JP2000153313A - インクリメンタル押圧成形装置 - Google Patents

インクリメンタル押圧成形装置

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JP2000153313A
JP2000153313A JP10325595A JP32559598A JP2000153313A JP 2000153313 A JP2000153313 A JP 2000153313A JP 10325595 A JP10325595 A JP 10325595A JP 32559598 A JP32559598 A JP 32559598A JP 2000153313 A JP2000153313 A JP 2000153313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の形状加工時の板厚減少に伴う割れを防
止するインクリメンタル成形方法を提供する。 【解決手段】 最終製品形状に基づき作成された等高線
加工データに則りインクリメンタル成形工具により被加
工材を押圧成形し所望の形状に加工するインクリメンタ
ル押圧成形装置であって、工具を回転することにより被
加工材を断続的に押圧するような、工具の軸線に直角な
断面が真円でない形状を有する回転しながら成形するイ
ンクリメンタル成形工具5a(以下「工具5a」)と、
被加工材4を挟んで工具5aと対向し、被加工材を支持
しつつ前記等高線データに則り工具5aと連動して移動
可能な支持工具25と、を有し、工具5aを回転させな
がら、支持工具25で支持された被加工材4の支持面を
断続的に押圧成形するインクリメンタル押圧成形装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクリメンタル押
圧成形装置、特に所望の形状加工時の板厚減少に伴う割
れを防止するインクリメンタル押圧成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車のホイールキャップは、プ
レス加工により大量生産されるのが一般的であるが、注
文生産で多種類のホイールキャップを少量又は一品生産
する場合がある。このような少量又は一品物のホイール
キャップを製作する場合、従来はそれらの形状ごとに成
形型を製作すると製作費用がかさむため、通常板金職人
により一品ずつ生産していた。しかしながら、かかる場
合一品を製作する時間が長時間化し、製造コストがかさ
むという問題があった。
【0003】そこで、少量多品種の生産の場合におい
て、形状ごとに成形型を製作することなく、生産コスト
を削減する成形方法が、特開平7−132329号公報
の「板材の成形方法及びその成形装置」に提案されてい
る。すなわち、図17に示すような数値制御立型フライ
ス盤(以下、「NC立型フライス盤」という)を用いて
板材を加工する方法であるが、このNC立型フライス盤
のテーブル30には、板材の周縁を保持する治具20が
固定され、NC立型フライス盤には、板材を徐々に押圧
成形するインクリメンタル成形工具5が装着されてい
る。
【0004】上記治具20は、図18に示すように、ベ
ースプレート1の四隅にそれぞれガイドポスト12が取
り付けられ、ベースプレート1の中心には、板材を下か
ら支える下側工具13が取り付けられている。上側プレ
ート14の四隅には、それぞれガイドポスト穴14aが
設けられ、上側プレート14の中心には、下側工具穴1
4bが設けられている。従って、ガイドポスト12及び
下側工具13は、それぞれガイドポスト穴14a及び下
側工具穴14bに嵌め込まれる。これにより、上側プレ
ート14は上下にスムーズにスライドすることができ
る。成形用の板材である被加工材4は、上側プレート1
4上に置かれ、更に被加工材4の上に中央部に大きく開
口した開口16aを有する被加工材固定枠16が載せら
れる。ボルトを被加工材固定枠16の四隅に設けられた
穴16b及び上側プレート14に設けられた穴14cを
貫通しネジ止めされることによって、被加工材4が固定
される。
【0005】一方、NC立型フライス盤には、予め作成
しておいた計画形状に等高線データが記憶されている。
【0006】従って、図19に示すように、治具20一
式をNC立型フライス盤のテーブル30に載せ固定し、
NC立型フライス盤に取り付けられた棒状のインクリメ
ンタル成形工具5を移動させながら、予め作成しておい
た計画形状に等高線データに従って、上から一層毎に押
圧成形していくことによって、板材が所望の形状に加工
される。上側プレート14には上向きあるいは下向きの
力が付与されるようになっており、この押圧成形時に、
上側プレート14は、インクリメンタル成形工具5の押
圧成形に応じて、図20に示すように下方にスライドす
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平7−132329号公報の板材の成形方法及びそ
の成形装置に用いられている先端形状が半球状のインク
リメンタル工具を用いて、例えば成形される面の傾斜が
急な場合には、成形に必要な被加工材の伸び量が大きく
なり、被加工材の伸び能力を超えてしまうため、成型時
に割れが発生するおそれがあった。
【0008】また、上記先端形状が半球状のインクリメ
ンタル成形工具の押付け力によって発生する引っ張り力
により、既成形部分を変形させるおそれがあった。その
結果、形状が崩れ、目的の形状が得られにくいという問
題があった。
【0009】また、上記形状くずれを防止すべく、サポ
ータである総型(雄型のみ、あるいは雌型のみ)を用い
ると、所望の部品毎に専用のサポータを作成する必要が
あり、このサポータの製作の手間、製作期間、製作費用
等が更にかかるという問題があった。
【0010】また、上記公報記載の成形方法の場合に
は、しわの発生を抑制した絞り成形を行うことができな
かった。
【0011】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、所望の形状加工時の板厚減少に伴う割
れを防止するインクリメンタル押圧成形装置を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明に係るインクリメンタル押圧成形装
置は、以下の特徴を有する。
【0013】最終製品形状に基づき作成された等高線加
工データに則りインクリメンタル成形工具により被加工
材を押圧成形し所望の形状に加工するインクリメンタル
押圧成形装置であって、前記被加工材を挟んで前記イン
クリメンタル成形工具と対向し、前記被加工材を支持し
つつ前記等高線データに則り前記インクリメンタル成形
工具と連動して移動可能な支持工具を有し、前記インク
リメンタル成形工具は、工具を回転することにより被加
工材を断続的に押圧するような、工具の軸線に直角な断
面が真円でない形状を有する回転しながら成形するイン
クリメンタル成形工具であり、前記インクリメンタル成
形工具を回転させながら、前記支持工具で支持された前
記被加工材の支持面を断続的に押圧成形するインクリメ
ンタル押圧成形装置である。
【0014】上記インクリメンタル成形工具を回転させ
ながら押圧していくことにより、成形量が分断され、1
回の成形量を小さくできると共に、成形工具の回転方向
を適切に選ぶことにより被加工材を逐次外側から内側に
寄せていく作用もある。このため、局部の板厚が大幅に
減少するおそれがなくなり、割れの発生を防止できると
共に、形状精度を向上させることができる。
【0015】また、等高線加工データに則り上記インク
リメンタル成形工具と連動して移動可能な支持工具によ
って、押圧成形する被加工材の裏面を支持するので、製
品毎のサポータ(総型)を製作する必要がなくなり、経
済性が著しく向上する。更に、しわ発生を抑制した絞り
成形を行うことができる。
【0016】更に、本発明に係るインクリメンタル成形
方法の他の好ましい態様は以下の通りである。
【0017】(1)最終製品形状に基づき作成された等
高線加工データに則りインクリメンタル成形工具により
被加工材を押圧成形し所望の形状に加工するインクリメ
ンタル押圧成形方法において、工具を回転することによ
り被加工材を断続的に押圧するような、工具の軸線に直
角な断面が真円でない形状を有する回転しながら成形す
るインクリメンタル成形工具と、前記被加工材を挟んで
前記インクリメンタル成形工具と対向し、前記被加工材
を支持しつつ前記等高線データに則り前記インクリメン
タル成形工具と連動して移動可能な支持工具とを有する
一対の工具である。
【0018】(2)最終製品形状に基づき作成された等
高線加工データに則りインクリメンタル成形工具により
被加工材を押圧成形し所望の形状に加工するインクリメ
ンタル押圧成形方法であって、前記被加工材を挟んで前
記インクリメンタル成形工具と対向し、前記被加工材を
支持しつつ前記等高線データに則り前記インクリメンタ
ル成形工具と連動して移動可能な支持工具を有し、前記
インクリメンタル成形工具は、工具を回転することによ
り被加工材を断続的に押圧するような、工具の軸線に直
角な断面が真円でない形状を有する回転しながら成形す
るインクリメンタル成形工具であり、前記インクリメン
タル成形工具を回転させながら、前記支持工具で支持さ
れた前記被加工材の支持面を断続的に押圧成形するイン
クリメンタル押圧成形方法である。
【0019】上述の成形装置と同様に、上記(1)およ
び(2)により、上記インクリメンタル成形工具を回転
させながら押圧していくことにより、成形量が分断さ
れ、1回の成形量を小さくできると共に、成形工具の回
転方向を適切に選ぶことにより被加工材を逐次外側から
内側に寄せていく作用もある。このため、局部の板厚が
大幅に減少するおそれがなくなり、割れの発生を防止で
きると共に、形状精度を向上させることができる。
【0020】また、等高線加工データに則り上記インク
リメンタル成形工具と連動して移動可能な支持工具によ
って、押圧成形する被加工材の裏面を支持するので、製
品毎のサポータ(総型)を製作する必要がなくなり、経
済性が著しく向上する。更に、しわ発生を抑制した絞り
成形を行うことができる。
【0021】(3)上記インクリメンタル成形工具の先
端横断面は、花びら状、半円状、三角等の多角形状、星
形状等、工具の回転によって断続的に被加工材を押圧で
きる形状であればよい。
【0022】これにより、上述したように、成形量が分
断され、1回の成形量を小さくできると共に、回転方向
を適切に選ぶことにより被加工材を逐次外側から内側に
寄せていく作用もある。このため、局部の板厚が大幅に
減少するおそれがなくなり、割れの発生を防止できると
共に、形状精度を向上させることができる。
【0023】(4)また、上記インクリメンタル成形工
具の被加工材を押圧する面の稜線が、工具の軸線を含む
平面である必要はなく、工具先端の溝は、工具軸線方向
に傾きを持たせて形成されてもよく、又は波状に形成さ
れてもよい。
【0024】従来は、製品の成形面の傾きの大きさに応
じて、工具先端の球半径を選択する必要があったが、工
具先端の形状を上記形状にすることにより、等高線の位
相軌跡方向の工具半径をそのままで、送り方向の工具半
径を大きくすることができ、割れを発生させないで対応
可能な製品の成形面の傾きの範囲を拡大することができ
る。その結果、工具先端の球半径を選択する機会が従来
に比べて減少し、省力化が図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形
態を説明する。
【0026】実施の形態1.図1〜図11を用いて、本
実施の形態のインクリメンタル押圧成形装置(以下「押
圧成形装置」と略す)について説明する。尚、本実施の
形態では、従来技術で説明した特開平7−132329
号公報の板材の成形方法及びその成形装置を基本的に用
いて、インクリメンタル押圧成形を行っているので、従
来の押圧成形装置と同様の構成要素には同一の符号を付
しその説明を省略する。
【0027】本実施の形態の押圧成形装置に用いるイン
クリメンタル成形工具(以下「工具」という)は、工具
を回転することにより、被加工材を断続的に押圧するよ
うな工具の軸線に直角な断面が真円でない形状を有する
回転しながら成形する工具で、例えば従来のインクリメ
ンタル成形工具の半球状頂部に、工具軸線方向に少なく
とも1つ以上の溝が形成された工具である。
【0028】例えば、図1(a)に示す工具5aは、中
心軸に直角な横断面において、山側の肩に相当する部分
が頂部と滑らかな曲線で繋がれ、図1(b)に示すA−
A横断面図のように、工具軸線方向に4つの溝が形成さ
れた、いわゆる「花びら形状」に形成されている。ま
た、上記工具5aの溝及び山部分は、工具の軸線を含む
平面上に形成されている。また山の部分の軸線方向の形
状に、段差・切欠き等があると成型品に傷等が形成され
るので、連続的な形状とした。
【0029】本実施の形態の押圧成形装置の全体の概要
が、図2に示されている。図2に示すように、上述した
NC立て型フライス盤のテーブル30の上には治具20
(図17)の代わりに、支持工具台50が載置されてい
る。この支持工具台50には、被加工材4の中心を支持
する支持柱23と、被加工材4を挟んで工具5aと対向
するように配置される支持工具25とが設けられてい
る。
【0030】上記支持工具25は、最終製品形状に基づ
き作成された等高線データに則り、工具5aと連動して
移動し、押圧成形する被加工材の裏面を支持する。従っ
て、本実施の形態では、製品毎のサポータ(総型)を製
作する必要がなくなり、経済性が著しく向上する。
【0031】次に、本実施の形態の押圧成形装置による
成形方法を図3を用いて説明する。
【0032】本実施の形態では、被加工材4の中心と支
持柱23の上面には、穴が設けられ、ねじ33によって
両者はねじ止めされる。これにより、被加工材4は、支
持柱23にのみ固定保持される。なお、被加工材4を支
持柱23に固定保持する手段はねじ止めに限るものでは
なく、固定保持可能なものであれば、何れの手段を用い
てもよい。
【0033】被加工材4を固定保持した後、NC立型フ
ライス盤により、工具5aを回転させながら、目的の形
状の等高線加工データに従って水平面内で移動させる。
また、支持工具25を、工具5aの移動に連動させ、常
に被加工材4を挟んで工具5aと対向するように移動さ
せる。すなわち、支持工具25を、工具5aと対向しな
がら、目的の形状の等高線データに則って、被加工材4
の板厚を加味した軌跡で水平面内で移動させる。そし
て、一層目の成形が終了したら、垂直方向に工具5aお
よび支持工具25を移動させ、次層を上記同様に等高線
加工データに沿って水平方向の成形および支持を行い、
その後垂直方向に工具を移動させ、同様にして順次等高
線データに従って一層毎に押圧成形を行う。
【0034】なお、本実施の形態において、工具5aと
支持工具25との隙間は、成形品の板厚付近の値(後述
する実施例では0.9mm)とした。これにより、工具
5aと支持工具25との間で被加工材の板厚を極端に減
少させないように被加工材4を押圧成形することが可能
となる。
【0035】以下に示す実施例において、工具5aの移
動速度は300mm/minであり、工具5aの回転数
は60rpm、垂直方向の送りは0.4mm/回、工具
5aの移動方向及び回転方向は右回転とした。また、本
実施の形態の工具5a頂部の基本球の半径は、5mmと
し、支持工具頂部の基本球の半径は、5mmとした。
【0036】一方、溝のない頂部半球状の従来工具は、
本実施の形態のように回転させることなく固定させて移
動させる以外は、上記本実施の形態と同様にインクリメ
ンタル成形を行った。
【0037】両者とも、被加工材4には、板厚1.0m
m、直径80mmの軟鋼板を用いて、図4に示すような
形状に成形した。図5に示すように、曲げ加工された面
の板厚を2mm間隔で測定し、その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】 本実施の形態によれば、しわの発生がなく成形できた。
更に張り出し成形のような成形面の傾斜角度により決ま
る板厚減少も防止できた。
【0039】一方、図6に示すように、溝のない頂部半
球状の従来工具5あるいは工具を用い、支持工具25を
用いないこと以外は、上記本実施の形態と同様にインク
リメンタル成形を行った場合、図7に示すように、被加
工材4は、座屈して、全く成形できなかった。
【0040】以上より、上記支持工具25により支持し
つつ上記工具5aを回転させながら押圧していくことに
より、座屈やしわの発生を防止して絞り成形を行うこと
ができ、かつ板厚減少を防止することができた。これ
は、被加工材を逐次外側から内側に寄せていく作用によ
るものである。
【0041】なお、半球状の成形工具と支持工具25を
用いた場合には、被加工材4の座屈は防止できてほぼ成
形できたが、やはり一部にしわが発生した。
【0042】更に、図8に示すような、上面と斜面の境
界のはっきりした形状の場合にも、本実施の形態の押圧
成形方法によれば、境界の肩部におけるダレは全く見ら
れなかった。
【0043】工具と支持工具を用いる対向工具方式で
は、押圧力によって既加工部分を引っ張る力が軽減する
の対して、従来の半球状の成形工具のみでは、工具の押
圧力による張力で既加工部分の形状が崩れてしまう。従
って、本実施の形態の対向工具方式は、従来の半球状の
成形工具のみのでの押圧成形に比べて、形状精度も向上
する。
【0044】この既成形部分の崩れを防止すべく、従
来、図9に示すような最終製品形状を有するサポータ1
8を被加工材4の下敷きにしてインクリメンタル押圧成
形を行う方法が採用されていた。サポータ18によっ
て、成形工具の押し付け力によって生じる張力による既
成形部分の形状の崩れは受け止められ、形状精度は向上
する。しかしながら、サポータ方式は、製品毎に専用の
サポータを作る必要があり、この製作の手間と期間と費
用がかさむ。従って、製品の納期、コストの面の点で、
本実施の形態の対向工具方式がサポータ方式より有意で
ある。
【0045】実施の形態2.図10に示すように、被加
工材4を上下方向に固定された枠状保持具60で保持す
る。工具5aと支持工具25は、その頭部が半径5mm
の半球状のものを用いた。上記実施例1と同様に、被加
工材4を挟んで工具5aに対向するように支持工具25
を配置した。工具5aを回転させながら、目的の形状の
等高線加工データに従って水平面内で移動させる。ま
た、支持工具25を、工具5aの移動に連動させ、常に
被加工材4を挟んで工具5aと対向するように移動させ
る。そして、一層目の成形が終了したら、垂直方向に工
具5aおよび支持工具25を移動させ、次層を上記同様
に等高線加工データに沿って水平方向の成形および支持
を行い、その後垂直方向に工具を移動させ、同様にして
順次等高線データに従って一層毎に押圧成形を行う。
【0046】工具5aの移動速度は300mm/min
であり、工具5aの回転数は300rpm、垂直方向の
送りは0.4mm/回、工具5aの移動方向は左右交
互、回転方向は右回転とした。
【0047】被加工材4に板厚1.0mmの軟鋼板を用
いて図10に示す形状を成形した。結果は、図11の実
線で示すような形状に成形できた。図11における波線
の形状は、支持工具を用いずに半球状の成形工具のみを
用いた以外は、上記押圧成形方法で成形した場合の成形
形状である。
【0048】以上より、被加工材の周囲を固定して水平
方向に移動させる方法であっても、本実施の形態の対向
工具方式であれば、工具軌跡に近い形状に成形すること
ができる。
【0049】実施の形態3.本発明のインクリメンタル
押圧成形装置に用いられる工具は、上記実施の形態1の
花びら形状に限るものではなく、図12〜図15に示す
ように、半円状(図12)、多角形状、例えば図13の
四角形状、星形状(図14)、楕円形状(図15)等、
工具の回転によって断続的に被加工材を押圧できる形状
であれば、どのような形状であってもよい。なお、本実
施の形態の工具5b〜5eの溝及び山部分は、工具の軸
線を含む平面上に形成されている。
【0050】工具の頂部を上記形状にすることにより、
成形量が分断され、1回の成形量を小さくできると共に
回転方向を適切に選べば、被加工材を逐次外側から内側
に寄せていく作用もある。このため、局部の板厚が大幅
に減少するおそれがなくなり、割れの発生を防止できる
と共に、形状精度を向上させることができる。
【0051】実施の形態4.上記実施の形態の1〜3
は、工具の溝及び山部分が、工具の軸線を含む平面上に
形成されていたが、本実施の形態では、図16に示すよ
うに、工具5fの被加工材を押圧する面の稜線が、工具
の軸線を含む平面上でなく、工具先端の溝が、工具軸線
方向に傾きを持たせて形成されている。すなわち、本実
施の形態の工具5fは、工具軸中心に斜めに沿ったK−
K横断面図が、いわゆる花びら形状になるように形成さ
れている。
【0052】本実施の形態では、花びらの形状に工具の
頂部が形成されているが、これに限るものではなく、波
状に形成されていてもよい。
【0053】従来の頂部半球状の成形工具では、製品の
成形面の傾きが大きい場合には、工具の球半径を小さく
した方が有利である。一方、成形面の傾きが小さい(水
平に近い)場合には、球半径は大きい方が割れに対して
有利である。
【0054】これは、球半径を大きくすると、等高線に
沿った工具の移動軌跡の法線方向に、工具の送りに向き
合う被加工材の盛り上がりを緩和する効果が高いためで
ある。
【0055】本実施の形態の工具5fでは、等高線の移
動軌跡方向の工具半径はそのままで、送り方向の工具半
径を大きくすることができ、割れを発生させないで対応
可能な製品の成形面の傾きの範囲を拡大することができ
る。その結果、工具先端の球半径を選択する機会が従来
に比べて減少し、省力化が図れる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るインクリメ
ンタル押圧成形装置によれば、被加工材を介して支持工
具と対向するインクリメンタル成形工具を回転させなが
ら断続的に押圧していくことにより、成形量が分断さ
れ、1回の成形量を小さくできると共に回転方向を適切
に選べば、被加工材を逐次外側から内側に寄せていく。
このため、局部の板厚が大幅に減少するおそれがなくな
り、割れの発生を防止できると共に、形状精度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクリメンタル押圧成形装置に用
いるインクリメンタル成形工具の一例の構造を説明する
図である。
【図2】 本発明の対向工具方式を用いたNC立型フラ
イス盤の構造を示す斜視図である。
【図3】 本実施の形態1の対向工具方式を用いた押圧
成形を示す図である。
【図4】 本実施の形態1の対向工具方式を用いて押圧
成形された製品の斜視図である。
【図5】 本実施の形態1の対向工具方式により曲げ加
工された部分の板厚測定を説明する図である。
【図6】 本実施の形態1の押圧成形方法で支持工具を
用いず従来の半球状の成形工具のみでの押圧成形を説明
する図である。
【図7】 図6の方法で押圧成形したときの加工品の形
状を示す斜視図である。
【図8】 上面と斜面の境界のはっきりした形状の斜視
図である。
【図9】 従来のインクリメンタル成形方法において、
被加工材の直下にサポータを配置する場合の構成を示す
図である。
【図10】 被加工材を上下方向に固定された枠状保持
具で保持して本発明の対向工具方式で押圧成形する状態
を示す図である。
【図11】 本発明の対向工具による逐次押圧成形方法
と従来の張出し成形方法との形状精度の差を示す図であ
る。
【図12】 本発明に係るインクリメンタル成形方法に
用いるインクリメンタル成形工具の他の例の構造を説明
する図である。
【図13】 本発明に係るインクリメンタル成形方法に
用いるインクリメンタル成形工具の他の例の構造を説明
する図である。
【図14】 本発明に係るインクリメンタル成形方法に
用いるインクリメンタル成形工具の他の例の構造を説明
する図である。
【図15】 本発明に係るインクリメンタル成形方法に
用いるインクリメンタル成形工具の他の例の構造を説明
する図である。
【図16】 本発明に係るインクリメンタル成形方法に
用いるインクリメンタル成形工具の他の例の構造を説明
する図である。
【図17】 NC立型フライス盤の構造を示す斜視図で
ある。
【図18】 NC立型フライス盤のテーブルに載せる治
具の分解拡大図である。
【図19】 NC立型フライス盤を用いたインクリメン
タル成形方法を説明する図である。
【図20】 NC立型フライス盤を用いたインクリメン
タル成形方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート、4 被加工材、5 インクリメン
タル成形工具、5a,5b,5c,5d,5e,5f
インクリメンタル成形工具(工具)、12 ガイドポス
ト、13 下側工具、14 上側プレート、14b 下
側工具穴、16被加工材固定枠、16a 開口、18
サポータ、20 治具、23 支持柱、25 支持工
具、30 NC立型フライス盤のテーブル、33 ね
じ、42穴、44 固定部、40,46,48 成形
品。
フロントページの続き (72)発明者 松田 文憲 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終製品形状に基づき作成された等高線
    加工データに則りインクリメンタル成形工具により被加
    工材を押圧成形し所望の形状に加工するインクリメンタ
    ル押圧成形装置であって、 前記被加工材を挟んで前記インクリメンタル成形工具と
    対向し、前記被加工材を支持しつつ前記等高線データに
    則り前記インクリメンタル成形工具と連動して移動可能
    な支持工具を有し、 前記インクリメンタル成形工具は、工具を回転すること
    により被加工材を断続的に押圧するような、工具の軸線
    に直角な断面が真円でない形状を有する回転しながら成
    形するインクリメンタル成形工具であり、 前記インクリメンタル成形工具を回転させながら、前記
    支持工具で支持された前記被加工材の支持面を断続的に
    押圧成形するインクリメンタル押圧成形装置。
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