JP2000132870A - 光情報記録媒体、光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体再生装置 - Google Patents

光情報記録媒体、光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体再生装置

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JP2000132870A
JP2000132870A JP10305148A JP30514898A JP2000132870A JP 2000132870 A JP2000132870 A JP 2000132870A JP 10305148 A JP10305148 A JP 10305148A JP 30514898 A JP30514898 A JP 30514898A JP 2000132870 A JP2000132870 A JP 2000132870A
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Hirobumi Nagano
博文 長野
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Victor Company of Japan Ltd
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク上に記録されている記録信号を従来
通りに再生したのでは、記録信号に含まれているプロテ
クト・コードを読み出すことができないようにし、かつ
ディスクの物理的破壊を伴うことなく、任意の場所にプ
ロテクト・コードを記録することができ、それにより不
正コピーを防止できる光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 所定のトラックピッチで同心円状又はス
パイラル状に配置されたピット5列又は案内溝を有する
基板1と、基板1上の一部又は全面に形成されたフォト
クロミック材料からなるフォトクロミック層2と、フォ
トクロミック層2上に反射層3とを順次積層してなる光
ディスクAであって、紫外線又はレーザ光の照射により
前記フォトクロミック層2の光学特性を変化させること
によって、フォトクロミック層2にバーコード、文字、
絵柄等の複製防止情報を記録した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にデジタル信号
の不正コピー防止を可能とする光情報記録媒体、この光
情報記録媒体を製造する光情報記録媒体製造方法、この
光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】音楽、画像または文字などをデジタル情
報信号として表すと、それらをアナログ情報信号として
表す場合と比較して、情報伝送の特性上、その情報を複
製(コピー)した時、情報の劣化がない。このため、現
在著作権上大きな問題となっており、デジタル情報信号
をそのままデジタル情報信号の形で複製(コピー)する
こと(以下、デジタル・コピーという)を禁止したり、
制限することが求められている。それを実現する手段の
一例を挙げると、ミニディスク(以下、MDという)で
採用されているシリアル・コピー・マネージメント・シ
ステム(以下、SCMSという)がある。
【0003】SCMSはMDに記録されているデジタル
信号の一部にコピーの可否に関するプロテクト・コード
を記録しておき、MD装置が、コピーをするときには、
プロテクト・コードを参照することにより、2回以上の
デジタル・コピーを防止しようとするシステムである。
すなわち、MDのTOC領域のデータの中に、プロテク
ト・コードが書き込まれてあり、プロテクト・コードが
プロテクトなしであれば、そのMDのコピーができ、コ
ピーするとコピー先のMDのTOC領域にはプロテクト
ありのプロテクト・コードが書き込まれる。プロテクト
・コードがプロテクトありであれば、コピーすることが
できない。このようにして、2回以上のデジタル・コピ
ーを防止している。
【0004】しかしながら、上述のSCMSのような方
式では、ディスクに記録されている情報(例えばTOC
領域のデータ)の中に、プロテクト・コードが書き込ま
れており、このプロテクト・コードを参照することによ
り、コピーの可否を装置が判断するのであるが、前記し
たTOC領域とは異なるデータ領域に記録されている情
報を、直接記録信号のまま読み出して、これを他のディ
スクに記録した場合、プロテクト・コードの内容の如何
にかかわらず、プロテクト・コードごとコピーされるこ
とになり、何度でもコピーが可能となり、著作権上不正
なコピーを防止することができない。
【0005】ところで、ディスクの記録信号内にプロテ
クト・コードを記録しないコピー防止方法としては、例
えば特開平6−203412号公報がある。これは基
板、反射層、保護層からなる光ディスクに非常に強いレ
ーザビームを照射し、反射層を破壊することによって文
字情報やバーコード等によるプロテクト・コードをディ
スク上に形成することによって不正コピーを防止しよう
とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平6−203412号公報による方法では、アルミ
ニウム等からなる反射層の物理的破壊を伴うため、文字
情報やバーコード等を形成した部分からの情報読み出し
は不可能となり、この結果、プロテクト・コードを記録
する部分には情報信号が記録できない。また情報信号が
記録されていないディスクの最内周や最外周にプロテク
ト・コードを形成することも可能であるが、プロテクト
・コードを記録する場所が狭い範囲に限定される上、光
ピックアップを最内周に持っていく場合は機構系の設計
に大きな制約が生じる。
【0007】そこで本発明は、ディスク上に記録されて
いる記録信号を従来通りに再生したのでは、記録信号に
含まれているプロテクト・コードを読み出すことができ
ないようにし、かつディスクの物理的破壊を伴うことな
く、任意の場所にプロテクト・コードを記録することが
でき、それにより不正コピーを防止できる光情報記録媒
体、この光情報記録媒体を製造する光情報記録媒体製造
方法、この光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再
生装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の(1)〜
(5)の構成を有する光情報記録媒体、光情報記録媒体
製造方法、光情報記録媒体再生装置を提供する。
【0009】(1) 図1に示すように、所定のトラッ
クピッチで同心円状又はスパイラル状に配置されたピッ
ト5列又は案内溝を有する基板1と、この基板1上の一
部又は全面に形成されたフォトクロミック材料からなる
フォトクロミック層2と、このフォトクロミック層2上
に反射層3とを順次積層してなる光情報記録媒体(光デ
ィスク)Aであって、紫外線又はレーザ光の照射により
前記フォトクロミック層2の光学特性を変化させること
によって、前記フォトクロミック層2にバーコード、文
字、絵柄等の複製防止情報を記録したことを特徴とする
光情報記録媒体。
【0010】(2) 図1に示すように、所定のトラッ
クピッチで同心円状又はスパイラル状に配置されたピッ
ト5列又は案内溝を有する基板1と、この基板1上の一
部又は全面に形成されたサーモクロミック材料からなる
サーモクロミック層2Aと、このサーモクロミック層2
A上に反射層3とを順次積層してなる光情報記録媒体
(光ディスク)AAであって、紫外線又はレーザ光の照
射により前記サーモクロミック層2Aの光学特性を変化
させることによって、前記サーモクロミック層2Aにバ
ーコード、文字、絵柄等の複製防止情報を記録したこと
を特徴とする光情報記録媒体。
【0011】(3) 図4に示すように、請求項1又は
請求項2に記載の光情報記録媒体(光ディスク)A,A
Aを製造する光情報記録媒体製造方法であって、所定の
トラックピッチで同心円状又はスパイラル状に配置され
たピット5列又は案内溝を有する基板上の一部又は全面
に、フォトクロミック材料からなるフォトクロミック層
2又はサーモクロミック材料からなるサーモクロミック
層2Aを成膜する工程と、前記フォトクロミック層2又
はサーモクロミック層2A上に反射層3を成膜する工程
と、前記フォトクロミック層2又はサーモクロミック層
2Aが積層されている前記基板1の面とは反対側の面1
a上に、バーコード、文字、絵柄等の複製防止情報を型
どったマスク14を重ねる工程と、このマスク14の上
方から紫外線を前記基板1上に照射する工程とを備え、
紫外線が照射された部分の前記フォトクロミック層2又
はサーモクロミック層2Aの光学特性を変化させること
により、前記フォトクロミック層2又はサーモクロミッ
ク層2Aに前記複製防止情報を記録したことを特徴とす
る光情報記録媒体製造方法。
【0012】(4) 図6に示すように、請求項1又は
請求項2に記載の光情報記録媒体(光ディスク)A,A
Aを製造する光情報記録媒体製造方法であって、所定の
トラックピッチで同心円状又はスパイラル状に配置され
たピット5列又は案内溝を有する基板上の一部又は全面
に、フォトクロミック材料からなるフォトクロミック層
2又はサーモクロミック材料からなるサーモクロミック
層2Aを成膜する工程と、前記フォトクロミック層2又
はサーモクロミック層2A上に反射層3を成膜する工程
と、前記フォトクロミック層2又はサーモクロミック層
2Aが積層されている前記基板1の面とは反対側の面1
aの上方から、バーコード、文字、絵柄等の複製防止情
報(鍵情報27)で変調されたレーザ光25を前記基板
1上に照射する工程とを備え、前記レーザ光25が照射
された部分の前記フォトクロミック層2又はサーモクロ
ミック層2Aの光学特性を変化させることにより、前記
フォトクロミック層2又はサーモクロミック層2Aに前
記複製防止情報を記録したことを特徴とする光情報記録
媒体製造方法。
【0013】(4) 図7に示すように、請求項1又は
請求項2に記載の光情報記録媒体を再生する光情報記録
媒体再生装置であって、前記光情報記録媒体(光ディス
ク)A,AAの特定領域(鍵情報部分)24を再生走査
することによって、前記フォトクロミック層2又は前記
サーモクロミック層2Aに記録されているバーコード、
文字、絵柄等の複製防止情報を、再生信号中から検出す
る(エッジ検出回路31、コンパレータ32から構成さ
れる)検出手段と、この検出手段からの検出信号によ
り、前記複製防止情報が検出された場合は、前記光情報
記録媒体の再生走査を行い、前記複製防止情報が検出さ
れない場合には、前記光情報記録媒体の再生走査を行わ
ないことを制御する再生制御手段(コントローラ)33
とを備えたことを特徴とする光情報記録媒体再生装置。
【0014】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の光情報記録媒
体、光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体再生装置
を図1〜図7に沿って説明する。図1は本発明の光情報
記録媒体の断面構造を説明するための図、図2はフォト
クロミック層の膜厚の条件を説明するための図、図3は
バーコードや文字、絵柄等を型どったマスクを示す図、
図4は図3に示したマスクを用いて紫外線を光ディスク
上に照射することを説明するための図、図5は本発明の
光情報記録媒体を再生した再生エンベロープを説明する
ための図、図6は本発明の光情報記録媒体に鍵情報を記
録する記録装置のブロック図、図7は本発明の光情報記
録媒体再生装置のブロック図である。
【0015】本発明の光情報記録媒体再生装置は、所定
のトラックピッチで同心円状又はスパイラル状に配置さ
れたピット列または案内溝を有する光ディスク上の一部
又は全面にフォトクロミック材料又はサーモクロミック
材料を成膜し、その上に反射膜を成膜した光ディスクに
記録する光情報記録媒体再生装置であって、光ディスク
の上にバーコードや文字、絵柄などを型どったマスクを
重ね、その上から紫外線を照射することによって、紫外
線が照射された部分の光学特性を変化させることを特徴
とする光情報記録媒体再生装置である。
【0016】また、本発明の光情報記録媒体再生装置
は、所定のトラックピッチで同心円状又はスパイラル状
に配置されたピット列または案内溝を有する光ディスク
上の一部又は全面にフォトクロミック材料又はサーモク
ロミック材料を成膜し、その上に反射膜を成膜した光デ
ィスクに記録する光情報記録媒体再生装置であって、光
ディスク上に記録されている情報ピットよりも十分に長
い間隔で変調されたレーザ光を照射し、照射された部分
の光学特性を変化させることを特徴とする光情報記録媒
体再生装置である。
【0017】また、本発明の光情報記録媒体再生装置に
用いられる鍵情報は、光学特性の変化によって記録され
た、バーコード、文字、絵柄等の複製防止情報であり、
光ディスクに記録された情報を再生するために必要な鍵
情報である。
【0018】次に、本発明の実施例1、実施例2につい
て順に説明する。
【0019】(実施例1)本発明の光情報記録媒体の実
施例1について説明する。本発明の光情報記録媒体(光
ディスク)Aは、図1に示すように、基板1上にフォト
クロミック層2、反射膜3、保護膜4を順次積層してな
る。図1中、1aは基板1の再生レーザ光の入射面、5
はピット、6はランド。図中矢印aは再生レーザ光の入
射方向を示す。基板1は所定のトラックピッチで同心円
状又はスパイラル状に配置されたピット5列又は案内溝
(図示せず)を有する。
【0020】前記した光ディスクAの製造手順は、次の
(1),(2)の通りに行われる。 (1) ピット5を成型したポリカーボネート基板1上
の全体又は一部に、フォトクロミック層2を真空成膜又
はスピンコートにて形成する。このフォトクロミック層
2は、再生波長域に対してはほとんど透明である。ここ
で使用できるフォトクロミック材料の例としては、スピ
ロピラン、スピロオキサジン、フルギド、ジアリールエ
テン等がある。またこのフォトクロミック層2の膜厚は
λ/(2・n)の倍数(λ:再生波長、n:再生波長で
のフォトクロミック層2の屈折率)とする。 (2) その後CD等と同様にアルミニウム等の反射膜
3を真空成膜し、その上に保護膜4を塗布する。
【0021】ここで、前記したフォトクロミック層2の
膜厚の条件につき、図2を用いて説明する。前述した図
1に示すものと同一構成部分には同一符号を付しその説
明を省略する。CDやDVDのような方式の光ディスク
では、光ビームを小さなスポットに絞って、それがピッ
ト5のところで回折されて再生装置の対物レンズ(図示
せず)に戻る光量が少なくなることを利用して信号の検
出している。このときランド6に反射して戻ってくる光
8と、ピット5の底に反射して戻ってくる光9の位相差
がπの奇数倍になったとき、回折の効果は最大になる。
位相差がπということは、前記光8と光9の光路差がλ
/2あればよく、これはピットの深さ12がλ/4であ
ればよいということである。実際の光ディスクにおける
ピット5の深さ12は基板1の屈折率をn'とすると、
λ/(4・n')よりやや浅めの値に設定されている。
これはトラッキングエラー信号を得るためである。
【0022】前記したように、基板1と反射膜3の間に
フォトクロミック層2を設けた場合、光路は10のよう
になる(光10は基板1を透過した後にフォトクロミッ
ク層2の反射膜側で反射した後に、戻り光として再び基
板1を透過して出射する)。この光10とフォトクロミ
ック層2がない部分の光9の位相差が0(ゼロ)になる
ようにフォトクロミック層2の膜厚を設定すれば、再生
信号に与える悪影響を抑えることができる。位相差が0
ということはすなわち、光9と光10の光路差がλであ
るということになる。従って、フォトクロミック層2の
膜厚11は再生波長でのフォトクロミック層2の屈折率
をnとすると、λ/(2・n)にすればよい。
【0023】さて、図3はバーコード13や文字、絵柄
等を型どったマスク14を示す図であり、バーコード1
3の黒い部分は打ち抜いてある。また、図4は図3に示
したマスク14を介して紫外線を光ディスクAの基板1
の入射面1a側からフォトクロミック層2上に照射して
バーコード、文字、絵柄等の複製防止情報を記録するこ
とを説明するための図である。
【0024】すなわち、図4に示すように、図1の構造
をもつ光ディスクAの基板1の再生光入射面1a上に、
図3のマスク14を重ね、この後、このマスク14の上
方から紫外線照射装置16によって紫外線17を照射す
る。この結果、紫外線17の照射によって、マスク14
によって遮光されていない光ディスクAの部分(図3に
示すバーコード13や文字、絵柄等に対応した部分)の
フォトクロミック層2の組成が変化し、光学特性が変化
する。光学特性が変化したことにより、紫外線が照射さ
れたこの部分は発色する。これに対して、マスク14で
覆われて紫外線が照射されない部分は発色しない。この
結果、発色している部分は発色していない部分と比較し
て再生波長域に対して幾らかの吸収を持つようになる。
こうして、光ディスクAのフォトクロミック層2にバー
コード、文字、絵柄等の複製防止情報を記録することが
できる。
【0025】一方、図6は光ディスクAにバーコード、
文字、絵柄等の複製防止情報である鍵情報27を記録す
るための別の記録方法である。すなわち、図6に示すよ
うに、図1の構造をもつ光ディスクAの基板1の再生光
入射面1a上に、前記した鍵情報27で変調されたレー
ザ光25を前記基板1上に照射することにより、光ディ
スクAのフォトクロミック層2にバーコード、文字、絵
柄等の複製防止情報を記録することができる。詳しく
は、前記した鍵情報27はレーザ駆動回路28に入力さ
れ、レーザ駆動回路28は光ピックアップ26を駆動
し、レーザ光25の強弱に変換される。レーザ光25は
光ディスクA上のフォトクロミック層2が設けられた領
域24に集光され、記録される。このとき鍵情報27は
光ディスクA上に記録されている情報ピットの読み出し
に影響を与えないよう、十分に低い周波数である必要が
ある。十分に強いレーザ光が集光されることによって、
フォトクロミック層2の組成が変化し、光学特性が変化
する。光学特性が変化したことにより、このレーザ光2
5が集光された部分は発色し、再生波長域に対して幾ら
かの吸収を持つようになる。こうして、光ディスクAの
フォトクロミック層2にバーコード、文字、絵柄等の複
製防止情報を記録することができる。
【0026】次に、不正に複製された光ディスクAの再
生防止方法について説明する。この再生防止方法には、
図7に示す本発明の光情報記録媒体再生装置(再生装
置)Bが用いられる。この再生装置Bは、図7に示すよ
うに、ピックアップ29、RFアンプ30、エッジ検出
回路31、コンパレータ32、コントローラ33、ディ
スク駆動回路34、回転モータ、ターンテーブル(図示
せず)から構成される。前述したように、光ディスクA
にはバーコードや文字、絵柄等に対応した鍵情報が記録
された鍵情報部分24が設けられている。
【0027】前記した再生装置Bは、この鍵情報部分2
4から前記した鍵情報27を検出できるか否かで、再生
するべき光ディスクAが正規のものかあるいは不正に複
製されたものであるかを判定でき、この判定の結果、正
規の光ディスクAである場合には再生動作が引き続いて
行われるのであり、一方、正規の光ディスクAでない場
合には直ちに再生動作が停止されるのである。
【0028】具体的には、ピックアップ29は前記した
鍵情報部分24が記録されている領域に移送されて、再
生走査を開始する。ピックアップ29からの再生信号は
RFアンプ30で所定レベルに増幅され、エッジ検出回
路31、コンパレータ32を介してコントローラ33へ
供給される。コントローラ33は再生信号に前記した鍵
情報部分24が存在するか否かを判定する。この判定の
結果、鍵情報部分24が検出された場合には、ディスク
駆動回路34に対して継続してターンテーブルを回転駆
動するための制御信号を回転モータ(図示せず)に出力
する。こうして、鍵情報部分24が存在する正規の光デ
ィスクは引き続いて再生が行われる。一方、鍵情報部分
24が検出されない場合には、ディスク駆動回路34に
対してターンテーブルの回転駆動を停止するための制御
信号を回転モータに出力する。こうして鍵情報部分24
が存在しない光ディスクAは直ちに停止され再生が行わ
れない。
【0029】図5(A)の信号18は、図4の方法又は
図6の方法でできた光ディスクAのフォトクロミック層
2のない領域、または紫外線又はレーザ光の照射によっ
てバーコード13が形成されていないフォトクロミック
層2のある領域を再生装置Bで再生したときの再生エン
ベロープである(前述した鍵情報部分24が検出されな
い場合の再生エンベロープ)。これは通常のCDやDV
Dを再生したものと変わりがない。
【0030】図5(B)の信号19は、図4の方法又は
図6の方法でできた光ディスクAの紫外線又はレーザ光
の照射によってバーコード13が形成された領域を、再
生装置Bで再生したときの信号エンベロープである(前
述した鍵情報部分24が検出された場合の再生エンベロ
ープ)。紫外線又はレーザ光の照射によって発色し、吸
収を持った領域の再生信号の振幅は21のようになり、
発色していない領域の再生信号振幅22に比べて変調度
が低下する。
【0031】図5(C)の信号20は、前記した再生信
号エンベロープ19(図5(B))を前記したエッジ検
出回路31でエッジ検出し、コンパレータ32を通すこ
とによって得られた信号である。この信号20を光ディ
スクAを正規に再生する際の再生鍵情報として用いる。
この信号20をコントローラ33に入力し、コントロー
ラ33は信号20の有無を判断し、信号20が存在すれ
ばディスク駆動回路34を操作してこのディスク23の
再生を開始し、信号20が存在しなければ、ディスク駆
動装置34を操作してこの光ディスクAの再生を中止す
る。
【0032】ところで、前記した光ディスクAの基板1
の信号面(入射面1aとは反対側の面)を露出させてこ
れからディスクスタンパを作成し、違法複製ディスクを
大量に作ったとしても、この違法複製ディスクには前記
したフォトクロミック層2が積層されていないために、
前記した鍵情報をディスクに記録することができず、正
規の再生装置Bでは再生することができないのである。
このようにして光ディスクAの違法複製を防止すること
が可能となる。また前述した鍵情報部分24にバーコー
ドで何らかの情報を記録させておくことによって、より
強固なコピー防止が可能となる。
【0033】(実施例2)本発明の光情報記録媒体の実
施例2について説明する。この実施例2の光ディスクA
Aの構成は、前述した実施例1の光ディスクA(図1)
の構成中フォトクロミック層2の代わりにサーモクロミ
ック層2Aを用いたものに等しい。以下前述したものと
同一構成部分には同一符号を付しその説明を省略する。
本発明の光情報記録媒体(光ディスク)AAは、図1に
示すように、基板1上にサーモクロミック層2A、反射
膜3、保護膜4を順次積層してなる。
【0034】前記した光ディスクAAの製造手順は、次
の(1),(2)の通りに行われる。 (1) ピット5を成型したポリカーボネート基板1上
の全体又は一部に、サーモクロミック層2Aを真空成膜
又はスピンコートにて形成する。このサーモクロミック
層2Aは、再生波長域に対してはほとんど透明である。
ここで使用できるサーモクロミック材料の例としては、
ロイコ色素、フルオラン系化合物、フタリド系化合物等
がある。またこのサーモクロミック層2Aの膜厚はλ/
(2・n)の倍数(λ:再生波長、n:再生波長でのサ
ーモクロミック層2Aの屈折率)とする。 (2) その後CD等と同様にアルミニウム等の反射膜
3を真空成膜し、その上に保護膜4を塗布する。
【0035】ここで、前記したフォトクロミック層2A
の膜厚の条件につき、図2を用いて説明する。CDやD
VDのような方式の光ディスクでは、光ビームを小さな
スポットに絞って、それがピット5のところで回折され
て再生装置の対物レンズ(図示せず)に戻る光量が少な
くなることを利用して信号の検出している。このときラ
ンド6に反射して戻ってくる光8と、ピット5の底に反
射して戻ってくる光9の位相差がπの奇数倍になったと
き、回折の効果は最大になる。位相差がπということ
は、前記光8と光9の光路差がλ/2あればよく、これ
はピットの深さ12がλ/4であればよいということで
ある。実際の光ディスクにおけるピット5の深さ12は
基板1の屈折率をn'とすると、λ/(4・n')よりや
や浅めの値に設定されている。これはトラッキングエラ
ー信号を得るためである。
【0036】前記したように、基板1と反射膜3の間に
サーモクロミック層2Aを設けた場合、光路は10のよ
うになる(光10は基板1を透過した後にサーモクロミ
ック層2Aの反射膜側で反射した後に、戻り光として再
び基板1を透過して出射する)。この光10とサーモク
ロミック層2Aがない部分の光9の位相差が0(ゼロ)
になるようにサーモクロミック層2Aの膜厚を設定すれ
ば、再生信号に与える悪影響を抑えることができる。位
相差が0ということはすなわち、光9と光10の光路差
がλであるということになる。従って、サーモクロミッ
ク層2Aの膜厚11は再生波長でのサーモクロミック層
2Aの屈折率をnとすると、λ/(2・n)にすればよ
い。
【0037】図4は図3に示したマスク14を介して紫
外線を光ディスクAAの基板1の入射面1a側からサー
モクロミック層2A上に照射してバーコード、文字、絵
柄等の複製防止情報を記録することを説明するための図
である。
【0038】すなわち、図4に示すように、図1の構造
をもつ光ディスクAAの基板1の再生光入射面1a上
に、図3のマスク14を重ね、この後、このマスク14
の上方から紫外線照射装置16によって紫外線17を照
射する。この結果、紫外線17の照射によって、マスク
14によって遮光されていない光ディスクAAの部分
(図3に示すバーコード13や文字、絵柄等に対応した
部分)のサーモクロミック層2Aの組成が変化し、光学
特性が変化する。光学特性が変化したことにより、紫外
線が照射されたこの部分は発色する。これに対して、マ
スク14で覆われて紫外線が照射されない部分は発色し
ない。この結果、発色している部分は発色していない部
分と比較して再生波長域に対して幾らかの吸収を持つよ
うになる。こうして、光ディスクAAのサーモクロミッ
ク層2Aにバーコード、文字、絵柄等の複製防止情報を
記録することができる。
【0039】一方、図6は光ディスクAAにバーコー
ド、文字、絵柄等の複製防止情報である鍵情報27を記
録するための別の記録方法である。すなわち、図6に示
すように、図1の構造をもつ光ディスクAAの基板1の
再生光入射面1a上に、前記した鍵情報27で変調され
たレーザ光25を前記基板1上に照射することにより、
光ディスクAAのサーモクロミック層2Aにバーコー
ド、文字、絵柄等の複製防止情報を記録することができ
る。詳しくは、鍵情報27はレーザ駆動回路28に入力
され、レーザ駆動回路28は光ピックアップ26を駆動
し、レーザ光25の強弱に変換される。レーザ光25は
光ディスクAA上のサーモクロミック層2Aが設けられ
た領域24に集光され、記録される。このとき鍵情報2
7は光ディスクAA上に記録されている情報ピットの読
み出しに影響を与えないよう、十分に低い周波数である
必要がある。十分に強いレーザ光25が集光されること
によって、サーモクロミック層2Aの組成が変化し、光
学特性が変化する。光学特性が変化したことにより、こ
のレーザ光25が集光された部分は発色し、再生波長域
に対して幾らかの吸収を持つようになる。こうして、光
ディスクAAのサーモクロミック層2Aにバーコード、
文字、絵柄等の複製防止情報を記録することができる。
【0040】次に、不正に複製された光ディスクAAの
再生防止方法について説明する。この再生防止方法に
は、図7に示す本発明の光情報記録媒体再生装置(再生
装置)Bが用いられる。
【0041】前記した再生装置Bは、この鍵情報部分2
4から前記した鍵情報27を検出できるか否かで、再生
するべき光ディスクAAが正規のものかあるいは不正に
複製されたものであるかを判定でき、この判定の結果、
正規の光ディスクAAである場合には再生動作が引き続
いて行われるのであり、一方、正規の光ディスクAAで
ない場合には直ちに再生動作が停止されるのである。
【0042】具体的には、ピックアップ29は前記した
鍵情報部分24が記録されている領域に移送されて、再
生走査を開始する。ピックアップ29からの再生信号は
RFアンプ30で所定レベルに増幅され、エッジ検出回
路31、コンパレータ32を介してコントローラ33へ
供給される。コントローラ33は再生信号に前記した鍵
情報部分24が存在するか否かを判定する。この判定の
結果、鍵情報部分24が検出された場合には、ディスク
駆動回路34に対して継続してターンテーブルを回転駆
動するための制御信号を回転モータ(図示せず)に出力
する。こうして、鍵情報部分24が存在する正規の光デ
ィスクは引き続いて再生が行われる。一方、鍵情報部分
24が検出されない場合には、ディスク駆動回路34に
対してターンテーブルの回転駆動を停止するための制御
信号を回転モータに出力する。こうして鍵情報部分24
が存在しない光ディスクAAは直ちに停止され再生が行
われない。
【0043】図5(A)の信号18は、図4の方法又は
図6の方法でできた光ディスクAAのサーモクロミック
層2Aのない領域、または紫外線又はレーザ光の照射に
よってバーコード13が形成されていないサーモクロミ
ック層2Aのある領域を再生装置Bで再生したときの再
生エンベロープである(前述した鍵情報部分24が検出
されない場合の再生エンベロープ)。これは通常のCD
やDVDを再生したものと変わりがない。
【0044】図5(B)の信号19は、図4の方法又は
図6の方法でできた光ディスクAAの紫外線照射によっ
てバーコード13が形成された領域を、再生装置Bで再
生したときの信号エンベロープである(前述した鍵情報
部分24が検出された場合の再生エンベロープ)。紫外
線又はレーザ光の照射によって発色し、吸収を持った領
域の再生信号の振幅は21のようになり、発色していな
い領域の再生信号振幅22に比べて変調度が低下する。
【0045】図5(C)の信号20は、前記した再生信
号エンベロープ19(図5(B))を前記したエッジ検
出回路31でエッジ検出し、コンパレータ32を通すこ
とによって得られた信号である。この信号20を光ディ
スクAAを正規に再生する際の再生鍵情報として用い
る。この信号20をコントローラ33に入力し、コント
ローラ33は信号20の有無を判断し、信号20が存在
すればディスク駆動回路34を操作してこのディスク2
3の再生を開始し、信号20が存在しなければ、ディス
ク駆動装置34を操作してこの光ディスクAAの再生を
中止する。
【0046】ところで、前記した光ディスクAAの基板
1の信号面(入射面1aとは反対側の面)を露出させて
これからディスクスタンパを作成し、違法複製ディスク
を大量に作ったとしても、この違法複製ディスクには前
記したサーモクロミック層2Aが積層されていないため
に、前記した鍵情報をディスクに記録することができ
ず、正規の再生装置Bでは再生することができないので
ある。このようにして光ディスクAAの違法複製を防止
することが可能となる。また前述した鍵情報部分24に
図5(B)のような単一周波数信号でなく、何らかの変
調信号を記録させておくことによって、より強固なコピ
ー防止が可能となる。
【0047】
【発明の効果】上述した構成を有する本発明の光情報記
録媒体によれば、バーコード、文字、絵柄等の複製防止
情報である鍵情報をディスクのデータ領域内に、データ
と同時に記録するのではなく、ディスク製造後に専用の
記録装置を使ってフォトクロミック層やサーモクロミッ
ク層の特定領域である鍵情報部分に鍵情報を記録するた
め、ディスクからスタンパを作成し、違法複製ディスク
を大量に作ろうとしたとしても、フォトクロミック層や
サーモクロミック層がないために鍵情報を記録すること
ができない。よって事実上複製は不可能であり、非常に
強力な不正コピー防止が実現でき、また、こうした光情
報記録媒体を製造する光情報記録媒体製造方法、こうし
て製造した光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再
生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の断面構造を説明する
ための図である。
【図2】フォトクロミック層の膜厚の条件を説明するた
めの図である。
【図3】バーコードや文字、絵柄等を型どったマスクを
示す図である。
【図4】図3に示したマスクを用いて紫外線を光ディス
ク上に照射することを説明するための図である。
【図5】本発明の光情報記録媒体を再生した再生エンベ
ロープを説明するための図である。
【図6】本発明の光情報記録媒体に鍵情報を記録する記
録装置のブロック図である。
【図7】本発明の光情報記録媒体再生装置のブロック図
である。
【符号の説明】
1 基板 1a 面 2 フォトクロミック層 2A サーモクロミック層 3 反射層 5 ピット 14 マスク 24 鍵情報部分(特定領域) 31 エッジ検出回路 32 コンパレータ 33 コントローラ(再生制御手段) A,AA 光ディスク(光情報記録媒体) B 再生装置(光情報記録媒体再生装置)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のトラックピッチで同心円状又はスパ
    イラル状に配置されたピット列又は案内溝を有する基板
    と、 この基板上の一部又は全面に形成されたフォトクロミッ
    ク材料からなるフォトクロミック層と、 このフォトクロミック層上に反射層とを順次積層してな
    る光情報記録媒体であって、 紫外線又はレーザ光の照射により前記フォトクロミック
    層の光学特性を変化させることによって、前記フォトク
    ロミック層にバーコード、文字、絵柄等の複製防止情報
    を記録したことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】所定のトラックピッチで同心円状又はスパ
    イラル状に配置されたピット列又は案内溝を有する基板
    と、 この基板上の一部又は全面に形成されたサーモクロミッ
    ク材料からなるサーモクロミック層と、 このサーモクロミック層上に反射層とを順次積層してな
    る光情報記録媒体であって、 紫外線又はレーザ光の照射により前記サーモクロミック
    層の光学特性を変化させることによって、前記サーモク
    ロミック層にバーコード、文字、絵柄等の複製防止情報
    を記録したことを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の光情報記録
    媒体を製造する光情報記録媒体製造方法であって、 所定のトラックピッチで同心円状又はスパイラル状に配
    置されたピット列又は案内溝を有する基板上の一部又は
    全面に、フォトクロミック材料からなるフォトクロミッ
    ク層又はサーモクロミック材料からなるサーモクロミッ
    ク層を成膜する工程と、 前記フォトクロミック層又はサーモクロミック層上に反
    射層を成膜する工程と、 前記フォトクロミック層又はサーモクロミック層が積層
    されている前記基板の面とは反対側の面上に、バーコー
    ド、文字、絵柄等の複製防止情報を型どったマスクを重
    ねる工程と、 このマスクの上方から紫外線を前記基板上に照射する工
    程とを備え、 紫外線が照射された部分の前記フォトクロミック層又は
    サーモクロミック層の光学特性を変化させることによ
    り、前記フォトクロミック層又はサーモクロミック層に
    前記複製防止情報を記録したことを特徴とする光情報記
    録媒体製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2に記載の光情報記録
    媒体を製造する光情報記録媒体製造方法であって、 所定のトラックピッチで同心円状又はスパイラル状に配
    置されたピット列又は案内溝を有する基板上の一部又は
    全面に、フォトクロミック材料からなるフォトクロミッ
    ク層又はサーモクロミック材料からなるサーモクロミッ
    ク層を成膜する工程と、 前記フォトクロミック層又はサーモクロミック層上に反
    射層を成膜する工程と、前記フォトクロミック層又はサ
    ーモクロミック層が積層されている前記基板の面とは反
    対側の面の上方から、バーコード、文字、絵柄等の複製
    防止情報で変調されたレーザ光を前記基板上に照射する
    工程とを備え、 前記レーザ光が照射された部分の前記フォトクロミック
    層又はサーモクロミック層の光学特性を変化させること
    により、前記フォトクロミック層又はサーモクロミック
    層に前記複製防止情報を記録したことを特徴とする光情
    報記録媒体製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2に記載の光情報記録
    媒体を再生する光情報記録媒体再生装置であって、 前記光情報記録媒体の特定領域を再生走査することによ
    って、前記フォトクロミック層又は前記サーモクロミッ
    ク層に記録されているバーコード、文字、絵柄等の複製
    防止情報を、再生信号中から検出する検出手段と、 この検出手段からの検出信号により、前記複製防止情報
    が検出された場合は、前記光情報記録媒体の再生走査を
    行い、前記複製防止情報が検出されない場合には、前記
    光情報記録媒体の再生走査を行わないことを制御する再
    生制御手段とを備えたことを特徴とする光情報記録媒体
    再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006221803A (ja) * 2006-04-07 2006-08-24 Memory Tec Kk 光ディスクの不正コピー発見システム及び不正コピー発見方法
JP2020108829A (ja) * 2014-05-28 2020-07-16 パープルサン インコーポレイテッド 紫外線照射のフォトクロミック検出

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JP4536676B2 (ja) * 2006-04-07 2010-09-01 メモリーテック株式会社 光ディスクの不正コピー発見システム及び不正コピー発見方法
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