JP2000140619A - 近赤外分析による製造運転制御方法 - Google Patents

近赤外分析による製造運転制御方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外分析法による測定値に基づいて製造運
転を制御する際、無駄な補完作業を省略し、検量線の補
完が必要になった時点において効率よく検量線を補完・
評価しながらルーチン分析を行い、その測定値に基づい
てプラントを制御することが可能な近赤外分析による製
造運転制御方法を提案する。 【解決手段】 試料を近赤外分析して得た測定値に基づ
いて製造運転を制御する方法であって、予め作成した検
量線に基づいて試料を近赤外分析し、管理値外の測定値
が得られたとき一般分析法による測定値を管理値と比較
し、一般分析法の測定値が管理値外の場合は制御アクシ
ョンを行い、一般分析法の測定値が管理値内の場合は過
去の近赤外分析のデータを入力して予測値を求め、予測
値が管理値外の場合は近赤外分析装置の点検を行い、予
測値が管理値内の場合は検量線の補完を行い、近赤外分
析により製造運転を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近赤外分析(近赤外
線分光分析)による製造運転の制御方法、特に検量線の
評価・補完を行いながら製造運転の制御を行う方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】化学工業の分野において、化学品の製造
を制御する際、原料、溶媒、水分、中間品、製品、副生
物等を近赤外分析により分析し、その測定値に基づいて
製造運転の制御を行うことが提案されている。近赤外分
析では特定の領域の近赤外線スペクトルを測定し、この
スペクトルに含まれる特定の波長の吸光度の組合せか
ら、予め作成した検量線に基づいて目的とする成分値が
算出され、測定値(予測値)が得られる。
【0003】近赤外分析の測定値による製造運転の制御
は上記により得られる測定値が一定幅の管理値を外れた
ときにプラントの運転条件を変え、測定値が管理値を維
持するように制御装置により制御信号を出してプラント
の制御を行っている。この場合、近赤外分析は間欠的ま
たは連続的に試料を採取して分析を行い、管理値を外れ
る異常値が得られた段階で条件変更等の制御アクション
がとられている。
【0004】ところで近赤外スペクトルは複数の成分情
報が含まれていて試料中に含まれる他の成分、水、濃
度、温度、粒度などの複数の要因が複雑に組合わされス
ペクトルが形成されており、これらの要因が変化する
と、ピークの位置や高さが変化するため、線形重回帰分
析法(Multiple Linear Regression…MLR)や部分最
小二乗法(Partial Least Squares…PLS)等の統計
的手法により検量線が作成されている。
【0005】上記の検量線の作成は複数の試料につい
て、クロマトグラフィ等の一般分析法による分析と近赤
外分析の両方法の分析を行い、近赤外分析で得られるス
ペクトルから目的成分ごとに決められる複数のピークの
吸光度のデータを選び、これらのデータと一般分析法の
測定値とを用いて上記の統計的手法によるキャリブレー
ションを行い、検量線が作成される。この場合、成分ご
とに同様の操作を行って別々の検量線が作成される。
【0006】ところがこのようにして作成される検量線
は、キャリブレーションに使用された試料の数が限られ
ているため、またキャリブレーションの過程における説
明変数や目的変数の選択等が適切でない場合があること
などにより、一般性のある式が得られているとは限らな
い。このため作成した検量線の評価、確認を行い、より
一般性の高い検量線を選択してルーチン分析に供すこと
が行われる。
【0007】それにもかかわらず、近赤外スペクトルの
複雑性から、季節、環境その他の製造条件に影響を与え
る状況の変化に伴い、すでに作成した検量線により得た
測定値が一般分析法による測定値と一致しなくなること
があり、検量線の補完が必要になる。ところが検量線の
補完には相当の時間と労力を要するので、無駄な補完作
業をなくし、必要なときに効率よく補完を行うことが要
求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、近赤
外分析法による測定値に基づいて製造運転を制御する
際、無駄な補完作業を省略し、検量線の補完が必要にな
った時点において効率よく検量線を補完しながらルーチ
ン分析を行い、その測定値に基づいてプラントを制御す
ることが可能な近赤外分析による製造運転制御方法を提
案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は次の近赤外分析
による製造運転制御方法である。 (1) 試料を近赤外分析して得た測定値に基づいて製
造運転を制御する方法であって、予め作成した検量線に
基づいて試料を近赤外分析し、管理値外の測定値が得ら
れたとき一般分析法による測定値を管理値と比較し、一
般分析法の測定値が管理値内の場合は過去の近赤外分析
のデータを入力して予測値を求め、予測値が管理値外の
場合は近赤外分析装置の点検を行い、予測値が管理値内
の場合は検量線の補完・評価を行うことを特徴とする近
赤外分析による製造運転制御方法。 (2) 一般分析法の測定値が管理値外の場合は制御ア
クションを行う上記(1)記載の方法。 (3) 試料の近赤外分析により管理値外の測定値が得
られたとき、近赤外分析を再度行い、再分析により管理
値外の測定値が得られたときに、一般分析法による測定
値を管理値と比較するようにした上記(1)または
(2)記載の方法。 (4) 検量線補完後、異常発生時の測定値と対比して
検量線の評価、確認を行う上記(1)ないし(3)記載
の方法。 (5) 検量線補完後、過去の近赤外分析のデータを入
力して検量線の評価・確認を行う上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の方法。 (6) 定期的に一般分析法による測定値を近赤外分析
法の測定値と比較し、差が出たときに検量線の補完・評
価を行う上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の方
法。 (7) 定期的に一般分析法による測定値を近赤外分析
法の測定値と比較し、差が出たときにプロダクトのパタ
ーンを定性的に比較確認を行い、差がない場合に検量線
の確認を行う上記(6)記載の方法。
【0010】近赤外分析は一般に波長400〜2500
nm、好ましくは800〜2500nm、さらに好まし
くは1000〜2000nmの近赤外線を試料に照射し
て透過光または反射光を検出し、その吸収スペクトルか
ら予め作成した検量線により、試料の物性、成分等の分
析を行う方法である。本発明の制御方法では試料を前処
理することなく、製造工程において採取したものをその
まま試料として分析を行い、その測定値に基づいて制御
を行う。制御はコンピュータ等の制御装置を用い、近赤
外分析による測定値が所定の範囲内となるように制御す
る。
【0011】この方法に用いる近赤外分光分析装置は、
ノイズレベルが30×10-6Abs以下、好ましくは2
0×10-6Abs以下、波長の再現性が±0.3nm以
下、好ましくは±0.01nm以下の高精度のものが使
用できる。ノイズレベルおよび波長再現性の測定方法は
次の通りである。
【0012】ノイズレベルの測定方法 測定方法が反射式であればセラミック板を、透過式であ
れば空気中で2回測定し、前後の吸光度を2nm毎に2
0組測定する。1回目の測定値と2回目の測定値の差
(実効値)の標準偏差をノイズレベルとしている。
【0013】波長再現性の測定方法 JIS K0117−1979赤外分光分析通則を用
い、標準ポリスチレンフィルムを光路に入れ測定する。
この時、基準の近赤外吸収波長は1143.6330n
m、1684.2700nm、2166.4000nm
及び2305.9300nmの各4つである。10回の
標準偏差が波長再現性の値である。
【0014】近赤外分析の測定対象となるのは、製造工
程に用いられる原料、溶媒、水分、中間品、製品、副生
物など、制御に用いられるすべてのものを含む。近赤外
線は紫外線に比べるとエネルギーが小さいので試料成分
を変化させることがない。また可視光の場合とは異なり
吸収スペクトルによる分析であるため、試料の透明性そ
の他の形態による影響を受けないので、膜厚等の調整が
不要となる。
【0015】このような試料について近赤外分析装置で
分光分析を行うことにより、近赤外スペクトルを得る。
このスペクトルは前述の通り複数の情報が含まれてお
り、予め作成した検量線により、特定のピークのデータ
の組合せから目的とする測定成分の測定値(予測値)を
算出する。この場合、同じスペクトルから複数の測定成
分の測定値を得ることができる。
【0016】検量線(Calibration equation)はスペク
トルデータと測定成分の分析値との間の数学的関係式で
あり、前述のように複数の試料について、クロマトグラ
フィ等の一般分析法による分析と近赤外分析の両方法の
分析を行い、近赤外分析で得られるスペクトルから目的
成分ごとに決められる複数のピークの吸光度のデータを
選び、これらのデータと一般分析法の測定値とを用いて
前述のMLR法やPLS法等の統計的手法により作成さ
れる。
【0017】この場合、測定成分ごとに同様の操作を行
って別々の検量線を作成することができる。このような
キャリブレーションに用いる統計的手法は測定成分、そ
の精度等により任意に決められるが、MLR法およびP
LS法が好ましい。また一般分析法としては比色分析、
ガスクロマトグラフィーのような従来から用いられてい
る測定成分の分析法が含まれる。
【0018】本発明の製造運転制御方法は、目的とする
製品の製造を行いながら、ルーチン分析において近赤外
分析により制御に用いる測定成分を分析しながら、異常
値が発生したときに効率よく検量線の補完・評価を行
い、このような補完された検量線を用いて測定を行い、
その測定値により運転制御を行う。本発明において制御
の対象となるものは化学品、食料品など、近赤外分析に
より測定が可能なものの製造運転であるが、化学品、特
にポリエステル、フェノール類の製造運転に適してい
る。本発明において管理値とは品質目標に定められた管
理のための許容範囲内の値であって、測定値がこの管理
値内に維持されるように運転制御を行う目標値である。
【0019】この場合、ルーチン分析において、予め作
成した検量線に基づいて試料を近赤外分析し、管理値外
の測定値が得られたとき、一般分析法による分析を行っ
て測定値を管理値と比較し、一般分析法の測定値が管理
値外の場合は制御アクションを行い、反応条件等を変更
する。一般分析法の測定値が管理値を大きく外れている
ときはプラントの点検を行うこともできる。一般分析法
の測定値が管理値内の場合は過去の近赤外分析のデータ
を入力して予測値を求め、予測値が管理値外の場合は近
赤外分析装置の点検を行う。予測値が管理値内の場合は
検量線の補完作業を行う。検量線の補完は、異常のデー
タを検量線作成用データに加えて、前記MLR法、PL
S法等の統計的手法により再度検量線を作成、評価を行
う。
【0020】上記の場合、試料の近赤外分析により管理
値外の測定値が得られたときは近赤外分析を再度行い、
再分析により管理値外の測定値が得られたときに、一般
分析法による測定値を管理値と比較することにより突発
的なデータ異常による無駄な検量線の作成を避けること
ができる。
【0021】検量線補完後、異常発生時の測定値と対比
して検量線の評価、確認を行うことにより、正確な補完
検量線を得ることができる。また検量線補完後、過去の
近赤外分析のデータを入力して検量線の評価・確認を行
うことにより、不適切な補完を避けることができる。
【0022】このようなルーチン分析による検量線の補
完に加えて、定期的に一般分析法による測定値を近赤外
分析法の測定値と比較し、差が出たときに検量線の補完
を行うことにより、検量線が不適切となる事態を早く認
識し、これに対応して検量線の補完を行い、制御を適正
に行うことができる。この場合、定期的に一般分析法に
よる測定値を近赤外分析法の測定値と比較し、差が出た
ときにプロダクトのパターンを定性的に比較確認を行
い、差がない場合に検量線の確認を行うことにより、突
発的な異常による検量線の作成を避けることが可能にな
る。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、近赤外分析による測定
値に異常値が出た場合に一般分析法による測定値を管理
値と比較してその結果により検量線を補完するようにし
たので、近赤外分析法による測定値に基づいて製造運転
を制御する際、無駄な補完作業を省略し、検量線の補完
が必要になった時点において効率よく検量線を補完しな
がらルーチン分析を行い、その測定値に基づいてプラン
トを制御することが可能である。
【0024】またさらに定期的に一般分析法による測定
値を近赤外分析法の測定値と比較し、差が出たときに検
量線の補完を行うことにより、検量線が不適切となる事
態を早く認識し、これに対応して検量線の補完を行い、
制御を適正に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発明の実施の形態
を図面により説明する。図1は実施形態の製造装置を示
すフロー図、図2は制御方法を示すフロー図である。
【0026】図1において、1はプラントであって、原
料2を供給して製品3を製造するように構成されてい
る。4は制御装置、5は近赤外分析装置、6は一般分析
装置である。制御装置4はプラント1からの検出信号1
aを受け、制御信号4aをプラントに送って反応条件等
を制御するように構成されている。近赤外分析装置5は
制御装置4からの制御信号4bにより近赤外分析を行い
測定信号5aを制御装置4に送るように構成されてい
る。一般分析装置6はクロマトグラフィ等からなり、制
御装置4からの制御信号4cにより分析を行い、測定信
号6aを制御装置4に送るように構成されている。
【0027】上記の装置による製造運転方法は、制御装
置4の制御信号4aによりプラント1に原料2を供給し
て製品3を製造する。この間プラント1から検出信号1
aを制御装置4に送る。一定のインターバルで制御装置
4からの制御信号4bにより近赤外分析装置5がプラン
ト1からサンプリングして近赤外分析を行い、その測定
信号5aを制御装置4に送る。制御装置4では予め作成
された検量線から測定値を演算し、その結果に基づいて
制御信号4aをプラント1に送ってプラント1の製造条
件を制御する。また制御信号4cにより一般分析装置6
により分析を行い、その結果を制御装置4に送る。制御
装置4ではその結果により検量線の補完を行う。
【0028】上記の制御方法を図2により詳細に説明す
る。まずS101において近赤外分析装置の点検を行
い、S102で近赤外分析装置の診断を行う。診断は前
記ノイズレベルおよび波長再現性を測定し、波長再現性
が±0.3nm以内、ノイズレベルが30×10-6ab
s以下であれば正常と判定する。S103において診断
結果を判定し、正常であればS104の標品の測定を行
い、正常でなければS101に戻り装置の点検、診断を
繰り返す。S104の標品の測定は、標品について近赤
外分析と一般分析法による測定値を比較し、近赤外分析
法の測定値が一般分析法の測定値の±3σ(σは標準偏
差値)以内であれば合格とする。S105において合否
を判定し、合格であればS111のルーチン分析および
S131の定期的に一般法と比較するステップに移る。
不合格であればS101以下のステップを繰り返す。
【0029】上記により近赤外分析装置が正常であるこ
とを確認した状態で、S111のルーチン分析に移る。
このステップでは近赤外分析装置で近赤外スペクトルを
測定し、その結果を制御装置に入力し、ここで予めML
R法、PLS法等の統計的手法により作成された検量線
により測定成分の測定値(予測値)を演算し、これをS
112の結果として出力する。そしてS113において
その測定値が一定幅の管理値内かどうかを判定する。こ
の管理値は各製品の品質目標に定められた管理のための
許容範囲の値であり、この管理値内であればS114の
ようにプラント制御ノーアクション、すなわち制御アク
ションを行わない。
【0030】S113で測定値が管理値外と判定した場
合は、S115に移り近赤外分析装置により再測定を行
う。これは異常値が突発的な誤動作等によるものでな
く、継続的なものであることを確認し、無駄な検量線の
補完作業を省略するために行う。S115の測定の結果
はS116で管理値内かどうかを判定し、管理値内であ
ればS114に示すようにプラント制御ノーアクション
となる。
【0031】S116で再測定結果が管理値外と判定さ
れたときは、S117においてガスクロマトグラフィ等
の一般分析法による測定が行われ、その測定値がS11
8で管理値内かどうか判定される。ここで管理値外と判
定されたときは、異常の発生が近赤外分析法と一般分析
法で二重に確認されたことになるので、S119に示す
ようにプラント制御アクションをとる。プラント制御ア
クションは原料供給量、濃度、反応温度、圧力、時間等
の反応条件を変え、測定値が管理値内に戻るように制御
を行う。このような制御アクションを行い、次回の測定
において測定値が管理値内に入ったときは、変更された
反応条件をそのまま継続し、次回の測定値が管理値外と
なったときはさらに制御アクションが行われる。
【0032】S118で管理値内と判定されたときは、
S120において過去の近赤外分析のデータを入力して
近赤外分析装置が正常であるかどうかを判断する。過去
のデータはすでに管理値内であることが確認されたもの
であるから、S121で管理値外の判定が出たときは近
赤外分析装置の誤動作の可能性があり、S101、S1
02に戻って装置の点検、診断を行い、故障部分を修理
する。このような操作によって無駄な検量線補完・評価
の作業が省略される。
【0033】S121において管理値内の判定があった
ときは、一般法による測定値および過去のデータが管理
値内であるにもかかわらず、近赤外分析の測定値が管理
値外となっているから、S122において検量線の補完
を行う。検量線の補完は最初に検量線を作成したときと
同じ手法、例えばMLR法、PLS法等の統計的手法に
より検量線を作りなおす。最初の検量線作成は、複数の
試料についての近赤外分析法の測定値と一般分析法の測
定値を説明変数として多変量解析法により行われるが、
検量線の補完は最初の検量線作成時に使用した試料の測
定値に加えて、今回異常値が出た試料について近赤外分
析および一般法で分析した測定値を新たに説明変数とし
て、検量線を作成する。
【0034】こうして新たな検量線を作成した後、S1
23において新検量線の評価・確認を行う。この評価、
確認は通常検量線作成時に行われる操作に加えて、異常
発生時に分析した測定値で検量線の補完に使用しなかっ
た測定値を使用して、これが正当な値に算出されるかど
うかをS124で判定する。ここで不合格の場合はS1
22に戻って再度検量線の補完を行う。S124で合格
の場合は、S125において過去のデータを入力し評
価、確認を行う。過去のデータはすでに管理値内と判定
されているので、新検量線によっても同じ結果が出る
と、S126で合格と判定され、S127で補完検量線
を新検量線として供用し、以後のルーチン分析を新検量
線で行う。不合格の場合はS122に戻って検量線の補
完を再度行う。
【0035】上記のようなルーチン分析において異常が
発生したときに異常の対応策として検量線の補完を行う
と、一般分析法による測定を常に行っていなくてもよい
上、異常に対する対応を迅速に行うことができる。近赤
外分析の測定値が管理値内であっても、一般分析法によ
る測定値が管理値を外れる場合があり得るが、このよう
な場合は管理値を適切な幅に設定することにより近赤外
法の測定値も管理値外になるので、容易に異常を発見す
ることができる。
【0036】上記のような近赤外法の測定値が管理値内
にもかかわらず、一般法の測定値が管理値を外れる事態
が生じるのを防止するためには、S131以下の一般分
析法との比較を定期的に行うのが好ましい。この操作は
S111以下のルーチン分析と並行して行うものであ
り、ルーチン分析の頻度より少ない例えば1週間に1〜
2回程度の頻度で一般分析を行い、S131においてそ
の測定値を近赤外分析法の測定値と比較し、管理値以上
の差があるかどうかを判定する。
【0037】S132において管理値以上の差がないと
判定したときはS111以下のルーチン分析を続行す
る。管理値以上の差があると判定したときは、S133
においてプロダクト定性的比較、確認を行う。これはデ
ータベースから対応する製品のデータを入力して定期的
に比較し、得られた測定値がその製品のパターンを有し
ているかどうかを定性的に判定し、突発的な異常データ
かどうかを判定する。
【0038】S134において従来品と同等であると判
定された場合は検量線が不適切になっていることを示す
から、S122以下の検量線補完の操作に入る。またS
134において従来品と同等でないと判定されたときは
S115以下の操作に移り、近赤外分析法により再測定
を行い、検量線補完・評価の必要性を検討する。
【0039】このようにS111以下のルーチン分析に
よる検量線の補完を行いながら、S131以下の定期的
な一般法との比較を行うことにより、検量線が不適切に
なった事態を早急に検知して対応することができ、これ
により制御の精度は高くなる。また一般法による分析は
長時間を必要とするため、S131以下の操作を頻繁に
行うのは困難であるが、これらの操作を組合せて行うこ
とにより一般法による分析の頻度を少なくして効率よく
検量線の補完を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造装置のフロー図である。
【図2】実施形態の制御方法を示すフロー図である。
【符号の説明】 1 プラント 2 原料 3 製品 4 制御装置 5 近赤外分析装置 6 一般分析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/86 G01N 30/86 R // C07B 61/00 C07B 61/00 C (72)発明者 鶴岡 正己 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB15 CC20 EE12 FF06 HH01 KK10 MM02 MM03 MM05 MM12 4G075 AA01 AA65 CA34 DA04 4H006 AA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を近赤外分析して得た測定値に基づ
    いて製造運転を制御する方法であって、 予め作成した検量線に基づいて試料を近赤外分析し、 管理値外の測定値が得られたとき一般分析法による測定
    値を管理値と比較し、 一般分析法の測定値が管理値内の場合は過去の近赤外分
    析のデータを入力して予測値を求め、 予測値が管理値外の場合は近赤外分析装置の点検を行
    い、 予測値が管理値内の場合は検量線の補完・評価を行うこ
    とを特徴とする近赤外分析による製造運転制御方法。
  2. 【請求項2】 一般分析法の測定値が管理値外の場合は
    制御アクションを行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 試料の近赤外分析により管理値外の測定
    値が得られたとき、近赤外分析を再度行い、再分析によ
    り管理値外の測定値が得られたときに、一般分析法によ
    る測定値を管理値と比較するようにした請求項1または
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 検量線補完後、異常発生時の測定値と対
    比して検量線の評価、確認を行う請求項1ないし3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 検量線補完後、過去の近赤外分析のデー
    タを入力して検量線の評価・確認を行う請求項1ないし
    4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 定期的に一般分析法による測定値を近赤
    外分析法の測定値と比較し、差が出たときに検量線の補
    完・評価を行う請求項1ないし5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 定期的に一般分析法による測定値を近赤
    外分析法の測定値と比較し、差が出たときにプロダクト
    のパターンを定性的に比較確認を行い、差がない場合に
    検量線の確認を行う請求項6記載の方法。
JP10470499A 1998-09-04 1999-04-13 近赤外分析による製造運転制御方法 Expired - Lifetime JP4385433B2 (ja)

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