JP2000139419A - オキアミ乾燥粉粒体 - Google Patents

オキアミ乾燥粉粒体

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JP2000139419A JP10311730A JP31173098A JP2000139419A JP 2000139419 A JP2000139419 A JP 2000139419A JP 10311730 A JP10311730 A JP 10311730A JP 31173098 A JP31173098 A JP 31173098A JP 2000139419 A JP2000139419 A JP 2000139419A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗酸化剤を使わなくとも充分に脂質劣化を防
止できるオキアミ乾燥粉粒体の提供。 【解決手段】 オキアミの全成分を含有することを特徴
とするオキアミ乾燥粉粒体。原料オキアミ由来の蛋白分
解酵素が完全に失活している。原料オキアミ蛋白質の変
性や蛋白質分解酵素の失活に加えられる手段が加熱のみ
である。製造工程において水分除去や蛋白分解酵素失活
や阻害の目的で何らの薬品処理がなく、しかも廃液の発
生が全くない製造方法により製造される。当該製造方法
は、漁獲したオキアミを軽く脱水し、これを破砕してか
ら加熱乾燥する工程からなる製造方法である。つまり加
熱のみによりオキアミから水分のみを失活させ、その利
用用途を拡大し、さらに保存性までも付与せしめたもの
で、いわゆる廃棄物の発生がないゼロミッションを実現
した製法、製品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明はオキアミの全成分を
含有する抗酸化剤を使わなくとも充分に脂質劣化を防止
できるオキアミ乾燥粉粒体に関する。
【0002】
【従来の技術】オキアミは主に北極および南極海域に生
息する動物プランクトンで、現在までに約80数種類が
知られている。この中でナンキョクオキアミは南極海に
生息し、その資源量は膨大であることから、昭和40年
代の後半から50年代にかけてその資源や漁法の開発調
査および利用加工法が盛に研究された。
【0003】オキアミは栄養価の点で魚肉や畜肉に比べ
て遜色はないが利用加工上いくつか問題が存在する。そ
の中の一つが急速な鮮度低下である。漁獲直後のオキア
ミを放置しておくと、気温が0℃付近の低温下でも1〜
2時間で頭胸部の黒変が進行する。さらにオキアミの頭
胸部の殻は外圧に対して非常に弱く、漁獲時の衝撃で容
易に破壊され、内臓に存在する酵素が流出し、筋肉を分
解する。これらの現象はいずれもオキアミに存在する酸
素の作用で前者はチロシナーゼ、後者はプロテアーゼと
考えられている。
【0004】このためオキアミの加工に際してこれらの
酸素を失活もしくは不活化させる必要がある。つまり漁
獲後直ちに−40℃以下に急速凍結し、酸素を不活化さ
せ保存するか、もしくは80℃以上に加熱し、酸素を失
活させる必要があった。既存の製品で急速凍結後、冷凍
保管するものはオキアミの生冷凍品や生むき身品、加熱
後、冷凍保管するものはオキアミボイル品、そして加
熱、乾燥後、常温保管するものはオキアミミールであっ
た。これらの製品の処理工程別の分類および製品別の特
徴や改善点を整理して表1、表2に示した。
【0005】既存の製品はそれぞれの用途で利用されて
はいるが、これらの製品は南氷洋かた日本まで運ばれて
いるため、その運賃が製品価格に大いに影響する。この
ためオキアミの持つ特性を引き出し、付加価値を濃縮し
た製品が望まれている。
【0006】
【表1】
【0007】
【表2】
【0008】オキアミの蛋白分解酵素を阻害し、蛋白原
料として利用する方法として特開昭57−11876号
公報に記載の発明がある。当該方法はオキアミペースト
をアルコール変性することにより蛋白質の固定(変性)
と酵素の変性を同時に行った後、水洗してアルコールを
除去するものであるが、以下の問題点がある。 1、水洗時にアルコールと共に未変性の水溶性蛋白質や
低分子の蛋白質が同時に除去される。 2、水洗時にアルコールと共に旨味に関与する遊離アミ
ノ酸、エキス成分も除去される。 3、水洗時にアルコールと共に極性脂質が除去される。
オキアミの脂質はその大部分がリン脂質で、高度不飽和
脂肪酸に富んでおり、これを除去することになる。 4、アルコールの回収、再利用は可能であるが、コスト
がかかる。 これらのことより当該方法の実用性には疑問が残る。
【0009】また、海老の乾燥造粒方法として特開平8
−298967号公報に記載の発明がある。これは生海
老をミンチ装置ですり身状となし、それを撹拌加熱して
乾燥物を得るものである。当該公報に示された実施例に
よると先ず原料の海老を擂り身状にする。ここで記載さ
れている擂り身状とは原料の海老を完全にすり潰した状
態のみならず、細かく切断した状態のものも含めてい
る。具体的には挽肉等を製造するミンチ装置を用いてこ
の処理を行っており、その記載によると最大の粒度、つ
まり粗挽き状態は2mm角程度とされている。この様な
処理をされた原料を加熱乾燥に供し、乾燥造粒物を得る
のであるが、オキアミ特有の性状から、加熱乾燥機に供
しても非常に乾燥し難いと推定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、我々の研究
によるとオキアミを上記と同様の処理を行うとオキアミ
に含まれる脂質、蛋白質および水分が乳化状態となり、
加熱乾燥機に供しても非常に乾燥し難いことが分かって
いる。これは前述のようにオキアミの脂質の大部分が極
性脂質であることで余計に乳化性に富んでいることに関
係している。つまり乳化により水分が構造的に安定化
し、加熱により容易に蒸発しないからである。また、擂
り身状にすることによりオキアミ内臓由来の強い蛋白分
解酵素活性が発現し、さらに擂り身処理時の昇温により
酵素活性が高まり、オキアミ蛋白質の分解が促進され、
ひいては呈味性の低下に結びつく。さらに擂り身状の原
料を加熱乾燥機に供すると機器の加熱面と接触し、徐々
に皮膜が成長し、ついには接触面に付着した原料に焦げ
付く現象が見られる。この現象の防止策としては機器の
加熱面を常に撹拌羽等で接擦する必要があるが、機器の
構造や精度から、さらに加熱による機器の膨張等の影響
により加熱面と撹拌羽の間隔を一定に保つことは非常に
難しく、結果として原料の焦げの発生は避けられず、こ
れらによる風味の悪化や消化性の低下の原因となる。そ
こで、本発明は貴重な水産資源であるオキアミを用いて
オキアミ由来の酵素活性を完全に失活させ、さらにオキ
アミ由来成分の全てを有し、しかも保存性に優れた粉粒
状のオキアミの製造方法ならびに当該粉粒状オキアミを
提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、オキアミの全
成分を含有することを特徴とするオキアミ乾燥粉粒体を
要旨としている。オキアミの全成分を含有することによ
り抗酸化剤を使わなくとも充分に脂質劣化を防止できる
機能を持たせたものである。上記のオキアミ乾燥粉粒体
は、原料オキアミ由来の蛋白分解酵素が完全に失活して
おり、したがって本発明は、原料オキアミ由来の蛋白分
解酵素が完全に失活しており、かつ、オキアミの全成分
を含有することを特徴とするオキアミ乾燥粉粒体であ
る。原料オキアミ蛋白質の変性や蛋白質分解酵素の失活
に加えられる手段が加熱のみであり、したがって本発明
は、原料オキアミ蛋白質の変性や蛋白質分解酵素の失活
に加えられる手段が加熱のみである製造方法により得ら
れた、原料オキアミ由来の蛋白分解酵素が完全に失活し
ており、かつ、オキアミの全成分を含有することを特徴
とするオキアミ乾燥粉粒体である。
【0012】本願発明の上記のオキアミ乾燥粉粒体は、
製造工程において水分除去や蛋白分解酵素失活や阻害の
目的で何らの薬品処理がなく、しかも廃液の発生が全く
ない製造方法により製造される。当該製造方法は、漁獲
したオキアミを軽く脱水し、これを破砕してから加熱乾
燥する工程からなる製造方法である。このオキアミ乾燥
粉粒体は製造工程において薬品等による何らの化学的処
理を加えられておらず、唯一加熱のみが加えられてい
る。また工程中に廃液の発生する箇所は存在しない。つ
まり加熱のみによりオキアミから水分のみを失活させ、
その利用用途を拡大し、さらに保存性までも付与せしめ
たもので、いわゆる廃棄物の発生がないゼロミッション
を実現した製法、製品である。
【0013】この製造方法は漁獲されているオキアミか
ら海水分を抜き、破砕した後、加熱乾燥する工程からな
る。従来より行われているミールの製造工程においては
先ずオキアミと同量の水でオキアミを煮熟した後、固液
分離する。固形分は乾燥機にて加熱乾燥する。固液分離
する際に得られた液体分はスティックウォーターと呼ば
れ、別途保管される。このためオキアミミールには本発
明品に比べ水溶性の成分が少なく、例えばエキス等にお
ける呈味性や養魚飼料等における摂餌誘引性に欠ける点
があった。また、煮熟工程と加熱乾燥工程の2工程にお
ける加熱により蛋白質が過度に加熱変性し、消化率が低
下する場合もある。
【0014】
【発明の実施の形態】先にオキアミの種類については8
0数種類あることを述べたが、本発明を実施するにあた
りオキアミの種類は限定されない。またアミ類について
も利用可能である。ここでは現在、産業的に利用されて
いるナンキョクオキアミ(Euphasia superba)を主に用
いた。以下、製造工程について説明する。
【0015】原料オキアミは漁獲後、直ちに魚槽に移さ
れる。その後、体表に付着している海水などを除去する
ために脱水機に供される。特に脱水機の種類は限定しな
いが、オキアミは外殻が非常にもろく、40〜140g
/cm2の圧力で容易に破壊され、体成分が流出する。
そのため脱水機はオキアミに過度の物理的負荷を与えな
い機種が望ましい。脱水されたオキアミは加熱乾燥に際
して熱効率を改善するために粉砕処理に供される。粉砕
に用いる機材については特に限定はしない。粉砕の粒度
に関しては原料オキアミをその外殻や筋組織が残る程度
の粗挽き状からペースト状までいずれも限定はしない
が、本発明では前述した理由により、1.5〜2.5c
m角程度の粒度としている。この処理には挽肉等を作成
するのに用いられている公知のミンチ装置を用い、目皿
を変更することにより粗挽き肉状からペースト状まで対
応している。粉砕されたオキアミは加熱乾燥に供され
る。この工程も用いる機種は特に限定はしない。例えば
蒸気式ディスクドライヤー等の公知の加熱乾燥機を使用
できるが、加熱時間、加熱温度、撹拌の度合い等を調整
できるものが望ましい。つまり天然資源であるオキアミ
の体成分は季節により変化するため、これらに対応して
一定の品質の製品を得るためである。
【0016】また加熱時間および加熱温度に関してはオ
キアミの筋肉蛋白質および内在する蛋白分解酵素を加熱
変性し、さらに保存性を考慮し水分を10%以下に低下
させることを考慮して設定する。この場合も高温、長時
間加熱乾燥は避け、先に述べた条件を満たすのに必要最
低限の処理を行う。過度の加熱は蛋白質の極度の変性に
よる消化率の低下、オキアミ由来の天然色素アスタキサ
ンチンの減少、ビタミン類の減少、そして脂質の酸化に
つながる。また加熱不足であると内在する蛋白分解酵素
の活性が残存し、品質低下の引き金となりうる。また水
分が10数%以上であるとカビ発生の原因となる。乾燥
後のオキアミは殻も非常に脆くなっているため粉砕機に
より任意の粒度容易に粉砕可能である。本発明品の用途
は養魚用飼料においては魚粉に代わる主原料として、ま
た食品用途においてはエビ風味調味料として練り製品等
に混合して使用可能である。
【0017】
【作用】従来技術の欄で述べた問題は原料を擂り身状に
することに起因するため、我々は原料オキアミを魚体長
の2〜3割(約1.5〜2.5cm角程度)に切断して
から加熱乾燥機に供している。このことにより原料の乳
化が防止され、乾燥効率が高まり、されに内臓由来の強
い蛋白分解酵素活性も抑制されることで呈味に対する悪
影響が減じられ、さらに加熱面への付着が防止されるこ
とで適切な加熱が可能となり、品質の向上に大きく寄与
した。さらにこの方法で得られたオキアミ乾燥物が粒径
が大きく、また原料の形状をよく維持しているために食
品等に利用してもその形状を活かした製品を得ることが
可能である。また本発明によるオキアミ乾燥物は必要に
応じて簡単に粉砕ができ、所望の粒度とすることができ
る。よって本発明は特開平8−298967号公報に記
載の発明とは異なる工程により異なった品質の乾燥物を
得るものといえる。
【0018】生オキアミおよび本発明品の残存蛋白分解
酵素活性を図1に示す。これはアゾカゼインを基質とし
て各反応時間毎の残存蛋白分解酵素活性を440nmの
吸光度を指標として示した。これによると生オキアミの
残存蛋白分解酵素活性は反応時間の経過と共に高くなっ
ているが、本発明品の残存蛋白分解酵素活性はほとんど
変化せず、このことから本発明品には蛋白分解酵素が残
存しておらず、製造工程において完全に失活しおり、貯
蔵保管中の品質劣化の可能性が低いことが示唆された。
【0019】本発明品の保存性について以下の表に示
す。これは本発明品にミール等の抗酸化剤として最も一
般的なエトキシキンを添加した区と添加していない区の
2つの区を設け、37℃に2カ月間保管したときの品質
の変化を脂質の劣化を指標として比較したものである。
エトキシキン添加区には保存中の変化の差を明らかにす
るためエトキシキン300ppmと通常の添加量の2倍
の量を添加した。これによると1カ月目までは抗酸化剤
無添加区および抗酸化剤添加区における脂質の変化には
大きな変化は見られなかった。また2カ月目においては
抗酸化剤無添加区の方が抗酸化剤添加区より若干酸化が
進行しているが、大きな差は認められない。脂質の劣化
を示す指標についてはいくつかあるが、オキアミの脂
質、特に抽出精製したものについては保存中に過酸化物
価はほとんど上昇せずに、カルボニル価のみが上昇する
ことが知られており、一般の魚油等の劣化とは酸化物生
成、分解反応の進行速度が違うことが指摘されている。
【0020】
【表3】
【0021】また、本発明品と本発明品からオキアミ由
来の水溶性成分を完全に除去したものでは保存中にその
脂質の劣化速度が明らかに異なる現象が見られた。この
原因物質については不明であるが、オキアミ由来の水溶
性成分に何らかの抗酸化作用があると考えられている。
このため本発明品のごとくオキアミの全成分を濃縮した
製品は抗酸化剤を使わなくとも充分に脂質劣化を防止で
きる特徴があると思われる。
【0022】
【表4】
【0023】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 1.オキアミ乾燥プラント装置および生産の流れ。 図2に示すとおり、生産の流れの概略は、魚槽からオキ
アミ供給装置にて原料タンクへまず原料オキアミを送
り、そこから適宜原料を脱水機に供給する。脱水機では
オキアミに含まれている海水分のみ脱水することを基本
として考えているが原料によって水分量が異なることも
予想され、また、乾燥機の処理能力によっては脱水率を
上げるように絞りの調整を行う。脱水後の原料はチョッ
パーで粗砕した後で乾燥機へ送る。原料は蒸気で加熱さ
れた乾燥機の中で煮熟し、さらに乾燥し、所定の水分に
達した所で、乾燥終了として排出する。乾燥粉末は製品
タンクに送られ、ロータリーバルブ、クラッシャー等を
経て所定の重量迄自動的に袋詰めされる。これまでのミ
ールの製造工程は、生オキアミ→煮熟→遠心分離または
固液分離→固形分→乾燥→粉砕→包装である。遠心分離
工程で液体分は除去されるが、その中に有用成分が含ま
れおりそれが投棄されていた。ミールはある面では滓を
乾燥したものであるといいかえることができる。これに
対して、本発明品を製造するための方法は、生オキアミ
→周辺水分除去→煮熟→乾燥→粉砕→包装と簡単な流れ
となっている。遠心分離工程がなく、煮熟、乾燥の工程
で酵素を失活させオキアミ成分を熱変性安定化し、本来
含有するオキアミ成分を外部に投棄することなく製品と
する。装置的には、上記オキアミ乾燥装置の特徴は、デ
カンターやプレスによる原料を煮熟した後の絞り工程を
省いたものであり、クッカーとドライヤーが一体になっ
ていること等従来のミール装置と異なっている。
【0025】2.成分分析値 本発明品の成分分析値を表5に示した。比較のために従
来製法によるオキアミミールの値も示した。特に本発明
では食味における呈味性や養魚飼料等における摂餌誘引
性に深く関与する遊離アミノ酸量が従来のオキアミミー
ルの2倍強含まれている。原料を煮熟した後の絞り工程
が省かれたことにより、呈味成分の流失による損失がな
く良いフレーバーのものが得られる、廃液のほとんど出
ない製品の歩留まりがよい製造方法となっていることに
基づく結果であると推定される。
【0026】
【表5】
【0027】
【発明の効果】貴重な水産資源であるオキアミを体成分
の流出による損失が全くなく、完全有効利用する方法を
提供することができる。得られたオキアミ乾燥粉粒体は
オキアミ由来の全成分を含み、しかもオキアミ特有の強
力な酵素活性を失活させているため、飼料分野はもとよ
り、食品分野においても幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生オキアミおよび本発明品の残存蛋白分解酵素
活性を示す図面である。
【図2】本発明品の生産ラインの模式図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキアミの全成分を含有することを特徴
    とするオキアミ乾燥粉粒体。
  2. 【請求項2】 原料オキアミ由来の蛋白分解酵素が完全
    に失活している請求項1のオキアミ乾燥粉粒体。
  3. 【請求項3】 原料オキアミ蛋白質の変性や蛋白質分解
    酵素の失活に加えられる手段が加熱のみである製造方法
    による請求項1または2のオキアミ乾燥粉粒体。
  4. 【請求項4】 製造工程において水分除去や蛋白分解酵
    素失活や阻害の目的で何らの薬品処理がなく、しかも廃
    液の発生が全くない製造方法による請求項1、2または
    3のオキアミ乾燥粉粒体。
  5. 【請求項5】 漁獲したオキアミを軽く脱水し、これを
    破砕してから加熱乾燥する工程からなる製造方法による
    請求項1ないし4のいずれかのオキアミ乾燥粉粒体。
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