JP2000133236A - 非水電解液二次電池用セパレータ - Google Patents

非水電解液二次電池用セパレータ

Info

Publication number
JP2000133236A
JP2000133236A JP10302666A JP30266698A JP2000133236A JP 2000133236 A JP2000133236 A JP 2000133236A JP 10302666 A JP10302666 A JP 10302666A JP 30266698 A JP30266698 A JP 30266698A JP 2000133236 A JP2000133236 A JP 2000133236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
melting point
resin
battery
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10302666A
Other languages
English (en)
Inventor
Koyo Watari
亘  幸洋
Taku Aoki
卓 青木
Kazuhiro Nakamitsu
和弘 中満
Minoru Mizutani
実 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Storage Battery Co Ltd
Sanyo GS Soft Energy Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
GS Melcotec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Storage Battery Co Ltd, GS Melcotec Co Ltd filed Critical Japan Storage Battery Co Ltd
Priority to JP10302666A priority Critical patent/JP2000133236A/ja
Publication of JP2000133236A publication Critical patent/JP2000133236A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度上昇時にも形状保持力を有して不用意な
短絡を防止し、かつ、シャットダウン機能を有する非水
電解液二次電池用のセパレータを提供する。さらに、巻
回型素子に形成する際の巻芯の抜け性を配慮すること
で、当該工程における生産性を高める。 【解決手段】 ポリエチレンと、それよりも融点の高い
樹脂からなる複合膜で、複合膜中のポリエチレンの重量
比率を、他の樹脂に対して1より大きく3よりも小さい
値に設定する。また、高融点樹脂としてポリプロピレン
を用いた際に、表裏外面に摩擦係数の小さなポリプロピ
レンが位置する構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池用のセパレータ、特に、外部短絡、過充電、加熱など
の異常な事態に置かれた際の電池の破裂・発火を防ぎ、
安全性の高いリチウムイオン電池を提供するのに有用な
セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン電池においては、負極材
としては、例えば、カーボンあるいはグラファイト等の
リチウムイオン吸着能またはインターカレーションによ
る吸蔵能のある有機材料、あるいはリチウムイオンをド
ーピングした導電性高分子で形成したもの等が用いられ
る。正極材としては、リチウム含有遷移金属酸化物を中
心とした各種セラミック正極材が提案されている。電解
液には、電解質としてLiPF6、LiCF3SO3、L
iClO4、LiBF4等を溶解した、各種有機溶媒系の
電解液を使用する。
【0003】リチウムイオン電池は、高電圧でも分解さ
れない有機溶媒と電解質を用いることで電池電圧を高め
たものであるが、何らかの原因により異常電流が流れた
場合、電池温度が著しく上昇して電池を組み込んだ機器
に熱的ダメージを与え、さらには電池内に可燃性ガスが
蓄積されるために、電池の破裂・発火に至る危険性があ
る。
【0004】かかる危険を回避するため、微多孔質フィ
ルムまたはシートからなるセパレータに、内部ヒューズ
としての機能も兼備させることが提案されている。すな
わち、正常な使用状態においては、正極材と負極材の間
に存在して両極の短絡を防止すると共に、その多孔質構
造により両極間の電気抵抗を低く抑えて高電池電圧を維
持するが、異常発生により電池の内部温度が上昇した場
合には、一定の温度で膜の微多孔を塞いで無孔質化する
(以下、熱閉塞という)ことにより電気抵抗を増大させ
て電池反応を遮断し、さらなる温度上昇を防止して安全
性を確保しようとするものである。
【0005】この熱閉塞による回路の遮断機能は、セパ
レータのシャットダウン(以下、SDと記す)特性と称
し、リチウムイオン電池用セパレータに求められる重要
な機能の一つとなっている。
【0006】熱閉塞が起こる温度を、以下「熱閉塞温
度」と称するが、この熱閉塞温度に影響を与える重要な
パラメータの一つに、セパレータを構成する材料の融点
が挙げられる。
【0007】さらに、安全性確保の観点からは、増大し
た電気抵抗は適当な温度まで維持されることが必要であ
る。SDが完璧に起こった場合は、残留電流は瞬時に零
まで低下する筈であるが、実際には難しく、温度はオー
バーシュートすることが多い。従って、熱閉塞温度を超
えて電池内温度が上昇した場合に、膜が収縮や破損する
ようでは、正負極電極の直接の接触、すなわち内部短絡
を引き起こし、非常に危険な状態となる。すなわち、熱
閉塞温度を超えて、さらに温度が上昇したときのセパレ
ータの形状保持力が重要となる。
【0008】ここで「形状保持力」とは、膜が収縮や破
損することなく一定の膜面積を維持し続ける性質をい
い、また、温度の上昇に伴って膜の形状保持力が喪失す
る温度を、以下「耐熱温度」と称する。耐熱温度に影響
を与えるパラメータとして最も重要なのは、セパレータ
を構成する材料の融点である。
【0009】以上、SD特性と形状保持力を兼備させる
という観点から、リチウムイオン電池用セパレータとし
て、従来のポリエチレン(以下、PEと記す)やポリプ
ロピレン(以下、PPと記す)などの単独樹脂微多孔質
膜に代わって、近年は、融点の異なる樹脂を組み合わせ
て用いることが提案されてきている。
【0010】例えば、特公平4−38101号公報に
は、少なくとも1枚の約80℃乃至150℃の温度にお
いて実質的に無孔化する微細孔性第1種シートと、少な
くとも1枚の第1種シートが無孔化する温度よりも少な
くとも約10℃高い温度において形状保持力を有する第
2種シート、の少なくとも2層を有する電池用セパレー
タに関する技術が開示されている。
【0011】また、特開平5−331306号公報に
は、PPとPEとの溶融混合物をフィルム成形し、PP
の多孔質連続層とPEの多孔質非連続層からなる相分離
構造を有する複合膜とする技術が開示されている。
【0012】また、特公平7−50601号公報には、
融点の異なるPPとPEの微多孔質膜を張り合わせて袋
状にし、この袋状内に正負極のどちらか一方を挿入した
非水電解液電池に関する技術が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに提
案されている複合化積層シートでは、シートを構成する
複数の樹脂の構成比率が明確に規定されておらず、この
比率が適正な範囲を外れた場合には意図した効果が得ら
れない、という欠点があった。
【0014】特開平5−331306号公報では、樹脂
混合における重量比率にも言及されているが、該技術は
PPの連続微多孔質層中にPEの微多孔質層が点在する
構造を形成せしめるものであり、その機能の発現形態が
本発明とは異なる。このような樹脂混合相分離シートで
は、SD特性を担うPEのシート内での分散性に微視的
ではあるもののムラがあり、従ってその溶融に伴う熱閉
塞が均一に起こり得ないため、PEがシート全面に均一
に分散している場合に比べて、SD特性の迅速な発現と
いう点において不利である。
【0015】ところで、リチウムイオン電池は、密閉形
ジェリーロール構造に形成されることが多いが、このよ
うな電池では、通常、セパレータを介して正極と負極と
を巻回させた巻回型発電素子が使用される。巻回型発電
素子を形成するには、金属(一般的にはステンレス鋼)
製の巻芯の巻軸方向に設けられたスリットに、帯状セパ
レータの適当な位置を短辺方向に挟んで数回転させ、巻
き付けていく。適当な長さ巻回させたところで、セパレ
ータ、負極、正極を切断し、次いで、巻芯を引き抜く。
あるいは、二枚のセパレータの各表面に、巻始めとなる
セパレータ端部から一定間隔ずらして正極と負極とを配
置して重ね、巻芯に端部を挟んで巻回させ、切断した後
に、巻芯を引き抜くという方法もある。
【0016】何れの方法によるにせよ、巻回型発電素子
を形成するには、金属製の巻芯に極板を巻き付けた巻回
体から、巻芯を抜き取る作業を伴う。巻回体中の巻芯に
は、セパレータのみが接した状態となっているが、巻芯
を抜き取る際に、巻芯とセパレータの間の滑りが悪いと
巻芯が容易に抜けず、また無理に引き抜くと巻回体の中
心部が巻芯と共に突出し、巻回状態が乱れて不良を生じ
るなど、生産性が低下するという問題を生じる。従来、
金属との摩擦係数が比較的小さなPEのセパレータを使
用した場合は、巻芯抜け不良による生産性の低下は免れ
ることができたが、PE単層のセパレータでは耐熱性に
劣るという欠点があった。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上述
のような課題を解決するため、以下の構成を有する。す
なわち、PEとそれよりも融点の高い樹脂からなる複合
膜で、複合膜中のPEの重量比率が、他の樹脂に対して
1より大きく3よりも小さいことを特徴とする非水電解
液二次電池用セパレータである。
【0018】ここで、PEとしては、高密度、中密度、
低密度の各種分枝PE、線状PEなど何れのPEも使用
できる。また、適宜、各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃
剤などの添加剤を、適量含有したものでも良い。電池内
温度の上昇に伴って、複合膜中でこのPEが溶融し熱閉
塞することで、SD特性が発現する。従って、適正温度
範囲でSDを起こらせるために、このPEの融点は12
0〜140℃、より好ましくは120〜130℃の温度
範囲にあることが望ましい。
【0019】本発明でPEと共に用いられる樹脂として
は、有機溶媒との反応性が低く、高融点で耐熱性に優
れ、微多孔質薄層化が可能であり、常温からPEの融点
の温度範囲内における電気抵抗値の小さな樹脂が好まし
い。具体的には、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリフェニレンスルフィドなどが考えられるが、生産コ
ストなどの経済性をも考慮すると、ポリオレフィン、中
でもPPの使用が、より望ましい。
【0020】電池内温度が熱閉塞温度を超えて上昇した
場合、複合膜中のこの樹脂がもとの形状を維持すること
で、セパレータ膜全体の形状が保持される。従って、複
合膜の耐熱温度を熱閉塞温度に比べて十分に高くするた
めに、この樹脂の融点はPEの融点と比べて20℃以上
高いことが望ましい。
【0021】本発明は、SD特性を担うPEと形状保持
力を担う融点の高い樹脂との複合膜において、これらの
重量割合を限定することにより、より高レベルで二つの
機能の両立を図ろうとするものである。
【0022】本発明者は、すでに提案されている技術に
ついて検討し、融点の異なる樹脂を上手く組み合わせて
用いることが、SD特性と形状保持力とを兼ね備えたセ
パレータを調製する手段として有用であることを確認
し、さらに、その際の樹脂の構成比率が非常に重要であ
ることを見出した。
【0023】すなわち、複合膜中の低融点樹脂(本発明
においてはPE)の割合が高いと、SD特性の発現の面
では有利であるが、他方の樹脂量が不足するために熱閉
塞温度以上で膜形状を保持し得ず、従って耐熱温度が低
くなり、総合的に見て電池の安全性は確保できない。逆
に、融点の高い樹脂量が多すぎると、低融点樹脂量が不
足して、これが熱溶融した場合にも膜面積全面を被覆す
ることができず、電流を完全に遮断することができない
ため、電池温度の上昇を制御し得ず、やはり総合的に安
全性は確保できないのである。
【0024】樹脂構成比率について様々に検討を重ねた
結果、低融点樹脂として最も有望なPEを用いた場合、
実際的で高度な機能の両立を可能にするためには、複合
膜中のその重量比率が、他の樹脂に対して1より大きく
3より小さい範囲にあることが望ましいと結論するに至
った。この範囲の中でも最も適当な樹脂比率は、使用す
る樹脂の諸性質、目的とする電池の想定使用環境などに
より、変動する。
【0025】ところで、性質の異なる複数の樹脂からな
る複合膜を調製する手段は、それぞれの樹脂の膜を調
製した後に、圧着・接着など何らかの方法により合体さ
せる、樹脂を予め混合し、この混合物から成膜する、
方法に大別できる。本発明の複合膜を調製する方法は、
何れかの方法に限定されるものではないが、要求性能の
発現のためにはの方法によって調製する方が、より望
ましい。
【0026】これは、膜の形状保持力を担う高融点樹脂
が、膜面積全体にわたる連続層を形成している必要があ
ることは勿論、SDの際に膜面全体でムラなく熱閉塞が
起こるために、PEも膜全体に均質に分散していること
が望ましいからである。いいかえれば、特公平5−33
1306に開示されているような、PEのミクロ相分離
層が点在している形態よりも、本出願の請求項4に記載
したように、それぞれに独立した少なくとも1層の連続
微多孔質層が全面に形成されている複合膜の方が、より
好ましいということである。
【0027】さらに、電池が出来るだけ大きな起電力を
有するために、通常の使用状態、すなわち、常温からP
Eの融点もしくは熱閉塞温度までの温度範囲において、
複合膜は膜厚40μm未満、より好ましくは20〜40
μmの微多孔質膜であることが望ましい。
【0028】微多孔質膜の電気抵抗値には、多くのパラ
メータが複雑に影響を及ぼすが、透気度と空孔サイズの
積にほぼ比例することが知られている。セパレータとし
ては、一般に、空孔率が40〜60%の範囲にあり、通
気度が90〜1000秒/100cc、好ましくは40
0〜800秒/100ccの膜が用いられる。
【0029】また、セパレータの膜厚は、電気抵抗値を
小さくするためのみならず、限られた電池容器内に正負
極を効率よく充填し、対向面積を大きくして電池のエネ
ルギー密度を上げるために、できるだけ薄いことが要求
される。一方で、製造プロセスにおける膜の破損および
使用中に電極表面からセパレータに細かな粒が食い込む
ことによる破損を防ぐために、十分な引張強度および突
き刺し強度が要求される。具体的には、長手方向で10
00kg/cm2以上、幅方向で50kg/cm2以上の
引張強度が必要とされている。高エネルギー密度と十分
な膜強度を発現するために、本発明により調製される膜
は膜厚20〜40μm、より好ましくは24〜26μm
であることが望ましい。
【0030】なお、PE以外の樹脂としてPPを用いる
場合、巻回型発電素子を形成する際の巻芯の抜け性を考
慮すれば、金属との摩擦係数がPPに比べて1/2〜1
/3と小さなPEが、金属と接するセパレータ外層に位
置する配置、すなわち、PEが表裏の外面に位置するよ
うに積層されていることが望ましい。PEが外面に配さ
れているセパレータでは、SD特性を担うPEが、より
電極に近接して位置することになるために、SD特性の
発現の観点からも有利である。
【0031】
【発明の効果】本発明によって調製されるセパレータ
は、PEの融点から他方の樹脂の融点までのある特定温
度において、複合膜全体としての長さおよび幅を保持し
たまま、膜中に無孔質の連続層が形成されて有機電解液
中での電気抵抗値が急激に上昇することを特徴とする複
合膜である。特に、本発明によれば、このような複合膜
において各樹脂の構成比率が適正に管理されるため、優
れた形状保持力とSD特性とを兼ね備えた、安全性の高
い電池を作製する際に有用なセパレータを提供すること
ができる。さらに、PE以外の樹脂としてPPを用い、
PEを表裏の外面に配したセパレータは、巻回型発電素
子を形成する際の巻芯の抜けが良いため生産性の面でも
優れ、SD特性も良好に発現するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
する。但し、以下に記すものは一例にすぎず、本発明の
範囲を限定するものではない。尚、実施例および比較例
中における比率は、全て重量比率を意味する。複合膜の
構成、各層の厚み比、PE/樹脂比率を表1に、得られ
た複合膜の性質のうち膜厚、空孔率、ガーレー値(通気
度)を表2に、まとめて示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】膜の性能については、それぞれの記載に従
って調製した膜をセパレータとして正負極板間に挟んだ
リチウムイオン電池を作製し、評価した。
【0036】電池の正極板には、活物質としてリチウム
コバルト複合酸化物、結着剤としてポリフッ化ビニリデ
ン、導電剤としてアセチレンブラックを混合したペース
ト状物を、アルミニウム箔からなる集電体の両面に均一
に塗布し、乾燥、プレスしたものを用いた。負極板とし
ては、活物質としてグラファイト、結着剤としてポリフ
ッ化ビニリデンを混合したペースト状物を、銅箔からな
る集電体の両面に均一塗布、乾燥、プレスしたものを使
用した。電解液には、エチレンカーボネートとジエチル
カーボネートを体積比1/1で混合した溶媒に、LiP
6の1mol/lを溶解させたものを用いた。
【0037】以上のように作製したリチウムイオン電池
を用い、セパレータ膜の形状保持力をオーブン加熱試験
により、SD特性を過充電試験により評価し、結果をま
とめて表3に示した。各試験は、以下の要領により行っ
た。
【0038】
【表3】
【0039】オーブン加熱試験:オーブン中に、1C電
流で3時間4.1Vの定電流定電圧充電をした電池を設
置して、5℃/分の速度で155℃まで昇温し、90分
間保持した。所定時間経過後、オーブンから電池を取り
出し、電池を解体した。取り出したセパレータの収縮、
破膜の有無、閉塞の程度を観察し、電池が発煙、発火、
破裂するなど不安全な状態に至ったものを×、これらの
変化が認められなかったものを○とした。 過充電試験:2C電流の定電流で電池を充電し、異常発
生または電流遮断により温度低下が起こるまで充電を続
けた。発煙、発火、破裂など不安全な状態に至ったもの
を×、これらの変化が認められなかったものを○とし
た。
【0040】[実施例1]延伸法により多孔化した、融点
約125℃のPEの微多孔膜2枚、および融点約170
℃PPの微多孔質膜1枚を、ロールプレスを用いてPE
/PP/PEの構成となるように積層圧着した。複合膜
中の各層の厚み比は0.6/1/0.6、PE/PPの
比率は1.2、であり、複合膜の膜厚は25μm、空孔
率45〜50%、ガーレー値570秒であった。
【0041】この複合膜をセパレータとして電池を作製
した場合、155℃の高温でも形状保持力があり、過充
電が起こった際には適正にSDが起こる、安全性の高い
電池が得られることが分かった。
【0042】[実施例2]複合膜中のPE/PPの比率を
2.0としたほかは、実施例1と全く同様に複合膜を調
製し、電池に組み込んで性能を評価した。尚、この膜に
おける各層の厚み比は1/1/1、膜厚は25μm、空
孔率45〜50%、ガーレー値590秒であった。
【0043】得られた複合膜をセパレータとして使用し
た電池は、155℃でも内部短絡を誘発することがな
く、過充電に際しては十分にSD特性が発揮される、安
全性の高いものであった。
【0044】[実施例3]複合膜中のPE/PPの比率を
2.8とした他は、実施例1と全く同様に、各層の厚み
比1.4/1/1.4、膜厚25μm、空孔率45〜5
0%、ガーレー値580秒の複合膜を調製した。この膜
を用いて電池を作製し、性能評価を行った。
【0045】得られた複合膜をセパレータとして使用し
た電池は、耐熱性、SD特性ともに良好な、安全性に優
れた電池であった。
【0046】[比較例1]複合膜中のPE/PPの比率を
0.7とした他は、実施例1と全く同様に複合膜を調製
した。得られた複合膜中の各層の厚み比は0.35/1
/0.35、膜厚25μm、空孔率40〜45%、ガー
レー値480秒であった。
【0047】この複合膜をセパレータとして使用した電
池は、耐熱性は十分であるものの、SD特性に劣ったも
のであった。過充電試験では、PEの量が少ないために
セパレータが十分に閉塞せず充電が進行したため温度が
オーバーシュートし、不安全な状態に至ったものと推測
される。
【0048】[比較例2]複合膜中のPE/PPの比率を
1.0とした他は、実施例1と全く同様に複合膜を調製
した。得られた複合膜中の各層の厚み比は0.5/1/
0.5、膜厚25μm、空孔率45〜50%、ガーレー
値570秒であった。
【0049】この複合膜をセパレータとして作製した電
池は、155℃での形状保持力は有するが、SD特性の
不十分なものであった。この複合膜でも、比較例1と同
様にPEの量がやや不足していたために、十分なSDが
得られなかったものであろう。
【0050】[比較例3]複合膜中のPE/PPの比率を
3.0とした他は、実施例1と全く同様に複合膜を調製
した。得られた複合膜中の各層の厚み比は1.5/1/
1.5、膜厚25μm、空孔率45〜50%、ガーレー
値540秒であった。得られた電池は、SD特性には優
れるが、耐熱性能の不十分なものであった。
【0051】[比較例4]PE単層の膜を調製し、これを
セパレータとして電池を作製して性能を評価した。PE
膜の膜厚は25μm、空孔率40〜45%、ガーレー値
520秒であった。
【0052】得られた電池は、SD特性には優れるもの
の、耐熱温度が低く、安全性に劣るものであった。耐熱
性に劣るのは、融点の低いPEのみでは155℃の高温
で膜の形状を保持できず、膜の収縮、破損により内部短
絡を招くためと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 卓 京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番地 ジ ーエス・メルコテック株式会社内 (72)発明者 中満 和弘 京都市南区吉祥院新田壱ノ段町5番地 ジ ーエス・メルコテック株式会社内 (72)発明者 水谷 実 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 日本電池株式会社内 Fターム(参考) 5H021 CC00 CC04 EE04 EE23 HH01 HH03 HH06 5H028 AA05 EE06 EE08 HH01 HH05 HH08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンと、それよりも融点の高い樹
    脂からなる複合膜で、複合膜中のポリエチレンの重量比
    率が、他の樹脂に対して1より大きく3よりも小さいこ
    とを特徴とする非水電解液二次電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】請求項1において、ポリエチレンの融点が
    120〜140℃の範囲にあり、他方の樹脂の融点がポ
    リエチレンの融点に比べて少なくとも20℃以上高いこ
    とを特徴とする、非水電解液二次電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】融点の高い樹脂が、ポリプロピレンである
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の非水電解
    液二次電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】ポリエチレンおよびポリプロピレンが、独
    立してそれぞれ少なくとも1層の連続した微多孔質層を
    形成していることを特徴とする、請求項3に記載の非水
    電解液二次電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】複合膜が、常温〜ポリエチレンの融点の温
    度範囲において、膜厚40μm未満の微多孔質膜であ
    る、請求項1から4に記載の非水電解液二次電池用セパ
    レータ。
  6. 【請求項6】微多孔質のポリエチレン層およびポリプロ
    ピレン層を組み合わせてなる三層以上の複合膜であり、
    表裏の外面にポリエチレン層を配したことを特徴とする
    非水電解液二次電池用セパレータ。
JP10302666A 1998-08-20 1998-10-23 非水電解液二次電池用セパレータ Pending JP2000133236A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10302666A JP2000133236A (ja) 1998-08-20 1998-10-23 非水電解液二次電池用セパレータ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-234743 1998-08-20
JP23474398 1998-08-20
JP10302666A JP2000133236A (ja) 1998-08-20 1998-10-23 非水電解液二次電池用セパレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000133236A true JP2000133236A (ja) 2000-05-12

Family

ID=26531735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10302666A Pending JP2000133236A (ja) 1998-08-20 1998-10-23 非水電解液二次電池用セパレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000133236A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100409019B1 (ko) * 2001-06-13 2003-12-06 주식회사 엘지화학 다층 미세 기공막 및 그 제조방법
WO2004089627A1 (ja) * 2003-04-04 2004-10-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリオレフィン微多孔膜
WO2005054350A1 (ja) * 2003-12-03 2005-06-16 Tonen Chemical Corporation 複合微多孔膜及びその製造方法並びに用途
KR100563028B1 (ko) * 1999-02-19 2006-03-22 삼성에스디아이 주식회사 이차전지의 전극 롤
KR100709839B1 (ko) 2005-10-17 2007-04-23 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지
US7332242B2 (en) 2000-09-01 2008-02-19 Itochu Corporation Lithium-based battery having extensible, ion-impermeable polymer covering on the battery container
WO2009028734A1 (en) * 2007-08-31 2009-03-05 Tonen Chemical Corporation Multi-layer, microporous polyolefin membrane, its production method, battery separator and battery
JP2009123715A (ja) * 2007-06-28 2009-06-04 Hitachi Maxell Ltd リチウムイオン二次電池
WO2009157507A1 (ja) * 2008-06-25 2009-12-30 日立マクセル株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2015053134A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 株式会社豊田自動織機 蓄電装置

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100563028B1 (ko) * 1999-02-19 2006-03-22 삼성에스디아이 주식회사 이차전지의 전극 롤
US7332242B2 (en) 2000-09-01 2008-02-19 Itochu Corporation Lithium-based battery having extensible, ion-impermeable polymer covering on the battery container
KR100409019B1 (ko) * 2001-06-13 2003-12-06 주식회사 엘지화학 다층 미세 기공막 및 그 제조방법
WO2004089627A1 (ja) * 2003-04-04 2004-10-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリオレフィン微多孔膜
JP4540607B2 (ja) * 2003-04-04 2010-09-08 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン微多孔膜
JPWO2004089627A1 (ja) * 2003-04-04 2006-07-06 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリオレフィン微多孔膜
US7618743B2 (en) 2003-04-04 2009-11-17 Asahi Kasei Chemicals Corporation Microporous polyolefin film
JPWO2005054350A1 (ja) * 2003-12-03 2007-12-06 東燃化学株式会社 複合微多孔膜及びその製造方法並びに用途
US7785735B2 (en) 2003-12-03 2010-08-31 Tonen Chemical Corporation Microporous composite membrane and its producing method and use
JP4771809B2 (ja) * 2003-12-03 2011-09-14 東レ東燃機能膜合同会社 複合微多孔膜及びその製造方法並びに用途
WO2005054350A1 (ja) * 2003-12-03 2005-06-16 Tonen Chemical Corporation 複合微多孔膜及びその製造方法並びに用途
KR100709839B1 (ko) 2005-10-17 2007-04-23 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지
JP2009123715A (ja) * 2007-06-28 2009-06-04 Hitachi Maxell Ltd リチウムイオン二次電池
WO2009028734A1 (en) * 2007-08-31 2009-03-05 Tonen Chemical Corporation Multi-layer, microporous polyolefin membrane, its production method, battery separator and battery
JP2010537845A (ja) * 2007-08-31 2010-12-09 東燃化学株式会社 ポリオレフィン多層微多孔膜、その製造方法、電池用セパレータ及び電池
US8709640B2 (en) 2007-08-31 2014-04-29 Toray Battery Separator Film Co., Ltd Multi-layer, microporous polyolefin membrane, its production method, battery separator and battery
JP2010034024A (ja) * 2008-06-25 2010-02-12 Hitachi Maxell Ltd リチウムイオン二次電池
WO2009157507A1 (ja) * 2008-06-25 2009-12-30 日立マクセル株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2015053134A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 株式会社豊田自動織機 蓄電装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5328034B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ、電気化学素子およびその製造方法
JP5611505B2 (ja) 電池用セパレータおよびリチウム二次電池
KR20080092281A (ko) 비수 전해질 이차전지
WO2017047576A1 (ja) 電気化学素子用セパレータ、その製造方法および電気化学素子の製造方法
JP2006164868A (ja) 電池
JP2011154936A (ja) 電池用セパレータおよびリチウム二次電池
JP2011198532A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2010118175A (ja) 二次電池
JP2008130360A (ja) 非水電解液二次電池
JPH09259857A (ja) 非水系電解液二次電池
JP2016181324A (ja) 電気化学素子用セパレータ
TW201036230A (en) Electrochemical element
JP4382557B2 (ja) 非水二次電池
JP2014170661A (ja) 非水電解質二次電池用セパレータ、および非水電解質二次電池
JP6243666B2 (ja) リチウムイオン二次電池用セパレータおよびその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池およびその製造方法
JP2007149507A (ja) 非水電解質二次電池
JP2011034859A (ja) 電池用巻回電極体、電池およびその製造方法
JP2000133236A (ja) 非水電解液二次電池用セパレータ
JP2012155914A (ja) 電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子
JP2012003938A (ja) 電池用セパレータおよびリチウム二次電池
JPH10279718A (ja) 多孔質フィルム、電池用セパレータおよび電池
WO2012005152A1 (ja) 非水電池用セパレータおよび非水電池
JP2004095383A (ja) 非水電解質二次電池
JP2009176552A (ja) 非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池
JP2006261059A (ja) 非水電解質二次電池