JP2000136311A - 石炭灰混入熱可塑性樹脂材料及びその製造方法 - Google Patents

石炭灰混入熱可塑性樹脂材料及びその製造方法

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JP2000136311A
JP2000136311A JP11235170A JP23517099A JP2000136311A JP 2000136311 A JP2000136311 A JP 2000136311A JP 11235170 A JP11235170 A JP 11235170A JP 23517099 A JP23517099 A JP 23517099A JP 2000136311 A JP2000136311 A JP 2000136311A
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悦宏 森田
Yoshito Mori
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Naoki Toda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材である熱可塑性樹脂単体に対してより強
度低下の少ない石炭灰混入熱可塑性樹脂材料を提供す
る。 【解決手段】 不飽和カルボン酸(例えば、無水マレイ
ン酸)を添加して酸変性させた熱可塑性樹脂1と、酸変
性させていない熱可塑性樹脂2と、石炭灰3とを所定割
合で混合することにより、前記不飽和カルボン酸の添加
率が所定の調整範囲内の一定値に調整された石炭灰混入
熱可塑性樹脂材料を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭火力発電所な
どから排出される石炭灰を有効利用する技術にかかわ
り、特に汎用性の高い熱可塑性樹脂に石炭灰を混入して
なる樹脂材料であって、基材である熱可塑性樹脂単体に
対して強度低下の少ない樹脂材料を提供する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭61−72059号公報に
開示されているように、石炭灰を有効利用するために、
石炭灰と熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレンの粉末
状原料)の複合体を原料として、射出成形などにより石
炭灰混入樹脂成形品を得ることが従来より検討されてい
る。ところが、単に石炭灰と熱可塑性樹脂とを混合させ
たものを成形品の材料として使用した場合には、例えば
図19の測定結果に見られるように、成形品の機械的強
度(特に引張強度及び衝撃強度)が、樹脂単体のそれに
対して大きく低下してしまうという不具合がある。そし
て、上記石炭灰混入樹脂成形品の強度低下を抑制する方
法として、例えば特開平9−48878号公報に記載さ
れたように、石炭灰を例えばシランカップリング剤など
で表面処理することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記カップリ
ング剤による石炭灰の表面処理は、基材である樹脂が熱
可塑性のポリプロピレンなどである場合には、あまり有
効ではない。図20〜図25は、各種カップリング剤を
使用した成形品の強度測定結果であるが、特に引張強度
については、ほとんど効果がないことが分る。そこで本
発明は、基材である熱可塑性樹脂単体に対してより強度
低下の少ない石炭灰混入熱可塑性樹脂材料を提供するこ
とを第1の目的としている。また、材料の目的に合った
強度特性を有する石炭灰混入熱可塑性樹脂材料を容易に
製造できる製造方法を提供することを第2の目的として
いる。また、上記石炭灰混入熱可塑性樹脂材料のより安
価な製造方法を提供することを第3の目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意研究したところ、ガラス繊維強化樹脂におい
て、樹脂とガラス繊維との接着性向上のために行われる
樹脂の酸変性が、石炭灰混入樹脂においても有効であ
り、これにより石炭灰混入熱可塑性樹脂の機械的強度
(特に引張強度)を大きく向上できることが判明した。
そしてこの際、酸変性剤としての不飽和カルボン酸やラ
ジカル開始剤の添加率等の条件によって、引張強度や衝
撃強度が異なる特性で変化することも分った。また、不
飽和カルボン酸の添加率の調整は、混合原料として酸変
性された樹脂とされていない樹脂を使用し、これらの混
合比率を変えることで容易に可能であり、このような方
法で製造した場合でもやはり機械的強度を向上させるこ
とができるという確証が得られた。また、上記酸変性に
よる強度向上作用は、材料をペレット化しても有効であ
ることが確かめられた。さらに上記酸変性は、材料のペ
レタイズと同時に行っても有効であることが分かった。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであ
り、以下のような特徴により課題を解決している。
【0005】すなわち、請求項1記載の石炭灰混入熱可
塑性樹脂材料は、少なくとも一部が不飽和カルボン酸の
添加により酸変性された熱可塑性樹脂と、石炭灰との混
合物よりなることを特徴とする。また、請求項2記載の
石炭灰混入熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性樹脂と石炭灰
とを混合状態で含有してなり、前記熱可塑性樹脂の少な
くとも一部が不飽和カルボン酸の添加により酸変性され
ていることを特徴とする。また、請求項3記載の石炭灰
混入熱可塑性樹脂材料は、ペレット状に成形されている
ことを特徴とする。また、請求項4記載の石炭灰混入熱
可塑性樹脂材料は、前記不飽和カルボン酸が、無水マレ
イン酸であることを特徴とする。また、請求項5記載の
石炭灰混入熱可塑性樹脂材料は、前記熱可塑性樹脂の全
重量に対する前記無水マレイン酸の添加率が、0.01
〜5.0重量%であることを特徴とする。また、請求項
6記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料は、前記熱可塑性
樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする。
【0006】また、請求項7記載の石炭灰混入熱可塑性
樹脂材料の製造方法は、本発明の石炭灰混入熱可塑性樹
脂材料を製造する方法であって、少なくとも不飽和カル
ボン酸の添加により予め酸変性させた熱可塑性樹脂と石
炭灰とを混合する混合工程よりなることを特徴とする。
また、請求項8記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料の製
造方法は、本発明のペレット状の石炭灰混入熱可塑性樹
脂材料を製造する方法であって、少なくとも不飽和カル
ボン酸の添加により予め酸変性させた熱可塑性樹脂と石
炭灰とを、必要に応じて混合工程に導入して予め混合し
た後、ペレタイズ装置に導入し溶融混練過程を経てペレ
ット化するペレット化工程とよりなることを特徴とす
る。また、請求項9記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料
の製造方法は、前記混合工程又は/及びペレット化工程
においては、不飽和カルボン酸の最終的な添加率の調整
範囲の上限以上の高添加率で不飽和カルボン酸を添加し
て予め酸変性させた熱可塑性樹脂と、酸変性させていな
い熱可塑性樹脂と、石炭灰とを所定割合で混合すること
により、不飽和カルボン酸の最終的な添加率を前記調整
範囲内の設定値に調整することを特徴とする。
【0007】また、請求項10記載の石炭灰混入熱可塑
性樹脂材料の製造方法は、本発明のペレット状の石炭灰
混入熱可塑性樹脂材料を製造する方法であって、酸変性
させていない熱可塑性樹脂と石炭灰と不飽和カルボン酸
とを、前記酸変性を促進するラジカル開始剤とともにペ
レタイズ装置に導入してペレット化するペレット化工程
よりなり、このペレット化工程における溶融混練過程に
おいて前記酸変性を進行させ、前記酸変性を材料のペレ
タイズと同時に行うことを特徴とする。また、請求項1
1記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料の製造方法は、前
記熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを使用するととも
に、前記ラジカル開始剤として、ジアルキルパーオキサ
イド系の有機過酸化物を使用したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の各例
を図面に基づいて説明する。 (第1形態例)まず、本発明の第1形態例の樹脂材料
は、例えば図1に示すような方法で容易に製造できる。
すなわち、不飽和カルボン酸を添加して予め酸変性させ
た熱可塑性樹脂(以下、酸変性樹脂1という。)と、酸
変性させていない熱可塑性樹脂の原料(以下、樹脂原料
2という。)と、石炭灰3とを、不飽和カルボン酸の最
終的な添加率が所望値になるような割合で混合工程4に
供給して、ミキサーなどにより混合することにより、例
えばパウダー状の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料5が容易
に製造できる。
【0009】ここで、樹脂原料2としては、例えばポリ
プロピレン(以下、PPという。)などの熱可塑性樹脂
のパウダー状原料又はペレット状原料(市販品)が使用
できる。次に、酸変性樹脂1としては、PPなどの熱可
塑性樹脂を、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸を
酸変性剤として酸変性させたものが使用できる。なお、
この場合の酸変性とは、例えばPPの分子鎖から水素を
引き抜いてPPラジカルを生成した後、このPPの分子
鎖に無水マレイン酸などの酸変性剤の分子を側鎖として
導入し、グラフト共重合体を形成することを意味する。
【0010】このような酸変性樹脂1としては、市販さ
れているものがあるので、これを購入して使用してもよ
いが、例えば以下に概説するような公知の手順で、PP
などの樹脂原料2から製造してもよい。すなわち、図1
に酸変性樹脂製造工程10として示すように、樹脂原料
2と、ラジカル開始剤としての過酸化物(例えば、過酸
化ベンゾイル)と、酸変性剤としての不飽和カルボン酸
(例えば、無水マレイン酸)とを、樹脂のペレット化に
用いられる一般的なペレタイズ装置(押出機等よりなる
もの)に投入し、150℃〜220℃程度の温度条件で
溶融・混練した後に押出機から吐出させて冷却し、必要
に応じて切断すれば、造粒(ペレット化)された酸変性
樹脂1を得ることができる。なお本例では、酸変性剤と
しての不飽和カルボン酸の最終的な添加率(樹脂全量に
対する添加率)を、混合工程4で混合される樹脂原料2
と酸変性樹脂1との混合割合で調整するようにしている
ので、この場合の酸変性樹脂1としては、調整範囲の上
限以上(例えば、2.0重量%以上)の高添加率で不飽
和カルボン酸を添加して酸変性させたものを使用する。
【0011】次に、混合工程4について説明する。ここ
では、石炭灰3と、樹脂原料2と、酸変性樹脂1とを、
いわゆるスパーミキサなどの混合機で、均一に混合しつ
つ粉状化する。混合処理の時間は、1〜2分程度で十分
であり、また温度及び圧力は常温・常圧でよい。これに
より、パウダー状の製品である石炭灰混入熱可塑性樹脂
材料5が得られる。なお、製品をペレット状にしたい場
合には、図1にペレット化工程20として示すように、
パウダー状製品5をペレタイズ装置に投入し、溶融・混
練した後に押出機から吐出させて冷却し、必要に応じて
切断すれば、造粒(ペレット化)されたペレット状製品
5aを得ることができる。さらに、例えば建材などの最
終製品として取扱いたい場合には、上記パウダー状製品
5又はペレット状製品5aを原料として、周知の射出成
形機などによる樹脂成形加工(図示省略)を行えばよ
い。但し後述するように、パウダー状製品5による射出
成形には限界があり、石炭灰混合率が40〜50重量%
程度までの範囲でしか良好な射出成形ができない。この
ため、石炭灰の高い混合率を最終製品において実現する
ためには、本材料をペレット状製品5aとして製作する
必要がある。
【0012】また、上記混合工程4における樹脂原料2
と酸変性樹脂1の混合割合は、酸変性樹脂1の使用量増
により比較的コスト高になる点も考慮すれば、最終的な
不飽和カルボン酸の添加率が、材料の目的に合った強度
特性が得られる最低値となるように、設定するのが好ま
しい。後述の実証データ(図4,図5)で示されるよう
に、例えば無水マレイン酸が僅かに添加されただけで、
引張強度と衝撃強度が急上昇し、添加率(樹脂全量に対
する添加率)が0.5重量%程度に達すると衝撃強度が
極大となり、それ以上添加率を増加させても衝撃強度は
増加せず逆に減少する。一方引張強度は、無水マレイン
酸の添加率が2.0重量%程度になるまで増加し続け、
その後はほぼ横這い状態になると推定される。このため
この場合、例えば衝撃強度が特に重視されるような場合
には、最終的な添加率が0.5重量%程度になるように
設定するのが好ましく、また、より高い引張強度が要求
される場合には、添加率を2.0重量%程度又はそれ以
上まで増加させるのが好ましい。但し、添加率が2.0
重量%程度になると、衝撃強度を向上させる作用は弱く
なり、また引張強度の値もほぼ横這いになるので、いず
れにしろこの場合の添加率は、0.01〜2.0重量%
程度の範囲内で要求される強度特性やコスト面を考慮し
て設定するのが好ましい。また、無水マレイン酸の添加
率(樹脂全量に対する添加率)は、成形性を確保する上
で5重量%程度が限界であり、最高でもこの限界以内で
設定すべきである。
【0013】また、石炭灰3の樹脂に対する混合割合
も、コストと性能(機械的強度)の両面から適宜設定す
ればよい。すなわち、酸変性樹脂1を使用することによ
り、全般的に機械的強度は格段に向上するが、後述の実
証データ(図6,図7)で分るように、石炭灰3の混合
割合が増加すれば、衝撃強度がやはり低下する傾向にあ
る。このため、強度面を重視すれば、石炭灰3の混合割
合を減らすべきであり、一方、石炭灰混入による利益
(樹脂成形品のコスト低減及び耐火性や耐熱性の向上な
ど)を考慮すれば、石炭灰3の混合割合を増加させるべ
きであるという定性的事情は従来と変らない。したがっ
て、必要な強度が得られる範囲で、石炭灰3の混合割合
を最大に設定する、といった考え方で適宜設定すればよ
い。
【0014】以上説明した製造方法、又はこの方法によ
り製造された石炭灰混入熱可塑性樹脂材料によれば、以
下のような効果が得られる。 (1)後述の実証データ(図4〜図7)で分るように、
単なる熱可塑性樹脂に石炭灰を混入させた材料に比較し
て、成形品の強度が大きく向上し、石炭灰を混入するこ
とによる強度低下を従来よりも少なく抑制できる。特に
引張強度は、酸変性剤である不飽和カルボン酸の添加率
によっては、母材である熱可塑性樹脂単体の強度を上回
り、石炭灰を混入することにより強度が低下するどころ
か、逆に強度を向上させることができる。また引張強度
は、石炭灰の混合割合を増加させても高く維持される。
しかも、前記不飽和カルボン酸の添加量は、樹脂の全重
量に対して0.01〜5.0重量%程度の僅かなもので
あるため、石炭灰混入樹脂の特徴の一つであるコストパ
フォーマンスを損うことがない。
【0015】なお、酸変性により機械的強度が向上する
原理は、熱可塑性樹脂と石炭灰の界面接着力が増大する
ためと推定される。すなわち、PPなどの樹脂は、炭素
と水素のみよりなる純粋な炭化水素系の物質であり、極
性を持たない(親水基がない)。従って、親水性の高い
物質(無機物や金属)とは相性が非常に悪い。従来、石
炭灰混入樹脂の引張・衝撃強度が低いのは、親水性物質
である石炭灰と無極性物質である樹脂との界面接着力が
乏しいためと推定される。ところが、後述の実証データ
に示されるように、酸変性させた樹脂を使用すれば、機
械的強度が格段に向上しているため、酸変性によって上
述したような相性の悪さが解消されて、界面接着力が増
大していると推定できる。なお、酸変性により界面接着
力が増大する仕組みは、必ずしも明らかではないが、次
の様な点も一つの要因として考えられる。すなわち石炭
灰には、CaOやMgOといった水溶性のアルカリ性物
質が含有されており、酸変性剤として添加された不飽和
カルボン酸と、これらアルカリ性物質との間で中和反応
が起こり、この中和反応によっても界面接着性が向上し
ているものと推定される。
【0016】(2)また本形態例では、酸変性剤として
の不飽和カルボン酸の最終的な添加率を、混合工程4で
混合される樹脂原料2(酸変性されていない樹脂)と酸
変性樹脂1(酸変性された樹脂)との混合割合で調整す
るようにしているので、要求される強度特性に合った前
記添加率を容易に設定でき、市場のニーズに応じた適度
な強度性能を有する樹脂材料をより低コストで容易に提
供できるという利点がある。すなわち、石炭灰と酸変性
樹脂1のみを混合させて、本発明の石炭灰混入樹脂を製
造することもできるが、この場合、不飽和カルボン酸の
最終的な添加率は、酸変性樹脂1自体のそれにより決っ
てしまう。このため、酸変性樹脂1自体の不飽和カルボ
ン酸の添加率が比較的低くなり、酸変性樹脂1自体の製
造が比較的困難になる。というのは、酸変性樹脂1の製
造工程(酸変性の工程)は、一般に不飽和カルボン酸の
添加率が高い方が容易であり、市販されているものも添
加率が比較的高い(例えば、5.0重量%)ためであ
る。ところが本例の場合には、酸変性樹脂1としては、
高添加率のものが使用できるので、酸変性樹脂1の入手
や製造が容易になり、その分より低コスト化が実現でき
る。
【0017】また、石炭灰と酸変性樹脂1のみを混合さ
せて、本発明の石炭灰混入樹脂を製造する場合、例えば
市場の状況に応じて添加率の異なる多種類の石炭灰混入
樹脂を製造する際には、酸変性樹脂1として添加率の異
なるものを多種類購入するか、酸変性樹脂1の製造工程
における不飽和カルボン酸の添加量を適宜変更する必要
があり、困難になる。しかし、本例の場合には、樹脂原
料2と酸変性樹脂1の混合割合を調整するという容易な
操作で、このような多品種生産に対応できる。
【0018】(第2形態例)次に、本発明の第2形態例
である樹脂材料及びその製法について、図2により説明
する。なお、第1形態例と同様の構成要素には、同符号
を付して重複する説明を省略する。本例の樹脂材料は、
少なくとも一部が酸変性された熱可塑性樹脂を石炭灰と
混合状態で含有するペレット状の材料(ペレット状製品
5b)であり、次のような極めて簡素な製法で製作され
る。すなわち、図2に示すように、石炭灰3、樹脂原料
2、及び不飽和カルボン酸1aを、ラジカル開始剤1b
とともにペレット化工程20に導入し、このペレット化
工程20における溶融混練過程において樹脂原料2の不
飽和カルボン酸1aによる酸変性を同時進行させて製作
されたものである。つまり、酸変性を最終的なペレタイ
ズと別ラインで行うのでなく、最終的なペレタイズと同
時に行ってしまい、これにより石炭灰混入樹脂の改質と
ペレット化を行う構成である(以下、場合によりインラ
イン改質という。)ここで、不飽和カルボン酸1aとし
ては、例えば前述の無水マレイン酸を使用することがで
きる。
【0019】また、ラジカル開始剤1bは、樹脂原料2
の分子から水素を引き抜いて前述の酸変性を促進させる
作用を有する物質であり、例えば有機過酸化物が好適で
ある。有機過酸化物は、比較的低温で熱的に分解し、水
素引き抜き反応を発生させる活性酸素(遊離ラジカル)
を容易に生成する。なお、不飽和カルボン酸1a自体に
はこのような作用はほとんどないので、実用上このよう
なラジカル開始剤1bを添加する必要がある。また、有
機過酸化物には種々の構造があり、それぞれ活性酸素を
生成する温度条件が異なるが、本例の場合には樹脂原料
2の溶融混練過程において酸変性を同時進行させるの
で、溶融混練過程の温度条件(樹脂原料2の融点に応じ
て決まる温度条件)に応じて好ましい有機過酸化物を選
択するべきである。例えば、樹脂原料2がPPである場
合には、その融点は165℃であるため、ペレット化工
程20における溶融混練過程での温度条件は165℃以
上となる。また、ペレット化工程20における溶融混練
過程の時間(混練時間)は、通常1〜2分程度である。
このため、この場合のラジカル開始剤1bとしては、1
65℃以上の温度において、約2分以内に分解して大量
の遊離ラジカルを生成するものが適しており、この条件
に当てはまる有機過酸化物としては、ジアルキルパーオ
キサイド系の有機過酸化物(例えば後述するパーブチル
P)、又はハイドロパーオキサイド系の有機過酸化物
(例えば後述するパークミルH80)がある。ちなみ
に、ジアルキルパーオキサイド系の有機過酸化物は、1
分半減期温度が約173〜194℃であり、ハイドロパ
ーオキサイド系の有機過酸化物は、1分半減期温度が約
200〜260℃である。このため、少なくとも樹脂原
料2がPPである場合には、ジアルキルパーオキサイド
系の有機過酸化物が、ペレット化工程20の溶融混練過
程においてより大量に活性酸素を生成するのであり、後
述の実験データでも分かるように、酸変性を促進する作
用(ひいては石炭灰混入樹脂の強度を改善する作用)に
おいてより好ましい。
【0020】また、ペレット化工程20に導入する石炭
灰3や樹脂原料2などの原料や添加物は、図2に符号4
で示す混合工程を設けて、予めスパーミキサなどの混合
機で均一に混合した後、好ましくは定量フィーダなどで
ペレット化工程20を実施するペレタイズ装置に導入す
るようにしてもよいし、このような混合工程4を省略し
て各原料や添加物を例えば別個の定量フィーダによりそ
れぞれ直接ペレタイズ装置に導入してもよい。また、各
原料や添加物をそれぞれ直接ペレタイズ装置に導入する
場合でも、ペレタイズ装置を構成する押出機の原料の通
常の入り口(例えば、図3に示す後述のホッパ50)か
ら同時に全ての原料や添加物を導入してもよいし、例え
ば樹脂原料2のみを通常の入り口から導入し、残りの原
料等(石炭灰3、不飽和カルボン酸1a、及びラジカル
開始剤1b)を押出機のシリンダ中程の樹脂原料溶融後
の位置に設けた導入口から導入(いわゆる、サイドフィ
ード)してもよい。なお、混合工程4を設ける場合の混
合工程4の温度条件は、不飽和カルボン酸1aやラジカ
ル開始剤1bの融点以下(例えば、常温)であればよ
く、その圧力条件は、常圧(大気圧)でよい。また、混
合工程4を設ければ、原料の混合比や添加物の添加率の
管理や設定変更が容易であるという利点があり、製品の
性能試験などのために混合比や添加率を各種設定変更し
て各種条件で製品を製作する場合に適しているが、実用
的には混合工程4を省略してそのための設備(粉体混合
攪拌装置など)を削除すれば、設備がより簡素化でき
る。
【0021】また、各添加物(不飽和カルボン酸1a及
びラジカル開始剤1b)は、石炭灰3又は樹脂原料2と
同様に、通常は粉体(パウダー)状又はペレット状の固
形物であるため、各原料や添加物の搬送(混合工程4へ
の搬送、或いはペレット化工程20に導入するための定
量フィーダなどへの搬送)には、空気搬送や自由落下に
よる搬送方法が採用できる。但し、各添加物は必ずしも
固形物である必要はない、例えば前述のサイドフィード
により別個に押出機に導入する方式であれば、液体状の
添加物であっても容易に供給できる。また、ペレット化
工程20の溶融混練過程における温度条件(例えば、押
出機のシリンダ設定温度)は、少なくとも樹脂原料2の
融点以上(PPの場合は165℃以上)で、かつラジカ
ル開始剤1bの1分半減期温度以上であることが好まし
い。また、溶融混練時間は、樹脂原料2が溶融してから
前述したように通常は1〜2分程度でよいが、ラジカル
開始剤1bの性状などによっては、酸変性を十分進行さ
せるべく2分以上に設定してもよい。なお、溶融混練時
間は、押出機のスクリュウエレメントの仕様設定やスク
リュ回転数の設定により調整できる。また、ペレット化
工程20における冷却固化過程は、押出機から連続的に
吐出される押出成形後の材料(通常円柱状であり、スト
ランドと呼ばれる)を例えば水槽に導入し水中移送させ
ることで実現できる。なお、この冷却水の水質は、特に
汚染されていなければよく、例えば一般的な水道水や工
業用水を使用することができる。また水温は、常温(例
えば、15℃程度)でよい。
【0022】なお、図3は、本形態例の製造方法を実施
する製造設備の具体的構成例を示す図である。この製造
設備は、粉体混合攪拌装置30とペレタイズ装置40と
よりなる。粉体混合攪拌装置30は、前記混合工程4を
実施するための装置で、例えばスパーミキサーよりな
る。また、ペレタイズ装置40は、前記ペレット化工程
20を実施するための装置で、定量フィーダ41〜46
と、二軸押出機47と、冷却水槽48と、ストランドカ
ッター49とよりなる。定量フィーダ41〜46は、設
定された供給流量で各原料や添加物を二軸押出機47に
供給するもので、ここで、定量フィーダ41〜44は二
軸押出機47の通常の原料供給部であるホッパ50に対
して各原料や添加物を供給し、定量フィーダ45,46
は二軸押出機47のシリンダ部51(混練部)の中程の
位置(樹脂原料2が溶融している位置)に対して石炭灰
3や添加物を供給する構成となっている。この場合、前
述したように、予め各原料や添加物を予め混合して二軸
押出機47に供給する場合には、定量フィーダ41のみ
を使って混合後の各原料等(粉体混合攪拌装置30から
排出される混合物)をホッパ50から供給すればよい。
また、各原料や添加物を混合しないでホッパ50に直接
供給する場合には、定量フィーダ41〜44をそれぞれ
使用すればよく、また、例えば添加物のみをサイドフィ
ードする場合には、例えば定量フィーダ41,42から
樹脂原料2と石炭灰3とをそれぞれ供給し、定量フィー
ダ45,46から各添加物をそれぞれ供給すればよい。
【0023】また、冷却水槽48は、二軸押出機47の
先端のストランドダイ(丸棒状溶融物押出ダイ)より吐
出されたストランドSを水面下に引き込んで引き回すた
めのガイドロール52を複数備え、図示省略した供給流
路より冷却水(例えば水道水)が連続的に供給され、図
示省略したオーバーフロー部より内部の冷却水が連続的
に排出されることで、内部の冷却水の平均温度が略一定
に保持される構成となっている。また、ストランドカッ
ター49は、ペレット化工程20における切断過程(サ
イジング)を実施するもので、ストランドSを挟み付け
つつ(或いはストランドSに押し付けられつつ)回転す
る送りロール53にてストランドSを引き取りつつ、ロ
ータリー式のカッター54にて所定のペレット長にスト
ランドSを順次切断するものである。なお、切断後のス
トランドSは、前述のペレット状製品5bとしてペレッ
ト排出口55より排出される。また、このストランドカ
ッター49では、送りロール53の速度(ストランドS
の引き取り速度)とカッター54の回転数との兼ね合い
でペレット長を制御できる。また、ストランドSの引き
取り速度は、二軸押出機47からの押出量が多いほど一
般には高く設定するが、ストランドSが良好に引けるよ
うに状況を見ながら適宜設定すればよい。
【0024】以上説明した第2形態例の製造方法、又は
この方法により製造された石炭灰混入熱可塑性樹脂材料
によれば、以下のような効果が得られる。 (1)後述の実証データ(図13〜図18)で分るよう
に、ラジカル開始剤の選定やその添加率等の条件を適度
に設定すれば、単なる熱可塑性樹脂に石炭灰を混入させ
た材料に比較して成形品の強度が大きく向上し、石炭灰
を混入することによる強度低下を従来よりも少なく抑制
できる。特に引張強度は、酸変性剤である不飽和カルボ
ン酸やラジカル開始剤の添加率によっては、母材である
熱可塑性樹脂単体の強度を上回り、石炭灰を混入するこ
とにより強度が低下するどころか逆に強度を向上させる
ことができる。しかも前記不飽和カルボン酸の添加量
は、樹脂の全重量に対して0.01〜5.0重量%程度
の僅かなものであるため、石炭灰混入樹脂の重要な特徴
の一つであるコストパフォーマンスを損うことがない。
【0025】(2)さらに本形態例では、酸変性を最終
的なペレタイズと同時に行うインライン改質により最終
製品(ペレット状の樹脂材料)を製造する構成であるた
め、酸変性を別個に行う第1形態例のような態様(図
1)に比較して、図2に示す如く全体的な工程がより簡
素になり、さらなるコスト低減が図れる。具体的にいえ
ば、図1における酸変性樹脂製造工程10が省略できる
か、或いは、図1における酸変性樹脂1を比較的高価な
値段で購入する必要がなくなる。したがって本形態例に
よれば、石炭灰混入樹脂の重要な特徴の一つであるコス
トパフォーマンスをさらに高めることができる。
【0026】なお本発明は、以上説明した形態例に限ら
れず各種の態様が有り得る。例えば、本発明の酸変性剤
としては、前述の作用からして、無水マレイン酸以外の
不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸)を使用して
も、同様の効果が得られるものと考えられる。また、本
発明の熱可塑性樹脂として例えばポリエチレンを使用し
ても、やはり同様の効果が得られるものと考えられる。
また、図1に示した第1形態例において、混合工程4を
省略し、各原料(石炭灰3、樹脂原料2、酸変性樹脂
1)をそれぞれ直接ペレット化工程20のペレタイズ装
置に導入する態様もあり得る。
【0027】
【実施例】次に、発明者らが行った実施例、及びその結
果得られた樹脂材料よりなる成形品の強度試験結果(実
証データ)について説明する。 (第1実施例)まず、前記第1形態例(図1のペレット
化工程20なし)の具体的実施例である第1実施例につ
いて説明する。石炭灰としては、表1における#1の種
類の石炭灰を使用した。また樹脂原料としては、PP原
料(三菱化学製、ブロックコポリマ、BC03C)を使
用し、酸変性樹脂としては、無水マレイン酸で酸変性さ
せた粉状のPP原料(無水マレイン酸添加率5.0重量
%)を使用した。
【0028】
【表1】
【0029】そして、これら混合原料を、表2に示す配
合条件(石炭灰混合率は40重量%で固定、PP全量に
対する無水マレイン酸添加率は0.0〜2.0重量%)
となる割合で混合させた。なお、混合処理は、各混合原
料を所定割合で柔軟性のある袋に入れて常温・常圧で手
作業により混合させて行った。その後、上記混合処理後
の各種混合物(即ち、パウダー状製品)をそれぞれ材料
として射出成形を行い、図8に示すダンベル状成形品
(テストピース;JIS1号試験片)を各種作成し、こ
れら成形品を使用して引張強度試験及びシャルピー衝撃
試験を行った。
【0030】
【表2】
【0031】図4及び図5は、上記引張強度試験又はび
シャルピー衝撃試験の試験結果をそれぞれ示している。
石炭灰混合率を40重量%(一定)に保ちつつ、無水マ
レイン酸添加率を0.0〜2.0重量%の範囲で変化さ
せた結果、無水マレイン酸の添加率が僅か0.1重量%
となっただけで、引張強度も衝撃強度も急上昇し、添加
率が0.5重量%程度に達すると衝撃強度が極大とな
り、それ以上添加率を増加させても衝撃強度は増加せず
逆に減少した。一方引張強度は、無水マレイン酸の添加
率が2.0重量%程度になるまで増加し続け、2.0重
量%程度ではほぼ横這い状態となった。PP単体での強
度と比較すると、引張強度ではPP単体並みの強度、或
いはそれ以上の強度が実現できることが分り、また衝撃
強度ではPP単体の最大65%程度の性能が得られるこ
とが分る。また、酸変性しない場合(無水マレイン酸の
添加率が0.0重量%の場合)と比較すると、引張強度
では1.5倍程度の強度が実現でき、また衝撃強度では
最大1.8倍程度の強度が実現できることが分る。
【0032】(第2実施例)次に、前記第1形態例(図
1のペレット化工程20なし)の別実施例である第2実
施例について説明する。石炭灰としては、表1における
#1の種類の石炭灰を使用した。また樹脂原料として
は、射出成形用として一般に使用されている粉状のPP
原料(トクヤマ製、ホモポリマ、PN260)を使用
し、酸変性樹脂としては、無水マレイン酸で酸変性させ
た粉状のPP原料(無水マレイン酸添加率5.0重量
%)を使用した。そして、これら混合原料を第1実施例
と同様の方法で混合させて、第1実施例と同様のテスト
ピースを作成し、同様の強度試験を行った。但し配合条
件は、次のように設定した。即ち、無水マレイン酸の最
終的な添加率(PP全量に対する添加率)が0.0重量
%と0.5重量%である場合について、石炭灰混合率を
50重量%以下の範囲で各種設定した。この試験結果
を、図6及び図7に示す。図から明らかなように、石炭
灰混合率を変化させても、全範囲で酸変性による強度向
上効果が得られる。特に、引張強度については、石炭灰
混合率を変化させても高い性能が維持できることが分
る。
【0033】(第3実施例)次に、前記第1形態例(図
1のペレット化工程20あり)の具体的実施例である第
3実施例について説明する。石炭灰としては、表1にお
ける#1の種類の石炭灰を使用した。また樹脂原料とし
ては、粉状のPP原料(トクヤマ製、ホモポリマ、PN
260)を使用し、酸変性樹脂として、無水マレイン酸
で酸変性させた粉状のPP原料(無水マレイン酸添加率
5.0重量%)を使用した。そして、これら混合原料
を、図3に示した製造設備と同構成の実験装置(図3に
おける定量フィーダー42〜46がないもの)によっ
て、混合しペレット化した。そして、得られたペレット
状製品を原料として射出成形を行い、やはり図8に示す
テストピースを作成して、同様の強度試験を行った。な
お、ペレット状製品のサイズは、直径が1〜3mm、長
さが3〜5mmであり、形状は円柱形状である。
【0034】なお、第1実施例及び第2実施例も同様で
あるが、試験方法は、硬質プラスチックの引張試験方法
JISK 7113、及び硬質プラスチックのシャルピ
ー衝撃試験方法JIS K7111に準拠して行った。
また、引張試験のチャック間距離は110mm、引張速
度は5mm/minとした。また、シャルピー衝撃試験
用の試験片は、射出成形により得られた上記テストピー
スから本試験用(長さ80mm、幅9.7mm、厚み
3.15mm)に切り出したものであり、フラットワイ
ズ試験片JIS1号F・D(切欠きなし)である。ま
た、実験設備として使用したペレタイズ装置の主な仕様
は表3のとおりである。
【0035】
【表3】
【0036】またペレタイズ条件は、表4の最上段に示
すように、シリンダ設定温度(シリンダ先端温度)を2
30℃とし、スクリュ回転数は約60rpmとし、滞留
時間(前述の溶融混練時間)を135秒とした。また配
合条件は、無水マレイン酸の最終的な添加率(石炭灰全
量に対する添加率)が0.1〜0.5重量%である場合
と、酸変性樹脂を全く配合しない場合(無水マレイン酸
の添加率が0重量%)とにつき、石炭灰混合率を75重
量%以下の範囲で各種設定した。なお、第1及び第2実
施例での無水マレイン酸の添加率はPP全量に対するも
のであるが、本第3実施例と第4実施例では、石炭灰全
量に対する添加率として設定している。
【0037】
【表4】
【0038】この試験結果を、図9乃至図12に示す。
なお、図9乃至図12では、比較のためにパウダー状製
品での試験結果(前記第2実施例の試験結果)も併せて
表示している。パウダー状製品での射出成形は、石炭灰
混合率50重量%程度が限界だったのに対し、ペレット
状とすれば、少なくとも石炭灰混合率を75重量%まで
射出成形でき、得られた試験片には変形や表面凹凸など
は認められず、性状が良好であった。そして、図9,1
1から明らかなように、石炭灰混合率を変化させても、
やはり全範囲で酸変性による強度向上効果が得られる。
特に、引張強度については、石炭灰混合率を変化させて
も高い性能が維持できることが分る。また、ペレット状
製品の強度特性は、パウダー状製品と同等であり、ペレ
タイズによる強度低下などの危険性はないといえる。ま
た図10,12は、無水マレイン酸の添加率と各強度と
の関係であるが、無水マレイン酸の添加率の増加に伴
い、いずれの強度もパウダー状製品と同様の増加傾向に
ある。
【0039】(第4実施例)次に、前記第2形態例(図
2)の具体的実施例である第4実施例について説明す
る。石炭灰としては、やはり表1における#1の種類の
石炭灰を使用した。また樹脂原料としては、粉状のPP
原料(トクヤマ製、ホモポリマ、PN260)を使用
し、酸変性剤(即ち、不飽和カルボン酸)としては、無
水マレイン酸を使用した。なお、入手した無水マレイン
酸は、タブレット状であったため、予めクラッシャーで
粉砕して使用した。また、ラジカル開始剤としては、日
本油脂製の有機過酸化物である商品名パークミルH80
と商品名パーブチルPを使用した。このうち、パークミ
ルH80は、ハイドロパーオキサイド系の有機過酸化物
であり、構造式等を表5に示す。また、パーブチルP
は、ジアルキルパーオキサイド系の有機過酸化物であ
り、構造式等を表6に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】また本実施例では、パークミルH80を使
用した場合には、石炭灰、樹脂原料、無水マレイン酸を
予め混合して予備ペレタイズし、この予備ペレットにパ
ークミルH80を混合したものを最終的なペレタイズに
供した。一方、パーブチルPを使用した場合には、石炭
灰、樹脂原料、無水マレイン酸、及びパーブチルPを予
め混合してペレタイズに供した(予備ペレタイズは行わ
なかった)。また、ペレタイズ装置としては、第3実施
例と同構成の実験装置を使用した。そして、得られたペ
レットを原料として射出成形を行い、やはり図8に示す
テストピースを作成して、第3実施例と同様の強度試験
を行った。なお、ペレタイズ条件は、表4の2段目と3
段目(最下段)に示すように、シリンダ設定温度(シリ
ンダ先端温度)を230℃又は180℃とし、スクリュ
回転数は約60rpmとし、滞留時間(前述の溶融混練
時間)を135秒とした。また、配合条件は、次のよう
に設定した。即ち、石炭灰混合率は40重量%で固定
し、石炭灰全量に対する無水マレイン酸添加率を0.0
〜3.0重量%の範囲で変化させ、また、PP全量に対
するラジカル開始剤の添加率も0.0〜1.0重量%の
範囲で変化させた。
【0043】この試験結果を、図13乃至図18に示
す。図13から明らかなように、ラジカル開始剤として
パークミルH80を使用した場合の引張強度は、無水マ
レイン酸の添加率によらず、ラジカル開始剤添加率の増
加とともに高くなる。また、ラジカル開始剤添加率が同
じであれば、引張強度は、無水マレイン酸添加率が高い
ものほど大きくなる。但し、いずれの条件も、引張強度
がPP単体相当に回復するには至らなかった。また、図
14,15から明らかなように、ラジカル開始剤として
パーブチルPを使用した場合の引張強度は、無水マレイ
ン酸添加率の増加とともに高くなり、ラジカル開始剤添
加率の増加に対しては、添加率0.05重量%まで増大
し、それ以降低下する傾向にある。そして、引張強度が
この場合最大となる条件(無水マレイン酸添加率が2.
0重量%、ラジカル開始剤添加率が0.05重量%)で
は、PP単体相当以上に強度が回復する。次に、ラジカ
ル開始剤としてパークミルH80を使用した場合の衝撃
強度は、図16から明らかなように、無水マレイン酸添
加率によらず略一定である。しかし、図17,18から
明らかなように、ラジカル開始剤としてパーブチルPを
使用した場合の衝撃強度は、無水マレイン酸添加率の増
加に伴い直線的に増大し、ラジカル開始剤添加率の変化
に対しては0.05重量%で極大となる。そして、衝撃
強度がこの場合最大となる条件(無水マレイン酸添加率
が2.0重量%、ラジカル開始剤添加率が0.05重量
%)では、図12に示した第2実施例又は第3実施例の
衝撃強度データ(インライン改質でない場合の衝撃強度
データ)と同等以上となる。したがって、インライン改
質により本発明の石炭灰混入熱可塑性樹脂(ペレット状
製品)を製造した場合でも、ラジカル開始剤の選定やそ
の添加率等の条件を適度に設定すれば、本発明の樹脂を
原料とする射出成型品の引張強度及び衝撃強度を格段に
向上させることができ、特に引張強度はPP単体以上に
向上させることができる。また、少なくともPPを混合
原料とする場合には、ラジカル開始剤としては上記パー
ブチルPが適しており、特に高い改質効果を得られるこ
とが分かる。
【0044】
【発明の効果】請求項1又は2記載の石炭灰混入熱可塑
性樹脂材料は、熱可塑性樹脂(例えば、PP)と石炭灰
とを混合状態で含有してなり、前記熱可塑性樹脂の少な
くとも一部が不飽和カルボン酸(例えば、無水マレイン
酸)の添加により酸変性されている。このため、熱可塑
性樹脂と石炭灰との界面接着性が改善され、単なる熱可
塑性樹脂と石炭灰との混合物に対して、成形品の機械的
強度を大きく向上させることができる。特に、引張強度
については、樹脂単体と同程度かそれ以上の強度が得ら
れ、石炭灰の混入量を増加させても高性能が維持でき
る。
【0045】しかも、請求項3記載の石炭灰混入熱可塑
性樹脂材料は、ペレット状に成形されているため、50
重量%を越えるような高い混合率で石炭灰を混入させて
も、十分な成形性が確保できる。このため、結果的に実
用的な石炭灰の混合率をより高めることが可能となり、
石炭灰混入による効果(コスト低減、耐火性及び耐熱性
の向上)をより高度に享受できるようになる。また、前
記不飽和カルボン酸の添加量(樹脂全量に対する添加
率)は、請求項5記載のように0.01〜5.0重量%
程度の僅かな量でよいため、石炭灰混入樹脂の特徴の一
つであるコストパフォーマンスを損うことがない。
【0046】また、請求項7又は8記載の製造方法によ
れば、予め酸変性させた熱可塑性樹脂と石炭灰とを混合
する混合工程、或いは予め酸変性させた熱可塑性樹脂と
石炭灰とを必要に応じて混合した後にペレタイズするペ
レット化工程により、比較的容易に本発明の石炭灰混入
熱可塑性樹脂材料(例えば粉状或いはペレット状のも
の)が製造できる。しかも、請求項9記載の製造方法で
は、前記混合工程又は/及びペレット化工程において
は、不飽和カルボン酸の最終的な添加率の調整範囲の上
限以上の高添加率で不飽和カルボン酸を添加して予め酸
変性させた熱可塑性樹脂と、酸変性させていない熱可塑
性樹脂と、石炭灰とを所定割合で混合することにより、
不飽和カルボン酸の最終的な添加率を前記調整範囲内の
設定値に調整する。このため、要求される強度特性に合
った前記添加率を容易に設定でき、市場のニーズに応じ
た適度な強度性能を有する樹脂材料をより低コストで容
易に提供できるという利点がある。
【0047】すなわち、石炭灰と酸変性された熱可塑性
樹脂(酸変性樹脂)のみを混合させて、本発明の石炭灰
混入熱可塑性樹脂を製造することもできるが、この場
合、不飽和カルボン酸の最終的な添加率は、酸変性樹脂
自体のそれにより決ってしまう。このため、酸変性樹脂
自体の不飽和カルボン酸の添加率が比較的低くなり、酸
変性樹脂自体の製造が比較的困難になる。というのは、
酸変性樹脂の製造工程(即ち、酸変性の工程)は、一般
に不飽和カルボン酸の添加率が高い方が容易であり、市
販されているものも添加率が比較的高い(例えば、5.
0重量%)ためである。ところが本製造方法の場合に
は、酸変性樹脂としては、高添加率のものが使用できる
ので、酸変性樹脂の入手や製造が容易になり、その分よ
り低コスト化が実現できる。
【0048】また、石炭灰と酸変性樹脂のみを混合させ
て、本発明の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料を製造する場
合、例えば市場の状況に応じて添加率の異なる多種類の
樹脂材料を製造しようとする際には、酸変性樹脂として
添加率の異なるものを多種類購入するか、酸変性樹脂の
製造工程における不飽和カルボン酸の添加量を適宜変更
する必要があり、対応が困難になる。しかし、本製造方
法の場合には、酸変性されていない樹脂原料と酸変性樹
脂の混合割合を調整するという容易な操作で、このよう
な多品種生産に対応できるという利点がある。
【0049】また、請求項10記載の製造方法は、本発
明のペレット状の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料を製造す
るに際し、酸変性させていない熱可塑性樹脂と石炭灰と
不飽和カルボン酸とを、酸変性を促進するラジカル開始
剤とともにペレタイズ装置に導入してペレット化するペ
レット化工程よりなり、このペレット化工程における溶
融混練過程において酸変性を進行させ、酸変性を材料の
ペレタイズと同時に行う。つまり、インライン改質によ
り最終製品(ペレット状の樹脂材料)を製造する構成で
あるため、酸変性を別個に行う前述の第1形態例のよう
な構成(図1)に比較して、例えば図2に示す如く全体
的な工程がより簡素になり、さらなるコスト低減が図れ
る。具体的にいえば、例えば図1における酸変性樹脂製
造工程10が省略できるか、或いは、例えば図1におけ
る酸変性樹脂1を比較的高価な値段で購入する必要がな
くなる。したがって本製造方法によれば、石炭灰混入樹
脂の重要な特徴の一つであるコストパフォーマンスをさ
らに高めることができるという固有の効果が得られる。
また、請求項11記載の製造方法では、熱可塑性樹脂と
してポリプロピレンを使用するとともに、ラジカル開始
剤としてジアルキルパーオキサイド系の有機過酸化物
(例えば、前述のパーブチルP)を使用した。このた
め、前述の第4実施例において説明した実験データから
分かるように、より安価な製造方法でありながら、成形
品の機械的強度を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂材料(第1形態例)の製造工程を
示すブロック図である。
【図2】本発明の樹脂材料(第2形態例)の製造工程を
示すブロック図である。
【図3】本発明の樹脂材料(第2形態例)の製造設備の
構成例を示す図である。
【図4】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する試
験データを示す図である。
【図5】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する試
験データを示す図である。
【図6】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する試
験データを示す図である。
【図7】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する試
験データを示す図である。
【図8】本発明の作用効果を実証する試験のためのテス
トピースを示す図である。
【図9】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する試
験データを示す図である。
【図10】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図11】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図12】本発明(第1形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図13】本発明(第2形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図14】本発明(第2形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図15】本発明(第2形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図16】本発明(第2形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図17】本発明(第2形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図18】本発明(第2形態例)の作用効果を実証する
試験データを示す図である。
【図19】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【図20】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【図21】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【図22】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【図23】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【図24】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【図25】従来技術の問題点を説明する試験データを示
す図である。
【符号の説明】
1 酸変性樹脂(酸変性させた熱可塑性樹脂) 1a 不飽和カルボン酸 1b ラジカル開始剤 2 樹脂原料(酸変性させていない熱可塑性樹脂の原
料) 3 石炭灰 4 混合工程 5 パウダー状製品(石炭灰混入熱可塑性樹脂材料) 5a ペレット状製品(石炭灰混入熱可塑性樹脂材料) 5b ペレット状製品(石炭灰混入熱可塑性樹脂材料) 10 酸変性樹脂製造工程 20 ペレット化工程 30 粉体混合攪拌装置 40 ペレタイズ装置 47 二軸押出機 48 冷却水槽 49 ストランドカッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 三郎 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電気 利用技術研究所内 (72)発明者 野田 英智 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電気 利用技術研究所内 (72)発明者 森田 悦宏 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電気 利用技術研究所内 (72)発明者 森 義人 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社技術開発本部電気 利用技術研究所内 (72)発明者 戸田 直樹 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 黒田 英夫 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 竹内 直和 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 多谷 淳 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 杉田 覚 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が不飽和カルボン酸の添
    加により酸変性された熱可塑性樹脂と、石炭灰との混合
    物よりなることを特徴とする石炭灰混入熱可塑性樹脂材
    料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂と石炭灰とを混合状態で含
    有してなり、前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部が不飽
    和カルボン酸の添加により酸変性されていることを特徴
    とする石炭灰混入熱可塑性樹脂材料。
  3. 【請求項3】 ペレット状に成形されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材
    料。
  4. 【請求項4】 前記不飽和カルボン酸が、無水マレイン
    酸であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂の全重量に対する前記
    無水マレイン酸の添加率が、0.01〜5.0重量%で
    あることを特徴とする請求項4記載の石炭灰混入熱可塑
    性樹脂材料。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンで
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の石炭灰混入熱可塑
    性樹脂材料を製造する方法であって、少なくとも不飽和
    カルボン酸の添加により予め酸変性させた熱可塑性樹脂
    と石炭灰とを混合する混合工程よりなることを特徴とす
    る石炭灰混入熱可塑性樹脂材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂
    材料を製造する方法であって、少なくとも不飽和カルボ
    ン酸の添加により予め酸変性させた熱可塑性樹脂と石炭
    灰とを、必要に応じて混合工程に導入して予め混合した
    後、ペレタイズ装置に導入し溶融混練過程を経てペレッ
    ト化するペレット化工程とよりなることを特徴とする石
    炭灰混入熱可塑性樹脂材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記混合工程又は/及びペレット化工程
    においては、不飽和カルボン酸の最終的な添加率の調整
    範囲の上限以上の高添加率で不飽和カルボン酸を添加し
    て予め酸変性させた熱可塑性樹脂と、酸変性させていな
    い熱可塑性樹脂と、石炭灰とを所定割合で混合すること
    により、不飽和カルボン酸の最終的な添加率を前記調整
    範囲内の設定値に調整することを特徴とする請求項7又
    は8記載の石炭灰混入熱可塑性樹脂材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の石炭灰混入熱可塑性樹
    脂材料を製造する方法であって、酸変性させていない熱
    可塑性樹脂と石炭灰と不飽和カルボン酸とを、前記酸変
    性を促進するラジカル開始剤とともにペレタイズ装置に
    導入してペレット化するペレット化工程よりなり、この
    ペレット化工程における溶融混練過程において前記酸変
    性を進行させ、前記酸変性を材料のペレタイズと同時に
    行うことを特徴とする石炭灰混入熱可塑性樹脂材料の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱可塑性樹脂としてポリプロピレ
    ンを使用するとともに、前記ラジカル開始剤として、ジ
    アルキルパーオキサイド系の有機過酸化物を使用したこ
    とを特徴とする請求項10記載の石炭灰混入熱可塑性樹
    脂材料の製造方法。
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