JP2000152779A - 笹より分離した納豆菌及びその他の類似菌株を使用して製造した笹納豆 - Google Patents

笹より分離した納豆菌及びその他の類似菌株を使用して製造した笹納豆

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JP2000152779A
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natto
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bacillus subtilis
bamboo grass
bamboo
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Keitaro Kato
圭太郎 加藤
Shigeru Koyama
滋 小山
Sachie Ibe
さちえ 伊部
Mineko Yoshiba
美稔子 吉羽
Tsutomu Onga
勉 恩賀
Kaoru Kumada
薫 熊田
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OYAMA TOFU KK
Original Assignee
OYAMA TOFU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】Bacillus subtilis N
attoに属する笹より分離したKS9805株(受託
番号[FERM P−17054])およびその類似株
である納豆菌株と、従来の稲藁より分離した納豆菌株を
用いて、新たな発想としてクマザサ等の笹の葉に包み発
酵させた納豆。 【効果】笹由来納豆菌による納豆は通常の納豆菌を用い
て製造した納豆より、風味があり香りもよく、而も笹の
保水効果で柔らかくてチロシンが生成し難い納豆が造ら
れ、ナットウキナーゼ等の酵素力も高い。又笹の葉の抗
菌作用により雑菌による汚染防止作用もある。更に廃棄
物処理の観点からも、包装に天然の笹の葉を用いている
のでそのまま土に埋めれば悪臭を出さずに腐葉土にな
り、また焼却しても有害ガスを発生せず炭酸ガスと水に
分解され、燃焼温度も高くないので地球に優しい包装材
料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、納豆菌と包装材
料として笹の葉を用いて製造した納豆に関するものであ
る。さらに詳しくは、笹より分離した納豆菌と、この納
豆菌株及び他の類似株を用い笹の葉を包装材料として使
用することによりできる安全で高品質、高付加価値の納
豆に関するものであり、廃棄物の環境保全の効果も無視
出来ない。
【0002】
【従来の技術】我が国の代表的な伝統食品のひとつであ
る納豆は、その独特な旨味と香り、食感(粘性など)に
加えビタミン類(ビタミンB,Kなど)、血栓溶解
酵素(ナットウキナーゼ)等を含有する栄養価及び機能
性のある食品である。納豆菌については従来稲藁より分
離されたものが市販され、包装材料については昔は“藁
づと”であったが、今では殆ど発泡スチロールのものが
使用されており、廃棄物処理が大きな社会的問題となっ
て来ている。
【0003】これに代わるものとして、紙製の容器が一
部出回ってきたが、価格が高くつく。又、燃焼時有害ガ
スを出さないポリプロピレン等のプラスチック容器も開
発されたが、容器の保温性の欠陥と燃焼温度の問題が残
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】納豆菌については従来
の稲藁に宿生している納豆菌を分離するという既成観念
を打破し、稲藁と同じイネ科に属する笹に注目し、菌の
分離を行った。
【0005】包装材料である容器についても、自然にも
どり笹餅、笹飴、笹寿司、笹蒲鉾等外観だけでなく商品
価値を少しでも高める笹の葉を選んで納豆を製造し、商
品化を行う。
【0006】
【課題を解決する為の手段】この発明は、上記の課題を
解決するものとして、納豆菌と包装材料としての笹の葉
の組み合わせに於いてより付加価値の高い笹納豆を提供
する。
【0007】以下この発明の納豆菌株について、笹の葉
より納豆菌の採取、及びその選別・単離過程について説
明する。この発明者等は、岐阜県新穂高温泉周辺の高原
地帯に繁殖しているクマザサを収穫し、外界の雑菌に出
来るだけ触れない様、準無菌のポリエチレン袋で内装し
ダンボール箱に入れ輸送して来たものから以下の方法に
より納豆菌を採取した。即ち、上記の笹の葉を90〜9
5℃の湯で軽く熱処理したのち、126℃で25分間蒸
煮した大豆をクマザサの葉で包み、39℃の孵卵器内で
20時間発酵させた。
【0008】発酵後大豆の表面には弱い乍ら納豆菌の白
い胞子が部分的に着生したので、その部分を生理食塩水
に懸濁し、その懸濁液を[表1]の寒天平板培地に塗布
し、37℃で18時間培養して納豆菌のコロニーを形成
させた。
【0009】以上の方法で形成したコロニーのなかか
ら、種々の形態のものを選別し、60株を分離して[表
1]に示すブイヨン液体培地に各々接種し、38℃で1
8時間振盪培養した。
【0010】
【表1】 ブイヨン液体培養液の生菌数を測定し蒸煮大豆に1g当
たり3×10個になる様、納豆菌を接種して、39℃
孵卵器で18時間発酵させ納豆を試作した。
【0011】さらに、これらの納豆菌を生理食塩中に懸
濁し、その懸濁液を上記寒天平板培地上に塗布しモノコ
ロニーを形成し菌株の純系化を行った。
【0012】コロニーの形態により十数株を選びもう一
度ブイヨン液体培地に植菌し、38℃18時間振盪倍養
を行い、それぞれの培養液を蒸煮大豆に接種し[表2]
に示す如く納豆を試作した。
【0013】以上の二次選別を行って試作した納豆につ
いてフィブリンプレート法によるナットウキナーゼ酵素
活性と納豆表面の菌の被り、納豆の色調,香り,味,硬
さ,糸引き等の官能検査による総合評価により下記KS
9805株を選別した。
【0014】
【表2】
【0015】[表2]に示す如くKS9805株の優位
性を認定したので、この菌株についてアピ50CHを用
いて各炭素源に対する酵素活性の有無を試験した。
【0016】結果は「表3」に示した通りであり、この
発明の分離株KS9805株は表中印を付したArb
utine,D−Raffinose及びAmidon
について従来の納豆菌株とは異なる酵素活性を有するこ
とを確認した。
【表3】
【0017】以上の通りの各種スクリーニング工程を経
て単離したこれ等発明の納豆菌のうちKS9805株を
平成10年11月13日付で生命工学工業技術研究所特
許微生物寄託センターに寄託し、[FERM P−17
054]の受託番号を得た。
【0018】この発明の納豆菌は次の菌学的性質を有し
ている。 フィブリン溶解活性を有する酵素(ナットウキナー
ゼ)が従来の市販納豆に比べ遙かに高い。(表2参照) 表1に示す寒天平板培地上で納豆菌特有のコロニーを
形成し良好に発育する。 寒天平板培地上でのコロニーの形態が、市販納豆菌の
殆どが扁平円板型であるのとは異なり円形隆起型であ
る。
【0019】グラム陽性有芽胞菌である。 炭水化物に対する各種酵素活性について、Arbut
ine,D−Raffinose及びAmidonにつ
いて市販納豆とは異なる特性を示す。 また、この納豆菌を用いて製造した納豆は酵素活性以
外にも風味,硬さ,糸ひき,その他の官能テストについ
ても優れた品質を有している。
【0020】包装材料としても、従来の発砲スチロール
に代わるものとして、地球に優しい、又出来上がった納
豆の付加価値をあげる保水性のある笹を用い、各種納豆
菌株との組み合わせで製造し、その結果を実施例に示
し、この発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、こ
の発明は以下の例に限定されるものではない。
【0021】[実施例] 実施例1.クマザサの葉を85℃のお湯に15分間浸漬
し、熱処理したあと、市販の通常の納豆菌を蒸煮大豆1
g当たり3×10になる様接種したものを30gづつ
減菌したクマザサの葉に包み、発酵室で常法通り(室温
40〜42℃,品温ピーク時50〜51℃,全発酵時間
18時間)発酵させ、笹納豆を製造した。
【0022】実施例2.笹納豆製造の操作は実施例1と
同じであるが、納豆菌は笹より分離したKS9805株
を用いた。
【0023】実施例3.実施例1,2と同じ操作で、納
豆菌は既に特許出願済(特願平5−57482)の微工
研菌寄 第13164号のBacillus subt
illis Natto TO−9株の類似株であるO
9516株を用いた。
【表4】 [表4]に示す通りクマザサより分離したKS9805
株を用い、クマザサの葉に包んで発酵させた笹納豆はナ
ットウキナーゼ酵素活性が高く、官能検査の結果も優
れ、チロシン析出日数が遅く日持ちのよい納豆と言え
る。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り地球に優しい天然物の笹を使用し、品質面及び酵素活
性等の機能面に於いても優れた納豆を製造することが出
来る。又菌株についてもこの発明にあるKS9805株
の単独使用及び「表4」に示す菌株等の混合使用によ
り、より効果が発揮される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊田 薫 茨城県稲敷郡美浦村布佐1724−2 Fターム(参考) 4B020 LB14 LB30 LC02 LC04 LC07 LP18 LP27 LY04 LY05 4B065 AA19X AC12 AC20 BA22 BB27 BC31 BC32 CA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 笹及びその他の広葉植物の葉等より採取
    したBacillussubtilis Natto
    (納豆菌)およびその類似株で良質の納豆を産生する菌
    株。
  2. 【請求項2】 請求項1の納豆菌株と包装材料として笹
    の葉及びその他の広葉植物の葉等を用いて製造してなる
    ことを特徴とする納豆。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2項で産生した納豆
    は柔らかく風味および香りがよく、笹の葉の抗菌力によ
    り雑菌の繁殖がおさえられる。又菌の特性より柔らかく
    チロシンの生成も遅い。更に廃棄物処理の観点からもメ
    リットが多い納豆。
JP10366026A 1998-11-17 1998-11-17 笹より分離した納豆菌及びその他の類似菌株を使用して製造した笹納豆 Pending JP2000152779A (ja)

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