JP2000144966A - 重量鉄骨住宅の断熱暖房構造 - Google Patents
重量鉄骨住宅の断熱暖房構造Info
- Publication number
- JP2000144966A JP2000144966A JP34107398A JP34107398A JP2000144966A JP 2000144966 A JP2000144966 A JP 2000144966A JP 34107398 A JP34107398 A JP 34107398A JP 34107398 A JP34107398 A JP 34107398A JP 2000144966 A JP2000144966 A JP 2000144966A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- heating
- concrete
- exterior wall
- floor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 重量鉄骨を用いた耐震構造の低層階住宅にお
いて、健康に害のない効率的な暖房と、室内温度の安定
維持を図る。 【解決手段】 重量鉄骨を用いて住宅の外壁フレームを
構成して外壁材となる断熱ボードを配するとともに、床
面をコンクリート構造とし、このコンクリート床面を、
間仕切箇所において熱的に不連続となるよう分断して当
該分断箇所に離隔材を配する一方、離隔材によって画成
したコンクリート床面の各分割領域に、一の熱源から循
環供給される熱媒を流動させる温熱パイプを分岐させそ
れぞれ所定パターンを描いて配設する。家屋全体の断熱
効率を高めるため、外壁材となる前記断熱ボードは、重
量鉄骨で形成した外壁フレームの外側に配設することが
望ましい。
いて、健康に害のない効率的な暖房と、室内温度の安定
維持を図る。 【解決手段】 重量鉄骨を用いて住宅の外壁フレームを
構成して外壁材となる断熱ボードを配するとともに、床
面をコンクリート構造とし、このコンクリート床面を、
間仕切箇所において熱的に不連続となるよう分断して当
該分断箇所に離隔材を配する一方、離隔材によって画成
したコンクリート床面の各分割領域に、一の熱源から循
環供給される熱媒を流動させる温熱パイプを分岐させそ
れぞれ所定パターンを描いて配設する。家屋全体の断熱
効率を高めるため、外壁材となる前記断熱ボードは、重
量鉄骨で形成した外壁フレームの外側に配設することが
望ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重量鉄骨を使用した低
層階住宅に係り、とくに断熱性に優れた暖房構造に関す
る。
層階住宅に係り、とくに断熱性に優れた暖房構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大きな地震を想定し、近時、低層階住宅
においても重量鉄骨を用いた高耐震性の住宅が提案され
実用化されるに至っている。これらの住宅構造は、オフ
ィスビルや高層階マンションにおいて使用される重量鉄
骨を使用したラーメン構造を応用し、外力の分散による
耐震構造を低コストで実現する。
においても重量鉄骨を用いた高耐震性の住宅が提案され
実用化されるに至っている。これらの住宅構造は、オフ
ィスビルや高層階マンションにおいて使用される重量鉄
骨を使用したラーメン構造を応用し、外力の分散による
耐震構造を低コストで実現する。
【0003】一方、一戸建て住宅や低層階アパート住宅
における暖房システムおよび外壁の断熱構造は、伝統的
な木造住宅やツー・バイ・フォー工法などを用いた一般
住宅の技術がそのまま使用されるのが実情である。外壁
材の取付けでは柱と梁の間に断熱ボードを取り付けてい
たため、重量鉄骨を用いる場合でも、例えば図5に示す
ように、そのまま同じ手法で断熱ボード1を取り付け
る。2は重量鉄骨の柱である。暖房設備としては、各室
に電気式または灯油式の温風装置(ファンヒーター)を
配する等である。
における暖房システムおよび外壁の断熱構造は、伝統的
な木造住宅やツー・バイ・フォー工法などを用いた一般
住宅の技術がそのまま使用されるのが実情である。外壁
材の取付けでは柱と梁の間に断熱ボードを取り付けてい
たため、重量鉄骨を用いる場合でも、例えば図5に示す
ように、そのまま同じ手法で断熱ボード1を取り付け
る。2は重量鉄骨の柱である。暖房設備としては、各室
に電気式または灯油式の温風装置(ファンヒーター)を
配する等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる低層階住宅の建
築構造は、関東以南の地域では特に大きな問題を生じな
い。しかしながら、北海道のように冬期の外気温が厳し
く低下する地域においては暖房効率という点で著しい問
題を生ずる。
築構造は、関東以南の地域では特に大きな問題を生じな
い。しかしながら、北海道のように冬期の外気温が厳し
く低下する地域においては暖房効率という点で著しい問
題を生ずる。
【0005】まず暖房設備の点でいえば、温風式の暖房
は、始動から室内温度が著しく上昇するという利点はあ
るが、スイッチを切った後の室内温度の低下が速く、就
寝時にもタイマー設定を必要とするなど生活上の不便が
耐えない。これは室内空気の循環加熱によって、居室内
の湿度が極度に低下するためであると考えられる。また
湿度の低下によって風邪をひきやすい、喉を痛めるなど
の問題も残る。
は、始動から室内温度が著しく上昇するという利点はあ
るが、スイッチを切った後の室内温度の低下が速く、就
寝時にもタイマー設定を必要とするなど生活上の不便が
耐えない。これは室内空気の循環加熱によって、居室内
の湿度が極度に低下するためであると考えられる。また
湿度の低下によって風邪をひきやすい、喉を痛めるなど
の問題も残る。
【0006】一方、暖房OFF後の居室内温度の著しい
低下は、外壁材の構造にも問題があると考えられる。北
海道や東北地方において多用される高気密住宅は、結局
のところ室内温度の低下を防止するためのものであり、
近時、かかる問題を解決するために各種の断熱ボード
(断熱パネル)が提案されるようになった。
低下は、外壁材の構造にも問題があると考えられる。北
海道や東北地方において多用される高気密住宅は、結局
のところ室内温度の低下を防止するためのものであり、
近時、かかる問題を解決するために各種の断熱ボード
(断熱パネル)が提案されるようになった。
【0007】しかしながら、実際の施工に当たっては、
柱と梁とで構成される外壁フレームに対して、厳密な精
度をもって断熱ボードが取付けられるわけではない。な
ぜなら、図5に示したように柱2や梁に断熱ボード1を
嵌め込む構造をとった場合には、寸法の狂いによって容
易に嵌装部分に隙間が生じるからである。もちろん、こ
れらの寸法誤差は実際の構造強度に著しい悪影響を与え
るわけではないが、外気温が著しく低下する地域では当
該隙間から侵入する冷気が居室内温度の低下を促進し、
回復しがたい結露の問題を惹起する。住宅の気密性が向
上するとともに結露の問題は深刻化しており、内装壁紙
の汚損剥離、サッシの腐食と動作不能、押入内の布団の
回復し難い汚損等の問題となって顕在化する。
柱と梁とで構成される外壁フレームに対して、厳密な精
度をもって断熱ボードが取付けられるわけではない。な
ぜなら、図5に示したように柱2や梁に断熱ボード1を
嵌め込む構造をとった場合には、寸法の狂いによって容
易に嵌装部分に隙間が生じるからである。もちろん、こ
れらの寸法誤差は実際の構造強度に著しい悪影響を与え
るわけではないが、外気温が著しく低下する地域では当
該隙間から侵入する冷気が居室内温度の低下を促進し、
回復しがたい結露の問題を惹起する。住宅の気密性が向
上するとともに結露の問題は深刻化しており、内装壁紙
の汚損剥離、サッシの腐食と動作不能、押入内の布団の
回復し難い汚損等の問題となって顕在化する。
【0008】そこで本発明の目的は、重量鉄骨を用いた
耐震構造の低層階住宅において、健康に害のない効率的
な暖房と、室内温度の安定維持を図る点にある。
耐震構造の低層階住宅において、健康に害のない効率的
な暖房と、室内温度の安定維持を図る点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る断熱暖房構造は、重量鉄骨を用いて住
宅の外壁フレームを構成して外壁材となる断熱ボードを
配するとともに、床面をコンクリート構造とし、このコ
ンクリート床面を、間仕切箇所において熱的に不連続と
なるよう分断して当該分断箇所に離隔材を配する一方、
離隔材によって画成したコンクリート床面の各分割領域
に、一の熱源から循環供給される熱媒を流動させる温熱
パイプを分岐させそれぞれ所定パターンを描いて配設す
る。家屋全体の断熱効率を高めるため、外壁材となる前
記断熱ボードは、重量鉄骨で形成した外壁フレームの外
側に配設することが望ましい。
め、本発明に係る断熱暖房構造は、重量鉄骨を用いて住
宅の外壁フレームを構成して外壁材となる断熱ボードを
配するとともに、床面をコンクリート構造とし、このコ
ンクリート床面を、間仕切箇所において熱的に不連続と
なるよう分断して当該分断箇所に離隔材を配する一方、
離隔材によって画成したコンクリート床面の各分割領域
に、一の熱源から循環供給される熱媒を流動させる温熱
パイプを分岐させそれぞれ所定パターンを描いて配設す
る。家屋全体の断熱効率を高めるため、外壁材となる前
記断熱ボードは、重量鉄骨で形成した外壁フレームの外
側に配設することが望ましい。
【0010】
【作用】本発明に係る断熱暖房構造は、重量鉄骨を使用
することを前提として、床面をコンクリート構造とし、
ここに熱媒(例えば不凍液)を循環させる温熱パイプを
配する。これが暖房設備となる。コンクリート床面の下
に温熱パイプを配するので、室内空気はまず床面から温
まり、それが空気対流となって上昇する。座った状態、
寝ころんだ状態において、すぐに暖房効果を得ることが
可能であり、温風式のように電気ファンを使った無理な
強制風がないので、室内は静かであり、ほこりも舞わな
い。また床面はコンクリートであるから蓄熱され、暖房
スイッチを切った後も長時間にわたって温暖な空気環境
を維持する。尚、不凍液を使用しての冷房も可能であ
る。
することを前提として、床面をコンクリート構造とし、
ここに熱媒(例えば不凍液)を循環させる温熱パイプを
配する。これが暖房設備となる。コンクリート床面の下
に温熱パイプを配するので、室内空気はまず床面から温
まり、それが空気対流となって上昇する。座った状態、
寝ころんだ状態において、すぐに暖房効果を得ることが
可能であり、温風式のように電気ファンを使った無理な
強制風がないので、室内は静かであり、ほこりも舞わな
い。また床面はコンクリートであるから蓄熱され、暖房
スイッチを切った後も長時間にわたって温暖な空気環境
を維持する。尚、不凍液を使用しての冷房も可能であ
る。
【0011】各室の床面は、間仕切に沿って分断し、そ
こに離隔材(断熱スペーサ)を配する。例えば隔壁ボー
ドの下端部を嵌合装着する等である。従って、各室の床
面は完全に独立して暖房される。必要のない居室への暖
房は行わないし、また床面の熱も他の部屋に逃げること
がない。このため隣室が無人の場合など、無用な熱源稼
働を確実に抑え暖房コストを節減することが可能とな
る。離隔材は、それ自体がウレタンフォームやグラウス
ール等の断熱構造をとる必要はない。一定の距離を離し
て維持するスペーサとしての機能を営むことができれば
目的を達成できるからである。
こに離隔材(断熱スペーサ)を配する。例えば隔壁ボー
ドの下端部を嵌合装着する等である。従って、各室の床
面は完全に独立して暖房される。必要のない居室への暖
房は行わないし、また床面の熱も他の部屋に逃げること
がない。このため隣室が無人の場合など、無用な熱源稼
働を確実に抑え暖房コストを節減することが可能とな
る。離隔材は、それ自体がウレタンフォームやグラウス
ール等の断熱構造をとる必要はない。一定の距離を離し
て維持するスペーサとしての機能を営むことができれば
目的を達成できるからである。
【0012】外壁構造としては、重量鉄骨を用いたフレ
ームに断熱ボードを嵌め込むのではなく(鉄骨幅員に嵌
め込むのではなく)、構造フレームの外側部分に断熱ボ
ードを破折し、微妙な寸法誤差や設計誤差によって生じ
る経年使用後の微小隙間を確実に抑える。フレームの外
側から断熱ボードを配すれば、柱および梁材が構成する
方形空間の寸法または断熱ボードの四辺寸法の角度や長
さに多少の設計変更や狂いがあっても、図6に示すよう
に、そのまま断熱ボードを外側から取付固定して隙間を
生ずることなく外壁構造を構築することが出来るからで
ある。この結果結露の発生防止、騒音の遮断といった壁
部の高気密性を保つことが出来る。
ームに断熱ボードを嵌め込むのではなく(鉄骨幅員に嵌
め込むのではなく)、構造フレームの外側部分に断熱ボ
ードを破折し、微妙な寸法誤差や設計誤差によって生じ
る経年使用後の微小隙間を確実に抑える。フレームの外
側から断熱ボードを配すれば、柱および梁材が構成する
方形空間の寸法または断熱ボードの四辺寸法の角度や長
さに多少の設計変更や狂いがあっても、図6に示すよう
に、そのまま断熱ボードを外側から取付固定して隙間を
生ずることなく外壁構造を構築することが出来るからで
ある。この結果結露の発生防止、騒音の遮断といった壁
部の高気密性を保つことが出来る。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係る重量鉄骨住宅の一例を
示すものである。この低層階住宅は、重量鉄骨10を用
いて低層階住宅のフレーム構造体を構成し、重量鉄骨1
0の外側に断熱ボード11を配列固定する一方、一階、
二階の床面にコンクリート21を打ち、そこに熱媒を循
環させる温熱パイプ24を所定パターンで配設し、再び
コンクリート25を打って養生後、床面表面となるフロ
ーリング材26を敷設してなる。符号14は断面波型パ
ターンを描くデッキプレートであり、一階と二階との天
井間仕切となる部材である。デッキプレート14の波型
形状は特に限定されない。尚、温熱パイプ24は、屋上
16あるいは地階床面に配する場合もある。
示すものである。この低層階住宅は、重量鉄骨10を用
いて低層階住宅のフレーム構造体を構成し、重量鉄骨1
0の外側に断熱ボード11を配列固定する一方、一階、
二階の床面にコンクリート21を打ち、そこに熱媒を循
環させる温熱パイプ24を所定パターンで配設し、再び
コンクリート25を打って養生後、床面表面となるフロ
ーリング材26を敷設してなる。符号14は断面波型パ
ターンを描くデッキプレートであり、一階と二階との天
井間仕切となる部材である。デッキプレート14の波型
形状は特に限定されない。尚、温熱パイプ24は、屋上
16あるいは地階床面に配する場合もある。
【0014】図2は、二階床面の温熱パイプ24の敷設
例を示すもので、デッキプレート14の上にコンクリー
ト21を打ち、その上に断熱材(例えばスタイロフォイ
ームパネル)22を敷設し、そこにメッシュ構造の金属
シート23を配してから温熱パイプ24を敷設する。そ
して、その上からコンクリート25を打設して、養生
後、表面仕上げとして例えばラバー付きフローリング材
26を敷設する。温熱パイプ24の表面には、肉薄断熱
材となる表面断熱テープ27を巻装し、著しい温度上昇
によるコンクリート21,25の劣化を防止する。
例を示すもので、デッキプレート14の上にコンクリー
ト21を打ち、その上に断熱材(例えばスタイロフォイ
ームパネル)22を敷設し、そこにメッシュ構造の金属
シート23を配してから温熱パイプ24を敷設する。そ
して、その上からコンクリート25を打設して、養生
後、表面仕上げとして例えばラバー付きフローリング材
26を敷設する。温熱パイプ24の表面には、肉薄断熱
材となる表面断熱テープ27を巻装し、著しい温度上昇
によるコンクリート21,25の劣化を防止する。
【0015】各部位の寸法は、例えばそれぞれ、下段コ
ンクリート層(21)を80mm、スタイロフォーム2
2を25mm、コンクリート層(25)を50mm程度
に設計する。つまり、下層のコンクリート21を厚く
し、上層のコンクリート25をやや肉薄に設定し、構造
バランスを図る。下層のコンクリート21は主として家
屋構造体の床強度を維持するものであり、その肉厚はよ
り大きく設計する。また上層のコンクリート層(25)
は床強度を維持する機能を営みつつ、温熱パイプ24の
熱を居室に効率的に放出し、一定の蓄熱効果を得るよう
設計される。
ンクリート層(21)を80mm、スタイロフォーム2
2を25mm、コンクリート層(25)を50mm程度
に設計する。つまり、下層のコンクリート21を厚く
し、上層のコンクリート25をやや肉薄に設定し、構造
バランスを図る。下層のコンクリート21は主として家
屋構造体の床強度を維持するものであり、その肉厚はよ
り大きく設計する。また上層のコンクリート層(25)
は床強度を維持する機能を営みつつ、温熱パイプ24の
熱を居室に効率的に放出し、一定の蓄熱効果を得るよう
設計される。
【0016】この設計バランスは微妙である。何故な
ら、一階と二階を仕切る天井/床面を直接的に暖房する
システムでは、その寸法設定によっては、二階居室を暖
房するに必要な熱が一階居室の天井に逃げ、それが一階
の暖房効率にも殆ど影響を与えない結果をもたらすから
である。他方、この下層コンクリート層(21)の肉厚
設定は、単に構造を支えるだけでなく二階居室の温度保
持のために一定の蓄熱効果を実現する厚みを持っている
ことが望ましい。
ら、一階と二階を仕切る天井/床面を直接的に暖房する
システムでは、その寸法設定によっては、二階居室を暖
房するに必要な熱が一階居室の天井に逃げ、それが一階
の暖房効率にも殆ど影響を与えない結果をもたらすから
である。他方、この下層コンクリート層(21)の肉厚
設定は、単に構造を支えるだけでなく二階居室の温度保
持のために一定の蓄熱効果を実現する厚みを持っている
ことが望ましい。
【0017】通常、寒冷地では暖房OFF後の居室空気
の冷却が厳しく、その結果として深夜遅くまで暖房タイ
マーを働かせ、朝は起床前から暖房スイッチがONする
よう暖房タイマーを設定することが多いが、いずれにし
ても年間トータルの暖房燃費は著しく高まる。これに対
し、本発明の住宅構造の如く天井/床面の温熱パイプの
設定位置を上下比例えば約1:1.6に設定すれば、床
面コンクリートの蓄熱性と放熱性とが相拶って、理想的
な床面構造を実現する。尚、一階の床面にはデッキプレ
ートは存在しない。この部分の下層コンクリートは、構
造強度を十分に保持し下方への電熱を防止する必要上、
少なくとも二階床面以上の肉厚寸法、例えば150mm
程度に設定し、同時に一階居室の空間を継続的に温める
蓄熱効果を実現する。
の冷却が厳しく、その結果として深夜遅くまで暖房タイ
マーを働かせ、朝は起床前から暖房スイッチがONする
よう暖房タイマーを設定することが多いが、いずれにし
ても年間トータルの暖房燃費は著しく高まる。これに対
し、本発明の住宅構造の如く天井/床面の温熱パイプの
設定位置を上下比例えば約1:1.6に設定すれば、床
面コンクリートの蓄熱性と放熱性とが相拶って、理想的
な床面構造を実現する。尚、一階の床面にはデッキプレ
ートは存在しない。この部分の下層コンクリートは、構
造強度を十分に保持し下方への電熱を防止する必要上、
少なくとも二階床面以上の肉厚寸法、例えば150mm
程度に設定し、同時に一階居室の空間を継続的に温める
蓄熱効果を実現する。
【0018】一階、二階の床面は、それぞれフローリン
グ下に上層コンクリートを打設して成形するが、その場
合、図3に示すように、予め設計された間仕切に応じ
て、温熱パイプ24を被覆する上層コンクリート層(2
5)は複数の領域R1〜R4に分割し、各床面領域を仕
切るラインL1〜L3に、少なくとも上層コンクリート
層(25)の伝熱を遮断する断熱スペーサを配する。最
も簡単には、間仕切壁の下端面を挿入すれば、その嵌合
部分がスペーサとして機能する。要するに、この部分の
隙間は、温められた上層コンクリート層(25)の熱が
隣室に伝わることなく、各室独立して設計上の暖房効果
を得れば良い。
グ下に上層コンクリートを打設して成形するが、その場
合、図3に示すように、予め設計された間仕切に応じ
て、温熱パイプ24を被覆する上層コンクリート層(2
5)は複数の領域R1〜R4に分割し、各床面領域を仕
切るラインL1〜L3に、少なくとも上層コンクリート
層(25)の伝熱を遮断する断熱スペーサを配する。最
も簡単には、間仕切壁の下端面を挿入すれば、その嵌合
部分がスペーサとして機能する。要するに、この部分の
隙間は、温められた上層コンクリート層(25)の熱が
隣室に伝わることなく、各室独立して設計上の暖房効果
を得れば良い。
【0019】各室を暖房するための温熱パイプ24は、
例えばひとつの加熱装置50から分岐載置する。居室を
独立して加熱するための切り換えは、温熱パイプ24の
分岐点に設けた切換弁(コック)の手動操作による。こ
の切換弁をモータまたは電磁弁を介した切り換え構成と
した場合は、各室のコントロールパネルによって切り換
え制御できる。
例えばひとつの加熱装置50から分岐載置する。居室を
独立して加熱するための切り換えは、温熱パイプ24の
分岐点に設けた切換弁(コック)の手動操作による。こ
の切換弁をモータまたは電磁弁を介した切り換え構成と
した場合は、各室のコントロールパネルによって切り換
え制御できる。
【0020】一方、外壁構造は、重量鉄骨10の外側
(フレーム構造体の外周面を構成する仮想平面体の外側
位置)に断熱ボード11を配する構造をとる。重量鉄骨
がどのようなフレーム構造をとる場合でも、断熱ボード
11は隣接する鉄骨の外周面より外側に位置する。これ
により、幅員寸法の狂いによる断熱ボード11の嵌め合
い時の誤差や、経年使用後の断熱ボード11の寸法の狂
いに起因する隙間の発生を確実に防止し、それらの原因
に起因する建築作業時の効率の低下、および、やむを得
ずに生じた隙間から流入する冷気によって惹起される深
刻な結露の問題を確実に、かつ最小限に抑えることが可
能となる。
(フレーム構造体の外周面を構成する仮想平面体の外側
位置)に断熱ボード11を配する構造をとる。重量鉄骨
がどのようなフレーム構造をとる場合でも、断熱ボード
11は隣接する鉄骨の外周面より外側に位置する。これ
により、幅員寸法の狂いによる断熱ボード11の嵌め合
い時の誤差や、経年使用後の断熱ボード11の寸法の狂
いに起因する隙間の発生を確実に防止し、それらの原因
に起因する建築作業時の効率の低下、および、やむを得
ずに生じた隙間から流入する冷気によって惹起される深
刻な結露の問題を確実に、かつ最小限に抑えることが可
能となる。
【0021】図4は、本発明に係る外壁の断熱構造例を
示すものである。40は支柱となる重量鉄骨、41はそ
の重量鉄骨40を居室側において被覆する石膏ボード、
42は当該石膏ボード41の表面に配するビニルクロス
(内装下地材)である。また外側には、スタイロフォー
ム45、スペーサとして所定間隔で配した板材46、サ
イディング(外装下地材)47を配する。板材46と、
サイディング47の間に生ずる空隙48は、結露防止の
ために空気を流動させる通気層である。またスタイロフ
ォーム45の内側(外側でも良い)には圧縮木材パネル
49を設けることが望ましい。圧縮木材パネル49は肉
薄でありながら吸湿性・断熱性に優れ、気密性を高めて
結露の発生をより確実に防止するからである。尚、使用
可能な木材としてはコルク材がある。
示すものである。40は支柱となる重量鉄骨、41はそ
の重量鉄骨40を居室側において被覆する石膏ボード、
42は当該石膏ボード41の表面に配するビニルクロス
(内装下地材)である。また外側には、スタイロフォー
ム45、スペーサとして所定間隔で配した板材46、サ
イディング(外装下地材)47を配する。板材46と、
サイディング47の間に生ずる空隙48は、結露防止の
ために空気を流動させる通気層である。またスタイロフ
ォーム45の内側(外側でも良い)には圧縮木材パネル
49を設けることが望ましい。圧縮木材パネル49は肉
薄でありながら吸湿性・断熱性に優れ、気密性を高めて
結露の発生をより確実に防止するからである。尚、使用
可能な木材としてはコルク材がある。
【0022】従って、かかる住宅構造によれば、床面の
独立暖房が可能となり、また外壁を構成する断熱ボード
11に隙間が生じないので、寒冷地において最も効率的
かつ理想的な断熱暖房システムを提供することが出来
る。
独立暖房が可能となり、また外壁を構成する断熱ボード
11に隙間が生じないので、寒冷地において最も効率的
かつ理想的な断熱暖房システムを提供することが出来
る。
【0023】床面暖房は、コンクリート中に配した温熱
パイプ24を介して行うので、コンクリート層(21,
25)の劣化を生じず、またコンクリート層による蓄熱
効果によって暖房OFF後も長時間の暖房効果を得る。
床面暖房であるから、居住者にとって最も望ましい暖房
現象(最初に床面が温まること、空気対流によってまん
べんなく居室空気が温められること)を実現できる。ま
た、各室独立して暖房できるので、燃費を最小限に抑え
ることが出来る。
パイプ24を介して行うので、コンクリート層(21,
25)の劣化を生じず、またコンクリート層による蓄熱
効果によって暖房OFF後も長時間の暖房効果を得る。
床面暖房であるから、居住者にとって最も望ましい暖房
現象(最初に床面が温まること、空気対流によってまん
べんなく居室空気が温められること)を実現できる。ま
た、各室独立して暖房できるので、燃費を最小限に抑え
ることが出来る。
【0024】一方、断熱ボード11の取付けでは、鉄骨
間の幅員寸法を計算して構造を想定する必要がないの
で、経験の少ない作業員によっても確実に外壁構造を形
成することが出来る。これは建築コストの低減にとって
も大きな結果を生む。またその結果は、従来の幅員嵌合
構造に比しても格段に断熱効率が良く、品質の絶対向上
という格別の効果を得る。
間の幅員寸法を計算して構造を想定する必要がないの
で、経験の少ない作業員によっても確実に外壁構造を形
成することが出来る。これは建築コストの低減にとって
も大きな結果を生む。またその結果は、従来の幅員嵌合
構造に比しても格段に断熱効率が良く、品質の絶対向上
という格別の効果を得る。
【0025】尚、温熱パイプを屋上面に配すれば、降雪
地ではより少ない熱源で迅速な融雪を実行することが可
能となり、家屋全体の利用価値を高めることが出来る。
地ではより少ない熱源で迅速な融雪を実行することが可
能となり、家屋全体の利用価値を高めることが出来る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る断熱暖
房構造によれば、重量鉄骨を用いた耐震構造の低層階住
宅において、健康に害のない効率的な暖房と、室内温度
の安定維持を図ることが出来る。
房構造によれば、重量鉄骨を用いた耐震構造の低層階住
宅において、健康に害のない効率的な暖房と、室内温度
の安定維持を図ることが出来る。
【図1】本発明に係る重量鉄骨住宅の断熱暖房構造の一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図2】本発明に係る重量鉄骨住宅の床面構造例を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】本発明に係る断熱暖房構造例を示す平面図であ
る。
る。
【図4】本発明に係る重量鉄骨住宅の壁面構造を例示す
る断面斜視図である。
る断面斜視図である。
【図5】従来の断熱家屋の外壁構造を例示する図であ
る。
る。
【図6】本発明に係る断熱外壁構造の原理を例示する図
である。
である。
10,40 重量鉄骨 11 断熱ボード 14 デッキプレート 16 屋上 21,25 コンクリート 22,45 スタイロフォーム 23 金属シート 24 温熱パイプ 26 フローリング材 27 表面断熱テープ 41 石膏ボード 42 ビニルクロス(内装下地材) 46 板材 47 サイディング(外装下地材) 48 空隙 49 圧縮木材パネル 50 加熱装置 R1〜R4 熱的に分離した居室の領域 L1〜L4 各床面領域を熱的に仕切るスペーサのライ
ン
ン
Claims (2)
- 【請求項1】重量鉄骨を用いて住宅の外壁フレームを構
成して外壁材となる断熱ボードを配するとともに、 床面をコンクリート構造とし、 このコンクリート床面を、間仕切箇所において熱的に不
連続となるよう分断して当該分断箇所に離隔材を配する
一方、 離隔材によって離隔させたコンクリート床面パーツに、
一の熱源から循環供給される熱媒を流動させる温熱パイ
プを分岐させそれぞれ所定パターンを描いて配設するこ
とを特徴とする重量鉄骨住宅の断熱暖房構造。 - 【請求項2】外壁材となる前記断熱ボードは、重量鉄骨
で形成した外壁フレームの外側に配設することを特徴と
する請求項1記載の重量鉄骨住宅の断熱暖房構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34107398A JP2000144966A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 重量鉄骨住宅の断熱暖房構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34107398A JP2000144966A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 重量鉄骨住宅の断熱暖房構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000144966A true JP2000144966A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18343007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34107398A Pending JP2000144966A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 重量鉄骨住宅の断熱暖房構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000144966A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102261692A (zh) * | 2011-07-04 | 2011-11-30 | 安徽扬子地板股份有限公司 | 地板采暖系统 |
-
1998
- 1998-11-13 JP JP34107398A patent/JP2000144966A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102261692A (zh) * | 2011-07-04 | 2011-11-30 | 安徽扬子地板股份有限公司 | 地板采暖系统 |
CN102261692B (zh) * | 2011-07-04 | 2013-05-08 | 安徽扬子地板股份有限公司 | 地板采暖系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3049067A (en) | Sound-absorbing and heat-resisting wall construction | |
WO2019035724A1 (en) | IMPROVED COATING PANEL OF EXTERIOR BUILDING WALLS AND ASSOCIATED METHOD | |
JP3039924B1 (ja) | 建築物の外断熱構造および外断熱工法 | |
KR101078605B1 (ko) | 복사 냉난방 시스템 및 그 시공방법 | |
JP2000144966A (ja) | 重量鉄骨住宅の断熱暖房構造 | |
JPH0932140A (ja) | 建築物の通気構造 | |
JPH07127177A (ja) | 屋根の断熱構造 | |
JP3059135U (ja) | 重量鉄骨住宅の断熱暖房構造 | |
JP4116021B2 (ja) | 外張り断熱工法による断熱・気密・換気構造及び既設建物の外張り断熱工法による断熱・気密・換気構造の改修方法 | |
JP2005201601A (ja) | 建物の暖房システム。 | |
JP3338412B2 (ja) | 家屋の換気システム | |
JP2003049497A (ja) | 断熱パネル、それを用いた断熱構造体及びその施工方法 | |
JP4118976B2 (ja) | 木造建造物 | |
JP3042032U (ja) | パネル構造体 | |
JPH09328828A (ja) | 断熱気密パネルおよびそれを用いた断熱気密壁の施工方法 | |
JP3387880B2 (ja) | 省エネ建物 | |
KR20190037549A (ko) | 이중벽체 구조의 건축물 | |
JP2001020403A (ja) | 蓄熱型基礎およびそれを有する建物の構造 | |
JP2002070214A (ja) | 建築物の壁面構造および壁面施工方法 | |
JP2945378B1 (ja) | 建築物の断熱パネル、外断熱構造および外断熱工法 | |
JP2004293132A (ja) | 外壁構造および複合外壁パネル | |
JPH1162100A (ja) | ダンボール建築物 | |
JP2003138663A (ja) | 建物の躯体構造 | |
JPH07127151A (ja) | 断熱構造建物及び建築用パネル | |
JP3800818B2 (ja) | 建築物の床構造及びその施工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051111 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070801 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071218 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080415 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |