JPH08238435A - ローラ式粉砕方法および装置 - Google Patents

ローラ式粉砕方法および装置

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JPH08238435A
JPH08238435A JP4325795A JP4325795A JPH08238435A JP H08238435 A JPH08238435 A JP H08238435A JP 4325795 A JP4325795 A JP 4325795A JP 4325795 A JP4325795 A JP 4325795A JP H08238435 A JPH08238435 A JP H08238435A
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JP
Japan
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crushing
roller
change
flow resistance
natural frequency
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Application number
JP4325795A
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English (en)
Inventor
Eiji Murakami
英治 村上
Hidekazu Nishida
英一 西田
Kazunori Satou
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低負荷時や停止時に発生する激しい自励振動
を吸収、低減することができるローラ式粉砕装置を提供
する。 【構成】 ハウジング19内に回転自在に支持された粉
砕リング1と、粉砕リングの回転方向に沿って所定間隔
で配置された複数個のローラと、粉砕用ローラを粉砕リ
ング上に圧接する油圧装置13、20、21と、油圧媒
体26の供給路27に流量制御弁23を介して接続した
アキュムレータ22とを備え、被粉砕物18を粉砕リン
グ1とローラ2の間で粉砕するローラ式粉砕装置におい
て、粉砕部の振動状態を計測するセンサ25と、このセ
ンサの計測値に基づき粉砕部の固有振動数を推定する解
析器29と、この固有振動数に基づき弁の流れ抵抗変化
に対する固有振動数変化率を計算する手段30と、この
変化率を用いて弁の開度を制御する手段31、32を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ローラ式粉砕方法およ
び装置に係り、特に粉砕時に発生する激しい自励振動を
吸収低減するのに好適なローラ式粉砕方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のローラ式粉砕装置の全体構造を図
7に示す。ヨーク10は減速機11の出力軸上に回転可
能なように取付けられており、このヨーク10上には環
状溝を有する円板状の粉砕リング1が固定されている。
粉砕リング1上の環状溝(くぼみ部)には、ローラブラ
ケット3に軸5およびベアリングにより回転可能なよう
に支持されたローラ2が等間隔で3個設置されている。
ローラブラケット3の上部および加圧フレーム9下面に
はピボットピン4が入る溝が加工されており、ローラブ
ラケット3およびローラ2はピボットピン4を介して加
圧フレーム9により粉砕リング1上に押しつけられ、ロ
ーラ2が転倒しないようになっている。加圧フレーム9
にはピボットアーム12が取付けられており、このピボ
ットアーム12のもう一方の端は油圧シリンダ17に固
定されたローディングロッド13とつながっている。
【0003】モータにより減速機11の入力軸を回転さ
せると、減速機11の出力軸に取付けられたヨーク10
およびヨーク10に固定された粉砕リング1が回転す
る。このとき、油圧シリンダ17はローディングロッド
13を引張っており、この引張り力はピボットアーム1
2を介して加圧フレーム9を下方向に押付けており、こ
の加圧フレーム9はピボットピン4、ローラブラケット
3を介してローラ2を粉砕リング1に押付けている。被
粉砕物(例えば石炭)は中央上部の供給管14から投下
され、ローラ2と粉砕リング1に挟まれ、圧壊作用によ
り粉砕される。粉砕された被粉砕物(例えば微粉炭)は
熱風60により吹き上げられ分級機15を通り、所定の
粒度のものは出口管16へ、それより粒度の大きいもの
は粉砕部へ落下し、再び粉砕される構造となっている。
【0004】図8に従来のローラ式粉砕装置の加圧機構
の側面図を示す。粉砕リング1上のくぼみ部には、ロー
ラブラケット3に軸5およびベアリングにより回転可能
なように支持されたローラ2が設置されている。ローラ
ブラケット3の上部および加圧フレーム9の下面にはピ
ボットピン4が入る溝が加工されており、ローラブラケ
ット3およびローラ2はピボットピン4を介して加圧フ
レーム9により粉砕リング1上に押付けられ、ローラ2
が転倒しないようになっている。加圧フレーム9にはピ
ボットアーム12が取付けられており、このピボットア
ーム12のもう一方の端はローディングロッド13とつ
ながっている。ローディングロッド13のもう一方の端
部は、シリンダ20内のピストン21につながってい
る。シリンダ20には管路27がつながっており、この
管路27を通して油圧媒体26をポンプで供給すること
により、ローディングロッド13を引張り、ローラ2を
粉砕リング1上に加圧できるようになっている。また、
管路27にはアキュムレータ22が取付けられており、
油圧媒体26の圧力変動をある程度吸収できるように考
慮されている。
【0005】上記の従来装置は、低負荷時や停止時に激
しい自励振動が発生するという問題点があった。この問
題を解決する技術として、図9に示す発明者らによる未
公知の先行技術がある。この先行技術は、油圧媒体26
に流れ抵抗を与える手段として、流量制御弁23を油圧
管路27とアキュムレータ22の接続管路に設け、流量
制御弁23の開度を変えて油圧媒体26に対する流れ抵
抗値を最適な値に設定することにより、粉砕部の振動を
吸収低減させるものである。図9において、ローラ2と
被粉砕物18にスリップが発生し、ローラ2が上下方向
に激しく振動すると、これに伴ってローラブラケット
3、加圧フレーム9、ピボットアーム12、ローディン
グロッド13およびピストン21も同様に上下動するこ
とになる。シリンダ20内のピストン21が上下動する
と、シリンダ20内の油圧媒体26がシリンダ20から
流出または流入する。また、これに伴って管路27中の
油圧媒体26も動き、油圧媒体26は流量制御弁23を
通過し、アキュムレータ22に流出または流入する。流
量制御弁23は油圧媒体26に対して流れ抵抗として働
き、流量制御弁23の開度を調整することにより、油圧
媒体の流れ抵抗を変化させることが可能である。
【0006】発明者らの研究によれば、流量制御弁23
の流れ抵抗値を適当な値に設定してやることにより、振
動エネルギーを流量制御弁23で吸収することが可能で
ある。図9の発明は、制御装置24で流量制御弁23の
流れ抵抗値を振動吸収効果が最大となるように制御する
ことにより、粉砕部の激しい振動を減衰吸収させるもの
である。
【0007】また、図9の装置は、被粉砕物18の粒径
や厚さが変化し、被粉砕物18のバネ定数が変化した
り、温度変化により油圧媒体26の体積弾性係数が変化
した場合においても、常に振動吸収効果が最大となる流
れ抵抗値となるように流量制御弁23の開度を制御でき
るように考慮されている。粉砕装置に投入される被粉砕
物の粒径は数十mm程度であり、ローラ2と粉砕リング1
で粉砕されることにより、最終的には数ミクロン程度と
なる。そのため被粉砕物18の特性、特に粉砕部の振動
特性に顕著に影響するバネ特性は常に変化している。ま
た、被粉砕物の種類(例えば石炭の場合、石炭の種類や
産地)によってもその特性が大きく異なる。したがっ
て、粉砕部の振動特性も刻一刻変化している。また、温
度が変化すると油圧媒体26の体積弾性係数が変化する
ため、粉砕部の振動特性も変化する。図9の装置では、
センサ25で粉砕部の振動数をモニタし、制御装置24
で流量制御弁23を制御することができるため、常に振
動吸収効果が最大となる流れ抵抗値となるように流量制
御弁23を制御することが可能である。すなわち、あら
かじめ図10に示すような粉砕部の固有振動数fと振動
吸収が最大となる流れ抵抗値Rの関係を制御装置24内
に記憶しておき、センサ25で計測した粉砕部の振動数
から粉砕部の固有振動数を知り、この固有振動数におい
て振動低減効果が最大となる流れ抵抗値を決定し、この
抵抗値となるように流量制御弁23を制御することによ
り、被粉砕部のバネ定数が変化した場合においても常に
最大の振動吸収効果を得ることができ、自励振動の発生
を防止できるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記未公知の技術は、
被粉砕物のバネ定数や油圧媒体の体積弾性係数などが変
化して粉砕部の振動特性が変化し、これに伴い振動吸収
が最大となる流れ抵抗値が変わった場合の流量制御弁の
制御方法に対する配慮が充分ではなく、あらかじめ被粉
砕物のバネ定数や油圧媒体の体積弾性係数が変化して粉
砕部の振動特性が変化した場合における振動吸収効果が
最大となる流れ抵抗値を求めておかなければならないと
いう問題点があった。
【0009】また、図10に示した粉砕部の固有振動数
と振動吸収効果が最大となる流れ抵抗値Rの関係を求め
るためには、被粉砕物18のバネ定数や油圧媒体26の
体積弾性係数をパラメータとした実験や解析を行う必要
があり、多大な時間と労力を必要とする。また、この関
係は粉砕装置の寸法(粉砕容量)が異なると変化する。
そのためそれぞれの粉砕装置に対して図10の関係を求
めておく必要があり、多大な時間と労力を要することに
なる。
【0010】本発明の目的は、被粉砕物のバネ定数や油
圧媒体の体積弾性係数などの変化により粉砕部の振動特
性が変化した場合においても、あらかじめ粉砕部の振動
特性変化と振動吸収が最大となる流れ抵抗値の関係を求
めておくことなく、流量制御弁の開度、すなわち圧力媒
体の流れ抵抗値を振動吸収が最大となるように簡便かつ
正確に制御する方法を創案し、ローラ式粉砕装置の激し
い自励振動を防止することができるローラ式粉砕方法お
よび装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。 (1)ハウジング内に回転自在に支持された粉砕リング
上に、複数個の粉砕用ローラを粉砕リング回転方向に配
置し、油圧配管に圧力媒体の流れ抵抗を可変に与える流
れ抵抗付与手段を設けた油圧装置を用いて粉砕用ローラ
を粉砕リング上に圧接し、被粉砕物を粉砕リングとロー
ラの間で粉砕するローラ式粉砕方法において、センサで
計測した振動数から粉砕部の固有振動数を算出し、この
固有振動数から圧力媒体の流れ抵抗変化に対する固有振
動数の変化率を計算し、この固有振動数変化率を用いて
圧力媒体の流れ抵抗付与手段の抵抗値を制御することを
特徴とするローラ式粉砕方法。
【0012】(2)ハウジング内に回転自在に支持され
た粉砕リング上に、複数個の粉砕用ローラを粉砕リング
回転方向に配置し、油圧配管に流れ抵抗を可変に与える
流れ抵抗付与手段を設けた油圧装置を用いて粉砕用ロー
ラを粉砕リング上に圧接し、被粉砕物を粉砕リングとロ
ーラの間で粉砕するローラ式粉砕方法において、前記流
れ抵抗付与手段の抵抗値を微小量変化させてこのときの
粉砕部の固有振動数の変化を計測し、この固有振動数の
変化率が最大となるように圧力媒体の流れ抵抗付与手段
の抵抗値を制御することを特徴とするローラ式粉砕方
法。
【0013】(3)ハウジング内に回転自在に支持され
た粉砕リングと、粉砕リングの回転方向に沿って所定間
隔で配置された複数個の粉砕用ローラと、粉砕用ローラ
を粉砕リング上に圧接する流体圧装置と、該流体圧装置
への圧力流体供給路に流量制御弁を介して接続したアキ
ュムレータとを備え、被粉砕物を粉砕リングとローラの
間で粉砕するローラ式粉砕装置において、粉砕部の振動
状態を計測するセンサと、該センサで計測した値から粉
砕部の固有振動数を推定する解析器と、この固有振動数
と圧力媒体の流量制御弁開度とから弁の流れ抵抗変化に
対する固有振動数の変化率を算出する手段と、該変化率
を用いて前記流量制御弁の開度を制御する手段とを設け
たことを特徴とするローラ式粉砕装置。
【0014】
【作用】圧力媒体の絞り抵抗値に対する固有振動数の変
化率は、振動吸収効果が最大となるときに最大となる。
そのため絞り抵抗値を微小量だけ変化させ、このときの
粉砕部の固有振動数の変化を粉砕部に取付けたセンサで
計測し、この固有振動数変化量を用いて絞り抵抗値変化
に対する固有振動数変化率を計算し、この変化率が最大
となるように絞り抵抗値を制御することにより、振動吸
収効果が常に最大となる。したがって、あらかじめ粉砕
部の振動特性変化と振動吸収が最大となる流れ抵抗値の
関係を求めておくことなく、流量制御弁の開度、すなわ
ち圧力媒体の流れ抵抗値を振動吸収が最大となるように
簡便かつ正確に制御することができる。
【0015】
【実施例】本発明になるローラ式粉砕装置の実施例の側
面図を図1に示す。粉砕リング1のくぼみ部には、ロー
ラブラケット3に軸5およびベアリングにより回転可能
なように支持されたローラ2が所定間隔で複数個設置さ
れている。ローラブラケット3の上部および加圧フレー
ム9の下面には所定長のローラ状のピボットピン4が入
る溝が加工されており、ローラブラケット3およびロー
ラ2はピボットピン4を介して加圧フレーム9により粉
砕リング1上に押付けられ、ローラ2が転倒しないよう
になっている。加圧フレーム9にはピボットアーム12
が取付けられており、このピボットアーム12のもう一
方の端はローディングロッド13とつながっている。ロ
ーディングロッド13のもう一方の端部は、シリンダ2
0内のピストン21につながっている。シリンダ20に
は管路27がつながっており、この管路27を通して油
圧媒体26をポンプで供給することによりピストン21
を加圧し、ローディングロッド13を引張り、ローラ2
を粉砕リング1上に圧接できるようになっている。
【0016】また、管路27には流量制御弁23および
アキュムレータ22が取付けられており、流量制御弁2
3を開閉することにより、油圧媒体26の流れ抵抗値を
広範囲にわたり変化させることが可能となっている。ま
た、流量制御弁23を通過した油圧媒体26は高圧気体
などの弾性体を封入したアキュムレータ22で蓄積でき
るようになっている。ローラブラケット3には、例えば
加速度計のようなセンサ25が取付けられており、粉砕
部の加速度の大きさや、振動周波数をモニタできるよう
になっている。センサ25の出力信号は制御装置28に
入力され、制御装置28は粉砕部の加速度や振動周波数
に応じて、流量制御弁23の開度を制御することによ
り、油圧媒体26の流れ抵抗値を変化できるようになっ
ている。制御装置28は、固有振動数解析器29、固有
振動数変化率計算器30、弁開度計算器31、弁開度制
御器32で構成されている。固有振動数解析器29はセ
ンサ25で計測した波形から固有振動数を求める装置、
固有振動数変化率計算器30は求めた固有振動数から流
れ抵抗変化に対する固有振動数変化率を計算する装置、
弁開度計算器31は固有振動数変化率から流量制御弁2
3の開度変更量を計算する装置、弁開度制御器32は流
量制御弁23の開度を制御する装置である。
【0017】本実施例のローラ式粉砕装置は、被粉砕物
のバネ定数や油圧媒体の体積弾性係数などの変化により
粉砕部の振動特性が変化し、振動吸収が最大となる流れ
抵抗値が変化した場合においても、あらかじめ粉砕部の
振動特性変化と振動吸収が最大となる流れ抵抗値の関係
を求めておくことなく、流量制御弁の開度、すなわち圧
力媒体の流れ抵抗値を振動吸収が最大となるように簡便
かつ正確に制御することが可能であり、これによりロー
ラ式粉砕装置の激しい自励振動を防止することができ
る。
【0018】まず、実施例のローラ式粉砕装置が粉砕部
の振動を吸収低減できることについて説明する。図1に
おいて、ローラ2と被粉砕物18にスリップが発生し、
ローラ2が上下方向に激しく振動すると、これに伴って
ローラブラケット3、加圧フレーム9、ピボットアーム
12、ローディングロッド13およびピストン21も同
様に上下動することになる。シリンダ20内のピストン
21が上下動すると、シリンダ20内の油圧媒体26が
シリンダ20から流出または流入する。また、これに伴
って管路27中の油圧媒体26も動き、油圧媒体26は
流量制御弁23を通過し、アキュムレータ22に流出ま
たは流入する。流量制御弁23は油圧媒体26に対して
流れ抵抗として働き、流量制御弁23の開度を調整する
ことにより、油圧媒体の流れ抵抗を変化させることが可
能である。この流れ抵抗値をうまく設定することによ
り、粉砕部の激しい振動を減衰吸収させることが可能で
ある。
【0019】図2は、流量制御弁23の開度を変化させ
ることにより油圧媒体の流れ抵抗値を変化させたときの
粉砕部固有振動数および振動吸収低減効果の変化を示す
模式図である。横軸は流れ抵抗値Rであり、流量制御弁
23を通過する油圧媒体26の流量Q、シリンダ20お
よび管路27内の圧力P1 、アキュムレータ22内の圧
力P2 と次式の関係がある。
【0020】
【数1】
【0021】図2において、振動吸収効果は減衰比で示
しており、減衰比が大きいほど振動吸収効果が大きくな
る。図2に示すように、流れ抵抗値を変化させると粉砕
部の固有振動数が変化する、また、振動吸収効果を表わ
す減衰比も変化し、最も減衰比が大きくなる流れ抵抗
値、すなわち振動吸収低減効果が最も大きくなる流れ抵
抗値が存在する。図2において、RA 〜RB の領域は流
れ抵抗値が小さすぎる領域であり、油圧媒体26は流量
制御弁23を抵抗なく通過してアキュムレータ22に流
れるため、ローラ2および粉砕部の振動を吸収低減する
ことはできない。また、RD 〜RE の領域は流れ抵抗値
が大きすぎる領域であり、この場合油圧媒体26は流量
制御弁23をほとんど通過しない。油圧媒体26が流量
制御弁23を通過しないと、ローラ2に発生した上下動
により軸5、ピボットピン4、ローディングロッド13
および油圧媒体26が弾性体として振動するため、ロー
ラ2の上下動も成長し、振動を吸収低減することはでき
ない。RB 〜RD の領域は、振動を吸収低減できる流れ
抵抗値である。この場合、ローラ2やピストン21の上
下動によって生じた油圧媒体26の流れは、流量制御弁
23の流れ抵抗によって効率よくエネルギー吸収するこ
とができ、これによりローラ2の上下動も成長せず、振
動を吸収低減することが可能である。RC が最も振動を
吸収低減できる点であり、流量制御弁23の流れ抵抗値
をRC に設定すれば、ローラ2および粉砕部の振動を最
も吸収低減することが自励振動の発生を防止できる。
【0022】次に、本実施例のローラ式粉砕装置が、被
粉砕物のバネ定数や油圧媒体の体積弾性係数などの変化
により粉砕部の振動特性が変化し、振動吸収が最大とな
る流れ抵抗値が変化した場合においても、あらかじめ粉
砕部の振動特性変化と振動吸収が最大となる流れ抵抗値
の関係を求めておくことなく、流れ抵抗値を振動吸収が
最大となるように簡便かつ正確に制御することが可能で
あることについて説明する。
【0023】図3に被粉砕物18のバネ定数が変化した
場合の粉砕部固有振動数および振動吸収低減効果の変化
を示す。図3のように、粉砕部バネ定数が変化すると、
固有振動数および減衰比と流れ抵抗値との関係はシフト
する。したがって、減衰比が最大となり、振動吸収効果
が最大となる流れ抵抗値RC もRC ′やRC ″となる。
前に示した未公知のローラ式粉砕装置では、図3から求
めた図10の関係をあらかじめ制御装置24に記憶して
おき、この関係を用いて流量制御弁23の開度を制御し
ていた。図3や図10の関係を求めるには、被粉砕物の
バネ定数や油圧媒体26の体積弾性係数をパラメータと
した膨大な実験および解析が必要であり、多大な時間と
労力を要する。これに対して、本発明になるローラ式粉
砕装置では図3や図10の関係を求めることなく、被粉
砕物18のバネ定数が変化しても常に振動吸収が最大と
なるように流量制御弁23を制御することが可能であ
る。
【0024】図4は、流れ抵抗値Rの変化に対する固有
振動数fの変化率△f/△Rおよび減衰比と流れ抵抗値
Rの関係を示したものである。流れ抵抗値Rの変化に対
する固有振動数fの変化率△f/△Rは、図3の固有振
動数fと流れ抵抗値の関係を微分することによって求め
たものである。本発明になるローラ式粉砕装置ではこの
関係を用いて流量制御弁23を制御する。図4におい
て、△f/△Rが最大となる流れ抵抗値Rにおいて減衰
比も最大になっている。また、被粉砕物18のバネ定数
が変化しても、同様に△f/△Rが最大となる流れ抵抗
値で減衰比が最大となっている。したがって、△f/△
Rが最大になるように流量制御弁23を制御すれば常に
減衰比が最大となり、振動吸収効果も最大とすることが
できる。本発明になるローラ式粉砕装置では、この△f
/△Rが常に最大となるように流量制御弁23を制御す
るため、従来装置のようにあらかじめ図10のような関
係を求めておくことは不要となる。
【0025】図5に本実施例のローラ式粉砕装置の流量
制御弁23の制御方法のフローチャートを示す。制御装
置28で以下の制御を行うことにより、流れ抵抗値Rを
常に△f/△Rが最大となる値に設定する。 (1)まず、弁開度を微小量変化させ、固有振動数解析
器29により図1のセンサ25で計測された粉砕部の振
動波形から固有振動数解fi を評価する。 (2)固有振動数変化率計算器30で、前回評価した固
有振動数との差△f=△fi-1 −△fi を計算する。こ
の△fと流れ抵抗値の変化量△Rから固有振動数変化率
△f/△Rを計算する。 (3)弁開度計算器31で、△f/△Rから流れ抵抗値
の変更量△Rを決定する。△f/△R<0の場合には流
れ抵抗値を△Rだけ増加し、△f/△R≧0の場合には
流れ抵抗値を△Rだけ減少させる。△Rから修正すべき
弁開度を決定する。 (4)弁開度制御器32で流量制御弁23の開度を変更
する。この制御を繰返すことによって、図10のような
関係を用いることなく、流量制御弁23の流れ抵抗値R
を△f/△Rが最大となる点、すなわち減衰比が最大と
なる点に制御することができ、常に最大の振動吸収効果
を得ることが可能である。
【0026】以上のように、本実施例のローラ式粉砕装
置によれば、被粉砕物のバネ定数や油圧媒体の体積弾性
係数などの変化により粉砕部の振動特性が変化した場合
においても、あらかじめ粉砕部の振動特性変化と振動吸
収が最大となる流れ抵抗値の関係を求めておくことなく
流量制御弁の開度、すなわち流れ抵抗値を振動吸収が最
大となるように簡便かつ正確に制御することができ、ロ
ーラ式粉砕装置の激しい自励振動を防止することが可能
である。なお、弁の流れ抵抗と弁開度の関係を求めてお
けば、流れ抵抗値に代えて弁開度を用いることができ
る。
【0027】図6は本発明の他の実施例を示すもので、
この実施例はローラをミルのケーシング36に回転可能
に固定した粉砕装置に適用したものである。この方式の
粉砕装置ではローラ33は軸35で回転可能なようにブ
ラケット37に固定されており、このブラケット37は
ケーシング36に固定された支持板38にピン39で回
転可能なように取付けられている。ブラケット37には
加圧ロッド40が取付けられ、この加圧ロッド40のも
う一方の端はシリンダ42内に収容されたピストン41
につながっており、シリンダ42内に油圧媒体43を送
ることにより、ローラ33を回転テーブル34上の被粉
砕物に加圧する構造になっている。本実施例において
も、管路46には弁44およびアキュムレータ45が取
付けられており、弁44を開閉することにより、圧力媒
体43の流れ抵抗値を広範囲にわたり変化させることが
可能となっている。また、ブラケット37には例えば加
速度計のようなセンサ47が取付けられており、粉砕部
の振動数をモニタできるようになっている。センサ47
の出力信号は制御装置48に入力され、制御装置48で
弁44の流れ抵抗値変化に対する粉砕部の固有振動数変
化率を計算し、この値が最大となるように、弁44の開
度を制御することにより、弁44での振動吸収効果が常
に最大にできるようになっている。
【0028】本実施例の作用および効果も図1の実施例
と全く同様であり、被粉砕物のバネ定数や油圧媒体の体
積弾性係数などの変化により粉砕部の振動特性が変化し
た場合においても、あらかじめ粉砕部の振動特性変化と
振動吸収が最大となる流れ抵抗値の関係を求めておくこ
となく流量制御弁の開度、すなわち流れ抵抗値を振動吸
収が最大となるように簡便かつ正確に制御することがで
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、被粉砕物のバネ定数や
油圧媒体の体積弾性係数などの変化により粉砕部の振動
特性が変化した場合においても、あらかじめ粉砕部の振
動特性変化と振動吸収が最大となる流れ抵抗値の関係を
求めておくことなく流量制御弁の開度、すなわち流れ抵
抗値を振動吸収が最大となるように簡便かつ正確に制御
することが可能であり、ローラ式粉砕装置の激しい自励
振動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるローラ式粉砕装置の側
面図。
【図2】粉砕部の固有振動数および減衰比と油圧媒体の
流れ抵抗値の関係図。
【図3】粉砕部の固有振動数および減衰比と油圧媒体の
流れ抵抗値の関係に及ぼす被粉砕物のバネ定数の影響を
示す図。
【図4】固有振動数変化率△f/△Rおよび減衰比と流
れ抵抗値の関係図。
【図5】本発明の一実施例であるローラ式粉砕装置の流
れ抵抗値の制御方法のフローチャートを示す図。
【図6】本発明になるローラ式粉砕装置の他の実施例の
側面図。
【図7】従来のローラ式粉砕装置の側面図。
【図8】従来のローラ式粉砕装置の加圧機構の側面図。
【図9】発明者らによる未公知のローラ式粉砕装置の側
面図。
【図10】振動吸収が最大となる流れ抵抗値と粉砕部固
有振動数の関係図。
【符号の説明】
1…粉砕リング、2…ローラ、3…ローラブラケット、
4…ピボットピン、5…軸、9…加圧フレーム、12…
ピボットアーム、13…ローディングロッド、18…被
粉砕物、19…ハウジング、20…シリンダ、21…ピ
ストン、22…アキュムレータ、23…流量制御弁、2
5…センサ、26…油圧媒体、27…管路、28…制御
装置、29…固有振動数解析器、30…固有振動数変化
率計算器、31…弁開度計算器、32…弁開度制御器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に回転自在に支持された粉
    砕リング上に、複数個の粉砕用ローラを粉砕リング回転
    方向に配置し、油圧配管に圧力媒体の流れ抵抗を可変に
    与える流れ抵抗付与手段を設けた油圧装置を用いて粉砕
    用ローラを粉砕リング上に圧接し、被粉砕物を粉砕リン
    グとローラの間で粉砕するローラ式粉砕方法において、
    センサで計測した振動数から粉砕部の固有振動数を算出
    し、この固有振動数から圧力媒体の流れ抵抗変化に対す
    る固有振動数の変化率を計算し、この固有振動数変化率
    を用いて圧力媒体の流れ抵抗付与手段の抵抗値を制御す
    ることを特徴とするローラ式粉砕方法。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に回転自在に支持された粉
    砕リング上に、複数個の粉砕用ローラを粉砕リング回転
    方向に配置し、油圧配管に流れ抵抗を可変に与える流れ
    抵抗付与手段を設けた油圧装置を用いて粉砕用ローラを
    粉砕リング上に圧接し、被粉砕物を粉砕リングとローラ
    の間で粉砕するローラ式粉砕方法において、前記流れ抵
    抗付与手段の抵抗値を微小量変化させてこのときの粉砕
    部の固有振動数の変化を計測し、この固有振動数の変化
    率が最大となるように圧力媒体の流れ抵抗付与手段の抵
    抗値を制御することを特徴とするローラ式粉砕方法。
  3. 【請求項3】 ハウジング内に回転自在に支持された粉
    砕リングと、粉砕リングの回転方向に沿って所定間隔で
    配置された複数個の粉砕用ローラと、粉砕用ローラを粉
    砕リング上に圧接する流体圧装置と、該本圧装置への圧
    力流体供給路に流量制御弁を介して接続したアキュムレ
    ータとを備え、被粉砕物を粉砕リングとローラの間で粉
    砕するローラ式粉砕装置において、粉砕部の振動状態を
    計測するセンサと、該センサで計測した値から粉砕部の
    固有振動数を推定する解析器と、この固有振動数と圧力
    媒体の流量制御弁開度とから弁の流れ抵抗変化に対する
    固有振動数の変化率を算出する手段と、該変化率を用い
    て前記流量制御弁の開度を制御する手段とを設けたこと
    を特徴とするローラ式粉砕装置。
JP4325795A 1995-03-02 1995-03-02 ローラ式粉砕方法および装置 Pending JPH08238435A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013066860A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 竪型ミル

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