JP2000143835A - 脆性フィルム - Google Patents
脆性フィルムInfo
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Abstract
さ、等方性などの特性を備え、燃焼時に有害な塩素ガス
やアクリル酸モノマーを発生しないエコロジーなオレフ
ィン系樹脂の脆性フィルムを提供する。 【解決手段】 結晶性のオレフィン系樹脂100重量部
に、核剤を0.01〜5重量部、無機フィラーを5〜1
50重量部の割合で含有させて脆性フィルムを構成す
る。結晶性のオレフィン系樹脂を核剤で結晶化させ、無
数の微小な球状結晶を生成して樹脂の伸びやねばりを低
下させると共に、無機フィラーによってフィルムを脆弱
化させることにより、脆性フィルムに要求させる破断強
さ(2kg/mm2 以下)、伸び率(10%以下)、等
方性を付与する。
Description
印用ラベル類、商品用ステッカー類などの素材として好
適に使用される脆性フィルムに関する。
ば破損して再使用が不可能となるように、脆くて破れや
すい脆性フィルムを素材として使用している。
ば、塩化ビニル系樹脂に可塑剤と充填材を多量に含有さ
せたものや、塩化ビニル系樹脂とアクリル系樹脂との混
合樹脂に溶融シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ムのいずれかの充填材を多量に充填したもの等が知られ
ている。
脆性フィルムは、燃焼時に有害な塩素ガスやアクリル酸
モノマーを発生するという問題があり、このような問題
は、昨今の廃棄物焼却による環境悪化防止の観点から到
底見過ごすことができないものである。
ガスやアクリル酸モノマーを発生しないオレフィン系樹
脂を用いた脆性フィルムの開発に着手したが、従来の脆
性フィルムのように充填材を含有させるだけでは、要求
特性を充足するオレフィン系樹脂の脆性フィルムを得る
ことが困難であった。
あり、その目的とするところは、脆性フィルムに要求さ
れる伸び率、破断強さ、等方性(伸び率や破断強さが方
向によって極端に異ならないこと)などの特性を備え、
燃焼時に有害な塩素ガスやアクリル酸モノマーを発生し
ないエコロジーなオレフィン系樹脂の脆性フィルムを提
供することにある。
ねた結果、核剤と無機フィラーを併用すると、要求特性
を充足するオレフィン系樹脂の脆性フィルムが得られる
という新たな事実を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
オレフィン系樹脂100重量部に、核剤を0.01〜5
重量部、無機フィラーを5〜150重量部の割合で含有
させたことを特徴とするものである。
強さが2kg/mm2 以下であること、伸び率が10
%以下であること、等方性を有し、破断強さ及び伸び
率がフィルムのMD方向(樹脂押出し方向)とTD方向
(樹脂押出し方向と直交する方向)との間で実用上支障
のない範囲に極端に異ならないことであるが、オレフィ
ン系樹脂100重量部に対し無機フィラーを5〜150
重量部含有させて脆弱化しただけでは、上記の要求特性
を全て充足する脆性フィルムを得ることが困難である。
ラーを併用し、オレフィン系樹脂100重量部に対し
て、核剤を0.01〜5重量部、無機フィラーを5〜1
50重量部の割合で含有させると、結晶性のオレフィン
系樹脂が核剤を中心に結晶化して無数の微小な球状結晶
を生成し、樹脂の伸びやねばりが低下するため、無機フ
ィラーによる脆弱化と相俟って、上記の要求特性を全て
充足するオレフィン系樹脂の脆性フィルムが得られるの
である。
充分であるため、破断強さが2kg/mm2 以下の脆性
フィルムを得ることは困難であり、やはり本発明の目的
を達成することはできない。
について詳述する。
は、燃焼時に有害な塩素ガスやアクリル酸モノマーを発
生しない結晶性のオレフィン系樹脂が使用され、その中
でも、ポリプロピレンやポリエチレンが好適に使用され
る。ポリエチレンには高密度、中密度、低密度の三種類
があるが、この中では高密度ポリエチレン(密度:0.
935〜0.97g/cm3 )が好ましく使用される。
ビトール、ジトリリデンソルビトール、複合型非対称ジ
アルキルベンゾジリデンソルビトールなどのソルビトー
ル系核剤や、アルミニウムヒドロキシp−t−ブチルベ
ンゾエートなどのカルボン酸金属塩類、有機リン酸金属
塩類、ε−カプロラクタム、タルク、結晶性ポリビニル
シクロヘキサン、ポリメチルペンテンなどが使用され
る。
00重量部に対して0.01〜5重量部の範囲内とする
必要があり、0.01重量部未満では、微小な球状結晶
の生成が不足するため、フィルムの伸び率を10%以下
に抑えることが難しくなる。一方、核剤を5重量部より
多量に含有させても、結晶化度が添加量に比例して上昇
しないので核剤が無駄になり、コストアップを招くこと
になる。核剤の更に好ましい含有量は、オレフィン系樹
脂100重量部に対して0.05〜1.0重量部の範囲
内である。
ウム、タルク、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、雲
母、モンモリナイト、水酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが
単独で又は二種以上混合して使用され、特に、炭酸カル
シウムとタルクを混合した混合フィラーは好適に使用さ
れる。尚、タルクは既述したように核剤でもあるから、
このタルクを核剤及び無機フィラーとしてオレフィン系
樹脂に含有させたフィルムは、本発明の脆性フィルムの
範囲に包含されるものである。
脂100重量部に対して5〜150重量部の範囲内とす
る必要があり、5重量部未満ではフィルムの脆弱化が不
足して破断強さを2kg/mm2 以下に抑えることが困
難となり、また、等方性も低下して、破断強さや伸び率
がMD方向とTD方向で大きく相違するようになる。一
方、150重量部より多量に含有させると、フィルムが
肌荒れを起こし、商品価値が低下する。無機フィラーの
更に好ましい含有量は、オレフィン系樹脂100重量部
に対して10〜100重量部の範囲内である。
無機フィラーの他に、着色剤、帯電防止剤、分散剤、滑
剤、カップリング剤などの添加剤を適量含有させてもよ
い。特に、着色剤として酸化チタン等を含有させると、
鮮明な印刷が可能な白色の脆性フィルムを得ることがで
きるので好ましい。また、特に光活性のある酸化チタン
は経時において物性低下による脆性効果をもたらすので
好適に用いられる。
含有されているため良好な印刷適性を備えているが、場
合によってはコロナ放電、電子線照射、プラズマ処理、
紫外線照射、強酸による酸化処理などの表面処理をフィ
ルムに施して印刷適性を更に向上させるようにしてもよ
い。特に電子線照射処理を行う場合は、フィルムが更に
脆弱化して破断強さや伸び率が低下する利点があるので
好ましい。
設け、該粘着層を剥離紙で被覆して三層構造の積層フィ
ルムとしてもよい。このような積層フィルムは、剥離紙
を剥がして簡単に貼付けることができるので、封印用ラ
ベル類や商品用ステッカー類の素材として好適である。
その場合、脆性フィルムの破断強さよりも粘着層の粘着
力の方が大きくなるように粘着力を調整し、一度貼付け
た脆性フィルムを剥がそうとすれば該フィルムが破れる
ようにすることが大切である。
れないが、用途を勘案すれば30〜150μm程度の厚
さが適当である。30μmより薄くなると、印刷や粘着
層の形成工程でフィルムが切断するといったトラブルが
発生しやすくなり、150μmより厚くなると、簡単に
は破れないようになるので、脆性フィルム本来の目的が
達成され難くなる。
えば、オレフィン系樹脂に核剤と無機フィラーとを既述
した割合で含有させると共に、必要に応じて前記の添加
剤を適量含有させてオレフィン系樹脂組成物を調製し、
溶融押出して製膜する方法により、製造することができ
る。
ルムは、無機フィラーによって脆弱化されるだけでな
く、核剤によってオレフィン系樹脂が無数の微小な球状
結晶を生成して樹脂の伸びやねばりが低下するため、後
述の実施例のデータに示すように、MD方向もTD方向
も破断強さが2kg/mm2 以下、伸び率が10%以下
となり、要求特性を全て充足するものとなる。
する。
ロピレンを100重量部、炭酸カルシウムとタルクの混
合フィラー(両者を1:1の重量比で混合したもの)を
100重量部、核剤としてジベンジリデンソルビトール
(DBS)を0.05重量部、顔料として酸化チタン粉
末を8重量部添加し、加熱しながら均一に混合溶融して
押出口から押出して製膜することにより、ポリプロピレ
ン製の脆性フィルムを作製した。
さ、破断強さ、伸び率を3回ずつ測定し、更に、TD方
向の厚さ、破断強さ、伸び率を3回ずつ測定した。その
結果を下記の表1に示す。
ターによって、破断強さ及び伸び率はJIS C−23
18に基づいて測定したものである。
ポリエチレン(密度:0.959g/cm3 )を100
重量部、実施例1で用いた混合フィラーを100重量
部、核剤としてDBSを0.15重量部添加し、実施例
1と同様にして高密度ポリエチレン製の脆性フィルムを
作製した。
に、MD方向の厚さ、破断強さ、伸び率を3回ずつ測定
し、更に、TD方向の厚さ、破断強さ、伸び率を3回ず
つ測定した。その結果を下記の表1に示す。
ロピレンを100重量部、核剤としてDBSを0.3重
量部添加し、実施例1と同様にしてポリプロピレン製の
フィルムを作製した。そして、このフィルムについて実
施例1と同様に、MD方向の厚さ、破断強さ、伸び率を
3回ずつ測定し、更に、TD方向の厚さ、破断強さ、伸
び率を3回ずつ測定した。その結果を下記の表1に示
す。
ロピレンを100重量部、実施例1で用いた混合フィラ
ーを7.5重量部、顔料として酸化チタン粉末を8重量
部添加し、実施例1と同様にしてポリプロピレン製のフ
ィルムを作製した。そして、このフィルムについて実施
例1と同様に、MD方向の厚さ、破断強さ、伸び率を3
回ずつ測定し、更に、TD方向の厚さ、破断強さ、伸び
率を3回ずつ測定した。その結果を下記の表1に示す。
ロピレンを100重量部、実施例1で用いた混合フィラ
ーを100重量部添加し、実施例1と同様にしてポリプ
ロピレン製のフィルムを作製した。そして、このフィル
ムについて実施例1と同様に、MD方向の厚さ、破断強
さ、伸び率を3回ずつ測定し、更に、TD方向の厚さ、
破断強さ、伸び率を3回ずつ測定した。その結果を下記
の表1に示す。
フィラーを併用して含有させた実施例1のポリプロピレ
ン製の脆性フィルムは、MD方向の破断強さが1.5〜
1.9kg/mm2 、伸び率が2.3〜2.8%、TD
方向の破断強さが0.9〜1.6kg/mm2 、伸び率
が1.0〜1.2%であり、脆性フィルムに要求される
破断強さ(2kg/mm2 以下)と伸び率(10%以
下)を充足している。そして、MD方向もTD方向も破
断強さや伸び率が極端に変わらないので、生成フィルム
に要求される等方性も充足している。
用した実施例2の高密度ポリエチレン製の脆性フィルム
も、MD方向の破断強さが1.7〜1.8kg/mm
2 、伸び率が2.3〜4.2%、TD方向の破断強さが
0.7〜1.0kg/mm2 、伸び率が1.5〜1.8
%であり、脆性フィルムに要求される破断強さ(2kg
/mm2 以下)、伸び率(10%以下)、等方性を充足
している。
のフィルムは、核剤を含有するけれども混合フィラーを
含有しないため、MD方向の伸び率は8.7〜55.8
%、TD方向の伸び率は11.3〜11.5%とかなり
抑制されているが、MD方向の破断強さは3.0〜3.
2kg/mm2 、TD方向の破断強さは3.0〜3.1
kg/mm2 と大きく、脆性フィルムに要求される破断
強さ(2kg/mm2以下)を充足できないものとなっ
ている。
ルムは、混合フィラーを含有するけれども核剤を含有し
ないため、MD方向の破断強さは1.4〜1.5kg/
mm2 、TD方向の破断強さは1.6〜1.9kg/m
m2 と小さく、要求される破断強さ(2kg/mm2 以
下)を充足するが、MD方向の伸び率及びTD方向の伸
び率はいずれも300%以上と極めて大きく、脆性フィ
ルムに要求される伸び率(10%以下)を全く充足でき
ないものとなっている。
ルムは、混合フィラーを多量に含有しているけれども核
剤を含有しないため、破断強さ、特にMD方向の破断強
さが2.2〜2.5kg/mm2 と大きく、要求される
破断強さ(2kg/mm2 以下)を充足できないものと
なっている。
を全て満たすためには、核剤と無機フィラーを併用して
オレフィン系樹脂に含有させる必要があり、核剤が欠け
ても無機フィラーが欠けても、要求特性を全て満たす脆
性フィルムが得られないということが判る。
kg/mm2 以下、伸び率が10%以下で、等方性を有
するため、脆性フィルムに要求される特性を全て充足し
ており、しかも、材料樹脂がオレフィン系樹脂であるか
ら、焼却時に有害な塩素ガスやアクリル酸モノマーを発
生して環境を悪化させる虞がないといった顕著な効果を
奏する。
Claims (3)
- 【請求項1】結晶性のオレフィン系樹脂100重量部
に、核剤を0.01〜5重量部、無機フィラーを5〜1
50重量部の割合で含有させたことを特徴とする脆性フ
ィルム。 - 【請求項2】オレフィン系樹脂がポリプロピレン又はポ
リエチレンである請求項1に記載の脆性フィルム。 - 【請求項3】オレフィン系樹脂が高密度ポリエチレン
(密度:0.935〜0.97g/cm3 )である請求
項1又は請求項2に記載の脆性フィルム。
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JP34113798A JP3855141B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 脆性フィルム |
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-
1998
- 1998-11-12 JP JP34113798A patent/JP3855141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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