JP2002112488A - 電動機の固定子 - Google Patents

電動機の固定子

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JP2002112488A JP2000297822A JP2000297822A JP2002112488A JP 2002112488 A JP2002112488 A JP 2002112488A JP 2000297822 A JP2000297822 A JP 2000297822A JP 2000297822 A JP2000297822 A JP 2000297822A JP 2002112488 A JP2002112488 A JP 2002112488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固定子の相間における絶縁破壊を低減する電動
機を提供する。 【解決手段】本発明は、電動機の固定子の歯に直接巻線
を巻きつける集中巻方式の電動機において1つのスロッ
ト内に隣り合う相の巻線間における絶縁を、断面形状が
V字に形成された相間絶縁樹脂を介挿することにより確
実に隣り合う相を分けることができ、巻線同士が振動に
より擦れることを防ぎ、大きな電位差が生じても巻線の
被膜を破壊することがなく不良を低減することができ
る。また、V字形開口部の端部を固定子のスロット開口
部と反対側に折り曲げ、巻線と固定子の間に介挿するこ
とにより確実にV字形相間絶縁を固定することができる
ため品質かつ信頼性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用機器、事務
用機器、家電用機器に使用される電動機の固定子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の実施例を図7に示し説明する。図
7には3相4極の固定子を示している。前記電動機の固
定子鉄心1は、軸方向に薄板の電磁鋼板を多数積層させ
た積層体により形成されている。この積層体を一体固着
させる方法としては、積層体の外周部を溶接により固着
したものや、プレス等により凸凹部を各薄板の電磁鋼板
に形成し、この凸凹部を其々嵌め合わすことにより一体
固着した周知のオートクランプ方式等により固定子鉄心
1を形成している。
【0003】固定子鉄心1にはスロット5が形成されて
おり、固定子歯部S1、S2、S3、S4、S5、S6
にはスロット絶縁4を介して集中巻方式により直接巻線
が巻き付けられている。歯部S1にはU1相の巻線3が
巻き付けられており、同様に歯部S2にはV1相、歯部
S3にはW1相、歯部S4にはU2相、歯部S5にはV
2相、歯部S6にはW2相の巻線3が巻き付けられてい
る。U1相とU2相、V1相とV2相、W1相とW2相
は、其々各相を繋ぐ渡り線により結ばれており、各相の
一方の端部は接続され中性点を形成し他方の端部は口出
線に接続し三相Y結線(直列)を構成している。
【0004】また、別の結線方法としてU1相とU2相
とを並列に配置しU1相の一方の端部とU2相の一方の
端部、U1相の他方の端部とU2相の他方の端部を其々
接続し、U1相とU2相の一方の端部を中性点へ接続
し、U1相とU2相の他方の端部を口出線に接続する。
その他の相においてはV1相とV2相、W1相とW2相
を其々同様に接続し三相2Y結線(並列)を構成してい
る。
【0005】近年、このような電動機においては、小型
で高性能な電動機の要求が非常に強くなってきており、
この要求に対して高性能な永久磁石を有した永久磁石形
電動機が増えてきている。通常、この永久磁石形電動機
の永久磁石を備えた回転子に着磁を施す場合、電動機の
ハウジング等に組み付ける前に、着磁巻線を備えた着磁
装置にセットし、この着磁巻線に直流電流を通電するこ
とによって回転子を永久磁石化している。
【0006】しかしながら、前記界磁を製作した回転子
を電動機のハウジング等に組み込むまでの工程におい
て、永久磁石化された回転子に鉄粉等が付着して電動機
運転中に回転障害を起こしたり、回転子が磁性体の治具
に吸着して扱い難いといった問題が発生していた。
【0007】前記問題を解決するために電動機ハウジン
グに固定子と回転子を組み込んだ後に、この固定子巻線
を着磁巻線として使用することにより、固定子と対向配
置された回転子に着磁を施すいわゆる組み込み着磁と称
される着磁方法が採用されている。図8は、電動機の固
定子により組み込み着磁を行う場合の着磁結線を示して
いる。前記した直列接続の三相Y結線、並列接続の三相
2Y結線において同様の方法で組み込み着磁をすること
ができるため、ここでは直列接続された三相Y結線につ
いてのみ説明する。
【0008】固定子巻線のU1相の口出線側を着磁電源
Eのプラス側に接続した場合、V1相及びW1相はマイ
ナス側に接続し、この固定子巻線に直流の大電流を流す
ことにより固定子内に対向配置された回転子を着磁する
ことができる。また、前記結線は固定子の三相巻線全て
を使用し組み込み着磁する方法であるが、固定子巻線の
特定の2相を使用し1回目の着磁を施した後に、所定の
角度分着磁位置を変え2回目の着磁を施す着磁方法でも
着磁をすることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の集中
巻された電動機においては、固定子スロット内に集中巻
される巻線の割合がそれ程高くなかったため固定子スロ
ット内での隣り合う相の絶縁空間距離を保つことができ
ていたが、前述したように小形、高性能化の要求に伴い
固定子スロット内に集中巻される巻線の割合が非常に高
くなっており固定子スロット内の各相の絶縁を保つこと
が出来なくなっている。
【0010】特に、電動機の起動時にはスロット内の隣
り合う相の巻線に大電流が流れるため各相の巻線が振動
し巻線の被膜を傷つけ相間の電位差により絶縁破壊を引
き起こし重大な市場不良となっている。その結果、著し
く信頼性を損ねている。
【0011】また最近、エアコン及び冷蔵庫の駆動源と
なる圧縮機に搭載する電動機には、固定子の歯に直接巻
線を巻き付けた集中巻方式の電動機を採用するようにな
ってきている。このような電動機において小型、高性能
化するために回転子に永久磁石を備えた永久磁石形電動
機が用いられる様になってきている。
【0012】このような永久磁石形電動機を用いられる
圧縮機においては、前述したように圧縮機に組み込む前
の永久磁石を有する回転子に着磁を施すと、回転子に鉄
粉等が付着し易く、そのまま圧縮機に組み込まれると運
転障害となったり、また回転子が磁性体の治具に吸着し
て圧縮機ハウジングに組み付けしずらいといった問題が
あるため、圧縮機ハウジングに固定子と回転子を組み込
んだ後に、この固定子巻線を着磁巻線として固定子と対
向配置された回転子に着磁をおこなっている。
【0013】エアコン及び冷蔵庫の圧縮機に採用される
電動機は、小型、高性能化の要求に伴い固定子スロット
内に集中巻される巻線の割合が非常に高いため固定子巻
線を着磁巻線として使用した場合、固定子のスロット内
の隣り合う相の巻線に非常に大きな着磁電流が流れるた
め各相の巻線が激しくぶつかり合うことにより巻線の被
膜を傷つけ、相間の電位差により絶縁破壊を引き起こし
ている。
【0014】
【課題を解決するための手段】固定子の歯に直接巻線を
巻き付ける集中巻方式の電動機において、前記固定子の
各スロット内で隣接する巻線相互間に断面形状がV字に
形成された相間絶縁樹脂の絶縁部材を介挿する。また、
この断面形状がV字に形成された相間絶縁樹脂の絶縁部
材の開口部が、前記固定子の各スロット開口部に面して
介挿した電動機の固定子とする。
【0015】また、相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形
成された絶縁部材の開口部の端部においてスロット開口
部とは反対側に折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部が
固定子の歯に巻き付けられた巻線と、固定子スロットと
の間に介挿された電動機の固定子とする。
【0016】また、電動機の固定子のスロット数が3n
個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)
である電動機の固定子とする。
【0017】また、永久磁石を備えた回転子を具備する
電動機とする。
【0018】また、前記固定子の各スロット内で隣接す
る巻線相互間に介挿される前記相間絶縁樹脂の絶縁部材
の材料が、エンプラ(エンジニアリング・プラスチッ
ク)または、スーパーエンプラ(スーパー・エンジニア
リング・プラスチック)である電動機の固定子とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図面を用
いて説明する。図1は本実施例における電動機の固定子
のスロット拡大図である。固定子鉄心1のスロット5に
スロット絶縁4が挿入されている。このスロット絶縁4
は、樹脂で一体成形したものや薄板の絶縁フィルムで形
成したものがある。このスロット絶縁4が固定子鉄心1
に施された後、スロットとスロットにより挟まれた歯部
2に直接巻線が巻かれる集中巻方式により巻線3が巻か
れている。スロット5内の隣り合う相の巻線3には、電
動機の起動時に大電流が流れるため各相の巻線3が振動
し巻線3同士が擦れ被膜を傷つけることになる。その
後、相間の電位差によりこの傷ついて薄く弱い部分にお
いて絶縁破壊を起こしている。
【0020】本発明はこのことに鑑みてなされたもので
あり、固定子鉄心1のスロット5内の巻線3を断面形状
がV字に形成された相間絶縁樹脂7(以下、V字形相間
絶縁樹脂7とする)を介挿することにより確実に隣り合
う相を分けることができ巻線3同士が振動し擦れること
を防ぎ、大きな電位差を生じても絶縁破壊が起こらない
ようにするものである。固定子鉄心1の各スロット開口
部6側に面してV字形相間絶縁樹脂7の絶縁部材の開口
部側をスロット開口部6側に面して介挿している。ま
た、V字形相間絶縁樹脂7の開口部側端部は、スロット
5内の固定子内径側鉄心部分に突き当てるように介挿す
ることによってスロット5内でV字形相間絶縁樹脂7が
湾曲し各巻線3をスロット5内に押さえ込む効果を有し
ている。然るに、従来より問題となっている巻線3の固
定子内径への飛び出しも同時に防ぐことができる。
【0021】従って、V字形相間絶縁樹脂7が狭い巻線
相互間の間に介挿することにより、このV字形相間絶縁
樹脂7のバネ効果を得ることができ固定子鉄心1より巻
線3の飛び出しを防ぎ尚且つ、固定子鉄心1からV字形
相間絶縁樹脂7が脱落することがないのでスロット5内
の隣り合う巻線3の相互間を確実に分けることができ、
巻線3同士が振動し擦れることを防ぎ、大きな電位差を
生じても絶縁破壊が起こらないようにすることができ
る。尚、図2は本実施例のV字形相間絶縁樹脂7の斜視
図である。また、V字形相間絶縁樹脂7の開口部の開口
角度は適宜巻線3の使用量により決定され、バネ効果を
損なわない程度に設定すると良い。
【0022】また、別の実施例を図3に示して説明す
る。図3は固定子のスロット拡大図である。図1と同様
に固定子鉄心1のスロット5にスロット絶縁4が挿入さ
れている。このスロット絶縁4は、樹脂で一体成形した
ものや薄板の絶縁フィルムで形成したものがありスロッ
ト絶縁4が固定子鉄心1に施された後に、スロットとス
ロットにより挟まれた歯部2に直接巻線が巻かれる集中
巻方式により巻線3が巻かれている。本実施例は図3に
示すようにスロット5内の巻線3が占める割合が少ない
場合において適用することにより、非常に良好な効果を
得ることができる。
【0023】固定子鉄心1の歯部に直接巻きつけられた
巻線3とスロット5内に装着したスロット絶縁4との間
に断面形状がV字に形成された絶縁部材の相間絶縁樹脂
8(以下、V字形相間絶縁樹脂8とする)のV字形状端
部においてスロット開口部6側とは反対側に折り曲げ部
を形成し、この折り曲げ部を巻線3と固定子鉄心1との
間に挟み込むことによってV字形相間絶縁樹脂8を更に
確実にスロット5内の相間に固定することができる。こ
の場合、V字形状端部の折れ曲がり部は固定子鉄心1と
スロット絶縁4の間に挟み込んでも良いが、巻線3とス
ロット絶縁4との間に挟み込んでも良い。また、V字形
状端部の折れ曲がり角度は、前記V字形相間絶縁樹脂8
のバネ効果を損なわない角度に設定することが好まし
い。
【0024】従って、特にスロット5内の巻線3が占め
る割合が少ない場合においても、スロット5内の隣り合
う巻線3の相互間を確実に分けることができ、尚且つV
字形相間絶縁樹脂8が固定子鉄心1より脱落することな
く確実に固定することができるため、巻線3同士が振動
し擦れることを防ぎ、大きな電位差を生じても巻線3の
被膜を破壊し絶縁不良を生じることは無い。尚、図4は
本実施例のV字形の端部に折れ曲がり部を備えたV字形
相間絶縁樹脂8の斜視図である。
【0025】また、固定子鉄心1のスロットとスロット
により挟まれた歯部2に直接巻線が巻かれる集中巻方式
により巻線3が巻かれ、スロット5内において隣り合う
相の巻線3同士が振動し擦れ、巻線3の被膜を破壊し絶
縁不良を生じる電動機や、相間に大きな電位差を生じる
電動機、つまり固定子のスロット数が3n個(nは自然
数)であり、極数が2n個(nは自然数)である電動機
において、スロット5内の巻線3をV字形相間絶縁樹脂
7及び8を介挿することにより隣り合う相を確実に分け
ることができるため、巻線3同士が振動し擦れることが
なくなり、大きな電位差を生じても巻線3の被膜を破壊
するような絶縁破壊を起こすことがなくなる。
【0026】また、図5及び図6に示す電動機は、固定
子鉄心1のスロット5に樹脂で一体成形したものか、も
しくは薄板の絶縁フィルムで形成したスロット絶縁4が
施された後、このスロットとスロットにより挟まれた歯
部2に直接巻線が巻かれる集中巻方式により巻線3が巻
かれており、この固定子内径には、永久磁石11を備え
た回転子9,10を配置している。
【0027】このような永久磁石を有した回転子を備え
た電動機を、特にエアコン及び冷蔵庫の駆動源となる圧
縮機に採用した場合、圧縮機に組み込む前に回転子9,
10に着磁を施すと回転子9,10に鉄粉等が付着し易
くなり、そのまま圧縮機に組み込まれると圧縮機の運転
障害となったり、また着磁した回転子9,10が磁性体
の治具に吸着して圧縮機ハウジングに組み込みしずらい
といった問題が発生する。このため圧縮機ハウジングに
固定子と回転子9,10を組み込んだ後に、固定子の巻
線3を着磁巻線として回転子9,10を着磁している。
【0028】この場合、固定子の1つのスロット内に集
中巻された隣り合う相の巻線3に非常に大きな着磁電流
が流れ各相の巻線3が激しくぶつかり合い巻線3の被膜
を傷つけ相間の電位差により絶縁破壊を引き起こしてし
まう。然るに、このような絶縁破壊を防ぐためにV字形
相間絶縁樹脂7及び8を介挿することによりスロット内
の隣り合う相の巻線3を確実に分けることができため絶
縁不良を起こすことがなくなる。従って、固定子の歯に
直接巻線を巻き付ける集中巻方式の電動機をケーシング
に組み込んだ後に、前記電動機の固定子巻線を利用して
永久磁石を備えた回転子を問題なく着磁することができ
る。
【0029】尚、回転子の構造は図5に示すように永久
磁石を回転子鉄心内に埋め込む、埋め込み形永久磁石回
転子でも、図6に示す永久磁石を回転子表面に装着させ
た、表面装着形永久磁石回転子であてもよい。
【0030】また、固定子の各スロット5内で隣接する
相間に介挿するV字形相間絶縁樹脂7及び8の材料を、
電動機の運転環境が100℃以上ある場合はエンプラ
を、電動機の運転環境が150℃以上ある場合はスーパ
ーエンプラを使用することにより電動機の温度上昇によ
る絶縁材料の劣化に起因する絶縁不良を減らすことがで
きる。その結果、固定子スロット5内の隣り合う相の巻
線3同士が振動し絶縁材料を破壊することもなく、大き
な電位差を生じても巻線3の被膜を破壊し絶縁不良を起
こすこともなくなる。また、電動機の仕様によってエン
プラまたは、スーパーエンプラを適宜選択することによ
り材料費を節約することもできる。
【0031】また、スロット内の巻線の占積率が非常に
高い場合、スロット内の巻線相互間に介挿するV字形相
間絶縁樹脂7及び8をエンプラまたは、スーパーエンプ
ラのフィルム形状にすることによって相間の隙間が少な
い場合でも確実に介挿することができるため、巻線3の
被膜が破壊され絶縁不良となることはない。尚、V字形
相間絶縁樹脂7及び8をフィルム形状にすることにより
絶縁材料の使用量の低減及び加工性が向上し、更に固定
子スロット内への挿入性もよくなり取り扱いを容易にす
ることができる。
【0032】エンプラとしては、例えばポリアミド(P
A)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)
等がある。また、スーパーエンプラとしては、例えば、
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレン
サルファイド(PPS)、液晶ポリマー樹脂(LC
P)、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)等がある。
【0033】また、特に環境問題等により従来、エアコ
ンや冷蔵庫に使用される冷媒がCFC12、CFC22
等で冷凍機油がナフテン系、パラフィン系の鉱油または
アルキルベンゼン系油を採用していたが、代替冷媒であ
るHFC134a、HFC410a、HFC407c等
の冷媒と、冷凍機油であるポリアルキレングリコール系
油やポリエステル系油またはエーテル系油等の混合油を
使用する場合、V字形相間絶縁樹脂7及び8の材料をス
ーパーエンプラとすることにより冷凍機油内に含まれる
水分量による絶縁物の加水分解を極力少なくすることが
できる。尚、説明するまでも無いが、スロット絶縁4の
材料をスーパーエンプラとすることによりスロット絶縁
4の加水分解も極力少なくすることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、電動機の固定子の歯に直接巻
線を巻きつける集中巻方式の電動機において1つのスロ
ット内に隣り合う相の巻線間に、V字形相間絶縁樹脂を
介挿することにより確実に隣り合う相を分けることがで
き、巻線同士が振動により擦れることを防ぎ、大きな電
位差が生じても巻線の被膜が破壊することがなくなる。
また、固定子鉄心のスロットの開口部側に面してV字形
相間絶縁樹脂の開口部側を介挿することによって、スロ
ット内のV字形相間絶縁樹脂が脱落することなく確実に
固定することができる。また、従来より問題となってい
る巻線の固定子内径への飛び出しもV字形相間絶縁樹脂
のバネ効果によって、巻線をスロット内に押さえ込みこ
とができるため巻線の固定子内径への飛び出しも防いで
いる。
【0035】また、V字形相間絶縁樹脂の開口部の端部
を固定子のスロット開口部と反対側に折り曲げ、巻線と
固定子の間に介挿することにより、更に確実にV字形相
間絶縁を固定することができる。
【0036】また、電動機の固定子のスロット数が3n
個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)
の固定子に本発明を適用することによって確実に1つの
スロット内に隣り合う相の巻線間を絶縁することができ
る。
【0037】また、前記電動機の回転子に永久磁石を備
えている永久磁石形電動機において本発明を適用するこ
とにより、ハウジング内に組み込まれた後に固定子巻線
を着磁巻線として着磁する場合においても、着磁電流に
起因する巻線の絶縁破壊をなくすことができる。
【0038】また、前記固定子の各スロット内で隣接す
る巻線相互間に介挿される前記V字形相間絶縁樹脂の材
料が、エンプラまたは、スーパーエンプラとすることに
よってエアコンや冷蔵庫の駆動源である圧縮機に仕様す
ることができる。
【0039】これらのことより、V字形相間絶縁樹脂に
よって、隣り合う相間の絶縁を確実に行うことができ電
位差による巻線の絶縁不良をなくすことができるため品
質及び信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す固定子の部分断面図。
【図2】図1のV字形相間絶縁樹脂の斜視図。
【図3】本発明の実施例を示す固定子の部分断面図。
【図4】図3のV字形相間絶縁樹脂の斜視図。
【図5】本発明の実施例を示す回転子に永久磁石を備え
た電動機の横断面図。
【図6】本発明の実施例を示す回転子に永久磁石を備え
た電動機の横断面図。
【図7】従来例を示す固定子の横断面図。
【図8】本発明の電動機の固定子巻線を着磁巻線として
使用する場合の結線図。
【符号の説明】
1…固定子鉄心、2,S1〜S6…歯部、3…巻線、4
…スロット絶縁、5…スロット、6…スロット開口部、
7,8…V字形相間絶縁樹脂、9,10…回転子、11
…永久磁石、U1,V1,W1,U2,V2,W2…
相、E…着磁電源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子の歯に直接巻線を巻き付ける集中
    巻方式の電動機において、前記固定子の各スロット内で
    隣接する巻線相互間に介挿される相間絶縁樹脂の断面形
    状がV字に形成された絶縁部材であって、前記相間絶縁
    樹脂の断面形状がV字に形成された絶縁部材の開口部
    を、前記固定子の各スロット開口部に面して介挿された
    ことを特徴とする電動機の固定子。
  2. 【請求項2】 前記相間絶縁樹脂の断面形状がV字に形
    成された絶縁部材の開口部の端部においてスロット開口
    部とは反対側に折り曲げ部が形成され、前記折り曲げ部
    が固定子の歯に巻き付けられた巻線と、固定子スロット
    との間に介挿されたことを特徴とする請求項1記載の電
    動機の固定子。
  3. 【請求項3】 前記電動機の固定子のスロット数が3n
    個(nは自然数)であり、極数が2n個(nは自然数)
    であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    電動機の固定子。
  4. 【請求項4】 前記電動機は、永久磁石を具備する回転
    子を備えたことを特徴とする請求項3記載の電動機。
  5. 【請求項5】 前記固定子の各スロット内で隣接する巻
    線相互間に介挿される相間絶縁樹脂の絶縁部材の材料
    が、エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)また
    はスーパーエンプラ(スーパー・エンジニアリング・プ
    ラスチック)であることを特徴とする請求項1及至請求
    項3のいずれかに記載の電動機の固定子。
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