JP2000143465A - 染毛剤組成物 - Google Patents

染毛剤組成物

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JP2000143465A JP10316131A JP31613198A JP2000143465A JP 2000143465 A JP2000143465 A JP 2000143465A JP 10316131 A JP10316131 A JP 10316131A JP 31613198 A JP31613198 A JP 31613198A JP 2000143465 A JP2000143465 A JP 2000143465A
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毅 大貫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染毛性能に優れ、製造時及び保存時等におけ
る安定性にも優れ、しかも利便性に優れた染毛剤組成物
を提供する。 【解決手段】 酸化染料をヒドロキシプロピル基含有シ
クロデキストリン誘導体により包接した化合物を含有す
ることを特徴とする染毛剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造時及び保存時
の安定性に優れた染毛剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化染料を用いた染毛剤において
は、これら酸化染料自身が毛髪中で酸化重合反応するこ
とにより染毛効果を得ている。しかしながら、酸化染料
は毛髪外でも空気中の酸素の存在により重合反応を開始
する。このことは、製造時や保存時などに空気酸化の影
響を抑えるため各種酸化防止剤、還元剤の添加を必要と
してきた。これらの添加剤は酸化染料の酸化を防ぐと同
時に一部酸化染料自身を分解する可能性も指摘されてお
り好ましくはない。
【0003】そこで、より安定に酸化染料を配合するた
め、酸化染料をシクロデキストリンで包接して配合した
粉末染毛剤組成物が提案されている(特開昭63−19
0815)。しかし、これは粉体状以外での使用を前提
としておらず、利便性にも欠け、またシクロデキストリ
ン酸化染料を包接した場合は、これを液体状染毛剤に使
用すると、包接化合物の溶解度が低く、安定性に欠ける
と云う欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化染料を
配合した液状の染毛剤組成物において、酸化染料の酸化
を防止し、染毛効果を高め、しかも利便性に優れた染毛
剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定のシクロデキスト
リン誘導体で酸化染料を包接することによってこの課題
を解決することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明によれば、酸化染料をヒドロ
キシプロピル基含有シクロデキストリン誘導体で包接し
た化合物を含有することを特徴とする染毛剤組成物が提
供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の染毛剤組成物に含有する包接化合物は、酸
化染料をヒドロキシプロピル基含有シクロデキストリン
で包接した化合物である。該ヒドロキシプロピル基含有
シクロデキストリンは、シクロデキストリンにヒドロキ
シプロピル基を導入したものである。ここで原料シクロ
デキストリンは、6〜8個のグルコース分子がα−1,
4−グルコシド結合で環状に連結した構造を有する非還
元性マルトオリゴ糖であり、その連結するグルコース分
子数によりα−体、β−体、γ−体の3種が存在する
が、いずれのものをも使用できる。シクロデキストリン
のヒドロキシプロピル基導入は、上記原料シクロデキス
トリンに、プロピレンオキシドを付加することにより行
なうことができる。ヒドロキシプロピル基含有シクロデ
キストリンのヒドロキシプロピル基の数は、シクロデキ
ストリン1分子に対して、平均3〜8個が好ましく、平
均3.5〜7.6個がさらに好ましい。
【0008】本発明の染毛剤組成物において、ヒドロキ
シプロピル基含有シクロデキストリンの配合量は、該組
成物中、通常2.0〜75.0重量%であるが、酸化染
料の安定性の点から5.0〜60.0重量%が好まし
い。
【0009】本発明の染毛剤組成物において、ヒドロキ
シプロピル基含有シクロデキストリンで包接する酸化染
料は、その種類は特に規定するものではなく、公知のも
のから選択できる。例えば、医薬部外品原料規格に記載
されている5−アミノ−o−クレゾール、o−アミノフ
ェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノー
ル、2,6−ジアミノピリジン、5−(2−ヒドキシル
エチルアミノ)−2−メチルフェノール、N,N−Bi
s(β−ヒドロキシル)−p−フェニレンジアミン・硫
酸塩、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、N−フェニ
ル−p−フェニレンジアミン、レゾルシン、2−ヒドロ
キシ−5−ニトロ−2’,4’−ジアミノアゾベンゼン
・硫酸ナトリウム、トルエン−2,5−ジアミン、5−
アミノ−o−クレゾール・硫酸塩、p−アミノフェノー
ル・硫酸塩、o−クロロ−p−フェニレンジアミン・硫
酸塩、4,4’−ジアミノジフェニルアミン・硫酸塩、
p−メチルアミノフェノール・硫酸塩、P−フェニレン
ジアミン・硫酸塩、m−フェニレンジアミン・硫酸塩、
トルエン−2,5−ジアミン・硫酸塩、2,4−ジアミ
ノフェノキシエタノール・塩酸塩、トルエン−2,5−
ジアミン・塩酸塩、m−フェニレンジアミン・塩酸塩、
2,4−ジアミノフェノール・塩酸塩、3,3’−イミ
ノジフェノール、p−フェニレンジアミン・塩酸塩、N
−フェニル−p−フェニレンジアミン・塩酸塩、N−フ
ェニルー−p−フェニレンジアミン・酢酸塩、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、トルエン−3,4−ジアミ
ン、p−メチルアミノフェノール、N,N’−Bis
(4−アミノフェニル)−2,5−ジアミノー1,4−
キノンジイミン、o−アミノフェノール・硫酸塩、2,
4−ジアミノフェノール・硫酸塩、m−アミノフェノー
ル・硫酸塩、m−フェニレンジアミン・硫酸塩を用いる
ことができる。
【0010】また、通常酸化染料と共に用いられること
の多い2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ
−5−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミ
ノアントラキノン、ニトロ−p−フェニレンジアミン・
塩酸塩、1,4−ジアミノアントラキノン、ニトロ−p
−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、ピクラミン酸ナ
トリウム、2−アミノ−5−ニトロフェノール・硫酸
塩、レゾルシノール、ニトロ−p−フェニレンジアミン
・硫酸塩、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン・硫酸
塩、p−ニトロ−m−フェニレンジアミン・硫酸塩など
の直接染料も広義には酸化染料に包含され用いることが
出来る。
【0011】これらの中で、本発明の染毛剤組成物に用
いる好ましい酸化染料は、p−フェニレンジアミンまた
はその塩、トルエンー2,5−ジアミンまたはその塩、
p−アミノフェノール、o−アミノクレゾール、p−メ
チルp−アミノフェノール・硫酸塩、m−アミノフェノ
ール、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2,6−
ジアミノピリジン、レゾルシノール、o−アミノフェノ
ール、m−フェニレンジアミンである。これらの酸化染
料は1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0012】本発明の染毛剤組成物において、酸化染料
の配合量は、組成物中、通常0.01〜5重量%であ
り、好ましくは0.5〜4重量%である。
【0013】酸化染料をヒドロキシプロピル基含有シク
ロデキストリン誘導体で包接して包接化合物を製造する
方法は、通常の方法、例えば少量の水と混練するまたは
水溶液中で加熱混合する等の手段により製造することが
できる。
【0014】本発明の染毛剤組成物に含有する包接化合
物において、ヒドロキシプロピル基含有シクロデキスト
リン誘導体と酸化染料とのモル比は、通常1:1であ
る。ヒドロキシプロピル基含有シクロデキストリン誘導
体の使用比率が、これより低いと、酸化染料を十分包接
することができず、本発明の効果を十分に発揮すること
ができない。またこれより高いと包接/遊離バランスが
くずれるので好ましくない。
【0015】本発明において、酸化染料のヒドロキシプ
ロピル基含有シクロデキストリン誘導体包接化合物の配
合量は、染毛剤組成物中、通常5〜85重量%、好まし
くは30〜60重量%である。
【0016】本発明の染毛剤組成物のpHは4.0〜1
0.0が好ましく、より好ましくは6.0〜8.0であ
る。pHが10.0以上では刺激が問題となり好ましく
ない。
【0017】また、本発明の染毛剤には、本発明の効果
を損なわない範囲で一般に化粧品に配合される各極界面
活性剤、カチオン性重合体、油性成分、ヒドロキシエチ
ルセルロースやキサンタンガム等の増粘剤、シリコーン
誘導体、各種溶剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、殺菌剤などを配合してもよい。
【0018】更に本発明の染毛剤組成物は、そのまま毛
髪に適用し、空気中の酸素により酸化させて染毛を行な
ってもよいが、酸化剤と組み合わせて染毛を行なっても
よい。このような酸化剤としては、酸化染料を含有する
染毛剤組成物に通常用いられる各種酸化剤が用いられ、
例えば過酸化水素等が用いられる。
【0019】本発明の染毛剤組成物は、上記成分を混合
して定法により液状、ぺ−スト状、ゲル、クリーム、エ
アゾールなどの剤型として製造でき、その使用方法は、
毛髪に塗布して用いる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0021】〈包接化合物の溶解性〉酸化染料をヒドロ
キシプロピル基含有シクロデキストリン誘導体もしくは
シクロデキストリンにより包接した化合物を水に溶解
し、その溶解性を目視により判定した。 ○:水によく溶解する。 ×:水に溶解しない。
【0022】〈染毛剤組成物の評価〉 (1)染毛性 乾燥したヤギ白髪の毛束約10gをシャンプーし、水を
切り(水を切った後の毛束の重量は17g)、これに染
毛剤組成物各3gをすばやく均−に塗布する。30℃に
て一定時間放置し、すすいだ。乾燥した後シャンプー・
風乾した。この染色毛束を色差計(日本電色社製SE2
000)でL、a、b値を測定し、未染色毛との色差
(△E)を求め、染毛性を評価した。なお、△Eはその
数値が大きければ大きいほど染毛性がよいことを表す。
【0023】(2)耐移染性 人黒毛東約10gを所定の方法により染色した後、シャ
ンプー処理したものを白いタオルでタオルドライした際
にそのタオルに付着した色を目視で判定した。 ◎:全く色が付いていない。 ○:よく見ると色が付いている。 △:色が付いているのがよくわかる。 ×:タオルが使えないほど色が付いている。
【0024】(3)安定性(分離および凝集) 染毛剤組成物を均一に調整した後、50℃、25℃、5
℃、−5℃の各温度条件にて1ヶ月放置し組成物中の層
分離あるいは凝集の有無を目視にて判定した。以下の基
準よって判定した。 ◎:全くない。 ○:よく見るとわかる。 △:よくわかる。 ×:使用に耐えられないほどある。
【0025】(4)すすぎ時の使用感 専門パネルにより染毛剤組成物を用いて染毛剤洗髪し、
すすぎを行った時の髪のきしみのなさ、ごわつきのなさ
を下記基準に基づいて3段階で評価した。 +1点:すすぎ時にきしみ、ごわつきがなく、すすぎやすい。 0点:すすぎ時にきしみ、ごわつきがあり、ややすすぎにくい。 −1点:すすぎ時にきしみ、ごわつきがあり、すすぎにくい。
【0026】実施例1〜4、比較例1、2 表1に示す酸化染料及びヒドロキシプロピル−β−シク
ロデキストリンもしくはβ−シクロデキストリンを、少
量の水に溶解し、N2ガス雰囲気下において、混練し、
包接化合物を得た。表1に示す残りの成分と上記各包接
化合物を均一に混合し各々の染毛剤組成物を調整した。
各染毛剤組成物について、上記各評価を行ない、その結
果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1より、本発明の染毛剤組成物は、染毛
性、耐移染性、安定性(分離、凝集)及びすすぎ時の使
用感等にすぐれた性能を有することがわかる。また、ヒ
ドロキシプロピル基−β−シクロデキストリンの配合量
は75重量%までが好ましく、60重量%までが特に好
ましいことがわがる。更に、包接化合物としてシクロデ
キストリンを用いた場合は不溶性となり実使用に耐えな
いものとなるが、本発明の如く、ヒドロキシプロピル基
含有シクロデキストリンを用いた場合、安定にしかも良
好な染毛効果を得ることができる。
【0029】実施例5〜8 下記組成物を用いて実施例1〜4と同様にして各染毛剤
組成物を調整した。各染毛剤組成物は、頭髪に塗布して
からすすぎ流す迄使用した際、一目でわかるすすぎ性能
や毛髪に優れた触感を与えるなどの良好な結果を示し
た。
【0030】 実施例5 配合成分 配合量(重量%) パラフェニレンジアミン 1 パラアミノフェノール 0.1 メタアミノフェノール 0.2 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 15 キサンタンガム 0.5 精製水 バランス
【0031】 実施例6 配合成分 配合量(重量%) p−フェニレンジアミン 0.5 トルエン−2,5−ジアミン硫酸塩 1 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 20 モノステアリン酸デカグリセリル 3 セトステアリルアルコール 0.5 ステアリン酸 0.8 キサンタングム 1 カルボキシメチルセルロース 1 水酸化ナトリウム 適量 精製水 バランス
【0032】 実施例7 配合成分 配合量(重量%) p−フェニレンジアミン 2 トルエン−2,5−ジアミン硫酸塩 1 塩酸メタフェニレンジアミン 0.1 メタアミノフェノール 0.8 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 45 POE(10)セチルエーテル 8 ステアリルアルコール 2.5 オレイルアルコール 5 ベヘニルアルコール 2 セチルアルコール 2 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1 グリセリン 2 トリエタノールアミン 適量 精製水 バランス
【0033】 実施例8 配合成分 配合量(重量%) p−フェニレンジアミン 2 トルエン−2,5−ジアミン硫酸塩 1 塩酸メタフェニレンジアミン 0.1 メタアミノフェノール 0.8 ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 45 アミソフト(味の素社製) 1 グリセリン 2 トリエタノールアミン 適量 精製水 バランス LPG(4.5kg/cm2) 4
【0034】
【発明の効果】本発明の染毛剤組成物は、酸化染料をヒ
ドロキシプロピル基含有シクロデキストリン誘導体によ
り包接した包接化合物を含有させたものであるから、製
造時及び保存時等においても、酸化染料の酸化が防止さ
れ、染毛性能に優れ、また組成物の分離・凝集等が抑制
されて安定性に優れ、しかもすすぎ時の使用感にも優れ
ている。そして、包接化合物として、通常用いられてい
るシクロデキストリンを用いた場合は水に対して溶解度
が低くなり、その保存安定性に劣るが、本発明のヒドロ
キシプロピル基を導入したシクロデキストリンシクロデ
キストリン誘導体を用いた場合は、水に対し安定に溶解
するので、保存安定性の極めて良好な染毛剤組成物が得
られる。
フロントページの続き (72)発明者 三田村 譲嗣 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AB032 AC012 AC072 AC182 AC242 AC342 AC472 AC542 AC552 AC692 AD251 AD252 AD272 AD352 BB60 CC36 DD08 DD22 DD23 DD31 DD41 EE01 EE06 EE26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化染料をヒドロキシプロピル基含有シ
    クロデキストリン誘導体で包接した化合物を含有するこ
    とを特徴とする染毛剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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