JP2000153296A - 下廃水処理方法およびその装置 - Google Patents

下廃水処理方法およびその装置

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JP2000153296A
JP2000153296A JP32929298A JP32929298A JP2000153296A JP 2000153296 A JP2000153296 A JP 2000153296A JP 32929298 A JP32929298 A JP 32929298A JP 32929298 A JP32929298 A JP 32929298A JP 2000153296 A JP2000153296 A JP 2000153296A
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圭 馬場
Satoru Udagawa
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Toyoshi Sawada
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  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥処理の過程で汚泥が嫌気条件下にさらさ
れても汚泥が周囲の水中へリンを放出しにくく、汚泥処
理の過程で生じる分離液が水処理系へ返送、移送されて
も水処理系でのリン除去処理に対して負担になりにくい
下廃水処理方法およびその装置を提供することを目的と
するものである。 【解決手段】 生物学的処理法を利用した下廃水処理装
置において、生物学的処理法を含む水処理設備1の沈殿
池から引き抜いた汚泥を濃縮処理する前もしくは濃縮処
理した後に加熱処理装置9によって加熱処理するととも
に、最初および最終沈殿池2,4から引き抜いた汚泥
か、または加熱処理装置9による加熱処理後の汚泥を濃
縮処理して発生する分離液と、加熱処理後の汚泥の脱水
処理で発生する分離液とに溶存するリンを除去する下廃
水処理装置であり、下廃水を生物学的処理法によって処
理し、その汚泥中に生物学的リン摂取反応で十分にリン
を含有させ、加熱処理後の脱水ケーキが十分リンを含有
する汚泥であれば、汚泥が嫌気条件下にさらされたとし
てもリン含有廃水を生じることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水や廃水処理の
技術分野における下廃水処理方法およびその装置に関
し、特に下水や廃水のリン除去を中心とする高度処理を
備えた下廃水処理方法およびその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、下水や廃水の処理では活性汚泥法
が多く用いられており、主に、生物化学的酸素要求量
(BOD)として測定されることの多い有機物(水中の
分解可能な有機物の指標としてのBOD)と懸濁性固形
物(SS)とが処理されていた。これに対して、窒素お
よびリンが閉鎖性水域の富栄養化を引き起こすことか
ら、近年、下廃水中の窒素およびリンをも除去処理し
て、処理水が放流される閉鎖性水域の環境を保全しよう
とする動きが強まっている。このような、いわゆる高度
処理に用いられる技術のうち、活性汚泥法の変法を用い
る例としては、BODおよびSSとリンとを同時に除去
処理することのできる嫌気好気活性汚泥法と、BOD
およびSSとリンと窒素とを同時に除去処理することの
できる嫌気無酸素好気活性汚泥法とがある。
【0003】嫌気好気活性汚泥法による廃水処理装置
の一例として、図4を参照して説明する。この廃水処理
装置は、主に夾雑物等が除去された下水および/または
廃水が供給される最初沈殿池2と、生物処理装置3と、
最終沈殿池4とから構成され、生物処理装置3は、生物
学的リン放出反応により活性汚泥が細胞内のリン酸イオ
ンを廃水中に放出する嫌気槽3aと、生物学的リン摂取
反応により活性汚泥が廃水中のリン酸イオンを細胞内に
摂取する散気装置5を備える好気槽3cとから構成され
ている。最終沈殿池4からの汚泥の一部は、返送汚泥と
して、嫌気槽3aに返送する汚泥返送配管8が設けられ
ている。曝気槽3cにおける好気工程での活性汚泥のリ
ン摂取量は、嫌気槽3aにおける嫌気工程でのリン放出
量よりも大であり、このリン摂取量とリン放出量との差
が廃水中のリン除去量に相当する。
【0004】下廃水は、最初沈殿池2に送り込まれて、
下廃水中に含まれる比較的大きくて重い固形物を除去し
た後、嫌気槽3aによる嫌気工程での生物学的リン放出
反応および好気槽3cによる好気工程での生物学的リン
摂取反応を経て、廃水中のリンは汚泥の構成成分に変化
するが、最終的に最終沈殿池4に送り込まれて余剰汚泥
として廃水処理装置から排出される。また、廃水中のB
ODは嫌気工程および好気工程の双方において除去さ
れ、SSは主に最初沈殿池2および下廃水が嫌気槽3a
および好気槽3cにて生物処理を受けた後に導入される
最終沈殿池4において除去される。
【0005】次に、嫌気無酸素好気活性汚泥法による
廃水処理装置の一例として、図5を参照して説明する。
同図において、嫌気無酸素好気活性汚泥法による廃水処
理装置は、主に、最初沈殿池2と、生物学的リン放出反
応により活性汚泥が細胞内のリン酸イオンを廃水中に放
出する嫌気槽3aと、活性汚泥が廃水中のリン酸イオン
を細胞内に摂取する生物学的リン摂取反応ならびに脱窒
反応を起こさせる無酸素槽(脱窒槽)3bと、活性汚泥
が廃水中のリン酸イオンを細胞内に摂取する生物学的リ
ン摂取反応ならびに硝化反応を起こさせる散気装置5を
備える好気槽3cと、最終沈殿池4とから構成され、活
性汚泥混合液を脱窒槽3bに返送する活性汚泥返送配管
3dが設けられている。最終沈殿池4からの汚泥の一部
は、返送汚泥として、嫌気槽3aに返送する汚泥返送配
管8が設けられている。
【0006】無酸素工程および好気工程での活性汚泥の
リン摂取量は、嫌気工程でのリン放出量よりも大であ
り、このリン摂取量とリン放出量との差が廃水からのリ
ン除去量に相当する。図5に示した嫌気無酸素好気活性
汚泥法による処理プロセスは、生物学的な脱リン反応と
脱窒素反応とを行わせてもって、排水中のBODおよび
SSと共に、リンと窒素とを除去処理するものである。
下水廃水の処理に伴って発生する汚泥の従来の処理方法
は、濃縮→脱水→嫌気性消化→好気性消化→焼却等の流
れに沿った方法であった。また、汚泥を加熱して汚泥中
の蛋白質を変性固化させて、汚泥を熱処理して脱水性を
向上させるという方法があった。
【0007】従来の活性汚泥法による下廃水処理方法を
例にとって、図6に従来の下廃水の処理方法と汚泥の処
理方法とを示している。同図において、下廃水が最初沈
殿池2に送り込まれ、その上澄水が生物学的処理槽3か
ら最終沈殿池4へと順次通水されて、その過程で最終沈
殿池4からの汚泥の一部が返送汚泥配管8を通して生物
学的処理槽3に返送されて生物学的処理槽3において生
物学的な処理が行われ、処理水が得られる。活性汚泥法
による水処理系から発生する汚泥は、主に、最終沈殿池
4における固液分離によって得られた最終沈殿池引き抜
き汚泥から返送汚泥を除いたいわゆる余剰汚泥と、最終
沈殿池2からの最初沈殿池引き抜き汚泥とを含んでい
る。
【0008】これらの汚泥を濃縮槽13へ導入して濃縮
汚泥と分離液とを得る。分離液は通常最初沈殿池2の手
前へ返送され、濃縮汚泥は次の汚泥処理工程である脱水
機15で処理を行って、脱水ケーキおよび分離液を得
る。分離液は、通常最初沈殿池2の手前へ返送される。
脱水ケーキは焼却炉17へ導入されて焼却され、排ガス
と焼却灰とが得られる。
【0009】図7は、従来の汚泥処理方法の他の一例を
示すものである。図7は、3カ所の下水処理場より送ら
れてきた汚泥を集中処理する汚泥処理場の例を示してい
る。3カ所の下水処理場において得られた沈殿池引き抜
き汚泥は、それぞれの下水処理場で一旦濃縮した後、汚
泥濃度を管路輸送に適したものにするために必要により
希釈して、それぞれの汚泥輸送管路を経由して汚泥集中
処理場へ輸送される。汚泥集中処理場では輸送されてき
た汚泥が、それぞれの調整槽20a〜20cに受け入れ
られる。各調整槽20a〜20cからの汚泥は、混合槽
21に送られて混合した後、濃縮機22によって処理し
て分離液と濃縮汚泥に分けられる。この分離液は、分離
液貯留槽23へ、濃縮汚泥は濃縮汚泥貯留槽24へ導入
して、濃縮汚泥は脱水機25で処理して分離液と脱水ケ
ーキとが得られる。脱水機25からの分離液は、分離液
貯留槽26へ送られる。脱水ケーキは、焼却炉28へ送
って焼却処理する。得られる排ガスを排ガス処理設備2
9で処理した後、煙突30を経由して排ガス処理後の排
ガスを大気放出すると共に、焼却灰の搬出、埋め立てを
行う。分離液貯留槽23,26の分離液は、分離液処理
設備27において処理を行って、分離液処理汚泥を混合
槽21へ返送すると共に、分離液処理水は、近くの下水
処理場へ送って再び水処理が行われる。
【0010】従来、この分離液処理設備では、濃縮機2
2と脱水機25からの分離液の固液分離を目的とした凝
集沈殿処理法が主として用いられ、凝集用薬品として
は、高分子凝集剤、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄
等が用いられてきた。これらの凝集用薬品のうち、アル
ミニウム塩や鉄塩は、リン除去処理効果をも有している
が、この凝集沈殿処理では、基本的に固液分離処理を目
的とするものであるために、凝集剤の添加量も少なく、
リン除去処理効果は良好なものではないのが通常であっ
た。一連の汚泥処理の工程では、汚泥の腐敗に由来する
臭気ガスが発生するために、生物脱臭塔31や活性炭吸
着塔32などの脱臭設備によって処理を行った後、排気
塔33を経由して大気放散する。このような汚泥の集中
処理は、汚泥処理設備とその運転管理要員を集約するこ
とによって汚泥処理の経済化をはかるものであり、近
年、大都市における下水処理で実施されている。
【0011】従来の汚泥処理方法のうち汚泥熱処理法
は、汚泥の脱水処理のための前処理であったために、通
常は濃縮処理と脱水処理との間に設置されていた。しか
しながら、この熱処理は、汚泥混合液を120〜180
℃程度の高温とするものであり、加熱するための経費を
要することに加えて、猛烈な悪臭を発生するという問題
があり、近年建設された汚泥処理設備においては多くの
採用例はない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、下廃水のリ
ンを除去する方法には、前述の嫌気好気法あるいは嫌気
無酸素好気法に代表される生物学的処理方法と凝集剤添
加処理に代表される物理化学的処理法がある。前者は、
微生物によるリン放出反応とリン摂取反応とを利用して
微生物体へリンを取り込ませることによって、下排水中
のリンを除去するものである。後者は、鉄塩やアルミニ
ウム塩などの凝集剤を加えてリン酸の難溶性の金属塩を
形成することによって、下排水中のリンを除去するもの
である。生物学的リン除去方法として、嫌気処理工程と
好気処理工程とを組み合わせた嫌気好気法あるいは嫌気
無酸素好気法が代表的なものであるが、標準活性汚泥法
に代表される好気処理工程のみから成る従来の生物処理
方法においても、BOD除去に伴ってリンも除去される
というメカニズムがある。
【0013】好気処理工程では、廃水中の汚濁物質の組
成を代表として、BOD:N(窒素):P(リン)で示
すと、ほぼ100:5:1の割合で除去される。汚濁物
質の一部は、微生物体(汚泥)の合成に使われて除去さ
れ、リンもその微生物体の構成成分として用いられるた
めに、廃水中のリンが除去される。生物学的処理方法
は、物理化学的処理法と異なって、凝集剤を購入して添
加する必要が無く、また、添加した凝集剤の成分が結局
汚泥成分となって汚泥発生量が増加するという問題も無
いため、特に、大規模の下廃水の処理におけるリン除去
方法として重視されており、この手法が採用される向き
がある。
【0014】しかしながら、生物学的リン除去手段の一
部に用いられているように、多くの微生物体を含有する
汚泥は、有機物の存在下で嫌気条件下にさらされるとリ
ンを外部(水中)へ放出するという性質を有する。何ら
かの生物学的リン除去メカニズムを利用して、下廃水中
のリンを汚泥中に取り込ませるために、好気処理工程に
よる水処理を行ったとしても汚泥混合液が嫌気条件下に
さらされると、嫌気条件下での微生物の代謝作用によっ
て、リンは生物体の外部の水中へ、すなわち汚泥混合液
中に放出される欠点がある。
【0015】従来の汚泥処理の過程では、汚泥が嫌気条
件下にさらされる例は多い。例えば、汚泥濃縮処理設備
において、重力濃縮槽は、高速稼動部分が無く、比較的
運転動力費が安いために、多くの下廃水処理場で採用さ
れている。この重力濃縮槽での滞留時間は、導入される
汚泥混合液の汚泥濃度にもよるが、約10〜15時間で
あり、この重力濃縮槽内は嫌気条件となり、汚泥中には
微生物体が含有されているため、有機物の存在下でリン
が外部(水中)へ放出される欠点がある。また、下廃水
処理場から汚泥集中処理場へ汚泥を輸送する場合、通
常、比較的汚泥濃度の高い汚泥混合液が輸送の対象とな
るが、汚泥を輸送する距離によっては、輸送管路内の滞
留時間が15〜24時間となり、この間は汚泥が嫌気条
件下にさらされるので、同様にリンが外部(水中)に放
出される欠点がある。さらに、下廃水処理の過程で発生
した汚泥を、その下廃水処理場で処理するか、汚泥集中
処理場で処理するかに関わらず、濃縮汚泥を脱水処理す
る前に、濃縮汚泥を貯留する工程(貯留槽、調整槽、混
合槽など)のあるのが通常で、濃縮汚泥の貯留工程で1
2〜24時間の滞留時間を持つことがあり、この間、汚
泥は嫌気条件下にさらされ、リン放出が盛んになる欠点
がある。
【0016】汚泥がこれらの工程を経ることによってリ
ンが水中へ放出される。すなわち、下廃水の処理系にお
いて何らかの生物学的メカニズムを利用してリン除去処
理を行っても、汚泥処理系で用いられる処理の方法によ
っては、汚泥処理工程で生じる分離液中のリン濃度が高
くなり、このリン濃度の高い分離液が水処理系へ返送さ
れると、結局水処理系での生物脱リン処理効果を損ねる
という問題があった。また、このような過程を経た分離
液を分離液専用処理設備でもってリン除去処理する場
合、該処理設備に対するリン負荷が大となる欠点があ
る。例えば、凝集沈殿処理を行う場合には、凝集剤の使
用量の増加を来すという問題があった。
【0017】本発明は、上述のような課題に鑑みなされ
たものであり、汚泥処理の過程で汚泥が嫌気条件下にさ
らされても汚泥が周囲の水中へリンを放出しにくく、汚
泥処理の過程で生じる分離液が水処理系へ返送、移送さ
れても水処理系でのリン除去処理に対して負担になりに
くい下廃水処理方法およびその装置を提供することを目
的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
達成したものであり、請求項1の発明は、生物学的処理
法を利用した下廃水処理方法において、生物学的処理法
を含む水処理設備の沈殿池から引き抜いた汚泥を濃縮処
理する前もしくは濃縮処理した後に加熱処理するととも
に、前記沈殿池から引き抜いた汚泥または前記加熱処理
後の汚泥を濃縮処理して発生する分離液と、前記加熱処
理後の汚泥の脱水処理で発生する分離液とに溶存するリ
ンを除去することを特徴とする下廃水処理方法である。
この構成によれば、下廃水を生物学的処理法によって処
理し、その汚泥中に生物学的リン摂取反応で十分にリン
を含有させ、加熱処理後の脱水ケーキが十分リンを含有
する汚泥であれば、汚泥が嫌気条件下にさらされたとし
てもリン含有廃水を生じることがない。
【0019】また、請求項2の発明は、前記加熱処理の
温度が60〜100℃であることを特徴とする請求項1
に記載の下廃水処理方法である。この構成によれば、加
熱処理の温度の範囲を上記範囲とすることによって、悪
臭の発生を抑制することができるとともに、菌の種類に
よっては滅菌効果を有し、その後の生物学的リン放出反
応を抑制することができる。
【0020】また、請求項3の発明は、生物学的処理法
を含む水処理設備と、前記水処理設備の沈殿池から引き
抜いた汚泥を濃縮装置で濃縮処理する前もしくは濃縮処
理した後に加熱処理する加熱処理装置と、前記加熱処理
装置により加熱処理した汚泥を脱水する脱水機と、前記
濃縮装置と前記脱水機とから発生する分離液中に溶在す
るリンを除去するリン除去処理装置とを具備することを
特徴とする下廃水処理装置である。この構成によれば、
水処理設備により、生物学的リン摂取反応で十分にリン
を汚泥に取り込み、汚泥を濃縮後加熱処理するか、濃縮
前加熱処理して、脱水機で脱水ケーキとし、脱水ケーキ
中の汚泥のリン含有率が高い状態に維持されるため、こ
れらの処理の過程で得られる分離水のリン濃度は低くな
り、この分離水を水処理設備へ導入してリン除去処理す
る場合にリン負荷が高くなることを防止することがで
き、良好なリン除去処理水を得ることができる。
【0021】また、請求項4の発明は、生物学的処理法
を含む水処理設備と、前記水処理設備の沈殿池から引き
抜いた汚泥を短時間で濃縮処理する濃縮処理手段と、前
記濃縮処理手段により濃縮処理した後に加熱する加熱処
理装置と、前記加熱処理装置により加熱処理を行った後
に脱水する脱水機と、前記濃縮装置と前記脱水機とから
発生する分離液中に溶存するリンを除去するリン除去処
理装置とを具備することを特徴とする下廃水処理装置で
ある。この構成によれば、汚泥の濃縮処理手段として、
例えば遠心分離機で短時間で濃縮することにより、微生
物(細菌)による生物学的リン放出反応を生じることな
く、濃縮処理することができる。そして、濃縮処理によ
って減容化した汚泥に対して熱処理を加えるという構成
としたことによって、熱処理設備をコンパクト化できる
と共に、請求項3の装置の構成で得られるのと同様の汚
泥処理および水処理に関する効果を得ることができる。
【0022】また、請求項5の発明は、前記リン除去処
理装置が、前記水処理設備の生物学的リン摂取反応を利
用した好気槽であるか、または凝集剤添加処理装置およ
び/または好気槽を含むことを特徴とする請求項3また
は4に記載の下廃水処理装置である。この構成によれ
ば、熱処理後の汚泥を処理して得られた分離液をリン除
去処理装置で処理することで、その処理水を水処理設備
に返送したとしても、その水処理設備へのリン負荷を軽
減でき、リン濃度の低い処理水(放流水)を得ることが
できる。また、分離液を専用の処理装置であるリン除去
処理装置へ導入する場合においても生物脱リン処理効果
もしくは物理化学的脱リン効果を損ねることが無く、凝
集剤添加処理を行う場合には凝集剤の使用量の増加を来
すこともない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の下廃水処理方法お
よびその装置の実施の形態について、図面を参照して説
明する。なお、本発明における下廃水は、下水および/
または廃水を意味し、下水および/または廃水を処理す
る処理方法とその装置に関し、これを下廃水処理方法と
称する。本発明の下廃水処理方法は、下水処理方法や廃
水処理方法でもあり、本発明の下廃水処理装置は、下水
処理場や廃水処理設備に適用され、既存の生物学的処理
槽が高いリン除去率を有する場合は、リン除去設備を要
しないが、リン除去率が低い場合は、専用のリン除去処
理装置を備えるとよい。
【0024】(実施形態1)図1は、本発明の実施の形
態の一例を示す図である。同図において、下廃水は、最
初沈殿池2と、生物学的リン除去反応を有する生物学的
処理槽3と、最終沈殿池4とを備える水処理系統による
水処理設備1で処理されている。このような下廃水処理
の過程で、最初沈殿池2と、最終沈殿池4とから輸送管
6,7を通して引き抜き汚泥が排出される。余剰汚泥は
返送配管8を通して、生物学的処理槽3の前段に送られ
る。引き抜き汚泥は、加熱処理装置9において加熱処理
された後、重力濃縮槽10へ導入して、分離液と濃縮汚
泥とに分離される。分離液は、水処理設備1へ導入して
処理する一方、濃縮汚泥は、脱水機12へ導入して分離
液および脱水ケーキを得る。脱水機12からの分離液
は、水処理設備1へ導入して処理する一方、脱水ケーキ
は、焼却炉13へ導入して焼却して排ガスおよび焼却灰
を得る。排ガスは、脱硫処理、脱硝処理などの処理を行
った後、大気中へ放散する。焼却灰は、例えば埋め立て
処分を行う。
【0025】図1の実施形態の下廃水処理装置では、最
初沈殿池2および最終沈殿池4よりの引き抜き汚泥に対
して加熱処理を施する加熱処理装置9を備えている。加
熱処理後の汚泥は、重力濃縮槽10へ送られる。その濃
縮汚泥は、脱水機12へと送られる。重力濃縮槽10と
脱水機12とから得られる分離液は、下廃水の水処理設
備1もしくは分離液専用処理設備であるリン除去処理装
置11に送られる。リン除去処理装置11は、例えばリ
ン除去処理のメカニズムを有する生物処理設備、微生物
による生物学的リン摂取反応を用いた分離液専用処理設
備、あるいは物理化学的処理法に代表される凝集剤添加
処理設備、あるいはそれらを併用した設備である。な
お、加熱処理装置9は、焼却炉13からの熱源を利用し
て汚泥を加熱してもよい。
【0026】通常、標準活性汚泥法による生物学的処理
槽3による水処理設備から生じる余剰汚泥には、2.5
%程度、嫌気好気活性汚泥法や嫌気無酸素好気活性汚泥
法に代表される生物学的リン除去反応を用いた生物学的
処理槽3による水処理設備から発生する余剰汚泥には、
4.0%前後のリンを含有している。これらの余剰汚泥
を含む汚泥は、嫌気条件下に長く置かれると汚泥からリ
ンが溶出する。この嫌気条件下での汚泥の放置時間とリ
ンの溶出量との関係は、汚泥の濃度条件や汚泥齢にもよ
るが、本発明者等の実験によれば、リンの溶出が検知さ
れるのは嫌気条件になってから20分を経過した後であ
り、その後次第にリン溶出量が増加する。このような汚
泥からのリンの溶出は、生物反応によるものであり、加
熱処理装置9を用いて汚泥を熱処理してもって生物作用
を止めることによって、汚泥からのリンの放出を防止す
ることができる。
【0027】また、本実施形態の下廃水処理装置では、
リンの溶出に関わる生物作用を止めるために、加熱処理
装置9による加熱処理がなされている。図1において
は、濃縮工程で重力濃縮法を用いており、重力濃縮処理
の過程での滞留時間が約10〜15時間であり、この間
にリンの溶出が進行するのを防ぐために、汚泥を重力濃
縮処理に導入する手前で加熱処理を実施して、汚泥から
のリンの放出を防止している。
【0028】本実施形態での加熱処理は、殺菌処理によ
る生物反応の停止を目的としている。湿潤状態で微生物
学的に完全な滅菌処理を施すには、例えば120℃で1
5〜20分間の加圧加熱処理を行う必要がある。しか
し、本実施形態においては、完全な滅菌処理を行うこと
は必ずしも必要ではなく、加熱温度を100℃とし、最
低加熱温度60℃まで許容される。すなわち、加熱温度
範囲は、60〜100℃とすることがむしろ好ましい。
なぜならば、120℃にまで昇温するには、圧力容器と
なるオートクレーブが必要になると共に多くの熱エネル
ギーを必要とする。さらに、下廃水処理汚泥を加熱する
と悪臭を発生するが、加熱温度の低い方が悪臭発生の程
度も低滅される。加熱温度範囲が60〜100℃では、
芽胞状態の細菌を殺すことは困難であるが、下廃水処理
に関わる細菌の大半は芽胞を生成しないズーグレア,シ
ュードモナス等のグラム陰性菌であり、このような加熱
処理を行った後汚泥が処理される工程に要する時間が高
々24〜36時間で処理することを考慮すれば、芽胞が
栄養体となってリンを放出するという作用は比較的小さ
い。
【0029】かくして、本実施形態では、汚泥の濃縮処
理および脱水処理の過程で得られた分離液は、リン濃度
の非常に低いものとなるために、その分離液を専用の処
理設備で処理する場合でも、汚泥を生じた元の下廃水処
理設備へ返送して処理する場合でも、水処理施設へのリ
ン負荷が極めて低くなり、良好なリン除去処理成績が得
られる。
【0030】また、下廃水処理設備でリン除去のために
生物学的処理法と凝集剤添加による物理学的処理法とを
併用している場合や分離液専用処理設備において凝集沈
殿処理によるリン除去処理を用いている場合などにおい
て、本実施形態を用いない場合には、汚泥処理の工程で
汚泥からリンが溶出し結局凝集剤によって除去処理する
ことになるのに対し、本実施形態では、汚泥処理工程を
経由して汚泥処理系外へ排出される生物由来の汚泥がリ
ン含有率の高いものであるために、水処理系に対するリ
ン負荷は比較的低くなり、凝集剤の使用量が少なくて済
むと共に、凝集剤に由来する汚泥の発生量も少なくな
る。また、本発明における汚泥混合液の加熱処理装置と
して、熱交換器を介しての間接加熱を用いることも可能
であり、スチームを吹き込むなどの直接加熱を用いるこ
とも可能である。熱源は、焼却炉からの廃熱を利用する
ことも可能である。
【0031】(実施形態2)本発明の下廃水処理方法お
よびその装置の他の実施形態について、図2を参照して
説明する。同図において、下廃水は、その夾雑物が除去
されて最初沈殿池2に供給され、その上澄水が生物学的
処理槽3で処理されて、最終沈殿池4に供給され、処理
水が得られている。最初および最終沈殿池2,4から輸
送管6,7を通しての引き抜き汚泥は、濃縮設備10a
によって濃縮処理を施して、分離液と濃縮汚泥を得る。
分離液は、輸送配管L1を通してリン除去処理装置11
へ導入して処理する一方、濃縮汚泥は、加熱処理装置9
に送られて加熱処理した後、加熱処理後の汚泥を脱水機
12へ導入される。脱水機12によって分離液および脱
水ケーキを得る。これら分離液は、輸送配管L1,L2
を通してリン除去処理装置11へ導入して処理する。一
方、脱水ケーキは、焼却炉13へ導入して排ガスおよび
焼却灰を得る。リン除去処理装置11で発生する汚泥
は、返送配管L3を通して濃縮設備10aの前段に返送
してもよい。リン除去処理装置11で処理された処理水
は、排水される。脱水ケーキは焼却されてその排ガス
は、脱硫処理、脱硝処理などの処理を行った後、大気中
へ放散され、焼却灰は埋め立て処分を行う。なお、図2
の実施形態における濃縮工程は、加熱処理装置の前段で
処理するために、濃縮に時間を要する重力濃縮法を用い
ることなく、例えば遠心濃縮縮法などの場合のように滞
留時間が5分程度以下といった、滞留時間(処理時間)
の短い濃縮法を用いており、濃縮工程で汚泥から溶出す
るリンは、比較的少ないので、濃縮汚泥に対して加熱処
理を施した方が加熱処理装置も小さくなると共に、必要
な熱エネルギーも少なくて済むので経済的である。
【0032】図2において、最初沈殿池2および最終沈
殿池4よりの引き抜き汚泥を濃縮処理した濃縮汚泥に対
して加熱処理装置9で処理することと、濃縮設備10a
と脱水機12からの分離液を処理する設備は、リン除去
処理装置11で説明したが、これら分離液の処理設備は
下廃水の処理設備1であってもよく、リン除去処理のメ
カニズムを有する生物学的リン除去反応を用いた分離液
専用処理設備、あるいは物理化学的処理法を代表する凝
集剤添加処理設備であるか、あるいはそれらを併用した
ものであって、リン除去処理を目的としたものである。
【0033】上記実施形態1,2では、その生物学的処
理槽3の一例とし、図3(a),(b)に示すものが用
いられる。図3(a)の生物学的処理槽3は、嫌気槽3
aと散気装置5が備えられた曝気槽3cとから構成され
ている。また、図3(b)の生物学的処理槽3は、嫌気
槽3aと、無酸素槽(脱窒槽)3bと、散気装置5が備
えられた曝気槽3cとから構成され、活性汚泥が無酸素
槽3bに返送されている。
【0034】また、上記実施形態1,2では、リン除去
処理装置11の一例として、図4に示した嫌気好気活性
汚泥法や図5に示した嫌気無酸素嫌気法や標準活性汚泥
法などの生物処理設備およびこれに凝集剤添加処理を組
み合わせた凝集剤添加生物処法による設備、および凝集
沈殿法や凝集ろ過法などの生物学的処理設備を用いるこ
とができる。
【0035】(実施例)本発明に基づく下廃水処理方法
およびその装置の実施例について説明する。実施例と比
較例を室内実験により説明する。まず、それらの実験条
件を説明する。嫌気無酸素好気活性汚泥法による処理量
25m3 /日の下水処理パイロット実験設備より得た余
剰汚泥液(MLSS8272mg/L,TS8764m
g/L,T−P270mg/L)を実験材料とした。こ
の余剰汚泥液を、80℃、5分間ウォーターバスにて加
熱処理した場合(実施形態1に対応)、および無加熱処
理の場合(従来例)の2つのケースについて実験を行っ
た。
【0036】まず、上記余剰汚泥を加熱処理したもの
と、無加熱処理による剰汚泥液とを、それぞれ5Lのビ
ーカに収めて、1時間散気ボールを通して空気爆気を行
って、一旦好気状態にした。そして、曝気を停止して、
その後の余剰汚泥液を汚泥とろ過液に分離し、液側にお
けるT−PおよびP04 −P等の濃度の経時変化を調べ
た。なお、液側分析試料の調整方法は、以下の通り、3
00mlの余剰汚泥液を上記ビーカより所定時間経過後
に採取して、直ちに遠心分離処理(濃縮条件:2000
G、5分間)を行った。遠心分離処理で得た上澄液は、
孔径1ミクロンのグラスファイバーフィルタにてろ過し
てろ液を得た。このろ液を分析用試料とした。曝気を停
止した後の液側でのリン濃度の経時変化等の結果は、表
1に示した通りである。表1にから明らかなように、嫌
気無酸素好気活性汚泥法による余剰汚泥液を加熱処理す
ることにより、リンの溶出を抑制することができること
を示している。
【0037】
【表1】
【0038】次に、本発明の下廃水処理方法およびその
装置に関して、比較実験のために比較例を室内実験で行
った。標準活性汚泥法設備より得た最初沈殿池汚泥およ
び余剰汚泥の混合汚泥(MLSS12515mg/L,
TS14885mg/L)を実験材料とし、60℃、5
分間ウォーターバスにて加熱処理した場合(実施形態
1)と、無加熱処理の場合(従来例)との2つのケース
の比較実験を行った。
【0039】
【表2】
【0040】この実験では、余剰汚泥液をビーカ(5
L)に収めて、1時間散気ボールを通じて空気曝気を行
って一旦好気状態にした後、曝気を停止した。その後の
混合汚泥の液側におけるPO4 −P濃度の経時変化等を
調べた。液側分析試料の調整方法は、上記の実験の場合
と同じとし、曝気を停止した後のろ過液側でのリン濃度
の変化等を調べた。その実験データは表2に示した。表
2に見られるように、標準活性汚泥法設備より得た汚泥
混合液を加熱処理することにより、リンの溶出を抑制す
ることができた。
【0041】表1と表2の結果とを考え併せると、標準
活性汚泥法設備より得た汚泥混合液を処理する場合、生
物学的リン除去処理装置より得た汚泥汚泥混合液を処理
する場合、これらの汚泥混合液を混合して処理する場合
の何れのケースも、本発明による汚泥の加熱処理を行っ
て嫌気条件下での汚泥からのリンの溶出を抑制すること
は、その汚泥混合液に由来する分離液に対して、生物学
的リン除去処理もしくは物理化学的リン除去処理を行う
上でも好ましい効果が得られることは明らかである。
【0042】上記のように、活性汚泥の嫌気工程では、
生物学的リン放出反応によって、リンが放出されること
は知られている。従来の下水や廃水処理装置では、リン
放出が盛んになる嫌気工程として、重力濃縮槽、汚泥返
送配管(汚泥輸送管路)、濃縮汚泥を脱水するまでの貯
留工程等がある。これらの設備を取り除くか、長時間嫌
気工程とならないようにできるならば、生物学的リン放
出反応を抑制することができる。しかし、下廃水処理工
程では、困難な場合がある。このようなことに鑑み、本
発明では、生物学的リン除去反応を用いた活性汚泥法や
標準活性汚泥法を含む生物学的処理法による下廃水の処
理に伴って発生する汚泥を処理する際に、該汚泥を発生
する下水や廃水処理設備の沈殿地より引き抜いた汚泥を
濃縮処理する前もしくは濃縮処理した後に加熱処理を施
すと共に、濃縮工程および脱水工程で発生する分離液を
含む下廃水に対してリン除去処理を施すという構成とし
た。また、該加熱処理の温度を60〜100℃とした。
因みに、この加熱処理を、汚泥濃縮工程の前で実施する
か、汚泥濃縮工程の後で実施するかは、該濃縮工程で採
用している設備における滞留時間の違いによって選択す
ることができる。
【0043】
【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば、
汚泥処理の過程で該汚泥が嫌気条件下にさらされるのを
避けることは困難であるが、上記の方法によって汚泥を
加熱処理することにより、汚泥からのリンの溶出を防止
することができる効果が得られる。すなわち、このよう
な汚泥処理方法により、汚泥の濃縮処理および脱水処理
に伴って発生する分離液を含む下廃水を水処理系へ返送
してリン除去処理する場合、該分離液を専用の処理設備
においてリン除去処理する場合であっても、水処理設備
に対するリン負荷の増加を防止することができ、水処理
設備での良好なリン除去処理成績を得ることができる。
しかも、これらの水処理設備で凝集剤の添加によるリン
除去方法を採用している場合には凝集剤の添加量を低滅
できるため経済的である。
【0044】また、該加熱処理の温度を60〜100℃
に比較的低温としたことによって、加温設備に圧力容器
を用いる必要が無く、熱エネルギーも比較的少なくて済
む利点がある。さらに、比較的低温での処理であるた
め、臭気の発生の問題が少ない効果を有する。
【0045】また、脱水ケーキを焼却する焼却炉が設け
られている場合には、焼却炉に隣接して加熱処理施設を
設けることによって、焼却炉からの廃熱を利用して、汚
泥の加熱処理を行うことにより、加熱のための経費を削
減できる効果が得られる。
【0046】なお、脱水ケーキの段階でリンが汚泥中に
充分含有した状態であれば、汚泥が嫌気条件下にさらさ
れても、脱水ケーキ以後の汚泥の処理・処分工程が焼却
・埋立であれ、直接埋立であれ、これらの処理工程で分
離液などのリン含有廃水を生じることはほとんど無い。
そのため、汚泥処理工程で発生する分離液が返送される
水処理系あるいは分離液専用処理装置における生物脱リ
ン処理効果を損ねることが無く、凝集剤添加処理を行う
場合には凝集剤の使用量の増加を来すこともない効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の下廃水処理装置の一実施の形態を処理
フローで示した図である。
【図2】本発明の下廃水処理装置の他の実施の形態を処
理フローで示した図である。
【図3】生物学的処理槽の例を処理フローで示した図で
ある。
【図4】従来の活性汚泥法による下廃水処理装置を処理
フローで示した図である。
【図5】従来の活性汚泥法による下廃水処理装置を処理
フローで示した図である。
【図6】従来の活性汚泥法による汚泥処理を含む下廃水
処理装置を処理フローで示した図である。
【図7】従来の汚泥処理法による処理装置の一例を処理
フローで示した図である。
【符号の説明】
1 水処理設備 2 最初沈殿池 3 生物学的処理槽 3a 嫌気槽 3b 無酸素槽(脱窒槽) 3c,11c 曝気槽 4 最終沈殿池 5a 散気装置 6,7 輸送管 8 汚泥返送配管 9 加熱処理装置 10 重力濃縮槽 10a 濃縮設備 11 リン除去処理装置 11a 好気槽 11b 凝集剤混合槽 12 脱水機 13 焼却炉 L 返送配管 L1,L2 輸送配管 L3 返送配管
フロントページの続き (72)発明者 宮田 純 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 馬場 圭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宇田川 悟 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 沢田 豊志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D028 AA08 BB07 BC17 BD12 BD17 BE02 BE08 4D040 BB32 BB33 BB72 BB73 4D059 AA03 AA05 BB01 BB11 BE00 BE31 BE38 BE49 BF02 BK13 CA06 CA14 CA22 CA24 CA28 EB06 4D062 BA19 BA23 CA18 EA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的処理法を利用した下廃水処理方
    法において、 生物学的処理法を含む水処理設備の沈殿池から引き抜い
    た汚泥を濃縮処理する前もしくは濃縮処理した後に加熱
    処理するとともに、前記沈殿池から引き抜いた汚泥また
    は前記加熱処理後の汚泥を濃縮処理して発生する分離液
    と、前記加熱処理後の汚泥の脱水処理で発生する分離液
    とに溶存するリンを除去することを特徴とする下廃水処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理の温度が60〜100℃で
    あることを特徴とする請求項1に記載の下廃水処理方
    法。
  3. 【請求項3】 生物学的処理法を含む水処理設備と、 前記水処理設備の沈殿池から引き抜いた汚泥を濃縮装置
    で濃縮処理する前もしくは濃縮処理した後に加熱処理す
    る加熱処理装置と、 前記加熱処理装置により加熱処理した汚泥を脱水する脱
    水機と、 前記濃縮装置と前記脱水機とから発生する分離液中に溶
    在するリンを除去するリン除去処理装置とを具備するこ
    とを特徴とする下廃水処理装置。
  4. 【請求項4】 生物学的処理法を含む水処理設備と、 前記水処理設備の沈殿池から引き抜いた汚泥を短時間で
    濃縮処理する濃縮処理手段と、 前記濃縮処理手段により濃縮処理した後に加熱する加熱
    処理装置と、 前記加熱処理装置により加熱処理を行った後に脱水する
    脱水機と、 前記濃縮装置と前記脱水機とから発生する分離液中に溶
    存するリンを除去するリン除去処理装置とを具備するこ
    とを特徴とする下廃水処理装置。
  5. 【請求項5】 前記リン除去処理装置が、前記水処理設
    備の生物学的リン摂取反応を利用した好気槽であるか、
    または凝集剤添加処理装置および/または好気槽を含む
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の下廃水処理
    装置。
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JP2009050790A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Eko Advance:Kk 汚水処理装置
CN103553234A (zh) * 2013-10-21 2014-02-05 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 荧光渗透检测所产生污水的处理方法

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