JP2000136668A - 容器蓋の施錠装置 - Google Patents

容器蓋の施錠装置

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JP2000136668A
JP2000136668A JP10312279A JP31227998A JP2000136668A JP 2000136668 A JP2000136668 A JP 2000136668A JP 10312279 A JP10312279 A JP 10312279A JP 31227998 A JP31227998 A JP 31227998A JP 2000136668 A JP2000136668 A JP 2000136668A
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
Yukihisa Sato
幸久 佐藤
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Ryobi Ltd
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 係合片の破損を防止して、施錠及び解錠の信
頼性を向上し、開蓋状態及び閉蓋施錠状態に関する使用
者の誤解を回避し、この誤解に起因する諸問題を解決す
ることが可能な容器蓋の施錠装置を提供する。 【解決手段】 容器は、箱体1の開口部を開閉する蓋2
を備える。箱体1の開口部の対向する両側面の少なくと
も一方に容器の側面と平行な横軸41を設け、横軸41
に対向する蓋2側の側面に、閉蓋時に横軸41に係合す
る溝211を有するリブ21を設ける。リブ21との間
で横軸41を把持できるように、横軸41の下側から係
合する係合片31を有する操作レバー3を回動可能に軸
支する。操作レバー3に係合片31が横軸41に係合す
る方向の弾性力を付勢する弾性手段35を設ける。箱体
1の側面と操作レバー3との閉蓋時における対向面の一
方に、閉蓋中に、対向面の他方に形成した当接部36が
当接して弾性手段35の付勢力に抗して操作レバー3を
回動させて係合片31を横軸41から離隔させ、閉蓋完
了時に、上記当接を解除して、係合片31を横軸41の
下方に係合させる傾斜面部5を突設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、箱体に対して蓋を
開閉可能に蝶着した容器蓋の施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、箱体の開口部を閉鎖するための
蓋を備えた容器においては、箱体の対向する両側面の一
方に蓋を蝶番等で蝶着し、他方に、「パッチン錠」と称
されるトグル型留め具等の施錠装置が配設されている。
このような容器においては、施錠装置を解錠すれば、蓋
は蝶番によって開閉可能に枢動される。
【0003】しかしながら、上述した構成によると、箱
体と蓋とが常に蝶番によって連結されているために、容
器内に物を収納したり、容器内部を洗浄したりする際
に、開蓋することによって蝶番が損壊する虞があった。
しかも、物を収納する際に、容器の施錠装置側からしか
蓋の開閉を行うことができず、開蓋状態におかれた蓋が
邪魔になって大きな物を収納することができず、更に、
開蓋によって容器のバランスが崩れて、転倒し易く、物
の収納が困難である等の種々の問題があった。
【0004】そこで、本願出願人は、実公平7−559
07号公報において、箱体の開口部を閉鎖するための蓋
を箱体の対向する両側面の何れからでも開放できるよう
に施錠・蝶着可能な施錠装置を提案した(以下、「先行
技術」という)。
【0005】先行技術の施錠装置においては、容器の対
向する両側面に、箱体と蓋とに跨る凹部を形成し、箱体
側の凹部内に容器の側面と平行な横軸を設け、蓋側の凹
部内に閉蓋時に上記横軸に係合する溝を有するリブを設
けている。更に、蓋側の上記凹部内に、上記リブとの間
で上記横軸を把持できるように、上記横軸にその下側か
ら係合する係合片を有する操作レバーを回動可能に軸支
している。上記操作レバーには、係合片が横軸に係合す
る方向に弾性力を付勢する弾性手段を設けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術の施錠装置は、閉蓋時に係合片の下面に形成した傾斜
面を横軸の上側に当接させることによって操作レバーを
弾性手段の付勢力に抗して回動させた後に、横軸の下側
に係合片を係合させる構成を採用しているため、急な閉
蓋動作時等に係合片が変形して操作レバーが弾性手段の
付勢力に抗して回動せず、係合片を横軸の下側に係合さ
せることができない場合があり、又、この場合に、係合
片が破損して閉蓋状態での施錠ができなくなる虞があっ
た。
【0007】又、操作レバーは、横軸がリブの溝と係合
片との間で把持されていない開蓋状態時と、横軸がリブ
の溝と係合片との間で把持された閉蓋施錠状態時とにお
いて、同じ状態に置かれるため、使用者が開蓋状態にあ
るにも拘わらず、閉蓋施錠状態にあるものと誤解する虞
があった。このような誤解は、以下に述べるような問題
を生ぜしめる。例えば、容器が液体を収容するための一
般容器である場合には、開蓋状態のまま容器を運搬する
ことによって、内容物をこぼす可能性がある。又、容器
が保冷容器である場合には、氷が解けて容器内の温度が
上昇し、収容物を腐敗させる可能性がある。又、両開き
型の蓋においては、他の側の施錠装置を解錠して、蓋を
開放することによって、蓋が箱体から分離し、海等に落
下して、これを紛失する虞がある。
【0008】本発明の目的は、係合片の破損を防止し
て、施錠及び解錠の信頼性を向上し、開蓋状態及び閉蓋
施錠状態に関する使用者の誤解を回避し、この誤解に起
因する諸問題を解決することが可能な容器蓋の施錠装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の本発明は、箱体(1)の開口部を開
閉する蓋(2)を備えた容器であって、箱体(1)の開
口部の対向する両側面の少なくとも一方に容器の側面と
平行な横軸(41)を設け、当該横軸(41)に対向す
る蓋(2)側の側面に、閉蓋時に前記横軸(41)に係
合する溝(211)を有するリブ(21)を設けると共
に、当該リブ(21)との間で前記横軸(41)を把持
できるように、前記横軸(41)の下側から係合する係
合片(31)を有する操作レバー(3)を回動可能に軸
支し、当該操作レバー(3)に前記係合片(31)が前
記横軸(41)に係合する方向の弾性力を付勢する弾性
手段(35)を設けた容器蓋の施錠装置において、前記
箱体(1)の側面と操作レバー(3)との閉蓋時におけ
る対向面の一方に、閉蓋中に、前記対向面の他方に形成
した当接部(36)が当接して弾性手段(35)の付勢
力に抗して操作レバー(3)を回動させて前記係合片
(31)を前記横軸(41)から離隔させ、閉蓋完了時
に、前記当接を解除して、前記係合片(31)を前記横
軸(41)の下方に係合させる傾斜面部(5)を突設し
たことを特徴とする。
【0010】請求項2の本発明は、請求項1の容器蓋の
施錠装置において、前記容器の側面に箱体(1)と蓋
(2)とに跨る凹部(B)を形成し、当該凹部(B)内
の箱体(1)側に前記横軸(41)と前記傾斜面部
(5)とを設け、蓋(2)側に前記リブ(21)と前記
操作レバー(3)と前記弾性手段(35)とを設けたこ
とを特徴とする。
【0011】請求項3の本発明は、請求項2の容器蓋の
施錠装置において、前記傾斜面部(5)を前記箱体
(1)側の凹部(B1)の壁に設け、前記操作レバー
(3)に前記傾斜面部(5)に当接する当接部(36)
を突設したことを特徴とする。
【0012】請求項4の本発明は、請求項1乃至請求項
3の何れかの容器蓋の施錠装置において、前記傾斜面部
(5)に対して前記当接部(36)が閉蓋完了時におい
て前記横軸(41)と同軸芯上で回動可能に構成されて
なることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係
る容器蓋の施錠装置を図1乃至図6を参照しながら詳述
する。
【0014】図1及び図2は魚釣やレジャー等の際に携
行する保冷容器Aを示している。この保冷容器Aは、合
成樹脂等で形成された外箱と内箱との間に発泡ウレタン
等の断熱材を介在させて形成されたものであって、魚等
を収容するための箱体1と、この箱体1の上部の開口部
分を閉塞するための蓋2とを備えている。尚、図1で
は、中心線CLより右側は蓋2により箱体1が閉塞され
た状態を示しており、一方、中心線CLより左側は蓋2
が箱体1から取り外された開放状態を示している。保冷
容器Aの対向する両側面11、11には、箱体1と蓋2
の双方に跨る凹部Bがそれぞれ設けられている。
【0015】箱体1側の凹部B1には、蓋2の開閉の支
点軸となる横軸41が箱体1の側面11に平行になるよ
うに、一対の軸座4、4を介して取り付けられている
(図1参照)。この横軸41は、箱体1の凹部B1毎
に、2本ずつ設けられている。
【0016】一方、蓋2側の凹部B2には、横軸41と
係合する下向きの溝211(図5参照)を先端にそれぞ
れ形成した平板状の屈曲する一対のリブ21、21が下
に向けて突出するように設けられている。この一対のリ
ブ21、21は、各横軸41に対応して設けられてお
り、従って、保冷容器Aにおいて、4本の横軸41に対
して、4対のリブ21、21がそれぞれ設けられてい
る。蓋2は、箱体1に取り付けられた各横軸41に各対
のリブ21、21の溝211、211を上からはめ込む
ようにして取り付けられる。そして、蓋2は、箱体1の
一方の凹部B1における横軸41、41、及び、その他
方の凹部B1における横軸41、41の何れをも支点と
して枢動させることができ、箱体1に対して両方向に自
在に開閉できる。
【0017】箱体1と蓋2との合わせ面の部分では、蓋
2内面の周縁に全周に亘って、凹状に溝201を設け、
この溝201にパッキン202をはめ込んでいる。一
方、箱体1の周囲の上端面には、蓋2のパッキン202
と係合する凸部101を全周に亘り設けている。蓋2が
箱体1を閉塞している状態では、図3に示すように凸部
101がパッキン202を押し付けるようにして密接に
当接して、保冷容器A内部の水等が外部に漏れるのを防
止する。
【0018】この箱体1側の各凹部B1には、蓋2を箱
体1に係合施錠するための蓋開閉用操作レバー3がそれ
ぞれ配置されており、この操作レバー3によって、横軸
41、41と、これに係合している、蓋2のリブ21‥
21とが覆われている。各操作レバー3は、断面略コ字
状に形成され、その下端には、係合片31が設けられて
いる。操作レバー3は、係合片31の先端が内側を向く
ようにして蓋2の凹部B2内に、軸34を介して回動可
能に軸支されている。この係合片31は、横軸41の下
面と係脱自在であって、横軸41と係合して蓋2の前記
リブ21の溝211との間で横軸41を把持して蓋2を
箱体1に係合施錠している。なお、この操作レバー3
は、蓋2を箱体1に閉塞させたときに横軸41と係合す
るように、閉状態の方向に弾性手段35によって付勢さ
れている。この弾性手段35は、操作レバー3にその係
合片31が横軸41に係合する方向に弾性力を付与する
ものであれば、その形態は任意であり、例えば、ねじり
コイルばね、板ばね等によって構成される。
【0019】本発明の第1実施形態によれば、上述した
基本構成を有する施錠装置において、箱体1の側面11
と操作レバー3との閉蓋時における対向面の一方に、閉
蓋中に、上記対向面の他方に形成した当接部36が当接
して弾性手段35の付勢力に抗して操作レバー3を回動
させて係合片31を横軸41から離隔させ、閉蓋完了時
に、上記当接を解除して、係合片31を横軸41の下方
に係合させる傾斜面部5を突設した構造を採用してい
る。
【0020】即ち、箱体1側の一対の凹部B1、B1の
各々において、この凹部B1を形成する垂直壁111a
と側壁111bとの間の角部、更に詳述すれば、垂直壁
111aの水平方向における両端部且つ垂直方向におけ
る上端部に、一対の傾斜面部5、5が水平方向外側に向
けて突出するようにそれぞれ形成されている(図1、図
2及び図5参照)。各傾斜面部5は、円弧状湾曲面とし
て形成された傾斜面51を有している。尚、傾斜面部5
を、垂直壁111aと側壁111bとの間の角部ではな
く、垂直壁111aから分離するように、上記側壁11
1bに形成してもよい。
【0021】一方、一対の操作レバー3、3の各々にお
いて、その両側壁の各々には、上記一対の傾斜面部5、
5の傾斜面51、51と当接可能な円柱状の当接部36
が形成されている。この当接部36は、閉蓋完了時にお
いて、横軸41と同軸芯上に配置され、しかも、その中
心軸線を中心として回動可能である。このように構成す
ることにより、当接部36は、箱体1に対する蓋2の開
閉時の枢軸としても作用し、従って、横軸41と共に、
蓋2の開閉動作を確実に行い、蓋2を箱体1に開閉可能
に取り付けるためのヒンジ構造の耐久性を著しく向上さ
せることができる。
【0022】閉蓋中において、蓋2の箱体1に対する閉
蓋角度が所定の角度に達すると、当接部36が傾斜面部
5の傾斜面51と当接し、その後閉蓋動作に伴って、操
作レバー3が、図6に示すように、弾性手段35の付勢
力に抗して、軸34を中心として時計方向に僅かに回動
し、その結果、操作レバー3の係合片31が横軸41か
ら離れる。その後、閉蓋動作を更に継続すると、当接部
36と傾斜面部5の傾斜面51との当接が解除され、操
作レバー3が、図3に示すように、弾性手段35の付勢
力によって、軸34を中心として半時計方向に僅かに回
動し、その結果、閉蓋完了時に、係合片31が横軸41
の下方に係合する。
【0023】次に、本発明の上述した第1実施形態に係
る施錠装置の使用方法を説明する。上述から明らかなよ
うに、保冷容器Aには、一対の施錠装置が設けられてい
るが、容器Aの蓋2を一方の側に開放する場合には、一
方の施錠装置における操作レバー3の下端部を外側に引
き出す。これにより、操作レバー3は、図6に示すよう
に、軸34を中心として時計方向に回動し、係合片31
と横軸41との係合が解除されると同時に、当接部36
が傾斜面部5の下面から離れる。その結果、リブ21と
係合片31との間における横軸41の把持が解除され
る。
【0024】そこで、蓋2を上方に持ち上げることによ
り、蓋2は、他方の施錠装置における横軸41及び当接
部36を中心として開放される。
【0025】上述した開蓋状態から蓋2を閉じる際に
は、単に蓋2を上述した方向と反対方向に回動させれば
よい。即ち、閉蓋中において、蓋2の箱体1に対する閉
蓋角度が所定の角度に達すると、当接部36が傾斜面部
5の傾斜面51と当接し、その後閉蓋動作に伴って、操
作レバー3が、図6に示すように、弾性手段35の付勢
力に抗して、軸34を中心として時計方向に僅かに回動
する。その後、閉蓋動作を更に継続すると、当接部36
と傾斜面部5の傾斜面51との当接が解除され、操作レ
バー3が、図3に示すように、弾性手段35の付勢力に
よって、軸34を中心として半時計方向に僅かに回動
し、その結果、閉蓋完了時に、係合片31が横軸41の
下方に係合する。
【0026】尚、図6の状態で閉蓋動作を中断した場合
には、操作レバー3が時計方向に回動されたままの状
態、又は、弾性手段35の付勢力により操作レバー3が
半時計方向に回動復帰し、この復帰に伴う傾斜面部5の
傾斜面51及び当接部36の作用によって蓋2が上方に
押し上げられた状態の何れかに置かれる。従って、使用
者は、施錠が未だ完了していないことを目視によって確
認できる。
【0027】次に、本発明の第2実施形態に係る容器蓋
の施錠装置を図7及び図8を参照しながら詳述する。
【0028】第2実施形態に係る施錠装置は、傾斜面部
5が操作レバー3に設けられる一方、当接部36が箱体
1の側面11に設けられていることを除き、第1実施形
態に係る上述した施錠装置と同一である。従って、同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0029】傾斜面部5は、操作レバー3が施錠状態に
置かれているときに、箱体1の側面11に向けて突出す
るように、操作レバー3の下端部に設けられており、下
方に向かって順次先細に形成されている。図8から明ら
かなように、傾斜面部5が設けられた位置は、操作レバ
ー3の垂直方向において係合片31が設けられた位置と
同一であるが、前者の位置は操作レバー3の水平方向に
おいて後者の位置と異なっている。
【0030】当接部36は、箱体1側の一対の凹部B
1、B1の各々において、この凹部B1を形成する垂直
壁111の水平方向における両端部且つ垂直方向におけ
る上端部に、水平方向外側に向けて突出するようにそれ
ぞれ形成されている。
【0031】閉蓋中において、蓋2の箱体1に対する閉
蓋角度が所定の角度に達すると、操作レバー3の傾斜面
部5における傾斜面51が、箱体1側に設けられた当接
部36と当接し、その後閉蓋動作に伴って、操作レバー
3が、図8に示すように、弾性手段35の付勢力に抗し
て、軸34を中心として時計方向に僅かに回動し、その
結果、操作レバー3の係合片31が横軸41から離れ
る。その後、閉蓋動作を更に継続すると、当接部36と
傾斜面部5の傾斜面51との当接が解除され、操作レバ
ー3が、図7に示すように、弾性手段35の付勢力によ
って、軸34を中心として半時計方向に僅かに回動し、
その結果、閉蓋完了時に、係合片31が横軸41の下方
に係合する。
【0032】次に、本発明の上述した第2実施形態に係
る施錠装置の使用方法を説明する。上述から明らかなよ
うに、保冷容器には、一対の施錠装置が設けられている
が、容器の蓋2を一方の側に開放する場合には、一方の
施錠装置における操作レバー3の下端部を外側に引き出
す。これにより、操作レバー3は、図8に示すように、
軸34を中心として時計方向に回動し、係合片31と横
軸41との係合が解除される。その結果、リブ21と係
合片31との間における横軸41の把持が解除される。
【0033】そこで、蓋2を上方に持ち上げることによ
り、蓋2は、他方の施錠装置における横軸41及び当接
部36を中心として開放される。
【0034】上述した開蓋状態から蓋2を閉じる際に
は、単に蓋2を上述した方向と反対方向に回動させれば
よい。即ち、閉蓋中において、蓋2の箱体1に対する閉
蓋角度が所定の角度に達すると、傾斜面部5の傾斜面5
1が当接部36と当接し、その後閉蓋動作に伴って、操
作レバー3が、図8に示すように、弾性手段35の付勢
力に抗して、軸34を中心として時計方向に僅かに回動
する。その後、閉蓋動作を更に継続すると、傾斜面部5
の傾斜面51と当接部36との当接が解除され、操作レ
バー3が、図7に示すように、弾性手段35の付勢力に
よって、軸34を中心として半時計方向に僅かに回動
し、その結果、閉蓋完了時に、係合片31が横軸41の
下方に係合する。
【0035】尚、図7の状態で閉蓋動作を中断した場合
には、操作レバー3が時計方向に回動されたままの状
態、又は、弾性手段35の付勢力により操作レバー3が
半時計方向に回動復帰し、この復帰に伴う傾斜面部5の
傾斜面51及び当接部36の作用によって蓋2が上方に
押し上げられた状態の何れかに置かれる。従って、使用
者は、施錠が未だ完了していないことを目視によって確
認できる。
【0036】上述した実施形態においては、保冷容器に
適用されたものとして説明したが、本発明は、保冷容器
や保温容器等の断熱容器の他、防音容器や一般の容器等
の施錠装置にも利用できる。
【0037】また、実施形態においては、容器の対向す
る両側面に本発明に係る施錠装置を配設した両開き容器
蓋で説明したが、本発明は、容器の対向する両側面の一
方を蝶番で蝶着した蓋において、他方の側に配設する施
錠装置としても使用できる。
【0038】また、実施形態においては、蓋開閉操作レ
バーに付勢手段としてねじりコイルばねを配設するよう
にしたが、本発明の付勢手段はその他の公知の弾性部材
を公知の付勢方法によって付勢するようにしてもよく、
この付勢手段を設けずに手動操作で閉蓋状態に操作する
ようにしてもよい。
【0039】更に、傾斜面部と当接部とが設けられる位
置は、上述した第1及び第2実施形態によるものに限定
されるものではなく、閉蓋時に相互に対向する箱体1と
操作レバーの部分であれば、如何なる位置に設けてもよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、箱体の側面と操作レバーとの閉蓋時における対
向面の一方に、閉蓋中に、対向面の他方に形成した当接
部が当接して弾性手段の付勢力に抗して操作レバーを回
動させて係合片を横軸から離隔させ、閉蓋完了時に、上
記当接を解除して、係合片を横軸の下方に係合させる傾
斜面部を突設しているので、急な閉蓋作動時等における
係合片の変形や操作レバーの回動不良に起因する、係合
片の横軸への係合不良や係合片の破損による施錠不能を
防止できる。閉蓋動作が中断すると、弾性手段による操
作レバーの復帰動作により、傾斜面部に対する当接部の
滑動によって蓋が箱体から持ち上げられるため、開蓋状
態及び閉蓋施錠状態に関する使用者の誤解を回避し、こ
の誤解に起因する諸問題を解決できる。操作レバーの係
合片の下面に傾斜面を形成するものに比べて、傾斜角度
を大きく採ることができるので、閉蓋時における係合片
の横軸からの離隔を小さな力で円滑・確実にでき、急な
閉蓋動作時における破損等も確実に防止できる。従来の
施錠装置の箱体形成時に、その側面に傾斜面部を一体に
突設すればよいため、部品員数の増大や製造コストや工
程の増大を招くことなく、本発明を容易に実施できる。
閉蓋が完了した施錠状態においては、蓋は、係合片とリ
ブとの間で横軸を把持すると同時に、傾斜面部と当接部
との間における係止も実現されるため、箱体に対して確
実且つ強固に施錠できる。
【0041】請求項2の本発明によれば、施錠装置が容
器の側面に形成した凹部に内装できるので、運搬時等に
おける衝突による施錠装置の損壊や、施錠装置の操作レ
バーを引っかけることによる不意な開蓋に伴うトラブル
を防止できる。
【0042】請求項3の本発明によれば、傾斜面部を箱
体側の凹部の壁に設け、操作レバーに傾斜面部に当接す
る当接部を突設しているので、開蓋に伴う係合片の横軸
からの離隔・回動動作と、閉蓋完了時における閉蓋施錠
動作とを確実に行うことができる。
【0043】請求項4の本発明によれば、傾斜面部に対
して当接部が閉蓋完了時において横軸と同軸芯上で回動
可能に構成されているので、箱体に対する蓋の枢動動作
を、係合片とリブとの間における横軸の把持、及び、傾
斜面部と当接部との係止の双方によって、円滑、確実且
つ強固に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る施錠装置が適用さ
れた保冷容器の平面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図1のIII−III線断面図
【図4】図1のIV−IV線断面図
【図5】開蓋状態ににおいて、施錠解除された状態を示
す容器の部分断面図
【図6】施錠直前の状態を示す容器の部分断面図
【図7】本発明の第2実施形態に係る施錠装置が適用さ
れた保冷容器の部分断面図
【図8】図7の保冷容器の施錠直前の状態を示す部分断
面図
【符号の説明】
1 箱体 2 蓋 21 リブ 211 溝 3 操作レバー 31 係合片 35 弾性手段 36 当接部 41 横軸 5 傾斜面部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箱体の開口部を開閉する蓋を備えた容器
    であって、 箱体の開口部の対向する両側面の少なくとも一方に容器
    の側面と平行な横軸を設け、 当該横軸に対向する蓋側の側面に、閉蓋時に前記横軸に
    係合する溝を有するリブを設けると共に、当該リブとの
    間で前記横軸を把持できるように、前記横軸の下側から
    係合する係合片を有する操作レバーを回動可能に軸支
    し、 当該操作レバーに前記係合片が前記横軸に係合する方向
    の弾性力を付勢する弾性手段を設けた容器蓋の施錠装置
    において、 前記箱体の側面と操作レバーとの閉蓋時における対向面
    の一方に、閉蓋中に、前記対向面の他方に形成した当接
    部が当接して弾性手段の付勢力に抗して操作レバーを回
    動させて前記係合片を前記横軸から離隔させ、閉蓋完了
    時に、前記当接を解除して、前記係合片を前記横軸の下
    方に係合させる傾斜面部を突設したことを特徴とする容
    器蓋の施錠装置。
  2. 【請求項2】 前記容器の側面に箱体と蓋とに跨る凹部
    を形成し、 当該凹部内の箱体側に前記横軸と前記傾斜面部とを設
    け、蓋側に前記リブと前記操作レバーと前記弾性手段と
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載の容器蓋の施
    錠装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜面部を前記箱体側の凹部の壁に
    設け、 前記操作レバーに前記傾斜面部に当接する当接部を突設
    したことを特徴とする請求項2に記載の容器蓋の施錠装
    置。
  4. 【請求項4】 前記傾斜面部に対して前記当接部が閉蓋
    完了時において前記横軸と同軸芯上で回動可能に構成さ
    れてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
    かに記載の容器蓋の施錠装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012025449A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Ring Star:Kk 小物入れなどの容器の蓋構造
CN104234587A (zh) * 2014-07-18 2014-12-24 宁波佳源电子有限公司 可以双向开闭且卸下的箱门
KR20190017195A (ko) * 2017-08-10 2019-02-20 주식회사 에니텍시스 도어의 힌지장치

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