JP2000135446A - ローラミル - Google Patents

ローラミル

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JP2000135446A
JP2000135446A JP10312151A JP31215198A JP2000135446A JP 2000135446 A JP2000135446 A JP 2000135446A JP 10312151 A JP10312151 A JP 10312151A JP 31215198 A JP31215198 A JP 31215198A JP 2000135446 A JP2000135446 A JP 2000135446A
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roller
vibration
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roller mill
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JP10312151A
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Eiji Murakami
英治 村上
Kazunori Sato
一教 佐藤
Hideo Mitsui
秀雄 三井
Kotaro Sakoda
光太郎 佐古田
Teruaki Tatsuma
照章 立間
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B02CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING; PREPARATORY TREATMENT OF GRAIN FOR MILLING
    • B02CCRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING IN GENERAL; MILLING GRAIN
    • B02C15/00Disintegrating by milling members in the form of rollers or balls co-operating with rings or discs
    • B02C15/007Mills with rollers pressed against a rotary horizontal disc

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動数が低い帯域の振動および振動数が高い
帯域の少なくとも2つの振動帯域の振動を同時に抑制
し、微粉度を上げた状態でも効率よく安定した運用を可
能とする。 【解決手段】 油圧装置で粉砕用ローラを粉砕テーブル
側に加圧して被粉砕物を粉砕するローラミルにおいて、
油圧装置を、油圧シリンダ内のピストンによって区切ら
れるロッド側油圧室30及びヘッド側油圧室40と、こ
れらの各油圧室30,40にそれぞれ油圧媒体を供給す
るロッド側及びヘッド側の油圧源34,44及び配管3
1,41と、ピストン21に加わる油圧力を前記粉砕用
ローラ2に伝達する加圧ロッド13及びピボットアーム
12と、各油圧配管31,41に設けられた第1及び第
2のアキュムレータ33,43と第1及び第2の流量調
整弁32,43とから構成し、流量調整弁によって流量
をそれぞれ独立して調整することによって低振動数と高
振動数のぞれぞれの帯域の振動を独立して減衰させるこ
とができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭等の原料を粉
砕して所定粒度の微粉を製造するローラミルに係り、特
に製造する微粉の粒度を上げたときに発生する振動現象
を防止し、安定した運転を可能とする加圧装置を備えた
ローラミルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から実施されているローラミルは一
般に図7の全体構造図に示すような構造である。すなわ
ち、従来構造のローラミルは、装置本体ハウジング19
の下部側に配された粉砕部100と、装置本体上部側に
配された分級部200とから基本的に構成されている。
【0003】粉砕部100は、自転する粉砕テーブル
1、この粉砕テーブル1上を所定の圧力で加圧された状
態で回転するローラ2と、このローラ2をシャフト5を
介して回転自在に支持するローラブラケット3と、ロー
ラブラケット3をピボットピン4を介して支持する加圧
フレーム9と、加圧フレーム9に対して所望の圧力を付
与し、ローラ2を粉砕テーブル1側に圧接するピボット
アーム12、加圧ロッド13および油圧シリンダ17
と、粉砕テーブル1を支持し、回転駆動するためのヨー
ク10および減速機11とから主に構成されている。ま
た、分級部200は、回転分級機15と、この回転分級
器15の回転軸に沿って設けられた供給管14と、分級
された被粉砕物を取り出すための出口管16および回転
分級器15を回転駆動するための駆動モータ20とから
構成されている。
【0004】さらに詳細に説明すると、ヨーク10は減
速機11の出力軸上に回転可能に取り付けられており、
このヨーク10上に環状の粉砕テーブル1が固定されて
いる。粉砕テーブル1上に凹部1a(後述の図1参照)
が形成され、ローラブラケット3に軸およびベアリング
によって回転可能に取り付けられたローラブラケット2
が前記凹部1a上に等間隔で3組設置されている。ロー
ラブラケット3の上部および加圧フレーム9の下面には
ピボットピン4が入る溝が設けられ、ローラブラケット
3およびローラ2はピボットピン4を介して加圧フレー
ム9によって粉砕テーブル1側に加圧されるとともに、
ピボットピン4を中心にローラ2が振り子運動できるよ
うになっている。加圧フレーム9にはピボットアーム1
2の一端が取り付けられ、他端は油圧シリンダ17によ
って駆動される加圧ロッド13に取り付けられている。
【0005】大略上述のように構成されたローラミルで
は、図示しないモータによって減速機11の入力軸を回
転させると、減速機11の出力軸に取り付けられたヨー
ク10およびヨーク10に固定された粉砕テーブル1が
回転する。このとき、油圧シリンダ17は加圧ロッド1
3を下方向に付勢しており、この付勢力はピボットアー
ム12を介して加圧フレーム9を下方向に押し付ける力
となって作用する。このようにして加圧フレーム9、ピ
ボットピン4およびローラブラケット3を介してローラ
2が粉砕テーブル1上に所定圧で強く押し付けられ、粉
砕テーブル1上の被粉砕物18(後述の図1参照)の粉
砕が効率よく行なわれる。なお、油圧シリンダ17、加
圧ロッド13およびピボットアーム12はそれぞれ3個
ずつ対になって設けられており、加圧フレーム9を平均
して加圧できるように意図されている。
【0006】一方、例えば石炭などの被粉砕物は中央上
部に設けられた供給管14から投入され、ローラ2と粉
砕テーブル1間に供給され、圧壊作用により粉砕され
る。粉砕された微粉炭などの被粉砕物は図示しない空気
供給装置からスロート6を介して供給される熱風によっ
て分級部200側に吹き上げられ、回転分級器15側に
送られる。回転分級器15では、所定の粒度もしくは所
定の粒度よりも小さいものは出口管16へ、所定粒度よ
りも大きいものは粉砕部100に落下し、再び粉砕され
るようになっている。
【0007】回転分級器15は回転分級駆動モータ20
によって回転駆動され、遠心力によって粉砕された微粉
を分級する。その際、分級回転数を上げると出口管16
から出ていく微粉の粒度が細かくなり、粉砕部に戻され
る微粉の量が多くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成されたローラミルでは、分級器15の回転数を増し
て出口管16から出る微粉の粒度を細かくした場合、再
度粉砕されるために粉砕部100に戻る微粉の粒度も細
かくなり、これに伴ってローラと粉砕テーブル間の粉層
の厚さの変動が大きくなり、粉層の厚さの変動によって
ローラ2と粉層との間でスリップが生じることがある。
そして、このスリップの発生によってローラ2が振動
し、ローラミルの安定した運転が行なえなくなることが
あった。
【0009】このようなローラミルに発生する振動には
複数の振動数帯域が存在するが、大きく分けると比較的
振動数の低い帯域のものと、比較的振動数の高い帯域の
2種類のものがある。比較的振動数の低い帯域のもの
は、ローラ2と粉砕テーブル1間の粉層の厚さ変動、い
わばうねりが原因となって発生するものである。これ
は、出口管16から出る微粉の粒度を細かくするため
に、回転分級器15の回転数を上げると、粉砕部の微粉
の粒度も細かくなり、粒度が細かくなると、ローラ2と
粉砕テーブル1間の粉層の厚さが不安定になって粉層の
厚さが変動し、ローラ2がこの粉層の厚さ変動に応じて
上下方向に振動することから生じる。
【0010】図8はこのような振動を実機で計測した結
果を示す振動波形である。計測は石炭を粉砕した場合に
ついておこなった。ローラ2の上下動を直接測定するこ
とは難しいので、加圧ロッド13の上下方向の変位を計
測した結果である。図8から分かるように3本の加圧ロ
ッド13はそれぞれ別々に大きく上下動しており、その
振動数は約2Hzであって、この振動は振動数が約2H
zとゆっくりとした振動現象であるため、直ちに機器の
破損や騒音につながるものではないが、不安定な運転領
域であるので、長時間連続運転を行なうことはできな
い。
【0011】比較的振動数の高い帯域のものは、前述の
粉層厚さの変動(うねり)によって発生する振動よりも
さらに微粉度を高めた場合に発生する。振動発生の主因
はローラ2と粉層との間のスリップであると考えられ
る。図9は、図8と同じローラミルに生じた振動の波形
を示す波形図である。図9において、時間Aまでは振動
が発生していない通常の状態であり、時間A以降で激し
い自励振動が発生している。この自励振動の振動数は約
20Hzである。このような振動数の高い激しい振動
は、ローラミル特有のものであり、機器破損のおそれが
あるので、一旦発生すると、運転を継続することはでき
ない。したがって、微粉度を上げたときに安定した運用
を行なうことが難しかった。
【0012】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、前述のような振動数
が低い帯域の振動および振動数が高い帯域の少なくとも
2つの振動帯域の振動を同時に抑制し、微粉度を上げた
状態でも効率よく安定した運用が可能な加圧装置を備え
たローラミルを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、回転自在に支持された粉砕テーブル
上に粉砕用ローラを粉砕テーブル回転方向に沿って所定
間隔に配置し、油圧装置で前記粉砕用ローラを前記粉砕
テーブル側に加圧して被粉砕物を粉砕するローラミルに
おいて、前記油圧装置が、油圧シリンダ内のピストンに
よって区切られる第1のシリンダ部及び第2のシリンダ
部と、これらの各シリンダ部にそれぞれ油圧媒体を供給
する第1及び第2の油圧源及び油圧供給経路と、前記第
1のシリンダ部を介して前記ピストンに加わる油圧力を
前記粉砕用ローラに伝達する伝達手段と、前記第1及び
第3の油圧供給経路にそれぞれ設けられた第1及び第2
のダンパとを少なくとも備えるとともに、前記第1及び
第2のダンパの振動減衰帯域を独立してそれぞれ任意に
設定する設定手段を設けたことを特徴とする。
【0014】第2の手段は、第1の手段において、前記
第1及び第2のダンパが第1及び第2のアキュムレータ
と第1及び第2の流量調整弁とをそれぞれ含み、前記設
定手段が前記第1及び第2の流量調整弁の流量をそれぞ
れ調整する調整装置からなることを特徴とする。
【0015】第3の手段は、第2の手段において、前記
第1及び第2の流量調整弁が前記第1及び第2の油圧供
給経路それぞれ直列に設けられていることを特徴とす
る。
【0016】第4の手段は、第2の手段において、前記
第1及び第2の流量調整弁が前記第1及び第2の供給経
路から分岐した前記第1及び第2のアキュムレータの入
り口側にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、
前述の図7における従来例と同等な各部には同一の参照
符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0018】図1は本発明の実施形態に係るローラミル
の加圧装置を示す図であり、図7における粉砕テーブル
1、この粉砕テーブル1上で振動するローラ2、ローラ
2を粉砕テーブル1方向に加圧する加圧フレーム9、お
よびこの加圧フレーム9を加圧するためのピボットアー
ム9、加圧ロッド13、油圧シリンダ17等のシステム
自体は図1と同等に構成されている。
【0019】図1において、粉砕テーブル1上の凹部1
aにはローラブラケット3に軸5および図示しないベア
リングによって回転可能に支持されたローラ2が設置さ
れている。ローラブラケット3の上部及び加圧フレーム
9の下面にはピボットピン4が入る溝が加工されてお
り、ローラブラケット3とローラ2はピボットピン4を
介して加圧フレーム9によって粉砕テーブル1の上面に
加圧された状態で押し付けられているとともに、ローラ
2がピボットピン4を介して振り子運動が行なえるよう
になっている。加圧フレーム9にはピボットアーム12
の一端が取り付けられており、他端には加圧ロッド13
の一端が連結されている。加圧ロッド13の他端は油圧
シリンダ17に連結され、油圧シリンダ17側からの油
圧作動によって加圧ロッド13およびピボットアーム1
2を介して所望の圧力が加圧フレーム9からローラ2に
加えられる。これらの構造は、前述の図7の従来例と同
様である。
【0020】油圧シリンダ17はシリンダ21とピスト
ン20とからなり、ピストン20によって2室に分けら
れ、一方の側のピストン20の端面に前述の加圧ロッド
13が連結されている。ピストン20によって分けられ
た上下各室(ロッド側とヘッド側の空間部)30,40
には、それぞれ一端が油圧源34,44に接続された配
管31,41の他端が接続され、油圧源34,44から
ロッド側とヘッド側の各室30,40に油圧媒体(圧
油)30a,40aの供給が行なえるようになってい
る。ロッド側とヘッド側の各系統の配管31,41には
流量調整弁32,42とアキュムレータ33,43がそ
れぞれ直列に設けられている。流量調整弁32,42は
ダンパ装置として機能し、流路抵抗(抵抗値R1,R
2)を任意に変えることができるようになっている。ま
た、アキュムレータ33,43は流量調整弁32,42
を通過した油圧媒体を貯蔵する機能を備えたものであ
る。
【0021】大略上記のように構成された加圧装置で
は、シリンダ21内のロッド側とヘッド側の上下各室3
0,40に油圧媒体が収容されているので、ロッド側と
ヘッド側の各室30,40に収容された油圧媒体の圧力
とシリンダ面積によって規定される力の差によってロー
ラ2を粉砕テーブル1上に加圧することになる。すなわ
ち、シリンダ21のロッド側とヘッド側の各室30,4
0の圧力をそれぞれP1,P2、シリンダ21内のピス
トン20の有効断面積をA1,A2とすると、 P1・A1>P2・A2 ・・・(1) の関係を満足させることによってローラ2を粉砕テーブ
ル1上に加圧するための圧力を得ている。したがって、
このような圧力状態でローラ2は粉砕テーブル1上の被
粉砕物をを所望の粒度まで粉砕することになる。
【0022】一方、図1に示すように本実施形態では、
ロッド側とヘッド側の配管系統に流量調整弁32,42
とアキュムレータ33,43がそれぞれ設けられ、ダン
パとして機能するように構成されている。このことは上
述の通りである。このダンパ機能は以下のようなもので
ある。
【0023】すなわち、図1においてローラ2が上下方
向に振動すると、この振動に伴ってローラブラケット
3、加圧フレーム9、ピボットアーム12、加圧ロッド
13、及びピストン20も上下動することになる。そし
て、シリンダ21内のピストン20が上下動すると、シ
リンダ21内の油圧媒体30a,40aがシリンダ21
から流出し、シリンダ21内に流入するという流出/流
入動作を行なう。これに伴って配管31,41中の油圧
媒体30a,40aが振動するとともに、それぞれ流量
調整弁32,42を通過してアキュムレータ33,43
に流入し、流出する。流量調整弁32,42は油圧媒体
30a,40aに対して抵抗として作用し、流量調整弁
32,42の抵抗値R1,R2をローラ2から伝達され
る振動数下で振動吸収量が最大となるように流量調整弁
32,42の開度を調整すれば、ローラ2の振動を減衰
させることができる。
【0024】図2は振動数一定という条件で流量調整弁
32,42の抵抗値R1,R2の抵抗値を変化させたと
きの振動吸収効果の変化を示す模式図である。横軸は抵
抗値Rで、流量調整弁を通過する油圧媒体の流量をQ、
配管内のシリンダ側の圧力をP1、アキュムレータ側の
圧力をP2とすると、 Q=(P1−P2)/R ・・・(2) の関係がある。
【0025】一方、図2におけるRA〜RBの領域は、
流量調整弁32,42の抵抗値Rが小さすぎる領域であ
り、油圧媒体は流量調整弁32,42を抵抗なく通過し
てアキュムレータ33,43に流れるため、この領域で
は振動吸収効果は小さい。また、図2におけるRD〜R
Eの領域は抵抗値Rが大きすぎる領域であり、この領域
では、油圧媒体は流量調整弁32,42をほとんど通過
しない。このように油圧媒体が流量調整弁32,42を
通過しないと、前述のようにしてローラ2に発生した上
下動によって軸5、ピボットピン4、加圧ロッド13、
及び油圧媒体30a,40aが弾性体として振動するの
で、ローラ2の上下動も成長し、振動を吸収し、低減さ
せることはできない。
【0026】これに対し、RBないしRDの領域は信号
を吸収し、低減できる抵抗値の領域である。この領域で
は、ローラ2やピストン21の上下動によって生じた油
圧媒体30a,40aは流量調整弁32、42を通るこ
とができ、これによって油圧媒体30a,40aが流量
調整弁32,42を通過するときに流量調整弁32,4
2の抵抗によって効率よくエネルギを吸収することがで
きる。その結果、ローラ2の上下動の成長が抑制され、
振動を吸収し、低減することが可能になる。図2の特性
では、RCの点が最も振動を吸収低減できる点であり、
流量調整弁32,42の抵抗値RがRCになるように設
定すれば、ローラ2及び粉砕部100に生じた振動を最
も効率的に吸収し、低減することができる。
【0027】図3は図1に示したローラミルのロッド側
(上側)とヘッド側(下側)のそれぞれの圧油供給系統
における流量調整弁32,42の抵抗値R1,R2と振
動吸収効果との関係の一例を示す特性図である。前述の
ようにローラミルには粉層の厚さの不均一から生じるう
ねりに起因する振動数の低い帯域の振動と、ローラ2と
粉層との間のスリップによって生じる振動数の高い帯域
の振動とがある。この実施形態におけるローラミルで
は、前述のように低振動数側が2Hz、高振動数側が2
0Hzであり、図3は、図1のロッド側の抵抗値R1を
低振動数側2Hzで、また、ヘッド側の抵抗値R2を高
振動数側20Hzでそれぞれ振動吸収率が最大になるよ
うに流量調整弁32,42の開度を設定したときの特性
を示している。このように設定すれば、ロッド側の圧油
供給系統で粉層のうねりによる低振動数帯域の振動を、
ヘッド側の圧油供給系統でローラ2と粉層との間のスリ
ップによる高振動数帯域の振動をそれぞれ独立して同時
に吸収・低減させることができる。
【0028】実機の振動発生及び抑制における現象面と
しては上述のようなものであるが、このような振動低減
を装置解析モデルによって確認した。以下、装置解析モ
デルに基づいてこの実施形態におけるローラミルの振動
抑制を検証する。
【0029】ここでは、振動防止効果が得られる条件を
定量的に調べるため、実験の比較によって検証した解析
モデルを用いて数値解析を行なった。解析モデルに振動
変位を入力し、このとこの油圧媒体30a,40aの圧
力変動や荷重変動を調べた。荷重変動と振動変位の関係
を図4に模式的に示す。荷重の変動はシリンダ20内の
油圧媒体30a,40aの圧力変動に対応し、変位はシ
リンダ20内のピストン21の振動に対応する。荷重−
変位ループがヒステリシスを描いて膨らむのは、流量調
整弁32,42を油圧媒体30a,40aが通過すると
きの抵抗による。荷重−変位ループの面積Wは油圧装置
が1サイクルの振動で吸収できるエネルギに相当し、こ
の時の減衰定数Cは、 C=W/πωΧ2 ・・・(3) で求められる。なお、減衰定数Cが大きい程、振動吸収
効果は大きい。
【0030】解析は図1及び図2の例の場合と同様に、
ロッド側系統を低振動数帯域の振動の吸収に、ヘッド側
系統を高振動数帯域の振動の吸収にそれぞれ使用するこ
とを想定し、低振動数(2Hz)におけるロッド側系統
の抵抗値R1と減衰定数との関係、高振動数(20H
z)におけるヘッド側系統の抵抗値Rと減衰定数との関
係をそれぞれ求めた。
【0031】解析条件は、シリンダ20の内径を300
mmφ、加圧ロッド13の外径を140mmφ、アキュ
ムレータ33,43の容量を40,000cm3 とし
た。図5に数値シミュレーションによって求めた減衰定
数Cと流量調整弁の抵抗値Rの関係を示す。この図から
分かるように低振動数帯域の2Hzの振動における変位
に対するロッド系統の圧油供給系の減衰定数Cは、絞り
弁の抵抗値Rが8×10-6Ns/mm5で最大となり、
その値は約8,200Ns/mmとなった。また、高振
動数帯域の20Hzの振動における変位に対するヘッド
系統の圧油供給系の減衰定数Cは、絞り弁の抵抗値Rが
8×10-7Ns/mm5で最大となり、その値は約2,
200Ns/mmとなった。ヘッド系統の方が抵抗値が
小さい条件で減衰定数が最大となるのは、ロッド系統で
は加圧ロッド13がピストン21に連結され、油圧室3
0内を加圧ロッド13が貫通していることから、ロッド
シリンダ20ヘッド系統の方がシリンダ20の有効断面
期が大きく、油圧媒体の流量が大きいためである。
【0032】この結果から、前述の図1に示した実施形
態では、ロッド側の油圧系統の流量調整弁32の抵抗値
R1を8×10-6Ns/mm5となるように設定し、ヘ
ッド側の油圧系統の流量調整弁42の抵抗値R2を8×
10-7Ns/mm5に設定すれば、ロッド側では粉層の
うねりによって生じる低振動数帯域の振動を、ヘッド側
では粉層とローラ2との間のスリップによって生じる高
振動数帯域の振動を吸収し、もしくは低減させることが
できる。
【0033】以上のように、本実施形態によれば、粉層
のうねりによって生じる低振動数帯域の振動と、ローラ
ミルと粉層とのスリップによって生じる高振動数帯域の
自励振動のような激しい振動の両者をそれぞれ独立に同
時に防止することが可能となる。これによって微粉度を
上げた状態でのローラミルの安定した運用が可能にな
る。
【0034】図6は本発明の他の実施形態に係るローラ
ミルの加圧装置を示す図である。この実施形態は図1に
示した実施形態において配管31,41の直列に挿入さ
れていた流量調整弁32,42をアキュムレータ33,
34の入り口側に設けたもので、その他の各部はすべて
前記図1に示した実施形態と同等に構成されている。こ
のように構成すると、ローラミルのローラ2側から伝達
される振動がロッド側とヘッド側のそれぞれの油圧源3
4,44に伝達されるが、流量調整弁32,42、およ
びアキュムレータ33,43によって前述の実施形態と
同様に低振動帯域と高振動帯域の振動の減衰を図ること
ができるので、油圧媒体30a,40aによってそれぞ
れの油圧源に伝達される振動は僅少で済み、この点を除
いて本実施形態では前記実施形態と同等の効果を奏する
ことができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、第1及び第3の油圧供給経路にそれぞれ設けられ
た第1及び第2のダンパとを少なくとも備えるととも
に、第1及び第2のダンパの振動減衰帯域を独立してそ
れぞれ任意に設定する設定手段を設けたので、ことなる
振動数帯域に対して独立して振動減衰を行なわせること
が可能になる。
【0036】これによって、粉層のうねりによって生じ
る低振動数帯域の振動と、ローラミルと粉層とのスリッ
プによって生じる高振動数帯域の自励振動のような激し
い振動の両者をそれぞれ独立に同時に防止することがで
き、微粉度を上げた状態でのローラミルの安定した運用
が可能になる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、第1及び第
2のダンパが第1及び第2のアキュムレータと第1及び
第2の流量調整弁とをそれぞれ含み、設定手段が前記第
1及び第2の流量調整弁の流量をそれぞれ調整する調整
装置からなるので、流量調整だけで簡単に請求項1記載
の発明の効果を得ることができる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、第1及び第
2の流量調整弁が第1及び第2の油圧供給経路それぞれ
直列に設けられているので、流量の調整が直接的に行な
われ、簡単かつ確実に請求項1記載の発明の効果を得る
ことができる。
【0039】請求項4記載の発明によれば、第1及び第
2の流量調整弁が第1及び第2の供給経路から分岐した
第1及び第2のアキュムレータの入り口側にそれぞれ設
けられているので、流量の調整がアキュムレータ側に流
入出する流量となり、間接的な流量調整となるが請求項
1記載の発明と同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るローラミルの加圧装置
の概略を示す側面図である。
【図2】振動数一定の条件下の流量調整弁における流れ
抵抗値と振動吸収効果との関係を示す図である。
【図3】図1の実施形態に係るローラミルの加圧装置に
おける流れ抵抗値と振動吸収効果との関係を示す図であ
る。
【図4】油圧装置の荷重−変位ループと減衰定数の関係
を示す図である。
【図5】数値解析によって求めた本実施形態に係るロー
ラミルの加圧装置の減衰定数と流量調整弁の抵抗値との
関係を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るローラミルの加圧
装置の概略を示す側面図である。
【図7】従来から実施されているローラミルの全体構成
を示す側面図である。
【図8】低振動数帯域のローラミルの振動波形の一例を
示す図である。
【図9】高振動数帯域のローラミルの振動波形の一例を
示す図である。
【符号の説明】
1 粉砕テーブル 2 ローラ 3 ローラブラケット 9 加圧フレーム 12 ピボットアーム 13 加圧ロッド 20 シリンダ 21 ピストン 30 ロッド側油圧室 30a ロッド側油圧媒体 31 ロッド側配管 32 ロッド側流量調整弁 33 ロッド側アキュムレータ 34 ロッド側油圧源 40 ヘッド側油圧室 40a ヘッド側油圧媒体 41 ヘッド側配管 42 ヘッド側流量調整弁 43 ヘッド側アキュムレータ 44 ヘッド側油圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 佐古田 光太郎 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 立間 照章 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE12 EE26 GA08 GC25 GD13 4D067 FF13 GA04 GB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持された粉砕テーブル上に
    粉砕用ローラを粉砕テーブル回転方向に沿って所定間隔
    に配置し、油圧装置で前記粉砕用ローラを前記粉砕テー
    ブル側に加圧して被粉砕物を粉砕するローラミルにおい
    て、 前記油圧装置が、油圧シリンダ内のピストンによって区
    切られる第1のシリンダ部及び第2のシリンダ部と、こ
    れらの各シリンダ部にそれぞれ油圧媒体を供給する第1
    及び第2の油圧源及び油圧供給経路と、前記第1のシリ
    ンダ部を介して前記ピストンに加わる油圧力を前記粉砕
    用ローラに伝達する伝達手段と、前記第1及び第3の油
    圧供給経路にそれぞれ設けられた第1及び第2のダンパ
    とを少なくとも備えるとともに、 前記第1及び第2のダンパの振動減衰帯域を独立してそ
    れぞれ任意に設定する設定手段を設けたことを特徴とす
    るローラミル。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のダンパが第1及び第
    2のアキュムレータと第1及び第2の流量調整弁とをそ
    れぞれ含み、前記設定手段が前記第1及び第2の流量調
    整弁の流量をそれぞれ調整する調整装置からなることを
    特徴とする請求項1記載のローラミル。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の流量調整弁が前記第
    1及び第2の油圧供給経路それぞれ直列に設けられてい
    ることを特徴とする請求項2記載のローラミル。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の流量調整弁が前記第
    1及び第2の供給経路から分岐した前記第1及び第2の
    アキュムレータの入り口側にそれぞれ設けられているこ
    とを特徴とする請求項2記載のローラミル。
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