JPH11332152A - 電動機の固定子および電動機固定子の製造方法 - Google Patents

電動機の固定子および電動機固定子の製造方法

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JPH11332152A
JPH11332152A JP12588298A JP12588298A JPH11332152A JP H11332152 A JPH11332152 A JP H11332152A JP 12588298 A JP12588298 A JP 12588298A JP 12588298 A JP12588298 A JP 12588298A JP H11332152 A JPH11332152 A JP H11332152A
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JP
Japan
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bobbin
winding
insulating
magnetic pole
core
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JP12588298A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Inaba
好昭 稲葉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】巻線相互の隙間と、継鉄鉄心と巻線との隙間に
それぞれ介挿される絶縁部材を一体化して、それぞれの
絶縁を確実になし、信頼性の向上を図った電動機の固定
子および電動機固定子の製造方法を提供する。 【解決手段】円環部3に沿って放射状に配置される複数
の磁極歯4を備えた磁極鉄心5と、この磁極鉄心を覆う
環状の継鉄鉄心6とからなり、各磁極歯にそれぞれボビ
ン7を嵌合するとともに、このボビン介して巻線8を巻
装したものにおいて、ボビンに巻装される巻線と継鉄鉄
心との間に介挿され、これら巻線と継鉄鉄心とを絶縁す
る鉄心絶縁部1aと、この鉄心絶縁部とは直交する方向
に一体に設けられ隣接する巻線相互間に介挿され、これ
ら巻線相互を絶縁する巻線絶縁部1bとを備え、断面T
字形に形成される絶縁部材1を具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定子と回転子と
からなる電動機に係り、特に電動機の固定子と、電動機
固定子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電動機は、回転軸に一体に設けられる回
転子と、この回転子の外周面と狭小の間隙を存して配置
される固定子とから構成されていて、上記固定子は密閉
ケースに取付け固定されている。
【0003】図31に示すように、上記固定子Kは、回
転子が挿通される円環部aを介して連結され外側に向け
て放射状にそれぞれ延びる複数の磁極歯tを備えた磁極
鉄心bと、この磁極鉄心bの外側である各磁極歯の先端
部に嵌合する複数の嵌合溝がその内周面に設けられる継
鉄鉄心cとを備えている。そして、巻線が巻装されたボ
ビンdが各磁極歯に嵌入固定されている。
【0004】はじめ、上記ボビンdは、図32(A)に
示すように、巻線が巻装される筒状の巻装部eの一端側
に設けられ組み立てられた状態で磁極鉄心円環部aに接
する内周側鍔部fと、巻装部eの他端側に設けられ組み
立てられた状態で継鉄鉄心c内周面に接する外周側鍔部
gとが一体に形成されていた。
【0005】特に、図31に示すように、巻線部分が台
形をなす台形状スロットSの場合は、図32(A)に示
すように、ボビンdの外周側鍔部gの両側部を所定角度
だけ折曲していた。ところが、巻装部eに巻線を巻装し
ていくと、巻線が外周側鍔部gに当たり完全に巻装でき
なくなる。
【0006】そこで、図32(B)に示すように、外周
側鍔部hを直状に形成したボビンdが用いられるように
なった。このボビンdによれば、外周側鍔部hの幅寸法
を詰めることにより巻線を完全に巻装しても当たること
がない。なお、巻装部eと内周側鍔部fは変更ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】つぎに、一般的な固定
子組立てについて、図33にもとづいて説明する。
【0008】はじめに、ボビンdに巻線を所定巻数を巻
装する。この巻線を巻装したボビンdを磁極鉄心bの各
磁極歯tに嵌挿して、磁極組立てZを完成させる。
【0009】ついで、継鉄鉄心cを上記磁極組立てZに
嵌合する。磁極歯tの先端部はボビンdから突出し、か
つ継鉄鉄心cの内周に所定間隔を存して設けられる嵌合
溝jに挿嵌される。
【0010】そして、いわゆる短冊状に形成される絶縁
紙kを用意して、巻線と継鉄鉄心c内周面との隙間に挿
入したり、隣接するボビンdに巻装される巻線相互間に
挿入して、これらの絶縁をなす。よって、固定子組立て
Kが完成する。
【0011】なお、たとえば小型の送風機用電動機な
ど、互いに隣接する巻線間の絶縁距離が十分確保されて
いる場合は、特に絶縁紙kを用いる必要がなく、巻線間
の絶縁を行わないのが普通であるが、たとえば冷媒ガス
を圧縮する圧縮機用の電動機の場合は巻線間の絶縁距離
がほとんどないので、上述のように絶縁紙kを巻線間に
介挿しなければならない。
【0012】しかしながら、上述の電動機固定子Kは、
以下のような欠点があった。
【0013】1) 磁極鉄心組立てZに継鉄鉄心cを嵌
合するとき、巻線の一部と継鉄鉄心cとの絶縁がなされ
ていない部分が存在しているため、巻線と継鉄鉄心cが
擦れて巻線の傷や断線が生じることがある。
【0014】2) 上記絶縁紙kが電動機の始動時や運
転中の電磁振動などで脱落し易く、その場合は絶縁不良
を起す可能性があった。
【0015】3) この固定子Kを電動機に組み込んで
着磁を行う場合は、着磁時に巻線であるコイルに大きな
電磁力が加わり、絶縁紙kの破損や変形が生じて絶縁不
良を起す恐れがある。
【0016】本発明は、上記事情に着目してなされたも
のであり、その目的とするところは、磁極鉄心の磁極歯
にボビンを介して巻装される巻線相互の隙間と、継鉄鉄
心と巻線との隙間にそれぞれ介挿される絶縁部材を一体
化して、それぞれの絶縁を確実になし、信頼性の向上を
図った電動機の固定子および電動機固定子の製造方法を
提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するた
め、第1の発明の電動機の固定子は,請求項1として、
円環部に沿って放射状に配置される複数の磁極歯を備え
た磁極鉄心と、この磁極鉄心を覆う環状の継鉄鉄心とか
らなり、各磁極歯にそれぞれボビンを嵌合するととも
に、このボビン介して巻線を巻装してなる電動機の固定
子において、上記ボビンに巻装される巻線と上記継鉄鉄
心との間に介挿され、これら巻線と継鉄鉄心とを絶縁す
る鉄心絶縁部と、この鉄心絶縁部とは直交する方向に一
体に設けられ隣接する巻線相互間に介挿され、これら巻
線相互を絶縁する巻線絶縁部とを備え、断面T字形に形
成される絶縁部材を具備したことを特徴とする。
【0018】請求項2として、請求項1記載の電動機の
固定子において上記ボビンには突部が設けられ、上記磁
極鉄心にはボビンの突部に係合する凹部が設けられるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項3として、請求項1記載の電動機の
固定子において上記継鉄鉄心は、内側がn角形(nは6
以上)に形成され、上記ボビンは、巻線が巻装される巻
装部と、この巻装部の一端部に沿って設けられ組み立て
られた状態で継鉄鉄心に接触する外周側鍔部および他側
部に沿って設けられ磁極鉄心に接触する内周側鍔部を備
え、このボビン外周側鍔部の両側部は、30×(n−
1)°の角度をもって形成され、上記絶縁部材の両側部
は、継鉄鉄心に接する面に対して30×(n―1)°の
角度をもって形成されることを特徴とする。
【0020】請求項4として、請求項1記載の電動機の
固定子において上記ボビンは、継鉄鉄心側鍔部の端面に
係合部が設けられ、上記絶縁部材は、鉄心絶縁部の端面
に上記ボビン係合部に係合する係止部が設けられること
を特徴とする。
【0021】請求項5として、請求項1記載の電動機の
固定子において上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面に
ガイド溝が設けられ、上記ボビンは、磁極鉄心円環部側
鍔部先端部が上記ガイド溝に係合されることを特徴とす
る。
【0022】請求項6として、請求項1記載の電動機の
固定子において上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面に
係止用孔が設けられ、上記ボビンは、磁極鉄心円環部側
鍔部に係止用孔が係合する弾性を有する突起部が設けら
れることを特徴とする。
【0023】請求項7として、請求項1記載の電動機の
固定子において上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面に
弾性を有する突起部が設けられ、上記ボビンは、磁極鉄
心円環部側鍔部に上記突起部が係合する係止用孔が設け
られることを特徴とする。
【0024】請求項8として、請求項6および請求項7
のいずれかに記載の電動機の固定子において上記突起部
と係止用孔は、複数設けられることを特徴とする。
【0025】請求項9として、請求項6および請求項7
のいずれかに記載の電動機の固定子において上記突起部
は、互いに対称とならない位置を選択して設けられるこ
とを特徴とする。
【0026】請求項10として、請求項1記載の電動機
の固定子において上記絶縁部材は、継鉄鉄心接触部に、
継鉄鉄心の端面に当接してそれ以上の絶縁部材の挿入を
規制するストッパを備えたことを特徴とする。
【0027】請求項11として、請求項1記載の電動機
の固定子において上記絶縁部材は、巻線絶縁部の先端
に、磁極鉄心円環部と左右のボビン磁極鉄心側鍔部とで
囲まれる断面ほぼ三角筒状の筒状絶縁部が設けられるこ
とを特徴とする。
【0028】請求項12として、請求項11記載の電動
機の固定子において上記絶縁部材の筒状絶縁部は、多孔
板によって閉塞されることを特徴とする。
【0029】請求項13として、請求項11記載の電動
機の固定子において上記巻線は、ボビンから延出される
巻線一部が絶縁部材の筒状絶縁部内に挿入されることを
特徴とする。
【0030】請求項14として、請求項13記載の電動
機の固定子において上記絶縁部材の筒状絶縁部端縁に
は、この筒状絶縁部に挿入される巻線を係止する係止凹
部が設けられるとともに、この係止凹部に係止される巻
線の抜け止めをなす抜け防止突起が設けられることを特
徴とする。
【0031】請求項15として、請求項1記載の電動機
の固定子において上記絶縁部材は、巻線絶縁部の上端面
および側端縁に、それぞれ巻線を係止するための複数の
係止溝部が設けられることを特徴とする。
【0032】請求項16として、請求項1および請求項
5のいずれかに記載の電動機の固定子において上記絶縁
部材は、巻線絶縁部の両側面にガイド溝が設けられ、上
記ボビンは、磁極鉄心円環部側鍔部の両端部に、上記ガ
イド溝に係合するとともに上記ガイド溝の端面に係合す
るストッパ面が設けられることを特徴とする。
【0033】上記目的を満足するため第2の発明の電動
機固定子の製造方法は,請求項17として、ボビンに巻
線を巻装する工程と、この巻線を巻装したボビンを磁極
鉄心の各磁極歯に挿入する工程と、これら各磁極歯に挿
入されたボビンの巻線相互間に絶縁部材の巻線絶縁部を
介挿する工程と、各ボビンの巻線相互を電気的に接続す
る工程と、この巻線相互を電気的に接続した磁極鉄心を
継鉄鉄心内に挿入する工程とを具備したことを特徴とす
る。
【0034】請求項18として、請求項17記載の電動
機固定子の製造方法において上記固定子は、回転子とと
もに所定位置に組み込まれたあとに着磁されることを特
徴とする。
【0035】このような課題を解決する手段を採用する
ことにより、磁極鉄心の磁極歯にボビンを介して巻装さ
れる巻線相互の隙間と、継鉄鉄心と巻線との隙間にそれ
ぞれ介挿される絶縁部材を一体化して、それぞれの絶縁
を確実になす。
【0036】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、請求項1の実
施の形態に係る。
【0037】図1は、後述するようにして用いられる絶
縁部材1を示している。この絶縁部材1は断面T字状に
形成されていて、その水平片部側を鉄心絶縁部1aと呼
び、この鉄心絶縁部1aのほぼ中央部から垂直方向に突
出する片部を巻線絶縁部1bと呼ぶ。
【0038】図2は、完成された電動機の固定子2を示
す。これは、円環部3に複数の磁極歯4が放射状に配置
される磁極鉄心5と、これら磁極鉄心5を覆う環状の継
鉄鉄心6とから構成される。上記各磁極歯4にはそれぞ
れボビン7が嵌合されるとともに、このボビン7を介し
て磁極歯4に巻線8が巻装される。
【0039】上記絶縁部材1の鉄心絶縁部1aは、ボビ
ン7に巻装される巻線8と継鉄鉄心6との間に介挿され
て、これら巻線8と継鉄鉄心6とを絶縁する。また、隣
接する巻線8相互間には、この鉄心絶縁部1aとは直交
する方向に一体に設けられる巻線絶縁部1bが介挿され
て、これら巻線8,8相互を絶縁する。
【0040】このことから、上記絶縁部材1は、巻線
8,8相互と、継鉄鉄心6と巻線8との絶縁を確実にな
し、信頼性の向上を図れる。
【0041】図3(A)(B)は、磁極鉄心5の各磁極
歯4に巻線8が巻装されるボビン7を嵌合し、さらに磁
極鉄心5を環状の継鉄鉄心6で覆ったものに絶縁部材1
を介挿する工程の説明をなす。
【0042】すなわち、絶縁部材1を構成する鉄心絶縁
部1aを外側に向け、巻線絶縁部1bを内側に突出した
状態となし、継鉄鉄心6と巻線8との間に鉄心絶縁部1
aを対向させ、かつ隣接する巻線8,8相互間に巻線絶
縁部1bを対向させる。
【0043】この状態で絶縁部材1を上述の所定部位に
介挿する。このように、1ピース化された絶縁部材1を
隙間に挿入するだけの簡単な作業で,巻線8と継鉄鉄心
5、および隣接する巻線8,8相互間の両方の絶縁を確
保する。
【0044】また、絶縁部材1を構成する鉄心絶縁部1
aと巻線絶縁部1bに何らかの力が加わっても、隣接す
る絶縁部材1,1相互がそれぞれ補いあえるため、絶縁
部材1としての変形や亀裂の発生を確実に防止する。
【0045】図4および図5は、請求項2の実施の形態
に係る。
【0046】図4(A)(B)に示すように、磁極鉄心
5を構成する磁極歯4は、その左右両側面一部に凹部1
0が設けられる。この凹部10は、磁極歯4側面に対し
て鋭角状に切欠形成されてなる。
【0047】図4(C)(D)(E)に示すように、ボ
ビン7は、巻線8が巻装される筒状の巻装部7aと、こ
の巻装部7aの一端部に沿って設けられ組み立てられた
状態で継鉄鉄心6に接触する継鉄鉄心側鍔部である外周
側鍔部7bと、巻装部7aの他端部に沿って設けられ磁
極鉄心円環部に接触する磁極鉄心側鍔部である内周側鍔
部7cとから構成される。
【0048】ここでは、ボビン7の巻装部7aにおける
左右両側部と外周側鍔部7bとの交点部位に沿って突部
11が一体に設けられる。この突部11は、断面鋭角状
に突設される。
【0049】図5に示すように、磁極鉄心5を構成する
磁極歯4にボビン7が嵌挿される。この状態で、ボビン
7に設けられる突部11が磁極歯4に設けられる凹部1
0に係合する。
【0050】すなわち、組み立てられた状態でボビン7
の磁極歯4からの抜けが確実に防止される。また、この
抜け防止があるために磁極歯4とボビン7内側との隙間
を確保して作業性がよい。そして、後工程にある継鉄鉄
心6との嵌合作業が安定し、かつ容易に行える。
【0051】図6ないし図9は、請求項3の実施の形態
に係わる。
【0052】図6は、後述する絶縁部材1Aで絶縁され
る磁極歯4を6つ有する磁極鉄心5と、この磁極鉄心5
を覆う継鉄鉄心6とを備え、後述するボビン7Aに巻線
された固定子組立て2を示す。継鉄鉄心6の内径は磁極
歯4と同数である6角形であり、互いに隣接する辺は1
50°の角度に形成される。
【0053】図7(A)(B)は、絶縁部材1Aを示し
ており、鉄心絶縁部1aと巻線絶縁部1bとでT字状に
形成されることは先に説明したとおりだが,特に鉄心絶
縁部1aの左右両側端部12面においては、鉄心絶縁部
1a外面に対して150°の角度をもって斜めに形成さ
れている。
【0054】図8は、ボビン7Aを示しており、特にこ
の外周側鍔部7bの左右両側端部13面においては、外
周側鍔部7b外面に対して150°の角度をもって斜め
に形成されている。
【0055】図9(A)に拡大して示すように、このよ
うにして形成される絶縁部材1Aとボビン7Aを所定の
位置に組み立てると、絶縁部材鉄心絶縁部1aの側端部
12にボビン外周側鍔部7bが当接する。
【0056】しかも、上記角度の設定から、鉄心絶縁部
1a外面と外周側鍔部7bの側端部13面とが連なる。
そして、継鉄鉄心6の一辺部に、絶縁部材1Aの鉄心絶
縁部1a外面と、これに連なるボビン7Aの外周側鍔部
7bの側端部13面が接触し、この辺部と隣接する他方
の辺部にはボビン7Aの外周側鍔部7b外面が接触する
ことになる。
【0057】すなわち、上記継鉄鉄心6は、その内側が
n角形(nは6以上、ここでは6角形)に形成され、上
記ボビン7Aは継鉄鉄心6の6角形の一辺が磁極鉄心5
に嵌合される部分と、これと30×(n−1)°の角度
をもって連なる別の多角形の一辺にボビン7Aの鍔部の
3つの側面が平行に接するように設けられる。
【0058】また、上記絶縁部材1Aは、鉄心絶縁部1
aの両側部が継鉄鉄心6に接する面に対して30×(n
―1)°の角度をもって形成される。
【0059】電動機固定子の実際の組立てにあたって、
ボビン7Aを磁極鉄心5の各磁極歯4に挿入後、継鉄鉄
心6に嵌合し、さらに絶縁部材1Aを所定の部位に介挿
する。このとき、絶縁部材鉄心絶縁部両側端部12面が
ボビン外周側鍔部7b両側内面によって位置規制され、
絶縁部材1Aの外側方向への移動を規制する。
【0060】また、寸法形状のバラツキがあった場合、
たとえば絶縁部材鉄心絶縁部1aの幅寸法が若干長く形
成されたときに、この鉄心絶縁部1aの側端部12面が
ボビン外周側鍔部7b内面を滑るようにして若干変形す
るが、所定の位置に挿入することができる。
【0061】逆に、鉄心絶縁部1aの幅寸法が若干短く
形成された場合は、図9(C)に示すようにわずかな隙
間が形成されることになるが、鉄心絶縁部1a外面とボ
ビン外周側鍔部7b外面とが150°の角度に形成され
ているため、たとえば図9(B)に示すように、単に鉄
心絶縁部1a端面が90°に構成された場合と比較し
て、絶縁距離を2倍(L2=2×L1)となす。
【0062】したがって、絶縁部材1Aの寸法バラツキ
が確実に吸収され、継鉄鉄心6との絶縁距離を十分に確
保して絶縁不良の防止が図れる。
【0063】図10は、請求項4の実施の形態に係わ
る。
【0064】ここでは先に説明したように、絶縁部材鉄
心絶縁部1aの左右両側端部12面が外面に対して15
0°の角度をもって斜めに形成され、ボビン外周側鍔部
7bの左右両側端部7b面が外面に対して150°の角
度をもって斜めに形成されることを前提とする。
【0065】鉄心絶縁部側端部12に係止部12aが一
体に突設され、外周側鍔部7b両側端部内面に係合部1
3aが切欠加工される。
【0066】このような絶縁部材1Bをボビン7Bに対
して介挿すると、絶縁部材鉄心絶縁部1aの側端部12
面がボビン外周側鍔部7bの内面に接触するとともに、
絶縁部材1Bの係止部12aがボビン7Bの係合部13
aに係合する。したがって、絶縁部材1Bを所定位置に
介挿した状態で絶縁部材1Bの抜けを確実に規制でき、
信頼性の向上を得る。
【0067】図11は、請求項5の実施の形態に係わ
る。
【0068】すなわち、絶縁部材1Cの巻線絶縁部1b
は、その両側面にガイド溝14が設けられる。このガイ
ド溝14は、巻線絶縁部1bから所定の角度をもって突
設される一対の平行な突条15,15相互間に形成さ
れ、ガイド溝14の幅寸法は上記ボビン7Aの内周側鍔
部7cの板厚寸法に等しい。
【0069】このことから、絶縁部材1Cを所定位置に
介挿する際に、ガイド溝14が隣接するボビン7A,7
Aの内周側鍔部7c端部に係合させる。したがって、絶
縁部材1Cの組立作業が行い易くなり、かつ組み立てた
状態では絶縁部材1Cの前後の移動が確実に規制され
る。
【0070】図12ないし図14は、請求項6の実施の
形態に係る。
【0071】図12(A)(B)(C)に示すように、
巻線絶縁部1bにガイド溝14を有する絶縁部材1Cで
あり、この巻線絶縁部1bにおけるガイド溝14の長手
方向中間部に矩形状の係止用孔16が設けられる。
【0072】図13(A)(B)に示すように、上記ボ
ビン7の内周側鍔部7cの両側端に切起しからなる弾性
を有する突起部17が設けられる。この突起部17は、
内周側鍔部7cから外側に突出している。
【0073】絶縁部材1Cの巻線絶縁部1bを隣接する
ボビン7A,7Aの内周側鍔部7c,7c相互間に介挿
すると、この巻線絶縁部1b両側面を接触面として内周
側鍔部7c,7cが接触する。そして、先に説明したガ
イド溝14に鍔部7cが挿入する。
【0074】絶縁部材1Cをある程度挿入したところ
で、絶縁部材1Cの挿入先端がボビン7Aの突起部17
に当接する。さらに絶縁部材1Cを挿入することにより
突起部17を内側に押し開くようにして弾性変形させ、
これを乗り越える。
【0075】絶縁部材1Cを所定位置まで挿入すると、
図14に示すように、絶縁部材1Cに設けられる係止用
孔16に、この両側からボビン7Aに設けられる突起部
17が係合する。
【0076】すなわち、単純に絶縁部材1Cを介挿する
だけの作業で、この絶縁部材1Cを所定位置に確実に位
置決めでき、しかもその後の位置ずれが規制される。
【0077】図15および図16は、請求項7の実施の
形態に係る。
【0078】図15(A)(B)(C)に示すように、
絶縁部材1Dは、巻線絶縁部1bの両側面に沿って所定
間隔を存して一対の突条15,18を備え、これら突条
15,18間にガイド溝14が形成される。
【0079】そして、基端側の突条18の長手方向中間
部位置に、突条18の一部をガイド溝14側に突出させ
た弾性を有する突起部19が一体に設けられる。この突
起部19に沿って切り込み20が設けられ、よって弾性
変形可能である。
【0080】図16に示すように、ボビン7Aは、その
内周側鍔部7cの側端部で長手方向中間部に矩形状の係
止用孔21が設けられる。
【0081】そして、絶縁部材1Dの巻線絶縁部1bに
設けられるガイド溝14を隣接するボビン7A,7Aの
内周側鍔部7c,7c側端部に介挿したところで、巻線
絶縁部1bに設けられる突起部19がボビン鍔部7cに
当接する。
【0082】なお絶縁部材1Dを介挿すると、この突起
部19がボビン鍔部7cに押されて弾性変形する。そし
て、突起部19がボビン7Aに設けられる係止用孔21
に到達すると、押し広げられていた突起部19は係止用
孔21に挿入し、絶縁部材1Dが固定される。
【0083】このようにして、絶縁部材1Dがボビン鍔
部7cに接触する面積を大きくとれるため、絶縁部材1
Dに横方向の力が加わった場合でも、この絶縁部材1D
を強固に保持することができる。
【0084】図17は、請求項8の実施の形態に係る。
【0085】ボビン7Aの内周側鍔部7cには、その両
側端に所定間隔を存して複数の突起部17が設けられ
る。それぞれの突起部17の形状構造は、先に請求項6
の実施の形態(図13)で説明した突起部17と全く同
一である。
【0086】そして、先に(図12)で説明したよう
に、上記絶縁部材1Cの巻線絶縁部1bには係止用孔1
6が、突起部17と対応するよう所定間隔を存して複数
設けられる。
【0087】したがって、絶縁部材1Cをボビン7A,
7A間に介挿すれば、複数の突起部17が複数の係止用
孔16に係合する。絶縁部材1Cの位置ずれ規制がより
強固なものとなり、たとえ大きなねじり力が加わっても
突起部17と係止用孔16との係合が外れることがな
い。
【0088】なお、特に図示しないが、逆に、絶縁部材
1Cの巻線絶縁部1bに所定間隔を存して複数の突起部
17を設け、これと対向するボビン7Aの内周側鍔部7
cに所定間隔を存して複数の係止用孔16を設けたもの
でもよく、したがって請求項7の実施の形態のバリエー
ションとしても適用される。
【0089】図18は、請求項9の実施の形態に係る。
【0090】図18(A)に示すように、ボビン7Aの
内周側鍔部7c両側端部に、それぞれ1つの突起部17
が設けられるが、これら突起部17は互いに対称となら
ない位置が選択される。それぞれの突起部17の形状構
造は先に説明したもの全く同一であり、ここでは図示し
ない絶縁部材1Cの巻線絶縁部1bにも対向する位置に
係止用孔16が設けられる。
【0091】図18(B)に示すように、絶縁部材1C
をボビン7A,7A間に介挿すれば、突起部17が係止
用孔16に係合することは変わりがないが、絶縁部材1
Cの巻線絶縁部1bには高さが相違した位置に複数の係
止用孔16が設けられ、それぞれに両側のボビン7Aの
突起部17が左右方向から係合するところから、絶縁部
材1Cの抜け規制がより強固なものとなる。
【0092】なお、特に図示しないが、逆に、絶縁部材
1Cの巻線絶縁部1bに両側方向に突出する突起部17
を互いに異なる位置に設け、これらと対向するボビン7
Aの内周側鍔部7c部位に係止用孔16を設けたもので
もよく、したがって請求項7の実施の形態のバリエーシ
ョンとしても適用される。
【0093】図19は、請求項10の実施の形態に係
る。
【0094】図19(A)(B)に示すように、上記絶
縁部材1Cを構成する鉄心絶縁部1aの継鉄鉄心6接触
側である外面側の所定位置にストッパ22が設けられ
る。このストッパ22は、鉄心絶縁部1aの長手方向に
対して垂直な、ここでは水平方向に沿って突出する。
【0095】図19(C)に示すように、ストッパ22
は絶縁部材1Cを所定位置に介挿した状態で継鉄鉄心6
の上端面に当接する。したがって、それ以上の絶縁部材
1Cの介挿が規制されることとなり、絶縁部材1Cの位
置決めを容易、かつ確実になす。たとえば、電動機の始
動時や運転時において振動が生じても、絶縁部材1Cの
ストッパ22が継鉄鉄心6に係止しているので、この脱
落を規制する。
【0096】図20は、請求項11の実施の形態に係
る。
【0097】図20(A)に示すように、絶縁部材1E
は、その巻線絶縁部1bの先端にガイド溝14を兼用す
る、断面ほぼ三角筒状の筒状絶縁部23が設けられる。
すなわち、この筒状絶縁部23は、巻線絶縁部1bの両
側面に設けられる突条15と平行な部分は断面直状をな
し、組み立てられた状態で磁極鉄心5の円環部3と接触
する部分は円環部3と同一の曲率半径で湾曲している。
【0098】図20(B)に示すように、組みたてられ
た状態で、絶縁部材1Eの巻線絶縁部1bは隣接するボ
ビン7A,7Aに巻装される巻線8,8相互間に介在し
てこれらの絶縁をなすことには変わりがない。
【0099】絶縁部材1Eに新たに設けられる筒状絶縁
部23は、磁極鉄心6を構成する円環部3と、左右両側
のボビン7A,7Aを構成する内周側鍔部7c,7cと
で囲まれる。
【0100】したがって、特に筒状絶縁部23は、ボビ
ン内周側鍔部7c,7cと磁極鉄心円環部3とで外径を
完全に規制されるため、絶縁部材1Eの横方向に加わる
力やねじり力が発生しても、絶縁部材1Eの外れを確実
に防止する。
【0101】図21は、請求項12の実施の形態に係
る。
【0102】図21(A)に示すように、絶縁部材1E
は、巻線絶縁部1bの先端にガイド溝14を兼用する断
面ほぼ三角筒状の筒状絶縁部23が設けられることが前
提である。
【0103】この筒状絶縁部23の最上端部は、多数の
小孔が設けられる多孔板24によって閉塞される。上記
多孔板24の位置は、筒状絶縁部23の最上端位置を選
択したが、これに限定されるものではなく、最上端位置
からある程度低い位置であってもよく、あるいは複数の
多孔板24を所定間隔を存して設けてもよい。
【0104】図21(B)に示すように、組みたてられ
た状態で筒状絶縁部23は、磁極鉄心円環部3と、左右
両側ボビン内周側鍔部7c,7cとで囲まれ、絶縁部材
1Eの位置ずれが確実に防止でされる。
【0105】そして、この電動機をたとえば冷媒を圧縮
する圧縮機に適用した場合、電動機の下部に配置される
圧縮機構部から吐出される高圧ガスが筒状絶縁部23の
内部空間に導かれて上昇する。
【0106】この高圧ガスには圧縮機構部の各摺動部を
潤滑する潤滑油が霧状となって混在している。したがっ
て、高圧ガスが筒状絶縁部23の内部空間を上昇してい
くと多孔板24に衝突し、ここに形成される多数の小孔
を流通する。このとき、ガスに含まれる油分が多孔板2
4に衝突してガスから分離される。
【0107】結局、圧縮機の電動機として使用すると、
上記多孔板24が油分離板としての機能を備えることと
なり、潤滑油の蒸発を規制して信頼性の向上を図れる。
【0108】図22は、請求項13の実施の形態に係
る。
【0109】図22(A)に示すように、絶縁部材1E
は、その巻線絶縁部1bの先端にガイド溝14を兼用す
る筒状絶縁部23が設けられることを前提としており、
先に請求項11の実施の形態(図20)で説明したのと
同様の作用効果を有する。
【0110】上記ボビン7Aに巻装される巻線8は、そ
の巻始め端末と巻終わり端末とがボビン7Aから延出さ
れていて、これらは渡り線と呼ばれ、あるいは接続位置
に応じて中性点接続線あるいは電源部接続線とも呼ば
れ、所定の電気回路を構成するよう接続配置される。
【0111】ここでは、たとえば中性点接続線25の接
続部26を絶縁部材1Eの筒状接続部23における内部
空間にそのままの状態で、すなわち絶縁チューブなどで
絶縁することなく挿入する。
【0112】通常、中性点を接続する作業は、各接続線
を固定子2外径方向に長く引き出して行う方が作業性が
よい。ここでは筒状絶縁部23の内部空間は固定子2の
積厚と同等以上の高さ(深さ)を有しているため、長く
引き出された接続線および接続部を十分に、しかも安全
に収納することができる。
【0113】このように、中性点接続線25を長くでき
るため、接続作業が容易で、しかも接続後に絶縁部材1
Eの筒状絶縁部23内に挿入するだけの簡単な作業で、
接続部を安全に収納できる。
【0114】図23は、請求項14の実施の形態に係
る。
【0115】上記絶縁部材1Eの巻線絶縁部1b先端に
は筒状絶縁部23が設けられ、この筒状絶縁部23内に
たとえば中性点接続線25が挿入されることを前提とす
る。図23(A)に示すように、筒状絶縁部23と、こ
れに接合するボビン内周側鍔部7cの端縁には係止凹部
27が設けられるとともに、この係止凹部27の基端部
に抜け防止突起28が設けられる。
【0116】すなわち、係止凹部27の基端は筒状絶縁
部23と内周側鍔部7cの端縁から所定距離離間して設
けられており、この基端部から各端縁までが頚部状に突
設され、ここを抜け防止突起28と呼ぶ。
【0117】図23(B)に示すように、上記中性点接
続線25の先端接続部を筒状絶縁部23内に挿入し、こ
の接続線25中途部を抜け防止突起28を介して係止凹
部27に挿入する。
【0118】抜け防止突起28は頚部状に形成されてい
て、中性点接続線25を束ねた径とほとんど同等である
ところから、中性点接続線25の中途部は抜け防止突起
28に係止されて、抜けが確実に規制される。
【0119】図24は、請求項15の実施の形態に係
る。
【0120】絶縁部材1Fは、巻線絶縁部1bの上端部
が鉄心絶縁部1aの上端縁から上方に突出している。こ
の巻線絶縁部1bの鉄心絶縁部1aから突出する上端縁
および側端縁に、複数の凹溝状の係止溝部29a,29
bが設けられる。
【0121】また、図25に示すように、筒状絶縁部2
3を備えた絶縁部材1Eであっても、巻線絶縁部1bの
上端部を鉄心絶縁部1aの上端縁から突出させ、巻線絶
縁部1bの上端縁と側端縁に複数の係止溝部29a,2
9bを設けてもよい。
【0122】いずれの絶縁部材1F,1Eを備えても、
各ボビン7に巻線8を巻装する際には、はじめに図26
(A)に示すように、各磁極歯4間に連続して接続され
る渡り線30の中途部を、絶縁部材巻線絶縁部1bの上
端縁に設けられる係止溝部29aに係止して固定する。
【0123】つぎに、図26(B)に示すように、中性
点接続線25の中途部を巻線絶縁部1bの側端縁に設け
られる係止溝部29bに係止して固定する。さらに電動
機電源に連なる口出し線用電線31も側端縁の係止溝部
29bに係止固定する。
【0124】このようにして、各異極の電線30,2
5,31は係止溝部29a,29bに係止固定され、互
いに接触することなく配線されるため、電動機の始動や
運転時に発生する振動による各電線30,25,31の
接触や擦れによる絶縁不良が防止される。
【0125】図27および図28は、請求項16の実施
の形態に係る。
【0126】先に請求項5の実施の形態(図11)で示
したガイド溝14とは異なり、図27(A)(B)
(C)に示すように、巻線絶縁部1bの端末部を肉厚状
に形成して、この肉厚部32両側面部に断面が斜めの凹
状溝からなるガイド溝14Aが設けられている。
【0127】すなわち、ガイド溝14Aは肉厚部32の
下端縁を除く周縁から所定距離だけ離間した位置に凹溝
加工された状態となり、これと対応するボビン内周側鍔
部7Cの上端部には図28(B)に示すように凹部33
が設けられる。
【0128】絶縁部材巻線絶縁部1bを、その下端部か
ら隣接するボビン内周側鍔部7c,7c相互間に挿入す
る。すなわち、肉厚部32両側面のガイド溝14A,1
4Aかボビン内周側鍔部7c,7c端部に挿嵌する。
【0129】図28(B)に示すように、巻線絶縁部1
bが所定位置に介挿した状態で、これらの最上端部にお
いてはガイド溝14A,14A上端面がボビン凹部33
面に係合して、絶縁部材1Gの位置決めがなされる。
【0130】すなわち、ガイド溝14Aの上端面がボビ
ン内周側鍔部7c端部に設けられる凹部33面に当接し
てそれ以上の介挿が規制されるところから、ガイド溝1
4Aの上端面がストッパ面となる。
【0131】このような構成であれば、絶縁部材1Gを
ボビン内周側鍔部7c相互間に強い力で介挿しても、ガ
イド溝14A上端面がストッパ面としてボビン凹部33
面に衝止され、それ以上の介挿が規制されて必然的に絶
縁部材1Gの位置決めがなされる。
【0132】また、電動機の始動時や運転時に振動が発
生しても、絶縁部材1Gの所定位置からの脱落を防止で
きる。そして、絶縁部材1Gを所定位置に装着したあと
上記継鉄鉄心6を嵌め込む際にも絶縁部材1Gの位置ず
れがなく有効である。
【0133】つぎに、図29にもとづいて電動機固定子
の製造方法を説明する。
【0134】はじめに、磁極鉄心5の磁極歯4の数だけ
ボビン7を用意し、それぞれのボビン7に巻線8を巻装
する工程がある。そして、この巻線8を巻装したボビン
7を磁極鉄心5の各磁極歯4に挿入する工程がある。
【0135】図29(A)に示すように、これら各磁極
歯4に挿入されたボビン7の巻線8,8相互間に絶縁部
材1の巻線絶縁部1bを介挿する工程があり、この状態
で磁極組立て40が完成する。
【0136】図29(B)に示すように、磁極組立て4
0の外周面には、ボビン7の外周側鍔部7bと絶縁部材
1の鉄心絶縁部1aが露出することになる。そしてこの
磁極組立て40を継鉄鉄心6の内周部に嵌合する工程が
ある。
【0137】図29(C)に示すように、固定子組立て
2が完成する。このようにして、継鉄鉄心6を磁極鉄心
5に組み込む以前に絶縁部材1の巻線絶縁部1bを巻線
8相互間に介挿する。
【0138】したがって、絶縁部材1の鉄心絶縁部1a
が巻線8と継鉄鉄心6との間に介在する位置にあり、巻
線8の外径側への出っ張りや渡り線の飛び出しを規制す
る。そして、この状態で継鉄鉄心6に磁極組立て40を
嵌合しても、巻線8や渡り線30などが継鉄鉄心6に引
っ掛かることがなく、したがってこれらの傷の発生を確
実に防止できる。
【0139】図30は、請求項17の実施の形態に係
る。
【0140】電動機固定子の製造方法を説明すると、は
じめに、磁極鉄心5の磁極歯4の数だけボビン7を用意
し、それぞれのボビン7に巻線8を巻装する工程があ
る。そして、この巻線8を巻装したボビン7を磁極鉄心
5の各磁極歯4に挿入する工程がある。
【0141】図30(A)に示すように、これら各磁極
歯4に挿入されたボビン7の巻線8相互間に絶縁部材1
の巻線絶縁部1bを介挿する工程があり、この状態で磁
極組立て40が完成する。
【0142】図30(B)に示すように、ボビン7から
延出される巻線8を接続する工程があり、具体的には、
中性点接続線25および口出し線用電線31の接続仕上
げ処理を行う。
【0143】図30(C)に示すように、ボビン7から
延出される巻線8を接続した磁極組立て40を継鉄鉄心
6の内周部に嵌合させる工程がある。
【0144】図30(D)に示すように、固定子組立て
2が完成する。このようにして、継鉄鉄心6を磁極鉄心
5に組み込む以前に巻線8の結線を行うために、口出し
線用電線31や渡り線30などの不要な線がボビン7外
部に出ない。したがって、継鉄鉄心6の嵌合時に継鉄鉄
心6端面によってボビン7から延出する巻線8部分が傷
付くことがない。
【0145】請求項18の実施の形態については特に図
示しないが、上述のようにして製造される固定子2は、
回転子とともに所定位置に組込まれたあとに着磁するこ
とを特徴としている。
【0146】このようにして、固定子と回転子を組み込
んだ状態にして着磁すると、隣接する巻線8相互間に介
在する絶縁部材1の巻線絶縁部1bには大きな力が加わ
るが、この巻線絶縁部1bは両側の巻線8によって強固
に固定されているため、絶縁部材1の脱落や巻線絶縁部
1bの変形が防止される。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電動機の固
定子によれば、磁極鉄心の磁極歯にボビンを介して巻装
される巻線相互の隙間と、継鉄鉄心と巻線との隙間にそ
れぞれ介挿される絶縁部材を一体化して、それぞれの絶
縁を確実になし、信頼性の向上を図れるなどの効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施の形態に係わる、絶縁部
材の図。
【図2】同実施の形態に係わる、電動機固定子の平面
図。
【図3】同実施の形態に係わる、電動機固定子の組立工
程を説明する図。
【図4】請求項2の発明の実施の形態に係わる、磁極鉄
心とボビンの図。
【図5】同実施の形態に係わる、磁極鉄心とボビンの組
立て状態の図。
【図6】請求項3の発明の実施の形態に係わる、電動機
固定子の平面図。
【図7】同実施の形態に係わる、絶縁部材の図。
【図8】同実施の形態に係わる、ボビンの図。
【図9】同実施の形態に係わる、絶縁部材とボビンの係
合状態の図。
【図10】請求項4の発明の実施の形態に係わる、絶縁
部材とボビンの係合状態の図。
【図11】請求項5の発明の実施の形態に係わる、絶縁
部材と、絶縁部材とボビンとの係合状態の図。
【図12】請求項6の発明の実施の形態に係わる、絶縁
部材の図。
【図13】同発明の実施の形態に係わる、ボビンの図。
【図14】同発明の実施の形態に係わる、絶縁部材とボ
ビンとの係合状態の図。
【図15】請求項7の発明の実施の形態に係わる、絶縁
部材と、この絶縁部材の一部を示す図。
【図16】同発明の実施の形態に係わる、ボビンの図。
【図17】請求項8の発明の実施の形態に係わる、ボビ
ンの図。
【図18】請求項9の発明の実施の形態に係わる、ボビ
ンと、ボビンと絶縁部材との係合状態の図。
【図19】請求項10の発明の実施の形態に係わる、絶
縁部材と、この絶縁部材とボビンとの係合状態の図。
【図20】請求項11の発明の実施の形態に係わる、絶
縁部材と、この絶縁部材を磁極鉄心に組み込んだ状態の
図。
【図21】請求項12の発明の実施の形態に係わる、絶
縁部材と、この絶縁部材を所定位置に組み込んだ状態の
図。
【図22】請求項13の発明の実施の形態に係わる、絶
縁部材の筒状絶縁部に中性点接続線を挿入する以前と、
挿入した状態の図。
【図23】請求項14の発明の実施の形態に係わる、ボ
ビンと絶縁部材に設けられる係止凹部と、この係止凹部
に巻線を係止する状態の図。
【図24】請求項15の発明の実施の形態に係わる、絶
縁部材と、この絶縁部材に設けられる係止溝部の図。
【図25】同発明の他の実施の形態に係わる、絶縁部材
を組み込んだ状態の図。
【図26】同発明の実施の形態に係わる、各種巻線の接
続状態の図。
【図27】請求項16の発明の実施の形態に係わる、絶
縁部材と、この絶縁部材の一部を拡大した図。
【図28】同発明の実施の形態に係わる、絶縁部材のガ
イド溝にボビンの内周側鍔部を係合した状態の図。
【図29】電動機固定子の製造方法を順に説明する図。
【図30】請求項17の発明の実施の形態に係わる、電
動機固定子の製造方法を順に説明する図。
【図31】従来の電動機固定子の平面図。
【図32】従来の、互いに異なるボビンの図。
【図33】従来の電動機固定子の製造方法を順に説明す
る図。
【符号の説明】
4…磁極歯、 5…磁極鉄心、 6…継鉄鉄心、 7…ボビン、 8…巻線、 1a…鉄心絶縁部、 1b…巻線絶縁部、 1…絶縁部材、 11…突部、 10…凹部、 13a…係合部、 12a…係止部、 14…ガイド溝、 16…係止用孔、 17…突起部、 22…ストッパ、 23…筒状絶縁部、 24…多孔板、 25…中性点接続線、 27…係止凹部、 28…抜け防止突起、 29a,29b…係止溝部、 14A…ガイド溝、 33…凹部(ストッパ面)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02K 15/06 H02K 15/06 21/14 21/14 M 29/00 29/00 Z

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円環部に沿って放射状に配置される複数の
    磁極歯を備えた磁極鉄心と、この磁極鉄心を覆う環状の
    継鉄鉄心とからなり、各磁極歯にそれぞれボビンを嵌合
    するとともに、このボビンを介して巻線を巻装してなる
    電動機の固定子において、 上記ボビンに巻装される巻線と上記継鉄鉄心との間に介
    挿され、これら巻線と継鉄鉄心とを絶縁する鉄心絶縁部
    と、この鉄心絶縁部とは直交する方向に一体に設けられ
    隣接する巻線相互間に介挿され、これら巻線相互を絶縁
    する巻線絶縁部とを備え、断面T字形に形成される絶縁
    部材を具備したことを特徴とする電動機の固定子。
  2. 【請求項2】上記ボビンには突部が設けられ、上記磁極
    鉄心にはボビンの突部に係合する凹部が設けられること
    を特徴とする請求項1記載の電動機の固定子。
  3. 【請求項3】上記継鉄鉄心は、その内側がn角形(nは
    6以上)に形成され、 上記ボビンは、巻線が巻装される巻装部と、この巻装部
    の一端部に沿って設けられ組み立てられた状態で継鉄鉄
    心に接触する外周側鍔部および他側部に沿って設けられ
    磁極鉄心に接触する内周側鍔部を備え、 このボビン外周側鍔部の両側部は、30×(n−1)°
    の角度をもって形成され、 上記絶縁部材の両側部は、継鉄鉄心に接する面に対して
    30×(n―1)°の角度をもって形成されることを特
    徴とする請求項1記載の電動機の固定子。
  4. 【請求項4】上記ボビンは、継鉄鉄心側鍔部の端面に係
    合部が設けられ、 上記絶縁部材は、鉄心絶縁部の端面に上記ボビン係合部
    に係合する係止部が設けられることを特徴とする請求項
    1記載の電動機の固定子。
  5. 【請求項5】上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面にガ
    イド溝が設けられ、 上記ボビンは、磁極鉄心円環部側鍔部の先端部が上記ガ
    イド溝に係合されることを特徴とする請求項1記載の電
    動機の固定子。
  6. 【請求項6】上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面に係
    止用孔が設けられ、 上記ボビンは、磁極鉄心円環部側鍔部に上記係止用孔が
    係合する弾性を有する突起部が設けられることを特徴と
    する請求項1記載の電動機の固定子。
  7. 【請求項7】上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面に弾
    性を有する突起部が設けられ、 上記ボビンは、磁極鉄心円環部側鍔部に上記突起部が係
    合する係止用孔が設けられることを特徴とする請求項1
    記載の電動機の固定子。
  8. 【請求項8】上記突起部と係止用孔は、複数設けられる
    ことを特徴とする請求項6および請求項7のいずれかに
    記載の電動機の固定子。
  9. 【請求項9】上記突起部は、互いに対称とならない位置
    を選択して設けられることを特徴とする請求項6および
    請求項7のいずれかに記載の電動機の固定子。
  10. 【請求項10】上記絶縁部材は、継鉄鉄心接触部に、継
    鉄鉄心の端面に当接してそれ以上の絶縁部材の挿入を規
    制するストッパを備えたことを特徴とする請求項1記載
    の電動機の固定子。
  11. 【請求項11】上記絶縁部材は、巻線絶縁部の先端に、
    磁極鉄心円環部と左右のボビン磁極鉄心側鍔部とで囲ま
    れる断面ほぼ三角筒状の筒状絶縁部が設けられることを
    特徴とする請求項1記載の電動機の固定子。
  12. 【請求項12】上記絶縁部材の筒状絶縁部は、多孔板に
    よって閉塞されることを特徴とする請求項11記載の電
    動機の固定子。
  13. 【請求項13】上記巻線は、ボビンから延出される巻線
    一部が上記絶縁部材の筒状絶縁部内に挿入されることを
    特徴とする請求項11記載の電動機の固定子。
  14. 【請求項14】上記絶縁部材の筒状絶縁部端縁には、こ
    の筒状絶縁部に挿入される巻線を係止する係止凹部が設
    けられるとともに、この係止凹部に係止される巻線の抜
    け止めをなす抜け防止突起が設けられることを特徴とす
    る請求項13記載の電動機の固定子。
  15. 【請求項15】上記絶縁部材は、巻線絶縁部の上端面お
    よび側端縁に、それぞれ巻線を係止するための複数の係
    止溝部が設けられることを特徴とする請求項1記載の電
    動機の固定子。
  16. 【請求項16】上記絶縁部材は、巻線絶縁部の両側面に
    ガイド溝が設けられ、 上記ボビンは、磁極鉄心円環部側鍔部の両端部に、上記
    ガイド溝に係合するとともに上記ガイド溝の端面に係合
    するストッパ面が設けられることを特徴とする請求項1
    および請求項5のいずれかに記載の電動機の固定子。
  17. 【請求項17】ボビンに巻線を巻装する工程と、 この巻線を巻装したボビンを磁極鉄心の各磁極歯に挿入
    する工程と、 これら各磁極歯に挿入されたボビンの巻線相互間に絶縁
    部材の巻線絶縁部を介挿する工程と、 各ボビンの巻線相互を電気的に接続する工程と、 この巻線相互を電気的に接続した磁極鉄心を継鉄鉄心内
    に挿入する工程と、を具備したことを特徴とする電動機
    固定子の製造方法。
  18. 【請求項18】上記固定子は、回転子とともに所定位置
    に組込まれたあとに着磁されることを特徴とする請求項
    17記載の電動機固定子の製造方法。
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