JP2000133532A - コイル - Google Patents

コイル

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JP2000133532A
JP2000133532A JP10319873A JP31987398A JP2000133532A JP 2000133532 A JP2000133532 A JP 2000133532A JP 10319873 A JP10319873 A JP 10319873A JP 31987398 A JP31987398 A JP 31987398A JP 2000133532 A JP2000133532 A JP 2000133532A
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JP
Japan
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winding
bobbin
reinforcing plate
pair
magnetic core
Prior art date
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Application number
JP10319873A
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English (en)
Inventor
Takao Kakigi
孝夫 柿木
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TODAI MUSEN KK
TOUDAI MUSEN KK
Original Assignee
TODAI MUSEN KK
TOUDAI MUSEN KK
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Publication date
Application filed by TODAI MUSEN KK, TOUDAI MUSEN KK filed Critical TODAI MUSEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイルを支障なく薄型にする。 【解決手段】 基板部11の両端側から同じ向きに一対
の脚板部12、12を一体に突き出すように延設させた
薄板状磁性板10を積層して構成される磁心体1と、こ
の磁心体1の一面側に添って設けられる補強板部21
と、この補強板部21に一面側を添わせた前記磁心体1
における前記一対の脚板部部分13、13の少なくとも
一部をそれぞれ、当該補強板部21とにより偏平筒状の
巻線部位22を構成して当該巻線部位22に収め入れる
カバー部22bとを備え、かつ、絶縁性材料から構成さ
れているボビン2とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板状磁性板を積
層して構成される磁心体を有するコイルの改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器において、磁性板を積層
して構成される磁心体を有するコイルが種々の用途に用
いられているが、近年の電子機器の小型化、軽量化、薄
型化の要請から、かかるコイルもできる限り薄型にする
ことが求められてきている。特に、携帯電話のバックラ
イトのインバータートランス、モデムカードのライント
ランス、ノート型のパーソナルコンピュータ内蔵モデム
のライントランスなど、携行が予定される電子機器に用
いられるコイルにおいてこうした薄型化が強く求められ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうしたコイルをでき
る限り薄く構成するためには、前記磁心体の厚さ(この
磁心体の外側にコイルボビンを介して施される巻線の巻
回軸線に対し直交する向きの厚さ)寸法を小さくするこ
とが一つの方策となり、これには、かかる磁心体を構成
するように積層される各磁性板をできる限り薄くするこ
とが有効と考えられる。
【0004】しかし、単純に前記磁心体を構成する各磁
性板を薄くしてしまうと、かかる磁性板を薄くすればす
るほど当該磁心体のコイルボビンへの装着や、構成され
たコイルの回路への組み込みなどにおいて加わる外力に
より当該磁性板が変形してしまい易くなる。そして、こ
のような磁性板の変形が生じるとコイルの電気的特性を
所期値に保つことができなくなる。
【0005】また、この種のコイルの前記巻線の巻回軸
線が、電子機器の厚さ方向に直交する向き、すなわち、
横向きになるように、当該コイルを当該電子機器の回路
に組み込めるように当該コイルを構成することが、かか
る電子機器の薄型化に資する一つの方策となるが、コイ
ルの巻線部位を単一とし、この単一の巻線部位に一次側
の巻線と二次側の巻線とを重ねて施す限り、この巻線に
よりかかる巻線部位は比較的厚くならざるを得ず、こう
した手法ではコイルの十分な薄型化は図れないといえ
る。
【0006】そこでこの発明は、この種のコイルの磁心
体を構成する磁性板を薄くしても、格別の支障を生じさ
せない構造を備えており、また、巻線によるコイルの厚
さの増大をできる限り小さくでき、したがって、コイル
における巻線の巻回軸線に対し直交する向きの厚さをで
きる限り薄くできるようにしたコイルの提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明にあっては、コイルを、基板部
の両端側から同じ向きに一対の脚板部を一体に突き出す
ように延設させた薄板状磁性板を積層して構成される磁
心体と、この磁心体の一面側に添って設けられる補強板
部と、この補強板部に一面側を添わせた前記磁心体にお
ける一対の脚板部部分の少なくとも一部をそれぞれ、当
該補強板部とにより偏平筒状の巻線部位を構成して当該
巻線部位に収め入れるカバー部とを備え、かつ、絶縁性
材料から構成されているボビンとを有している構成のも
のとした。
【0008】かかる構成によれば、前記ボビンの補強板
部により、積層される薄板状磁性板の変形などができる
限り生じ難いようにすることができ、かかる磁性体の変
形に伴うコイルの電気的特性の変動、劣化を生じさせ難
いようにすることができる。したがって、かかる磁性体
をできる限り薄く構成することができ、また、磁性体を
構成する薄板状磁性板の積層枚数を支障なく減少させる
ことができ、この結果、かかる薄板状磁性板の積層方向
でのコイルの厚さ寸法をできる限り限り小さくできる。
【0009】また、請求項2記載の発明にあっては、請
求項1記載のコイルにおけるボビンの二か所の巻線部位
のそれぞれに一次側の巻線が施されると共に、当該二か
所の巻線部位における前記一次側の巻線が施されていな
い箇所にそれぞれ二次側の巻線が施されている構成とし
た。
【0010】かかる構成によれば、前記巻線部位が偏平
筒状をなし、かつ、別個に、並列状態に設けられてお
り、しかも、一つの巻線部位に一次側の巻線と二次側の
巻線とが重ねて巻回されないことから、前記巻線部位の
短寸方向、すなわち、前記薄板状磁性板の積層方向にお
ける巻線後の厚さ寸法をより一層小さくできる。
【0011】また、請求項3記載の発明にあっては、請
求項1記載のコイルにおけるボビンの二か所の巻線部位
の一方に一次側の巻線が、当該二か所の巻線部位の他方
に二次側の巻線が施されている構成とした。
【0012】かかる構成によれば、一次側の巻線の巻線
部位と二次側の巻線の巻線部位とが偏平筒状をなし、か
つ、別個に、並列状態に設けられており、しかも、一つ
の巻線部位に一次側の巻線と二次側の巻線とが重ねて巻
回されないことから、前記巻線部位の短寸方向、すなわ
ち、前記薄板状磁性板の積層方向における巻線後の厚さ
寸法をより一層小さくできる。
【0013】また、請求項4記載の発明にあっては、請
求項1、請求項2又は請求項3記載のコイルを構成する
ボビンがさらに、補強板部と巻線部位とを備えた一対の
ボビン体を接合して構成してあると共に、一方のボビン
体の接合部と他方のボビン体の接合部とに、相互に嵌り
合う凹部と突部とが設けてあり、この凹部に突部を収め
た接合状態において一方のボビン体の補強板部と他方の
ボビン体の補強板部とが磁心体に添装される側の面を同
一の平面上に位置付けるように構成してあるものとし
た。
【0014】かかる構成によれば、一対のボビン体を接
合する前に、それぞれのボビン体の巻線部位に巻線を施
し、この後、前記接合をなすことにより、それぞれのボ
ビン体の前記補強板部における磁心体に添装される側の
面に段差を生じないようにしてボビンの補強板部を形成
させることができ、巻線部位へ巻線を施す作業を行い易
くしながら、補強板部による磁心体の支持に支障を生じ
ないようにすることができる。
【0015】また、請求項5記載の発明にあっては、請
求項1、請求項2又は請求項3記載のコイルを構成する
ボビンがさらに、補強板部と巻線部位とを備えた一対の
ボビン体を接合して構成してあると共に、この一対のボ
ビン体における補強板部がそれぞれ、巻線部位の外側に
形成された当該巻線部位の内側面に対して低められた段
落ち部に当該巻線部位の内側面と同面をなすように形成
されたプラスチック材料よりなる絶縁性の二次成形層を
備えており、当該二次成形層が、前記巻線部位に巻線を
施した一対のボビン体を接合させた状態で、当該一対の
ボビン体の前記段落ち部間に亙るように形成してあるも
のとした。
【0016】かかる構成によれば、一対のボビン体を接
合する前に、それぞれのボビン体の巻線部位に巻線を施
し、この後、前記接合をなし、かつ、一対のボビン体の
段落ち部に前記二次成形層を備えさせることにより、そ
れぞれのボビン体の前記補強板部における磁心体に添装
される側の面に段差を生じないようにしてボビンの補強
板部を形成させることができ、巻線部位へ巻線を施す作
業を行い易くしながら、補強板部による磁心体の支持に
支障を生じないようにすることができる。
【0017】また、請求項6記載の発明にあっては、請
求項4又は請求項5記載のコイルがさらに、一対のボビ
ン体における接合部と反対側にある補強板部の端面から
外方に突き出すように端子が設けてあると共に、当該補
強板部における接合部と反対の側にある縁部に沿って添
装される磁心体の端面を覆うように絶縁側板部が突設し
てある構成を備えたものとした。
【0018】かかる構成によれば、前記のように接合さ
れる一対のボビン体により構成されるボビンに、その端
子とこのボビンに装着される磁心体との間の絶縁性を確
保する前記絶縁性側板部を、当該ボビンの幅寸法、厚さ
寸法をできる限り小さくさせた状態で備えさせることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の典型的な実施の
形態について説明する。
【0020】(第一の実施の形態)先ず、図1ないし図
18に示される実施の形態について説明する。なお、こ
こで図1ないし図10は、コイルのボビン2を構成する
ボビン体24をそれぞれ示しており、図1は当該ボビン
体24の一つを補強板部21の一面側から見て、また、
図2は図1と反対の側から見て、また、図3は図1にお
ける左側から、また、図4は図1における右側から、ま
た、図5は図1における上側から、当該ボビン体24を
見てそれぞれ示している。また、図6はボビン体24を
長さ方向に沿って断面にして、また、図7および図8は
当該ボビン体24を幅方向に沿って断面にして、それぞ
れ示している。また、図9および図10は、ボビン体2
4を斜視の状態でそれぞれ示している。
【0021】また、図11は、巻線部位22にそれぞれ
巻線Mを施され、接合部24c側を向き合わせて接合さ
れる直前の一対のボビン体24、24を示しており、ま
た、図12は、接合部24cをもって接合されボビン2
を構成した一対のボビン体24、24と、このボビン2
における巻線部位22に脚板部12を差し入れられる複
数の薄板状磁性板10、10…とを斜視の状態で示して
いる。
【0022】また、図13ないし図18は、コイルをそ
れぞれ示しており、図13はかかるコイルを斜視の状態
として、図14は補強板部21の一面側から見て、図1
5は図14と反対の側から見て、図16は図14におけ
る左側から見た状態で、また、図17および図18はコ
イルを幅方向に沿って断面にして、それぞれ示してい
る。
【0023】この実施の形態にかかるコイルは、磁心体
1とボビン2とを有する。
【0024】磁心体1は、基板部11の両端側において
それぞれ、同じ向きに脚板部12を一体に突き出すよう
に延設させた薄板状磁性板10を積層して構成されてい
る。すなわち、この実施の形態にあっては、平面視にお
いてコ字状をなし、かつ、前記基板部11と脚板部12
とを同一の平面上に位置させるように、同面に配した薄
板状磁性板10を、積層して前記磁心体1を構成してい
る。各薄板状磁性板10は、いずれも略同寸、同形状に
構成してある。また、一対の脚板部12、12の長さ寸
法は、互いに等しくなるように構成してある。
【0025】かかる各薄板状磁性板10の積層は、一般
に、積層される各薄板状磁性板10が、その脚板部12
において、当該脚板部12の突き出し方向にある側縁1
2aを他の薄板状磁性板10の突き出し方向にある側縁
12aに沿わせ、かつ、他の薄板状磁性板10の突き出
し方向にある側縁12aから側方にズレ出さないように
してなされる。このような積層は、例えば、各薄板状磁
性板10の基板部11を同じ側に重ね合わせるようにし
ても、なすことができるが、この実施の形態にあって
は、積層されて隣り合う一方の薄板状磁性板10の基板
部11と他方の薄板状磁性板10の基板部11とが、反
対に位置されるように、一方の薄板状磁性板10の基板
部11が他方の薄板状磁性板10の脚板部12の突き出
し端側に重ね合わされるようにして、前記積層をなして
いる。この結果、この実施の形態にあっては、前記磁心
体1は、周回状をなす短寸の角筒状の外観を呈してい
る。
【0026】一方、前記ボビン2は、第一に、前記磁心
体1の一面側10aに添って設けられ、この一面側10
aに添装される上面21aを平坦面とした補強板部21
を有している。この補強板部21は、前記薄板状磁性板
10の基板部11における脚板部12の延設側と反対の
側縁11aから当該脚板部12の突き出し端12c縁ま
での長さ以上の長さと、当該薄板状磁性板10の一対の
脚板部12、12の突き出し方向に沿った外側縁12b
間の寸法以上の幅とを有している。
【0027】また、かかるボビン2は、第二に、並列状
態に二か所の巻線部位22を有すると共に、この巻線部
位22を両端開口22aの偏平筒状に構成している。そ
して、この二か所の巻線部位22の一方に、前記のよう
に構成される磁心体1の一方の脚板部部分13を、ま
た、かかる二か所の巻線部位22の他方にかかる磁心体
1の他方の脚板部部分13を、それぞれ挿通状態に収め
る構成としてある。
【0028】より具体的には、かかるボビン2における
前記偏平筒状をなす巻線部位22は、前記補強板部21
における前記磁心体1の一面側10aに添装される上面
21aに向き合い、かつ、この上面21aと略平行をな
す内面を持つように形成された幅広板部22cおよび一
対の幅狭板部22d、22dとからなるカバー部22b
と、前記補強板部21との間で構成されている。補強板
部21の上面21aとカバー部22bにおける幅広板部
22cの内面との間の寸法は、前記磁心体1の厚さ寸法
に略等しく、カバー部22bにおける一対の幅狭板部2
2d、22dの内面間の寸法は、かかる磁心体1の脚板
部部分13の幅寸法に略等しくなるように構成してあ
る。
【0029】また、かかる偏平筒状をなす巻線部位22
における一方の開口22aから他方の開口22aまでの
長さが、この巻線部位22の一方の開口22aから前記
薄板状磁性板10の脚板部12を前記基板部11におけ
る脚板部12の突き出し側の側縁11bが当該一方の開
口22a縁に突き当たる位置まで差し入れた状態におい
て、他方の開口22a縁から前記脚板部12が前記基板
部11の幅寸法分突き出されるような長さとなるように
構成してある。
【0030】また、前記ボビン2における並列された二
か所の巻線部位22、22間には、この二か所の巻線部
位22、22に巻回された巻線M相互が接触し合わない
幅の隙間23が形成されており、一方の巻線部位22側
と他方の巻線部位22側とは、かかる巻線部位22を挟
んだ両側にある補強板部21部分で連接された構成とし
てある。
【0031】この結果、この実施の形態においては、前
記ボビン2における並列された二か所の巻線部位22、
22の一方に前記薄板状磁性板10の一方の脚板部12
を当該巻線部位22の一方の開口22a側から、また、
かかるボビン2における並列された二か所の巻線部位2
2、22の他方に前記薄板状磁性板10の他方の脚板部
12を当該巻線部位22の一方の開口22a側から、こ
の薄板状磁性板10の基板部11が巻線部位22の一方
の開口22a縁に突き当たる位置まで差し入れることに
より、前記補強板部21により添装状態に当該薄板状磁
性板10を支持させた状態で、当該薄板状磁性板10の
一対の脚板部12、12をそれぞれ前記巻線部位22の
内側に差し通すことができる。また、このようにボビン
2における巻線部位22に脚板部12を先行して差し通
された薄板状磁性板10に対し、続いて積層される薄板
状磁性板10を先行する薄板状磁性板10の脚板部12
が差し入れられた前記巻線部位22の開口22aと反対
の開口22aから前記のように当該巻線部位22に差し
通すようにして複数の薄板状磁性板10を積層させるこ
とにより、このように積層された薄板状磁性板10によ
り前記の周回状をなす短寸の角筒状の外観を呈する磁心
体1を形成させることができ、しかも、この磁心体1に
おける一対の脚板部部分13、13がそれぞれガタつき
なく前記巻線部位22に差し通された状態を作り出すこ
とができる。なお、かかる薄板状磁性板10の積層状態
の維持は、例えば、いわゆるワニスなどを積層されたか
かる薄板状磁性板10の表面に塗付することによりなす
ことができる。
【0032】そして、かかるボビン2における一対の巻
線部位22、22の一方に一次側の巻線Mを施し、ま
た、当該一対の巻線部位22、22の他方に二次側の巻
線Mを施してコイルを構成するようにしてある。
【0033】この実施の形態にあっては、前記ボビン2
が、薄板状磁性板10を積層して構成される磁心体1の
一面側に添う補強板部21を有することから、例えば、
厚さを0.1mm以下とする鉄ニッケル磁性合金板など
を薄板状磁性板10として磁心体1を構成する場合で
も、積層される薄板状磁性板10の変形などができる限
り生じ難いようにすることができ、かかる磁心体1の変
形に伴うコイルの電気的特性の変動、劣化を生じさせ難
いようにすることができる。したがって、かかる磁心体
1をできる限り薄く構成することができ、また、磁心体
1を構成する薄板状磁性板10の積層枚数を支障なく減
少させることができる。
【0034】また、一次側の巻線Mの巻線部位22と二
次側の巻線Mの巻線部位22とが別個に、並列状態に設
けられており、一つの巻線部位22に一次側の巻線Mと
二次側の巻線Mとが重ねて巻回されないことから、巻線
部位22における巻線後の厚さ寸法もできる限り小さく
できる。
【0035】したがって、この実施の形態にかかるコイ
ルによれば、コイル全体をできる限り薄型に構成するこ
とができる。より具体的には、前記ボビン2における補
強板部21の下面21b側(磁心体1の一面側10aに
添って設けられる上面21aと反対の側)から巻線部位
22における幅広板部22cの外面側に向けたコイルの
厚さをできる限り薄くなるように構成できる。この結
果、この実施の形態にかかるコイルは、携帯用の薄型の
電子機器に用いるのに適しており、また、この種の電子
機器をより薄型に構成できるようにするものである。
【0036】また、この実施の形態にかかるコイルによ
れば、一次側の巻線部位22と二次側の巻線部位22と
が別個に、並列状態に設けられていることから、一次側
の巻線Mと二次側の巻線Mの巻き数と長さとを均一にす
るように巻線Mを施すことができ、一次側の巻線Mと二
次側の巻線Mとの直流抵抗などに起因した電気的特性に
差が生じないようにコイルを構成することができる。こ
うした場合、電気回路へのコイルの取り付けに方向性が
なくなり、当該回路へのコイルの設置にあたって格別の
配慮を払う労力を軽減することができる。
【0037】また、この実施の形態にあっては、前記ボ
ビン2が、一対のボビン体24、24を接合して構成し
てある。
【0038】この実施の形態にあっては、かかる一対の
ボビン体24、24は、同寸、同形に構成してある。
【0039】それぞれのボビン体24は、いずれも、前
記細長い板状をなす補強板部21を有すると共に、この
補強板部21の略中程に一つの前記巻線部位22を備え
ている。また、前記補強板部21が、前記偏平筒状をな
す巻線部位22を挟んだ両側部24aにおいて、その板
幅を広くするように構成してある。
【0040】そして、このように構成される一対のボビ
ン体24、24の一方の補強板部21における長さ方向
に亙る厚さ側の一側端面24bと、かかる一対のボビン
体24、24の他方の補強板部21における長さ方向に
亙る厚さ側の一側端面24bとを突き合わせた状態で、
一対のボビン体24、24を接合して前記ボビン2を構
成している。
【0041】また、かかる一対のボビン体24、24は
それぞれ、前記接合をなす接合部24cとなる補強板部
21の一側端面24bにおける、前記巻線部位22を挟
んだ一方側に小孔24dを、また、他方側に当該小孔2
4dの嵌る突起24eを備えている。一つのボビン体2
4における前記小孔24dと突起24eは、かかるボビ
ン体24の長さ方向中程の位置から等しい間隔を開けて
設けてある。そして、かかる一対のボビン体24、24
は前記のように同寸、同形をなしているため、前記補強
板部21の上面21aが同じ向きになるようにそれぞれ
の接合部24cを向き合わせると、一方のボビン体24
の小孔24dに他方のボビン体24の突起24eを入り
込ませ、かつ、他方のボビン体24の小孔24dに一方
のボビン体24の突起24eを入り込ませて、一対のボ
ビン体24、24は接合し合わされる。
【0042】そして、この実施の形態にあっては、かか
る接合状態において一方のボビン体24の補強板部21
と他方のボビン体24の補強板部21とが磁心体1に添
装される側の面、すなわち補強板部21の上面を同一の
平面上に位置付けるように構成してある。
【0043】この結果、この実施の形態にあっては、一
対のボビン体24、24を接合する前に、それぞれのボ
ビン体24の巻線部位22に巻線Mを施し、この後、前
記接合をなすことにより、それぞれのボビン体24の前
記補強板部21の上面21aに段差を生じないようにし
てボビン2の補強板部21を形成させることができ、巻
線部位22へ巻線Mを施す作業を行い易くしながら、補
強板部21による磁心体1の支持に支障を生じないよう
にすることができる。
【0044】また、各ボビン体24の接合部24cにお
いて前記補強板部21が幅広にされていることから、前
記接合状態において並列される一方のボビン体24の巻
線部位22と他方の巻線部位22との間には、施された
巻線Mが接触し合わない程度の隙間23を確保すること
ができる。
【0045】なお、この実施の形態にあっては、一対の
ボビン体24、24を同寸、同形に構成しながら、前記
接合により二か所の巻線部位22を備えたボビン2を構
成でき、一種類のボビン体24によりかかるボビン2を
構成できる特長を有する。
【0046】また、各ボビン体24における偏平筒状を
なす巻線部位22の両開口22a、22aに接する幅広
板部22cと幅狭板部22dの端部に、外鍔24fが形
成してあると共に、この巻線部位22において補強板部
21の下面21bが前記外鍔24fの突き出し寸法相当
分低くなるように構成され、かかる外鍔24fの内方面
24gに連続する段差面24hが形成してあり、二か所
の前記外鍔24f、24fの内方面24gとこれに続く
前記段差面24hとの間に、外鍔24fの上端面および
巻線部位22を挟んだ補強板部21の両側部24aにお
ける下面21b下に巻線Mを収めて当該巻線Mを施すこ
とができるようにしてある。
【0047】また、各ボビン体24の巻線部位22を挟
んだ補強板部21の両側部24aにおける前記接合部2
4cと反対の側端部にはそれぞれ、一端を補強板部21
に埋め込ませて端子25が設けてあると共に、この巻線
部位22に施された巻線Mから引き出され端子25にか
らめられるリード部Maを収める深さの案内溝26が形
成してある。
【0048】前記ボビン体24は、絶縁性材料から構成
される。典型的には、かかるボビン体24は、プラスチ
ック材料を一体に成形して構成される。プラスチック材
料を用いてボビン体24を構成する場合には、特に、偏
平筒状をなす前記巻線部位22に歪や、変形を生じさせ
ないようにして当該巻線部位22を所期の形状にできる
限り合致させる観点から、液晶ポリマー、あるいは、ジ
アリルフタレートを用いてボビン体24を構成すること
が好ましい。
【0049】なお、以上に説明した実施の形態にかかる
コイルのボビン2の二か所の巻線部位22、22のそれ
ぞれに一次側の巻線M(すなわち、巻線Ma)を施すと
共に、当該二か所の巻線部位22、22における前記一
次側の巻線Maが施されていない箇所にそれぞれ二次側
の巻線M(すなわち、巻線Mb)を施してコイルを構成
することもある。(図19、図20)
【0050】この場合には、二か所の前記巻線部位2
2、22のそれぞれにおいて、隣り合って巻回される一
次側の巻線Maと二次側の巻線Mbとが電気的に接触し
ないように、当該巻線部位22に鍔状の仕切鍔部27を
設けておくことが好ましい。
【0051】かかる場合には、例えば、図19に示され
るように、二か所の巻線部位22、22の一方に施され
た一次側の巻線Maの隣に二か所の巻線部位22、22
の他方に施された一次側の巻線Maが位置するように
し、かつ、二か所の巻線部位22、22の一方に施され
た二次側の巻線Mbの隣に二か所の巻線部位22、22
の他方に施された二次側の巻線Mbが位置するようにす
る。あるいはまた、図20に示されるように、二か所の
巻線部位22、22の一方に施された一次側の巻線Ma
の隣に二か所の巻線部位22、22の他方に施された二
次側の巻線Mbが位置するようにし、かつ、二か所の巻
線部位22、22の一方に施された二次側の巻線Mbの
隣に二か所の巻線部位22、22の他方に施された一次
側の巻線Maが位置するようにする。
【0052】このようにコイルを構成した場合には、例
えば、二か所の巻線部位22、22の一方に巻き付けた
一次側の巻線Maの巻き終りを接続した端子と、二か所
の巻線部位22、22の他方に巻き付けた一次側の巻線
Maの巻き始めを接続した端子とを、また、二か所の巻
線部位22、22の一方に巻き付けた二次側の巻線Mb
の巻き終りを接続した端子と、二か所の巻線部位22、
22の他方に巻き付けた二次側の巻線Mbの巻き始めを
接続した端子とを、それぞれコイルの設置される回路基
板に形成させたパターンを介して電気的に接続して、コ
イルとして機能させるようにすることができる。
【0053】(第二の実施の形態)次いで、図21ない
し図31に示される実施の形態について説明する。
【0054】なお、ここで図21ないし図25は、コイ
ルのボビン4を構成するボビン体45をそれぞれ示して
おり、図21は当該ボビン体45の端子47の突設側か
ら見て、また、図22は図21と反対の側から見て、ま
た、図23は図21における右側から、また、図24は
図21における上側から、また、図25は図21におけ
る下側から、当該ボビン体45を見てそれぞれ示してい
る。
【0055】また、図26および図27は、巻線部位4
2にそれぞれ巻線Mを施され接合部45c側を向き合わ
せて接合された一対のボビン体45、45をそれぞれ示
しており、また、図28および図29は、接合部45c
をもって接合され、かつ、巻線部位42の両側部45a
における段落ち部45fに二次成形層46を形成され
て、ボビン4とされた一対のボビン体45、45をそれ
ぞれ示している。
【0056】また、図30は、図28および図29のボ
ビン4に対し、巻線部位42に磁心体3を構成する複数
の薄板状磁性板30、30…を順次に差し入れて磁心体
3を構成する過程を示しており、さらに、図31は、複
数の薄板状磁性板30、30…を積層状態に備えて磁心
体3の脚板部部分33の一部を巻線部位42内に収めた
状態のコイルを側方から見て示している。
【0057】この実施の形態にかかるコイルは、磁心体
3とボビン4とを有する。
【0058】磁心体3は、基板部31の両端側において
それぞれ、同じ向きに脚板部32を一体に突き出すよう
に延設させた薄板状磁性板30を積層して構成されてい
る。すなわち、この実施の形態にあっては、平面視にお
いてコ字状をなし、かつ、前記基板部31と脚板部32
とを同一の平面上に位置させるように、同面に配した薄
板状磁性板30を、積層して前記磁心体3を構成してい
る。各薄板状磁性板30、30…は、いずれも略同寸、
同形状に構成してある。また、一対の脚板部32、32
の長さ寸法は、互いに等しくなるように構成してある。
【0059】かかる各薄板状磁性板30の積層は、一般
に、積層される各薄板状磁性板30、30…が、その脚
板部32において、当該脚板部32の突き出し方向にあ
る側縁32aを他の薄板状磁性板30の突き出し方向に
ある側縁32aに沿わせ、かつ、他の薄板状磁性板30
の突き出し方向にある側縁32aから側方にズレ出さな
いようにしてなされる。このような積層は、例えば、各
薄板状磁性板30、30…の基板部31を同じ側に重ね
合わせるようにしてもなすことができるが、この実施の
形態にあっては、積層されて隣り合う一方の薄板状磁性
板30の基板部31と他方の薄板状磁性板30の基板部
31とが、反対に位置されるように、一方の薄板状磁性
板30の基板部31が他方の薄板状磁性板30の脚板部
32の突き出し端32c側に重ね合わされるようにし
て、前記積層をなしている。この結果、この実施の形態
にあっては、前記磁心体3は、周回状をなす短寸の角筒
状の外観を呈している。
【0060】一方、前記ボビン4は、第一に、前記磁心
体3の一面側30aに添って設けられ、この一面側30
aに添装される上面41aを平坦面とした補強板部41
を有している。この補強板部41は、前記薄板状磁性板
30の基板部31における脚板部32の延設側と反対の
側縁31aから当該脚板部32の突き出し端32c縁ま
での長さ以上の長さと、当該薄板状磁性板30の一対の
脚板部32、32の突き出し方向に沿った外側縁32b
間の寸法以上の幅とを有している。
【0061】また、かかるボビン4は、第二に、並列状
態に二か所の巻線部位42、42を有すると共に、この
巻線部位42を両端開口42aの偏平筒状に構成してい
る。そして、この二か所の巻線部位42、42の一方
に、前記のように構成される磁心体3の一方の脚板部部
分33を、また、かかる二か所の巻線部位42、42の
他方にかかる磁心体3の他方の脚板部部分33を、それ
ぞれ挿通状態に収める構成としてある。
【0062】より具体的には、かかるボビン4における
前記偏平筒状をなす巻線部位42は、前記補強板部41
における前記磁心体3の一面側30aに添装される上面
41aに向き合い、かつ、この上面41aと略平行をな
す内面を持つように形成された幅広板部42cおよび一
対の幅狭板部42d、42dとからなるカバー部42b
と、前記補強板部41との間で構成されている。補強板
部41の上面41aとカバー部42bにおける幅広板部
42cの内面との間の寸法は、前記磁心体3の厚さ寸法
に略等しく、カバー部42bにおける一対の幅狭板部4
2d、42dの内面間の寸法は、かかる磁心体3の脚板
部部分32の幅寸法に略等しくなるように構成してあ
る。
【0063】また、かかる偏平筒状をなす巻線部位42
における一方の開口42aから他方の開口42aまでの
長さが、この巻線部位42の一方の開口42aから前記
薄板状磁性板30の脚板部32を前記基板部31におけ
る脚板部32の突き出し側の側縁31bが当該一方の開
口42a縁に突き当たる位置まで差し入れた状態におい
て、他方の開口42a縁から前記脚板部32が前記基板
部31の幅寸法分突き出されるような長さとなるように
構成してある。
【0064】また、前記ボビン4における並列された二
か所の巻線部位42、42間には、この二か所の巻線部
位42、42に巻回された巻線M相互が接触し合わない
幅の隙間43が形成されており、一方の巻線部位42側
と他方の巻線部位42側とは、かかる巻線部位42を挟
んだ両側にある補強板部41部分で連接された構成とし
てある。
【0065】この結果、この実施の形態においては、前
記ボビン4における並列された二か所の巻線部位42、
42の一方に前記薄板状磁性板30の一方の脚板部32
を当該巻線部位42の一方の開口42a側から、また、
かかるボビン4における並列された二か所の巻線部位4
2、42の他方に前記薄板状磁性板30の他方の脚板部
32を当該巻線部位42の一方の開口42a側から、こ
の薄板状磁性板30の基板部31が巻線部位42の一方
の開口42a縁に突き当たる位置まで差し入れることに
より、前記補強板部41により添装状態に当該薄板状磁
性板30を支持させた状態で、当該薄板状磁性板30の
一対の脚板部32、32をそれぞれ前記巻線部位42の
内側に差し通すことができる。また、このようにボビン
4における巻線部位42に脚板部32を先行して差し通
された薄板状磁性板30に対し、続いて積層される薄板
状磁性板30を先行する薄板状磁性板30の脚板部32
が差し入れられた前記巻線部位42の開口42aと反対
の開口42aから前記のように当該巻線部位42に差し
通すようにして複数の薄板状磁性板30を積層させるこ
とにより、このように積層された薄板状磁性板30によ
り前記の周回状をなす短寸の角筒状の外観を呈する磁心
体3を形成させることができ、しかも、この磁心体3に
おける一対の脚板部部分33、33がそれぞれガタつき
なく前記巻線部位42に差し通された状態を作り出すこ
とができる。なお、かかる薄板状磁性板30の積層状態
の維持は、例えば、いわゆるワニスなどを積層されたか
かる薄板状磁性板30の表面に塗付することによりなす
ことができる。
【0066】また、かかるボビン4は、前記二か所の巻
線部位42、42のそれぞれにおいて、当該巻線部位4
2の長さ方向略中程の位置に当該巻線部位42を周回状
に巡る仕切鍔部44を備えており、この仕切鍔部44を
挟んだ一方側と他方側とにそれぞれ、当該仕切鍔部44
により絶縁状態を確保させて独立した巻線Mを施すこと
ができようにしてある。すなわち、この実施の形態にあ
っては、前記ボビン4における二か所の巻線部位42、
42のそれぞれにおいて、前記仕切鍔部44を挟んだ一
方側に一次側の巻線Mを施すと共に、当該二か所の巻線
部位42、42における前記一次側の巻線Maが施され
ていない前記仕切鍔部44を挟んだ他方側に二次側の巻
線Mを施してコイルを構成することができる。
【0067】この実施の形態にあっては、前記ボビン4
が、薄板状磁性板30を積層して構成される磁心体3の
一面側に添う補強板部41を有することから、例えば、
厚さを0.1mm以下とする鉄ニッケル磁性合金板など
を薄板状磁性板30として磁心体3を構成する場合で
も、積層される薄板状磁性板30の変形などができる限
り生じ難いようにすることができ、かかる磁心体3の変
形に伴うコイルの電気的特性の変動、劣化を生じさせ難
いようにすることができる。したがって、かかる磁心体
3をできる限り薄く構成することができ、また、磁心体
3を構成する薄板状磁性板30の積層枚数を支障なく減
少させることができる。
【0068】また、一つの巻線部位42に一次側の巻線
Mと二次側の巻線Mとが重ねて巻回されないことから、
巻線部位42における巻線後の厚さ寸法もできる限り小
さくできる。
【0069】したがって、この実施の形態にかかるコイ
ルによれば、コイル全体をできる限り薄型に構成するこ
とができる。より具体的には、前記ボビン4における補
強板部41の下面41b側(磁心体3の一面側30aに
添って設けられる上面41aと反対の側)から巻線部位
42における幅広板部42cの外面側に向けたコイルの
厚さをできる限り薄くなるように構成できる。この結
果、この実施の形態にかかるコイルは、携帯用の薄型の
電子機器に用いるのに適しており、また、この種の電子
機器をより薄型に構成できるようにするものである。
【0070】また、この実施の形態にかかるコイルによ
れば、一次側の巻線Mと二次側の巻線Mとを重ねて巻回
させないことから、一次側の巻線Mと二次側の巻線Mの
巻き数と長さとを均一にするように巻線Mを施すことが
でき、一次側の巻線Mと二次側の巻線Mとの直流抵抗な
どに起因した電気的特性に差が生じないようにコイルを
構成することができる。こうした場合、電気回路へのコ
イルの取り付けに方向性がなくなり、当該回路へのコイ
ルの設置にあたって格別の配慮を払う労力を軽減するこ
とができる。
【0071】また、この実施の形態にあっては、前記ボ
ビン4が、一対のボビン体45、45を接合して構成し
てある。
【0072】この実施の形態にあっては、かかる一対の
ボビン体45、45は、同寸、同形に構成してある。
【0073】それぞれのボビン体45は、いずれも、前
記細長い板状をなす補強板部41を有すると共に、この
補強板部41の略中程に一つの前記巻線部位42を備え
ている。また、前記補強板部41が、前記偏平筒状をな
す巻線部位42を挟んだ両側部45aにおいて、その板
幅を広くするように構成してある。
【0074】そして、このように構成される一対のボビ
ン体45、45の一方の補強板部41における長さ方向
に亙る厚さ側の一側端面45bと、かかる一対のボビン
体45、45の他方の補強板部41における長さ方向に
亙る厚さ側の一側端面45bとを突き合わせた状態で、
一対のボビン体45、45を接合して前記ボビン4を構
成している。
【0075】また、かかる一対のボビン体45、45は
それぞれ、前記接合をなす接合部45cとなる補強板部
41の一側端面45bにおける、前記巻線部位42を挟
んだ一方側に小孔45eを、また、他方側に当該小孔4
5eの嵌る突起45dを備えている。一つのボビン体4
5における前記小孔45eと突起45dは、かかるボビ
ン体45の長さ方向中程の位置から等しい間隔を開けて
設けてある。そして、かかる一対のボビン体45、45
は前記のように同寸、同形をなしているため、前記補強
板部41の上面21aが同じ向きになるようにそれぞれ
の接合部45cを向き合わせると、一方のボビン体45
の小孔45eに他方のボビン体45の突起45dを入り
込ませ、かつ、他方のボビン体45の小孔45eに一方
のボビン体45の突起45dを入り込ませて、一対のボ
ビン体45、45は接合し合わされる。
【0076】ここで、この実施の形態にあっては、前記
補強板部41における前記巻線部位42を挟んだ両側部
45a、45aにおける前記磁心体3の添装側の面、す
なわち、当該補強板部41の上面41aが、巻線部位4
2の内側面42eに対して低められた段落ち部45fに
前記一対のボビン体45、45の接合状態においてプラ
スチック材料よりなる絶縁性の二次成形層46を巻線部
位42の内側面42eと同面となる高さまで形成させる
ことにより構成してある。
【0077】すなわち、この実施の形態にあっては、先
ず、前記一対のボビン体45、45のそれぞれに対しそ
の巻線部位42に巻線を施した後、この一対のボビン体
45、45を前記のように接合させる。(図26、図2
7)次いで、このように接合された一対のボビン体4
5、45におけるそれぞれの前記段落ち部45f間に亙
るように前記二次成形層46を形成させて、それぞれの
ボビン体45の側において巻線部位42の内側面42e
に対しこの巻線部位42を挟んだ両側部45a、45a
の上面が略同面の前記磁心体3の添装面となるようにし
ている。(図28、図29)
【0078】かかる二次成形層46の成形は、巻線Mを
施された後互いに接合された一対のボビン体45、45
をインサートとして、射出成形などの成形手法により、
少なくとも前記段落ち部45fに前記高さまでプラスチ
ック材料による層を形成させることによりなすことがで
きる。なお、この二次成形層46の成形にあたり、かか
るプラスチック材料によってそれぞれのボビン体45の
巻線Mを覆うように巻線部位42の外側に成形層を形成
させると共に、前記隙間43にかかるプラスチック材料
が充填されるようにすることにより、前記磁心体3と巻
線Mとの間の絶縁性を高めることができる。
【0079】上記のように接合され、巻線部位42の外
側に二次成形層46を形成された一対のボビン体45、
45は、一方のボビン体45の補強板部41と他方のボ
ビン体45の補強板部41とが磁心体3に添装される側
の面、すなわち補強板部41の上面41aを同一の平面
上に位置付けるものとされる。(図29)
【0080】この結果、この実施の形態にあっては、一
対のボビン体45、45を接合する前に、それぞれのボ
ビン体45の巻線部位42に巻線Mを施し、この後、前
記接合と二次成形層46の成形とをなすことにより、そ
れぞれのボビン体45の前記補強板部41の上面21a
に段差を生じないようにしてボビン4の補強板部41を
形成させることができ、巻線部位42へ巻線Mを施す作
業を行い易くしながら、補強板部41による磁心体3の
支持に支障を生じないようにすることができる。
【0081】なお、この実施の形態にあっては、一対の
ボビン体45、45を同寸、同形に構成しながら、前記
接合により二か所の巻線部位42、42を備えたボビン
4を構成でき、一種類のボビン体45によりかかるボビ
ン4を構成できる特長を有する。
【0082】また、各ボビン体45における偏平筒状を
なす巻線部位42の両開口42a、42aに接する幅広
板部42cと幅狭板部42dとの端部に、外鍔45gが
形成してあると共に、この巻線部位42において補強板
部41の下面41bが前記外鍔45gの突き出し寸法相
当分低くなるように構成され、かかる外鍔45gの内方
面45hに連続する段差面45iが形成してあり、二か
所の前記外鍔45g、45gの内方面45hとこれに続
く前記段差面45iとの間に、外鍔45gの上端面およ
び巻線部位42を挟んだ補強板部41の両側部45aに
おける下面41b下に巻線Mを収めて当該巻線Mを施す
ことができるようにしてある。
【0083】また、各ボビン体45の巻線部位42を挟
んだ補強板部41の両側部45bにおける前記接合部4
5cと反対の側の端面にはそれぞれ、一端を補強板部4
1に埋め込ませた状態で当該端面から外方に突き出す端
子47が設けてある。この端子47は、前記巻線部位4
2を挟んだ両側部においてそれぞれ、間隔を開けて二本
づつ設けてある。また、各ボビン体45の前記両側部4
5aの下面には、前記巻線部位42に施された巻線Mか
ら引き出され端子47にからめられるリード部Maを収
める深さの案内溝49が形成してある。この結果、この
実施の形態にあっては、各ボビン体45における巻線部
位42に形成された仕切鍔部44を挟んだ一方側に施さ
れた巻線Mのリード部Maをこの一方側にある二本の端
子47、47に個別にからめ、また、当該仕切鍔部44
を挟んだ他方側に施された巻線Mのリード部Maをこの
他方側にある二本の端子47、47に個別にからめて、
コイルが独立した四か所の巻線を備えるように構成して
ある。
【0084】この結果、この実施の形態によれば、コイ
ルの設置される回路基板に形成させたパターンを介し
て、前記四か所の巻線M、M…の任意の二つの巻線M、
Mの端子47を電気的に接続し、これとは別に残された
二つの巻線M、Mの端子47を電気的に接続することに
より、四つの巻線M、M…のうちの任意の二つの巻線
M、Mを一次側の巻線Mとして、また、その余の二つの
巻線M、Mを二次側の巻線Mとすることができる。
【0085】また、この実施の形態にあっては、一対の
ボビン体45、45のそれぞれにおいて、前記巻線部位
42を挟んだ両側部45aにおける前記接合部45cと
反対の側にある前記補強板部41の縁部に沿って、当該
一対のボビン体45、45が前記のように接合されてボ
ビン4を構成した段階で、この補強板部41に添装され
る前記磁心体3の端面30b(当該磁心体3の積層方向
にある面)を覆う高さの絶縁側板部48が形成してあ
る。また、この実施の形態にあっては、かかる絶縁性側
板部48は、前記巻線部位42の前記開口42aを巡る
外鍔45gの上面とその上面を略同じ高さに位置される
ように突設されており、かつ、当該外鍔45gに一端側
を一体に連続させている。
【0086】この結果、この実施の形態にあっては、前
記のように接合される一対のボビン体45、45により
構成されるボビン4に、その端子47とこのボビン4に
装着される磁心体3との間の絶縁性を確保する前記絶縁
性側板部48を、当該ボビン4の幅寸法、厚さ寸法をで
きる限り小さくさせた状態で備えさせることができる。
【0087】前記ボビン体45は、絶縁性材料から構成
される。典型的には、かかるボビン体45は、プラスチ
ック材料を一体に成形して構成される。プラスチック材
料を用いてボビン体45を構成する場合には、特に、偏
平筒状をなす前記巻線部位42に歪や、変形を生じさせ
ないようにして当該巻線部位42を所期の形状にできる
限り合致させる観点から、液晶ポリマー、あるいは、ジ
アリルフタレートを用いてボビン体45を構成すること
が好ましい。
【0088】
【発明の効果】この発明にかかるコイルによれば、ボビ
ンにおける補強板部により磁心体を支持することから、
磁心体を構成する薄板状磁性板に変形などを生じさせ難
いものとされ、かかる薄板状磁性板としてより薄いもの
を用いることができ、さらに、その積層枚数の減少にも
支障を生じさせない。
【0089】また、さらに、請求項2および請求項3記
載の発明にあっては、一次側の巻線と二次側の巻線と
が、偏平筒状をなす巻線部位に個別に形成されることか
ら、かかる巻線によるコイルの厚さの増大をできる限り
小さくできる。
【0090】すなわち、この発明によれば、コイルにお
ける巻線の巻回軸線に対し直交する向きの厚さをできる
限り薄くすることができ、このコイルの厚さ側を厚さ側
とするように回路内に組み込む電子機器の薄型化を一層
容易とする特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態にかかるボビン体24の平面
【図2】同ボビン体24の背面図
【図3】同ボビン体24の側面図
【図4】図3と反対の向きから見たボビン体24の側面
【図5】図3および図4と異なる向きから見たボビン体
24の側面図
【図6】図1におけるA−A線断面図
【図7】図1におけるB−B線断面図
【図8】図1におけるC−C線断面図
【図9】第一の実施の形態にかかるボビン体24の斜視
【図10】同ボビン体24の斜視図
【図11】同一対のボビン体24、24の斜視図
【図12】第一の実施の形態にかかるボビン2と複数の
薄板状磁性板10、10…とを分離して示す斜視図
【図13】第一の実施の形態にかかるコイルの斜視図
【図14】同コイルの平面図
【図15】同コイルの底面図
【図16】同コイルの側面図
【図17】図14におけるD−D線断面図
【図18】図14におけるE−E線断面図
【図19】図1ないし図18に示されるコイルと異なる
コイルの構成例を示す構成図
【図20】図1ないし図18および図19に示されるコ
イルと異なるコイルの構成例を示す構成図
【図21】第二の実施の形態にかかるボビン体45の側
面図
【図22】図21と異なる向きから見たボビン体45の
側面図
【図23】図21および図22と異なる向きから見たボ
ビン体45の側面図
【図24】第二の実施の形態にかかるボビン体45の平
面図
【図25】同ボビン体45の底面図
【図26】同一対のボビン体45、45の組み合わせ状
態を示す平面図
【図27】同一対のボビン体45、45の組み合わせ状
態を示す側面図
【図28】組み合わされ、かつ、二次成形層の形成され
た一対のボビン体45、45よりなるボビン4の平面図
【図29】組み合わされ、かつ、二次成形層の形成され
た一対のボビン体45、45よりなるボビン4の側面図
【図30】第二の実施の形態にかかるボビン4への薄板
状磁性板30の組み入れ過程を示す平面図
【図31】第二の実施の形態にかかるコイルの側面図
【符号の説明】
1 磁心体 10 薄板状磁性板 11 基板部 12 脚板部 2 ボビン 21 補強板部 22 巻線部位 22b カバー部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板部の両端側から同じ向きに一対の脚
    板部を一体に突き出すように延設させた薄板状磁性板を
    積層して構成される磁心体と、 この磁心体の一面側に添って設けられる補強板部と、こ
    の補強板部に一面側を添わせた前記磁心体における一対
    の脚板部部分の少なくとも一部をそれぞれ、当該補強板
    部とにより偏平筒状の巻線部位を構成して当該巻線部位
    に収め入れるカバー部とを備え、かつ、絶縁性材料から
    構成されているボビンとを有して構成されていることを
    特徴とするコイル。
  2. 【請求項2】 ボビンの二か所の巻線部位のそれぞれに
    一次側の巻線が施されると共に、当該二か所の巻線部位
    における前記一次側の巻線が施されていない箇所にそれ
    ぞれ二次側の巻線が施されていることを特徴とする請求
    項1記載のコイル。
  3. 【請求項3】 ボビンの二か所の巻線部位の一方に一次
    側の巻線が、当該二か所の巻線部位の他方に二次側の巻
    線が施されていることを特徴とする請求項1記載のコイ
    ル。
  4. 【請求項4】 ボビンが、補強板部と巻線部位とを備え
    た一対のボビン体を接合して構成してあると共に、 一方のボビン体の接合部と他方のボビン体の接合部と
    に、相互に嵌り合う凹部と突部とが設けてあり、この凹
    部に突部を収めた接合状態において一方のボビン体の補
    強板部と他方のボビン体の補強板部とが磁心体に添装さ
    れる側の面を同一の平面上に位置付けるように構成して
    あることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3
    記載のコイル。
  5. 【請求項5】 ボビンが、補強板部と巻線部位とを備え
    た一対のボビン体を接合して構成してあると共に、 この一対のボビン体における補強板部がそれぞれ、巻線
    部位の外側に形成された当該巻線部位の内側面に対して
    低められた段落ち部に当該巻線部位の内側面と同面をな
    すように形成されたプラスチック材料よりなる絶縁性の
    二次成形層を備えており、 当該二次成形層が、前記巻線部位に巻線を施した一対の
    ボビン体を接合させた状態で、当該一対のボビン体の前
    記段落ち部間に亙るように形成してあることを特徴とす
    る請求項1、請求項2又は請求項3記載のコイル。
  6. 【請求項6】 一対のボビン体における接合部と反対側
    にある補強板部の端面から外方に突き出すように端子が
    設けてあると共に、当該補強板部における接合部と反対
    の側にある縁部に沿って添装される磁心体の端面を覆う
    ように絶縁側板部が突設してあることを特徴とする請求
    項4又は請求項5記載のコイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002078022A1 (fr) * 2001-03-23 2002-10-03 Fdk Corporation Élément d'inductance de puissance haute fréquence

Cited By (2)

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WO2002078022A1 (fr) * 2001-03-23 2002-10-03 Fdk Corporation Élément d'inductance de puissance haute fréquence
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