JP2000143491A - 老化用の化粧料 - Google Patents

老化用の化粧料

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JP2000143491A
JP2000143491A JP10331975A JP33197598A JP2000143491A JP 2000143491 A JP2000143491 A JP 2000143491A JP 10331975 A JP10331975 A JP 10331975A JP 33197598 A JP33197598 A JP 33197598A JP 2000143491 A JP2000143491 A JP 2000143491A
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Masaharu Takatori
正治 高取
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、安心してシワなどを改善する、老
化抑制手段を提供することを課題とする。 【解決手段】 ザクロ科の植物の種子のエッセンスから
なる、老化抑制剤を化粧料に含有させる。本発明によれ
ば、安心してシワなどを改善する、老化抑制手段を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料に関し、更
に詳しくは老化抑制に好適な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料に於いて、シワなどの老化に伴っ
て生じてくる老化現象の発現を抑制することは、重要な
課題の一つである。この課題に対して現在まで為されて
いることは、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムやトレハ
ロース、その誘導体等の保水成分を化粧料に含有させ、
皮膚中の保水能力を高めることや、ヒオウギのイソフラ
ボンなどのエストロゲン様作用を有する物質を投与し
て、エストロゲン活性を高めることである。しかしなが
ら、保水能力を高めることは確かにある程度シワに対し
て作用はあるものの、これは老化によって衰えた保水能
力を保管しているに過ぎず、生理的或いは機能的に老化
を抑制しているものではないし、エストロゲン作用を有
する物質を投与することは、エストロゲンの過剰投与に
発ガン性の疑いがかけられている今日に於いては、決し
て好ましいものとは言えない。即ち、安心してシワなど
を改善する、老化抑制手段の開発が望まれていた。
【0003】一方、ザクロ科の植物の果実は、ジュース
やグレナデンシロップの原料となったり、種子以外の部
分を食したりされているが、種子に関しては全く工業的
利用が為されておらず、徒に廃棄されているのが現状で
あった。ザクロ科の植物の種子のエッセンスが、上記老
化抑制作用を有していることは全く知られていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安心してシ
ワなどを改善する、老化抑制手段を提供することを課題
とする。
【0005】
【課題の解決手段】上記実状に鑑みて、本発明者らは、
安心してシワなどを改善する、老化抑制手段を求めて鋭
意研究努力を重ねた結果、ザクロ科の植物の種子のエッ
センスにその様な作用を見出し、発明を完成させた。以
下、本発明について実施の形態を中心に詳細に説明を加
える。
【0006】
【発明の実施の形態】(1)本発明の老化抑制剤 本発明の老化抑制剤は、ザクロ科の植物の種子のエッセ
ンスからなる。ここで、本発明で言うエッセンスとは、
植物体の種子それ自体、それを乾燥、粉砕など加工した
加工物、種子又はその加工物に、溶媒などを加えて抽出
した、抽出物、抽出物より溶媒を除去した、溶媒除去
物、抽出物やその溶媒除去物を液液抽出やカラムクロマ
トグラフィーなどで分画精製した、分画精製物等の総称
を意味する。これらのエッセンスで、本発明の老化抑制
剤として最も好ましいものは、抽出物である。これは、
有効成分が最も有効な組合せで濃縮されるからである。
抽出に用いることの出来る溶媒としては、極性の溶媒で
あって、アルコール類、酢酸エチルや蟻酸メチルなどの
エステル類、クロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲ
ン化炭化水素類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等
のケトン類等が好ましく例示でき、中でも、水酸基を有
するものが好ましく、グリセリン、1,3−ブタンジオ
ール、ペンタンジオール、ジグリセリン、ジプロピレン
グリコール、イソプレングリコール等の多価アルコール
が特に好ましい。抽出は、通常の抽出方法に従って行え
ば良く、例えば、植物体などに1〜10倍の溶媒を加
え、常温であれば数日、沸点付近の温度であれば数時間
浸漬すればよい。その後、必要に応じて濾過などにより
不溶物を取り除けばよい。以下に、本発明の老化抑制剤
である、ザクロ科の植物の種子のエッセンスの製造例を
示す。
【0007】<製造例1>ザクロの種子1Kgを良く乾
燥させた後、5lの50%エタノールを加え、2時間還
溜し、濃縮し老化抑制剤1を得た。
【0008】<製造例2>ザクロの種子1Kgを良く乾
燥させた後、5lのエタノールを加え、2時間還溜し、
濃縮し老化抑制剤2を得た。
【0009】<製造例3>ザクロの種子1Kgを良く乾
燥させた後、5lの1,3−ブタンジオールを加え、2
時間還溜し、濾過し老化抑制剤3を得た。
【0010】かくして得られた、ザクロ科の植物の種子
のエッセンスは、後記実施例に示すように、優れた抗シ
ワ形成抑制効果等の優れた老化抑制作用を有し、化粧料
の原料として有用である。又、廃物利用という、工業的
見地から考えても大変有用である。本発明の老化抑制剤
の、化粧料に於ける好ましい含有量は、0.01〜10
重量%であり、更に好ましくは0.1〜5重量%であ
る。これは多すぎても効果が頭打ちになることがあり、
少なすぎると効果発現が認められない場合があるからで
ある。
【0011】(2)本発明の化粧料 本発明の化粧料は、上記老化抑制剤を含有すること特徴
とする。従って、化粧料としては、シワ形成抑制用、形
成したシワの改善用、肌の弾力維持用、光老化防止用等
の老化の改善・予防用の化粧料として、特に好適であ
る。本発明の化粧料に於いては、上記老化抑制剤であ
る、ザクロ科の植物の種子のエッセンス以外に、通常化
粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。か
かる任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロク
リスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油や
ゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグ
リセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高
級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪
酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価アル
コール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール、カ
ーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化
剤、色素、粉体類等が好ましく例示できる。これらの中
で特に好ましいものは、ベンゾフェノン類、パラアミノ
安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、コウジ酸類な
どの紫外線吸収剤及び/又はアルブチン、アスコルビン
酸ナトリウム、アスコルビン酸ベンジルエステル、アス
コルビン酸燐酸マグネシウムなどのビタミンC類、ソウ
ハクヒのエッセンス、ニンジンのエッセンス、ユキノシ
タのエッセンス、クララのエッセンス等の美白剤であ
る。これは、これらの作用により、本発明の老化抑制剤
の作用がより明確になるからである。これらの紫外線吸
収剤や美白剤の好ましい含有量は、それぞれ0.01〜
5重量%である。更に、前述したヒアルロン酸ナトリウ
ムやトレハロース、硫酸化トレハロースナトリウム、ア
シル化トレハロース等の保湿成分を加えることも好まし
く、好ましい含有量は、0.01〜5重量%である。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明について、実
施例を挙げて、更に詳細に説明を加えるが、本発明がこ
れら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0013】<実施例1>上記老化抑制剤1〜3を用い
て、老化抑制作用を調べた。即ち、ヘアレスマウス(雄
性、5週齢)1群5匹の背部に予め求めて於いたMED
の1/5の光量の紫外線を、BLBランプとSEランプ
を同数装着した光源で照射し、照射後2時間にサンプル
を投与した。サンプルは老化抑制剤1、2がこれ(1K
gから抽出された量)を1,3−ブタンジオール5lに
溶解させたもの、老化抑制剤はそのままを用い、0.0
3ml経皮投与した。又、参考として製造例3のザクロ
の種子をザクロの葉に変えたものも検討し、対照群は
1,3−ブタンジオールを投与した。この作業を15週
毎日続けた。最後の投与の72時間後に、皮膚のシワの
形成を表面より肉眼で、対照群の平均に比して++:著
しく少ない、+:明らかに少ない、±:やや少ない、
−:少なくないの基準で観察判定した。結果を出現例数
として、表1に示す。これより、本発明の老化抑制剤は
優れた老化抑制作用(予防作用)を有していることがわ
かる。これは、ザクロの他の部位のエッセンスには無い
作用であることもわかる。又、エッセンスとしては1,
3−ブタンジオールの抽出物、即ち、多価アルコールの
抽出物が最も好ましいこともわかる。更に、この様な長
期間にわたる光損傷皮膚への投与に於いても、動物には
何等好ましくない作用は現れていなかった。即ち、本発
明の老化抑制剤は安全性に優れることが明白である。
【0014】
【表1】
【0015】<実施例2>上記老化抑制剤1〜3を用い
て、老化抑制作用を調べた。即ち、ヘアレスマウス(雄
性、5週齢)1群5匹の背部に予め求めて於いたMED
の1/5の光量の紫外線を、BLBランプとSEランプ
を同数装着した光源で4週間照射し、照射後2日よりサ
ンプルを8週間投与した。サンプルは老化抑制剤1、2
がこれ(1Kgから抽出された量)を1,3−ブタンジ
オール5lに溶解させたもの、老化抑制剤はそのままを
用い、0.03ml経皮投与した。又、対照群は1,3
−ブタンジオールを投与した。最後の投与の72時間後
に、皮膚のシワの形成を表面より肉眼で、対照群の平均
に比して++:著しく少ない、+:明らかに少ない、
±:やや少ない、−:少なくないの基準で観察判定し
た。結果を出現例数として、表2に示す。これより、本
発明の老化抑制剤は優れた老化抑制作用(改善作用)を
有していることがわかる。又、エッセンスとしては1,
3−ブタンジオールの抽出物、即ち、多価アルコールの
抽出物が最も好ましいこともわかる。
【0016】
【表2】
【0017】<実施例3〜5>下記に示す処方に従っ
て、化粧水を作成した。即ち、処方成分を室温で攪拌
し、可溶化して化粧水を得た。又、このものについて、
シワに悩むパネラーに12週間、朝夕2回使用してもら
い、シワの改善を良い(○)、やや良い(△)、改善無
し(×)で評価してもらった。結果を表3に示す。これ
より本発明の化粧料はシワ改善作用に優れることが明ら
かである。 1,3−ブタンジオール 5 重量部 グリセリン 3 重量部 エタノール 10 重量部 老化抑制剤* 0.1重量部 メチルパラベン 0.2重量部 POE(60)硬化ひまし油 0.1重量部 水 81.6重量部 *詳細は表3に記載
【0018】
【表3】
【0019】<実施例6〜9>下記に示す処方に従っ
て、化粧水を作成した。即ち、処方成分を室温で攪拌
し、可溶化して化粧水を得た。又、このものについて、
シワに悩むパネラーに12週間、朝夕2回使用してもら
い、シワの改善を良い(○)、やや良い(△)、改善無
し(×)で評価してもらった。結果を表4に示す。これ
より本発明の化粧料はシワ改善作用に優れることが明ら
かである。更に、添加成分としては、美白剤と紫外線吸
収剤が好ましいことがわかる。 1,3−ブタンジオール 5 重量部 グリセリン 3 重量部 エタノール 10 重量部 添加成分** 0.1重量部 老化抑制剤2 0.1重量部 メチルパラベン 0.2重量部 POE(60)硬化ひまし油 0.1重量部 水 81.5重量部 **詳細は表4に記載
【0020】
【表4】
【0021】<実施例10>下記に示す処方に従って、
クリームを作成した。即ち、イ、ロ、ハ、ニのそれぞれ
の成分を70℃に加熱し、イとロを混合し、良く混練り
し、これをハを加えて希釈し、これにニを徐々に加え乳
化し、攪拌冷却し、クリームを得た。このもののシワ改
善作用は優れていた。 イ 70%マルチトース水溶液 5 重量部 グリセリン 3 重量部 1,3−ブタンジオール 4 重量部 メチルパラベン 0.2重量部 老化抑制剤1 1 重量部 ロ トリグリセリンジイソステアレート 4 重量部 ソルビタンセスキオレート 0.5重量部 ハ 軽質イソパラフィン 10 重量部 流動パラフィン 10 重量部 グリセリルトリイソオクタネート 5 重量部 ニ 水 56.5重量部 硫酸化アルギン酸ナトリウム 0.1重量部 バクガコンのエッセンス 0.1重量部 エルヒビン 0.1重量部 コウキ抽出物BG 0.1重量部 プラセンターエキス 0.1重量部 グリコーゲン 0.1重量部 ローヤルゼリー 0.1重量部 アルブチン 0.1重量部
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、安心してシワなどを改
善する、老化抑制手段を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ザクロ科の植物の種子のエッセンスから
    なる、老化抑制剤。
  2. 【請求項2】 エッセンスが多価アルコールの抽出物及
    び/又はその濃縮物であることを特徴とする、請求項1
    に記載の老化抑制剤。
  3. 【請求項3】 抑制される老化現象がシワ形成であるこ
    とを特徴とする、請求項1又は2に記載の老化抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載の老化
    抑制剤を含有する化粧料。
  5. 【請求項5】 老化抑制用であることを特徴とする、請
    求項4に記載の化粧料。
  6. 【請求項6】 更に、紫外線吸収剤及び/又は美白剤を
    含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の化
    粧料。
  7. 【請求項7】 ザクロ科の植物の種子のエッセンスを含
    有する化粧料。
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