んだ電池オフガス(以下オフガスと称する)を燃焼用空
気で燃焼させて、改質反応の加熱源とする。改質部の温
度は、改質ガス中のCO温度が後のCO酸化部で燃料電
池の許容レベル以下まで低減でき、かつ、生成する改質
ガス流量に対して高い改質率を確保できる温度(約30
0℃)とする。
【0005】改質部34を出た改質ガスはシフト部34
aに導入され、改質ガス中のCOとスチームはシフト反
応により二酸化炭素と水素に変換される。シフト反応は
化学平衡上温度が低いほど二酸化炭素側に進む。銅−亜
鉛系のシフト触媒を用いた場合、十分な反応速度を確保
するため200〜250℃の温度が必要とされるので、
シフト部34aを蒸発部32(200℃)と熱回収部3
7b(250℃)の間に設ける。
【0006】シフト部34aを出た改質ガスにはCO酸
化用空気がCO酸化部35に入る前に導入される。CO
酸化用空気の流量は、改質ガス中のCOを酸化するのに
必要な量以上の量(理論空気量に対して5〜10倍)相
当の流量を供給する。CO酸化部の温度は、CO酸化に
適切な温度範囲110〜240℃になるように、CO酸
化部を液体原料加熱部31と熱回収部37a、蒸発部3
2の間に設ける。CO酸化部の改質ガスは、入口で15
0〜200℃の蒸気や250℃の燃焼ガスと熱交換し、
出口で低温の液体原料と熱交換することにより、CO酸
化に適切な温度分布が維持される。CO酸化部の出口で
燃料電池の許容レベル以下までCO濃度を低減した改質
ガスは、燃料改質装置から燃料電池の燃料極へと供給さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による改質器
は、改質触媒、燃焼触媒、CO酸化触媒を図9に示すよ
うに個々に充填する必要があり、このような充填層方式
の改質器では、各種触媒の充填作業に多大な労力と時間
を要し、しかも触媒の充填にムラがあると、流れが不均
一になり、触媒本来の性能を十分に発揮することができ
なかった。また、充填層方式では、圧力損失が大きく、
改質ガス、燃焼ガスの流路を複数回折り返す流路構成で
はさらに圧力損失が大きくなり、シール部からのガス漏
れの問題が生じた。また、触媒として有効に作用する部
分は触媒粒子が反応ガスと直接接触する粒子表面の極近
傍に限られ、触媒の有効利用度は低く、多量の触媒を必
要とし、重量の増加やコスト高になるという問題があっ
た。
【0008】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたものであり、第1の目的は、触媒のシート化
により触媒充填作業の時間短縮と労力の低減を図ること
である。また、従来触媒充填粒子の大きさで制約されて
いた改質・燃焼・CO酸化平板の流路高さを圧力損失が
許容できる範囲で極限まで薄くし、装置全体の大幅なコ
ンパクト化を図ることである。本発明の第2の目的は、
改質部、触媒燃焼部において、改質ガス、燃焼ガスの圧
力損失の低減を図り、ガス漏れを防止するとともに、ガ
ス折り返しの流路構成を容易にし、改質率・燃焼率の向
上を図ることである。本発明の第3の目的は、燃焼部の
分散孔触媒燃焼シート化によりオフガスおよび空気の分
散による燃焼部温度分布の均一化を図ることである。本
発明の第4の目的は、CO酸化部において、改質ガスの
折り返し流路構成を容易にし、改質ガスのCO濃度を固
体高分子型燃料電池の許容濃度である数ppmのレベル
まで低減することである。本発明の第5の目的は、ポリ
テトラフルオロエチレンおよび膨張黒鉛のシールシート
を用いたガスシール構造により、原料、改質、燃焼ガ
ス、オフガス、空気のガス漏れを防止することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、改質
触媒によりメタノールあるいはジメチルエーテルを水素
に水蒸気改質する改質部を備えたメタノールおよびジメ
チルエーテル改質器において、前記改質部は、銅および
亜鉛を主成分とする改質触媒およびこれを担持する多孔
質薄膜からなる改質触媒シートと、前記改質触媒シート
に挟まれたコルゲートフィンとを備え、前記コルゲート
フィンの間に原料ガスを通過させるようにしたことを特
徴とするメタノールおよびジメチルエーテル改質器であ
る。請求項2の発明は、触媒燃焼により燃料電池オフガ
スの水素を燃焼する触媒燃焼部を備えたメタノールおよ
びジメチルエーテル改質器において、前記触媒燃焼部
は、白金を主成分とする燃焼触媒およびこれを担持する
多孔質薄膜からなる、第1の燃焼触媒シート、第2の分
散孔を有する燃焼触媒シートおよび第3の燃焼触媒シー
トと、それぞれの燃焼触媒シート間に挟まれたコルゲー
トフィンと、を備え、一方のコルゲートフィンに燃料電
池オフガス、もう一方のコルゲートフィンに燃焼用の空
気を供給することを特徴とするメタノールおよびジメチ
ルエーテル改質器である。請求項3の発明は、触媒燃焼
による高温の燃焼ガスによる排熱が送り込まれる熱回収
部を備えたメタノールおよびジメチルエーテル改質器に
おいて、前記熱回収部は、白金を主成分とする燃焼触媒
およびこれを担持する多孔質薄膜からなる燃焼触媒シー
トと、前記燃焼触媒シートに挟まれたコルゲートフィン
とを備え、前記コルゲートフィンの間に前記燃焼ガスを
通過させるようにしたことを特徴とするメタノールおよ
びジメチルエーテル改質器である。請求項4の発明は、
CO酸化触媒により改質ガス中のCOを酸化・低減する
CO酸化部を備えたメタノールおよびジメチルエーテル
改質器において、前記CO酸化部は、白金、ルテニウム
を主成分とするCO酸化触媒およびこれを担持する多孔
質薄膜からなるCO酸化触媒シートと、前記CO酸化触
媒シートに挟まれたコルゲートフィンとを備え、前記コ
ルゲートフィンの間に改質ガスを通過させるようにした
ことを特徴とするメタノールおよびジメチルエーテル改
質器である。請求項5の発明は、改質部において、改質
触媒シートおよびコルゲートフィンが交互に複数層とな
るように積層され、各層の端部で原料ガスが別の層に折
り返して移動するように折り返し流路が設けられ、かつ
原料ガスのコルゲートフィンへの入口部分が高温で出口
部分が低温の連続した温度分布がなされるようにしたこ
とを特徴とする請求項1記載のメタノールおよびジメチ
ルエーテル改質器である。請求項6の発明は、CO酸化
部において、CO酸化触媒シートおよびコルゲートフィ
ンが交互に複数層となるように積層され、各層の端部で
改質ガスが別の層に折り返して移動するように折り返し
流路が設けられ、かつ改質ガスのコルゲートフィンへの
入口部分が高温で出口部分が低温の連続した温度分布が
なされるようにしたことを特徴とする請求項4記載のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器である。請求項
7の発明は、2段構成のCO酸化部において、1段目C
O酸化部と2段目CO酸化部との間に、中央に突起部の
ある断熱平板を、突起が1段目CO酸化部あるいは2段
目CO酸化部に向かうように設置したことを特徴とする
請求項4記載のメタノールおよびジメチルエーテル改質
器である。請求項8の発明は、改質、燃焼、CO酸化反
応および気化を行うための構成要素が積層され、前記反
応を損なわないように前記構成要素間にポリテトラフル
オロエチレン製のソフトシートまたは膨張黒鉛シートを
配置してガスシール構造を形成したことを特徴とする請
求項1ないし7のいずれか1項に記載のメタノールおよ
びジメチルエーテル改質器である。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明に
係るメタノールあるいはジメチルエーテル改質器の実施
の形態1.を説明する。図1は本実施の形態に係る触媒
薄膜シート積層型のメタノールおよびジメチルエーテル
改質器の改質要素の基本的構成を示す立体図(a)およ
び流路断面図(b)である。図1において、1は改質触
媒シート(上)、2はコルゲートフィン、3は改質触媒
シート(下)、4は改質平板、5はシールシートであ
る。図中の矢印は、それぞれ、メタノールあるいはジメ
チルエーテル+水、改質ガス、オフガス、空気、燃焼ガ
スの流れを示す。
【0011】図1において、1は改質触媒によりメタノ
ールあるいはジメチルエーテルを水素に水蒸気改質する
改質触媒シートであり、改質触媒の活性成分である銅・
亜鉛を主成分とする改質触媒の粉末をシート化したもの
である。改質触媒シートの製造方法は、例えば、厚み5
0〜200μm程度のアルミニウムなどの金属薄膜の表
面にバインダーと混合した改質触媒粉末をスラリー化
し、薄膜表面に塗布させた後、加熱乾燥、焼成を行って
多孔質の酸化銅−亜鉛薄膜を金属薄膜上に焼成する。こ
の後、活性化処理により水素などの還元雰囲気中で触媒
を活性化する。なお、触媒シートの金属薄膜の材質は、
熱伝導率の良いアルミニウムの他に、改質触媒層との密
着性を高めるため、銅、亜鉛、あるいは、真鍮などを使
用することができる。また、ポリテトラフルオロエチレ
ンのような合成樹脂も使用可能である。
【0012】つぎに、改質触媒シートを組み込んだ改質
平板について述べる。改質平板4は、周囲にガスの供給
・排気用のマニホールドを設け、中央部に改質反応に有
効な反応部分を設けている。マニホールドには、改質側
として、メタノール・水の蒸気供給用、改質ガスの排出
用があり、燃焼側として、燃焼用空気の供給用、オフガ
スの供給用、燃焼ガスの排出用がある。従って、平板周
囲の各辺は、それぞれ改質側、燃焼側の供給、排出用の
マニホールドを設け、改質ガスと燃焼ガスがクロス・フ
ローの流れとなる。改質平板の反応有効部分は、改質ガ
スが流れるように構成され、燃焼側のマニホールドに
は、オフガス、空気、燃焼ガスがそれぞれ素通りして流
れる。改質平板4の反応有効部分に改質触媒シート
(下)3を触媒塗布面が上になるように敷き、伝熱コル
ゲートフィン2を置き、改質触媒シート2を触媒塗布面
が下になるように置く。改質平板のシール部には、シー
ルシート5を置く。この改質平板、改質触媒シート、コ
ルゲートフィン、シールシートを積層一体化したものが
一組の改質要素となる。
【0013】次に、本実施の形態1に係るメタノールあ
るいはジメチルエーテル改質器の動作について説明す
る。メタノールあるいはジメチルエーテルと水の蒸気を
改質平板4の供給マニホールドからコルゲートフィン2
に流す。コルゲートフィン2は、上下面で改質触媒シー
ト1,3と密着し、コルゲートフィン2の開口面でメタ
ノールあるいはジメチルエーテルと水蒸気が改質触媒シ
ート1,3に拡散し、拡散触媒の作用により二酸化炭素
と水素に変換される。改質ガスは、改質平板の周囲の一
辺に設けられた改質ガス・マニホールドに流れ、さらに
上部に積層した改質平板に送られる。このように、金属
薄膜上に形成した多孔質の改質触媒シート1,3と、メ
タノールあるいはジメチルエーテル、水蒸気をアルミニ
ウム製伝熱コルゲートフィン2の間に通過させ、フィン
の両側に改質触媒シートを設け、改質触媒シート、コル
ゲートフィンを交互に積層し、多層の改質部を構成す
る。コルゲートフィンの形状は図1に示すオフセット断
続フィンとし、改質触媒シートに水蒸気改質反応に必要
な反応熱を供給するため、改質触媒シート1,3とコル
ゲートフィン2を密着させ、接触熱抵抗を減少させて伝
熱促進を図る。改質平板4の周囲にはシールシート5を
敷き、積層方向に荷重をかけ、シールシート5の縮み量
によって、反応有効面(コルゲートフィンを設けた部
分)に所定の面圧をかけ、コルゲートフィン2と触媒シ
ート1,3の密着性を保つ。触媒シート1,3の厚みは
母材の金属薄膜が50〜200μm程度、改質触媒層が
200〜350μm程度である。また、コルゲートフィ
ンの高さは1.0〜1.5mm程度で、シールシートの
厚みは100〜500μm程度である。改質反応に必要
な熱は、下部に設けた触媒燃焼部のオフガス燃焼により
コルゲートフィンを介して伝達される。
【0014】メタノールあるいはジメチルエーテル改質
器の改質部は入口で吸熱反応である水蒸気改質反応が活
発に起こるため、入口で低温になる傾向がある。このた
め、改質反応速度が遅くなるので、100%近い高い改
質率を確保するのに、多くの改質触媒量が必要となる。
また、改質部出口では高温になる傾向があり、改質ガス
中のCO濃度が高くなり、CO酸化部に多くのCO酸化
触媒が必要となり、改質器のコンパクト化に反する結果
となる。反応速度を速くし、CO濃度を減少するために
は、改質触媒層の温度分布は入口が高温で出口が低温で
あることが理想である。具体的には改質部入口温度は3
00℃、改質部出口温度は250℃程度に設定するのが
望ましい。
【0015】改質触媒に充填粒子を用い、コルゲートフ
ィンの内側に充填した場合、フィンから触媒粒子への伝
熱は対流熱伝達が主になり、熱を触媒粒子全体に有効に
伝え難い。また、メタノールあるいはジメチルエーテル
と水の拡散は触媒粒子表面のごく近傍に限られ、触媒粒
子の内部は有効に作用していない。その点、改質触媒シ
ートとコルゲートフィンを面接触させれば、コルゲート
フィンから直接、触媒層に熱が伝えられるとともに、触
媒層をシート状の薄膜にしたことにより無駄な部分が存
在せず、すべての触媒を有効に作用させることができ
る。
【0016】改質触媒シートは、伝熱促進のため母材に
アルミニウム、銅などの熱伝導性の良い金属薄膜を用い
る。最下層の触媒燃焼部に近接した改質触媒シートより
順次、伝熱コルゲートフィンを介して積層方向に熱が伝
えられる。改質部入口部分は、改質反応による吸熱を補
うため、高温の触媒燃焼部と近接させる。改質ガスの流
れは図2に示すように、折返し流路で構成し、積層方向
に沿って入口が高温で出口が低温の温度分布を形成す
る。図2では、改質部を6層構成とし、2層毎の平行流
とし、計3回の折返し流路を設けている。この平行流の
層数と折返し回数は圧力損失と所定の改質率、CO濃度
を達成するように決定する。折返し数は圧力損失により
制限されるが、触媒粒子の充填層形式に比べての触媒シ
ートの圧力損失は格段に小さく、流路高さも低いので、
積層方向に多数の折返しを実現でき、触媒シートと改質
ガスの接触回数が増加するので、改質率の向上とCO濃
度の低減に寄与する。
【0017】多層の改質部は下部の触媒燃焼部からオフ
ガス燃焼により加熱され、加熱部の積層方向温度分布
を、下端の温度が水蒸気改質反応に適切な温度(300
℃)になるように、かつ、上端の温度がCO低減に適切
な温度(250℃)になるように積層数、伝熱フィンの
形状、触媒シートの材質などを調整する。なお、従来の
技術では改質部34とシフト部34aを別個に設けてい
たが、本実施の形態では6層改質部の出口低温部分がシ
フト部に相当し、新たにシフト部を設ける必要はない。
【0018】改質部は多層化した平板状の要素を折り返
しながら通過するように流路を構成し、入口が高温で出
口が低温になるような構成をとる。適切な改質部入口温
度としては、メタノールあるいはジメチルエーテルがほ
ぼ100%近く改質し、かつ、触媒活性金属のシンタリ
ングにより触媒劣化が進行しない温度、例えば、銅−亜
鉛触媒であれば300℃程度の温度に設定する。一方、
適切な改質部出口温度としては、シフト反応により高温
入口部で生成したCOがスチームと反応し、水素と二酸
化炭素に変換される温度、例えば銅−亜鉛触媒であれば
250℃程度の温度に設定すればよい。
【0019】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の
形態2に係る薄膜化した触媒燃焼部の構成を図3により
説明する。図3は本実施の形態に係る触媒薄膜シート積
層型のメタノールおよびジメチルエーテル改質器の触媒
燃焼部の具体的構成を示す立体図(a)および流路断面
図(b)である。図3において、6は燃焼触媒シート
(上)、2はコルゲートフィン、7は燃焼触媒シート
(下)、8は燃焼オフガス平板、9は燃焼空気平板、5
はシールシートである。10は分散孔燃焼シートであ
る。触媒燃焼部はこれらの要素から構成し、オフガス平
板8と空気平板9の間にはオフガスと空気を相互に分散
させる分散孔燃焼シート10を設ける。図中、オフガス
の流れを実線で、燃焼ガスの流れを破線で示す。
【0020】本実施の形態2における燃焼触媒により燃
料電池オフガスの水素を燃焼する触媒燃焼部の動作につ
いて説明する。オフガスは図3に示すオフガス入口マニ
ホールドから燃焼オフガス平板8のオフガス側に導入さ
れ、燃焼用空気は燃焼用入口マニホールドから燃焼空気
平板9の空気側に導入される。燃焼用空気とオフガスを
分散孔を介して相互に拡散させて、平面内で均一な燃焼
を実現する。分散孔燃焼触媒シートは、燃焼触媒の活性
成分である白金を主成分とする燃焼触媒をアルミニウム
の金属あるいは膨張黒鉛もしくはポリテトラフルオロエ
チレンなどの合成樹脂の薄膜上に燃焼触媒粉末を担持さ
せるためのバインダーと混合・塗布し、焼成、活性化処
理を行ったものである。分散孔は触媒シートの中央にあ
る反応有効部分に設け、コルゲートフィンのオフセット
・パターンに対応し、分散孔を配置する。また、分散板
と反対側のコルゲートフィンにも、それぞれ分散孔のな
い燃焼触媒シート(上)6、(下)7を設け、燃焼触媒
シート、コルゲートフィンを交互に積層することによ
り、オフガス、空気が燃焼触媒シートの表面に拡散しや
すい構造とし、燃焼ガスの流れを円滑にし、圧力損失の
少ない均一な燃焼を実現する。
【0021】触媒燃焼部を出た燃焼ガス中には少量の燃
え残りの水素ガスを含み、かつ、高温(350℃)の熱
エネルギーを保有する。そこで、図2に示す蒸気過熱部
と改質部の間に挟まれた熱回収部にて燃え残りの水素を
完全に燃焼するとともに、蒸発部と熱交換し燃焼ガスの
もつ排熱を回収する。図4に薄膜シート化した熱回収部
の構成を示す。図4は本実施の形態に係る触媒薄膜シー
ト積層型のメタノールおよびジメチルエーテル改質器の
熱回収部の具体的構成を示す立体図(a)および流路断
面図(b)である。図4において、6は燃焼触媒シート
(上)、7は燃焼触媒シート(下)、2はコルゲートフ
ィン、11は熱回収平板である。触媒燃焼部ではオフガ
ス、空気を分散供給するための分散板を設けたが、熱回
収部では未燃の水素も少なく、空気も燃焼部で供給した
余剰分(燃焼空気比:3)で十分燃焼できるので、分散
孔を設ける必要はなく、燃焼ガスが一度折り返す構造と
する。回収した熱は熱回収部の上部に設けた蒸気過熱
部、蒸発部の蒸発熱として利用される。
【0022】実施の形態3.次に、この発明の実施の形
態3に係る薄膜化した多層CO酸化部の構成を図5によ
り説明する。図5は本実施の形態に係る触媒薄膜シート
積層型のメタノールおよびジメチルエーテル改質器のC
O酸化部の具体的構成を示す立体図(a)および流路断
面図(b)である。図5において、12はCO酸化触媒
シート(上)、2はコルゲートフィン、13はCO酸化
触媒シート(下)、14はCO酸化平板、5はシールシ
ートである。また、多層CO酸化部の流路断面の構造を
図2を用いて説明する。15はCO酸化平板を4層積層
した1段目CO酸化部、16はCO酸化平板を3層積層
した2段目CO酸化部、17は1段目CO酸化部と2段
目CO酸化部の間に挿入した断熱平板、18は1段目空
気導入管、19は2段目空気導入管である。図中の実線
の矢印はCO酸化部における改質ガスの流れを表す。。
【0023】本実施の形態3におけるCO酸化部は、改
質ガス中のCOを酸化・低減するCO酸化触媒の活性成
分である白金・ルテニウムを主成分とするCO酸化触媒
をアルミニウムなどの金属、あるいは、ポリテトラフル
オロエチレンなどの合成樹脂の薄膜上にCO酸化触媒粉
末を担持させるためのバインダーと混合・塗布し、焼
成、活性化処理を行ったものである。CO酸化平板14
は、改質平板と同様に平板の向かい合う2辺に改質ガス
の供給・排気マニホールドを設け、中央部にCO酸化反
応に有効な反応部分を設けている。CO酸化平板14の
反応有効部分にCO酸化触媒シートを触媒塗布面が上に
なるように敷き、伝熱コルゲートフィン2を置いて、さ
らにCO酸化触媒シートを触媒塗布面が下になるように
置く。CO酸化平板の外周のシール部にはシールシート
5を置く。図2に示すようにCO酸化部1段目は、各平
板に流れの折り返し流路を設けてCO酸化平板を4層積
層したものである。CO酸化部1段目と2段目の間に挿
入する断熱平板17の構造を図6に示す。図6は本実施
の形態に係る触媒薄膜シート積層型のメタノールおよび
ジメチルエーテル改質器のCO酸化部1段目および2段
目の間に設ける断熱平板(凹凸板)の構造を示す立体図
(a)および流路断面図(b)である。平板の中央部に
は、凹凸の突起を設け、CO酸化部1段目から2段目に
流れる熱を制限し、CO酸化部の温度分布が適切になる
ように設定する。突起の接触面積を減少することによ
り、熱量の流れを制限することができる。CO酸化部の
温度分布は、1段目入口が200℃、2段目出口が10
0℃に設定するのが望ましい。
【0024】つぎに、本実施の形態3に係るCO酸化部
の動作について説明する。改質部を出た改質ガス中のC
O濃度は0.5〜1.0%程度であり、このCOを酸化
するため、CO酸化用空気を理論酸化空気量に対して5
倍程度(1段目空気比:5)供給する。CO酸化用空気
を1段目空気導入管から改質ガスに導入し、空気と予め
混合した改質ガスをCO酸化平板の供給マニホールドか
らコルゲートフィンに流す。コルゲートフィンは、上下
面でCO酸化触媒シートと密着し、コルゲートフィンの
開口面で改質ガス中のCOと酸素がCO酸化触媒シート
に拡散し、触媒作用により二酸化炭素に変換される。改
質ガスはCO酸化触媒シートに沿って流れ、反対側のマ
ニホールドで流れを反転させ、つぎの2層目のCO酸化
平板を1層目とは逆方向に流れる。このように、改質ガ
スをアルミニウム製の伝熱フィンの間に通過させ、コル
ゲートフィンの両側にCO酸化触媒シートを設け、CO
酸化触媒シート、コルゲートフィンを交互に積層し、多
層のCO酸化部の折り返し流路を構成する。CO酸化部
の積層数は、理想の温度分布が得られ、所定のCO濃度
に達成するまでに必要な積層数を決定する。コルゲート
フィン2の形状は改質部と同じ構造のオフセット断続フ
ィンを用い、CO酸化反応に伴う発熱はこの伝熱フィン
を介して近接する発熱部の蒸発熱として供給される。C
O酸化部1段目4層を通過した改質ガスは、つぎに2段
目空気導入管でCO酸化用空気と混合する。1段目です
でにCO濃度は100ppm程度まで下がっているの
で、2段目の空気量は1段目空気量の1/10以下の量
で十分である。CO酸化部2段目3層を通過し、固体高
分子型燃料電池の許容CO濃度以下のレベルまで低減さ
れる。CO酸化部2段目3層の上には液体原料加熱部を
設け、熱交換によりメタノールあるいはジメチルエーテ
ル・水の液体原料を予熱するとともに改質ガスの温度を
燃料電池に供給できる温度まで下げる。
【0025】CO酸化触媒に充填粒子を用いた場合、白
金やルテニウムの活性金属成分は粒子表面にのみ担持さ
れ、粒子内部は担体のアルミナのみで有効に作用してい
ない。その点、CO酸化触媒シートでは、アルミナ担体
に相当する部分が母材の金属あるいはポリテトラフルオ
ロエチレンの薄膜シートで、無駄な部分が少なく、軽量
・コンパクト化を実現することができる。
【0026】CO酸化触媒シートは、CO酸化反応に伴
う発熱が活発に生じる1段目の入口では、伝熱促進のた
め母材にアルミニウム、銅などの熱伝導性の良い金属薄
膜を用い、発生した熱を速やかにメタノールあるいはジ
メチルエーテル・水の蒸発に利用する。断熱平板17に
近接するCO酸化部の1段目出口およびCO酸化部2段
目入口では、伝熱抑制のため母材に熱伝導性の低いポリ
テトラフルオロエチレンなどの樹脂を用い、CO酸化部
の1段目、2段目の間で温度分布が広がり、CO酸化に
伴う水素ロスを低減することに効果がある。2段目出口
では、液体原料との熱交換のため再び熱伝導性の良い金
属母材のCO酸化触媒シートを用いる。改質ガスの流れ
は図2に示すように、折り返し流路で構成し、積層方向
に沿って入口が高温で出口が低温の温度分布を形成す
る。図2では、CO酸化部を1段目4層、2段目3層の
2段構成とし、マニホールド部分に折り返し流路を設け
ている。この折り返し回数は圧力損失と所定のCO濃度
を達成するように決定する。このように、折り返し数は
圧力損失により制限されるが、触媒粒子の充填層形式に
比べての触媒シートの圧力損失は格段に小さく、流路高
さも低いので、積層方向に多数の折り返しを実現でき、
触媒シートと改質ガスの接触回数が増加するので、CO
濃度の低減に寄与する。
【0027】CO酸化部は多層化した平板状の要素を折
り返しながら通過するように流路を構成し、入口が高温
で出口が低温になるような構成をとる。2段化した多層
のCO酸化部は下部の蒸発部と上部の液体原料加熱部に
蒸発熱を供給し、CO酸化部の積層方向温度分布を、下
端入口温度が高濃度(約1%)のCO酸化に適切な温度
(200℃)になるように、かつ、上端の出口温度が低
濃度(10ppm以下)のCO酸化に適切な温度(10
0℃)になるように積層数、伝熱フィンの形状、触媒シ
ートの材質などを調整する。
【0028】実施の形態4.次に、この発明の実施の形
態4に係るガスシール構造を用いた平板積層型改質器に
ついて図7により説明する。図7は本実施の形態に係る
触媒薄膜シート積層型のメタノールおよびジメチルエー
テル改質器の積層構造の平面図(a)および正面図
(b)である。図において、20は下端板、21は上端
板、22は支柱、23は皿バネ、24は押えナット、2
7はポリテトラフルオロエチレンシールシート、28は
膨張黒鉛シールシートである。
【0029】本実施の形態4におけるガスシール構造
は、改質・燃焼・CO酸化・気化に有効な反応部分を備
えた平板積層型改質器の構成要素に用いる。改質器の締
め付け構造は、平板化した構成要素を上端板21と下端
板22の間に挟み、支柱27を介して皿バネ24、押え
ナット25により締め付ける。支柱の本数は多いほど均
一な締め付け荷重分布を得ることができるが、本実施の
形態では、平板の四隅と各辺に3本の支柱(通しボル
ト)により締め付ける。各構成要素のシール構造は、平
板の中で反応部分の外縁部を支持するフレームと、フレ
ームの両側にポリテトラフルオロエチレンのソフトシー
ト27、および、膨張黒鉛シールシート28を設け、フ
レームとシートを交互に積層した。シートの厚みは、反
応有効部のコルゲートフィン、触媒シートに200μm
程度の隙間ができるように設定し、締め付け荷重により
シートが縮んで、隙間が無くなり、積層方向で部材が密
着し、反応有効部分の伝熱が妨げられず、かつ、シール
部におけるシール性能が確保される荷重で締め付ける。
シール部では、剛体のフレーム上においた伸縮性のソフ
トシートが縮み、フレームの表面粗さをソフトシートの
縮みで吸収し、内部マニホールドを通過するガスシール
性を確保する。平板積層型改質器では積層方向に温度分
布をつけるので、高温の触媒燃焼部や改質部には400
℃の高温まで耐える膨張黒鉛シートを用い、比較的低温
の気化部、CO酸化部にはポリテトラフルオロエチレン
シートのソフトシートを用いる。
【0030】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、メタノール
あるいはジメチルエーテルと水蒸気を水素に変換する改
質部を触媒薄膜シートとコルゲートフィンから構成した
ので、触媒充填作業の時間短縮と労力の低減を図ること
ができる。また、コルゲートフィンの内側にメタノール
あるいはジメチルエーテルと水蒸気からなる原料ガスを
通過させ、両側の改質触媒シートにメタノールあるいは
ジメチルエーテルと水蒸気を拡散させて、水素リッチの
改質ガスを効率良く得ることができる。さらに、従来触
媒充填粒子の大きさで制約されていた改質平板の流路高
さを薄くすることができ、装置全体の大幅なコンパクト
化を図ることができる。圧力損失についても、充填層形
式に比べて格段に小さくすることができ、多数の流路折
り返しの構造が可能となり、改質率の向上に大きく寄与
する。
【0031】本発明の請求項2によれば、燃料電池オフ
ガスの水素を燃焼する触媒燃焼部をコルゲートフィンに
挟まれた分散孔燃焼触媒シートとコルゲートフィンの反
対側の燃焼触媒シートから構成したので、オフガスおよ
び空気の分散による燃焼部温度分布の面内均一化を低い
圧力損失で実現することができる。
【0032】本発明の請求項3によれば、熱回収部はコ
ルゲートフィンの両側に燃焼触媒シートを設けたので、
触媒燃焼部で燃え残った水素を燃焼するとともに、燃焼
ガスの排熱を蒸気過熱や蒸発に有効に利用することがで
きる。
【0033】本発明の請求項4によれば、改質ガス中の
COを酸化・低減するCO酸化部をCO酸化触媒シート
とコルゲートフィンから構成したので、改質ガスの圧力
損失を低減でき、多数の流路折り返しの構造が可能とな
り、改質ガスのCO濃度を固体高分子型燃料電池の許容
濃度である数ppmのレベルまで低減することができ
る。
【0034】本発明の請求項5によれば、メタノール、
ジメチルエーテルの原料ガスを水素に改質する改質部を
積層方向に隣接する流路と平行にガスを流し、流路の先
端で改質ガスが折り返す反転流路を設け、複数の反転流
路と平行流路を設け、積層方向に入口が高温で出口が低
温の温度分布を連続してつけたので、高い改質率を保ち
ながら、CO濃度の低減に寄与する。
【0035】本発明の請求項6によれば、CO酸化部を
積層方向に隣接する流路と平行にガスを流し、流路の先
端で改質ガスが折り返す反転流路を設け、複数の反転流
路と平行流路を設け、積層方向に入口が高温で出口が低
温の温度分布を連続してつけたので、改質ガスの水素の
酸化を抑えながら、CO濃度を固体高分子型燃料電池の
許容濃度である数ppmのレベルまで低減することがで
きる。
【0036】本発明の請求項7によれば、CO酸化部の
1段目と2段目の間に中央部に凹凸の突起を持った断熱
平板を設けたので、CO酸化に適切な温度分布を設定
し、CO濃度を固体高分子型燃料電池の許容濃度である
数ppmのレベルまで低減することができる。
【0037】本発明の請求項8によれば、改質、焼成、
CO酸化および気化反応を行うための構成要素が積層さ
れ、前記反応を損なわないように前記構成要素間にポリ
テトラフルオロエチレン製のソフトシートまたは膨張黒
鉛シートを配置してガスシール構造を形成したので、膨
張黒鉛シート、あるいは、溶接、融着したガスシール構
造材料で形成したので、原料ガス、改質ガス、オフガ
ス、空気、燃焼ガスを確実にシールし、改質器外部への
漏れや内部への短絡、クロスオーバーを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による触媒薄膜シート積層型のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器の改質要素の基
本的構成を示す立体図(a)および流路断面図(b)で
ある。
【図2】実施の形態1,2,3による触媒薄膜シート積
層型のメタノールおよびジメチルエーテル改質器の全体
構成を示す改質ガス流路断面図と積層方向の温度分布を
説明するための図である。
【図3】実施の形態2による触媒薄膜シート積層型のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器の触媒燃焼部の
具体的構成を示す立体図(a)と流路断面図(b)であ
る。
【図4】実施の形態2による触媒薄膜シート積層型のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器の熱回収部の具
体的構成を示す立体図(a)と流路断面図(b)であ
る。
【図5】実施の形態3による触媒薄膜シート積層型のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器のCO酸化部の
具体的構成を示す立体図(a)と流路断面図(b)であ
る。
【図6】実施の形態3による触媒薄膜シート積層型のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器のCO酸化部1
段目および2段目の間に設ける断熱平板(凹凸板)の構
成を示す立体図(a)と断面図(b)である。
【図7】実施の形態4による触媒薄膜シート積層型のメ
タノールおよびジメチルエーテル改質器の積層構造の平
面図(a)および正面図(b)である。
【図8】従来のメタノールを燃料とした燃料改質装置の
基本的構成要素と積層方向温度分布を示す図である。
【図9】従来の触媒充填粒子を用いた燃料改質器の部分
断面図である。
【符号の説明】
1 改質触媒シート(上)、2 コルゲートフィン、3
改質触媒シート(下)、4 改質平板、5 シールシ
ート、6 燃焼触媒シート(上)、7 燃焼触媒シート
(下)、8 燃焼オフガス平板、9 燃焼空気平板、1
0 分散孔触媒シート、11 熱回収平板、12 CO
酸化触媒シート(上)、13 CO酸化触媒シート
(下)、14 CO酸化平板、15 CO酸化部1段
目、16 CO酸化部2段目、17 断熱平板、18
1段目空気導入管、19 2段目空気導入管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光田 憲朗 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA06 EB18 EB23 EB44 EB46 EC01 EC03 EC08 4G069 AA03 BA17 BA18 BC31A BC31B BC35A BC35B BC70A BC70B BC75A BC75B CC25 DA06 EA20 EE04 EE07 EE08 FA04 FA06 FB23 5H027 BA01 BA09 BA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改質触媒によりメタノールあるいはジメ
    チルエーテルを水素に水蒸気改質する改質部を備えたメ
    タノールおよびジメチルエーテル改質器において、前記
    改質部は、銅および亜鉛を主成分とする改質触媒および
    これを担持する多孔質薄膜からなる改質触媒シートと、
    前記改質触媒シートに挟まれたコルゲートフィンとを備
    え、前記コルゲートフィンの間に原料ガスを通過させる
    ようにしたことを特徴とするメタノールおよびジメチル
    エーテル改質器。
  2. 【請求項2】 触媒燃焼により燃料電池オフガスの水素
    を燃焼する触媒燃焼部を備えたメタノールおよびジメチ
    ルエーテル改質器において、前記触媒燃焼部は、白金を
    主成分とする燃焼触媒およびこれを担持する多孔質薄膜
    からなる、第1の燃焼触媒シート、第2の分散孔を有す
    る燃焼触媒シートおよび第3の燃焼触媒シートと、それ
    ぞれの燃焼触媒シート間に挟まれたコルゲートフィン
    と、を備え、一方のコルゲートフィンに燃料電池オフガ
    ス、もう一方のコルゲートフィンに燃焼用の空気を供給
    することを特徴とするメタノールおよびジメチルエーテ
    ル改質器。
  3. 【請求項3】 触媒燃焼による高温の燃焼ガスによる排
    熱が送り込まれる熱回収部を備えたメタノールおよびジ
    メチルエーテル改質器において、前記熱回収部は、白金
    を主成分とする燃焼触媒およびこれを担持する多孔質薄
    膜からなる燃焼触媒シートと、前記燃焼触媒シートに挟
    まれたコルゲートフィンとを備え、前記コルゲートフィ
    ンの間に前記燃焼ガスを通過させるようにしたことを特
    徴とするメタノールおよびジメチルエーテル改質器。
  4. 【請求項4】 CO酸化触媒により改質ガス中のCOを
    酸化・低減するCO酸化部を備えたメタノールおよびジ
    メチルエーテル改質器において、前記CO酸化部は、白
    金、ルテニウムを主成分とするCO酸化触媒およびこれ
    を担持する多孔質薄膜からなるCO酸化触媒シートと、
    前記CO酸化触媒シートに挟まれたコルゲートフィンと
    を備え、前記コルゲートフィンの間に改質ガスを通過さ
    せるようにしたことを特徴とするメタノールおよびジメ
    チルエーテル改質器。
  5. 【請求項5】 改質部において、改質触媒シートおよび
    コルゲートフィンが交互に複数層となるように積層さ
    れ、各層の端部で原料ガスが別の層に折り返して移動す
    るように折り返し流路が設けられ、かつ原料ガスのコル
    ゲートフィンへの入口部分が高温で出口部分が低温の連
    続した温度分布がなされるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載のメタノールおよびジメチルエーテル改質
    器。
  6. 【請求項6】 CO酸化部において、CO酸化触媒シー
    トおよびコルゲートフィンが交互に複数層となるように
    積層され、各層の端部で改質ガスが別の層に折り返して
    移動するように折り返し流路が設けられ、かつ改質ガス
    のコルゲートフィンへの入口部分が高温で出口部分が低
    温の連続した温度分布がなされるようにしたことを特徴
    とする請求項4記載のメタノールおよびジメチルエーテ
    ル改質器。
  7. 【請求項7】 2段構成のCO酸化部において、1段目
    CO酸化部と2段目CO酸化部との間に、中央に突起部
    のある断熱平板を、突起が1段目CO酸化部あるいは2
    段目CO酸化部に向かうように設置したことを特徴とす
    る請求項4記載のメタノールおよびジメチルエーテル改
    質器。
  8. 【請求項8】 改質、燃焼、CO酸化反応および気化を
    行うための構成要素が積層され、前記反応を損なわない
    ように前記構成要素間にポリテトラフルオロエチレン製
    のソフトシートまたは膨張黒鉛シートを配置してガスシ
    ール構造を形成したことを特徴とする請求項1ないし7
    のいずれか1項に記載のメタノールおよびジメチルエー
    テル改質器。
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