JPH11216379A - 粉砕装置 - Google Patents

粉砕装置

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JPH11216379A
JPH11216379A JP2107998A JP2107998A JPH11216379A JP H11216379 A JPH11216379 A JP H11216379A JP 2107998 A JP2107998 A JP 2107998A JP 2107998 A JP2107998 A JP 2107998A JP H11216379 A JPH11216379 A JP H11216379A
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JP
Japan
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accumulator
vibration
cylinder
crushing
roller
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JP2107998A
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English (en)
Inventor
Eiji Murakami
英治 村上
Kazunori Satou
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Kotaro Sakoda
光太郎 佐古田
Hideo Mitsui
秀雄 三井
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉砕用ローラに発生した振動を油圧媒体を介
して流量調整弁まで伝えて振動吸収し、粉砕装置の自励
振動を防止すること。 【解決手段】 粉砕リング上に粉砕用ローラを粉砕リン
グの回転方向に沿って配置し、加圧された圧力媒体を収
容するシリンダ近傍に流量調整弁とアキュムレータを設
けた加圧装置により、粉砕用ローラを粉砕リング上に加
圧すると共に振動を防止して被粉砕物を粉砕する粉砕装
置であって、次式で表される圧力媒体のバネ定数KO
アキュムレータのバネ定数KAの比が、KO/KA≧10
0となる粉砕装置。 KO=A2・β/V , KA=A2/CA ここで、A:シリンダの断面積、β:圧力媒体の体積弾
性係数、V:シリンダから流量調整手段までの圧力媒体
の体積、CA:アキュムレータの容量係数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉砕装置に係わり、
粉砕時に発生する自励振動を防止できる加圧機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】回転するリング上に複数のローラを支持
して、原料を粉砕するローラ式粉砕装置には数種類のタ
イプがある。代表的な粉砕装置の全体構造を図7に示
す。
【0003】ヨーク10は減速機11の出力軸上に回転
可能なように取り付けられており、このヨーク10上に
は環状の粉砕リング1が固定されている。粉砕リング1
上のくぼみ部には、ローラブラケット3に軸及びベアリ
ングにより回転可能なように取り付けられたローラ2が
等間隔で3組設置されている。ローラブラケット3の上
部及び加圧フレーム9下面にはピボツトピン4が入る溝
が加工されており、ローラブラケット3及びローラ2は
ピボツトピン4を介して加圧フレーム9により粉砕リン
グ1上に加圧されるとともに、ピボツトピン4を中心に
ローラ2が振り子運動できるようになっている。加圧フ
レーム9にはピボツトアーム12が取り付けられてお
り、このピボツトアーム12のもう一方の端は油圧シリ
ンダ17に固定された加圧ロッド13とつながってい
る。
【0004】モータにより減速機11の入力軸を回転さ
せると、減速機11の出力軸に取り付けられたヨーク1
0及びヨーク10に固定された粉砕リング1が回転す
る。この時、油圧シリンダ17はローディングロッド1
3を下方向に引張っており、この引張り力はピボツトア
ーム12を介して加圧フレーム9を下方向に押し付ける
ように作用する。上述したような機構により、前記加圧
フレーム9、ピボツトピン4、ローラブラケット3を介
してローラ2が粉砕リング1上に強く押し付けられ、粉
砕リング1上の被粉砕物18の粉砕が効率よく行われ
る。
【0005】一方、被粉砕物(例えば、石炭)は中央上
部の供給管14から投下され、ローラ2と粉砕リング1
にはさまれ、圧壊作用により粉砕される。粉砕された被
粉砕物(例えば、微粉炭)は熱風に吹き上げられ、分級
器15を通り、所定の粒度のものは出口管16へ、それ
より粒度の大きいものは粉砕部へ落下し、再び粉砕され
る構造となっている。
【0006】上記の従来装置では、低負荷時や停止時に
粉砕装置内へ供給される被粉砕物が少量になったり、製
造する微粉の粒度を細かくするために分級度を上げた場
合、粉砕テーブル上の被粉砕物の粒度が細かくなって、
ローラと被粉砕物との間に滑りが発生し、これに伴い激
しい異常な振動が発生するという問題点があった。ロー
ラと被粉砕物に滑りが発生した場合、ローラに上下方向
の振動が誘発され、この振動が自励的に成長し非常に激
しい振動となるので、粉砕装置の運転を継続できない、
あるいは微粉の粒度を細かくできない等の支障をきたし
ている。
【0007】このような問題を解決するため、本願の発
明者によって、図8に示す技術が提案されている。この
技術は、油圧媒体26に流れ抵抗を与える手段として、
流量調整弁23を油圧管路27に設け、流量調整弁23
の開度を変えて油圧媒体26に対する流れ抵抗値を最適
な値に設定することにより油式ダンパーを形成し、粉砕
部の振動を吸収低減させるものである。
【0008】粉砕装置の運転中にローラ2と被粉砕物1
8の間に滑りが発生し、ローラ2が上下方向に激しく振
動すると、ローラブラケット3、加圧フレーム9、ピボ
ツトアーム12、加圧ロッド13、ピストン21も同様
に上下動し、シリンダ20内の油圧媒体26がシリンダ
20から流出または流入する。これに伴って、管路27
中の油圧媒体26も動き、油圧媒体26は流量調整弁2
3を通過し、アキュムレータ22に流出または流入する
ことになる。
【0009】図8に示す技術によれば、流量調整弁23
の開度を調整して油圧媒体26の流れに適当な抵抗を与
えてやることにより、流量調整弁23が油式ダンパとし
て機能して油圧媒体26の振動エネルギーを吸収するこ
とができる。
【0010】図8に示す技術と類似する公知例を図9に
示す(実開昭60−35753号公報)。この公知例も
粉砕装置の油圧機構に関するものであり、油圧シリンダ
114につながる配管117に流量調整弁118と逆止
弁119で構成されるダンパー装置120が設けられて
いる。ロッド115は粉砕ローラを加圧しており、粉砕
ローラの振動をダンパー装置120で吸収しようとする
ものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、粉
砕装置に発生する自励装置(振動数:10〜80Hz程
度、変位:10〜100μm程度)に対して、十分な振
動防止効果が得られない場合があるという問題点があっ
た。
【0012】図8、図9に示す従来装置は、ローラ2の
振動発生に伴うピストン21の振動によって生じた油圧
媒体26の振動(油の流れ)を、流量調整弁23で適切
な抵抗を与えて減衰させてやろうとするものである。し
かし、粉砕装置に発生する振動は比較的振動数が高く
(10〜80Hz程度)、変位が小さい(10〜100
μm程度)という特徴がある。そのため、単純に油圧配
管27に流量調整弁23とアキュムレータ22を配置し
ただけでは、振動が流量調整弁23まで伝わらない場合
がある。すなわち、ローラ1からピストン21までは、
鉄鋼材料などの固体であるため、確実に振動が伝わる
が、ピストン21と流量調整弁23の間の油圧媒体26
は油のような液体であるため、振動数の高い振動が伝わ
らないことがある。図8の技術は、流量調整弁23で油
圧媒体26の流れに対して適切な抵抗を与えて振動を吸
収するものであるため、振動が流量調整弁23まで伝わ
らなければ、ローラ1の振動を防止することはできな
い。
【0013】本発明の目的は、ローラに発生した振動を
油圧媒体を介して流量調整弁まで伝わるようにし、粉砕
装置の自励振動を確実に防止することができる加圧装置
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成並びに作用を有するもので
ある。
【0015】回転自在に支持された粉砕リング上に粉砕
用ローラを粉砕リング回転方向に沿って配置し、加圧さ
れた圧力媒体を収容するシリンダ近傍に流量調整手段と
アキュムレータを設けた加圧装置により、粉砕用ローラ
を粉砕リング上に加圧すると共に振動を防止して被粉砕
物を粉砕する粉砕装置であって、式(1)(2)で定義
されるシリンダ変位に対する油のバネ定数KOとシリン
ダ変位に対するアキュムレータのバネ定数KAの比、す
なわちKO/KAが100以上となるように、シリンダ断
面積、油の体積弾性系数、シリンダから流量調整弁まで
の油圧媒体の体積、アキュムレータ容量を設定するもの
である。
【0016】 KO=A2・β/V (1) KA=A2/CA (2) ここで、 A:シリンダの断面積 β:圧力媒体の体積弾性係数 V:シリンダから流量調整手段までの圧力媒体の体積 CA:アキュムレータの容量係数 CA=Va0/(n・Pa0)=Vai・Pai/(n・P2 a0) Pai:アキュムレータのガス封入圧力 Vai:アキュムレータのガス封入体積 Pao:アキュムレータの使用圧力 Vao:使用時のガス体積 n :ポリトロープ指数 この際に、ロッドの変位に対する油圧媒体のバネ定数K
Oとロッド変位に対するアキュムレータのバネ定数KA
比をKO/KA≧100とすると、ピストンの動きによっ
て油圧媒体に流れが生じ、流量調整弁を通過してアキュ
ムレータに流れ込もうとした時、アキュムレータのガス
の収縮によって押し返す力が小さいので、油圧媒体はア
キュムレータ内に流れ込みやすい。そのため、ローラの
振動に伴うピストン21の振動が油圧媒体を介して流量
調整弁まで良く伝わるようになり、油圧装置が確実にダ
ンパとして機能し、ローラの振動を防止することができ
る。
【0017】これに対して、KO/KA<100の条件下
では、ピストンの動きによって油圧媒体が動こうとして
も、アキュムレータ内のガスの収縮によるバネの作用に
よって、油圧媒体の動きが抑制されてしまう。そのた
め、油圧媒体が流量調整弁を通過できる量が少なくなる
ので、振動が流量調整弁までほとんど伝わらず、ローラ
の振動を防止することができない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1〜
図6を用いて以下説明する。図1は、本発明の実施形態
に係る粉砕装置の側面図を示す。粉砕リング1上のくぼ
み部には、ローラブラケット3に軸5により回転可能に
支持されたローラ2が設置されている。ローラブラケッ
ト3の上部及び加圧フレーム9の下面にはピボツトピン
4が入る溝が加工されており、ローラブラケット3及び
ローラ2はピボツトピン4を介して加圧フレーム9によ
り粉砕リング1上に押しつけられるとともに、ローラ2
がピボツトピン4を中心に振り子運動できるようになっ
ている。
【0019】加圧フレーム9にはピボツトアーム12が
取り付けられており、このピボツトアーム12のもう一
方の端部は加圧ロッド13とつながっている。加圧ロッ
ド13のもう一方の端部は、油圧シリンダ32内に収容
されたピストン31に取り付けられている。
【0020】油圧シリンダ51内には、油圧源59から
加圧された油圧媒体44を供給するための配管52に取
り付けられ、この配管52には、流量調整弁53、アキ
ュムレータ54が取り付けられている。油圧シリンダ5
1、配管52、アキュムレータ54の仕様は、油圧媒体
のバネ定数KOとアキュムレータのバネ定数KAの比KO
/KA100以上となるようにしている。
【0021】具体的には、油のバネ定数KOに影響する
油圧媒体の体積VO(シリンダの断面積A、ストローク
R、配管の内径φDP、配管長さLから決まる)、シリ
ンダの断面積A(シリンダの内径φDC、加圧ロッドの
径φDRから決まる)、アキュムレータのバネ定数KA
影響するアキュムレータの容量系数CA(ガス封入圧力
ao、ガス封入体積Vao、油圧媒体の使用圧力Piから
決まる。)を調整してKO/KA≧100となるように決
定している。
【0022】結論的に云えば、本発明は次のような構成
並びに作用を有するものである。
【0023】回転自在に支持された粉砕リング上に粉砕
用ローラを粉砕リング回転方向に沿って配置し、加圧さ
れた圧力媒体を収容するシリンダ近傍に流量調整手段と
アキュムレータを設けた加圧装置により、粉砕用ローラ
を粉砕リング上に加圧すると共に振動を防止して被粉砕
物を粉砕する粉砕装置であって、式(1)(2)で定義
されるシリンダ変位に対する油のバネ定数KOとシリン
ダ変位に対するアキュムレータのバネ定数KAの比、す
なわちKO/KAが100以上となるように、シリンダ断
面積、油の体積弾性系数、シリンダから流量調整弁まで
の油圧媒体の体積、アキュムレータ容量を設定するもの
である。
【0024】 KO=A2・β/V (1) KA=A2/CA (2) ここで、 A:シリンダの断面積 β:圧力媒体の体積弾性係数 V:シリンダから流量調整手段までの圧力媒体の体積 CA:アキュムレータの容量係数 CA=Va0/(n・Pa0)=Vai・Pai/(n・P2 a0) Pai:アキュムレータのガス封入圧力 Vai:アキュムレータのガス封入体積 Pao:アキュムレータの使用圧力 Vao:使用時のガス体積 n :ポリトロープ指数 この際に、ロッドの変位に対する油圧媒体のバネ定数K
Oとロッド変位に対するアキュムレータのバネ定数KA
比をKO/KA≧100とすると、ピストンの動きによっ
て油圧媒体に流れが生じ、流量調整弁を通過してアキュ
ムレータに流れ込もうとした時、アキュムレータのガス
の収縮によって押し返す力が小さいので、油圧媒体はア
キュムレータ内に流れ込みやすい。そのため、ローラの
振動に伴うピストン21の振動が油圧媒体を介して流量
調整弁まで良く伝わるようになり、油圧装置が確実にダ
ンパとして機能し、ローラの振動を防止することができ
る。
【0025】これに対して、KO/KA<100の条件下
では、ピストンの動きによって油圧媒体が動こうとして
も、アキュムレータ内のガスの収縮によるバネの作用に
よって、油圧媒体の動きが抑制されてしまう。そのた
め、油圧媒体が流量調整弁を通過できる量が少なくなる
ので、振動が流量調整弁までほとんど伝わらず、ローラ
の振動を防止することができない。
【0026】図1において、ローラ2と被粉砕物18に
滑りが発生し、ローラ2が上下方向に振動すると、ロー
ラブラケット3、加圧フレーム9、ピボツトアーム1
2、加圧ロッド13、ピストン50を介して油圧媒体5
5も振動する。本発明の実施形態に係る粉砕装置では、
振動を油圧媒体55を介して流量調整弁53まで確実に
伝えることができ、流量調整弁53抵抗値を適切に設定
することによって油圧装置をダンパとして機能させ、ロ
ーラ1の振動を吸収することが可能である。以下にこの
理由について説明する。
【0027】単に配管52に流量調整弁53とアキュム
レータ54を配置しただけでは、振動を防止できない場
合があることを経験上確認できた。この原因を調べた結
果、以下のことが明らかとなった。
【0028】シリンダ51のサイズや油圧媒体55の体
積に対して比較的小さなアキュムレータ54を用いた場
合、ピストン50の振動により油圧媒体55が流量調整
弁53を通過してアキュムレータ54内に流入しようと
しても、アキュムレータ54内のガスの収縮により発生
する圧力上昇によって押し返されるため、油圧媒体に十
分な流れが生じない。そのため、ピストン50の振動が
流量調整弁53まで伝わらず、振動吸収効果が発生しな
い。
【0029】これに対して、シリンダサイズや油圧媒体
55の体積に対して比較的大きなアキュムレータ54を
用いた場合には、油圧媒体55が流量調整弁53を通過
してアキュムレータ54に流れ込んでもアキュムレータ
54内のガスの収縮による圧力上昇が小さく油圧媒体5
5を押し返す力も小さいので、油圧媒体55には十分な
流れが発生する。そのため、ピストン50の振動が流量
調整弁53に十分伝わり、これによりローラ2の振動を
防止することが可能である。
【0030】振動防止効果が得られる条件を定量的に調
べるため、実験との比較によって検証を行った加圧装置
の解析モデルを用いて数値解析を行った。解析モデルに
振動変位を入力し、この時の油圧媒体52の圧力変動や
加圧ロッド13の荷重変動を調べた。加圧ロッド13の
荷重変動と振動変位の関係を図2に模式的に示す。
【0031】荷重の変動は油圧シリンダ51内の油圧媒
体55の圧力の変動、変位は油圧シリンダ51内のピス
トン50の振動に相当するものである。荷重−変位ルー
プがヒステリシスを描いて膨らむのは、油圧媒体55が
流量調整弁53を通過するときの抵抗によるもので、ピ
ストン50の振動が油圧媒体55を介して流量調整弁5
3まで伝わらなければ、荷重変位ループは膨らまない。
荷重−変位ループの面積Wは油圧装置が1サイクルの振
動で吸収できるエネルギーに相当し、この時の減衰定数
Cは次式で求められ、減衰定数Cが大きいほど、振動防
止効果が大きいことになる。
【0032】 C=W/(πωX2) (3) 解析では油圧媒体55のバネ定数とアキュムレータ54
のバネ定数の比KO/KAをパラメータとした。KOは、
油圧シリンダ51内及び配管52内の油圧媒体52のバ
ネ定数で、油圧シリンダ51の断面積A、油圧媒体の油
圧媒体52のバネ定数から、前述の式(1)で計算でき
る。KOは、流量調整弁53を完全に閉じてピストン5
0に変位が生じたときのバネ定数に相当する。
【0033】また、アキュムレータのバネ定数KAは前
述の式(2)で求められ、流量調整弁53がない場合
に、アキュムレータ54内のガスの圧縮/膨張によって
生じるピストン53の変位と荷重の関係を表すバネ定数
である。
【0034】図3に加圧装置の減衰定数Cと流量調整弁
の抵抗値Rの関係を示す。横軸のR(Ns/mm5)
は、流量調整弁の前後での圧力差をΔP(N/mm
2)、流量をQ(mm3/s)とした時、次式で定義され
る流量調整弁53の抵抗値である。
【0035】 R=ΔP/Q (4) 図3から分かるように、各KO/KAにおいて、流量調整
弁の抵抗値Rを変化させると減衰定数Cが変化し、減衰
定数Cが極大となる最適な抵抗値Rが存在する。抵抗値
Rを変えたとき減衰定数Cが変化するということはピス
トン50の振動が油圧媒体55を介して流量調整弁53
まで伝わっていることを意味している。
【0036】KO/KA=50では、抵抗値Rを変化させ
ても、減衰定数Cはほとんど増加していない。これは、
油圧媒体が流量調整弁を通過してアキュムレータに流れ
込もうとしても、アキュムレータ内のガスの収縮による
バネ作用により押し返されて、振動(油圧媒体の流れ)
が流量調整弁までほとんど伝わらないためである。
【0037】これに対して、KO/KA≧100の場合に
は、抵抗値Rを変化させることにより減衰定数Cが大き
くなり、振動吸収効果が発生している。KO/KAが大き
いということは、油圧シリンダから流量調整弁までの油
圧媒体が流れやすいということであり、このような結果
から、KO/KA≧100程度にすれば、ピストン50の
振動を流量調整弁まで伝えることができる。すなわちロ
ーラ2の振動を油圧媒体55を介して流量調整弁53ま
で伝えて振動吸収できることが明らかである。
【0038】次に本発明の実施形態の具体的な寸法の例
を示す。
【0039】(1)KO/KA≧100の条件を満足する
場合 加圧装置各部の寸法や仕様をKO/KA≧100の条件を
満足できるように決定した例を以下に示す。
【0040】 ・シリンダ及び配管の寸法 シリンダ径 :φDC=φ100mm ロッド径:φDR=56mm シリンダ断面積:A=5391mm2 ストローク:SR=50mm 配管径 :φDP=19mm 配管長さ:L=300mm 油圧媒体体積 :V=3.55×105mm3 油圧媒体の体積弾性係数は、図4(「新・知りたい油圧
基礎編」、ジャパンマシニスト社)にその例を示すよ
うに、空気が混入すると急激に低下する特性がある。K
Oの計算には油圧媒体に空気が数%混入していることを
想定して、β=500N/mm2とすると、KOは4.0
9×104N/mmとなる。
【0041】 ・アキュムレータの仕様 ガス封入体積:Vai=1.0×106mm3 ガス圧力:Pai=1.9N/mm2 使用圧力 :PaO=4N/mm2 ポリトロープ指数をn=1.4とすると、式(2)のK
Aは343N/mmとなる。
【0042】・KO/KA 上記結果より、KO/KAは119となり、KO/KA≧1
00を満足する。
【0043】(2)KO/KA≧100の条件を満足しな
い場合の例 比較例として、KO/KA≧100を満足できない例を下
記に示す。
【0044】a.油圧媒体の体積が大きすぎる場合 (1)の例において、シリンダのストロークをSR=1
0mm、配管長さをL=1500mmとした場合には、
油圧媒体の体積がV=9.64×105mm3となる。こ
の場合、式(1)で計算できるKOは1.51×104
/mmで、KO/KAは43.9となりKO/KA≧100
を満足できない。
【0045】b.アキュムレータ容量が小さい場合 (1)の例において、アキュムレータの大きさ、すなわ
ちガス封入体積を3×105mm3とすると、KAは11
42N/mmとなる。この場合、KO/KAは35.8と
なり、KO/KA≧100を満足しない。
【0046】上記の結果を確認するため、実際の粉砕装
置を用いた実験を行った。実験においてはKO/KAをパ
ラメータとして、振動防止効果を調べた。KO/KAを変
化させる方法としては、例えば、シリンダ51の大きさ
や配管52の長さを変えて油圧媒体55の体積Vを変え
る、アキュムレータ容量CAを変える等があるが、これ
らの方法では装置の改造が必要である。最も簡便な方法
として、油圧媒体52に空気を混入させて体積弾性係数
βを変化させる方法があり、これによりKO/KAを変化
させた。図4に示したように、空気を混入させることに
よりβは大きく変化する。
【0047】一般に、粉砕装置では、分級器15(図7
参照)の回転数を上げて、粉砕装置内の微粉度を上げる
と自励振動が発生する。実験では、KO/KAをパラメー
タとして自励振動が発生する分級器の回転数の変化を比
較することにより、KO/KAと振動防止効果の関係を調
べた。結果を図5に示す。
【0048】KO/KA≒30の場合には無次元化した分
級器回転数が0.7で自励振動が発生し、減速機加速度
が増加しているのに対して、KO/KA≒60では、無次
元化した分級器回転数が1まで振動が発生せず、1.1
で自励振動が発生した。KO/KAをより増加させれば、
更に振動防止効果が大きくなり自励振動が発生する分級
器回転数は増加するが、通常の運転範囲(分級器回転数
/定格分級器回転数が1以上)で振動が発生しなけれ
ば、防振効果としては十分である。
【0049】以上のように、本発明によれば、ローラに
発生した振動を油圧媒体を介して確実に流量調整弁まで
伝えて、振動吸収することができ、粉砕装置の自励振動
を防止することが可能である。
【0050】図6に本発明の他の実施形態を示す。本実
施形態は油圧シリンダのヘッド側(加圧ロッドがない
側)を利用して振動吸収するようにしたものである。こ
の場合、油圧シリンダ51のヘッド側の断面積Aはシリ
ンダの内径φDCが同じでも加圧ロッド13がないため
ロッド側に比べて大きくなる。油のバネ定数KO、アキ
ュムレータのバネ定数KAはそれぞれ、式(1)(2)
で表されるので、シリンダ断面積Aが変化してもKO
Aは変化しない。従って、図1の実施形態と同じ振動
防止効果が得られることになる。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る粉砕装置の加圧機構によれ
ば、粉砕時の振動を防止することが可能であり、振動発
生により運転範囲が制限されるようなことはなく、安定
な粉砕が可能となる。
【0052】また、従来振動発生により実現できなかっ
た被粉砕物の超微粉化も可能となり、例えば、本発明を
石炭焚火力発電ボイラの石炭粉砕装置に適用した場合に
は、石炭の超微粉化により燃焼効率が向上するなど、多
大な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る粉砕装置の側面図であ
る。
【図2】本実施形態における加圧装置の荷重と変位の関
係を示す模式図である。
【図3】本実施形態における加圧装置の減衰定数の及ぼ
すKO/KAの影響の実験結果を示す図である。
【図4】油の体積弾性係数に及ぼす空気混入量の影響を
示す図である。
【図5】粉砕装置の振動防止効果に及ぼすKO/KAの影
響を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態の側面図である。
【図7】従来の粉砕装置の全体側面図である。
【図8】従来の粉砕装置の側面図である。
【図9】従来の粉砕装置の加圧機構の側面図である。
【符号の説明】
1 粉砕リング 2 ローラ 3 ローラブラケット 4 ピボットピン 5 軸 9 加圧フレーム 12 ピボットアーム 13 加圧ロッド 18 被粉砕物 50 ピストン 51 シリンダ 52 配管 53 流量調整弁 54 アキュムレータ 55 油圧媒体 59 油圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐古田 光太郎 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持された粉砕リング上に粉
    砕用ローラを前記粉砕リングの回転方向に沿って配置
    し、加圧された圧力媒体を収容するシリンダ近傍に流量
    調整手段とアキュムレータを設けた加圧装置により、粉
    砕用ローラを粉砕リング上に加圧すると共に振動を防止
    して被粉砕物を粉砕する粉砕装置であって、 次式で表される圧力媒体のバネ定数KOとアキュムレー
    タのバネ定数KAの比が、KO/KA≧100となること
    を特徴とする粉砕装置。 KO=A2・β/V KA=A2/CA ここで、 A:シリンダの断面積 β:圧力媒体の体積弾性係数 V:シリンダから流量調整手段までの圧力媒体の体積 CA:アキュムレータの容量係数 CA=Va0/(n・Pa0)=Vai・Pai/(n・P2 a0) Pai:アキュムレータのガス封入圧力 Vai:アキュムレータのガス封入体積 Pao:アキュムレータの使用圧力 Vao:使用時のガス体積 n :ポリトロープ指数
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012531300A (ja) * 2009-06-24 2012-12-10 アルストム テクノロジー リミテッド 粉砕機の必須のばね装置のための力監視装置

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