JP2000153171A - 湿式媒体撹拌式ミル及びそれを用いた汚泥の破砕方法 - Google Patents

湿式媒体撹拌式ミル及びそれを用いた汚泥の破砕方法

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JP2000153171A
JP2000153171A JP10326640A JP32664098A JP2000153171A JP 2000153171 A JP2000153171 A JP 2000153171A JP 10326640 A JP10326640 A JP 10326640A JP 32664098 A JP32664098 A JP 32664098A JP 2000153171 A JP2000153171 A JP 2000153171A
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mill chamber
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健二 山田
Mikio Ide
幹夫 井手
Yoshiharu Nawa
慶東 名和
Yoichiro Sugihara
陽一郎 杉原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚泥等を安定して処理することのできる湿式
媒体撹拌式ミル及びそれを用いた汚泥の破砕方法を提供
する。 【解決手段】 ビーズを充填したミル室2と、ミル室内
のビーズを攪拌する手段と、破砕処理物とビーズとを分
離するビーズ分離部3からなり、ビーズ分離部に設けら
れたミル室内外を連通する間隙の幅が、0.15mmよ
り大きく、かつ、ミル室に充填したビーズの最小粒径以
上、最大粒径+2.0mm以下であることを特徴とする
湿式媒体撹拌式ミル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水処理施設等か
ら発生する有機物を含有する汚泥(以下、単に汚泥とい
う)等の破砕に用いられる湿式媒体攪拌式ミル及びそれ
を用いた汚泥の破砕方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、下水処理施設等の廃水処理施設か
ら大量に発生する余剰汚泥や生汚泥などの汚泥は脱水
後、産業廃棄物として埋め立て処分したり、焼却処分し
ている。しかし、近年、埋め立て地の確保が困難になる
とともに、大量の汚泥を焼却処分すると設備費、維持管
理費が高くなるため、汚泥の減量化が求められている。
【0003】汚泥の減量化方法としては、汚泥に含まれ
る有機物を嫌気性消化法や好気的消化法によって生物学
的処理によって処理する方法が多く用いられている。さ
らに、例えば特公平4−15040号公報には、嫌気性
消化処理を行なう前に、汚泥を湿式媒体撹拌式ミル(以
下、単にミルということもある)処理して破砕すること
により、生分解性を向上させて嫌気性消化を行ない、汚
泥の減量化率を向上させる方法が提案されている。湿式
媒体撹拌式ミル処理は、破砕媒体(ビーズ)を充填した
ミル室に汚泥を連続的に導入し、ディスクやピンを備え
た撹拌軸を高速回転させることによりビーズを撹拌し、
撹拌されたビーズ間に生じる剪断摩擦力により破砕を行
う方法である。これらのミルのビーズ分離部には、通常
ビーズの粒径の1/3程度の幅を有するミル室内外を連
通する間隙が設けられており、破砕された汚泥のみがこ
の間隙からミル系外に排出され、ビーズはミル室内に残
るしくみになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように、
湿式媒体撹拌式ミルのビーズ分離部のミル室内外を連通
する間隙の幅は、ビーズの流出を防ぐためにビーズ粒径
より小さく設定されているため、紙や人毛等の繊維質を
含有する汚泥を湿式媒体攪拌式ミルで処理した場合、こ
のような繊維質はミルでは破砕されにくいために残存
し、ミル付属のビーズ分離部のギャップやスリット、ス
クリーン等に詰まり、ミルの安定した運転が実施できな
くなるという問題点があった。本発明はこのような問題
点を解決するもので、汚泥等を安定して破砕することの
できる湿式媒体撹拌式ミル及びそれを用いた汚泥の破砕
方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、湿式媒体撹
拌式ミルのビーズ分離部のミル室内外を連通する間隙の
幅を調節することにより、汚泥等を安定して破砕処理す
ることができるということを見出し、本発明に到達し
た。すなわち、第1の発明は、ビーズを充填したミル室
と、ミル室内のビーズを攪拌する手段と、破砕処理物と
ビーズとを分離する間隙を有するビーズ分離部からな
り、ビーズ分離部に設けられたミル室内外を連通する間
隙の幅が、0.15mmより大きく、かつ、ミル室に充
填したビーズの最小粒径以上、最大粒径+2.0mm以
下であることを特徴とする湿式媒体撹拌式ミルを要旨と
するものである。また、第2の発明は、ビーズを充填し
たミル室と、ミル室内のビーズを攪拌する手段と、ミル
室内外を連通する間隙を有し、この間隙の幅が0.15
mmより大きく、かつ、ミル室に充填したビーズの最小
粒径以上、最大粒径+2.0mm以下であるビーズ分離
部と、ビーズ分離部で排出された破砕処理物からビーズ
を分離回収する手段と、回収したビーズをミル室に返送
する手段とからなることを特徴とする湿式媒体攪拌式ミ
ルを要旨とするものである。さらに、第3の発明は、上
記の湿式媒体攪拌式ミルを用いて有機物を含有する汚泥
を破砕する汚泥の破砕方法を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の湿式媒体撹拌式ミルは、ビーズを充填したミル
室と、ミル室内のビーズを攪拌する手段と、破砕処理物
とビーズとを分離するビーズ分離部からなるものであ
り、ビーズ分離部に設けられたミル室内外を連通する間
隙の幅が特定の範囲にある以外は特に限定されるもので
はなく、ミル室の向きとしては、縦型、横型のいずれで
もよい。また、ビーズを攪拌する手段としては、ディス
ク型、ピン型、ピンディスク型等の攪拌装置が挙げられ
る。
【0007】また、ミル付属のビーズ分離部としては、
ギャップ、スリットあるいはスクリーンなどが挙げられ
る。本発明においては、このようなビーズ分離部に設け
られたミル室内外を連通する間隙の幅が0.15mmよ
り大きく、かつ、ミルに充填したビーズの最小粒径以
上、最大粒径+2.0mm以下であることが必要であ
る。なお、本発明でいう間隙の幅とは、例えば図5に示
すスリット式のビーズ分離部を例に説明すると、図中A
で示される部分のことであり、破砕された汚泥が間隙を
通過する方向と垂直方向の断面の幅のことである。ま
た、本発明でいうビーズの最小粒径及び最大粒径とは、
それぞれビーズの粒度分布に示された最小値及び最大値
のことである。間隔の幅が0.15mm以下又は充填し
たビーズ粒径の最小径より小さいと、破砕されずに残っ
た繊維質が、スリットなどの間隙に詰まり、ミルの安定
した運転が実施できなくなる。また、間隔の幅が充填し
たビーズ粒径より2.0mmを越えて大きいと、ビーズ
の充填率を好ましい範囲内に収めることが難しくなり、
十分に破砕されなかったり、消費電力が多くなる。
【0008】本発明のミルにおいては、ミル付属のビー
ズ分離部において、ビーズが完全に分離されず、一部が
破砕処理物と共に排出されることがある。このため、破
砕処理物からビーズを分離回収する手段と、回収したビ
ーズをミル室に返送する手段を設けておくことが好まし
い。破砕処理物からビーズを分離回収する手段として
は、ビーズと破砕処理物とを分離・回収することのでき
るものであれば特に限定されるものではなく、重力分離
あるいは遠心分離によって、ビーズと破砕処理物とを分
離してビーズを回収する方式のものや、スリットあるい
はスクリーンでビーズと破砕処理物とを分離してビーズ
を回収する方式のものや、これらを組み合わせたものな
どが挙げられる。
【0009】図4に、重力分離によってビーズを分離・
回収する方式の装置の一例を示す。ビーズを含む破砕処
理物(汚泥)4は、重力分離槽10を通過する際に、破
砕処理物(汚泥)より真比重の大きいビーズが優先的に
沈降することにより、破砕処理物(汚泥)6とビーズ7
に分離される。さらに、重力分離槽10内に邪魔板11
やスクリーンを設けておくことにより、効率的に破砕処
理物(汚泥)6とビーズ7に分離することができる。
【0010】また、スリットあるいはスクリーンによっ
てビーズを分離・回収する際には、湿式媒体撹拌式ミル
付属のビーズ分離部よりも大きなものを用いることが好
ましく、湿式媒体撹拌式ミル付属のビーズ分離部の2倍
以上、さらに10倍以上であることが好ましい。また、
スリットあるいはスクリーンの間隔の幅としては、ビー
ズの最小粒径の20%以上、最小粒径の100%未満で
あることが好ましく、特にビーズの最小粒径の20%以
上、最大粒径の60%未満であることが好ましい。ビー
ズ分離回収装置がミル付属のビーズ分離部よりも小さい
ものであったり、スリットあるいはスクリーンの間隔の
幅がビーズの最小粒径の20%未満であると、ビーズ分
離回収装置の洗浄回数が増えるため、操作上好ましくな
い。また、スリットあるいはスクリーンの間隔の幅がビ
ーズの最小粒径の100%以上であると、ビーズが流出
しやすくなり、ビーズ補充にかかるコストの点から好ま
しくない。なお、本発明でいうスクリーンの間隔の幅が
ビーズの最小粒径の20%以上、最小粒径の100%未
満とは、例えば使用するビーズ粒径の分布が最小値0.
25mmφ、最大値0.5mmφとするとスクリーン間隔は
0.05(0.25×0.2)mm以上、0.25(0.
25×1.0)mm未満になる。
【0011】さらに、本発明においては、このようなビ
ーズを分離・回収する装置を目的に応じて、複数を並列
あるいは直列に組み合わせてもよい。特に複数を並列に
組み合わせた場合には、連続的に破砕処理しながら定期
的に装置の洗浄工程を組み込むことができる。
【0012】回収したビーズをミル室に返送する手段と
しては、特に限定されるものではなく、モノーポンプ、
チューブポンプ、コンベア、エアリフトポンプ等が挙げ
られる。ミル室への返送は、ビーズ単独で返送するよう
にしてもよいし、ビーズと処理対象物が混合された状態
でミル室に導入されるようにしてもよい。
【0013】次に、このような湿式媒体攪拌式ミルを用
いた汚泥の破砕方法について説明する。本発明の処理対
象となる汚泥は、有機物を含有する汚泥であれば特に限
定されるものではなく、このような汚泥としては、下
水、食品工場廃水、パルプ工場廃水等の廃水を、活性汚
泥処理施設等の生物学的廃水処理施設で処理する際に発
生する生汚泥や余剰汚泥、または、これらを嫌気性消化
した際に発生する嫌気性消化汚泥の他、それらの混合汚
泥及び濃縮汚泥等が挙げられる。これらの汚泥中には、
量の多少はあるものの、湿式媒体撹拌式ミル処理で問題
となる繊維質が存在しており、これらの繊維質は、紙や
人毛等の天然繊維や、各種の合成繊維、半合成繊維等で
あると考えられる。
【0014】本発明においては、これらの汚泥をそのま
ま用いてもよいが、汚泥の濃度は通常0.1〜4%程度
と低いため、汚泥を濃縮装置を用いて濃縮しておくこと
が好ましい。汚泥を濃縮して汚泥濃度を高くしてから湿
式媒体撹拌式ミル処理を行うことにより、直接汚泥を処
理する場合と比べて処理量が減り、それに伴い運転に必
要な電力などが減少して、湿式媒体撹拌式ミル処理を経
済的に行うことができる。汚泥の濃縮装置としては、特
に限定されるものではなく、通常の汚泥濃縮に用いられ
る沈殿槽、膜分離装置、遠心濃縮機、浮上濃縮機、プレ
ス濃縮機等が挙げられる。濃縮後の汚泥濃度としては流
動性を示す濃度であれば特に限定されるものではない
が、通常2〜10%が好ましく、特に4〜7%が好まし
い。
【0015】汚泥の破砕に用いるビーズの材質として
は、ガラス、アルミナ、ジルコニア等が挙げられ、真比
重が、2.0〜7.0であることが好ましい。ビーズの
真比重が7.0より大きいとビーズを撹拌するためのコ
ストが高くなり、2.0より小さいと微生物の破砕が十
分にできなくなるために好ましくない。特に、ミル室に
導入する汚泥濃度が高くなると真比重が小さい場合には
十分に汚泥を破砕できないので、汚泥濃度が高い場合に
は真比重が5.0〜7.0のビーズを使用することが好
ましい。
【0016】また、その粒径としては、球体製造可能な
範囲で2.0mmφ以下が好ましく、さらに1.0mm
φ以下が好ましく、特に、0.5mmφ以下が好まし
い。その粒径が2.0mmφより大きいと、ビーズ間の
空隙が大きくなるため汚泥を構成する数μm〜数十μm
のバクテリアなどの微生物を破砕しにくくなるために好
ましくない。また、ビーズ粒径が小さいほど、破砕効果
の点では効果が上がる傾向がある。ビーズの充填率とし
ては、破砕効果及び消費電力等から50〜100%が好
ましく、特に70〜90%が好ましい。また、ディスク
(ピン)先端周速としては、3〜30m/秒が好まし
く、特に5〜20m/秒が好ましい。
【0017】滞留時間としては、処理する汚泥濃度や用
いる破砕媒体等によって適宜決定することが好ましい
が、通常20秒〜20分が好ましく、特に30秒〜10
分が好ましい。滞留時間が20秒よりも短いと汚泥が十
分に破砕されていない恐れがあり、また、20分より長
くしても消費電力が増大するだけで、破砕効果はさほど
向上しない。
【0018】また、処理中の汚泥温度としては、60℃
以下が好ましく、汚泥温度が60℃より高いと、汚泥成
分が熱変性して難分解性物質が生成しやすくなるために
好ましくない。通常、ミル処理により破砕された汚泥の
温度は、処理前に比べて10〜30℃程度上昇するた
め、夏場のように温度が高い場合は冷却水を用いて冷却
することが好ましい。冷却は湿式媒体攪拌式ミルのミル
室は、通常、二重ジャケット構造になっているので、こ
の間に冷却水を通すことにより容易に行うことができ
る。
【0019】本発明においては、ビーズ分離部から排出
される破砕処理物には、破砕汚泥の他に、ミル付属のビ
ーズ分離部で分離できなかったビーズが含まれているの
で、上述のような方法によってビーズを分離回収し、回
収したビーズをミル室に返送する。なお、本発明におい
ては、特にビーズと破砕汚泥とが完全に分離されていな
くても問題はなく、回収されたビーズに破砕汚泥が含ま
れていてもよい。また、回収したビーズを水で洗浄する
ことによって、さらにビーズと破砕汚泥とを分離するこ
ともできる。ここで用いる水としては、通常廃水処理施
設等で用いられる水であれば特に限定されるものではな
く、例えば、処理水、原水、沈殿池越流水、脱離水、水
道水、中水等が挙げられる。
【0020】ビーズを返送する際には、ビーズを単独で
返送してもよいし、破砕前の汚泥と混合し同時に送液し
てもよい。
【0021】次に、本発明の汚泥の破砕方法を図面を参
照しながら説明する。図1〜3は、本発明の汚泥の破砕
方法の工程の概略を示す図である。図1に示す方法は、
汚泥1をミル室2に供給して破砕処理する。処理後、湿
式媒体撹拌式ミルに付属しているビーズ分離部3によ
り、破砕汚泥とビーズを分離する。分離できなかったビ
ーズを含む破砕汚泥4は、ビーズ分離回収装置5によ
り、破砕汚泥6と、ビーズ7に分離される。ビーズ7
は、ミル室2に返送され、
【0022】図2に示す方法は、図1に示す方法との違
いは、ビーズ分離回収装置5を2つ直列につないでビー
ズの分離回収を行うものであり、ビーズ分離回収装置5
として、重力分離装置又は遠心分離装置を用いた場合に
特に有効な方法である。図3に示す方法は、図1に示す
方法との違いは、ビーズ分離回収装置5を2つ並列につ
ないでビーズの分離回収を行うものであり、さらに、洗
浄水8によって、ビーズ分離回収装置5を交互に洗浄す
るものである。このような方法は、ビーズ分離回収装置
5として、スリットあるいはスクリーンを用いた場合に
特に有効である。洗浄排水9は、そのまま排出してもよ
いし、再びミル室2に返送してもよい。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 下水処理施設で発生した嫌気性消化汚泥(汚泥濃度:5
重量%)を湿式媒体撹拌式ミル(スイス Bachofen社
製:DYNO-MILL KDL型)で、0.25〜0.5mmφの
ガラスビーズ(Silibeads社製)を使用し、ビーズ充填
率85%、ディスク先端周速6.8m/s、ギャップの
間隙の幅0.5mm、滞留時間3分、温度21±1℃の
条件で、破砕処理した。ミルから排出されたビーズを含
む破砕汚泥は、重力分離槽に導入し、ビーズを沈降させ
て回収し、ポンプによりミルに返送した。また、破砕汚
泥は重力分離槽上部より流し出した。このような方法に
より、汚泥の破砕処理を8時間安定して運転ができた。
【0024】実施例2 実施例1と同様に湿式媒体撹拌式ミルを使用して、下水
処理施設で発生した嫌気性消化汚泥(汚泥濃度:5重量
%)を破砕処理した後、ミルから排出されたビーズを含
む破砕汚泥は、分離部面積600cm2、スクリーン間
隙の幅0.15mmであるビーズ分離器に導入し、破砕
汚泥をスクリーンの隙間から流し出し、スクリーンによ
り分離されたビーズは回収してポンプによりミルに返送
した。このような方法により、汚泥の破砕処理を8時間
安定して運転ができた。
【0025】比較例1 下水処理施設で発生した嫌気性消化汚泥(汚泥濃度:5
重量%)を、ミル付属のビーズ分離部のギャップの間隙
の幅を0.05mmとする以外は実施例1と同様にして
湿式媒体撹拌式ミルを使用して破砕処理したところ、運
転開始後2分で湿式媒体撹拌式ミルの経路が閉塞し、そ
れ以上運転することができなかった。
【0026】比較例2 下水処理施設で発生した嫌気性消化汚泥(汚泥濃度:5
重量%)を、0.5〜0.75mmφのガラスビーズ
(Silibeads社製)を使用し、ミル付属のビーズ分離部
のギャップの間隙の幅を0.15mmとする以外は実施
例1と同様にして湿式媒体撹拌式ミルを使用して破砕処
理したところ、運転開始後15分で湿式媒体撹拌式ミル
の経路が閉塞し、それ以上運転することができなかっ
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の湿式媒体撹拌式ミルよれば、従
来、破砕処理が困難であった繊維質を含む汚泥等を安定
して破砕することができる。また、本発明の汚泥の破砕
方法によれば、繊維質を含む汚泥を安定して破砕処理す
ることができる。また、このように破砕処理した汚泥
は、生分解性が向上しているため、生物学的処理による
汚泥の減量化を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥の破砕方法の一例を示す概略工程
図である。
【図2】本発明の汚泥の破砕方法の他の例を示す概略工
程図である。
【図3】本発明の汚泥の破砕方法の工程の他の例を示す
概略工程図である。
【図4】重力分離を用いたビーズ分離回収装置の概略図
である。
【図5】スリット式のビーズ分離部の一例を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 汚泥 2 ミル室 3 ミル付属のビーズ分離部 4 ビーズを含む破砕汚泥 5 ビーズ分離回収装置 6 破砕汚泥 7 ビーズ 8 洗浄水 9 洗浄排水 10 重力分離槽 11 邪魔板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 陽一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4D059 AA04 AA05 AA08 AA23 BE16 BE25 BE31 BE38 BE41 BE42 BJ00 BK11 CB01 CB11 CB17 CB27 EB06 EB16 4D063 FF13 FF21 FF35 FF37 GA10 GB05 GC14 GC16 GC36 GD24 GD27 4G078 AB20 BA01 EA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビーズを充填したミル室と、ミル室内の
    ビーズを攪拌する手段と、破砕処理物とビーズとを分離
    する間隙を有するビーズ分離部からなり、ビーズ分離部
    に設けられたミル室内外を連通する間隙の幅が、0.1
    5mmより大きく、かつ、ミル室に充填したビーズの最
    小粒径以上、最大粒径+2.0mm以下であることを特
    徴とする湿式媒体撹拌式ミル。
  2. 【請求項2】 ビーズを充填したミル室と、ミル室内の
    ビーズを攪拌する手段と、ミル室内外を連通する間隙を
    有し、この間隙の幅が0.15mmより大きく、かつ、
    ミル室に充填したビーズの最小粒径以上、最大粒径+
    2.0mm以下であるビーズ分離部と、ビーズ分離部で
    排出された破砕処理物からビーズを分離回収する手段
    と、回収したビーズをミル室に返送する手段とからなる
    ことを特徴とする湿式媒体攪拌式ミル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の湿式媒体攪拌式ミ
    ルを用いて有機物を含有する汚泥を破砕する汚泥の破砕
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093908A (ja) * 2001-09-26 2003-04-02 Unitika Ltd 湿式媒体攪拌式ミル及びそれを用いた汚泥の破砕方法
CN114368892A (zh) * 2021-12-29 2022-04-19 图方便(苏州)环保科技有限公司 一种具有脱水作用的污泥处理装置及其应用

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