JP2000145499A - 筒内噴射エンジンの始動方法 - Google Patents

筒内噴射エンジンの始動方法

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JP2000145499A
JP2000145499A JP10315064A JP31506498A JP2000145499A JP 2000145499 A JP2000145499 A JP 2000145499A JP 10315064 A JP10315064 A JP 10315064A JP 31506498 A JP31506498 A JP 31506498A JP 2000145499 A JP2000145499 A JP 2000145499A
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fuel
engine
carburetor
injector
cylinder
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JP10315064A
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Takeshi Motoyama
雄 本山
Shinji Sasamoto
真司 笹本
Kenji Morikawa
健志 森川
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Yamaha Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Means For Warming Up And Starting Carburetors (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 点火プラグの汚損や黒煙の排出等の問題を招
くことなくエンジンの迅速な始動を可能とする筒内噴射
エンジンの始動方法を提供すること。 【構成】 インジェクタ34によって燃料をシリンダ1
2内に直接噴射する筒内噴射エンジン1の吸気系に気化
器25を設け、該気化器25に連なる燃料通路に燃料流
量を制御する制御弁を設け、エンジン始動時には前記制
御弁を開けて気化器25に燃料を供給するとともに、少
なくともエンジン1の始動を感知するまでの間はインジ
ェクタ34による燃料噴射を行わないようにする。本発
明によれば、エンジン1の始動時には気化器25から混
合気が供給されてインジェクタ34からの燃料噴射は行
われないため、インジェクタ34に供給する燃料の圧力
が要求値に達するまでの時間に拘らず、エンジン1の迅
速な始動が可能となる。又、エンジン1の始動時には混
合気が気化器25からシリンダ12まで供給されるまで
の間に燃料が十分気化することができるため、点火プラ
グ30の汚損や黒煙の排出等の問題が解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インジェクタによ
って燃料をシリンダ内に直接噴射する筒内噴射エンジン
の始動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】出力向上や燃費及び排ガス特性の改善を
目的としてインジェクタによって燃料をシリンダ内に直
接噴射する筒内噴射エンジンが提案され、既に実用に供
されているが、斯かる筒内噴射エンジンにおいてインジ
ェクタに供給される燃料は電磁燃料ポンプ又はエンジン
駆動ポンプによって所定圧に昇圧される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高圧燃料系
は燃料圧の脈動を抑えるために一定量以上の容積を有し
ていることが必要であり、従って、エンジン始動時には
電磁燃料ポンプ及びエンジン駆動ポンプの何れによって
も燃料圧が要求値に達するまでには一定の時間が必要に
なる。特に、電磁燃料ポンプにあってはセルモータの駆
動に所定の電流を要するために十分な電流を確保するこ
とができず、又、エンジン駆動ポンプではエンジン回転
数が低い間は燃料圧が要求値まで上がりにくいという問
題がある。
【0004】従って、エンジン始動時に燃料圧不足が発
生し、例えばセルモータ起動後の数サイクルでエンジン
の始動が可能となるという要求を満たすことができない
等の状況が発生していた。
【0005】又、エンジン始動時にインジェクタから噴
射される燃料の噴霧粒径が粗大化し、低いエンジン温度
と相俟って混合気形成が遅れ、点火プラグの汚損や黒煙
の排出等の問題が発生していた。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、点火プラグの汚損や黒煙の排
出等の問題を招くことなくエンジンの迅速な始動を可能
とする筒内噴射エンジンの始動方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、インジェクタによって燃料
をシリンダ内に直接噴射する筒内噴射エンジンの吸気系
に気化器を設け、該気化器に連なる燃料通路に燃料流量
を制御する制御弁を設け、エンジン始動時には前記制御
弁を開けて気化器に燃料を供給するとともに、少なくと
もエンジンの始動を感知するまでの間は前記インジェク
タによる燃料噴射を行わないようにしたことを特徴とす
る。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記気化器を始動系又は始動系とスロー系
のみの燃料系統を備える簡易型気化器で構成したことを
特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、エンジンの始動を感知すると前記制御弁を
閉じて前記気化器への燃料供給を遮断するとともに、気
化器への燃料供給の遮断と同時又は遮断の前後に前記イ
ンジェクタによる燃料噴射を開始することを特徴とす
る。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、エンジンの始動を感知してから前記制御弁
を閉じるまでのタイムラグを状況に応じて変化させるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記タイムラグをエンジン温度によって変
化させ、エンジン温度が低い程タイムラグを長く設定す
ることを特徴とする。
【0012】従って、本発明によれば、エンジンの始動
時には気化器から混合気が供給されてインジェクタから
の燃料噴射は行われないため、インジェクタに供給する
燃料の圧力が要求値に達するまでの時間に拘らず、セル
モータ起動後の数サイクルでエンジンの迅速な始動が可
能となる。
【0013】又、本発明によれば、エンジンの始動時に
は混合気が気化器からシリンダまで供給されるまでの間
に燃料が十分気化することができるため、点火プラグの
汚損や黒煙の排出等の問題が発生することもない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明方法が適用される筒内噴射エ
ンジンを搭載した自動二輪車要部(エンジン部分)の側
断面図であり、図示の筒内噴射エンジン1は2サイクル
エンジンであって、これは自動二輪車のメインフレーム
2とダウンチューブ3及びリヤアームブラケット4によ
って囲まれる閉空間に配設されている。尚、リヤアーム
ブラケット4にはリヤアーム5の前端がピボット軸6に
よって上下に回動自在に枢着されており、該リヤアーム
5の後端には不図示の後輪が回転自在に支承されてい
る。又、2サイクルエンジン1のミッションケース7の
側方に延出する出力軸8にはスプロケット9が結着され
ており、該スプロケット9と不図示の後車軸に結着され
たスプロケットとの間には無端状のチェーン10が巻装
されている。
【0016】ここで、2サイクルエンジン1の構成につ
いて説明する。
【0017】2サイクルエンジン1のシリンダボディ1
1にはシリンダ12が形成されており、該シリンダ12
にはピストン13が摺動自在に嵌装されている。そし
て、ピストン13はコンロッド14を介してクランク軸
15に連結されている。
【0018】ところで、前記シリンダボディ11の上部
にはシリンダヘッド16が被着され、下部にはクランク
ケース17が取り付けられており、クランクケース17
内に形成されるクランク室18には前記クランク軸15
が回転自在に収納されている。又、シリンダボディ11
の車体後部に開口する吸気ポート19にはリード弁20
が設けられるとともに、吸気管21とスロットルボディ
22及びエアクリーナ23がこの順に連設されている。
【0019】そして、上記スロットルボディ22にはス
ロットル弁24が内蔵されるとともに、簡易型の気化器
25が取り付けられている。尚、スロットル弁24はア
クチュエータ26によって開閉駆動され、アクチュエー
タ26の駆動はハンドル27の一端に設けられた回動可
能なスロットルグリップ28によるスロットル操作によ
って開閉動作せしめられる。
【0020】一方、前記シリンダヘッド16には燃焼凹
部16aが形成されており、該燃焼凹部16aと前記シ
リンダ12及びピストン13によって燃焼室29が形成
される。そして、シリンダヘッド16の頂部には点火プ
ラグ30が螺着されている。
【0021】又、シリンダボディ11には排気通路31
と掃気通路32が形成されており、排気通路31には排
気管33が接続されており、掃気通路32の一端(上
端)はシリンダ12内に開口し、他端(下端)はクラン
ク室18内に開口している。
【0022】更に、シリンダボディ11の上部側壁には
インジェクタ34がシリンダ軸線に対して所定角度傾斜
して取り付けられており、不図示の燃料タンクに収容さ
れた燃料は不図示の燃料ポンプによって昇圧されてイン
ジェクタ34からシリンダ12内に適当なタイミングで
直接噴射される。
【0023】ここで、前記気化器25の構成を図2に基
づいて説明する。
【0024】図2は気化器25の断面図であり、同図に
おいて、35は燃料を収容するフロート室、36はフロ
ート、37はスタータジェット、38はエアジェット、
39はエアブリード孔、40はスタータノズル、41は
始動系用エア入口、42は混合気出口である。
【0025】而して、気化器25においては始動系用エ
ア入口41からのエアーの流れによって発生する負圧に
引かれてフロート室35内の燃料がスタータノズル40
から流出し、この燃料とエアーが混合することによって
所要の空燃比の混合気が形成され、この混合気は混合気
出口42から吸気管21(図1参照)へと排出される。
【0026】ところで、混合気量及びスタータノズル4
0からの燃料の供給/遮断はプランジャ型のスタータ弁
43によってなされ、このスタータ弁43はアクチュエ
ータ44によって開閉駆動される。尚、本実施の形態に
係る気化器25は始動系のみの燃料系統を備える簡易型
の気化器であるが、始動系とスロー系のみの燃料系統を
備える簡易型気化器を採用しても良い。
【0027】次に、2サイクルエンジン1の制御系の構
成を図3のブロック図に基づいて説明する。
【0028】図3において、45はエンジン制御装置
(以下、ECUと略称する)であって、該ECU45に
は2サイクルエンジン1の運転状態を検出するための各
種センサが電気的に接続されている。即ち、ECU45
には、スロットル弁24の開度THを検出するためのス
ロットル開度センサ46、エンジン回転数Nを検出する
ためのエンジン回転センサ47、クランク軸15の回転
角CAを検出するためのクランク角センサ48及びエン
ジン温度Teを検出するためのエンジン温度センサ49
がそれぞれ電気的に接続されている。
【0029】而して、ECU45は上記各種センサ46
〜49によって検出される2サイクルエンジン1の運転
状態に応じた制御信号をインジェクタドライバ50、C
DIユニット51及びアクチュエータ44に対して出力
し、インジェクタ34からの燃料噴射時間(燃料噴射
量)と噴射タイミング、点火プラグ30による点火タイ
ミング及びスタータ弁43の開度をそれぞれ最適に制御
する。
【0030】次に、2サイクルエンジン1の始動方法に
ついて説明する。本実施の形態に係る2サイクルエンジ
ン1の始動に際しては、スロットル弁24を全閉に維持
した状態で前記気化器25に設けられたスタータ弁43
を開けて気化器25において混合気を形成するととも
に、少なくともエンジン1の始動を感知するまでの間は
インジェクタ34による燃料噴射を行わないようにして
いる。
【0031】即ち、エンジン1の始動に際して不図示の
セルモータによってエンジン1がクランキングされ、ピ
ストン13がシリンダ12内を下死点(BDC)から上
死点(TDC)に向かって上動する圧縮行程に移行する
と、気化器25において形成された混合気はクランク室
18に発生する負圧に引かれて吸気管21及びリード弁
20を通ってクランク室18内に流入する。そして、ク
ランク室18内に流入した混合気はその後の膨張行程に
おいて上死点から下死点に向かって下降するピストン1
3によって一次圧縮され、この一次圧縮された混合気は
掃気ポートが開くと掃気通路32からシリンダ12内に
流入する。
【0032】その後、ピストン13が下死点から上死点
に向かって上動して該ピストン13によって掃気ポート
が閉じられ、続いて排気ポートが閉じられると、シリン
ダ12内の混合気はピストン13によって圧縮され、こ
の圧縮された混合気は燃焼室29において点火プラグ3
0によって着火されて燃焼する。そして、混合気の燃焼
によって発生した高温・高圧の排気ガスはその後の膨張
行程においてピストン13が下降して排気ポートが開く
と排気ポートから排気通路31へと吹き出し、その後、
掃気ポートが開くと掃気通路31からシリンダ内12に
流入する混合気の掃気作用によって31排気通路へと排
出されて排気管33を通って大気中に排出される。
【0033】而して、エンジン1の始動時には気化器2
5から混合気が供給され、インジェクタ34からの燃料
噴射は行われないため、インジェクタ34に供給する燃
料の圧力が要求値に達するまでの時間に拘らず、セルモ
ータ起動後の数サイクルでエンジン1の迅速な始動が可
能となる。
【0034】又、エンジン1の始動時には混合気が気化
器25からシリンダ12まで供給されるまでの間に燃料
が十分気化することができるため、点火プラグ30の汚
損や黒煙の排出等の問題が発生することもない。
【0035】そして、以上のようにしてエンジン1が迅
速に始動され、エンジン1の始動が感知されると燃料の
供給が気化器25からインジェクタ34に切り換えられ
る。
【0036】ここで、気化器25から供給される燃料と
インジェクタ34から供給される燃料の割合(燃料割
合)の時間変化を図4に示すが、同図において、実線A
にて区画される領域(ハッチングを付した領域)S1は
気化器25によって燃料が供給される領域(気化器領
域)であり、領域S2はインジェクタ34によって燃料
が供給(噴射)される領域(インジェクタ領域)であ
る。
【0037】図4に示すように、エンジン1の始動を開
始してからエンジン1の始動が感知される時間t1 まで
の間においては、ECU45による制御によって前述の
ようにスロットル弁24が全閉された状態でスタータ弁
43が全開され、燃料の全て(100%)は気化器25
から供給される。
【0038】而して、時間t1 においてエンジン1の始
動が感知されると、ECU45はスタータ弁43を絞る
とともに、スロットル弁24を開き始める。すると、燃
料の供給は気化器25とインジェクタ34の双方によっ
て行われ、その後、時間tの経過と共に気化器25とイ
ンジェクタ34からそれぞれ供給される燃料の割合は図
4の実線Aに沿って変化し、インジェクタからの燃料の
供給割合が次第に増大する。
【0039】そして、時間t2 に達するとECU45に
よってスタータ弁43が全閉されて気化器25からの燃
料供給が遮断され、燃料の全て(100%)はインジェ
クタ34からシリンダ12内に直接噴射されてエンジン
1は筒内噴射エンジンとして運転され、その出力向上と
燃費及び排ガス特性の改善が図られる。即ち、エアクリ
ーナ23から吸引された空気はスロットル弁24によっ
て計量された後、吸気管21とリード弁20を通ってエ
ンジン1のクランク室18に吸引されて一次圧縮され、
その後、ピストン13によって排気ポートと掃気ポート
が開かれると、掃気通路32からシリンダ12内に流入
して所要の掃気作用を成した後にピストン13によって
圧縮され、その過程でインジェクタ34からの燃料噴射
を受ける。この燃料噴射によってシリンダ12内に所定
の空燃比の混合気が形成され、この混合気は燃焼室29
での燃焼に供され、この混合気の燃焼によって発生した
排気ガスは排気ポートが開くと排気通路31へと吹き出
し、その後掃気ポートが開くと掃気通路31からシリン
ダ12内に流入する新気による掃気作用によって排気通
路31へと押し出される。
【0040】以上の作用が繰り返されることによってエ
ンジン1は連続的に運転されるが、特に筒内噴射式の2
サイクルエンジン1においては燃料の排気ポートへの吹
き抜けが生じないタイミングで燃料をシリンダ12内に
噴射することができるため、燃費と排ガス特性の改善を
図ることができる。
【0041】ここで、図5にインジェクタ34による燃
料噴射タイミングと噴射時間(燃料噴射量)をクランク
角に対して示すが、図示の矢印区間,,,は図
4に示すタイミング,,,での燃料噴射タイミ
ングと噴射時間(燃料噴射量)に対応する。図5におい
て、EOは排気ポート開、ECは排気ポート閉、SOは
掃気ポート開、SCは掃気ポート閉、TDCは上死点、
BDCは下死点である。
【0042】尚、ECU45は前記エンジン回転センサ
47によって検出されるエンジン回転数Nと前記スロッ
トル開度センサ46によって検出されるスロットル開度
THをパラメータとして燃料噴射タイミング、燃料噴射
時間及び点火タイミングを図6〜図8に示すようにそれ
ぞれ制御する。
【0043】ところで、本実施の形態では、ECU45
はエンジン温度センサ49によって検出されたエンジン
温度Teによって燃料割合を変化させ、例えば高温時に
おいては図4に破線A’にて示す特性に従って、又、低
温時には鎖線A”にて示す特性に従って燃料割合をそれ
ぞれ決定する。
【0044】ここで、気化器25からの燃料供給量に比
例するスタータ弁43の開度(%)のエンジン温度Te
と時間S(エンジン始動後の経過時間)に対する制御特
性を図9に示すが、同図に示すように、スタータ弁43
の開度(気化器25からの燃料供給量)はエンジン温度
Teが低い程大きく設定され、時間Sの経過と共に減少
し、或るエンジン温度Te及び時間S(例えば、図4に
示す時間t2 ,t2 ’,t2 ”)において0に設定され
る。
【0045】尚、本実施の形態ではスタータ弁43を閉
じて気化器25への燃料供給を遮断する以前にインジェ
クタ34からの燃料供給を開始したが、インジェクタ3
4による燃料供給をスタータ弁43を全閉すると同時又
は全閉した後にインジェクタ34による燃料供給を開始
するようにしても良い。実際には、スタータ弁43を閉
じて気化器25への燃料供給を遮断した後においてもク
ランク室18に燃料が残留するため、スタータ弁43を
全閉した後しばらくしてインジェクタ34による燃料供
給を開始しても差し支えない。
【0046】ところで、図10に示すように、エアクリ
ーナ23から分岐してリード弁20に合流する主吸気通
路52と副吸気通路53を設け、主吸気通路52の途中
にはスロットル弁24を介設し、副排気通路53の途中
には簡易型気化器25を介設し、エンジン始動後の低・
中負荷域では主吸気通路52による新気の供給とインジ
ェクタ34による燃料噴射によってエンジンを駆動し、
高負荷域においては主吸気通路52による新気の供給と
インジェクタ34による燃料噴射に加えて副吸気通路5
3と気化器25による混合気の供給によってエンジンを
駆動するようにしても良い。図10において、18はク
ランク室、29は燃焼室、31は排気通路、32は掃気
通路、54は燃料タンク、55はフィルタ、56は燃料
ポンプ、57は調圧弁、58はアキュームレータであ
る。
【0047】尚、以上の実施の形態では本発明を特に2
サイクルエンジンに適用した場合について述べたが、本
発明は筒内噴射式の4サイクルエンジンに対しても同様
に適用可能であることは勿論である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、エンジンの始動時には気化器から混合気が供給
されてインジェクタからの燃料噴射は行われないため、
インジェクタに供給する燃料の圧力が要求値に達するま
での時間に拘らず、セルモータ起動後の数サイクルでエ
ンジンの迅速な始動が可能となるという効果が得られ
る。
【0049】又、本発明によれば、エンジンの始動時に
は混合気が気化器からシリンダまで供給されるまでの間
に燃料が十分気化することができるため、点火プラグの
汚損や黒煙の排出等の問題を解消することができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法が適用される筒内噴射エンジンを搭
載した自動二輪車要部(エンジン部分)の側断面図であ
る。
【図2】本発明方法が適用される筒内噴射エンジンに設
けられる気化器の断面図である。
【図3】本発明方法が適用される筒内噴射エンジンの制
御形の構成を示すブロック図である。
【図4】気化器から供給される燃料とインジェクタから
供給される燃料の割合(燃料割合)の時間変化を示す図
である。
【図5】インジェクタによる燃料噴射タイミングと噴射
時間(燃料噴射量)をクランク角に対して示す図であ
る。
【図6】インジェクタによる燃料噴射タイミングのエン
ジン温度Nとスロットル開度THに対する制御特性図で
ある。
【図7】インジェクタによる燃料噴射時間(燃料噴射
量)のエンジン温度Nとスロットル開度THに対する制
御特性図である。
【図8】点火プラグによる点火タイミングのエンジン温
度Nとスロットル開度THに対する制御特性図である。
【図9】スタータ弁の開度のエンジン温度Teと時間S
(エンジン始動後の経過時間)に対する制御特性図であ
る。
【図10】本発明の別形態を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン(筒内噴射エンジン) 12 シリンダ 24 スロットル弁 25 気化器 34 インジェクタ 43 スタータ弁(制御弁) 45 エンジン制御装置(ECU) 49 エンジン温度センサ Te エンジン温度 Δt タイムラグ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 63/00 F02M 63/00 Z // F02M 71/04 71/04 (72)発明者 森川 健志 静岡県磐田市新貝2500番地ヤマハ発動機株 式会社内 Fターム(参考) 3G006 AE02 AE05 AE11 3G066 AA02 AA08 AB02 AD12 BA14 BA24 BA28 CB01 CD26 DC04 DC05 DC09 DC14 3G084 AA02 BA05 BA12 CA01 DA09 EB08 EC01 FA10 FA20 FA33 FA38 3G301 HA03 HA04 JA24 KA01 KA08 KA09 LA00 LB04 MA11 MA18 NE22 PA11Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジェクタによって燃料をシリンダ内
    に直接噴射する筒内噴射エンジンの吸気系に気化器を設
    け、該気化器に連なる燃料通路に燃料流量を制御する制
    御弁を設け、エンジン始動時には前記制御弁を開けて気
    化器に燃料を供給するとともに、少なくともエンジンの
    始動を感知するまでの間は前記インジェクタによる燃料
    噴射を行わないようにしたことを特徴とする筒内噴射エ
    ンジンの始動方法。
  2. 【請求項2】 前記気化器を始動系又は始動系とスロー
    系のみの燃料系統を備える簡易型気化器で構成したこと
    を特徴とする請求項1記載の筒内噴射エンジンの始動方
    法。
  3. 【請求項3】 エンジンの始動を感知すると前記制御弁
    を閉じて前記気化器への燃料供給を遮断するとともに、
    気化器への燃料供給の遮断と同時又は遮断の前後に前記
    インジェクタによる燃料噴射を開始することを特徴とす
    る請求項1記載の筒内噴射エンジンの始動方法。
  4. 【請求項4】 エンジンの始動を感知してから前記制御
    弁を閉じるまでのタイムラグを状況に応じて変化させる
    ことを特徴とする請求項3記載の筒内噴射エンジンの始
    動方法。
  5. 【請求項5】 前記タイムラグをエンジン温度によって
    変化させ、エンジン温度が低い程タイムラグを長く設定
    することを特徴とする請求項4記載の筒内噴射エンジン
    の始動方法。
JP10315064A 1998-11-05 1998-11-05 筒内噴射エンジンの始動方法 Pending JP2000145499A (ja)

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JP (1) JP2000145499A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012522179A (ja) * 2009-03-31 2012-09-20 フスクバルナ アクティエボラーグ 2ストローク内燃エンジン

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