JP2000152569A - Dcブラシレスモ―タの組込着磁方法及び着磁装置、圧縮機用dcブラシレスモ―タの組込着磁方法、圧縮機、並びに冷凍サイクル装置 - Google Patents
Dcブラシレスモ―タの組込着磁方法及び着磁装置、圧縮機用dcブラシレスモ―タの組込着磁方法、圧縮機、並びに冷凍サイクル装置Info
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Abstract
組込着磁を容易にすることを目的とするものである。 【解決手段】 ロータ7とステータ3とが所定の位置関
係となるようにステータ3に対するロータ7の回転方向
への位置決め固定を行った後、集中巻線2の2相間に高
圧パルス電圧を印加し、さらにその後、ロータ7を電気
角で180度回転させ位置決め固定し、集中巻線2の前
回と同様の2相間に前回と極性を反転させた高圧パルス
電圧を印加するようにした。
Description
エアコンの圧縮機駆動用などに用いられる集中巻線方式
のDCブラシレスモータの組込着磁方法及び着磁装置に
関するものである。
モータなどには、回転数の制御が容易でかつ高効率なD
Cブラシレスモータが多く使用されている。図22は従
来のDCブラシレスモータの一例の断面図である。
24本のスロット1aが設けられている円筒状のステー
タコアであり、スロット1a間にはティース部1bが形
成されている。2aは各スロット1a内にそれぞれ挿入
されている巻線であり、これらの巻線2aは、3相4極
を形成するようにY結線されている。また、巻線2a
は、スロット1a間に跨って分布巻線として巻かれてい
る。3はステータコア1及び巻線2aを有するステータ
である。
ータ3に対して回転可能なロータ軸、5はロータ軸4に
固定されているロータコア、6はロータコア5の外周面
に固定されている複数の永久磁石であり、これらの永久
磁石6は、N極とS極とが交互になるように着磁され
る。7はロータ軸4、ロータコア5及び永久磁石6を有
するロータであり、このロータ7とステータ3との間に
は、空隙8が設けられている。
方式のステータ3を用いるのが一般的であった。しか
し、最近は、巻線技術の目覚ましい進歩により、スロッ
ト断面積に対する巻線断面積の比(占積率)を向上させ
効率改善を図った集中巻線方式が注目を集めている。
つのティース部1bに巻線2を直接施す方式である。こ
のため、巻線2の周長や、巻線2の端部の高さ寸法を小
さくすることができ、巻線抵抗値を低減し、ひいては銅
損を低減した高効率なDCブラシレスモータを提供する
ことが可能となる。
シレスモータにおいては、分布巻線方式、集中巻線方式
のいずれの巻線方式であっても、ロータ7に永久磁石6
を用いているため、生産工程の中で永久磁石6を磁化す
るための着磁工程が必要となる。
又は特開平9−247909号公報には、従来のDCブ
ラシレスモータの着磁方法が示されている。従来の着磁
方法では、ステータ内にロータを組み込んだ後、着磁専
用の着磁電源を用いてステータに700V、1kA程度
の高圧パルス電圧を印加し、永久磁石を磁化させてい
た。
て組込着磁を行った場合の磁界分布を示した説明図であ
る。本方式では、3相Y結線の2相間に高圧のパルス電
圧を印加して、ロータ部に均等な4極の磁界17を与え
ることにより、永久磁石が着磁される。一般的に、分布
巻線方式においては、ステータ3のスロット数が永久磁
石の極数の整数倍であるため、磁界17の分布は、永久
磁石の極数と等しい均一な極を形成する。このため、上
記のようなステータ内にロータを組み込んでの着磁が可
能である。
有効利用の観点から、スロット数と永久磁石の極数との
組み合わせを、3相の場合で3:2や3:4などとする
のが一般的である。このため、スロット数と極数との組
み合わせの構造上、ステータ3の巻線の作る磁束は均一
な極を形成できず、上記のような着磁方法は適用できな
かった。
て、分布巻線方式のステータと同様に3相Y結線の2相
間に高圧のパルスを印加した場合の磁界分布を示す説明
図である。本図から明らかなように、ステータの巻線が
作る磁界17は不均一であるため、磁石の片側端部が着
磁されず、不完全着磁となっている。
磁石に鎖交しない磁束が多いため、必要な着磁電流も増
加してしまう。以上のような理由から、集中巻線方式の
ステータを用いた場合、分布巻線方式のステータと同様
な組込着磁方式を適用することができなかった。
有するDCブラシレスモータの永久磁石の着磁装置を示
す断面図、図27は図26の装置を用いた着磁方法を示
すフローチャートである。従来、集中巻線方式のモータ
の永久磁石を着磁する場合、まず専用の着磁ヨーク9内
にロータ7を挿入する(ステップS1)。着磁ヨーク9
には、永久磁石6の極数の整数倍の数だけ磁極突起9a
が設けられている。これらの磁極突起9aには、極性が
交互に来るように巻線2bが施されている。
ルス状の電圧を巻線2bに印加することにより均一な磁
束を発生させる(ステップS2)。これにより、永久磁
石6が着磁される。この後、ロータ7を着磁ヨーク9か
ら取り外し、モータのステータ3内へ組み込む(ステッ
プS3)。
た従来の集中巻線方式を用いたDCブラシレスモータの
着磁方法においては、専用の着磁ヨーク9を用いて着磁
した後、着磁ヨーク9からロータ7を取り出し、さらに
ロータ7をステータ3に組み込む作業が必要となるた
め、作業工程が増加してしまう。しかも、強力な磁力を
持ったロータ7を、1mm以下の隙間8を隔てただけの
ステータ3の内側に組み込む作業には特に手間がかかっ
てしまう。
から取り出して大気中に開放すると、永久磁石6のパー
ミアンス係数が低下し、磁気的に不安定な状態となり、
特に大気中の温度が高い状況下では、永久磁石6の減磁
を生じる恐れがあった。さらに、着磁されたロータ7の
管理は難しく、着磁後、ステータ3に組み込む前にロー
タ7の表面に磁性体の破片などが付着した場合、そのま
ま圧縮機に組み込まれると圧縮機の細管を詰まらせ、圧
縮機の故障の原因となっていた。
ることを課題としてなされたものであり、集中巻線方式
のモータのロータを容易に着磁することができるととも
に、ステータへのロータの組込を容易にすることがで
き、また永久磁石の減磁を防止することができ、さらに
ロータへの磁性体の付着を防止することができるDCブ
ラシレスモータの組込着磁方法及び着磁装置を得ること
を目的とする。
Cブラシレスモータの組込着磁方法は、2N極(Nは1
以上の整数)を形成する無着磁状態の磁石素材が設けら
れているロータを、3N個の磁極突起を有し、それぞれ
の磁極突起に集中巻線が施され、3相Y結線されたステ
ータ内に挿入する工程、ロータの無着磁状態の隣接する
磁石素材の切れ目と、ステータの隣接する磁極突起の溝
開口部の中心とが一致するように回転方向への位置決め
固定を行い、集中巻線の一部に高圧パルス電圧を印加す
る第1の着磁工程、及びロータを電気角で180度回転
させ位置決め固定を行い、集中巻線の前回と同様の部分
に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加する第
2の着磁工程を含むものである。
タの組込着磁方法は、高圧パルス電圧を所定の2相間に
印加するものである。
タの組込着磁方法は、2N極(Nは1以上の整数)を形
成する無着磁状態の永久磁石が設けられているロータ
を、3N個の磁極突起を有し、3相Y結線され中性点を
有する集中巻線がそれぞれの磁極突起に施されたステー
タ内に挿入する工程、所定の単相の磁極突起の中心と無
着磁状態の磁石素材の中心とが一致するように回転方向
への位置決め固定を行い、集中巻線の所定の単相間に高
圧パルス電圧を印加する第1の着磁工程、及びロータを
電気角で180度回転させ位置決め固定を行い、集中巻
線の前回と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パ
ルス電圧を印加する第2の着磁工程を含むものである。
タの組込着磁方法は、2N極(Nは1以上の整数)を形
成する無着磁状態の永久磁石が設けられているロータ
を、3N個の磁極突起を有し、それぞれの磁極突起に集
中巻線が施され、3相Y結線されたステータ内に挿入す
る工程、ロータとステータの回転方向への位置決め固定
を行い、集中巻線の3相間に高圧パルス電圧を印加する
工程、及びロータを電気角で60度回転させ位置決め固
定を行い、集中巻線の所定の1相を除いた前回と同様の
部分に前回と同一極性の高圧パルス電圧を印加する工程
を含むものである。
タの組込着磁方法は、埋め込み磁石形ロータを用いたも
のである。
タの着磁装置は、3相の集中巻線が施されたステータの
内側で、無着磁状態の永久磁石が設けられているロータ
を回転させるとともに、ステータとロータとが所定の位
置関係となるようにステータに対するロータの回転方向
への位置決めを行う回転位置決め手段と、集中巻線の一
部に通電して高圧パルス電圧を印加するとともに、通電
方向が切換可能になっている着磁電源とを備えたもので
ある。
タの組込着磁方法は、磁石素材に希土類磁石を用いたも
のである。
タの組込着磁方法は、磁石素材の形状を、磁石素材の中
央部の厚みに対して、端部の厚みを小さくしたものであ
る。
タの組込着磁方法は、2N個以下の磁石素材を設けたロ
ータを用いて、磁石素材を2N極に着磁するものであ
る。
ータの組込着磁方法は、磁石素材にリング磁石を用いた
ものである。
ータの組込着磁方法は、リング磁石の配向を極異方性と
したものである。
ータの組込着磁方法は、第1の着磁工程に対して、第2
の着磁工程で印加する着磁電流のレベルを小さくしたも
のである。
ータの組込着磁方法は、第1の着磁工程及び、第2の着
磁工程の中で少なくとも3回以上の高圧パルス電圧を印
加するものである。
ータの組込着磁方法は、3相の集中巻きが施されたステ
ータを圧縮機ケース内に固着する工程、無着磁状態の永
久磁石が設けられているロータをステータ内に挿入する
工程、及び高圧パルス電圧を所定の集中巻線の端子の一
部に印加する工程を含むものである。
ータの組込着磁方法は、ロータの軸受け部を片持ち構造
としたものである。
集中巻きが施されたステータと、圧縮機筐体内で高圧パ
ルス電圧を所定の集中巻線の端子の一部に印加すること
で着磁された永久磁石を有するロータと、を備えたDC
ブラシレスモータと、前記永久磁石着磁後のDCブラシ
レスモータを圧縮機筐体内に保持したまま該圧縮機筐体
に取付け可能なカバーと、を備えたものである。
は、凝縮器、蒸発器及び請求項16記載の圧縮機が順次
接続され、冷媒にHFC系冷媒が用いられたものであ
る。
を用いて説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるD
Cブラシレスモータの組込着磁方法を示すフローチャー
ト、図2は図1の方法によりモータを着磁する様子を示
す断面図、図3は図2の後段の状態を示す断面図、図4
は圧縮機にDCブラシレスモータを組み込んでロータを
回転自在に保持するための保持構造を示す断面図、図5
は図4の圧縮機を組み込んだ冷凍サイクル装置を示す冷
媒回路図で、ここでは室内機と室外機とから成るセパレ
ート型のルームエアコンを示している。
複数のスロット1aが設けられている円筒状のステータ
コアであり、スロット1a間には磁極突起としてのティ
ース部1bが形成されている。2はティース部1bに直
接巻き付けられている3相Y結線の集中巻線、3はステ
ータコア1及び巻線2を有するステータである。
ータ3に対して回転可能なロータ軸、5はロータ軸4に
固定されているロータコア、6はロータコア5の外周面
に固定されている複数の永久磁石であり、これらの永久
磁石6は、N極とS極とが交互になるように着磁され
る。また、永久磁石6は、フェライト又はネオジなどを
主成分に構成されている。7はロータ軸4、ロータコア
5及び永久磁石6を有するロータであり、このロータ7
とステータ3との間には、空隙8が設けられている。
運転及び暖房運転の冷媒の流れを切換える流路切換え手
段で例えば四方弁、33は室外熱交換器、44は第1流
量制御装置、35は室内熱交換器、41は室外ユニッ
ト、42は室内ユニットであり、これらは配管によって
順次接続され冷凍サイクルを構成している。この冷凍サ
イクルの冷媒には、HFC系冷媒で、R32とR125
の混合冷媒であるR410Aが用いられ、冷凍機油とし
てはアルキルベンゼン系油が用いられている。その他冷
媒としてはR407Cなどが、冷凍機油としては鉱油、
エステル油などが適用可能である。
ステータ3は、焼きばめなどにより、圧縮機15の筐体
10に予め固定しておく。そのステータ3の内側に0.
5〜1mm程度の空隙8を隔てて、無着磁(未着磁)の
永久磁石(磁石素材)6を有するロータ7を挿入し、回
転可能な状態で保持する。なお、ロータは、図4で示す
ように片持ち軸受け部11により、圧縮機要素部12側
のみで回転可能となるように保持する構造となってい
る。従って、圧縮機要素部12の反対側には軸受けや、
圧縮要素部などの構造物はなく、空間部13を有する構
造となっている。次に、ロータ7とステータ3とが所定
の位置関係となるようにステータ3に対するロータ7の
回転方向への位置決めを行う(ステップS11)。
が施されたティース部1bと、V相の巻線2が施された
ティース部1bとによって形成されるスロット1aの中
央(溝開口部の中心)に永久磁石6の継ぎ目(隣接する
磁石素材の切れ目、即ち着磁後を想定した場合のN極と
S極との境界)が来るようにロータ7を位置決めする。
後述する工程において、着磁のための永久磁石6と巻線
2との位置関係はロータの回転方向に移動させるもので
あるから、永久磁石6の継ぎ目合わせと着磁のためのロ
ータ位置変更とが同じロータ回転方向で行える。また、
永久磁石6の継ぎ目を合わせることで、作業者が目視で
永久磁石6と巻線2との位置関係を確認することができ
る。
へ延びる位置決め用の穴又は切欠等の位置決め部14が
設けられており、この穴又は切欠等の位置決め部14に
位置決め回転手段(図示せず)の係合部(複数のピン
等)を係合させることにより、ロータ7の位置決めが行
われる。
に着磁電源(図示せず)を用いて高圧の直流パルス電圧
を瞬間的に印加する(ステップS12:第1の着磁工
程)。高圧パルス電圧を印加することによって、Y結線
されたステータ3の巻線には瞬間的に、図2に示す向き
にピーク1kA程度のパルス状の大電流が流れ、図中の
向きに磁界17が発生する。
生した磁束は、U相のティース部1b先端面とV相のテ
ィース部1b先端面とに対向した永久磁石6の領域を鎖
交して流れることによって、磁束が鎖交した部分のみ着
磁が行われる。従って、この時点では、磁束の鎖交しな
いW相のティース部1bの先端面と対向する永久磁石6
の領域は完全な着磁はされず、永久磁石6全体として
は、不完全な着磁状態にある。
させ、電気角で180度(この例では、4極なので機械
角で90度)、ロータ7を任意の向きに回転させた後、
位置決め回転手段によりロータ7を固定する(ステップ
S13)。このとき、ロータ7の固定は、第1の着磁工
程で行ったロータの固定よりも、強固に行う。これは、
第1の着磁工程で、永久磁石素材の60%程度が着磁さ
れているため、後述する第2の着磁工程で高圧パルス電
圧を印加した瞬間に、電機子巻線に大電流が流れ、この
電流と第1の工程で着磁された永久磁石の作る磁束との
間にフレミングの左手の法則によるトルクが作用するた
めである。
の相間(U−V間)に、前回と極性を反転させた高圧パ
ルス電圧を印加する(ステップS14:第2の着磁工
程)。ここで、着磁電源は、通電方向の切換が可能にな
っている。このように、2回目の電圧印加により図3に
示すような磁界17が発生し、永久磁石6の残りの部分
が着磁され、完全な着磁状態に至る。着磁後に、位置決
め回転手段が撤去され、圧縮機15にカバー16が被せ
られる。
いて、永久磁石6の着磁を行うことで、専用の着磁ヨー
クが不要となるため、外部の着磁ヨークを用いて永久磁
石を着磁した後、ロータ内に永久磁石を組み付ける生産
方法と比べて、生産工数を大幅に削減でき製造ラインの
簡略化を図ることができる。また、集中巻きステータを
用いて組込着磁を行うことで、従来の分布巻きステータ
を用いて行う組込着磁と比べて、ステータのコイルエン
ド部を約1/2と格段に小さくさせることができるた
め、分布巻きの組込着磁時に過大な電流が巻線に流れる
ことで生じていた巻線の変形によるコイルの絶縁皮膜破
壊がなくなり信頼性の高いモータが実現できる。
より、従来の分布巻きステータで用いていた巻線の変形
を防止するための巻線固定用のワニス処理が不要となり
安価なモータが提供できる。また、第1の着磁工程及び
第2の着磁工程において、磁石素材の切れ目を、隣接す
る磁極突起の溝開口部中心と一致するように位置決めし
たので、磁石の切れ目を境に、N極S極となるような異
極の磁極を有した永久磁石が形成されるため、永久磁石
の切れ目(空隙)を介して同極の磁極が形成される様な
磁石の位置決めを行わない着磁方法と比べて、磁石の切
れ目による磁力の損失がなくなり、永久磁石の磁力を向
上させることができ、電流を低減した銅損の小さい高効
率のモータを提供することができる。
とロータ7を組み込んだ状態で、永久磁石の着磁が行わ
れるので、着磁後に鉄粉などがロータに付着することが
なくなり、圧縮機15の運転中に鉄粉が圧縮機15内部
に飛び散り、圧縮機15に接続された細管(図示せず)
に鉄粉が入り込み、細管を詰まらせて故障するといった
不具合がなくなる。また、ステータ3内に組み込まれた
状態で永久磁石6の着磁が行われるので、永久磁石6の
パーミアンス係数は高く、磁気的に安定した状態が保た
れる。従って、着磁後の永久磁石6が大気中に開放され
る場合と異なり、永久磁石6の減磁の恐れがなく、信頼
性の高いDCブラシレスモータを得ることができる。
ロータの軸受け部の構造を、圧縮機要素部12側でロー
タ軸を回転自在に保持する片持ち軸受け部11で構成す
ることで、反軸受け部側には空間部13ができるため、
ロータの回転方向への位置決めを行うための位置決め回
転手段を容易に装着することが可能となる。これによ
り、ロータの回転方向への位置決め固定が容易に行える
ようになり、位置決め精度が向上し、信頼性の高い組込
着磁が実現できる。
例に説明したが、2N極(Nは1以上の整数)のモータ
についても同様の方法で組込着磁を行うことができる。
また、実施の形態1では、U−V相間の励磁を例に説明
したが、U−V相の通電の代わりに、V−W相やU−W
相を基準に励磁をしても同様の効果が得られる。
程及び、第2の着磁の工程で各1回づつの高圧パルス電
圧を印加して着磁を行っていたが、この代わりに、各工
程で複数回の高圧パルス電圧を印加しても同様の効果が
得られる。例えば、第1の着磁工程及び、第2の着磁工
程で連続的にそれぞれ2回づつの高圧パルスを印加する
方法や、第1の着磁工程で2回、第2の着磁工程で1回
などといった方法が考えられる。このように、各工程で
複数回の連続的な高圧パルス電圧を印加することで、よ
り確実に信頼性の高い組込着磁が実現できる。
のため、永久磁石6を表面に配置した構成のDCブラシ
レスモータを例に説明したが、例えば図6〜図8に示す
ように、永久磁石6をロータコア5内に埋め込んだ埋め
込み磁石形のDCブラシレスモータについても同様の効
果が得られることは言うまでもない。
体10内で高圧パルス電圧を所定の集中巻線の端子の一
部に印加することで、ロータの永久磁石に着磁したDC
ブラシレスモータを、圧縮機筐体10内に保持したまま
カバー16を被せるので、ロータに磁性体などの不純物
が付着することを防止できる。
機15を搭載し、凝縮器(冷房時では室外熱交換器3
3、暖房時では室内熱交換器35)、蒸発器(冷房時で
は室内熱交換器35、暖房時では室外熱交換器33)が
順次接続された冷凍サイクル装置は、冷媒にHFC系冷
媒が用いられている。HFC系冷媒は冷凍機油との相溶
性が低いため、冷凍機油は冷凍サイクル中の配管内に付
着しやすく、この油に磁性体等の不純物が付着して配管
詰まりや伝熱性能の低下を引き起こすことがあるが、こ
の実施の形態ではDCブラシレスモータの永久磁石の着
磁を圧縮機筐体に固定した状態で行え、着磁後カバーを
することができるから、ロータへの不純物の付着が無
く、冷凍サイクル中への不純物の付着を低減でき、HF
C系冷媒の冷凍サイクルに好適な信頼性の高い冷凍サイ
クル装置が得られる。
施の形態2によるDCブラシレスモータの組込着磁方法
を示すフローチャート、図10は図9の方法によりモー
タを着磁する様子を示す断面図、図11は図10の後段
の状態を示す断面図である。この例の集中巻線2は、3
相Y結線で中性点を有している。他の構成は、実施の形
態1とほぼ同様である。
ステータ3は、圧縮機15の筐体10に予め固定してお
く。そのステータ3の内側に0.5〜1mm程度の空隙
8を隔てて、無着磁(未着磁)の永久磁石(磁石素材)
6を有するロータ7を挿入し、回転可能な状態で保持す
る。次に、ロータ7とステータ3とが所定の位置関係と
なるようにステータ3に対するロータ7の回転方向への
位置決めを行う(ステップS21)。
2が施されたティース部1bの極中心に着磁後を想定し
た場合の永久磁石6の極中心が来るようにロータ7を位
置決めする。ロータ7の回転及び位置決めは、実施の形
態1と同様の位置決め回転手段により行われる。
に着磁電源を用いて高圧の直流パルスを瞬間的に印加す
る(ステップS22)。高圧パルス電圧を印加すること
によって、ステータ3のU相の巻線2には瞬間的に、図
10に示す向きにパルス状の大電流が流れ、図中の向き
に磁界17が発生する。
生した磁束は、U相のティース部1b先端面を経由し
て、U相のティース部1b先端面と対向した磁石面に鎖
交する。その後、永久磁石6を鎖交した磁束は、磁気的
に安定な無通電相のV相及びW相のティース部1bへ向
かって2方向に分岐して流れる。これによって、磁束が
鎖交したU相のティース部1bに対向する永久磁石6の
極中心付近、及びU相のティース部1bと対向しない永
久磁石6の両端部付近の着磁が行われる。従って、この
時点では、磁束の鎖交しないU相のティース部1bと対
向する永久磁石6の両端付近、及びU相のティース部1
bと対向しない永久磁石6の極中心付近は不完全な着磁
状態である。
させ、電気角で180度(この例では、4極なので機械
角で90度)、ロータ7を任意の向きに回転させた後、
位置決め回転手段によりロータ7を固定する(ステップ
S23)。次に、集中巻線2の前回と同様の単相間(U
−中性点間)に、前回と極性を反転させた高圧パルス電
圧を印加する(ステップS24)。このように、2回目
の電圧印加により図11に示すような磁界17が発生
し、永久磁石6の残りの部分が着磁され、完全な着磁状
態に至る。
ステータ3を用いて、単相間に高圧パルス電圧を印加す
る2回着磁方法によって、より簡単な結線でロータ7の
組込着磁を行うことができる。
の形態3によるDCブラシレスモータの組込着磁方法を
示すフローチャート、図13は図12の方法によりモー
タを着磁する様子を示す断面図、図14は図13の後段
階の状態を示す断面図である。モータの構成は実施の形
態1と同様である。
ステータ3は、圧縮機の筐体に予め固定しておく。その
ステータ3の内側に0.5〜1mm程度の空隙8を隔て
て、無着磁(未着磁)の永久磁石(磁石素材)6を有す
るロータ7を挿入し、回転可能な状態で保持する。次
に、ロータ7とステータ3とが所定の位置関係となるよ
うにステータ3に対するロータ7の回転方向への位置決
めを行う(ステップS31)。
2が施されたティース部1bとW相の巻線2が施された
ティース部1bとによって形成されるスロット1aの中
央に永久磁石6の継ぎ目(着磁後を想定した場合のN極
とS極の境界)が来るようにロータ7を位置決めする。
ロータ7の回転及び位置決めは、実施の形態1と同様の
位置決め回転手段により行われる。
側に接続し、残りの2相は短絡して負の電極側に接続す
ることにより、3相間に着磁電源(図示せず)を用いて
高圧の直流パルス電圧を瞬間的に印加する(ステップS
32)。このとき、例えば、U相を正、V相とW相を短
絡して負の電極側に接続した場合、高圧パルス電圧を印
加することによって、図13に示すU相端子からV相端
子及び、U相端子からW相端子の方向にパルス電流が流
れ、図中の向きに磁界17が発生する。
生した磁束は、U相のティース部1b先端面とV相のテ
ィース部1b先端面、及び、U相のティース部1b先端
面とW相のティース部1b先端面とに対向した永久磁石
6の領域を鎖交して流れることによって、磁束が鎖交し
た部分の着磁が行われる。従って、この時点では、U相
のティース部1b先端面に対向する磁石の機械角で60
度の領域がN極、V相、及びW相のティース部1b先端
面とに対向する機械角で120度の磁石の領域がS極と
なり、N極に対してS極の磁極幅が広くなるようなアン
バランスな着磁がされている。
させ、電気角で60度(この例では、4極なので機械角
で30度)、ロータ7を反時計方向の向きに回転させた
後、位置決め回転手段によりロータ7を固定する(ステ
ップS33)。次に、集中巻線2のW相を開放とし、U
相とV相の相間に、前回と同様の極性の高圧パルス電圧
を印加する(ステップS34)。このように、2回目の
電圧印加により図14に示すような磁界17が発生し、
U相のティース部1b先端面と対向する磁石の領域がN
極、V相のティース部1b先端面と対向する磁石の領域
がS極になるように着磁が行われる。従って、1回目の
着磁工程で着磁された永久磁石6のS極の120度領域
の内、N極と隣接する一方の30度分がN極に着磁さ
れ、残りの90度の領域はS極のまま保持される。この
2回目の着磁工程によって、バランス良い4極の着磁が
実現可能となる。
いて、永久磁石6の着磁を行うことで、実施の形態1と
同様な効果が得られる他、2回目の着磁工程において、
1回目の着磁工程で着磁された磁石領域の一部に再度、
パルス電圧を印加するため、より信頼性の高い組込着磁
が実現できる。
側としV相とW相を短絡して負の電極側に接続して行う
着磁の例について述べたが、他の相を用いた任意の組み
合わせでも同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
の形態4による集中巻線ステータを用いてDCブラシレ
スモータの組込着磁を実現するためのロータ構造を示す
断面図である。ロータは、永久磁石をロータ内部に埋め
込んだ永久磁石埋め込み形のロータ構造を有している。
また、永久磁石素材は、ロータの極数と等しい数だけ配
置されており、その形状は、永久磁石の極中心の厚みL
に対して、永久磁石の端部の厚みmが小さくなるように
定められている。
のモータと、この実施の形態で示す永久磁石端部の厚み
を永久磁石の極中心に対して小さくした場合のモータの
磁束線図を同一電流条件で比較した結果を示す。本図
(a)より、同一電流条件において、永久磁石素材の厚
みを同一としたモータでは、永久磁石素材の端部を磁束
が完全に通過していないのが分かる。これは、ステータ
側から見て、永久磁石素材の端部の磁気抵抗が大きくな
っており、通電相の磁極突起間を跨って磁束がステータ
内部で閉じてしまっているためである。この場合、永久
磁石端部を完全に着磁するためには、更に大きな電流を
印加する必要がある。
みを永久磁石の極中心に対して小さくした場合は、ステ
ータ側から見た永久磁石端部の磁気抵抗を減少させるこ
とができるため、永久磁石素材の端部に磁束を完全に通
過させることができるようになり、永久磁石の厚みを同
一としたロータと比べて、より小さい電流で着磁するこ
とが可能となり、生産工程における省エネルギー化を図
ることができる。
ータ内部に埋め込んだ埋め込み形ロータの例について述
べたが、永久磁石の磁極中心の厚みに対して、端部の厚
みを小さくした形状のロータであれば、図17に示す永
久磁石をロータ表面に配置した仕様のモータであっても
同様の効果が得られる。
の形態5によるロータの断面図を示す。実施の形態1で
は、2N極の磁極を有するロータに2N枚の永久磁石素
材を用いて組込着磁を行う例について述べたが、永久磁
石素材の枚数を2N枚以下としても同様の効果が得られ
る。例えば、N=3で6極の磁極を有するロータを考え
た場合、図18に示すように永久磁石素材の枚数を3枚
若しくは2枚とすることで、永久磁石素材間の継ぎ目の
数を減少することができ、素材間の隙間の部分を永久磁
石として使用できるようになり、ロータの磁力を向上さ
せることができる。また、永久磁石素材の枚数を減らす
ことができるため、加工費を削減することができる。
の形態6によるロータの断面図を示す。実施の形態1で
は、2N極の磁極を有するロータに2N枚の永久磁石素
材を用いて組込着磁を行う例について述べたが、この実
施の形態では、永久磁石素材を分割せずに1枚の焼結の
リング磁石を用いてロータを構成している。この実施の
形態はN=4、即ち8極の磁極を形成している場合の例
を示すものである。従って、12個の磁極突起を有する
ステータを用いることにより、容易に組込着磁を行うこ
とができる。
タを構成することにより、実施の形態1と同様の効果が
得られる他、永久磁石素材間の継ぎ目をなくすことによ
り、素材間の隙間の部分を永久磁石として使用できるよ
うになり、実施の形態5と比べて、更にロータの磁力を
向上させることができる。また、電機子巻線に流れる電
流の作る磁束の流れは、極異方性リング磁石の方向と、
ほぼ一致するため、永久磁石素材の厚みが一定であって
も、着磁電流を最小限に抑制することができる。
の形態7による集中巻きステータを用いて、ロータに配
置した永久磁石素材を着磁する場合の着磁電流を示す。
この実施の形態による組込着磁の方法は、第1の着磁工
程における電機子巻線に流れる着磁電流に対し、第2の
着磁工程における電機子巻線に流れる着磁電流を小さく
なるように高圧パルス電圧を印加することを特徴として
いる。
った場合と、第1の着磁工程と第2の着磁工程で印加す
る電流値を等しくして着磁を行った場合の磁束量を比較
した結果を示す。本図より、第2の着磁工程の印加電流
を第1の着磁工程の印加電流に対して小さくしても、第
1の着磁工程と第2の着磁工程で印加する電流値を等し
くして着磁を行った場合と同じ磁気特性が得られること
が分かる。
工程で着磁された永久磁石の発する磁束が、無通電相の
磁極突起へ流れようとする着磁エネルギーに寄与しない
漏れ磁束を抑制する働きをすることで、漏れ磁束を低減
し、着磁に必要な磁束が永久磁石素材に有効に作用する
ためである。
2の着磁工程の電機子巻線に流れる電流を小さくするこ
とにより、第2の着磁工程で、電機子巻線に流れ電流と
第1の着磁工程で着磁された永久磁石の発する磁束の作
用によって発生するフレミングの左手の法則に従うトル
クを、第1の着磁工程と同一電流を印加する場合と比べ
て小さくすることができるため、第2の着磁工程におけ
るロータの固定力を減少させることができる。これによ
り、ロータを位置決め固定するための装置を簡略化する
ことができる。また、着磁エネルギーを抑制することに
より、生産設備の省電力化を図ることができる。
DCブラシレスモータの組込着磁方法は、ロータとステ
ータとが所定の位置関係となるようにステータに対する
ロータの回転方向への位置決めを行った後、集中巻線2
の一部に高圧パルス電圧を印加し、さらにその後、ロー
タを電気角で180度回転させ、集中巻線2の前回と同
様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印
加するようにしたので、専用の着磁ヨークが不要となる
ため、外部の着磁ヨークを用いて永久磁石を着磁した
後、ロータ内に永久磁石を組み付ける生産方法と比べ
て、生産工数を大幅に削減でき製造ラインの簡略化を図
ることができる。また、集中巻きステータを用いて組込
着磁を行うことで、従来の分布巻きステータを用いて行
う組込着磁と比べて、ステータのコイルエンド部を約1
/2と格段に小さくさせることができるため、分布巻き
の組込着磁時に過大な電流が巻線に流れることで生じて
いた巻線の変形によるコイルの絶縁皮膜破壊がなくなり
信頼性の高いモータが実現できる。また、巻線の変形が
生じなくなったことにより、従来の分布巻きステータで
用いていた巻線の変形を防止するための巻線固定用のワ
ニス処理が不要となり安価なモータが提供できる。ま
た、第1の着磁工程及び第2の着磁工程において、磁石
素材の切れ目を、隣接する磁極突起の溝開口部中心と一
致するように位置決めしたので、磁石の切れ目を境に、
N極S極となるような異極の磁極を有した永久磁石が形
成されるため、永久磁石の切れ目(空隙)を介して同極
の磁極が形成される様な磁石の位置決めを行わない着磁
方法と比べて、磁石の切れ目による磁力の損失がなくな
り、永久磁石の磁力を向上させることができ、電流を低
減した銅損の小さい高効率のモータを提供することがで
きる。また、着磁後に鉄粉などがロータに付着すること
がなくなる。また、ステータ内に組み込まれた状態で永
久磁石の着磁が行われるので、永久磁石のパーミアンス
係数は高く、磁気的に安定した状態が保たれる。従っ
て、着磁後の永久磁石が大気中に開放される場合と異な
り、永久磁石の減磁の恐れがなく、信頼性の高いDCブ
ラシレスモータを得ることができる。
組込着磁方法は、高圧パルス電圧を所定の2相間に印加
するようにしたので、ロータの組込着磁を容易に行うこ
とができる。
組込着磁方法は、集中巻線が中性点を有しており、高圧
パルス電圧を所定の単相間に印加するようにしたので、
より簡単な結線でロータの組込着磁を行うことができる
組込着磁方法は、ロータとステータの回転方向への位置
決め固定を行った後、上記集中巻線の3相間に高圧パル
ス電圧を印加する工程と、さらにその後、ロータを電気
角で60度回転させ位置決め固定を行い、上記集中巻線
の所定の1相を除いた前回と同様の部分に前回と同一極
性の高圧パルス電圧を印加するようにしたので、請求項
1と組込着磁方法と同様の効果が得られる他、2回目の
着磁工程において、1回目の着磁工程で着磁された磁石
領域の一部に再度、パルス電圧を印加するため、より信
頼性の高い組込着磁が実現できる。
組込着磁方法は、埋め込み磁石形ロータを用いたので、
ロータの組込着磁を容易に行うことができる。
着磁装置は、3相の集中巻線2が施されたステータの内
側で、無着磁状態の永久磁石が設けられているロータを
回転させるとともに、ステータとロータとが所定の位置
関係となるようにステータに対するロータの回転方向へ
の位置決めを行う回転位置決め手段と、集中巻線2の一
部に通電して高圧パルス電圧を印加するとともに、通電
方向が切換可能になっている着磁電源とを備えたので、
集中巻線方式のモータのロータを容易に着磁することが
できるとともに、ステータへのロータの組込を容易にす
ることができ、また永久磁石の減磁を防止することがで
き、さらにロータへの磁性体の付着を防止することがで
きる。
組込着磁方法は、ロータに用いられる磁石素材に希土類
磁石を用いたので、ロータの組込着磁を容易に行うこと
ができる。
組込着磁方法は、ステータ側から見た永久磁石端部の磁
気抵抗を減少させることができるため、永久磁石素材の
端部に効率よく磁束を通過させることができるようにな
り、より小さい電流で着磁することが可能となり、生産
工程における省エネルギー化を図ることができる。
組込着磁方法は、2N個以下の磁石素材を設けたロータ
を用いて、磁石素材を2N極に着磁するようにしたの
で、永久磁石素材間の継ぎ目の数を減少することがで
き、素材間の隙間の部分を永久磁石として使用できるよ
うになり、ロータの磁力を向上させることができる。ま
た、永久磁石素材の枚数を減らすことができるため、加
工費を削減することができる。
の組込着磁方法は、ロータの磁石素材にリング磁石を用
いるようにしたので、永久磁石素材間の継ぎ目を完全に
なくすことにより、更にロータの磁力を向上させること
ができる。
の組込着磁方法は、上記リング磁石素材の配向を極異方
性としたので、電機子巻線に流れる電流の作る磁束の流
れは、極異方性リング磁石の方向と、ほぼ一致するた
め、永久磁石素材の厚みが一定であっても、着磁電流を
最小限に抑制し、容易に組込着磁を行うことができる。
の組込着磁方法は、第1の着磁工程に対して、第2の着
磁工程で印加するパルス電流のレベルを小さくしたの
で、着磁エネルギーを抑制することができ、生産設備の
省電力化を図ることができる。
の組込着磁方法は、第1の着磁工程、及び、第2の着磁
工程の中で、少なくとも3回以上の高圧パルス電圧を印
加するようにしたので、信頼性の高い組込着磁が実現で
きる。
の組込着磁方法は、圧縮機筐体10にステータを固着す
る工程と、永久磁石素材が設けられているロータを上記
ステータ内に挿入する工程、及び、高圧パルス電圧を所
定の集中巻線の端子の一部に印加するようにしたので、
専用の着磁ヨークが不要となるため、外部の着磁ヨーク
を用いて永久磁石を着磁した後、ロータ内に永久磁石を
組み付ける生産方法と比べて、生産工数を大幅に削減で
き製造ラインの簡略化を図ることができる。また、従来
の分布巻きステータを用いて行う組込着磁と比べて、ス
テータのコイルエンド部を約1/2と格段に小さくさせ
ることができるため、分布巻きの組込着磁時に過大な電
流が巻線に流れることで生じていた巻線の変形によるコ
イルの絶縁皮膜破壊がなくなり信頼性の高いモータが実
現できる。また、巻線の変形が生じなくなったことによ
り、従来の分布巻きステータで用いていた巻線の変形を
防止するための巻線固定用のワニス処理が不要となり安
価なモータが提供できる。また、着磁後に鉄粉などがロ
ータに付着することがなくなり、圧縮機の運転中に鉄粉
が圧縮機内部に飛び散り、圧縮機に接続された細管に鉄
粉が入り込み、細管を詰まらせて故障するといった不具
合がなくなる。また、ステータ内に組み込まれた状態で
永久磁石の着磁が行われるので、永久磁石6のパーミア
ンス係数は高く、磁気的に安定した状態が保たれる。従
って、着磁後の永久磁石が大気中に開放される場合と異
なり、永久磁石の減磁の恐れがなく、信頼性の高いDC
ブラシレスモータを得ることができる。
の組込着磁方法は、圧縮機にモータを組み込む際、ロー
タの軸受け部の構造を、圧縮機要素部側でロータ軸を回
転自在に保持する片持ち軸受け部で構成することで、反
軸受け部側に空間部ができるため、ロータの回転方向へ
の位置決めを行うための位置決め回転手段を容易に装着
することが可能となる。これにより、ロータの回転方向
への位置決め固定が容易に行えるようになり、位置決め
精度が向上し、信頼性の高い組込着磁が実現できる。
集中巻きが施されたステータと、圧縮機筐体内で高圧パ
ルス電圧を所定の集中巻線の端子の一部に印加すること
で着磁された永久磁石を有するロータと、を備えたDC
ブラシレスモータと、前記永久磁石着磁後のDCブラシ
レスモータを圧縮機筐体内に保持したまま該圧縮機筐体
に取付け可能なカバーと、を備えたため、DCブラシレ
スモータを圧縮機筐体内に固定した状態で永久磁石の着
磁が行え、また、着磁後ロータを取り出すことなくカバ
ーができるから、ロータに磁性体などの不純物が付着す
ることを防止できる。
は、凝縮器、蒸発器及び請求項16記載の圧縮機が順次
接続され、冷媒にHFC系冷媒が用いられている。HF
C系冷媒との相溶性が低い冷凍機油は冷凍サイクル中の
配管内に付着しやすく、この油に磁性体等の不純物が付
着して配管詰まりや伝熱性能の低下を引き起こすが、本
発明ではDCブラシレスモータの永久磁石の着磁を圧縮
機筐体に固定した状態で行え、着磁後カバーをすること
ができるから、ロータへの不純物の付着が無く、冷凍サ
イクル中への不純物の付着を低減でき、信頼性の高い冷
凍サイクル装置が得られる。
スモータの組込着磁方法を示すフローチャートである。
す断面図である。
ロータを回転自在に保持するための保持構造を示す断面
図である。
示す冷媒回路図である。
である。
図である。
す断面図である。
スモータの組込着磁方法を示すフローチャートである。
示す断面図である。
レスモータの組込着磁方法を示すフローチャートであ
る。
を示す断面図である。
め込み形DCブラシレスモータの組込着磁方法を容易に
実現するためのロータ構造を示す断面図である。
レスモータの組込着磁方法を実現するためのロータを用
いて組込着磁を行った場合の磁束線図を示すものであ
る。
面配置形DCブラシレスモータの組込着磁方法を容易に
実現するためのロータ構造を示す断面図である。
レスモータの組込着磁方法を実現するためのロータ構造
を示す断面図である。
レスモータの組込着磁方法を実現するためのロータ構造
を示す断面図である。
テータを用いて、ロータに配置した永久磁石素材を着磁
する場合の着磁電流を示す図である。
組込着磁を行った場合の磁束量の結果を示す図である。
タの一例を示す断面図である。
タの一例を示す断面図である。
込着磁時を行った場合の磁界分布を示す説明図である。
布巻線方式の場合と同様に組込着磁を行った場合の磁界
分布を示す説明図である。
Cブラシレスモータの永久磁石の着磁装置を示す断面図
である。
ーチャートである。
部、2 集中巻線、2a分布巻線、2b 巻線、3 ス
テータ、4 ロータ軸、5 ロータコア、6永久磁石、
7 ロータ、8 空隙、9 着磁ヨーク、9a 磁極突
起、11 片持ち軸受け部、12 圧縮機要素部、13
空間部、14 位置決め部、15圧縮機、16 圧縮
機カバー、17 磁界。
Claims (17)
- 【請求項1】 2N極(Nは1以上の整数)を形成する
無着磁状態の磁石素材が設けられているロータを、3N
個の磁極突起を有し、それぞれの磁極突起に集中巻線が
施され、3相Y結線されたステータ内に挿入する工程、 上記ロータの上記無着磁状態の隣接する磁石素材の切れ
目と、上記ステータの隣接する磁極突起の溝開口部の中
心とが一致するように回転方向への位置決め固定を行
い、上記集中巻線の一部に高圧パルス電圧を印加する第
1の着磁工程、及び上記ロータを電気角で180度回転
させ位置決め固定を行い、上記集中巻線の前回と同様の
部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧を印加す
る第2の着磁工程を含むことを特徴とするDCブラシレ
スモータの組込着磁方法。 - 【請求項2】 高圧パルス電圧を所定の2相間に印加す
ることを特徴とする請求項1記載のDCブラシレスモー
タの組込着磁方法。 - 【請求項3】 2N極(Nは1以上の整数)を形成する
無着磁状態の永久磁石が設けられているロータを、3N
個の磁極突起を有し、3相Y結線され中性点を有する集
中巻線がそれぞれの磁極突起に施されたステータ内に挿
入する工程、 所定の単相の磁極突起の中心と無着磁状態の磁石素材の
中心とが一致するように回転方向への位置決め固定を行
い、上記集中巻線の所定の単相間に高圧パルス電圧を印
加する第1の着磁工程、及び上記ロータを電気角で18
0度回転させ位置決め固定を行い、上記集中巻線の前回
と同様の部分に前回と極性を反転させた高圧パルス電圧
を印加する第2の着磁工程を含むことを特徴とするDC
ブラシレスモータの組込着磁方法。 - 【請求項4】 2N極(Nは1以上の整数)を形成する
無着磁状態の永久磁石が設けられているロータを、3N
個の磁極突起を有し、それぞれの磁極突起に集中巻線が
施され、3相Y結線されたステータ内に挿入する工程、 上記ロータと上記ステータの回転方向への位置決め固定
を行い、上記集中巻線の3相間に高圧パルス電圧を印加
する工程、及び上記ロータを電気角で60度回転させ位
置決め固定を行い、上記集中巻線の所定の1相を除いた
前回と同様の部分に前回と同一極性の高圧パルス電圧を
印加する工程を含むことを特徴とするDCブラシレスモ
ータの組込着磁方法。 - 【請求項5】 ロータは埋め込み磁石形ロータであるこ
とを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれかに記載
のDCブラシレスモータの組込着磁方法。 - 【請求項6】 3相の集中巻線が施されたステータの内
側で、無着磁の永久磁石が設けられているロータを回転
させるとともに、上記ステータと上記ロータとが所定の
位置関係となるように上記ステータに対する上記ロータ
の回転方向への位置決めを行う回転位置決め手段と、 上記集中巻線の一部に通電して高圧パルス電圧を印加す
るとともに、通電方向が切替可能になっている着磁電源
とを備えていることを特徴とするDCブラシレスモータ
の着磁装置。 - 【請求項7】 上記ロータに用いられる磁石素材に希土
類磁石を用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項
4のいずれかに記載のDCブラシレスモータの組込着磁
方法。 - 【請求項8】 上記ロータに用いられる磁石素材の形状
を、磁石素材の中央部の厚みに対して、端部の厚みを小
さくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
ずれかに記載のDCブラシレスモータの組込着磁方法。 - 【請求項9】 2N個以下の磁石素材を設けたロータを
用いて、磁石素材を2N極に着磁することを特徴とする
請求項1ないし請求項4いずれかに記載のDCブラシレ
スモータの組込着磁方法。 - 【請求項10】 磁石素材にリング磁石を用いたことを
特徴とする請求項9記載のDCブラシレスモータの組込
着磁方法 - 【請求項11】 上記リング磁石の配向を極異方性とし
たことを特徴とする請求項10記載のDCブラシレスモ
ータの組込着磁方法。 - 【請求項12】 第1の着磁工程に対して、第2の着磁
工程で印加する着磁電流のレベルを小さくしたことを特
徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のD
Cブラシレスモータの組込着磁方法。 - 【請求項13】 上記第1の着磁工程及び、上記第2の
着磁工程の中で少なくとも3回以上の高圧パルス電圧を
印加することを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
ずれかに記載のDCブラシレスモータの組込着磁方法。 - 【請求項14】 3相の集中巻きが施されたステータを
圧縮機筐体内に固着する工程、 無着磁状態の永久磁石が設けられているロータを上記ス
テータ内に挿入する工程、及び高圧パルス電圧を所定の
集中巻線の端子の一部に印加する工程を含むことを特徴
とする圧縮機用DCブラシレスモータの組込着磁方法。 - 【請求項15】 ロータの軸受け部を片持ち構造とした
ことを特徴とする請求項14記載の圧縮機用DCブラシ
レスモータの組込着磁方法。 - 【請求項16】 3相の集中巻きが施されたステータ
と、圧縮機筐体内で高圧パルス電圧を所定の集中巻線の
端子の一部に印加することで着磁された永久磁石を有す
るロータと、を備えたDCブラシレスモータと、 前記永久磁石着磁後のDCブラシレスモータを圧縮機筐
体内に保持したまま該圧縮機筐体に取付け可能なカバー
とを備えたことを特徴とする圧縮機。 - 【請求項17】 凝縮器、蒸発器及び請求項16記載の
圧縮機が順次接続され、冷媒にHFC系冷媒が用いられ
たことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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