JP3741294B2 - 光ディスク及びその再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク及びその再生装置に係り、特に音楽ソフトやゲームソフト等を記録した光ディスクが正規の製品か否かを厳密に確認し、著作権の侵害を構成する不正な複製を防止するための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオディスクであるCD(Compact Disc)やテレビゲームの記録媒体に用いられている光ディスク、更には最近注目されている映像ディスクであるDVD(Digital Video Disc)は、その情報がディジタルデータで記録されているために多数回の複製によっても音質や映像の劣化がなく、アナログ記録の音楽磁気テープ等の記録媒体よりも不正な複製が横行し易い。
特に、それらの光ディスクが「海賊版」と称される光ディスクとして複製されると、著作権者や出版社に多大な不利益をもたらすことになる。
【0003】
従って、著作権法でも特別な考慮が図られていると共に、出版社側では光ディスクのレーベル面や最内周側の鏡面領域に正規の製品であることを示す識別情報(製造ロット番号やシリアル番号等)を印刷・刻印して製造・出荷を管理することが行われている。。
しかし、前記の識別情報を印刷や刻印によって行うのではその複製も容易であるため、光ディスクの製造に際して、その保護層を形成する前又は形成した後に、高出力レーザビームで鏡面領域の反射層にディスクの中心から見て放射方向に長いバーコードエレメントとなる貫通孔を形成してバーコードシンボルを構成する方式が提案されている(特開平6-203412号)。
また、本願出願人は、主情報を一定の符号化手段で記録しておくと共に、前記の鏡面領域等に主情報の復号化手段を示すキー情報をバーコードシンボルで記録しておき、再生装置がそのキー情報を読取ってその情報で示される復号化方式で主情報を復号化・再生する方式(特開平7-85574号)や、キー情報を主情報を構成するピットの変形態様で与えておき、そのキー情報を先に読取って復号化手段等を選択するという再生方式(特開平8-124219号)を提案している。
【0004】
尚、ソフトウェア製品の複製を防止する対策には、前記のような物理的手法が絡まない論理的手法のみによる対策もあるが、一般には物理的手法の方がより有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平6-203412号の方式による場合、従来のレーベル面への印刷や鏡面領域への刻印による方式よりも複製が困難になるが、高出力レーザビームを用いて幅の広いバーコードエレメントで固有のバーコードシンボルを形成することは比較的簡単な設備で容易に行え、またその加工コストも安価である。
従って、それだけに複製が容易であり、実際面で光ディスクの複製に対してどれだけ有効な防止効果があるかは疑問である。
【0006】
一方、特開平7-85574号及び特開平8-124219号の方式では、再生装置側の復号化方法が関連して再生の許可/不許可を決定させるためにより有効な複製防止対策となる。
しかし、特開平7-85574号には前記の特開平6-203412号の場合と同様にバーコードシンボルの形成が比較的容易であるためにその有効性が失われてしまう。
また、特開平8-124219号ではピットの変形という特殊な方式を採用しているために極めて高いセキュリティ機能を実現できるが、ディスクの製造段階又は製造後に極めて微細なピットを変調するための複雑で高度な技術を必要とし、高価な製造設備が必要になり、歩留まりが低下することを避けられない。
それに対して、ディスクの製造段階又は製造後に鏡面領域に対して浅い溝を緻密に形成することについては、比較的安価な溝形成装置で行うことができる。
【0007】
そこで、本発明は、バーコードによって正規の製品か否かが判定でき、且つ比較的安価な設備で複製が困難な光ディスクを提供し、再生装置側の構成と相俟って不正な複製を有効に防止することを目的として創作された。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスクは、その主情報の記録領域以外であって光ピックアップで読取り可能な領域の反射層に、ディスクの中心から見て放射方向へ長い貫通孔として形成したバーエレメントからなるバーコードシンボルを構成し、前記のバーコードシンボルはその光ディスクを識別するための情報を有していると共に、その隣接したバーエレメント間の各反射層の表面に、ディスクの中心から見て放射方向へ長い多数本の細溝を形成したことを特徴とする光ディスクに係る。
【0009】
そして、その光ディスクの再生に際しては、光ディスクの主情報の再生に先立って、光ディスクを回転させながら光ピックアップをバーコードシンボルの構成領域へ移動させて信号の読取りを実行させる読取り制御手段と、前記読取り制御手段による制御過程で光ピックアップが読取った信号からバーコードシンボルから得られた信号成分のみを通過させる第1フィルタ手段と、前記読取り制御手段による制御過程で光ピックアップが読取った信号からバーコードシンボルの隣接したバーエレメント間に形成されている細溝に基づいて得られた信号成分のみを通過させる第2フィルタ手段と、前記第2フィルタ手段の出力信号を検波する検波手段と、前記第1フィルタ手段の出力信号に基づいてバーコードデータを作成する第1データ作成手段と、前記検波手段の検波出力信号に基づいてバーコードデータを作成する第2データ作成手段と、前記の各データ作成手段による各バーコードデータを選択的に出力させるスイッチング手段と、前記スイッチング手段の切換えにより各バーコードデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶した何れか一方のバーコードデータが正規の光ディスクに付与される識別データか否かを判別する判別手段と、前記記憶手段が記憶した双方のバーコードデータを比較する比較手段と、前記判別手段が正規の光ディスクに付与される識別データであることを判別し、且つ前記比較手段が一致を確認した場合にのみ光ディスクの主情報の再生許可を与える判定手段を具備した再生装置が適用される。
【0010】
この発明の光ディスクでは、主情報の記録領域以外であって光ピックアップで読取り可能な領域の反射層に対して、貫通孔でバーエレメントを形成したバーコードシンボルに加えて、そのスペースエレメントに相当する各バーエレメント間に多数本の細溝が形成してある。
そして、バーエレメントにカムフラージュされる態様で視覚的に各バーエレメント間を一様に少し暗くさせるだけでそれらの細溝の存在を認識できないように構成できる。
【0011】
ところでに、バーコードシンボルはその光ディスクの識別情報を与える内容を有しているが、細溝はそれ自体の配列が特別な情報を与えるものではない。
しかし、前記再生装置の光ピックアップでバーコードシンボルと細溝を読取った場合、第1フィルタ手段の出力信号と、第2フィルタ信号の出力信号を検波手段で検波した後の信号はほぼ同様の信号波形となる。
従って、第1フィルタ手段の出力信号と検波手段による検波信号をそれぞれ第1及び第2のデータ作成手段でバーコードデータを作成すれば、それらは一致したデータとなる。
換言すれば、各バーコードデータが同一になることで細溝の存在が確認でき、細溝が施されていない場合にはその同一性が確保できないために正規の光ディスクではないことが確認できる。
この発明では、スイッチング手段を介して各バーコードデータを記憶手段に記憶させ、先ず、判別手段によって何れか一方のバーコードデータが正規の光ディスクに付与され得る識別データか否かを判別し、更に比較手段で各バーコードデータが同一か否かをみて光ディスクに細溝が形成されているか否かを確認し、それら2重の条件が満たされた場合に、光ディスクを正規の製品であると判定して主情報の再生許可を与えることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ディスク及びその再生装置の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
先ず、図1は実施形態に係る光ディスクの読取り面側の平面図(B)とその要部の拡大図(A)を示す。
同図において、1は光ディスクであり、その主情報の記録領域2のリードイン部の内側でクランパ領域3の外側に相当する領域には環状の鏡面領域4が構成されている。
ここに、鏡面領域4は、光ディスク1における透明プラスチック層(カーボネイト層)と保護層の間に介装されている反射層(アルミニウム等の金属層)に主情報が記録されておらず、鏡面状の反射面として構成されている。
【0013】
そして、この実施形態では、鏡面領域4の反射層に光ディスク1の中心から見て放射方向へ長い貫通孔として形成したバーエレメント5aによってモジュール幅を比較的広くとったバーコードシンボル5を構成し、更に各バーエレメント5aの間、即ちスペースエレメント5bに相当する部分には、光ディスク1の中心から見て放射方向へ長い細溝6が微小ピッチで多数本形成してある。
また、前記のバーコードシンボル5は、その光ディスクに係るシリアル番号やロット番号を含んだ識別情報を与えるように構成されている。
尚、細溝6は貫通孔ではなく反射層の表面に浅く形成した溝であり、その幅はバーエレメント5aの幅と比較して遥かに小さく設定されている。
【0014】
従って、バーコードシンボル5のバーエレメント5aはその存在を視覚的に確認できるが、そのスペースエレメント5bは多数本の細溝6による光回折現象に基づいて少し暗い面としてしか見えず、顕微鏡等で見なければ細溝6の存在を確認することはできない。
また、細溝6はバーエレメント5aによってカムフラージュされるため、細溝6の存在を視覚的に発見することは困難である。
【0015】
前記のバーコードシンボル5を施した一部分を鏡面領域4の半径方向に係る幅の略中心を通る周方向断面で見ると図2のようになっている。
同図において、10はカーボネイト層、11は保護層であり、それらの層間に反射層12が介装されているが、その反射層12は、SEで示したスペースエレメント5bの部分では連続しており、BEで示したバーエレメント5aは貫通孔として形成されているために不連続になっている。
そして、反射層12のスペースエレメント5bに対応する部分の表面には小さい周期で細溝6が形成されている。
【0016】
ここに、各バーエレメント5aは、上記の特開平6-203412号の方式に基づいて、この光ディスク1の製造過程で保護層11を施す前又は施した保護層11を硬化させる前に高出力レーザビームを反射層12に集光させてそのアルミニウム層に貫通孔を形成することにより構成される。
一方、細溝6は小出力レーザビームを反射層12に集光させてアルミニウム層の表面に小さい周期の凹凸を形成することにより構成される。尚、細溝6の形成は比較的高度な技術を必要とするが、安価な設備で行うことができる。
従って、光ディスク1の鏡面領域4を読取り光のビームスポットで周方向へ走査した場合、バーエレメント5aでは光が反射せず、スペースエレメント5bでは細溝6によって変調された反射光が生じる。
【0017】
そして、前記の光ディスク1は図3に示す再生装置で再生される。但し、図3のシステム回路は主に再生装置におけるディスク確認に関連した部分のシステム回路であり、それ以外の部分は省略されている。
同図において、21は光ピックアップ、22はスピンドルモータ、23はスピンドル・トラッキング制御等を実行するサーボ回路、24は光ピックアップ21に対するアクチュエータドライバ、25は光ピックアップ21の検出信号を増幅する光量検出アンプ、26はアンプ、27はバーコードシンボル5のバーエレメント5aとスペースエレメント5bによって大きな振幅と周期で現れる光検出信号成分のみを通過させるローパスフィルタ(LPF)、28は閾値電圧をVtbとしてLPF27の出力信号を2値化するコンパレータ、29はアンプ、30は細溝6で変調されて小さな振幅と周期で現れる光検出信号成分のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)、31はBPF30の出力信号を検波する検波回路、32は閾値電圧をVtlとして検波回路31の出力信号を2値化するコンパレータ、33は各コンパレータ28,32の出力が入力されており、その入力を制御によって選択的に出力させるスイッチ回路、34はスイッチング回路33の出力データをデコードするバーコードデコーダ、35は再生装置のシステム全体を統括的に制御すると共にディスク確認モードにおいてセットされた光ディスク1の再生の許可/不許可を判定するマイクロコンピュータ回路(以下「マイコン回路」という)である。
【0018】
次に、前記のシステム回路において光ディスク1を再生する際の動作手順を図11のフローチャートを用いて説明する。また、その説明の過程で必要に応じて図1から図10を参照する。
図3において、マイコン回路35に対して光ディスク1の再生指示がなされると、そのCPUはROMに格納されている制御プログラムに基づいて、以下の手順を実行する。
先ず、再生指示によってディスク確認モードを設定し、スイッチ回路33をa側へ接続すると共に、直ちにサーボ回路23へ同モードでの制御データを出力する(S1〜S4)。
そして、サーボ回路23は光ピックアップ21を環状の鏡面領域4における半径方向の略中心位置にセットし、スピンドルモータ22を起動させて光ディスク1を360°以上定速回転させる(S5)。
【0019】
その回転状態で、光ピックアップ21は必ずバーコードシンボル5aを走査することになるが、バーコードシンボル5を横切った際の出力信号(読取り信号)の信号波形は図4のような信号波形となる。
即ち、図2を対応させれば明らかなように、バーコードシンボル5のバーエレメント5aを横切る時間帯にはそれが貫通孔として形成されているために反射光量が極端に低下し、スペースエレメント5bを横切る時間帯には反射層12があるために大きな反射光量が得られるが、その反射層12の表面に形成されている細溝6によって反射光量に変調が生じ、その結果、光ピックアップ21の出力信号は、バーコードシンボル5のバーエレメント5aとスペースエレメント5bによって大きな振幅と周期で現れる信号成分とスペースエレメント5b部分の細溝6で変調されて小さな振幅と周期で現れる信号成分とが重畳した波形となる。
【0020】
そして、前記の読取り信号は光量検出アンプ25からアンプ26を介してLPF27へ入力され、また光量検出アンプ25からアンプ29を介してBPF30へ入力される。
ここで、LPF27はバーエレメント5aとスペースエレメント5bによる信号成分のみを通過させるため、スペースエレメント5b部分の細溝6で変調された信号成分をカットし、図5の信号波形に示す信号を出力させる。
また、BPF30は逆にスペースエレメント5b部分の細溝6で変調された信号成分のみを通過させるため、バーエレメント5aとスペースエレメント5bによる信号成分をカットし、図7の信号波形に示す信号を出力させる。
より詳細には、LPF27とBPF30は図10の点線で示すような周波数特性を有しており、それぞれの通過帯域にバーエレメント5aとスペースエレメント5bによる信号成分のスペクトラムと細溝6で変調された信号成分のスペクトラムを含んでいる。
【0021】
次に、LPF27の出力信号はコンパレータ28へ入力され、BPF30の出力信号は検波回路31で検波された後にコンパレータ32へ入力される。
ここに、コンパレータ28は図5に示した信号波形のP-P値のほぼ中間に閾値電圧Vtbを設定してLPF27の出力信号を2値化するため、コンパレータ28の出力信号は図6に示すようなパルス波形の信号となる。
一方、検波回路31へ入力されたBPF30の出力信号は、検波によってその直流成分が除去されるため、細溝6で変調された信号部分だけで高い電圧を示し、それ以外の部分は低い電圧となり、検波回路31の出力は図8に示すようにLPF27の出力信号(図5)に近似した信号波形となる。
そして、その検波信号のP-P値のほぼ中間に閾値電圧Vt1を設定したコンパレータ32で同信号を2値化すると、図9に示すようなパルス波形の信号となる。従って、スイッチ回路33のa側には図6のパルス信号が、b側には図9のパルス信号が入力される。
【0022】
ここで、図11のフローチャートに戻って、スイッチ回路33をa側に接続した状態で光ディスク1が1回転されると(S3〜S5)、バーコードデコーダ34には図6のパルス信号が入力されるが、そのパルス信号はバーコードシンボル5に対応したものであるため、バーコードデコーダ34はそれを解読したデコードデータ(バーコードデータ)Dbをマイコン回路35へ出力する(S6)。
また、マイコン回路35はそのデコードデータDbをI/Oポートから取込んで内蔵RAMに格納する(S6)。
【0023】
次に、マイコン回路35のCPUはI/Oポートを介してスイッチ回路33へ切換え制御信号を出力し、その接続状態をa側からb側へ切換える(S7)。
そして、光ディスク1の2回転目においてスイッチ回路33のb側に入力されている図9のパルス信号をバーコードデコーダ34へ入力させ、バーコードデコーダ34はそれを解読したデコードデータ(バーコードデータ)Dmをマイコン回路35へ出力する(S8)。
また、マイコン回路35は、前記と同様にそのデコードデータDmをI/Oポートから取込んで内蔵RAMに格納する(S8)。
【0024】
以上の手順によって、マイコン回路35のRAMには光ディスク1のバーコードシンボル5に基づいたデコードデータDbと細溝6に基づいたデコードデータDmが格納されたことになる。
そこで、マイコン回路35は、先ずデコードデータDbと予めROMに格納させてある判別用データとを比較する(S9)。
この判別用データは、光ディスク1のバーコードシンボル5に付与され得る識別情報の範囲を示すデータであり、セットされた光ディスクに付与された識別情報がその範囲に含まれていれば、その光ディスクが正規の製品であると一応判別できることになる。
【0025】
従って、前記の比較結果において、デコードデータDbが判別用データの範囲内に含まれていれば光ディスク1を正規の製品であると確定させればよいように思えるが、この実施形態では、更にCPUがデコードデータDbとデコードデータDmを比較し、その比較結果が一致した場合にのみ光ディスク1を正規の製品であると確定的に判定する(S9,S10)。
【0026】
このように、2重の確認条件を課して光ディスク1の正規性を判定することは、次のような意義を有している。
先ず、S9の確認条件はバーコードシンボル5で正確にこの光ディスク1に付与され得る識別情報が表現されているかを確認するものであり、そのようなバーコードシンボル5が付されていないか又は許容できるシリアル番号等が正確に表現されていない場合には不正に複製された光ディスクであるということになる。
しかし、比較的低密度で構成されているバーコードシンボル5を形成することは安価な製造設備で容易に行うことができるため、不正に複製された光ディスクであっても複製対象とした正規の光ディスクのバーコードシンボル5をそのまま形成しておけばS9の確認条件をクリアでき、不正な複製品を排除するための有効性が失われる。
【0027】
ところで、光ディスク1のバーコードシンボル5におけるスペースエレメント5bに上記のように多数本の細溝6が形成されていれば、図6のバーコードシンボル5自体から得られるパルス信号と図9の細溝6に基づいて得られるパルス信号は一致している筈である。
何故なら、図7のBPF30の出力信号において、信号が現れていない直流部分はバーコードシンボル5のバーエレメント5bに対応しており、それを検波回路31で図8の信号波形に変形し、コンパレータ32で2値化して図9のパルス信号を得ているからである。
逆に見れば、もしバーコードシンボル5のスペースエレメント5bに多数本の細溝6が形成されていなければ、光ピックアップ21の出力に細溝6による変調波形が現れず、図7のBPF30の出力信号は直流成分だけになり、図8の検波回路31の出力が0になって、図9のコンパレータ32の出力はLレベルが連続してパルス信号が現れず、結果的にデコードデータDbとDmが一致しないことになる。
【0028】
従って、S10の確認条件をクリアするためには、バーコードシンボル5のバーエレメント5aにカモフラージュされた多数本の細溝6を見つけ出し、設備の改造や高度な技術を必要とする細溝6を多数本形成しなければならず、殆どの不正な複製品はこの条件をクリアできないことになる。
即ち、二重の確認条件で不正な複製に対するセキュリティを飛躍的に向上させることができる。
【0029】
そこで、前記のS9及びS10の両条件をクリアした場合には、マイコン回路35はセットされた光ディスク1が正規の製品であると確定的に判定し、当初に設定したディスク確認モードを解除して本来の再生モードへ移行する(S9,S10→S15)。
尚、この実施形態では、S9の手順でDbとROMの判別データを比較しているが、正規の光ディスク1であればDb=Dmが成立するため、Dmと判別データを比較するようにしてもよい。
【0030】
一方、S9の条件を満たさなかった場合、及びそれを満たしてもS10の条件を満たさなかった場合には、直ちにRAMの格納データをクリアしてS3〜S10の手順を再実行させ(S9〜S12→S3)、更にその手順を3回繰り返し実行してもS7とS8での確認条件をクリアできない時には、マイコン回路35が光ディスク1を完全に不正な複製品であるとみなし、再生不許可の表示制御信号を出力すると共に、その光ディスク1の排出動作を実行させて今回のディスク確認モードを抜ける(S12〜S14)。
尚、S3〜S10の手順を3回実行させているのは、最終確定の慎重を期するためである。
【0031】
この再生装置によれば、マイコン回路35のディスク確認モードに係る実行プログラムをディップスイッチ等で切換えてバーコードシンボル5だけが施されている光ディスクにも対応させるようにすれば、簡単に互換性を具備させることができる。
また、この実施形態では、光ディスク1のバーコードシンボル5とそのスペースエレメント5bに形成された細溝6が常にほぼ同一半径上で現れるような配置態様になっているが、両者が別の半径上に位置しているようにしてもよく、その場合にはサーボ回路23が各半径上を走査できるように光ピックアップ21の移動制御を行うことになる。
更に、以上の基本的原理に基づけば、バーコードシンボルだけでなく、貫通孔を多種多様なキャラクタ形態とし、その間に細溝を形成しておくような方式であっても、光ディスクの正規性判断を同様に行わせることができる。
尚、この実施形態は、光ディスクであって鏡面領域4に相当する領域を有するものであればその種類を問わず適用でき、代表的な光ディスクであるCDだけでなく、ミニディスクや2面張り合わせのMOディスクやDVD-ROM等の多種多様な光ディスクに適用できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の光ディスク及びその再生装置は、以上の構成を有していることにより、次のような効果を奏する。
請求項1の発明は、従来技術のように光ディスクの鏡面領域に対してその識別情報をバーコードシンボルで施すだけでは比較的容易に複製できるが、この発明ではバーコードシンボルに加えて、そのバーエレメントの間に多数本の細溝を施すようにしており、比較的安価な設備を用いて実現できるものの高度の製造技術を必要とするため、不正な複製を困難にして有効な複製防止対策を提供する。
また、細溝はバーエレメントによってカモフラージュされるために高密度バーコードシンボルの存在を発見し難くすることができる。
請求項2の発明は、請求項1の光ディスクを対象とした再生装置として、その光ディスクが具有する条件を満たしていない光ディスクの再生を不許可とし、音楽ソフトやゲームソフト等の不正な複製を無効化する。
また、バーコードシンボルや細溝に基づいて得られる信号の転送レートは光ディスクの主情報の転送レートより遥かに低く、手順実行上の処理データ量も僅かであることから、光量検出アンプやマイコン回路等の主要回路について通常の再生装置が具備しているハードウェアを共用でき、再生装置の製造コストにそれほど大きなコストアップを招かない。
更に、バーコードシンボルだけで複製防止対策を施した光ディスクが普及したとしても、再生の許可/不許可を判定するためのプログラムをディップスイッチ等で切換えるだけで対応させることが可能であり、ハードウェアの変更を伴わずに互換性を確保させることができるという利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスクの読取り面側の平面図(B)とその要部の拡大図(A)である。
【図2】バーコードシンボルを施した一部分を鏡面領域の半径方向に係る幅の略中心を通る周方向断面で見た断面図である。
【図3】光ディスクの再生装置のシステム回路図である。
【図4】ディスク確認モードにおける光ピックアップの出力信号を示すグラフである。
【図5】LPFの出力信号を示すグラフである。
【図6】コンパレータ(バーコードシンボルに係る信号系側)の出力信号を示すグラフである。
【図7】BPFの出力信号を示すグラフである。
【図8】検波回路の出力信号を示すグラフである。
【図9】コンパレータ(細溝に係る信号系側)の出力信号を示すグラフである。
【図10】LPFとBPFの周波数特性及びバーコードシンボルと細溝に係る信号のスペクトラムを示すグラフである。
【図11】再生装置のディスク確認モードでの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…主情報の記録領域、3…クランパ領域、4…鏡面領域、5…バーコードシンボル、5a…バーエレメント、5b…スペースエレメント、6…細溝、10…カーボネイト層、11…保護層、12…反射層、21…光ピックアップ、22…スピンドルモータ、23…サーボ回路、24…アクチュエータドライバ、25…光量検出アンプ、26,29…アンプ、27…LPF、28,32…コンパレータ、30…BPF、31…検波回路、33…スイッチ回路、34…バーコードデコーダ、35…マイコン回路。
Claims (2)
- 光ディスクにおいて、その主情報の記録領域以外であって光ピックアップで読取り可能な領域の反射層に、ディスクの中心から見て放射方向へ長い貫通孔として形成したバーエレメントからなるバーコードシンボルを構成し、前記のバーコードシンボルはその光ディスクを識別するための情報を有していると共に、その隣接したバーエレメント間の各反射層の表面に、ディスクの中心から見て放射方向へ長い多数本の細溝を形成したことを特徴とする光ディスク。
- 請求項1の光ディスクの再生装置であって、光ディスクの主情報の再生に先立って、光ディスクを回転させながら光ピックアップをバーコードシンボルの構成領域へ移動させて信号の読取りを実行させる読取り制御手段と、前記読取り制御手段による制御過程で光ピックアップが読取った信号からバーコードシンボルから得られた信号成分のみを通過させる第1フィルタ手段と、前記読取り制御手段による制御過程で光ピックアップが読取った信号からバーコードシンボルの隣接したバーエレメント間に形成されている細溝に基づいて得られた信号成分のみを通過させる第2フィルタ手段と、前記第2フィルタ手段の出力信号を検波する検波手段と、前記第1フィルタ手段の出力信号に基づいてバーコードデータを作成する第1データ作成手段と、前記検波手段の検波出力信号に基づいてバーコードデータを作成する第2データ作成手段と、前記の各データ作成手段による各バーコードデータを選択的に出力させるスイッチング手段と、前記スイッチング手段の切換えにより各バーコードデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶した何れか一方のバーコードデータが正規の光ディスクに付与される識別データか否かを判別する判別手段と、前記記憶手段が記憶した双方のバーコードデータを比較する比較手段と、前記判別手段が正規の光ディスクに付与される識別データであることを判別し、且つ前記比較手段が一致を確認した場合にのみ光ディスクの主情報の再生許可を与える判定手段を具備したことを特徴とする光ディスクの再生装置。
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