JP2000149874A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプおよび照明装置

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JP2000149874A
JP2000149874A JP10324173A JP32417398A JP2000149874A JP 2000149874 A JP2000149874 A JP 2000149874A JP 10324173 A JP10324173 A JP 10324173A JP 32417398 A JP32417398 A JP 32417398A JP 2000149874 A JP2000149874 A JP 2000149874A
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JP
Japan
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seal
sealing
discharge lamp
discharge vessel
sealing portion
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JP10324173A
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English (en)
Inventor
Hisashi Honda
久司 本田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】シール構造を改良することにより、外部リード
線に高価な白金を用いなくても良好な封止を備えた高圧
放電ランプおよびこれを用いた照明装置を提供する。 【解決手段】透光性セラミックス放電容器SEの膨出部
SEaに連通して配置された小径筒部SEb内に導入さ
れる給電導体FCを封着性部分FCaおよび封着性部分
FCaの先端に接続された耐火性部分FCbによって構
成し、小径筒部SEbおよび封着性部分FCaの間を封
着性部分FCaが少なくとも放電空間側へ露出しないよ
うに第1のシールS1によって包囲して封止するととも
に、小径筒部SEbの端部から外部に突出した封着性部
分FCaの基端に外部リード線ORを接続して、封着性
部分FCaの基端および外部リード線ORの接続部を第
1のシールS1より300℃以上好ましくは400℃以
上融点が低い第2のシールS2によって包囲して封止し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光性セラミックス
からなる放電容器を備えた高圧放電ランプおよびこれを
用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の石英ガラス放電容器に比較
して、長寿命、高効率の利点を有する透光性セラミック
ス放電容器を備えた高圧放電ランプが開発され、広く普
及しつつある。
【0003】以下、従来のこの種高圧放電ランプについ
て従来技術1ないし3を参照して説明する。
【0004】(従来技術1)特公平3−1777号公報
には、セラミック放電容器内に点灯状態中過剰になる成
分を含むイオン化物を充填するとともに点灯中放電を生
じる2個の電極を封入し、各電極は放電容器の端部によ
り小間隙を残して囲まれかつ該端部にガラスシールで気
密に封着されたピン状給電部材に連結し、前記端部は少
なくとも1部分の外径を放電容器の最大外径より小さく
してなる高圧放電ランプにおいて、前記ガラスシールは
前記小間隙内に電極の方向に、ランプ点灯中における放
電に面する該ガラスシールの表面の温度がイオン化充填
物の、過剰成分の蒸気圧を決定する部分の温度より少な
くとも50K低くなるような距離にわたってのみ延在さ
せた高圧放電ランプが記載されている。
【0005】なお、「ピン状給電部材」とは、200μ
m〜1.5mmの範囲内の直径を有する細い棒を意味す
る旨、定義されている。そして、実施形態として0.7
mmのニオブの棒が用いられている。
【0006】また、「小さな間隙」とは、少なくとも
0.01、大きくとも0.075mmの平均値を有する
間隙を意味する旨、定義されている。
【0007】従来技術1によれば、蒸気圧を高くして発
光の色温度および色点に関して良好な特性を有するとと
もに、ガラスシールの温度を低くして寿命の延長を図る
ことができる旨記載されている。
【0008】(従来技術2)特開平6−196131号
公報には、金属ハロゲン化物を含むイオン化可能な充填
物が封入され、かつ第1および第2電極が配置される放
電空所を囲むセラミック放電容器を備えており、この放
電容器が前記電極間に延在する中央区分の両側に、中央
区分に接続される第1および第2端部区分を備え、これ
らの各端部区分が各電極に接続した給電導体をわずかの
隙間をあけて囲み、前記給電導体が前記各端部区分を経
て外部に出る個所にセラミック封止用のコンパウンドの
シールを設け、少なくとも第1端部区分の外径を中央区
分の最少外径よりも小さくし、第1端部区分に通す給電
導体が放電空所に対向している耐ハロゲン化物部分と、
放電空所とは反対側に水素および酸素に対して透過性の
部分とを有している高圧放電ランプにおいて、前記給電
導体の耐ハロゲン化物部分が、少なくとも前記第1端部
区分の内径Dを2mmだけ増大させた距離L1にわたり
前記第1端部区分の内側に延在し、かつ第2端部区分に
通す給電導体も放電空所の方へ向いている耐ハロゲン化
物部分を有している高圧放電ランプが記載されている。
【0009】この従来技術2によれば、水素および酸素
に対して透過性の部分がいわゆるゲッターとして作用し
て、セラミック放電容器内に残留する不純ガスを排出さ
せることができる旨記載されている。また、水素および
酸素に対して透過性の部分に接続している耐ハロゲン化
物部分の第1端部区分内に延在する距離L1を第1端部
区分の内径D+2mm以上にすることにより、透過性の
部分がハロゲン化物および遊離ハロゲンに曝されても腐
食しない旨述べられている。そして、実施形態として透
過性の部分にニオブの棒が用いられている。
【0010】従来技術1および2においては、給電部材
のニオブが透光性セラミック放電容器の外部に露出して
いる。
【0011】ところが、ニオブは酸化しやすい金属なの
で、透光性セラミック放電容器を外管内に収納して用い
ればよいが、大気中では外管なしに点灯することができ
ない。封着性部分のニオブが点灯中の温度上昇によって
酸化すると、封着性部分が膨張、変形してセラミックス
コンパウンドのシールによる封止部がクラックを生じ
る。
【0012】(従来技術3)これに対して、本発明者
は、図15に示すように、外部リード線を白金によって
構成するようにした発明をなし、この発明は特願平8−
319653号として出願されている。
【0013】図15は、従来技術3を示す製造過程にお
ける要部拡大断面図である。
【0014】図において、1はセラミックス放電ランプ
すなわち高圧放電ランプ、2は気密容器すなわち透光性
セラミックス放電容器、3は栓体、4は放電空間、5は
電極、6は電気導入体、6aは電気導入体本体すなわち
給電導体の封着性部分、6bは電気導入体本体すなわち
給電導体の耐火性部分、6cは電気導入体本体すなわち
外部リード線、7は接着剤(フリットガラス)、7aは
一方のフリットガラスすなわち第1のシール、7bは他
方のフリットガラスすなわち溶融前のタブレット状をな
している第2のシール、8は微小空間すなわちわずかな
隙間、9はクロスワイヤ、10はワイヤ、11はセラミ
ックス部材すなわちセラミックスワッシャである。
【0015】気密容器すなわち透光性セラミックス放電
容器2は、透光性アルミナ、YAGなどからなる。
【0016】栓体3は、アルミナチューブからなる。
【0017】電極5は、タングステンからなる。
【0018】電気導入体6は、電気導入体6a、6b、
6cから構成されているが、そのうち電気導入体本体す
なわち給電導体の封着性部分6aおよび電気導入体本体
すなわち給電導体の耐火性部分6bは、いわゆる給電導
体を構成している。
【0019】封着性部分6aは、ニオブからなり、その
基端が透光性セラミックス放電容器2の端部から外部に
突出している。
【0020】耐火性部分6bは、白金からなり、その基
端が封着性部分6aの先端に接続されている。
【0021】一方、外部リード線6cは、白金からな
り、セラミックスワッシャ11内において、その先端が
封着性部分6aの基端に接続されている。
【0022】フリットガラスからなる接着剤7は、第1
のシール7aおよび第2のシール7bから構成されてい
る。
【0023】第1のシール7aは、組成がAl2O3−
SiO2−Dy2O3からなり、融点が1550℃程度
である。そして、第1のシール7aは、気密容器2、栓
体3、給電導体の主として封着性部分6aの間を封止し
ている。
【0024】これに対して、第2のシール7bは、組成
がAl2O3−SiO2−Nd2O3からなり、融点が
1300℃程度である。そして、第2のシール7bは、
セラミックス部材すなわちセラミックスワッシャ11の
内部において、封着性部分6aの基端および外部リード
線6cの先端を外部に露出しないように封止している。
【0025】そうして、従来技術3は、外部リード線6
cが白金からなるので、これを直接支持するなどによっ
て外管なしにセラミックス放電ランプすなわち高圧放電
ランプを大気中で点灯させることが可能である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術3
は、封止構造が複雑なことに加えて、外部リード線6c
および耐火性部分6bに白金を用いているので、高価な
白金の使用量が多くなりコストアップになる。
【0027】また、白金は、セラミックス封止用コンパ
ウンドとの濡れ性が悪く、さらに透光性セラミックス放
電容器との熱膨張係数の整合が悪く、高圧放電ランプを
長時間点灯すると、スローリークを生じる可能性がある
ため、信頼性の面で不利である。
【0028】透光性セラミックス放電容器を封止するシ
ールは、内部に封入する金属ハロゲン化物などのイオン
化媒体との反応性が低くて、点灯中の温度においてもリ
ークを生じない組成にする必要があり、このため第1の
シールには、融点の高いセラミックス封止用コンパウン
ドが用いられる。
【0029】また、外部リード線6cは、第1のシール
7aを形成した後に封着性部分6aの基端に接続する。
そして、第2のシール7bは、外部リード線6cを接続
した後に形成されるが、その融点が1300℃程度で第
1のシールの融点に対して250℃程度の差しかないた
め、ペレット状の第2のシール7bの加熱、溶融時に、
既に形成済みの第1のシール7aに歪が入りやすく、そ
の後クラックが発生する懸念がある。
【0030】本発明は、シール構造を改良することによ
り、外部リード線に高価な白金を用いなくても良好な封
止を備えた高圧放電ランプおよびこれを用いた照明装置
を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプは、放電空間を包囲する膨出部および膨出部の
両端に連通して配置され膨出部より内径が小さい小径筒
部を備えた透光性セラミックス放電容器と;少なくとも
封着性部分および封着性部分の先端に基端が接続されて
いる耐火性部分を備え、透光性セラミックス放電容器の
小径筒部内に挿入されて耐火性部分と小径筒部の内面と
の間にわずかな隙間を形成しながら延在するとともに、
封着性部分の基端が透光性セラミックス放電容器の小径
筒部から外部へ突出している給電導体と;先端が封着性
部分の基端に接続されて基端側が透光性放電容器の外部
に露出している外部リード線と;給電導体の耐火性部分
の先端に配設されて透光性セラミックス放電容器の膨出
部内に位置している電極と;透光性セラミックス放電容
器の小径筒部および給電導体の封着性部分の間を少なく
とも封着性部分が放電空間側へ露出しないように包囲し
て封止している第1のシールと;第1のシールより融点
が300℃以上低くて給電導体の封着性部分の基端が外
部空間に露出しないように封着性部分の基端および外部
リード線の先端を包囲して封止している第2のシール
と;透光性セラミックス放電容器内に封入されたイオン
化媒体と;を具備していることを特徴としている。
【0032】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0033】(透光性セラミックス放電容器について)
「透光性セラミックス放電容器」とは、単結晶の金属酸
化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸化物たとえ
ば半透明の気密性アルミニウム酸化物、イットリウム−
アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸
化物(YOX)と、多結晶非酸化物たとえばアルミニウ
ム窒化物(AlN)のような光透過性および耐熱性を備
えた材料からなる放電容器を意味する。なお、光透過性
とは、放電による発光を放電容器を透過して外部に導出
できる程度に透過すればよく、透明および光拡散性であ
ってもよい。
【0034】また、透光性セラミックス放電容器を製作
するには、中央の膨出部と膨出部の両端の小径筒部とを
最初から一体に形成することができる。さらに、たとえ
ば膨出部を形成する円筒と、円筒の両端面に嵌合して閉
鎖する一対の端板と、端板の中心孔に嵌合して小径筒部
を形成する小径筒体とを、それぞれ別に仮焼結して所要
に嵌合させて、焼結することにより、一体の放電容器を
形成することもできる。
【0035】さらに、透光性セラミックス放電容器の内
容積は制限されるものはないが、0.05cc以下好適
には0.04cc以下の小形のものにおいて特に効果的
である。このような小形の透光性セラミックス放電容器
は、その全長を30mm以下に形成することができる。
さらに、定格ランプ電力を20W以下にするのがよい。
【0036】(給電導体について)給電導体は、透光性
セラミックス放電容器の少なくとも一方の小径筒部に対
して用いられる。
【0037】「給電導体」とは、電源からバラスト手段
を介して電極間に電圧を印加して、高圧放電ランプを始
動し、電流を導入して点灯するために、機能するもので
あって、透光性セラミックス放電容器の小径筒部内に後
述する手段により気密に封止される。
【0038】「封着性部分」とは、後述する第1のシー
ルにより透光性セラミックス放電容器を、その小径筒部
と封着性部分との間で、または要すればさらにセラミッ
クスチューブをそれらの間に介在させて封止するのに適
した材料の部分であればよく、ニオブ、タンタル、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムおよびバナジウムなどを
用いることができる。透光性セラミックス放電容器の材
料にアルミニウム酸化物を用いる場合、ニオブおよびタ
ンタルは、平均熱膨張係数がアルミニウム酸化物とほぼ
同一であるから、封着性部分として好適である。イット
リウム酸化物およびYAGの場合も差が少ない。窒化ア
ルミニウムを透光性セラミックス放電容器に用いる場合
には、封着性部分にジルコニウムを用いるのがよい。
【0039】また、封着性部分は、無空の棒状や筒状を
なしていることが許容される。また、筒状をなす態様の
場合、完全なパイプだけでなく、封着性金属からなる肉
厚0.02〜0.5mm程度の薄い板を湾曲しただけで
形成されていて、合わせ目にわずかな隙間のある接合部
があるような構造をとり得る。このような封着性部分の
構成により、耐火性部分の基端を封着性部分の先端に挿
入した際にわずかな隙間によって両者が柔軟に馴染むの
で、同心での接続が確実になるとともに、第1のシール
との熱膨張係数の多少の相違により生じる応力を吸収で
き、良好な封止に寄与する。
【0040】さらに、封着性部分の基端は、透光性セラ
ミックス放電容器の小径筒部から外部に露出される。こ
れは高圧放電ランプ製造時に給電導体を透光性セラミッ
クス放電容器に対して所定の位置に規制するために好ま
しいからである。なお、必要に応じて小径筒部の端面へ
の係止部を成形により封着性部分の基端に突設すること
ができる。
【0041】「耐火性部分」とは、高圧放電ランプの作
動中の高温に十分耐える高い融点を備えるとともに、透
光性セラミックス放電容器内に存在するイオン化媒体に
対する耐腐食性を備えている導電性物質からなる部分で
あることを意味する。たとえば、タングステン、モリブ
デンまたはこれらを主成分とする合金、さらには白金な
どからなるが、単一種の金属だけでなく、上記の複数の
金属を接合して構成してもよい。
【0042】また、耐火性部分は、内部が充実した棒状
や肉厚10〜300μmの中空の筒状であってもよい。
小形たとえば定格消費電力が30W以下好ましくは20
W程度の高圧放電ランプにおいては、棒状の場合、0.
2mm以下の直径が適当している。また、筒状の場合、
肉厚10〜100μmが適当している。
【0043】さらに、筒状の場合、完全なパイプだけで
なく、薄板を湾曲してわずかな隙間のある接合部が形成
された筒状であってもよい。そして、耐火性部分の基端
には後述する第1のシールが接着するが、耐火性部分を
以上のように構成することにより、第1のシールの熱膨
張係数が明らかに小さくても、熱膨張差によって生じる
応力を耐火性部分が吸収する。
【0044】耐火性部分と小径筒部の内面との間には、
いわゆるキャピラリーと称されるわずかな隙間が形成さ
れる。このわずかな隙間の小径筒部の端部側の一部は第
1のシールによって埋められるが、残余の部分には余剰
のイオン化媒体が点灯中液相状態になって滞留する。そ
して、放電空間側の液面の温度が最冷部となるが、隙間
の幅寸法および長さならびにイオン化媒体の封入量を適
当に設定することにより、所望の最冷部温度にすること
ができる。
【0045】封着性部分と耐火性部分との間の接続は、
前もって焼き嵌め、溶接などにより行うことができる
が、要すれば封着性部分または耐火性部分が筒状である
場合に、その内部に耐火性部分の基端または封着性部分
の先端を挿入するだけでもよい。なぜなら、筒状の封着
性部分または耐火性部分に上記した接合部があると、給
電導体を透光性セラミックス放電容器の小径筒部内に挿
入して第1のシールを形成する封止工程で焼き嵌めが形
成されるからである。
【0046】(外部リード線について)外部リード線
は、給電導体の封着性部分の基端に接続されて透光性セ
ラミックス放電容器の外部に露出している。大気中で点
灯を可能にするために、外部リード線は耐酸化性の導電
体が用いられる。
【0047】また、外部リード線は、後述する第2のシ
ールが第1のシールより300℃以上融点が低いので、
白金より融点が低くて、熱膨張係数が第2のシールのそ
れに接近していて、しかも第2のシールに対する濡れ性
の良好な封着性金属を用いることができる。
【0048】さらに、外部リード線は、高圧放電ランプ
の製造を容易にするために、第1のシールによって透光
性セラミックス放電容器および給電導体を封止した後に
封着性部分の基端に接続することができる。しかし、要
すれば本発明においては、透光性セラミックス放電容器
および給電導体を封止する以前に外部リード線を封着性
部分に接続してもよい。
【0049】(電極について)電極は、給電導体の耐火
性部分の先端に配設されるとともに、透光性セラミック
ス放電容器の膨出部の内部に位置する。しかし、電極は
耐火性部分と別体に形成されているだけでなく、必要に
応じて給電導体の耐火性部分と一体に形成されているこ
と、たとえば耐火性部分の先端が直接電極として作用す
る構成や電極軸が直接封着性部分の先端に接続されてい
る構成などが許容される。その場合、交流点灯形におい
ては一対の電極を耐火性部分と一体に形成することがで
きるが、直流点灯形においては陰極は一体に形成しても
よいが、陽極は別に形成することができる。
【0050】また、電極を円筒体などの形状をなすタン
グステンなどの板材によって構成することができる。こ
れのより、電極の表面積が増大し、グロー・アーク転移
においてグロー放電モードでスパッタリングの割合を決
定する要因の一つである電極表面電流密度が低下し、こ
れに伴い陰極降下電圧が低下するので、スパッタリング
が軽減する。また、熱容量を小さくすることができるの
で、グロー・アーク転移時間が短縮し、さらにエッジ効
果により電子放射性能が向上して始動電圧が低下する。
【0051】(第1のシールについて)第1のシール
は、小径筒部の端面において封着性部分および透光性セ
ラミックス放電容器の小径筒部の間において少なくとも
封着性部分が透光性セラミックス放電容器内の放電空間
側に露出しないように封着性部分の先端を包囲して透光
性セラミックス放電容器を封止する。
【0052】また、第1のシールは、点灯中高温になる
透光性セラミックス放電容器を給電導体とともに封止す
るために、一般的に融点が1500℃以上で、熱膨張係
数が透光性セラミックスのそれに接近しているセラミッ
クス封止用コンパウンドからなる。そして、セラミック
ス封止用コンパウンドは、予め原料を成形して環状のペ
レットにされる。次に、このペレットを透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部の端部に載置してから、加熱溶
融してわずかな隙間内に進入させて固化させることによ
り、所定の位置に形成される。
【0053】第1のシールを所定の位置に形成するに
は、封止予定部を上にして透光性セラミックス放電容器
を固定し、封止予定の小径筒部の端部に固形のセラミッ
クス封止用コンパウンドを載置して加熱する。すると、
セラミックス封止用コンパウンドは、加熱により溶融し
て小径筒部と筒状封着性部分との間に進入し、さらに先
端が耐火性部分の中間部の所定位置まで進入したところ
で冷却する。第1のシールが固化して封着性部分が透光
性セラミックス放電容器内の放電空間側に露出しないよ
うに包囲するとともに、小径筒部および封着性部分の間
を気密に封止する。同時に、小径筒部および耐火性部分
の一部の間を気密に封止する。第のシールにより給電導
体は所定の位置に固着されるとともに、透光性セラミッ
クス放電容器は封止される。
【0054】さらに、小形の高圧放電ランプの場合、第
1のシールによって給電導体の耐火性部分を0.2〜3
mmに距離にわたって被覆することができる。耐火性部
分の被覆距離が0.2mm未満では点灯中に封着性部分
がイオン化媒体たとえばハロゲン化物よって腐食されや
すく、また3mmを超えると、クラックが発生しやすく
なくなる。
【0055】(第2のシールについて)第2のシール
は、その融点が第1のシールのそれより300℃以上低
いものが用いられる。この第2のシールは、給電導体の
封着性部分の透光性セラミックス放電容器の小径筒部か
ら外部へ突出している基端を外部に露出しないように包
囲して封止するために用いられるので、熱膨張係数が封
着性部分を構成する材料のそれに接近していることが好
ましい。
【0056】また、封着性部分の基端を包囲して封止す
るために、同時に封着性部分に接続している外部リード
線の先端をも包囲して封止する。
【0057】さらに、第2のシールによって封着性部分
の基端および外部リード線の先端を所望に包囲するため
に、要すればセラミックスワッシャで封止予定部の外側
を囲み、内部に第2のシールが充填されるように構成す
ることができる。
【0058】さらにまた、ナトリウムアマルガムをキセ
ノンなどの希ガスとともにイオン化媒体として用いるこ
とにより、高圧ナトリウム放電ランプ(いわゆる高圧ナ
トリウムランプ)を得ることができる。
【0059】(イオン化媒体について)イオン化媒体
は、特に限定されない。
【0060】イオン化媒体として、水銀および希ガスを
用いて高圧水銀蒸気放電ランプ(いわゆる水銀ランプ)
を得ることができる。
【0061】また、少なくとも発光金属を含む金属のハ
ロゲン化物を封入することにより、高圧メタルハライド
放電ランプ(いわゆるメタルハライドランプ)を得るこ
ともできる。この場合、さらに干渉媒体として水銀を適
当圧力の希ガスとともに適量封入することができる。な
お、金属ハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、よ
う素、臭素、塩素またはフッ素のいずれか一種または複
数種を用いることができる。発光金属の金属ハロゲン化
物は、発光色、平均演色評価数Raおよび発光効率など
について所望の発光特性を備えた放射を得るため、さら
には透光性セラミックス放電容器のサイズおよび入力電
力に応じて、既知の金属ハロゲン化物の中から任意所望
に選択することができる。たとえば、ナトリウムNa、
リチウムLi、スカンジウムSc、および希土類金属か
らなるグループの中から選択された一種または複数種の
ハロゲン化物を用いることができる。
【0062】さらに、高圧メタルハライド放電ランプに
おいて、水銀に代えて蒸気圧が比較的高くて可視光領域
における発光が少ないか、発光しない金属たとえばアル
ミニウムなどのハロゲン化物を封入することもできる。
希ガスとしては、アルゴン、キセノン、ネオンなどを用
いることができる。
【0063】(その他の構成について)透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部の内面と給電導体との間に形成
されるわずかな隙間の幅寸法は、本発明において特段制
限されないが、比較的小形の高圧放電ランプすなわち透
光性セラミックス放電容器の内容積が0.1cc以下、
好適には0.05cc以下およびまたは定格消費電力が
20W以下の場合には、0.21mm以上であることが
好ましい。
【0064】本発明者らの研究によると、小形の高圧放
電ランプにおいては、従来技術を比例的に縮小して適用
しても、良好なものを得ることができないことが分かっ
た。すなわち、ランプ電力が小さくなった場合、発光効
率を確保するためには、適正な最冷部温度を確保する必
要があり、これには透光性セラミックス放電容器全体の
熱容量の減少が不可欠である。この際、ランプ電力が比
較的大きい場合の考え方で、透光性セラミックス放電容
器の形状および電極寸法などを単純に比例的に減少させ
ると、点灯後短時間で封止部分にリークが発生する。こ
れは、透光性セラミックス放電容器を小さくすると、放
電プラズマを始めとする発熱体からの封止部分への熱伝
達形態、すなわち熱伝導、対流、輻射のバランスが崩れ
るからであると考えられる。
【0065】(本発明の作用について)本発明の高圧放
電ランプは、透光性セラミックス放電容器と給電導体と
を第1のシールによって封止するので、第1のシールを
融点が高いセラミックス封止用コンパウンドを用いるこ
とにより、点灯中高温になる封着を良好に行うことがで
きる。
【0066】また、給電導体の透光性セラミックス放電
容器の小径筒部から外部に突出する封着性部分の基端
を、外部リード線の接続部である先端とともに、第1の
シールより融点が300℃以上低い第2のシールで包囲
して外部に露出しないように封止するので、高圧放電ラ
ンプを外管に収納することなく大気中で点灯することが
できる。しかも、相対的に低い温度で第2のシールが溶
融するので、第2のシールの加熱溶融時に第1のシール
に歪が生じにくい。このため、第1のシールにクラック
が発生しにくくなる。
【0067】さらに、第2のシールの融点が第1のシー
ルより300℃以上低いので、白金より融点が低くく
て、かなり安価な封着性金属を外部リード線に用いるこ
とが可能になる。このため、高圧放電ランプをコストダ
ウンすることができる。
【0068】請求項2の発明の高圧放電ランプは、請求
項1記載の高圧放電ランプにおいて、第2のシールは、
融点が第1のシールのそれより400℃以上低いことを
特徴としている。
【0069】本発明は、第2のシールの好適な融点範囲
を規定している。すなわち、第1のシールより融点が4
00℃以上低ければ、第2のシールの加熱溶融時に第1
のシールに歪が一層生じにくくなり、したがって第2の
シールによる封止作業が容易になる。
【0070】請求項3の発明の高圧放電ランプは、放電
空間を包囲する膨出部および膨出部の両端に連通して配
置され膨出部より内径が小さい小径筒部を備えた透光性
セラミックス放電容器と;少なくとも封着性部分および
封着性部分の先端に基端が接続されている耐火性部分を
備え、透光性セラミックス放電容器の小径筒部内に挿入
されて耐火性部分と小径筒部の内面との間にわずかな隙
間を形成しながら延在するとともに、封着性部分の基端
が透光性セラミックス放電容器の小径筒部から外部へ突
出している給電導体と;先端が封着性部分の基端に接続
されて基端側が透光性放電容器の外部に露出している外
部リード線と;給電導体の耐火性部分の先端に配設され
て透光性セラミックス放電容器の膨出部内に位置してい
る電極と;透光性セラミックス放電容器の小径筒部およ
び給電導体の封着性部分の間を少なくとも封着性部分が
放電空間側へ露出しないように包囲して封止している第
1のシールと;Si、B、Pb、Na、Ba、Zn、C
aおよびMgのグループから選択された少なくとも三種
以上の元素の酸化物を主催分として含んで構成され、給
電導体の封着性部分の基端が外部空間に露出しないよう
に封着性部分の基端および外部リード線の先端を包囲し
て封止している第2のシールと;透光性セラミックス放
電容器内に封入されたイオン化媒体と;を具備している
ことを特徴としている。
【0071】本発明は、第2のシールの構成材料の元素
を特定のものに規定している。すなわち、第2のシール
がSi、B、Pb、Na、Ba、Zn、CaおよびMg
のグループから選択された少なくとも三種以上の元素の
酸化物を含んで構成されていることにより、融点が低く
て、熱膨張係数が給電導体の封着性部分の熱膨張係数と
接近しているシールを容易に得ることができる。このた
め、外部リード線についても、融点が低い封着性金属を
用いることができる。
【0072】第2のシールの組成例、融点および熱膨張
係数は表1に示すとおりである。なお、いずれも日本電
気ガラス工業(株)製の製品である。
【0073】
【表1】 No. カ゛ラスコート゛ 組成 融点 熱膨張係数 ℃ ×10−6/℃ 1 GA-1 PbO-B2O3-SiO2 788 6 2 GA-4 Na2O-B2O3-SiO2 767 6.3 3 GA-8 PbO-B2O3-SiO2 557 8.1 4 GA-9 PbO-B2O3-SiO2 - 9 5 GAー11 PbO-BaO-SiON2 - 8.8 6 GA-12 Na2O-B2O3-ZnO 687 7.3 7 GA-13 CaO-BaO-SiO2 1045 6.6 8 GA-44 MgO-B2O3-SiO2 850 11.7 9 GA-60 MgO-B2O3-SiO2 850 9.6 請求項4の発明の高圧放電ランプは、請求項1ないし3
のいずれか一記載の高圧放電ランプにおいて、第2のシ
ールは、熱膨張係数が6×10−6/℃〜12×10−
6/℃で、かつ融点が1200℃以下であることを特徴
としている。
【0074】本発明は、第2のシールの好ましい熱膨張
係数および融点の範囲を規定している。
【0075】請求項5の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、外部リード線は、封着性合金からなることを特徴と
している。
【0076】本発明において、「封着性合金」とは、第
2のシールに対する濡れ性が良好で、かつ熱膨張係数が
許容範囲にある合金をいう。
【0077】また、外部リード線が合金であると、一般
に複数の金属の性質を合わせ持ったものを得やすくなる
ので、所望の封着性を備えた外部リード線が得られる。
【0078】請求項6の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、外部リード線は、FeおよびNiを含む封着性合金
からなることを特徴とする。
【0079】本発明は、封着性合金の好適な組成金属の
少なくとも一部を規定している。
【0080】すなわち、FeおよびNiを含む合金は、
安価で、しかも封着性に優れている封着性合金を得るこ
とができる。たとえば、Fe−Ni−Co合金、Fe−
Ni−Cr合金などである。
【0081】請求項7の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、外部リード線は、少なくとも一端側において透光性
セラミックス放電容器の軸と交差して封着性部分に接続
していることを特徴としている。
【0082】従来の透光性セラミックス放電容器を備え
た高圧放電ランプを外管に収納しないで直接大気中で点
灯する場合においては、外部リード線の先端の端面と、
給電導体の封着性部分の基端の端面とを突き合わせて接
続している。したがって、外部リード線は高圧放電ラン
プの軸と同一方向に延在している。
【0083】ところが、高圧放電ランプをたとえば反射
鏡に配設するに際して、少なくとも一端側の外部リード
線を透光性セラミックス放電容器の軸に対して直角方向
に延在させたい場合がある。このようなときには、外部
リード線を折曲して直角方向に延在させて対応してい
る。
【0084】したがって、従来の高圧放電ランプにおい
ては、外部リード線を折曲する際に湾曲するので、高圧
放電ランプの軸方向に外部リード線の湾曲によるデッド
スペースが生じてしまい照明装置の小形化を阻害すると
いう問題があった。
【0085】これに対して、本発明は少なくとも一端側
の外部リード線を透光性セラミックス放電容器の軸に対
して交差して接続しているので、外部リード線を湾曲さ
せる必要がないから、デッドスペースが生じることがな
い。
【0086】高圧放電ランプの一対の外部リード線は、
その両方を透光性セラミックス放電容器の軸に対して交
差して接続してもよいし、いずれか一方のみを交差して
接続してもよい。前者の構成は、たとえば反射鏡に高圧
放電ランプを透光性セラミックス放電容器の軸を反射鏡
の光軸と直交して配設する場合に効果的である。また、
後者の構成は、たとえば反射鏡に高圧放電ランプを透光
性セラミックス放電ランプの軸を反射鏡の光軸と同軸に
して配設する場合の反射鏡の投光開口側の外部リード線
に効果的である。
【0087】また、外部リード線の透光性セラミックス
放電容器の軸に対する交差の角度は、一般的には90゜
すなわち直角であるが、要すればこれ以外の所望の角度
であることを許容する。
【0088】請求項8の発明の高圧放電ランプは、請求
項7記載の高圧放電ランプにおいて、軸方向に形成され
た軸孔および軸孔から外周面に達する貫通部を備えると
ともに、軸孔内に給電導体の封着性部分の基端が位置す
るように透光性セラミックス放電容器の小径筒部の端面
に近接して配設されたセラミックスワッシャを具備して
おり;外部リード線は、セラミックスワッシャの貫通部
内に挿入されて軸孔内で封着性部分に接続してしてい
る;ことを特徴としている。
【0089】本発明は、給電導体の封着性部分の透光性
セラミックス放電容器の小径筒部から外部に突出してい
る基端を第2のシールによって包囲して封止するととも
に、外部リード線を透光性セラミックス放電容器の軸に
対して交差して封着性部分の基端に接続する場合の好適
な構成を規定している。
【0090】すなわち、セラミックスワッシャによって
封着性部分の基端を包囲し、その軸孔の上にペレット状
に成形した第2のシールを載置して加熱溶融すると、溶
融状態の第2のシールがセラミックスワッシャの軸孔内
に流下して封着性部分の外部に突出している基端を外部
リード線の先端とともに包囲する。第2のシールは、セ
ラミックスワッシャの軸孔内で冷却して固化することに
より、封着性部分を外部に露出しないよに封止する。な
お、第2のシールの一部は、透光性セラミックス放電容
器の外部に露出している第1のシールの表面に接触して
相互拡散により、両者は気密に密着する。
【0091】ところで、セラミックスワッシャの貫通部
は、外部リード線を給電導体の封着性部分に接続してい
る外部リード線をセラミックスワッシャの軸孔からセラ
ミックスワッシャの外部へ導出するための手段である。
この貫通部は、たとえばセラミックスワッシャの側面と
軸孔とを連通する放射状に形成された貫通孔により形成
することができる。また、貫通部は、セラミックスワッ
シャを軸孔および側面の間にわたるスリットによって形
成することもできる。
【0092】セラミックスワッシャの貫通部が、前者の
構成の場合、外部リード線は、貫通孔内に挿入してか
ら、軸孔の内部において給電導体の封着性部分に接続す
ればよい。
【0093】これに対して、貫通部がスリットによって
構成されている場合、外部リード線を封着性部分に接続
してから、セラミックスワッシャを装着することができ
る。
【0094】請求項9の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし8のい
ずれか一記載の高圧放電ランプと;を具備していること
を特徴としている。
【0095】本発明において、照明装置は、高圧放電ラ
ンプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を含む
概念であり、たとえば照明器具、移動体用ヘッドライ
ト、光ファイバー用光源、画像投射装置、光化学装置、
指紋判別装置などに適用することができる。なお、照明
装置本体とは、上記照明装置から高圧放電ランプを除い
た残余の部分をいう。
【0096】ところで、高圧放電ランプを点灯するのに
放電ランプ点灯装置を用いることは周知であるが、放電
ランプ点灯装置としては、インバータを用いた高周波点
灯回路および限流手段を備える構成のものが小形化およ
び軽量化の点で好ましい。しかし、要すれば低周波交流
を直接限流手段を介して高圧放電ランプに印加する構成
であってもよい。この場合の限流手段はインダクタ、抵
抗器またはコンデンサを用いることができる。
【0097】さらに、本発明は、高圧放電ランプを反射
鏡の内部に配設し、反射鏡の背面に放電ランプ点灯装置
を配設するとともに、放電ランプ点灯装置の背面に受電
手段を配設してなる照明装置すなわち電球形高圧放電ラ
ンプであってもよい。この場合、放電ランプ点灯装置を
適当なケースに収納することにより、外観を良好に整え
ることができるとともに、取扱いが容易で、しかも安全
にすることができる。なお、受電手段としては、放電ラ
ンプ点灯装置に電源を供給するために、電源から受電す
るものである。受電手段として電源に導線を接続する態
様、周知の口金または引掛シーリングキャップ構造を備
えていて、電源側のランプソケットまたは引掛シーリン
グボディに装着する態様などを適宜選択して採用するこ
とができる。
【0098】そうして、上記照明装置は、後者の受電手
段の態様を採用することにより、一般の白熱電球用のラ
ンプソケットまたは引掛シーリングボディに装着するだ
けで白熱電球と同様の感覚で高圧放電ランプを点灯する
ことができる。
【0099】電球形蛍光ランプは、上記と同様の感覚で
用いられるようになったが、指向性を要求される照明目
的には適していない。
【0100】これに対して、上記の照明装置において
は、発光部が理想点光源に近いので、反射鏡によって所
望の指向性のある配光を得ることができる。
【0101】また、高圧放電ランプの点灯により、発熱
による温度上昇が懸念されるが、反射鏡によって熱が放
電ランプ点灯装置側に輻射されるのを軽減できるので、
電球形蛍光ランプ用の放電ランプ点灯装置を流用するこ
とも可能になる。
【0102】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0103】図1は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態を示す一部切欠正面図である。
【0104】図2は、同じく上端部のみを封止した状態
の一部切欠縦断面図である。
【0105】各図において、SEは透光性セラミックス
放電容器、FCは給電導体、ORは外部リード線、Eは
電極、S1は第1のシール、SWはセラミックスワッシ
ャ、S2は第2のシールである。
【0106】透光性セラミックス放電容器SEは、YA
Gからなり、膨出部SEaおよび小径筒部SEb、SE
bを備えている。膨出部SEaの最大外径は約5.5m
m、小径筒部SEbの外径は1.7mm、全長30m
m、内容積は0.03ccである。
【0107】膨出部SEaは、両端が連続的な曲面によ
って絞られている中空のほぼ楕円球状をなしている。
【0108】小径筒部SEbは、膨出部SEaと連続し
た曲面によってつながり一体成形によって透光性セラミ
ックス放電容器SEを形成している。
【0109】給電導体FCは、封着性部分FCaおよび
耐火性部分FCbからなる。
【0110】封着性部分FCaは、直径0.68mm、
全長3.5mmのニオブからなり、基端を透光性セラミ
ックス放電容器SEから外部に突出させて小径筒部内に
挿入され、後述する第1のシールS1によって封止され
ることにより、透光性セラミックス放電容器SEに支持
される。
【0111】耐火性部分FCbは、直径0.2mmのモ
リブデン棒からなり、封着性部分FCaの先端に溶接に
より接続されている。
【0112】そうして、透光性セラミックス放電容器S
Eの小径筒部SEbの内面と、耐火性部分FCbの外面
との間には、わずかな隙間gが形成される。
【0113】外部リード線ORは、Fe−Ni−Co合
金からなり、その先端が封着性部分FCaの基端に接続
されている。
【0114】電極Eは、肉厚約50μmのタングステン
の薄板を内径0.29mm、長さ1.2mmの円筒に湾
曲して、軸方向に平均約2μmのわずかな隙間を有する
接合線jlを備えた円筒状をなし、給電導体FCの耐火
性部分FCbの先端に嵌合により接続している。
【0115】第1のシールS1は、Al2O3−SiO
2−Dy2O3系のセラミックス封止用コンパウンドす
なわちフリットガラスからなり、融点が1550℃であ
る。第1のシールS1は、透光性セラミックス放電容器
SEの小径筒部SEbと封着性部分FCaおよび耐火性
部分FCbの基端との間に形成されたわずかな隙間内に
進入させることにより、透光性セラミックス放電容器S
Eを封止するとともに、給電導体FCを所定の位置に支
持している。
【0116】セラミックスワッシャSWは、アルミナセ
ラミックスからなり、外径が小径筒部SEbと同一で、
中心に軸孔SWaを備えている。セラミックスワッシャ
SWは、小径筒部の端面に配設され、軸孔SWaの内部
に封着性部分FCbの基端およびこれに接続された外部
リード線ORの先端が収納される。
【0117】第2のシールS2は、CaO−BaO−S
iO2系の結合用ガラスすなわちフリットガラスからな
り、融点は1045℃である。第2のシールS2は、セ
ラミックスワッシャSWの軸孔SWaの内部において封
着性部分FCbの基端および外部リード線ORの先端の
接続部を包囲して、これらが外部に露出しないように封
止している。
【0118】ところで、第1のシールS1を形成するに
は、透光性セラミックス放電容器SEの封止予定部を上
にして固定し、ドーナッツ形のペレット状に成形したセ
ラミックス封止用コンパウンドを小径筒部SEbの端面
において、小径筒部SEbの端面から外部に突出してい
る封着性部分FCbの基端の周囲に施与し、加熱溶融さ
せると、溶融状態のセラミックス封止用コンパウンドが
封着性部分2aおよび小径筒部1bの内面の間の隙間に
流入して、小径筒部1b内に挿入されている封着性部分
2aの全体を被覆するとともに、さらに耐火性分FCb
の基端の周囲まで流下した位置で冷却する。加熱には、
高周波加熱、レーザ加熱または赤外線加熱などにより行
うことができる。
【0119】イオン化媒体として、NaI、InI、T
lI、DyI3および水銀を適量セラミックス放電容器
1内に封入し、さらにアルゴンガスを約13300Pa
封入した。
【0120】得られた高圧放電ランプは、定格ランプ電
力20Wのメタルハライド放電ランプである。
【0121】図3は、本発明の高圧放電ランプの第2の
実施形態における上端部のみを封止した状態を示す一部
切欠縦断面図である。
【0122】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0123】本実施形態は、給電導体FCの耐火正部分
FCbが筒状をなしているとともに、耐火性部分の先端
が一体の電極Eを構成している点で異なる。
【0124】すなわち、耐火性部分FCbは、内径0.
29mm、肉厚約50nm、全長8mmのタングステン
製の中空パイプからなり、その先端は、透光製セラミッ
クス放電容器SEの膨出部SEa内に位置して電極Eと
して作用する。この中空パイプは、タングステンの薄板
を湾曲して平均約20μmのわずかな隙間のある接合線
jlを長手方向に沿って備えている。
【0125】電極Eとして作用する部分には、タングス
テンの細線Eaを巻き付けており、これにより放熱面積
を大きくして電極Eの温度低下を図っている。
【0126】図4は、本発明の高圧放電ランプの第3の
実施形態における上端部のみを封止した状態を示す一部
切欠縦断面図である。
【0127】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0128】本実施形態は、給電導体FCの封着性部分
FCa、耐火性部分FCbおよび電極Eが異なる。
【0129】すなわち、封着性部分FCaは、長さ3.
5mmのニオブの薄板を湾曲して、接合線jlに平均2
μmのわずかな隙間のある外径0.68mm、内径0.
29mmの筒状部FCa1と、筒状部FCa1の上端に
先端を挿入し、基端を小径筒部SEbの端面から外部に
突出させた外径0.29mm、長さ1mmのニオブの棒
FCa2とから構成されている。そして、ニオブの棒F
Ca2の基端は、小径筒部SEbの端面から外部に突出
する封着性部分FCaの基端を構成している。
【0130】耐火性部分FCbは、基端が封着性部分F
Caの筒状部FCa1の先端に挿入された直径0.29
mm、長さ2mmのモリブデン棒FCb1と、モリブデ
ン棒FCb1の先端に基端を挿入した内径0.29m
m、肉厚約50nm、長さ7mmのタングステン製の中
空パイプFCb2とから構成されている。
【0131】電極Eは、耐火性部分FCbの先端部分に
よって構成されている。
【0132】図5は、本発明の高圧放電ランプの第4の
実施形態を示す一部切欠正面図である。
【0133】図6は、図8の(c)工程におけるVI−V
I'線に沿う拡大断面図である。
【0134】図7は、本発明の高圧放電ランプの第4の
実施形態におけるセラミックスワッシャを示す拡大斜視
図である。
【0135】図8は、同じく封止工程を説明する要部拡
大断面図である。
【0136】各図において、図2と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0137】本実施形態は、外部リード線ORの先端を
透光性セラミックス放電容器SEの軸に対して直角にな
るよう封着性部分FCaの基端に接続した点で異なる。
【0138】すなわち、図5に示すように、外部リード
線ORは、セラミックスワッシャSWの側面から透光性
セラミックス放電容器SEの軸に対して直角方向に導出
されている。
【0139】セラミックスワッシャSWは、アルミナセ
ラミックスからなり、図8に示すように、一端が側面に
開口し、他端が軸孔の側面に開口する透孔からなる貫通
部SWbを備えている。
【0140】封着性部分FCaに基端には、予め成形に
よって周囲に突出する係止突部FCa1および偏平部F
Ca2が形成されている。
【0141】また、外部リード線ORの先端には、予め
成形により偏平部ORaが形成されている。
【0142】次に、封止工程を図8を参照して説明す
る。 (1)第1のシールS1による封止工程 図8の(a)に示すように、まず第1のシールS1によ
り透光性セラミックス放電容器SEおよび給電導体FC
を封止する。給電導体FCの封着性部分FCaの係止突
部FCa1は、小径筒部SEbの端面に係止して、給電
導体FCの透光性セラミックス放電容器SEに対する挿
入位置を規制する。
【0143】第1のシールS1は、固形のドーナッツ状
をなすペレットを封着性部分FCaの基端の周囲に配置
して、これを加熱溶融して図8の(b)に示すように封
止する。
【0144】そうして、第1のシールS1は、封着性部
分FCaの先端が放電空間内に露出しないように耐火性
部分FCbの基端まで被覆する。小径筒部SEbの外部
側は、第1のシールS1が一部残留して係止突部FCa
1の周辺を包囲するが、封着性部分FCの偏平部FCa
2の殆どの部分は露出したままである。 (2)第2のシールS2による封止工程 図8の(c)に示すように、封着性部分FCaの基端に
セラミックスワッシャSWを装着し、貫通部SWbから
外部リード線ORの先端を挿入して、その偏平部ORa
を封着性部分FCaの基端の偏平部FCa2に合わせて
両者を接続する。
【0145】次に、図8の(c)に示すように、第2の
シールS2の固形のペレットをセラミックスワッシャS
Wの上に載置して加熱溶融する。
【0146】そうして、溶融した第2のシールS2は、
セラミックスワッシャSWの軸孔SWa内に流下して封
着性部分FCaの基端の偏平部FCa2および外部リー
ド線ORの偏平部ORaの接続部を包囲し、一部はさら
に流下して第1のシールS1の外表面まで達し、セラミ
ックスワッシャSWの下面に形成された隙間に充填され
るとともに、貫通部SWb内の隙間にも充填される。
【0147】図9は、本発明の高圧放電ランプの第5の
実施形態を示す要部拡大断面図である。
【0148】図10は、同じく第2のシールを形成する
前の状態における端部の平面図である。
【0149】図11は、同じくセラミックスワッシャの
斜視図である。
【0150】各図において、図8と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0151】本実施形態は、セラミックスワッシャSW
の貫通部SWbがスリット状をなしている点で異なる。
【0152】すなわち、セラミックスワッシャSWの貫
通部SWbがスリット状をないしているため、第1のシ
ールS1によって透光性セラミックス放電容器SEを封
止した後、封着性部分FCbの基端に外部リード線OR
を接続してから、セラミックスワッシャSWの貫通部S
Wbを外部リード線ORに合わせて封着性部分FCbの
基端に装着することができる。そして、最後に第2のシ
ールS2のペレットを施与し、加熱溶融して封止すれば
よい。
【0153】図12は、本発明の高圧放電ランプの第6
の実施形態における上端部のみを封止した状態を示す一
部切欠縦断面図である。
【0154】図において、図8と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0155】本実施形態は、小径筒部SEbの端面およ
びセラミックスワッシャSWの間から外部リード線OR
を導出した点で異なる。
【0156】すなわち、第1のシールS1を形成した後
に外部リード線ORを透光性セラミックス放電容器SE
の軸に直角に接続し、その上からセラミックスワッシャ
SWを封着性部分FCbの基端に装着し、さらにその上
から第2のシールS2のペレットを施与して、加熱溶融
して第2のシールS2を形成する。
【0157】図13は、本発明の照明装置の一実施形態
としての電球形高圧放電ランプを示す中央断面正面図で
ある。
【0158】図14は、同じく縦断面図である。
【0159】各図において、HDは高圧放電ランプ、L
Pは発光部、OCは点灯回路、CPはケース部である。
【0160】<高圧放電ランプHDについて>高圧放電
ランプHDは、図5に示すのと同様構造である。
【0161】<発光部LPについて>発光部LPは、反
射鏡11、前面保護板12、支持台13および外側保護
手段14を備えている。
【0162】反射鏡11は、基体11a、反射面11
b、挿通孔11cおよび支持部11dからなる。
【0163】基体11aは、ガラスなどの耐火性物質を
成形して凹形をなし、内面に回転放物面を形成してい
る。
【0164】反射面11bは、基体11aの内面の回転
放物面の上にアルミニウムを蒸着して形成されている。
【0165】挿通孔11cは、反射鏡11の焦点位置に
おいて反射鏡の光軸と直角な直線を中心として反射鏡1
1の両側面に形成されており、高圧放電ランプHDの透
光性セラミックス放電容器SEの小径筒部SEbの端部
近傍が挿通するためのものである。
【0166】高圧放電ランプHDは、反射鏡11にその
焦点が電極間に位置するように配設される。この状態で
高圧放電ランプHDの両端の小径筒部SEb、SEbお
よび外部リード線ORが挿通孔11cを貫通して反射鏡
11の外側に露出する。
【0167】支持部11dは、基体11aの背面に一体
成形されていて、反射鏡11を支持する際に用いられ
る。
【0168】前面保護板12は、透光性耐熱部材からな
り、反射鏡11の投光開口に耐熱性接着剤によって接着
されて、投光開口を閉塞している。
【0169】支持台13は、耐熱性合成樹脂などの耐熱
性物質からなり、盤状をなしているとともに、前面中央
に反射鏡11の支持部11dを受け入れる支持溝13a
および一対の導体挿通孔13b、13bを備えている。
そして、支持溝13aに嵌合された反射鏡11の支持部
11dは、無機接着剤Bによって固着される。
【0170】外側保護手段14は、耐熱物質からなり、
支持台13の外周から一体に起立して筒状に形成されて
いる。そして、外側保護手段14は、反射鏡11および
高圧放電ランプHDの外側への露出部を包囲して保護す
る。
【0171】高圧放電ランプHDの外部リード線OR
は、支持台13の導体挿通孔13bを貫通して支持台1
3の裏側へ導出されている。
【0172】<点灯回路OCについて>点灯回路OC
は、発光部LPの背面側に配設され、その入力端は後述
する受電手段に接続し、出力端は高圧放電ランプHDの
外部リード線ORに接続している。
【0173】また、点灯回路OCは、配線基盤21に実
装された高周波インバータを主体として構成されてい
る。
【0174】<ケース部CPについて>ケース部CP
は、ケース31および受電手段32からなる。
【0175】ケース31は、耐熱性合成樹脂などの耐熱
物質を筒状に成形して形成され、下端に支持台13によ
り閉塞される開口31a、上端に受電手段装着部31b
を備えている。また、ケース31の内部には、点灯回路
OCを収納するとともに、これを定置している。
【0176】受電手段32は、E26形の口金からな
り、ケース31の受電手段装着部31bに装着されてい
る。
【0177】
【発明の効果】請求項1および2の発明によれば、透光
性セラミックス放電容器の膨出部に連通して配置された
小径筒部内に導入される給電導体を封着性部分および封
着性部分の先端に接続された耐火性部分によって構成
し、小径筒部および給電導体の封着性部分の間を封着性
部分が少なくとも放電空間側へ露出しないように第1の
シールによって包囲して封止するとともに、小径筒部の
端部から外部に突出した封着性部分の基端に外部リード
線を接続して、封着性部分の基端および外部リード線の
接続部を第1のシールより融点が300℃以上低い第2
のシールで包囲して外部に露出しないように封止したこ
とにより、第2のシールによる封止工程において第1の
シールに歪を生じないので、クラックが発生しにくいと
ともに、白金より融点が低くて安価な封着性金属で外部
リード線を構成してコストダウンを図った高圧放電ラン
プを提供することができる。
【0178】請求項2の発明によれば、加えて第2のシ
ールの融点が第1のシールより400℃以上低いことに
より、第2のシールによる封止工程において、第1のシ
ールに一層歪が生じにくい高圧放電ランプを提供するこ
とができる。
【0179】請求項3の発明によれば、第2のシールが
Si、B、Pb、Na、Ba、Zn、CaおよびMgの
グループから選択された少なくとも三種以上の元素の酸
化物を主成分として含んで構成されていることにより、
融点が低くて熱膨張係数が給電導体の封着性部分のそれ
に接近しているシールを容易に得るとともに、白金より
融点が低くて安価な封着性金属を外部リード線に採用可
能にした高圧放電ランプを提供することができる。
【0180】請求項4の発明によれば、加えて第2のシ
ールが熱膨張係数が6×10−6/℃〜12×10−6
/℃で、かつ融点が1200℃以下であることにより、
加熱溶融時に第1のシールに歪が生じにくい好適な第2
のシールによる封止をした高圧放電ランプを提供するこ
とができる。
【0181】請求項5の発明によれば、加えて外部リー
ド線が封着性合金からなることにより、外部リード線が
所望の封着性を備えるとともに、安価な高圧放電ランプ
を提供することができる。
【0182】請求項6の発明によれば、加えて外部リー
ド線がFeおよびNiを含む封着性合金からなることに
より、安価で、しかも封着性に優れた高圧放電ランプを
提供することができる。
【0183】請求項7の発明によれば、加えて少なくと
も一端側において外部リード線が透光性セラミックス放
電容器の軸と交差して封着性部分に接続していることに
より、外部リード線を湾曲させる必要がなくて、しかも
デッドスペースが生じない高圧放電ランプを提供するこ
とができる。
【0184】請求項8の発明によれば、透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部の端面に近接して配設するセラ
ミックスワッシャに軸孔から外周面に達する貫通部を形
成して、その貫通部内に外部リード線が挿入されて封着
性部分の基端に接続していることにより、外部リード線
を透光性セラミックス放電容器の軸に対して交差して接
続するのに好適な高圧放電ランプを提供することができ
る。
【0185】請求項9の発明によれば、請求項1ないし
8の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態を示
す一部切欠正面図
【図2】同じく上端部のみを封止した状態を示す一部切
欠縦断面図
【図3】本発明の高圧放電ランプの第2の実施形態にお
ける上端部のみを封止した状態を示す一部切欠縦断面図
【図4】本発明の高圧放電ランプの第3の実施形態にお
ける上端部のみを封止した状態を示す一部切欠縦断面図
【図5】本発明の高圧放電ランプの第4の実施形態を示
す一部切欠正面図
【図6】図8の(c)工程におけるVI−VI'線に沿う拡
大断面図
【図7】本発明の高圧放電ランプの第4の実施形態にお
けるセラミックスワッシャを示す拡大斜視図
【図8】同じく封止工程を説明する要部拡大断面図
【図9】本発明の高圧放電ランプの第5の実施形態を示
す要部拡大断面図
【図10】同じく第2のシールを形成する前の状態にお
ける端部の平面図
【図11】同じくセラミックスワッシャの斜視図
【図12】本発明の高圧放電ランプの第6の実施形態に
おける上端部のみを封止した状態を示す一部切欠縦断面
【図13】本発明の照明装置の一実施形態としての電球
形高圧放電ランプを示す正面図
【図14】同じく縦断面図
【図15】従来技術3を示す製造過程における要部拡大
断面図
【符号の説明】
SE…透光性セラミックス放電容器 SEa…膨出部 SEb…小径筒部 FC…給電導体 FCa…封着性部分 FCa1…基端 FCb…耐火性部分 FCb1…接合線 E…電極 Ea3…接合線 S1…第1のシール SW…セラミックスワッシャ SWa…軸孔 S2…第2のシール OR…外部リード線 g…わずかな隙間
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月11日(1999.3.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【書類名】明細書
【発明の名称】高圧放電ランプおよび照明装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光性セラミックス
からなる放電容器を備えた高圧放電ランプおよびこれを
用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の石英ガラス放電容器に比較
して、長寿命、高効率の利点を有する透光性セラミック
ス放電容器を備えた高圧放電ランプが開発され、広く普
及しつつある。
【0003】以下、従来のこの種高圧放電ランプについ
て従来技術1ないし3を参照して説明する。
【0004】(従来技術1)特公平3−1777号公報
には、セラミック放電容器内に点灯状態中過剰になる成
分を含むイオン化物を充填するとともに点灯中放電を生
じる2個の電極を封入し、各電極は放電容器の端部によ
り小間隙を残して囲まれかつ該端部にガラスシールで気
密に封着されたピン状給電部材に連結し、前記端部は少
なくとも1部分の外径を放電容器の最大外径より小さく
してなる高圧放電ランプにおいて、前記ガラスシールは
前記小間隙内に電極の方向に、ランプ点灯中における放
電に面する該ガラスシールの表面の温度がイオン化充填
物の、過剰成分の蒸気圧を決定する部分の温度より少な
くとも50K低くなるような距離にわたってのみ延在さ
せた高圧放電ランプが記載されている。
【0005】なお、「ピン状給電部材」とは、200μ
m〜1.5mmの範囲内の直径を有する細い棒を意味す
る旨、定義されている。そして、実施形態として0.7
mmのニオブの棒が用いられている。
【0006】また、「小さな間隙」とは、少なくとも
0.01、大きくとも0.075mmの平均値を有する
間隙を意味する旨、定義されている。
【0007】従来技術1によれば、蒸気圧を高くして発
光の色温度および色点に関して良好な特性を有するとと
もに、ガラスシールの温度を低くして寿命の延長を図る
ことができる旨記載されている。
【0008】(従来技術2)特開平6−196131号
公報には、金属ハロゲン化物を含むイオン化可能な充填
物が封入され、かつ第1および第2電極が配置される放
電空所を囲むセラミック放電容器を備えており、この放
電容器が前記電極間に延在する中央区分の両側に、中央
区分に接続される第1および第2端部区分を備え、これ
らの各端部区分が各電極に接続した給電導体をわずかの
隙間をあけて囲み、前記給電導体が前記各端部区分を経
て外部に出る個所にセラミック封止用のコンパウンドの
シールを設け、少なくとも第1端部区分の外径を中央区
分の最少外径よりも小さくし、第1端部区分に通す給電
導体が放電空所に対向している耐ハロゲン化物部分と、
放電空所とは反対側に水素および酸素に対して透過性の
部分とを有している高圧放電ランプにおいて、前記給電
導体の耐ハロゲン化物部分が、少なくとも前記第1端部
区分の内径Dを2mmだけ増大させた距離L1にわたり
前記第1端部区分の内側に延在し、かつ第2端部区分に
通す給電導体も放電空所の方へ向いている耐ハロゲン化
物部分を有している高圧放電ランプが記載されている。
【0009】この従来技術2によれば、水素および酸素
に対して透過性の部分がいわゆるゲッターとして作用し
て、セラミック放電容器内に残留する不純ガスを排出さ
せることができる旨記載されている。また、水素および
酸素に対して透過性の部分に接続している耐ハロゲン化
物部分の第1端部区分内に延在する距離L1を第1端部
区分の内径D+2mm以上にすることにより、透過性の
部分がハロゲン化物および遊離ハロゲンに曝されても腐
食しない旨述べられている。そして、実施形態として透
過性の部分にニオブの棒が用いられている。
【0010】従来技術1および2においては、給電部材
のニオブが透光性セラミック放電容器の外部に露出して
いる。
【0011】ところが、ニオブは酸化しやすい金属なの
で、透光性セラミック放電容器を外管内に収納して用い
ればよいが、大気中では外管なしに点灯することができ
ない。封着性部分のニオブが点灯中の温度上昇によって
酸化すると、封着性部分が膨張、変形してセラミックス
コンパウンドのシールによる封止部がクラックを生じ
る。
【0012】(従来技術3)これに対して、本発明者
は、図15に示すように、外部リード線を白金によって
構成するようにした発明をなし、この発明は特願平8−
319653号として出願されている。
【0013】図15は、従来技術3を示す製造過程にお
ける要部拡大断面図である。
【0014】図において、1はセラミックス放電ランプ
すなわち高圧放電ランプ、2は気密容器すなわち透光性
セラミックス放電容器、3は栓体、4は放電空間、5は
電極、6は電気導入体、6aは電気導入体本体すなわち
給電導体の封着性部分、6bは電気導入体本体すなわち
給電導体の耐火性部分、6cは電気導入体本体すなわち
外部リード線、7は接着剤(フリットガラス)、7aは
一方のフリットガラスすなわち第1のシール、7bは他
方のフリットガラスすなわち溶融前のタブレット状をな
している第2のシール、8は微小空間すなわちわずかな
隙間、9はクロスワイヤ、10はワイヤ、11はセラミ
ックス部材すなわちセラミックスワッシャである。
【0015】気密容器すなわち透光性セラミックス放電
容器2は、透光性アルミナ、YAGなどからなる。
【0016】栓体3は、アルミナチューブからなる。
【0017】電極5は、タングステンからなる。
【0018】電気導入体6は、電気導入体6a、6b、
6cから構成されているが、そのうち電気導入体本体す
なわち給電導体の封着性部分6aおよび電気導入体本体
すなわち給電導体の耐火性部分6bは、いわゆる給電導
体を構成している。
【0019】封着性部分6aは、ニオブからなり、その
基端が透光性セラミックス放電容器2の端部から外部に
突出している。
【0020】耐火性部分6bは、白金からなり、その基
端が封着性部分6aの先端に接続されている。
【0021】一方、外部リード線6cは、白金からな
り、セラミックスワッシャ11内において、その先端が
封着性部分6aの基端に接続されている。
【0022】フリットガラスからなる接着剤7は、第1
のシール7aおよび第2のシール7bから構成されてい
る。
【0023】第1のシール7aは、組成がAl
SiO−Dyからなり、融点が1550℃程度
である。そして、第1のシール7aは、気密容器2、栓
体3、給電導体の主として封着性部分6aの間を封止し
ている。
【0024】これに対して、第2のシール7bは、組成
がAl−SiO−Nd からなり、融点が
1300℃程度である。そして、第2のシール7bは、
セラミックス部材すなわちセラミックスワッシャ11の
内部において、封着性部分6aの基端および外部リード
線6cの先端を外部に露出しないように封止している。
【0025】そうして、従来技術3は、外部リード線6
cが白金からなるので、これを直接支持するなどによっ
て外管なしにセラミックス放電ランプすなわち高圧放電
ランプを大気中で点灯させることが可能である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術3
は、封止構造が複雑なことに加えて、外部リード線6c
および耐火性部分6bに白金を用いているので、高価な
白金の使用量が多くなりコストアップになる。
【0027】また、白金は、セラミックス封止用コンパ
ウンドとの濡れ性が悪く、さらに透光性セラミックス放
電容器との熱膨張係数の整合が悪く、高圧放電ランプを
長時間点灯すると、スローリークを生じる可能性がある
ため、信頼性の面で不利である。
【0028】透光性セラミックス放電容器を封止するシ
ールは、内部に封入する金属ハロゲン化物などのイオン
化媒体との反応性が低くて、点灯中の温度においてもリ
ークを生じない組成にする必要があり、このため第1の
シールには、融点の高いセラミックス封止用コンパウン
ドが用いられる。
【0029】また、外部リード線6cは、第1のシール
7aを形成した後に封着性部分6aの基端に接続する。
そして、第2のシール7bは、外部リード線6cを接続
した後に形成されるが、その融点が1300℃程度で第
1のシールの融点に対して250℃程度の差しかないた
め、ペレット状の第2のシール7bの加熱、溶融時に、
既に形成済みの第1のシール7aに歪が入りやすく、そ
の後クラックが発生する懸念がある。
【0030】本発明は、シール構造を改良することによ
り、外部リード線に高価な白金を用いなくても良好な封
止を備えた高圧放電ランプおよびこれを用いた照明装置
を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプは、放電空間を包囲する膨出部および膨出部の
両端に連通して配置され膨出部より内径が小さい小径筒
部を備えた透光性セラミックス放電容器と;少なくとも
封着性部分および封着性部分の先端に基端が接続されて
いる耐火性部分を備え、透光性セラミックス放電容器の
小径筒部内に挿入されて耐火性部分と小径筒部の内面と
の間にわずかな隙間を形成しながら延在するとともに、
封着性部分の基端が透光性セラミックス放電容器の小径
筒部から外部へ突出している給電導体と;先端が封着性
部分の基端に接続されて基端側が透光性放電容器の外部
に露出している外部リード線と;給電導体の耐火性部分
の先端に配設されて透光性セラミックス放電容器の膨出
部内に位置している電極と;透光性セラミックス放電容
器の小径筒部および給電導体の封着性部分の間を少なく
とも封着性部分が放電空間側へ露出しないように包囲し
て封止している第1のシールと;第1のシールより融点
が300℃以上低くて給電導体の封着性部分の基端が外
部空間に露出しないように封着性部分の基端および外部
リード線の先端を包囲して封止している第2のシール
と;透光性セラミックス放電容器内に封入されたイオン
化媒体と;を具備していることを特徴としている。
【0032】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0033】(透光性セラミックス放電容器について)
「透光性セラミックス放電容器」とは、単結晶の金属酸
化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸化物たとえ
ば半透明の気密性アルミニウム酸化物、イットリウム−
アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸
化物(YOX)と、多結晶非酸化物たとえばアルミニウ
ム窒化物(AlN)のような光透過性および耐熱性を備
えた材料からなる放電容器を意味する。なお、光透過性
とは、放電による発光を放電容器を透過して外部に導出
できる程度に透過すればよく、透明および光拡散性であ
ってもよい。
【0034】また、透光性セラミックス放電容器を製作
するには、中央の膨出部と膨出部の両端の小径筒部とを
最初から一体に形成することができる。さらに、たとえ
ば膨出部を形成する円筒と、円筒の両端面に嵌合して閉
鎖する一対の端板と、端板の中心孔に嵌合して小径筒部
を形成する小径筒体とを、それぞれ別に仮焼結して所要
に嵌合させて、焼結することにより、一体の放電容器を
形成することもできる。
【0035】さらに、透光性セラミックス放電容器の内
容積は制限されるものはないが、0.05cc以下好適
には0.04cc以下の小形のものにおいて特に効果的
である。このような小形の透光性セラミックス放電容器
は、その全長を30mm以下に形成することができる。
さらに、定格ランプ電力を20W以下にするのがよい。
【0036】(給電導体について)給電導体は、透光性
セラミックス放電容器の少なくとも一方の小径筒部に対
して用いられる。
【0037】「給電導体」とは、電源からバラスト手段
を介して電極間に電圧を印加して、高圧放電ランプを始
動し、電流を導入して点灯するために、機能するもので
あって、透光性セラミックス放電容器の小径筒部内に後
述する手段により気密に封止される。
【0038】「封着性部分」とは、後述する第1のシー
ルにより透光性セラミックス放電容器を、その小径筒部
と封着性部分との間で、または要すればさらにセラミッ
クスチューブをそれらの間に介在させて封止するのに適
した材料の部分であればよく、ニオブ、タンタル、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムおよびバナジウムなどを
用いることができる。透光性セラミックス放電容器の材
料にアルミニウム酸化物を用いる場合、ニオブおよびタ
ンタルは、平均熱膨張係数がアルミニウム酸化物とほぼ
同一であるから、封着性部分として好適である。イット
リウム酸化物およびYAGの場合も差が少ない。窒化ア
ルミニウムを透光性セラミックス放電容器に用いる場合
には、封着性部分にジルコニウムを用いるのがよい。
【0039】また、封着性部分は、無空の棒状や筒状を
なしていることが許容される。また、筒状をなす態様の
場合、完全なパイプだけでなく、封着性金属からなる肉
厚0.02〜0.5mm程度の薄い板を湾曲しただけで
形成されていて、合わせ目にわずかな隙間のある接合部
があるような構造をとり得る。このような封着性部分の
構成により、耐火性部分の基端を封着性部分の先端に挿
入した際にわずかな隙間によって両者が柔軟に馴染むの
で、同心での接続が確実になるとともに、第1のシール
との熱膨張係数の多少の相違により生じる応力を吸収で
き、良好な封止に寄与する。
【0040】さらに、封着性部分の基端は、透光性セラ
ミックス放電容器の小径筒部から外部に露出される。こ
れは高圧放電ランプ製造時に給電導体を透光性セラミッ
クス放電容器に対して所定の位置に規制するために好ま
しいからである。なお、必要に応じて小径筒部の端面へ
の係止部を成形により封着性部分の基端に突設すること
ができる。
【0041】「耐火性部分」とは、高圧放電ランプの作
動中の高温に十分耐える高い融点を備えるとともに、透
光性セラミックス放電容器内に存在するイオン化媒体に
対する耐腐食性を備えている導電性物質からなる部分で
あることを意味する。たとえば、タングステン、モリブ
デンまたはこれらを主成分とする合金、さらには白金な
どからなるが、単一種の金属だけでなく、上記の複数の
金属を接合して構成してもよい。
【0042】また、耐火性部分は、内部が充実した棒状
や肉厚10〜300μmの中空の筒状であってもよい。
小形たとえば定格消費電力が30W以下好ましくは20
W程度の高圧放電ランプにおいては、棒状の場合、0.
2mm以下の直径が適当している。また、筒状の場合、
肉厚10〜100μmが適当している。
【0043】さらに、筒状の場合、完全なパイプだけで
なく、薄板を湾曲してわずかな隙間のある接合部が形成
された筒状であってもよい。そして、耐火性部分の基端
には後述する第1のシールが接着するが、耐火性部分を
以上のように構成することにより、第1のシールの熱膨
張係数が明らかに小さくても、熱膨張差によって生じる
応力を耐火性部分が吸収する。
【0044】耐火性部分と小径筒部の内面との間には、
いわゆるキャピラリーと称されるわずかな隙間が形成さ
れる。このわずかな隙間の小径筒部の端部側の一部は第
1のシールによって埋められるが、残余の部分には余剰
のイオン化媒体が点灯中液相状態になって滞留する。そ
して、放電空間側の液面の温度が最冷部となるが、隙間
の幅寸法および長さならびにイオン化媒体の封入量を適
当に設定することにより、所望の最冷部温度にすること
ができる。
【0045】封着性部分と耐火性部分との間の接続は、
前もって焼き嵌め、溶接などにより行うことができる
が、要すれば封着性部分または耐火性部分が筒状である
場合に、その内部に耐火性部分の基端または封着性部分
の先端を挿入するだけでもよい。なぜなら、筒状の封着
性部分または耐火性部分に上記した接合部があると、給
電導体を透光性セラミックス放電容器の小径筒部内に挿
入して第1のシールを形成する封止工程で焼き嵌めが形
成されるからである。
【0046】(外部リード線について)外部リード線
は、給電導体の封着性部分の基端に接続されて透光性セ
ラミックス放電容器の外部に露出している。大気中で点
灯を可能にするために、外部リード線は耐酸化性の導電
体が用いられる。
【0047】また、外部リード線は、後述する第2のシ
ールが第1のシールより300℃以上融点が低いので、
白金より融点が低くて、熱膨張係数が第2のシールのそ
れに接近していて、しかも第2のシールに対する濡れ性
の良好な封着性金属を用いることができる。
【0048】さらに、外部リード線は、高圧放電ランプ
の製造を容易にするために、第1のシールによって透光
性セラミックス放電容器および給電導体を封止した後に
封着性部分の基端に接続することができる。しかし、要
すれば本発明においては、透光性セラミックス放電容器
および給電導体を封止する以前に外部リード線を封着性
部分に接続してもよい。
【0049】(電極について)電極は、給電導体の耐火
性部分の先端に配設されるとともに、透光性セラミック
ス放電容器の膨出部の内部に位置する。しかし、電極は
耐火性部分と別体に形成されているだけでなく、必要に
応じて給電導体の耐火性部分と一体に形成されているこ
と、たとえば耐火性部分の先端が直接電極として作用す
る構成や電極軸が直接封着性部分の先端に接続されてい
る構成などが許容される。その場合、交流点灯形におい
ては一対の電極を耐火性部分と一体に形成することがで
きるが、直流点灯形においては陰極は一体に形成しても
よいが、陽極は別に形成することができる。
【0050】また、電極を円筒体などの形状をなすタン
グステンなどの板材によって構成することができる。こ
れのより、電極の表面積が増大し、グロー・アーク転移
においてグロー放電モードでスパッタリングの割合を決
定する要因の一つである電極表面電流密度が低下し、こ
れに伴い陰極降下電圧が低下するので、スパッタリング
が軽減する。また、熱容量を小さくすることができるの
で、グロー・アーク転移時間が短縮し、さらにエッジ効
果により電子放射性能が向上して始動電圧が低下する。
【0051】(第1のシールについて)第1のシール
は、小径筒部の端面において封着性部分および透光性セ
ラミックス放電容器の小径筒部の間において少なくとも
封着性部分が透光性セラミックス放電容器内の放電空間
側に露出しないように封着性部分の先端を包囲して透光
性セラミックス放電容器を封止する。
【0052】また、第1のシールは、点灯中高温になる
透光性セラミックス放電容器を給電導体とともに封止す
るために、一般的に融点が1500℃以上で、熱膨張係
数が透光性セラミックスのそれに接近しているセラミッ
クス封止用コンパウンドからなる。そして、セラミック
ス封止用コンパウンドは、予め原料を成形して環状のペ
レットにされる。次に、このペレットを透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部の端部に載置してから、加熱溶
融してわずかな隙間内に進入させて固化させることによ
り、所定の位置に形成される。
【0053】第1のシールを所定の位置に形成するに
は、封止予定部を上にして透光性セラミックス放電容器
を固定し、封止予定の小径筒部の端部に固形のセラミッ
クス封止用コンパウンドを載置して加熱する。すると、
セラミックス封止用コンパウンドは、加熱により溶融し
て小径筒部と筒状封着性部分との間に進入し、さらに先
端が耐火性部分の中間部の所定位置まで進入したところ
で冷却する。第1のシールが固化して封着性部分が透光
性セラミックス放電容器内の放電空間側に露出しないよ
うに包囲するとともに、小径筒部および封着性部分の間
を気密に封止する。同時に、小径筒部および耐火性部分
の一部の間を気密に封止する。第のシールにより給電導
体は所定の位置に固着されるとともに、透光性セラミッ
クス放電容器は封止される。
【0054】さらに、小形の高圧放電ランプの場合、第
1のシールによって給電導体の耐火性部分を0.2〜3
mmに距離にわたって被覆することができる。耐火性部
分の被覆距離が0.2mm未満では点灯中に封着性部分
がイオン化媒体たとえばハロゲン化物よって腐食されや
すく、また3mmを超えると、クラックが発生しやすく
なくなる。
【0055】(第2のシールについて)第2のシール
は、その融点が第1のシールのそれより300℃以上低
いものが用いられる。この第2のシールは、給電導体の
封着性部分の透光性セラミックス放電容器の小径筒部か
ら外部へ突出している基端を外部に露出しないように包
囲して封止するために用いられるので、熱膨張係数が封
着性部分を構成する材料のそれに接近していることが好
ましい。
【0056】また、封着性部分の基端を包囲して封止す
るために、同時に封着性部分に接続している外部リード
線の先端をも包囲して封止する。
【0057】さらに、第2のシールによって封着性部分
の基端および外部リード線の先端を所望に包囲するため
に、要すればセラミックスワッシャで封止予定部の外側
を囲み、内部に第2のシールが充填されるように構成す
ることができる。
【0058】さらにまた、ナトリウムアマルガムをキセ
ノンなどの希ガスとともにイオン化媒体として用いるこ
とにより、高圧ナトリウム放電ランプ(いわゆる高圧ナ
トリウムランプ)を得ることができる。
【0059】(イオン化媒体について)イオン化媒体
は、特に限定されない。
【0060】イオン化媒体として、水銀および希ガスを
用いて高圧水銀蒸気放電ランプ(いわゆる水銀ランプ)
を得ることができる。
【0061】また、少なくとも発光金属を含む金属のハ
ロゲン化物を封入することにより、高圧メタルハライド
放電ランプ(いわゆるメタルハライドランプ)を得るこ
ともできる。この場合、さらに干渉媒体として水銀を適
当圧力の希ガスとともに適量封入することができる。な
お、金属ハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、よ
う素、臭素、塩素またはフッ素のいずれか一種または複
数種を用いることができる。発光金属の金属ハロゲン化
物は、発光色、平均演色評価数Raおよび発光効率など
について所望の発光特性を備えた放射を得るため、さら
には透光性セラミックス放電容器のサイズおよび入力電
力に応じて、既知の金属ハロゲン化物の中から任意所望
に選択することができる。たとえば、ナトリウムNa、
リチウムLi、スカンジウムSc、および希土類金属か
らなるグループの中から選択された一種または複数種の
ハロゲン化物を用いることができる。
【0062】さらに、高圧メタルハライド放電ランプに
おいて、水銀に代えて蒸気圧が比較的高くて可視光領域
における発光が少ないか、発光しない金属たとえばアル
ミニウムなどのハロゲン化物を封入することもできる。
希ガスとしては、アルゴン、キセノン、ネオンなどを用
いることができる。
【0063】(その他の構成について)透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部の内面と給電導体との間に形成
されるわずかな隙間の幅寸法は、本発明において特段制
限されないが、比較的小形の高圧放電ランプすなわち透
光性セラミックス放電容器の内容積が0.1cc以下、
好適には0.05cc以下およびまたは定格消費電力が
20W以下の場合には、0.21mm以上であることが
好ましい。
【0064】本発明者らの研究によると、小形の高圧放
電ランプにおいては、従来技術を比例的に縮小して適用
しても、良好なものを得ることができないことが分かっ
た。すなわち、ランプ電力が小さくなった場合、発光効
率を確保するためには、適正な最冷部温度を確保する必
要があり、これには透光性セラミックス放電容器全体の
熱容量の減少が不可欠である。この際、ランプ電力が比
較的大きい場合の考え方で、透光性セラミックス放電容
器の形状および電極寸法などを単純に比例的に減少させ
ると、点灯後短時間で封止部分にリークが発生する。こ
れは、透光性セラミックス放電容器を小さくすると、放
電プラズマを始めとする発熱体からの封止部分への熱伝
達形態、すなわち熱伝導、対流、輻射のバランスが崩れ
るからであると考えられる。
【0065】(本発明の作用について)本発明の高圧放
電ランプは、透光性セラミックス放電容器と給電導体と
を第1のシールによって封止するので、第1のシールを
融点が高いセラミックス封止用コンパウンドを用いるこ
とにより、点灯中高温になる封着を良好に行うことがで
きる。
【0066】また、給電導体の透光性セラミックス放電
容器の小径筒部から外部に突出する封着性部分の基端
を、外部リード線の接続部である先端とともに、第1の
シールより融点が300℃以上低い第2のシールで包囲
して外部に露出しないように封止するので、高圧放電ラ
ンプを外管に収納することなく大気中で点灯することが
できる。しかも、相対的に低い温度で第2のシールが溶
融するので、第2のシールの加熱溶融時に第1のシール
に歪が生じにくい。このため、第1のシールにクラック
が発生しにくくなる。
【0067】さらに、第2のシールの融点が第1のシー
ルより300℃以上低いので、白金より融点が低くく
て、かなり安価な封着性金属を外部リード線に用いるこ
とが可能になる。このため、高圧放電ランプをコストダ
ウンすることができる。
【0068】請求項2の発明の高圧放電ランプは、請求
項1記載の高圧放電ランプにおいて、第2のシールは、
融点が第1のシールのそれより400℃以上低いことを
特徴としている。
【0069】本発明は、第2のシールの好適な融点範囲
を規定している。すなわち、第1のシールより融点が4
00℃以上低ければ、第2のシールの加熱溶融時に第1
のシールに歪が一層生じにくくなり、したがって第2の
シールによる封止作業が容易になる。
【0070】請求項3の発明の高圧放電ランプは、放電
空間を包囲する膨出部および膨出部の両端に連通して配
置され膨出部より内径が小さい小径筒部を備えた透光性
セラミックス放電容器と;少なくとも封着性部分および
封着性部分の先端に基端が接続されている耐火性部分を
備え、透光性セラミックス放電容器の小径筒部内に挿入
されて耐火性部分と小径筒部の内面との間にわずかな隙
間を形成しながら延在するとともに、封着性部分の基端
が透光性セラミックス放電容器の小径筒部から外部へ突
出している給電導体と;先端が封着性部分の基端に接続
されて基端側が透光性放電容器の外部に露出している外
部リード線と;給電導体の耐火性部分の先端に配設され
て透光性セラミックス放電容器の膨出部内に位置してい
る電極と;透光性セラミックス放電容器の小径筒部およ
び給電導体の封着性部分の間を少なくとも封着性部分が
放電空間側へ露出しないように包囲して封止している第
1のシールと;Si、B、Pb、Na、Ba、Zn、C
aおよびMgのグループから選択された少なくとも三種
以上の元素の酸化物を主催分として含んで構成され、給
電導体の封着性部分の基端が外部空間に露出しないよう
に封着性部分の基端および外部リード線の先端を包囲し
て封止している第2のシールと;透光性セラミックス放
電容器内に封入されたイオン化媒体と;を具備している
ことを特徴としている。
【0071】本発明は、第2のシールの構成材料の元素
を特定のものに規定している。すなわち、第2のシール
がSi、B、Pb、Na、Ba、Zn、CaおよびMg
のグループから選択された少なくとも三種以上の元素の
酸化物を含んで構成されていることにより、融点が低く
て、熱膨張係数が給電導体の封着性部分の熱膨張係数と
接近しているシールを容易に得ることができる。このた
め、外部リード線についても、融点が低い封着性金属を
用いることができる。
【0072】第2のシールの組成例、融点および熱膨張
係数は表1に示すとおりである。なお、いずれも日本電
気ガラス工業(株)製の製品である。
【0073】
【表1】 No. カ゛ラスコート゛ 組成 融点 熱膨張係数 ℃ ×10−6/℃ 1 GA-1 PbO-BO-SiO 788 6 2 GA-4 NaO-BO-SiO 767 6.3 3 GA-8 PbO-BO-SiO 557 8.1 4 GA-9 PbO-BO-SiO - 9 5 GA-11 PbO-BaO-SiO - 8.8 6 GA-12 NaO-BO-ZnO 687 7.3 7 GA-13 CaO-BaO-SiO 1045 6.6 8 GA-44 MgO-BO-SiO 850 11.7 9 GA-60 MgO-BO-SiO 850 9.6 請求項4の発明の高圧放電ランプは、請求項1ないし3
のいずれか一記載の高圧放電ランプにおいて、第2のシ
ールは、熱膨張係数が6×10−6/℃〜12×10
−6/℃で、かつ融点が1200℃以下であることを特
徴としている。
【0074】本発明は、第2のシールの好ましい熱膨張
係数および融点の範囲を規定している。
【0075】請求項5の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、外部リード線は、封着性合金からなることを特徴と
している。
【0076】本発明において、「封着性合金」とは、第
2のシールに対する濡れ性が良好で、かつ熱膨張係数が
許容範囲にある合金をいう。
【0077】また、外部リード線が合金であると、一般
に複数の金属の性質を合わせ持ったものを得やすくなる
ので、所望の封着性を備えた外部リード線が得られる。
【0078】請求項6の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、外部リード線は、FeおよびNiを含む封着性合金
からなることを特徴とする。
【0079】本発明は、封着性合金の好適な組成金属の
少なくとも一部を規定している。
【0080】すなわち、FeおよびNiを含む合金は、
安価で、しかも封着性に優れている封着性合金を得るこ
とができる。たとえば、Fe−Ni−Co合金、Fe−
Ni−Cr合金などである。
【0081】請求項7の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、外部リード線は、少なくとも一端側において透光性
セラミックス放電容器の軸と交差して封着性部分に接続
していることを特徴としている。
【0082】従来の透光性セラミックス放電容器を備え
た高圧放電ランプを外管に収納しないで直接大気中で点
灯する場合においては、外部リード線の先端の端面と、
給電導体の封着性部分の基端の端面とを突き合わせて接
続している。したがって、外部リード線は高圧放電ラン
プの軸と同一方向に延在している。
【0083】ところが、高圧放電ランプをたとえば反射
鏡に配設するに際して、少なくとも一端側の外部リード
線を透光性セラミックス放電容器の軸に対して直角方向
に延在させたい場合がある。このようなときには、外部
リード線を折曲して直角方向に延在させて対応してい
る。
【0084】したがって、従来の高圧放電ランプにおい
ては、外部リード線を折曲する際に湾曲するので、高圧
放電ランプの軸方向に外部リード線の湾曲によるデッド
スペースが生じてしまい照明装置の小形化を阻害すると
いう問題があった。
【0085】これに対して、本発明は少なくとも一端側
の外部リード線を透光性セラミックス放電容器の軸に対
して交差して接続しているので、外部リード線を湾曲さ
せる必要がないから、デッドスペースが生じることがな
い。
【0086】高圧放電ランプの一対の外部リード線は、
その両方を透光性セラミックス放電容器の軸に対して交
差して接続してもよいし、いずれか一方のみを交差して
接続してもよい。前者の構成は、たとえば反射鏡に高圧
放電ランプを透光性セラミックス放電容器の軸を反射鏡
の光軸と直交して配設する場合に効果的である。また、
後者の構成は、たとえば反射鏡に高圧放電ランプを透光
性セラミックス放電ランプの軸を反射鏡の光軸と同軸に
して配設する場合の反射鏡の投光開口側の外部リード線
に効果的である。
【0087】また、外部リード線の透光性セラミックス
放電容器の軸に対する交差の角度は、一般的には90゜
すなわち直角であるが、要すればこれ以外の所望の角度
であることを許容する。
【0088】請求項8の発明の高圧放電ランプは、請求
項7記載の高圧放電ランプにおいて、軸方向に形成され
た軸孔および軸孔から外周面に達する貫通部を備えると
ともに、軸孔内に給電導体の封着性部分の基端が位置す
るように透光性セラミックス放電容器の小径筒部の端面
に近接して配設されたセラミックスワッシャを具備して
おり;外部リード線は、セラミックスワッシャの貫通部
内に挿入されて軸孔内で封着性部分に接続してしてい
る;ことを特徴としている。
【0089】本発明は、給電導体の封着性部分の透光性
セラミックス放電容器の小径筒部から外部に突出してい
る基端を第2のシールによって包囲して封止するととも
に、外部リード線を透光性セラミックス放電容器の軸に
対して交差して封着性部分の基端に接続する場合の好適
な構成を規定している。
【0090】すなわち、セラミックスワッシャによって
封着性部分の基端を包囲し、その軸孔の上にペレット状
に成形した第2のシールを載置して加熱溶融すると、溶
融状態の第2のシールがセラミックスワッシャの軸孔内
に流下して封着性部分の外部に突出している基端を外部
リード線の先端とともに包囲する。第2のシールは、セ
ラミックスワッシャの軸孔内で冷却して固化することに
より、封着性部分を外部に露出しないよに封止する。な
お、第2のシールの一部は、透光性セラミックス放電容
器の外部に露出している第1のシールの表面に接触して
相互拡散により、両者は気密に密着する。
【0091】ところで、セラミックスワッシャの貫通部
は、外部リード線を給電導体の封着性部分に接続してい
る外部リード線をセラミックスワッシャの軸孔からセラ
ミックスワッシャの外部へ導出するための手段である。
この貫通部は、たとえばセラミックスワッシャの側面と
軸孔とを連通する放射状に形成された貫通孔により形成
することができる。また、貫通部は、セラミックスワッ
シャを軸孔および側面の間にわたるスリットによって形
成することもできる。
【0092】セラミックスワッシャの貫通部が、前者の
構成の場合、外部リード線は、貫通孔内に挿入してか
ら、軸孔の内部において給電導体の封着性部分に接続す
ればよい。
【0093】これに対して、貫通部がスリットによって
構成されている場合、外部リード線を封着性部分に接続
してから、セラミックスワッシャを装着することができ
る。
【0094】請求項9の発明の照明装置は、照明装置本
体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし8のい
ずれか一記載の高圧放電ランプと;を具備していること
を特徴としている。
【0095】本発明において、照明装置は、高圧放電ラ
ンプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を含む
概念であり、たとえば照明器具、移動体用ヘッドライ
ト、光ファイバー用光源、画像投射装置、光化学装置、
指紋判別装置などに適用することができる。なお、照明
装置本体とは、上記照明装置から高圧放電ランプを除い
た残余の部分をいう。
【0096】ところで、高圧放電ランプを点灯するのに
放電ランプ点灯装置を用いることは周知であるが、放電
ランプ点灯装置としては、インバータを用いた高周波点
灯回路および限流手段を備える構成のものが小形化およ
び軽量化の点で好ましい。しかし、要すれば低周波交流
を直接限流手段を介して高圧放電ランプに印加する構成
であってもよい。この場合の限流手段はインダクタ、抵
抗器またはコンデンサを用いることができる。
【0097】さらに、本発明は、高圧放電ランプを反射
鏡の内部に配設し、反射鏡の背面に放電ランプ点灯装置
を配設するとともに、放電ランプ点灯装置の背面に受電
手段を配設してなる照明装置すなわち電球形高圧放電ラ
ンプであってもよい。この場合、放電ランプ点灯装置を
適当なケースに収納することにより、外観を良好に整え
ることができるとともに、取扱いが容易で、しかも安全
にすることができる。なお、受電手段としては、放電ラ
ンプ点灯装置に電源を供給するために、電源から受電す
るものである。受電手段として電源に導線を接続する態
様、周知の口金または引掛シーリングキャップ構造を備
えていて、電源側のランプソケットまたは引掛シーリン
グボディに装着する態様などを適宜選択して採用するこ
とができる。
【0098】そうして、上記照明装置は、後者の受電手
段の態様を採用することにより、一般の白熱電球用のラ
ンプソケットまたは引掛シーリングボディに装着するだ
けで白熱電球と同様の感覚で高圧放電ランプを点灯する
ことができる。
【0099】電球形蛍光ランプは、上記と同様の感覚で
用いられるようになったが、指向性を要求される照明目
的には適していない。
【0100】これに対して、上記の照明装置において
は、発光部が理想点光源に近いので、反射鏡によって所
望の指向性のある配光を得ることができる。
【0101】また、高圧放電ランプの点灯により、発熱
による温度上昇が懸念されるが、反射鏡によって熱が放
電ランプ点灯装置側に輻射されるのを軽減できるので、
電球形蛍光ランプ用の放電ランプ点灯装置を流用するこ
とも可能になる。
【0102】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0103】図1は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態を示す一部切欠正面図である。
【0104】図2は、同じく上端部のみを封止した状態
の一部切欠縦断面図である。
【0105】各図において、SEは透光性セラミックス
放電容器、FCは給電導体、ORは外部リード線、Eは
電極、S1は第1のシール、SWはセラミックスワッシ
ャ、S2は第2のシールである。
【0106】透光性セラミックス放電容器SEは、YA
Gからなり、膨出部SEaおよび小径筒部SEb、SE
bを備えている。膨出部SEaの最大外径は約5.5m
m、小径筒部SEbの外径は1.7mm、全長30m
m、内容積は0.03ccである。
【0107】膨出部SEaは、両端が連続的な曲面によ
って絞られている中空のほぼ楕円球状をなしている。
【0108】小径筒部SEbは、膨出部SEaと連続し
た曲面によってつながり一体成形によって透光性セラミ
ックス放電容器SEを形成している。
【0109】給電導体FCは、封着性部分FCaおよび
耐火性部分FCbからなる。
【0110】封着性部分FCaは、直径0.68mm、
全長3.5mmのニオブからなり、基端を透光性セラミ
ックス放電容器SEから外部に突出させて小径筒部内に
挿入され、後述する第1のシールS1によって封止され
ることにより、透光性セラミックス放電容器SEに支持
される。
【0111】耐火性部分FCbは、直径0.2mmのモ
リブデン棒からなり、封着性部分FCaの先端に溶接に
より接続されている。
【0112】そうして、透光性セラミックス放電容器S
Eの小径筒部SEbの内面と、耐火性部分FCbの外面
との間には、わずかな隙間gが形成される。
【0113】外部リード線ORは、Fe−Ni−Co合
金からなり、その先端が封着性部分FCaの基端に接続
されている。
【0114】電極Eは、肉厚約50μmのタングステン
の薄板を内径0.29mm、長さ1.2mmの円筒に湾
曲して、軸方向に平均約2μmのわずかな隙間を有する
接合線jlを備えた円筒状をなし、給電導体FCの耐火
性部分FCbの先端に嵌合により接続している。
【0115】第1のシールS1は、Al−SiO
−Dy系のセラミックス封止用コンパウンドす
なわちフリットガラスからなり、融点が1550℃であ
る。第1のシールS1は、透光性セラミックス放電容器
SEの小径筒部SEbと封着性部分FCaおよび耐火性
部分FCbの基端との間に形成されたわずかな隙間内に
進入させることにより、透光性セラミックス放電容器S
Eを封止するとともに、給電導体FCを所定の位置に支
持している。
【0116】セラミックスワッシャSWは、アルミナセ
ラミックスからなり、外径が小径筒部SEbと同一で、
中心に軸孔SWaを備えている。セラミックスワッシャ
SWは、小径筒部の端面に配設され、軸孔SWaの内部
に封着性部分FCbの基端およびこれに接続された外部
リード線ORの先端が収納される。
【0117】第2のシールS2は、CaO−BaO−S
iO系の結合用ガラスすなわちフリットガラスからな
り、融点は1045℃である。第2のシールS2は、セ
ラミックスワッシャSWの軸孔SWaの内部において封
着性部分FCbの基端および外部リード線ORの先端の
接続部を包囲して、これらが外部に露出しないように封
止している。
【0118】ところで、第1のシールS1を形成するに
は、透光性セラミックス放電容器SEの封止予定部を上
にして固定し、ドーナッツ形のペレット状に成形したセ
ラミックス封止用コンパウンドを小径筒部SEbの端面
において、小径筒部SEbの端面から外部に突出してい
る封着性部分FCbの基端の周囲に施与し、加熱溶融さ
せると、溶融状態のセラミックス封止用コンパウンドが
封着性部分2aおよび小径筒部1bの内面の間の隙間に
流入して、小径筒部1b内に挿入されている封着性部分
2aの全体を被覆するとともに、さらに耐火性分FCb
の基端の周囲まで流下した位置で冷却する。加熱には、
高周波加熱、レーザ加熱または赤外線加熱などにより行
うことができる。
【0119】イオン化媒体として、NaI、InI、T
lI、DyIおよび水銀を適量セラミックス放電容器
1内に封入し、さらにアルゴンガスを約13300Pa
封入した。
【0120】得られた高圧放電ランプは、定格ランプ電
力20Wのメタルハライド放電ランプである。
【0121】図3は、本発明の高圧放電ランプの第2の
実施形態における上端部のみを封止した状態を示す一部
切欠縦断面図である。
【0122】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0123】本実施形態は、給電導体FCの耐火正部分
FCbが筒状をなしているとともに、耐火性部分の先端
が一体の電極Eを構成している点で異なる。
【0124】すなわち、耐火性部分FCbは、内径0.
29mm、肉厚約50nm、全長8mmのタングステン
製の中空パイプからなり、その先端は、透光製セラミッ
クス放電容器SEの膨出部SEa内に位置して電極Eと
して作用する。この中空パイプは、タングステンの薄板
を湾曲して平均約20μmのわずかな隙間のある接合線
jlを長手方向に沿って備えている。
【0125】電極Eとして作用する部分には、タングス
テンの細線Eaを巻き付けており、これにより放熱面積
を大きくして電極Eの温度低下を図っている。
【0126】図4は、本発明の高圧放電ランプの第3の
実施形態における上端部のみを封止した状態を示す一部
切欠縦断面図である。
【0127】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0128】本実施形態は、給電導体FCの封着性部分
FCa、耐火性部分FCbおよび電極Eが異なる。
【0129】すなわち、封着性部分FCaは、長さ3.
5mmのニオブの薄板を湾曲して、接合線jlに平均2
μmのわずかな隙間のある外径0.68mm、内径0.
29mmの筒状部FCa1と、筒状部FCa1の上端に
先端を挿入し、基端を小径筒部SEbの端面から外部に
突出させた外径0.29mm、長さ1mmのニオブの棒
FCa2とから構成されている。そして、ニオブの棒F
Ca2の基端は、小径筒部SEbの端面から外部に突出
する封着性部分FCaの基端を構成している。
【0130】耐火性部分FCbは、基端が封着性部分F
Caの筒状部FCa1の先端に挿入された直径0.29
mm、長さ2mmのモリブデン棒FCb1と、モリブデ
ン棒FCb1の先端に基端を挿入した内径0.29m
m、肉厚約50nm、長さ7mmのタングステン製の中
空パイプFCb2とから構成されている。
【0131】電極Eは、耐火性部分FCbの先端部分に
よって構成されている。
【0132】図5は、本発明の高圧放電ランプの第4の
実施形態を示す一部切欠正面図である。
【0133】図6は、図8の(c)工程におけるVI−V
I'線に沿う拡大断面図である。
【0134】図7は、本発明の高圧放電ランプの第4の
実施形態におけるセラミックスワッシャを示す拡大斜視
図である。
【0135】図8は、同じく封止工程を説明する要部拡
大断面図である。
【0136】各図において、図2と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0137】本実施形態は、外部リード線ORの先端を
透光性セラミックス放電容器SEの軸に対して直角にな
るよう封着性部分FCaの基端に接続した点で異なる。
【0138】すなわち、図5に示すように、外部リード
線ORは、セラミックスワッシャSWの側面から透光性
セラミックス放電容器SEの軸に対して直角方向に導出
されている。
【0139】セラミックスワッシャSWは、アルミナセ
ラミックスからなり、図8に示すように、一端が側面に
開口し、他端が軸孔の側面に開口する透孔からなる貫通
部SWbを備えている。
【0140】封着性部分FCaに基端には、予め成形に
よって周囲に突出する係止突部FCa1および偏平部F
Ca2が形成されている。
【0141】また、外部リード線ORの先端には、予め
成形により偏平部ORaが形成されている。
【0142】次に、封止工程を図8を参照して説明す
る。 (1)第1のシールS1による封止工程 図8の(a)に示すように、まず第1のシールS1によ
り透光性セラミックス放電容器SEおよび給電導体FC
を封止する。給電導体FCの封着性部分FCaの係止突
部FCa1は、小径筒部SEbの端面に係止して、給電
導体FCの透光性セラミックス放電容器SEに対する挿
入位置を規制する。
【0143】第1のシールS1は、固形のドーナッツ状
をなすペレットを封着性部分FCaの基端の周囲に配置
して、これを加熱溶融して図8の(b)に示すように封
止する。
【0144】そうして、第1のシールS1は、封着性部
分FCaの先端が放電空間内に露出しないように耐火性
部分FCbの基端まで被覆する。小径筒部SEbの外部
側は、第1のシールS1が一部残留して係止突部FCa
1の周辺を包囲するが、封着性部分FCの偏平部FCa
2の殆どの部分は露出したままである。 (2)第2のシールS2による封止工程 図8の(c)に示すように、封着性部分FCaの基端に
セラミックスワッシャSWを装着し、貫通部SWbから
外部リード線ORの先端を挿入して、その偏平部ORa
を封着性部分FCaの基端の偏平部FCa2に合わせて
両者を接続する。
【0145】次に、図8の(c)に示すように、第2の
シールS2の固形のペレットをセラミックスワッシャS
Wの上に載置して加熱溶融する。
【0146】そうして、溶融した第2のシールS2は、
セラミックスワッシャSWの軸孔SWa内に流下して封
着性部分FCaの基端の偏平部FCa2および外部リー
ド線ORの偏平部ORaの接続部を包囲し、一部はさら
に流下して第1のシールS1の外表面まで達し、セラミ
ックスワッシャSWの下面に形成された隙間に充填され
るとともに、貫通部SWb内の隙間にも充填される。
【0147】図9は、本発明の高圧放電ランプの第5の
実施形態を示す要部拡大断面図である。
【0148】図10は、同じく第2のシールを形成する
前の状態における端部の平面図である。
【0149】図11は、同じくセラミックスワッシャの
斜視図である。
【0150】各図において、図8と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0151】本実施形態は、セラミックスワッシャSW
の貫通部SWbがスリット状をなしている点で異なる。
【0152】すなわち、セラミックスワッシャSWの貫
通部SWbがスリット状をないしているため、第1のシ
ールS1によって透光性セラミックス放電容器SEを封
止した後、封着性部分FCbの基端に外部リード線OR
を接続してから、セラミックスワッシャSWの貫通部S
Wbを外部リード線ORに合わせて封着性部分FCbの
基端に装着することができる。そして、最後に第2のシ
ールS2のペレットを施与し、加熱溶融して封止すれば
よい。
【0153】図12は、本発明の高圧放電ランプの第6
の実施形態における上端部のみを封止した状態を示す一
部切欠縦断面図である。
【0154】図において、図8と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0155】本実施形態は、小径筒部SEbの端面およ
びセラミックスワッシャSWの間から外部リード線OR
を導出した点で異なる。
【0156】すなわち、第1のシールS1を形成した後
に外部リード線ORを透光性セラミックス放電容器SE
の軸に直角に接続し、その上からセラミックスワッシャ
SWを封着性部分FCbの基端に装着し、さらにその上
から第2のシールS2のペレットを施与して、加熱溶融
して第2のシールS2を形成する。
【0157】図13は、本発明の照明装置の一実施形態
としての電球形高圧放電ランプを示す中央断面正面図で
ある。
【0158】図14は、同じく縦断面図である。
【0159】各図において、HDは高圧放電ランプ、L
Pは発光部、OCは点灯回路、CPはケース部である。
【0160】<高圧放電ランプHDについて>高圧放電
ランプHDは、図5に示すのと同様構造である。
【0161】<発光部LPについて>発光部LPは、反
射鏡11、前面保護板12、支持台13および外側保護
手段14を備えている。
【0162】反射鏡11は、基体11a、反射面11
b、挿通孔11cおよび支持部11dからなる。
【0163】基体11aは、ガラスなどの耐火性物質を
成形して凹形をなし、内面に回転放物面を形成してい
る。
【0164】反射面11bは、基体11aの内面の回転
放物面の上にアルミニウムを蒸着して形成されている。
【0165】挿通孔11cは、反射鏡11の焦点位置に
おいて反射鏡の光軸と直角な直線を中心として反射鏡1
1の両側面に形成されており、高圧放電ランプHDの透
光性セラミックス放電容器SEの小径筒部SEbの端部
近傍が挿通するためのものである。
【0166】高圧放電ランプHDは、反射鏡11にその
焦点が電極間に位置するように配設される。この状態で
高圧放電ランプHDの両端の小径筒部SEb、SEbお
よび外部リード線ORが挿通孔11cを貫通して反射鏡
11の外側に露出する。
【0167】支持部11dは、基体11aの背面に一体
成形されていて、反射鏡11を支持する際に用いられ
る。
【0168】前面保護板12は、透光性耐熱部材からな
り、反射鏡11の投光開口に耐熱性接着剤によって接着
されて、投光開口を閉塞している。
【0169】支持台13は、耐熱性合成樹脂などの耐熱
性物質からなり、盤状をなしているとともに、前面中央
に反射鏡11の支持部11dを受け入れる支持溝13a
および一対の導体挿通孔13b、13bを備えている。
そして、支持溝13aに嵌合された反射鏡11の支持部
11dは、無機接着剤Bによって固着される。
【0170】外側保護手段14は、耐熱物質からなり、
支持台13の外周から一体に起立して筒状に形成されて
いる。そして、外側保護手段14は、反射鏡11および
高圧放電ランプHDの外側への露出部を包囲して保護す
る。
【0171】高圧放電ランプHDの外部リード線OR
は、支持台13の導体挿通孔13bを貫通して支持台1
3の裏側へ導出されている。
【0172】<点灯回路OCについて>点灯回路OC
は、発光部LPの背面側に配設され、その入力端は後述
する受電手段に接続し、出力端は高圧放電ランプHDの
外部リード線ORに接続している。
【0173】また、点灯回路OCは、配線基盤21に実
装された高周波インバータを主体として構成されてい
る。
【0174】<ケース部CPについて>ケース部CP
は、ケース31および受電手段32からなる。
【0175】ケース31は、耐熱性合成樹脂などの耐熱
物質を筒状に成形して形成され、下端に支持台13によ
り閉塞される開口31a、上端に受電手段装着部31b
を備えている。また、ケース31の内部には、点灯回路
OCを収納するとともに、これを定置している。
【0176】受電手段32は、E26形の口金からな
り、ケース31の受電手段装着部31bに装着されてい
る。
【0177】
【発明の効果】請求項1および2の発明によれば、透光
性セラミックス放電容器の膨出部に連通して配置された
小径筒部内に導入される給電導体を封着性部分および封
着性部分の先端に接続された耐火性部分によって構成
し、小径筒部および給電導体の封着性部分の間を封着性
部分が少なくとも放電空間側へ露出しないように第1の
シールによって包囲して封止するとともに、小径筒部の
端部から外部に突出した封着性部分の基端に外部リード
線を接続して、封着性部分の基端および外部リード線の
接続部を第1のシールより融点が300℃以上低い第2
のシールで包囲して外部に露出しないように封止したこ
とにより、第2のシールによる封止工程において第1の
シールに歪を生じないので、クラックが発生しにくいと
ともに、白金より融点が低くて安価な封着性金属で外部
リード線を構成してコストダウンを図った高圧放電ラン
プを提供することができる。
【0178】請求項2の発明によれば、加えて第2のシ
ールの融点が第1のシールより400℃以上低いことに
より、第2のシールによる封止工程において、第1のシ
ールに一層歪が生じにくい高圧放電ランプを提供するこ
とができる。
【0179】請求項3の発明によれば、第2のシールが
Si、B、Pb、Na、Ba、Zn、CaおよびMgの
グループから選択された少なくとも三種以上の元素の酸
化物を主成分として含んで構成されていることにより、
融点が低くて熱膨張係数が給電導体の封着性部分のそれ
に接近しているシールを容易に得るとともに、白金より
融点が低くて安価な封着性金属を外部リード線に採用可
能にした高圧放電ランプを提供することができる。
【0180】請求項4の発明によれば、加えて第2のシ
ールが熱膨張係数が6×10−6/℃〜12×10−6
/℃で、かつ融点が1200℃以下であることにより、
加熱溶融時に第1のシールに歪が生じにくい好適な第2
のシールによる封止をした高圧放電ランプを提供するこ
とができる。
【0181】請求項5の発明によれば、加えて外部リー
ド線が封着性合金からなることにより、外部リード線が
所望の封着性を備えるとともに、安価な高圧放電ランプ
を提供することができる。
【0182】請求項6の発明によれば、加えて外部リー
ド線がFeおよびNiを含む封着性合金からなることに
より、安価で、しかも封着性に優れた高圧放電ランプを
提供することができる。
【0183】請求項7の発明によれば、加えて少なくと
も一端側において外部リード線が透光性セラミックス放
電容器の軸と交差して封着性部分に接続していることに
より、外部リード線を湾曲させる必要がなくて、しかも
デッドスペースが生じない高圧放電ランプを提供するこ
とができる。
【0184】請求項8の発明によれば、透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部の端面に近接して配設するセラ
ミックスワッシャに軸孔から外周面に達する貫通部を形
成して、その貫通部内に外部リード線が挿入されて封着
性部分の基端に接続していることにより、外部リード線
を透光性セラミックス放電容器の軸に対して交差して接
続するのに好適な高圧放電ランプを提供することができ
る。
【0185】請求項9の発明によれば、請求項1ないし
8の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態を示
す一部切欠正面図
【図2】同じく上端部のみを封止した状態を示す一部切
欠縦断面図
【図3】本発明の高圧放電ランプの第2の実施形態にお
ける上端部のみを封止した状態を示す一部切欠縦断面図
【図4】本発明の高圧放電ランプの第3の実施形態にお
ける上端部のみを封止した状態を示す一部切欠縦断面図
【図5】本発明の高圧放電ランプの第4の実施形態を示
す一部切欠正面図
【図6】図8の(c)工程におけるVI−VI'線に沿う拡
大断面図
【図7】本発明の高圧放電ランプの第4の実施形態にお
けるセラミックスワッシャを示す拡大斜視図
【図8】同じく封止工程を説明する要部拡大断面図
【図9】本発明の高圧放電ランプの第5の実施形態を示
す要部拡大断面図
【図10】同じく第2のシールを形成する前の状態にお
ける端部の平面図
【図11】同じくセラミックスワッシャの斜視図
【図12】本発明の高圧放電ランプの第6の実施形態に
おける上端部のみを封止した状態を示す一部切欠縦断面
【図13】本発明の照明装置の一実施形態としての電球
形高圧放電ランプを示す正面図
【図14】同じく縦断面図
【図15】従来技術3を示す製造過程における要部拡大
断面図
【符号の説明】 SE…透光性セラミックス放電容器 SEa…膨出部 SEb…小径筒部 FC…給電導体 FCa…封着性部分 FCa1…基端 FCb…耐火性部分 FCb1…接合線 E…電極 Ea3…接合線 S1…第1のシール SW…セラミックスワッシャ SWa…軸孔 S2…第2のシール OR…外部リード線 g…わずかな隙間

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電空間を包囲する膨出部および膨出部の
    両端に連通して配置され膨出部より内径が小さい小径筒
    部を備えた透光性セラミックス放電容器と;少なくとも
    封着性部分および封着性部分の先端に基端が接続されて
    いる耐火性部分を備え、透光性セラミックス放電容器の
    小径筒部内に挿入されて耐火性部分と小径筒部の内面と
    の間にわずかな隙間を形成しながら延在するとともに、
    封着性部分の基端が透光性セラミックス放電容器の小径
    筒部から外部へ突出している給電導体と;先端が封着性
    部分の基端に接続されて基端側が透光性放電容器の外部
    に露出している外部リード線と;給電導体の耐火性部分
    の先端に配設されて透光性セラミックス放電容器の膨出
    部内に位置している電極と;透光性セラミックス放電容
    器の小径筒部および給電導体の封着性部分の間を少なく
    とも封着性部分が放電空間側へ露出しないように包囲し
    て封止している第1のシールと;第1のシールより融点
    が300℃以上低くて給電導体の封着性部分の基端が外
    部空間に露出しないように封着性部分の基端および外部
    リード線の先端を包囲して封止している第2のシール
    と;透光性セラミックス放電容器内に封入されたイオン
    化媒体と;を具備していることを特徴とする高圧放電ラ
    ンプ。
  2. 【請求項2】第2のシールは、融点が第1のシールのそ
    れより400℃以上低いことを特徴とする請求項1記載
    の高圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】放電空間を包囲する膨出部および膨出部の
    両端に連通して配置され膨出部より内径が小さい小径筒
    部を備えた透光性セラミックス放電容器と;少なくとも
    封着性部分および封着性部分の先端に基端が接続されて
    いる耐火性部分を備え、透光性セラミックス放電容器の
    小径筒部内に挿入されて耐火性部分と小径筒部の内面と
    の間にわずかな隙間を形成しながら延在するとともに、
    封着性部分の基端が透光性セラミックス放電容器の小径
    筒部から外部へ突出している給電導体と;先端が封着性
    部分の基端に接続されて基端側が透光性放電容器の外部
    に露出している外部リード線と;給電導体の耐火性部分
    の先端に配設されて透光性セラミックス放電容器の膨出
    部内に位置している電極と;透光性セラミックス放電容
    器の小径筒部および給電導体の封着性部分の間を少なく
    とも封着性部分が放電空間側へ露出しないように包囲し
    て封止している第1のシールと;Si、B、Pb、N
    a、Ba、Zn、CaおよびMgのグループから選択さ
    れた少なくとも三種以上の元素の酸化物を主成分として
    含んで構成され、給電導体の封着性部分の基端が外部空
    間に露出しないように封着性部分の基端および外部リー
    ド線の先端を包囲して封止している第2のシールと;透
    光性セラミックス放電容器内に封入されたイオン化媒体
    と;を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ。
  4. 【請求項4】第2のシールは、熱膨張係数が6×10−
    6/℃〜12×10−6/℃で、かつ融点が1200℃
    以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か一記載の高圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】外部リード線は、封着性合金からなること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧
    放電ランプ。
  6. 【請求項6】外部リード線は、FeおよびNiを含む封
    着性合金からなることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか一記載の高圧放電ランプ。
  7. 【請求項7】外部リード線は、少なくとも一端側におい
    て透光性セラミックス放電容器の軸と交差して封着性部
    分に接続していることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれか一記載の高圧放電ランプ。
  8. 【請求項8】軸方向に形成された軸孔および軸孔から外
    周面に達する貫通部を備えるとともに、軸孔内に給電導
    体の封着性部分の基端が位置するように透光性セラミッ
    クス放電容器の小径筒部の端面に近接して配設されたセ
    ラミックスワッシャを具備しており;外部リード線は、
    セラミックスワッシャの貫通部内に挿入されて軸孔内で
    封着性部分に接続してしている;ことを特徴とする請求
    項7記載の高圧放電ランプ。
  9. 【請求項9】照明装置本体と;照明装置本体に支持され
    た請求項1ないし8のいずれか一記載の高圧放電ランプ
    と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103021791A (zh) * 2011-09-21 2013-04-03 株式会社奥珂制作所 放电灯

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