JP2000141201A - ワイヤソーの切断方法 - Google Patents

ワイヤソーの切断方法

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JP2000141201A
JP2000141201A JP31901898A JP31901898A JP2000141201A JP 2000141201 A JP2000141201 A JP 2000141201A JP 31901898 A JP31901898 A JP 31901898A JP 31901898 A JP31901898 A JP 31901898A JP 2000141201 A JP2000141201 A JP 2000141201A
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Seiji Yamamoto
清二 山本
Susumu Sawafuji
進 沢藤
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D57/00Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00
    • B23D57/003Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts
    • B23D57/0053Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts of drives for saw wires; of wheel mountings; of wheels

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】切断される被加工物切断面のうねりおよび被加
工物切断面の表面粗さを減少させることができる。 【解決手段】往復走行するワイヤ列にインゴットを押し
当て、多数の薄板状のウェーハに切断する往復走行ワイ
ヤソーにおいて、ワイヤ新線供給量を、切断面の弦の長
さ、インゴット長さ、ワイヤの巻き掛けピッチ、切断力
係数、新線供給量係数、双方向サイクル数、新線供給量
初期値に応じて制御し、また、新線供給量統括係数ks
2を、ks2≧0.7と設定した。そしてまた、双方向
サイクル数を、切断面の長さ、双方向サイクル数係数、
切断開始時の双方向サイクル数に応じて制御するかまた
は、双方向周期を、切断開始時の双方向周期、双方向周
期係数、切断面の弦の長さに応じて制御する。これによ
り、ワイヤ新線供給量、ワイヤ往復双方向サイクル数ま
たはワイヤ往復双方向周期が適切に制御可能となり、切
断されるウェーハ切断面のうねりや、ウェーハ表面粗さ
を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は往復走行式ワイヤソ
ーの切断方法に係り、特に被加工物切断時のワイヤの新
線供給量設定値、ワイヤ往復の双方向サイクル数または
双方向周期を算出し、切断を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、走行するワイヤに被加工
物を押し付け、そのワイヤと被加工物との接触部に砥粒
を含む加工液を供給することにより、ワイヤのラッピン
グ作用で被加工物を切断する装置である。したがって、
切断に使用するワイヤも切断に際してラップされて細く
なったり偏磨耗を生じたりする。このためワイヤには常
に新しいワイヤを供給し、ワイヤ線径の変化や、ワイヤ
偏磨耗の悪化による切断精度の低下を防ぐ必要がある。
【0003】ところで、ワイヤソーのワイヤ走行方式と
しては、ワイヤを一方のワイヤリールから繰り出してそ
のまま他方のワイヤリールに巻き取る方式(一方向送り
方式)と、一方のワイヤリールから繰り出したワイヤを
往復走行させながら他方のワイヤリールに巻き取る方式
(双方向送り方式)の2つの方式がある。双方向送り方
式の場合は、往方向の送り量と復方向の送り量をいかに
設定するか、すなわち実際に他方のワイヤリールに巻き
取るワイヤの量(新線供給量)をいかに設定するかで、
切断されるウェーハの加工精度に大きな影響を与える。
【0004】そして、このワイヤ往復させる単位時間当
たりの回数である双方向サイクル数または双方向サイク
ル数の逆数である双方向周期によっても切断されるウェ
ーハの加工精度に大きな影響を与える。従来、この双方
向送り方式における新線供給量や双方向サイクル数また
は双方向周期は、被加工物の切断面のうねりや粗さが悪
化することなく効率の良い切断が行えるように、切断す
る被加工物の直径や被加工物の長さ、使用するワイヤの
線径、ワイヤ巻き掛けピッチ等から作業者が適切量を想
定し、設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
最適な新線供給量や、双方向サイクル数または双方向周
期は想定した値とかけ離れていることが多かった。この
ため、各々の切断条件の設定値がすべての被加工物切断
位置において最適値ではなく、ウェーハ切断面のうねり
や、ウェーハ表面粗さといったウェーハの切断精度の低
下の原因となっていた。
【0006】また、上記ワイヤソーでは被加工物の切断
が進行して、ワイヤと被加工物との接触する長さが長く
なると、図10に示すように、ワイヤ14に付着した砥
粒2は被加工物の内部に進む程砥粒量が減少し、この結
果、インゴット32がテーパ状に切断されるという現象
が発生する。ワイヤを往復走行させて被加工物を切断す
るワイヤソーにおいては、ワイヤの走行方向が切り替わ
る毎に前記テーパの方向が変化するため、走行方向が切
り替わる毎にウェーハ表面にソーマーク4(図4)によ
る段差が生じてウェーハ表面粗さが悪化する。
【0007】このようにテーパ状に切断されることによ
り切断面に段差を生じたウェーハは、ウェーハに要求さ
れる平行度を出すために、後工程であるラップ工程等に
多くの時間を必要とし、ウェーハの処理効率が著しく低
下するという欠点がある。本発明は、このような事情を
鑑みてなされたもので、ウェーハ切断面のうねりや、ウ
ェーハ表面粗さを向上させることができるワイヤソーの
切断方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は前記目的を達成す
るために、往復走行するワイヤを複数個の溝を有するグ
ルーブローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、ワイヤ列
に加工液を供給しながら被加工物であるインゴットを押
し当てることにより、多数の薄板状のウェーハに切断す
る往復走行ワイヤソーにおいて、切断面の弦の長さL、
インゴット長さGL、ワイヤの巻き掛けピッチP、切断
力係数f1、新線供給量係数ks1、双方向サイクル数
C、新線供給量初期値WL0、とする時、ワイヤ新線供
給量設定値WL(m/min)は下式、 により求められて制御されることを特徴としている。
【0009】また、本発明は前記目的を達成するため
に、往復走行するワイヤを複数個の溝を有するグルーブ
ローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に加
工液を供給しながら被加工物であるインゴットを押し当
てることにより、多数の薄板状のウェーハに切断する往
復走行ワイヤソーにおいて、新線供給量統括係数ks2
=f1×ks1×Cとし、ワイヤ新線供給量設定値WL
(m/min)は下式、 で求められ、かつ、ks2≧0.7と設定したことを特
徴としている。
【0010】また、本発明は前記目的を達成するため
に、往復走行するワイヤを複数個の溝を有するグルーブ
ローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、ワイヤ列に加工
液を供給しながら被加工物であるインゴットを押し当て
ることにより、多数の薄板状のウェーハに切断する往復
走行ワイヤソーにおいて、切断面の長さL、双方向サイ
クル数係数kc1、切断開始時の双方向サイクル数C
s、とする時、双方向サイクル数C(回/min)は、
下式、 C =L×kc1+Cs で求められ、制御されることを特徴としている。
【0011】また、本発明は前記目的を達成するため
に、往復走行するワイヤを複数個の溝を有するグルーブ
ローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、ワイヤ列に加工
液を供給しながら被加工物であるインゴットを押し当て
ることにより、多数の薄板状のウェーハに切断する往復
走行ワイヤソーにおいて、切断面の弦の長さL、切断開
始時の双方向周期TCs、双方向周期係数kc2、とす
る時、双方向周期TC(min/回)は、下式、 TC=TCS −kc2×L で求められ、制御されることを特徴としている。
【0012】本発明によれば、ワイヤ新線供給量、ワイ
ヤ往復双方向サイクル数またはワイヤ往復双方向周期を
適切に制御する。これにより、切断されるウェーハ切断
面のうねりや、ウェーハ表面粗さを向上させることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るワイヤソーの切断方法の好ましい実施の形態について
詳説する。まず、双方向送り方式のワイヤソーの全体構
成について説明する。図1に示すように、一方のワイヤ
リール12Aから繰り出されたワイヤ14は、ガイドロ
ーラ16、16、…で形成されるワイヤ走行路を通って
3本のグルーブローラ18、18、18に巻き掛けられ
る。この3本のグルーブローラ18、18、18の外周
部には、それぞれ多数の溝が一定ピッチで形成されてお
り、前記ワイヤ14は、このグルーブローラ18の溝に
順次巻き掛けられて水平なワイヤ列20を形成する。そ
して、ワイヤ列20を形成したワイヤ14は、前記3本
のグルーブローラ18、18、18を挟んで左右対称に
形成された他方側のワイヤ走行路を通って他方側のワイ
ヤリール12Bに巻き取られる。
【0014】ここで、前記一対のワイヤリール12A、
12Bには、それぞれモータ22A、22Bが連結され
ており、このモータ22A、22Bをグルーブローラ1
8と同期させて駆動することにより、前記ワイヤ14は
前記一対のワイヤリール12A、12B間を高速で往復
走行する。前記ワイヤ列20の両側に形成されたワイヤ
走行路には、それぞれワイヤ案内装置24A、24B、
ダンサローラ26A、26Bが配設されている。ワイヤ
案内装置24A、24Bは、ワイヤリール12A、12
Bからワイヤ14を一定間隔で案内し、ダンサローラ2
6A、26Bは、所定重量のウェイトが吊設されて、走
行するワイヤ14に所定の張力を付与する。前記ワイヤ
列20の上方には、ワイヤ列20に対して垂直に昇降移
動するワークフィードテーブル30が設置されている。
被加工物であるインゴット32は、このワークフィード
テーブル30の下部に保持される。
【0015】以上のように構成されたワイヤソー10に
おいて、インゴット32の切断は、高速走行するワイヤ
列20にインゴット32を押し当てることにより行う。
この際、前記ワイヤ列20には、図示しないスラリタン
クからスラリ噴射ノズル34、34を介してスラリが供
給され、インゴット32は、このスラリ中に含有される
砥粒のラッピング作用でウェーハに切断される。
【0016】次に、本発明に係るワイヤ新線供給量制御
方法について説明する。本実施の形態のワイヤソー10
では、ワイヤリール12Aからワイヤリール12Bに向
かう方向(往方向)のワイヤ送り量を、ワイヤリール1
2Bからワイヤリール12Aに向かう方向(復方向)の
ワイヤ送り量より多く設定することにより、平均的には
ワイヤリール12Aからワイヤリール12Bに向かう方
向(往方向)にワイヤ14を供給するようにしている。
【0017】ここで、図2に示すように、ワイヤリール
12Aからワイヤリール12Bに向かう方向(往方向)
のワイヤ送り量をLF 、ワイヤリール12Bからワイヤ
リール12Aに向かう方向(復方向)のワイヤ送り量を
B とすると、ワイヤ14は1往復することにより、L
F −LB の差分だけワイヤリール12Aからワイヤリー
ル12Bに進むことになる。このLF −LB の差分が1
サイクル当たりの新線供給量であり、1往復(1サイク
ル)ごとにLF −LB の差分だけの未使用のワイヤ14
が、ワイヤリール12Aから供給される。
【0018】そして、この1サイクル当たりの新線供給
量と双方向サイクル数または双方向周期を如何に設定す
るかにより、切断されるウェーハ切断面のうねりやウェ
ーハ表面粗さが変化する。図3に示すとおり、インゴッ
ト32の下端部を切断する場合と、インゴット32の中
央部を切断する場合とでは、ワイヤ14がインゴット3
2に接触する距離が異なるので、ワイヤ14の磨耗量も
異なってくる(インゴット32の中央部を切断している
時の方が、インゴット32の下端部を切断している時に
比べワイヤ14の磨耗量が多い)。したがって、終始同
じ新線供給量では、切断位置によりワイヤ線径が変化
し、切断精度が低下する。
【0019】また、図4には従来の双方向サイクル数ま
たは双方向周期で切断した場合のウェーハ3上に発生す
るソーマーク4を示し、図5には双方向サイクル数を大
きくした場合または双方向周期を小さくした場合のウェ
ーハ3上に発生するソーマーク4を示す。図4、図5か
らも明らかなとおり、双方向サイクル数を大きくとる
か、または双方向周期を小さくとることによって、ワイ
ヤの往復回数が増え、ワイヤの往復間隔が狭くなること
によりウェーハ3上に発生するソーマーク4の山の高さ
が低くなる。
【0020】以下に第1の発明の形態である新線供給量
設定値の求め方について説明する。まず、下式(1)に
おける新線供給量係数ks1の求め方を説明する。 WL :新線供給量設定値 (m/min) WL0 :新線供給量初期値 (m/min) L :切断面の弦の長さ (m) GL :インゴット長さ (m) P :ワイヤの巻き掛けピッチ (m) f1 :切断力係数 ks1 :新線供給量係数 C :双方向サイクル数 (回/min)
【0021】
【数1】 ks1を設定するには、ウェーハの要求精度の兼ね合い
でワイヤ14の磨耗限界値を設定し、その磨耗限界値と
なるような新線供給量係数ks1を設定する。例えば、
1本のインゴット内でのウェーハの厚みのばらつきの規
格を5.3μm、使用するワイヤの線径を0.178m
mとすると、直径磨耗限界値が0.178−0.005
3=0.1727mmとなるので、0.178mmのワ
イヤが磨耗して0.1727mmになるような新線供給
量係数ks1を設定する。なお、この新線供給量係数k
s1は、ワイヤ線径やインゴット32の切断送り速度の
設定値、ワイヤ走行速度の初期値、新線供給量設定値等
から作業者が設定するか、予めワイヤソー制御装置36
の記憶装置に記憶しておく。
【0022】ここで式(1)において、ks2=f1×
ks1×Cと統括することによって、以下の式(2)の
形に表すこともできる。
【0023】
【数2】ks2 :新線供給量統括係数 前述した式(1)および式(2)は、切断中の新線供給
量設定値WLを算出する式の例であり、式(1)および
式(2)に従って算出した結果の例を図6に、そしてピ
ッチPおよびインゴット長さGLの説明を図7に、切断
面の弦の長さLを図3に示す。
【0024】ここで式(1)および式(2)における切
断面の弦の長さLは図3に示されるとおり、インゴット
32を切断する部位によって異なる変数である。インゴ
ット32の断面形状が円形の部分における前記切断面の
弦の長さLは、以下の方法によって近似することができ
る。 L :切断面の弦の長さ (m) DG:インゴット32の直径 (m) Z :インゴット32下端から切断位置までの距離 (m)
【0025】
【数3】 L=2×((DG/2)2−(DG/2−Z)21/2 ……(3) 新線供給量設定値WLを求めるには、まず、切断面弦の
長さLと、インゴット長さGLと、ワイヤ巻き掛けピッ
チPからワイヤの切断経路長を求め、それにワイヤの張
力による切断力係数f1や、被加工物切断送り速度、被
加工物の物性、ワイヤ走行速度、ワイヤの物性、砥粒の
物性等から算出される新線供給量係数ks1と、ワイヤ
の双方向サイクル数Cまたは双方向周期TCから算出す
る。
【0026】なお、前述した式(1)および式(2)に
において、双方向サイクル数Cの代わりに双方向周期T
Cを用いて、C=1/TCとおいて計算してもよい。前
述した式(1)および式(3)をワイヤソーの制御装置
36で演算し、任意の切断位置Zにおける新線供給量設
定値WLを決定する。また、上記式(3)をワイヤソー
内部で演算する代わりに、作業者が図3に示すZ1,Z
2,Z3の切断位置における切断面の弦の長さLを各々
計算してその値をワイヤソー制御装置36に入力しても
よい。ただし、作業者が図3に示すZ1,Z2,Z3の
切断位置における切断面の弦の長さLを各々計算してそ
の値をワイヤソー制御装置36に入力する場合は、作業
者の入力作業を低減するために入力点数を少なくし、ワ
イヤソー制御装置36において作業者が入力した点の間
を直線または曲線で補間することにより任意の切断位置
Zにおける新線供給量設定値WLを決定してもよい。
【0027】図6の計算例ではZ=0のとき、すなわち
ワイヤ14がインゴット32に接して切断が始まると同
時に、ワイヤ新線供給量設定値が切断面の弦の長さに比
例して増加してゆく。新線供給量設定値WLは、インゴ
ット32の中心を通る部分を切断しているとき(Z=D
G/2のとき)に最大値となり以後減少するが、切断面
の弦の長さが一定になる部分(Z=Z3以降)は、一定
の値をとる。
【0028】決定した新線供給量設定値WLによって新
線を供給する手段は、求めた新線供給量設定値WLを制
御計算した後に演算結果を各モータへ出力し、グルーブ
ローラ18を駆動するとともに、モータ22A、22B
を駆動し、ワイヤリール12A、12Bを回転させるこ
とにより達成される。前述した式(2)において、新線
供給量統括係数ks2の値を0.4〜0.7の間の値で
新線供給量設定値WLを設定すると、切断精度がウェー
ハ切断面表面粗さ要求値を満足しない場合が多く発生す
る。そこでワイヤの新線供給量とウェーハ表面粗さにつ
いて調査したところ、新線供給量とウェーハ切断表面粗
さの好ましい範囲を明らかにすることができた。
【0029】それによると、新線供給量統括係数ks2
の値を0.7より大きい値にとって切断した場合には切
断精度が良好で、ウェーハ表面粗さが要求値を満たすこ
とが可能となることが判明した。次に、第2の発明の形
態ついて説明する。従来双方向サイクル数Cまたは双方
向周期TCについては、切断位置Zと無関係に設定され
ていた。ところが、被加工物であるインゴットの直径が
大型化する近年においてはインゴット32の直径に相当
する部分におけるワイヤの切断路長が長いため、図10
に示すテーパ状に切断されることによるウェーハ3上に
発生するソーマーク4の影響を大きく受けてウェーハ表
面粗さが悪化する。そこで、図5からも明らかなとお
り、インゴット32におけるワイヤ切断面の長さLに従
って双方向サイクル数を大きくとるかまたは双方向周期
TCの値を小さくとることにより、ワイヤの往復回数が
増え、図4に示すようにワイヤの往復間隔が狭くなるこ
とによりウェーハ3上に発生するソーマーク4の山の高
さが低くなる。
【0030】次に、第3の発明による双方向サイクル数
Cおよび双方向周期TCの求め方の実施例について下式
(4)、式(5)、式(6)にて説明する。 L :切断面の弦の長さ (m) kc1 :双方向サイクル数係数 kc2 :双方向周期係数 C :双方向サイクル数 (回/min) CS :切断開始時の双方向サイクル数 (回/min) TC :双方向周期 (min/回) TCS :切断開始時の双方向周期 (min/回)
【0031】
【数4】 C =L×kc1+Cs (回/min)……(4)
【0032】
【数5】 TC=TCS −kc2×L (min/回)……(5) なお、前述した式(5)を用いる代わりに下記式(6)
に示すように、双方向周期TCを双方向サイクル数Cの
逆数として計算する方法も考えられる。
【0033】
【数6】 TC=1/C (min/回)……(6) 前述した式(3)および式(4)または前述した式
(3)および式(5)または前述した式(3)および式
(6)をワイヤソーの制御装置36で演算し、任意の切
断位置Zにおける双方向サイクル数Cまたは双方向周期
TCを決定する。
【0034】図8には、前記の方法により求めた双方向
サイクル数Cの計算例を示す。図8の計算例ではZ=0
のとき、すなわちワイヤ14がインゴット32に接して
切断が始まると同時に、双方向サイクル数Cが切断面の
弦の長さLに比例して増加してゆく。双方向サイクル数
Cは、インゴット32の中心を通る部分を切断している
とき(Z=DG/2のとき)に最大値となり以後減少す
るが、切断面の弦の長さが一定になる部分(Z=Z3
降)は、一定の値をとる。
【0035】図9には、前記の方法により求めた双方向
周期TCの計算例を示す。図9の計算例ではZ=0のと
き、すなわちワイヤ14がインゴット32に接して切断
が始まると同時に、双方向周期TCが切断面の弦の長さ
Lに比例して減少してゆく。双方向周期TCは、インゴ
ット32の中心を通る部分を切断しているとき(Z=D
G/2のとき)に最少値となり以後増加するが、切断面
の弦の長さが一定になる部分(Z=Z3以降)は、一定
の値をとる。
【0036】決定した双方向サイクル数Cまたは双方向
周期TCによってワイヤを往復させる手段は、求めた双
方向サイクル数Cまたは双方向周期TCを制御計算した
後に演算結果を各モータへ出力し、グルーブローラ18
を駆動するとともに、モータ22A、22Bを駆動し、
ワイヤリール12A、12Bを回転させることにより達
成される。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るワイ
ヤソーの切断方法によれば、ワイヤ新線供給量を適切に
制御し、新線供給量統括係数を所定の範囲に設定して切
断するように制御したので、ウェーハ切断面のうねりや
ウェーハ表面粗さを少なくすることができ、また、ワイ
ヤを有効に無駄なく利用でき、きわめて経済的な切断が
可能となる。
【0038】また、本発明によるワイヤソーの切断方法
によれば、切断時の双方向サイクル数または切断時の双
方向周期を適切に制御するようにしたのでウェーハ切断
面のソーマークによる表面粗さを少なくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤソーの切断方法が適用され
たワイヤソーの全体構成図
【図2】ワイヤの走行について説明する説明図
【図3】切断面の弦の長さを示す図
【図4】従来のインゴット切断時のウェーハ上に発生す
るソーマークを示す図
【図5】本発明によるインゴット切断時のウェーハ上に
発生するソーマークを示す図
【図6】切断量と新線供給量設定値の関係を示す図
【図7】ピッチPおよびインゴット長さGLを説明する
【図8】切断量と双方向サイクル数の関係を示す図
【図9】切断量と双方向周期の関係を示す図
【図10】インゴット切断時のテーパ形状を示す図
【符号の説明】
3…ウェーハ 10…ワイヤソー 14…ワイヤ 18…グルーブローラ 20…ワイヤ列 32…インゴット 36…制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AA18 AB08 AC04 BA07 BA09 BB06 BB09 CA01 CB01 CB10 DA03 DA17 3C069 AA01 BA06 BC03 CA04 EA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復走行するワイヤを複数個の溝を有す
    るグルーブローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、ワイ
    ヤ列に加工液を供給しながら被加工物であるインゴット
    を押し当てることにより、多数の薄板状のウェーハに切
    断する往復走行ワイヤソーにおいて、 切断面の弦の長さL、インゴット長さGL、ワイヤの巻
    き掛けピッチP、切断力係数f1、新線供給量係数ks
    1、双方向サイクル数C、新線供給量初期値WL0、と
    する時、ワイヤ新線供給量設定値WL(m/min)は
    下式、 により求められて制御されることを特徴とするワイヤソ
    ーの切断方法。
  2. 【請求項2】前記請求項1のワイヤソーの切断方法にお
    いて、 新線供給量統括係数ks2=f1×ks1×Cとし、ワ
    イヤ新線供給量設定値WL(m/min)は下式、 で求められ、かつ、ks2≧0.7と設定したことを特
    徴とするワイヤソーの切断方法。
  3. 【請求項3】 往復走行するワイヤを複数個の溝を有す
    るグルーブローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、ワイ
    ヤ列に加工液を供給しながら被加工物であるインゴット
    を押し当てることにより、多数の薄板状のウェーハに切
    断する往復走行ワイヤソーにおいて、 切断面の長さL、双方向サイクル数係数kc1、切断開
    始時の双方向サイクル数Cs、とする時、双方向サイク
    ル数C(回/min)は、下式、 C =L×kc1+Cs で求められ、制御されることを特徴とするワイヤソーの
    切断方法。
  4. 【請求項4】 往復走行するワイヤを複数個の溝を有す
    るグルーブローラに巻き掛けてワイヤ列を形成し、ワイ
    ヤ列に加工液を供給しながら被加工物であるインゴット
    を押し当てることにより、多数の薄板状のウェーハに切
    断する往復走行ワイヤソーにおいて、 切断面の弦の長さL、切断開始時の双方向周期TCs、
    双方向周期係数kc2、とする時、双方向周期TC(m
    in/回)は、下式、 TC=TCS −kc2×L で求められ、制御されることを特徴とするワイヤソーの
    切断方法。
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