JP2000135920A - インストルメントパネルにおける空気案内ダクト - Google Patents

インストルメントパネルにおける空気案内ダクト

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JP2000135920A JP10311373A JP31137398A JP2000135920A JP 2000135920 A JP2000135920 A JP 2000135920A JP 10311373 A JP10311373 A JP 10311373A JP 31137398 A JP31137398 A JP 31137398A JP 2000135920 A JP2000135920 A JP 2000135920A
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浩 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インストルメントパネルの組付強度向上、製
造コスト低減、衝突安全性向上および配線処理容易化等
を図り得る構成を提供する。 【解決手段】 空気案内ダクト72は、内部に画成した
空気流通路102でエアコンユニット42と空気吹出部
96を連通接続し、インストルメントパネル20に一体
的に形成する。そして、外壁部80を乗員室10側を指
向する位置に露出させることで、インストルメントパネ
ル20における外郭意匠面の一部として機能させる。ま
た、乗員室10側に露出しない内壁部78を、リィンフ
ォースバー16に直接に取付けることで、インストルメ
ントパネル20の組付け強度を併せて向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車等の乗員室
前方に組み付けられるインストルメントパネルに一体的
に形成され、エアコンユニットからの調温空気を該乗員
室内へ吹出し案内する空気案内ダクトに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に乗用車における乗員室内の前方
には、所要形状に成形されて車幅方向に延在するインス
トルメントパネルが設けられている。このインストルメ
ントパネルは、スピードメータやタコメータその他各種
表示灯等を備えた計器盤が運転席からの視認容易な位置
に配設されると共に、身の回りの各種小間物や車検証等
を収納するグローブボックスおよびエアバッグ等が必要
に応じて助手席側に配設され、更にエアコンユニット用
の空調操作ユニットやオーディオユニット等が略中央に
位置している。また、前記インストルメントパネルの乗
員室側を指向した中央部や左右両側近傍に空気吹出口が
開設されると共に、該インストルメントパネルに覆蓋さ
れた乗員室の前方内部にエアコンユニットが配設されて
おり、これら各空気吹出口とエアコンユニットとは、別
途形成して該パネルの裏側内部に組付けた空気案内ダク
トを介して連通接続されている。すなわち、前記空調操
作ユニットでの所要スイッチ操作によって温度や吹出位
置および吹出量の設定を行なうことにより、前記エアコ
ンユニットで所定温度に調整された調温空気が、前記空
気案内ダクト内を通って各空気吹出口から乗員室内へ吹
出し、該乗員室の冷・暖房を含めた総合的な空気調温を
行ない得るようになっている。
【0003】また、乗員室内の前方に設けられたファイ
ヤーウォール(区画壁)の近傍には、車体の剛性向上を図
るためのリィンフォースバーが、該車体の車幅方向に横
架した状態で強固に固定されている。そして、このリィ
ンフォースバーには、適宜のブラケット等を介してステ
アリングコラムやエアバッグおよび前記エアコンユニッ
ト等が取付固定され、また外周面に係着される適宜係止
部材を利用して各種車載機器を電気的に連結するワイヤ
ーハーネスを固定して配線処理するようになっている。
従ってリィンフォースバーは、車体補強の他に、各種車
載機器,部材の取付支持体としても機能するようになっ
ている。なお、このリィンフォースバーも前記インスト
ルメントパネルで覆蓋され、常には乗員室側には露出し
ない構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の空気案内ダクトは、前記インストルメントパネルと
は別体に成形され、後工程で該パネルの本体裏側に固定
するようになっているため、空調関係に係る部品点数が
多くなると共に組付工数が増加し、インストルメントパ
ネルの製造コストが嵩む欠点を内在していた。またイン
ストルメントパネルは、前述したように、各種の車載機
器,部品用の搭載基体としての機能を有すると共に、乗
員室の内部前方への設置に際しては前記リィンフォース
バーを利用せずに車体へ取付固定するようになっていた
め、該パネル自体に所要の剛性を付加する必要から肉厚
を厚くしたり裏側の各部位にリブ等を設けて補強を施し
ていたため重量化してしまう。従って、乗員室側を指向
する外面に適宜弾力性を有する表皮材を貼着したとして
も、衝突事故において乗員が前方へ投げ出された場合に
はその衝撃力を吸収し得るものではないから、むしろ乗
員の安全性を阻害する問題が指摘されていた。
【0005】また、前記ワイヤーハーネスを係止する前
記係止部材は、前記リィンフォースバーの外周部に所定
間隔毎に穿設した係着孔に押圧して固定するようになっ
ているから、この係着孔の形成作業および各係着孔に対
する係止部材の装着作業を要することとなり、配線処理
作業が面倒で時間がかかる欠点を内在している。しか
も、ワイヤーハーネスに対する各係止部材の係止間隔
と、リィンフォースバーに対するこれら係止部材の装着
間隔との関係から、該ワイヤーハーネスが部分的に弛ん
だり、逆に引っ張られた状態で延在することがあって、
引廻しが上手にいかない等の不都合もあった。またワイ
ヤーハーネスは、部分的に係止保持されるだけであるか
ら、配線処理後において安定的な係止保持を継続的にな
し得ない欠点も指摘される。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るために新規に提案されたもので、乗員室の前方に配設
したリィンフォースバーの外周部に、インストルメント
パネルの一部を構成する空気案内ダクトを取付固定する
よう構成することで、該パネルの組付強度向上、製造コ
スト低減、衝突安全性向上および配線処理容易化等を図
り得る構成を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本発明に係るインストルメン
トパネルにおける空気案内ダクトは、乗員室の内部前方
に組み付けられて車体補強用のリィンフォースバーや該
乗員室内の空調用エアコンユニット等を被覆し、前記エ
アコンユニットからの調温空気を前記乗員室内へ吹出す
空気吹出部を備えたインストルメントパネルにおいて、
内部に画成した空気流通路を介して前記エアコンユニッ
トと空気吹出部を連通接続する空気案内ダクトを、前記
インストルメントパネルに一体的に形成すると共に、そ
の外壁部を前記乗員室側を指向する位置に露出させるこ
とで該パネルにおける外郭意匠面の一部として機能さ
せ、前記空気案内ダクトの乗員室側に露出しない内壁部
を、前記リィンフォースバーに直接に取付けることで、
前記インストルメントパネルの組付け強度を併せて向上
させるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るインストルメ
ントパネルにおける空気案内ダクトつき、好適な実施例
を挙げて、添付図面を参照しながら、以下説明する。図
1は、本発明の好適な一実施例に係る空気案内ダクトを
備えたインストルメントパネルを概略的に示す斜視図で
あり、また図2は、図1に示すインストルメントパネル
20が乗員室10の内部前方に組付けられた状態をセン
ターコンソール部で破断して示す縦断側面図である。な
お、説明の便宜上、図1における左側をインストルメン
トパネルの「左側」、右側をインストルメントパネルの
「右側」と云うと共に、同図の手前側を「前側」、フロント
ガラス側を「後側」と云うものとする。
【0009】車両に形成される前記乗員室10は、ファ
イヤーウォール(区画壁)12で車体の前方部(例えばエ
ンジン室)と遮断されており、またこのファイヤーウォ
ール12とフロントドア(図示せず)との間で対向し合う
両内側壁14,14間に(図5参照)、端部固定されたリ
ィンフォースバー16が略水平に架設されている。この
リィンフォースバー16は、車体の剛性向上を図ると共
に側面衝突等に対する衝撃を受け止め得る強度を確保す
るために、例えば鋼等を材質とする所要肉厚を有する円
筒中空体状に形成されている。また、これらファイヤー
ウォール12とリィンフォースバー16との間には、乗
員室10内の冷・暖房を含む空気調温やフロントガラス,
サイドガラスに対する霜取り(デフロスト)に供される調
温空気を送り出すエアコンユニット42が、後述するセ
ンターユニット部26内に収納された状態で配設され
る。
【0010】このように乗員室10の内部前方に組み付
けられる本実施例のインストルメントパネル20は、図
1〜図4に示すように、各種車載機器,機材等の設置用
基体として機能する第1基体22と、この第1基体22
の上方に載置状態で配設される第2基体24とから構成
されている。すなわちインストルメントパネル20は、
前記第1基体22と第2基体24とを上下に合体接合す
ることにより、乗員室10の内部前方において車幅方向
に延在するサイズ,形状に設定される。
【0011】(第1基体)前記第1基体22は、基本的に
インストルメントパネル20の略下半分を構成するもの
で、図5および図8に示すように、乗員室10における
前方の左右中央部に配設されるセンターユニット部26
と、このセンターユニット部26の正面左側(助手席前
方)に配設されて小間物や車検証等を収納し得るグロー
ブボックス30を開閉可能に設置する平面略L形の左側
体部28と、前記センターユニット部26の正面右側
(運転席前方)に配設されてステアリングコラム36の挿
通を許容する開口部34を形成する平面略L形の右側体
部32とから構成され、夫々がモジュール化されてい
る。そして前記左側体部28は、ビス等の固定手段で前
記センターユニット部26におけるケース本体40の左
側面に固定され、また前記右側体部32は、同じくビス
等の固定手段で該ケース本体40の右側面に固定され
る。
【0012】(センターユニット部)前記センターユニッ
ト部26は、内部に前記エアコンユニット42を収納す
ると共に、スピードメータや、タコメータおよび各種表
示灯等を備えた計器盤44や、オーディオユニット46
および空調操作ユニット48等の主要車載機器が集約的
に設置されている。すなわちセンターユニット部26
は、前記エアコンユニット42の熱交換系を内部に収容
して前記ファイヤーウォール12に固定されるケース本
体40を設置基台として、その左側面にブロアを内蔵し
たブロアケース41が設置され、フード部材50で覆蓋
された前記計器盤44が該ケース本体40の上部前方側
に固定設置されると共に、前記オーディオユニット46
や空調操作ユニット48等は、ブラケット52を介して
該本体40の前部に取付られる。なお、ケース本体40
の前面側には、前記オーディオユニット46や空調操作
ユニット48の操作面に整合する開口部54a,54b
を形成し、かつインストルメントパネル20の外郭意匠
面を構成する所要形状の前面化粧板54が取り付けられ
る。
【0013】また前記ケース本体40の上部後方側に
は、上面空気吹出部58を有する上面カバー部材56
が、前記フード部材50に隣接して取付けられる。この
上面空気吹出部58は、図2に示すように、上面から左
右側面に亘って細長に延在形成した上面空気吹出口60
と、この上面空気吹出口60に整合すると共に下端開口
部が前記エアコンユニット42の第3空気排出口70に
連結される空気案内筒62が配設してあり、該エアコン
ユニット42からのデフロスト用の調温空気をフロント
ガラス18の内側全面に拡散的に吹付案内するようにな
っている。また、前記ケース本体40の前面上方の開口
部64には、エアコンユニット42の第1空気排出口6
6および第2空気排出口68,68が臨んでおり、後述
の空気案内ダクト72に連結される。
【0014】(第2基体)前記第2基体24は、基本的に
インストルメントパネル20の略上半分を形成するもの
で、図5および図8に示すように、乗員室10の後方側
を指向した部位で車幅方向に延在する横長の空気案内ダ
クト72と、この空気案内ダクト72の後方側で前記セ
ンターユニット部26を挟んで左右に位置し、フロント
ガラスの下縁部に隣接する後端部74aを有する上部蓋
体74,74とから構成されている。そして、この第2
基体24は、乗員室10の前方に組み付けた第1基体2
2の上方に整合し、各上部蓋体74の後端部74aをフ
ァイヤーウォール12の上方に係止させると共に、空気
案内ダクト72をリィンフォースバー16に固定するこ
とで、該乗員室10の前方下部を覆蓋するようになる。
なお実施例では、空気案内ダクト72と各上部蓋体7
4,74とを一体的に形成したものが例とされている。
また、正面左側の上部蓋体74には、前記リィンフォー
スバー16に固定した助手席乗員用のエアバッグ38に
整合した蓋板76が備えられている。
【0015】(空気案内ダクト)前記空気案内ダクト72
は、図2〜図4に示すように、インストルメントパネル
20の内側(後方側)に配設されて乗員室10へ露出しな
い内側壁体(内壁部)78と、乗員室10側へ略全面的に
露出して前記パネル20の外郭意匠面の一部を形成する
外側壁体(外壁部)80とから構成され、これら両壁体7
8,80における長手方向(車幅方向)の端部同志を接合
させることで内部に調温空気用の流通案内路102,1
04,106が画成される。なお、これら内側壁体78
と外側壁体80は、複数のビス82で互いに接合される
(図4参照)。
【0016】(内側壁体)前記内側壁体78には、その長
手方向における中央部に、エアコンユニット42の前記
第1空気排出口66に整合する第1空気流入口84と、
この第1空気排出口66の左右両側に位置して該エアコ
ンユニット42の前記第2空気排出口68,68に整合
する第2空気流入口86,86が開口形成されている。
また内側壁体78の裏側には、図3に示すように、前記
リィンフォースバー16の外周面に密着的に整合する断
面形状が半円弧状のブラケット88が一体成形されてお
り、このブラケット88と整合する該リィンフォースバ
ー16のブラケット17との間にボルト(固定手段)90
を締め付けることにより、内側壁体78(空気案内ダク
ト72)がリィンフォースバー16に取付固定されるよ
うになっている。
【0017】(ワイヤーハーネス用係止部)また前記内側
壁体78の裏側には、図2〜図4に示すように、前記エ
アコンユニット42や前記計器盤44,オーディオユニ
ット46,空調操作ユニット48等の各種車載機器同志
や、これら車載機器と他の車載機器とを電気的に接続す
るワイヤーハーネス92を係止する係止片(係止部)94
が、該内側壁体78と一体に成形されている。この係止
片94は、上方に開口した側断面L形に形成され、かつ
内側壁体78の長手方向に亘って延在する樋状を呈して
おり、ワイヤーハーネス92は上方から押し込むだけ
で、空気案内ダクト72に沿って簡単かつ容易に係止保
持されるようになっている。
【0018】(外側壁体)前記外側壁体80は、乗員室1
0の上方側から後方側に向かって側面凸形曲面状に形成
され、その前面下端部側が前記左側体部28,右側体部
32および前面化粧板54の各上端部に連続的に整合す
ると共に、その上面後端部側が前記左右の上部蓋体7
4,74および前記フード部材50の前端部に連続的に
整合するよう成形されており、これら各部材28,32,
54,74,74と共にインストルメントパネル20の外
郭意匠面を形成している。そして、乗員室10後方を指
向した長手方向中央および左右両端近傍に、上下左右に
姿勢変向する風向制御板98を備えて調温空気を後方へ
吹出し案内する合計4個の空気吹出装置(空気吹出部)9
6が配設され、また乗員室10上方を指向した左右両端
近傍に、調温空気を左右へ吹出し案内する2個の側面空
気吹出口100が配設されている。
【0019】また、前記外側壁体80の裏側には、適宜
位置にリブ状の隔壁81が一体成形されており、この外
側壁体80を前記内側壁体78に整合させた際に、図6
に示すように、空気案内ダクト72の内部に合計3個の
空気流通路102,104,106を画成するようになっ
ている。このうち第1空気流通路102は、内部下方に
おいて長手方向に延在して前記第1空気流入口84と前
記4個の各空気吹出装置96とを連通接続し、第2空気
流通路104は、内部上方において長手方向左側に延在
位置して前記左側の第2空気流入口86と左側の前記側
面空気吹出口100とを連通接続し、第3空気流通路1
06は、内部上方において長手方向右側に延在位置して
前記右側の第2空気流入口86と右側の前記側面空気吹
出口100とを連通接続している。
【0020】このように構成した本実施例の空気案内ダ
クト72では、エアコンユニット42から前記第1空気
排出口66側へ送出された調温空気は、第1空気流入口
84を介して第1空気流通路102へ流入した後に各空
気吹出装置96から乗員室10の後方側へ吹出し、後部
座席側を含む乗員室10全体の空気調温に供される。ま
た、エアコンユニット42から左側の第2空気排出口6
8側へ送出された調温空気は、第2空気流入口86を介
して第2空気流通路104へ流入した後に左側の側面空
気吹出口100から吹出し、左ドアのサイドガラスに対
する霜取りに供される。同様に、エアコンユニット42
から右側の第2空気排出口68側へ送出された調温空気
は、右側の第2空気流入口86を介して第3空気流通路
106へ流入した後に右側の側面空気吹出口100から
吹出し、右ドアのサイドガラスに対する霜取りに供され
る。
【0021】そして、前記外側壁体80の外郭意匠面に
は、表面にシボ加工等が施されて適宜の弾力性および断
熱性を有すると表皮材108が貼着されており、インス
トルメントパネル20の質感向上と、空気案内ダクト7
2内部と乗員室10(外部)との温度差によって起こる結
露発生を好適に防止するようになっている。また、前記
左右の上部蓋体74,74や上面カバー部材56および
フード部材50の外郭意匠面にも必要に応じて表皮材が
貼着され、インストルメントパネル20全体の質感向上
が図られる。なお、前記表皮材108を貼着しないイン
ストルメントパネルにおいては、例えば前記外側壁体8
0の裏面に適宜の断熱材を装着して結露発生の防止が図
られる。
【0022】
【実施例の作用】次に、前述のように構成された本実施
例のインストルメントパネルにおける空気案内ダクトの
作用につき説明する。実施例の車体におけるリィンフォ
ースバーは、前記ファイヤーウォール12とフロントド
アとの間で対向し合う内側壁間で端部接続して略水平に
架設され、該車体の補強をなすと共に側面衝突に対する
衝撃を受け止め、乗員室10内の乗員を保護するように
なる。また、前記リィンフォースバー16を利用して、
助手席乗員用のエアバッグ38およびステアリングコラ
ム36を配設固定する。
【0023】(第1基体の形成および取付け)第1基体2
2を構成するセンターユニット部26におけるケース本
体40、フード部材50、上面カバー部材56、左側体
部28および右側体部32の各構成部材は、適宜の樹脂
素材から成形される。そしてセンターユニット部26で
は、ケース本体40の内部に前記エアコンユニット42
を収納固定した後に、ブロアケース41を該ケース本体
40の左側面に組み付けると共に、計器盤44とフード
部材50を該ケース本体40の上部前方側に固定する。
また、前記上面カバー部材56を前記ケース本体40の
上部後方側に固定することにより、前記上面空気吹出部
58の空気案内筒62が、エアコンユニット42の第3
空気排出口70に整合連通される。更に、前記ケース本
体40の前部に前記オーディオユニット46や空調操作
ユニット48を設置固定した後、該ケース本体40の前
面に前面化粧板54を取り付けることで、モジュール化
されたセンターユニット部26が形成される。そしてこ
のセンターユニット部26は、乗員室10の内部前方に
おける左右中央において、前記ファイヤーウォール12
とリィンフォースバー16との間に位置決めされ、前記
ケース本体40をボルト39で該ファイヤーウォール1
2に固定する。
【0024】また、適宜の樹脂素材により別途成形され
てグローブボックス30を備えた左側体部28を、前記
センターユニット部26のケース本体40および車体に
固定する。更に、別途成形された右側体部32を、前記
センターユニット部26のケース本体40および車体に
固定する。これにより、インストルメントパネル20に
おける第1基体22が形成される。
【0025】(第2基体の形成および取付け)実施例の第
2基体24は、前述したように、内側壁体78と各上部
蓋体74,74とを一体成形し、別途成形して表皮材1
08を貼着した外側壁体80を該内側壁体78に組み付
けることにより、空気案内ダクト72と各上部蓋体7
4,74とを一体的に形成する。そして、前もって乗員
室10の前方内部に組み付けた前記第1基体22の上方
に位置決めし、互いに整合した前記内側壁体78に形成
したブラケット88とリィンフォースバー16のブラケ
ット17との間にボルト90を締め付けることにより、
空気案内ダクト72が該リィンフォースバー16に固定
される(図7および図8参照)。なお各上部蓋体74は、
その後端部74aがファイヤーウォール12に固定され
ると共に、第1基体22と第2基体24とは、互いの接
合面に配設した適宜係着部材(図示せず)により好適に接
合される。また第2基体24の組付けに際して、各車載
機器同志を電気的に連結するワイヤーハーネス92を、
内側壁体78の裏側の係止片94に係止保持する。
【0026】(空調および霜取り)前記空調操作ユニット
48における所要のスイッチ操作により乗員室10の空
調モードに設定した場合は、前記エアコンユニット42
からの調温空気が第1空気排出口66側へ送出され、第
1空気流入口84を介して第1空気流通路102へ流入
した後に各空気吹出装置96から乗員室10の後方側へ
吹出し、後部座席側を含む乗員室10全体の空気調温が
行われる。また、前記空調操作ユニット48における所
要のスイッチ操作によりデフロストモードに設定した場
合は、前記エアコンユニット42からの調温空気が、第
2空気排出口68および第3空気排出口70側へ送出さ
れる。このうち、各第2空気排出口68,68側へ送出
された調温空気は、左右の第2空気流入口86,86を
介して第2および第3空気流通路104,106へ流入
した後に、左右両側の側面空気吹出口100,100か
ら吹出し案内され、左右ドアのサイドガラスに対する霜
取りが行われる。一方、第3空気排出口70側へ送出さ
れた調温空気は、前記上面空気吹出部58において、空
気案内筒62を介して上面空気吹出口60から正面扇状
に吹出し案内され、フロントガラスに対する霜取りが行
われる。
【0027】このように本実施例のインストルメントパ
ネル20では、空気案内ダクト72が該パネル20の乗
員室10側に露出すると共に、外郭意匠面の一部を構成
するようになる。従って、内部に空気流通路102,1
04,106からなる空間を有する空気案内ダクト72
が、乗員室10の後方側(乗員側)に臨んで位置している
ので、不慮の衝突事故により前方へ投げ出された乗員
は、この空気案内ダクト72で受け止められるようにな
り、該ダクト72の外側壁体80が内側へ没入変形して
衝突の衝撃を吸収するようになる。すなわち実施例のイ
ンストルメントパネル20では、前記空気案内ダクト7
2を衝撃吸収体として機能させることができて、衝突時
における安全性の向上を好適に図ることができる。
【0028】また本実施例のインストルメントパネル2
0では、前記第2基体24における空気案内ダクト72
をリィンフォースバー16に直接的に固定する構成とな
っているから、該パネル20全体が車体に強固に組み付
けられるようになる。しかも、計器盤44,オーディオ
ユニット46,空調操作ユニット48等の主要車載機器
がセンターユニット部26に集中して配設されるから、
このセンターユニット部26以外の上部蓋体74,空気
案内ダクト72,左側体部28および右側体部32等の
各構成部材は、剛性を適宜低下させても差し支えなくな
り、インストルメントパネル20全体の軽量化を図るこ
とができる。
【0029】更に、実施例のインストルメントパネル2
0では、空気案内ダクトにおける内側壁体78の裏側に
上部開口したワイヤーハーネス92用の係止片94を形
成したことにより、この係止片94にワイヤーハーネス
92を上方から押し込むだけで該ワイヤーハーネス92
の係着保持がなされ、配線処理作業の簡単化および合理
化を図り得る。しかも前記係止片94は、車幅方向に亘
って樋状に延在形成されているので、ワイヤーハーネス
92に弛みや引っ張りが生ずることがなく、安定的な係
止保持を継続的になし得る。
【0030】なお前記実施例では、インストルメントパ
ネル20を第1基体22と第2基体24から構成し、か
つ第2基体24では、上部蓋体74と空気案内ダクト7
2とを一体に形成したものを例示したが、例えば第2基
体24は、各上部蓋体74と空気案内ダクト72とを別
体に成形して、これら各部材74,72同志を互いに組
み付けるような構成としてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係るイン
ストルメントパネルにおける空気案内ダクトによれば、
該インストルメントパネルに空気案内ダクトを一体的に
形成すると共に、乗員室に露出しない内壁部をリィンフ
ォーバーに固定するよう構成したので、車体に対する該
インストルメントパネルの組付強度を好適に向上し得る
利点がある。また、空調関係に係る部品点数の減少およ
びこれに伴い組付工数も減少するから、インストルメン
トパネルの製造コストの大幅な低減を図り得る利点もあ
る。また空気案内ダクトの外壁部が、インストルメント
パネルの外郭意匠面に露出すると共に、乗員席側を指向
した位置で車幅方向に延在形成されているので、不慮の
衝突事故によって投げ出された乗員が衝突したとして
も、前記外壁部が没入するよう変形するので衝突時の安
全性を向上させ得る極めて有益な効果を奏する。
【0032】更に、本発明のインストルメントパネルに
おける空気案内ダクトでは、内壁部の外側に上部に開口
したワイヤーハーネス用の係止部を形成したことによ
り、この係止部にワイヤーハーネスを上方から押し込む
だけで該ワイヤーハーネスの係着保持がなされ、配線処
理作業の簡単化および合理化を図り得る。しかも前記係
止部は、車幅方向に亘って延在しているので、ワイヤー
ハーネスに弛みや引っ張りが生ずることがなく、安定的
な係止保持を継続的になし得る利点等もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る空気案内ダクトを備えた
インストルメントパネルを、乗員室前方に設置した状態
で示す概略斜視図である。
【図2】図1に示したインストルメントパネルを、セン
ターユニット部の位置で破断して示す縦断側面図であ
る。
【図3】図1に示したインストルメントパネルを、助手
席前方の位置で破断して示す縦断側面図である。
【図4】図1に示したインストルメントパネルを運転席
前方の位置で破断して示す縦断側面図である。
【図5】実施例の空気案内ダクトを含むインストルメン
トパネルに関して、その構成部材を示す分解斜視図であ
る。
【図6】実施例の空気案内ダクトを、一部破断して示す
構造説明図である。
【図7】空気案内ダクトを含む第2基体を、リィンフォ
ースバーを利用して組付固定する状態を示す側面図であ
る。
【図8】空気案内ダクトを含む第2基体が、リィンフォ
ースバーを利用して組付固定される状態を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 乗員室 16 リィンフォースバー 20 インストルメントパネル 42 エアコンユニット 72 空気案内ダクト 78 内側壁体(内壁部) 80 外側壁体(外壁部) 84 第1空気流入口 86 第2空気流入口 92 ワイヤーハーネス 94 係止片(係止部) 96 空気吹出装置(空気吹出部) 102 第1空気流通路 104 第2空気流通路 106 第3空気流通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 説田 敏和 愛知県安城市藤井町東長先8番地1 株式 会社イノアックコーポレーション桜井事業 所内 (72)発明者 高井 範夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員室(10)の内部前方に組み付けられて
    車体補強用のリィンフォースバー(16)や該乗員室(10)内
    の空調用エアコンユニット(42)等を被覆し、前記エアコ
    ンユニット(42)からの調温空気を前記乗員室(10)内へ吹
    出す空気吹出部(96)を備えたインストルメントパネル(2
    0)において、内部に画成した空気流通路(102,104,106)
    を介して前記エアコンユニット(42)と空気吹出部(96)を
    連通接続する空気案内ダクト(72)を、前記インストルメ
    ントパネル(20)に一体的に形成すると共に、その外壁部
    (80)を前記乗員室(10)側を指向する位置に露出させるこ
    とで該パネル(20)における外郭意匠面の一部として機能
    させ、前記空気案内ダクト(72)の乗員室(10)側に露出し
    ない内壁部(78)を、前記リィンフォースバー(16)に直接
    に取付けることで、前記インストルメントパネル(20)の
    組付け強度を併せて向上させるよう構成したことを特徴
    とするインストルメントパネルにおける空気案内ダク
    ト。
  2. 【請求項2】 前記空気案内ダクト(72)は、インストル
    メントパネル(20)における乗員室(10)側を指向した位置
    において車幅方向へ横長に延在し、該ダクト(72)におけ
    る前記外壁部(80)の所要位置に前記空気吹出部(96)が配
    設されると共に、前記内壁部(78)の所要位置に空気流入
    口(84,86)が形成されて前記エアコンユニット(42)と整
    合している請求項1記載のインストルメントパネルにお
    ける空気案内ダクト。
  3. 【請求項3】 前記外壁部(80)は適宜の柔軟性を備え、
    乗員室(10)外方からの衝撃力に対して空気流通路(102,1
    04,106)側へ没入することで、衝撃吸収体としても機能
    し得る請求項1または2記載のインストルメントパネル
    における空気案内ダクト。
  4. 【請求項4】 前記内壁部(78)外側には、上方へ開口し
    かつ車幅方向に延在する樋状の係止部(94)が形成され、
    この係止部(94)を利用してワイヤーハーネス(92)の係止
    保持がなされる請求項1〜3の何れかに記載のインスト
    ルメントパネルにおける空気案内ダクト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008162347A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Calsonic Kansei Corp フィニッシャ部品止点形成部構造
US7891409B2 (en) * 2005-04-21 2011-02-22 Valeo Thermal Systems Japan Corporation Air conditioner for vehicle
CN111845574A (zh) * 2020-06-30 2020-10-30 重庆长安汽车股份有限公司 一种集成式中控箱及汽车

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