JP2000141536A - 積層体 - Google Patents
積層体Info
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Abstract
機能、可視光に対する高透明性および電磁波シールド性
をバランスよく備えた積層体を提供する。 【解決手段】 銀層または銀を主成分とする銀合金層
を、酸化物からなる透明導電層で挟持した3層以上から
なる構成の多層薄膜を透明基板上に形成した積層体であ
って、積層体の表面抵抗値が3〜15Ω/□であり、光
線透過率の極大値が500nm〜700nmの間にひと
つあり、かつその値が70〜95%、さらに450nm
〜780nmの全域においてその値が60%以上あり、
かつ1200nm〜3000nmの全域においてその値
が60%以下である積層体により課題を解決できる。
Description
であり、さらに詳しくは、主に窓ガラスなどに使用され
る、熱線をカットする機能を有し、かつ電磁波シールド
性能を有する可視光透過性積層体に関する。
術は従来から行われてきていて、例えば、金属薄膜を薄
く形成するものなどがある。しかし、これでは可視光の
透明性が不十分なため、銀層を酸化物層で挟持した3層
構成積層体で可視光の透明性を向上させたものが考えら
れた。一方、ディジタル機器や通信用などの移動端末が
増加する中、可視光に対して透明な電磁波シールド材の
需要がある。これらは、一般的に、導電性のシールド材
を用いることで達成される場合が多い。この場合、抵抗
値が低くなるほどシールド効果が向上することが一般的
である。つまり、金属膜や酸化物透明導電膜、及びそれ
らの積層体などを用いる場合、その導電層の膜厚を厚く
すればするほど、より高いシールド効果が得やすくな
る。それ故、高いシールド効果を求めれば可視光に対し
て不透明になってしまう傾向がある。そこで、上記の熱
線カット・電磁波シールド・可視光透明性を同時に発揮
させるためには、バランスの取れた設計・製作をする必
要がある。しかしながら、これまでそのような観点から
行われた発明は見受けられない。
線カット機能および可視光に対する高透明性を維持し、
かつ電磁波シールド性を有するという、バランスの取れ
た熱線カット・電磁波シールド・可視光透明性を同時に
有する積層体を提供することである。
は、銀層または銀を主成分とする銀合金層を、酸化物か
らなる透明導電層で挟持した3層以上からなる構成の多
層薄膜を透明基板上に形成した積層体であって、積層体
の表面抵抗値が3〜15Ω/□であり、波長200nm
から3000nmにおける光線透過率に関して、その極
大値が波長500nm〜700nmの間にひとつあり、
かつその値が70〜95%であり、さらに可視光である
波長450nm〜780nmの全域においてその値が6
0%以上あり、かつ赤外線である波長1200nm〜3
000nmの全域においてその値が60%以下であるこ
とを特徴とする積層体である。
の積層体において、可視光透過率が60%以上であり、
かつ日射透過率が80%以下であることを特徴とする。
いは請求項2記載の積層体において、透明基板がプラス
チックフィルムであって、その厚さが、12〜200μ
mであることを特徴とする。
本発明において、周波数が10MHzから2GHz程度
の電磁波を遮蔽(シールド)するためには、10dB以
上、望ましくは15dB以上、さらに望ましくは20d
B以上のシールド効果が必要であり、そのようなシール
ド効果を得るためには積層体の表面抵抗値は3〜15Ω
/□が望ましいことが、実験を重ねた結果、見いだされ
た。前記のようなシールド効果を得るためだけでいえ
ば、表面抵抗値はいくら低くても良いが、現実には光線
透過率の低下を招いてしまう。それゆえ、本発明のよう
に多機能を求める場合には上記のように表面抵抗値の下
限値(3Ω/□)が必要となる。表面抵抗値が15Ω/
□を超えると電磁波シールド性が劣り好ましくない。
光学的透明性維持のため、波長500nm〜700nm
の間に極大値ピークが存在することが望ましく、かつそ
の値が70〜95%、より望ましくは75〜95%、さ
らに望ましくは80〜95%であり、また可視光である
波長450nm〜780nmの全域においてその値が6
0%以上、より望ましくは65%以上、さらに望ましく
は70%以上であることが望ましい。また省エネつまり
赤外線カットの必要性から、赤外光の光学特性は波長1
200nm〜3000nmの全域に対して60%以下、
より望ましくは50%以下、さらに望ましくは40%以
下である。
数100μm厚のものを用いたり、数μm程度のコート
を別に付与したりした等の場合には光線透過率スペクト
ル上に振動状の細かいピークが出てくる。しかし本発明
において光線透過率スペクトルの極大値を見定める際に
は、それらの振動状の細かいピークは平均化して考える
こととした。例えば、後記の実施例の光線透過率スペク
トルにおいて、波長1500nm以上において振動状の
細かいピークが多数認められるが、これらについてはピ
ーク間を平均化して考えることにより、平均化した。
を目的としているため、太陽光線をどの程度通すかとい
うことがひとつの大切な特性となる。そこで、それを日
射透過率を用いて表した。日射透過率の算出方法はJI
S−A−5759およびR−3106に準じて以下の式
(1)を用いて算出した。
下、より望ましくは70%以下、さらに望ましくは60
%以下とすることにより、太陽光のエネルギーカットに
効果的で省エネとなる。
高い(可視光反射率は低い)方が積層体越しの景色が見
やすいことになる。本発明においては、窓ガラスなどへ
の応用を目的としているため、可視光線をどの程度通す
かということがひとつの大切な特性となる。そこで、本
発明においてはそれを可視光透過率を用いて表す。可視
光透過過率の算出方法はJIS−A−5759およびR
−3106に準じて以下の式(2)を用いて算出した。
視光透過率が60%以上、より望ましくは70%以上、
さらに望ましくは80%以上とすることが好ましい。
光に対する透過性を有する基板と定義されるものであ
り、その特性を持っていれば、例えば有機系基板、無機
系基板あるいはこれらを組み合わせた基板でも用いるこ
とができ、いかなるものであっても本質的に本発明の発
揮する効果は変わらない。ただし、本発明の積層体にフ
レキシビリティーが要求される場合には、プラスチック
フィルム基板が好ましく用いられる。プラスチックフィ
ルム基板としてはその厚さが12μm以上でかつ200
μm、好ましくは25μm以上でかつ150μm以下、
更に好ましくは50μm以上でかつ100μm以下の時
に、ハンドリング性が良いことがわかった。12μm未
満では皺になってしまったり、ハンドリング性が悪いな
どの問題が多く、200μmを越えるとこしが強すぎハ
ンドリング性が悪い。
層に挟持された銀層は、銀合金層に関しては、その特性
変化防止のため、金、銅、プラチナのような添加物を添
加することが望ましい場合がある。その添加量は、例え
ば、添加量が多いほど安定な膜が形成できるが、それに
応じて光学特性が希望値からずれてくるので、15at
%以下程度にすることが望ましい。
吸収が比較的少なく、導電性が高い方が望ましい。それ
ゆえ、インジウム、錫、亜鉛のいずれかの酸化物、また
はそれらの2つ以上の組み合わせからなる混合酸化物
(たとえば、ITO:酸化インジウム+酸化錫)が好ま
しく使用できる。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定
されるものではない。 (実施例1)図1に示したように、可視光に対して透明
な基板1として厚さ50μmのPETフィルムを用い、
このPETフィルム1上に、下記の成膜条件でバッチ式
スパッタリング法により、酸化物層2としてITO、銀
合金層3としてAg−Au合金、酸化物層4としてIT
Oの順に3層薄膜5を形成し、本発明の積層体6を製造
した。 (成膜条件)真空チャンバー内を5×10-6Torr以
下まで真空引きした。透明基材1とターゲットの間隔は
70mmとした。ITOは酸化インジウムと酸化錫との
混合酸化物であり、酸化錫の割合が10重量%のものを
使用した。また、Ag−Auターゲットは金の添加率が
1原子%となるようにした。各ITO層2、4は、同一
条件で成膜し、ArガスとO2 ガスの流量比が100:
1の割合で成膜時の圧力が3〜3.5×10-3Torr
であった。Ag−Au層3は、Arガスのみをスパッタ
リングガスとして用いた。成膜時の圧力は4×10-3T
orrであった。
での範囲における本発明の積層体6の光線透過率スペク
トルである。これは、島津製作所製UV3100により
測定した。このように、上記波長内において約610n
mに光線透過率の極大値が1つだけ存在し、その値は、
約74%であった。また、可視光の450nm〜780
nmの全域について60%以上の光線透過率であった。
また1200nm〜3200nmの全域において40%
以下の光線透過率であった。なお、赤外域については振
動状の細かい多数の干渉ピークが観測されるが、これら
は平均化して考慮した。日射透過率は、57%であっ
た。また、可視光透過率は、73%であった。表面の抵
抗値は、三菱油化製4端子抵抗測定器で測定した。その
結果、約9Ω/□であった。電磁波シールド特性は、ア
ドバンテスト製TR17301Aで測定した。その結
果、100MHz、500MHz、1GHz、2GHz
に対して、それぞれ38dB、23dB、18dB、1
0dBであった。
視光に対する高透明性および電磁波シールド性を同時に
バランスよく備えている。
断面図である。
グラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 銀層または銀を主成分とする銀合金層
を、酸化物からなる透明導電層で挟持した3層以上から
なる構成の多層薄膜を透明基板上に形成した積層体であ
って、積層体の表面抵抗値が3〜15Ω/□であり、波
長200nmから3000nmにおける光線透過率に関
して、その極大値が波長500nm〜700nmの間に
ひとつあり、かつその値が70〜95%であり、さらに
可視光である波長450nm〜780nmの全域におい
てその値が60%以上あり、かつ赤外線である波長12
00nm〜3000nmの全域においてその値が60%
以下であることを特徴とする積層体。 - 【請求項2】 可視光透過率が60%以上であり、かつ
日射透過率が80%以下であることを特徴とする請求項
1記載の積層体。 - 【請求項3】 透明基板がプラスチックフィルムであっ
て、その厚さが、12〜200μmであることを特徴と
する請求項1あるいは請求項2記載の積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10326983A JP2000141536A (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10326983A JP2000141536A (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000141536A true JP2000141536A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18193998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10326983A Pending JP2000141536A (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000141536A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004221564A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-08-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | 透光性電磁波シールド膜の製造方法及び透光性電磁波シールド膜 |
JP2008068519A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Oike Ind Co Ltd | 積層体及びその製造方法、並びに該積層体を用いた合わせガラス又は板ガラス |
-
1998
- 1998-11-17 JP JP10326983A patent/JP2000141536A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004221564A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-08-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | 透光性電磁波シールド膜の製造方法及び透光性電磁波シールド膜 |
JP4641719B2 (ja) * | 2002-12-27 | 2011-03-02 | 富士フイルム株式会社 | 透光性電磁波シールド膜の製造方法及び透光性電磁波シールド膜 |
JP2008068519A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Oike Ind Co Ltd | 積層体及びその製造方法、並びに該積層体を用いた合わせガラス又は板ガラス |
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