JP2000129077A - 低剛性樹脂組成物 - Google Patents
低剛性樹脂組成物Info
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Abstract
撃強度および成形性に優れ、さらに成形品外観に優れた
低剛性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 重量平均粒子径0.05〜0.15μm
の小粒子ジエン系ゴムラテックスを重量平均粒子径0.
15〜0.8μmに凝集肥大化させた肥大化ジエン系ゴ
ムラテックスと芳香族ビニルおよびシアン化ビニルから
なる単量体を重合してなるグラフト重合体(A)10〜
80重量%、芳香族ビニルおよびシアン化ビニルからな
る単量体を重合してなる固有粘度が0.3〜0.6dl
/gの共重合体(B)80〜10重量%および炭素数が
4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル50〜90重量%、芳香族ビニルおよび/またはシ
アン化ビニル10〜50重量%および炭素数が1〜3の
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル0〜4
0重量%を重合してなる共重合体(C)1〜20重量%
からなる樹脂組成物あって、該樹脂組成物の曲げ弾性率
が18000kg/cm2 以下である低剛性樹脂組成
物。
Description
あるにもかかわらず耐衝撃性、落錘衝撃強度、成形性お
よび成形品外観に優れた低剛性樹脂組成物に関する。
エン−スチレン樹脂)に代表されるゴム強化スチレン系
樹脂は、優れた耐衝撃性、成形加工性ならびに耐熱性等
を有しており、また外観が良好であるため家庭電化製品
のハウジングや自動車部品等幅広い分野で使用されてい
る。ところで、近年、曲げ弾性率が低く耐衝撃性、流動
性に優れた材料で、特に車両用内外装部品として使用さ
れる低剛性材料が求められている。このような低剛性材
料をゴム強化スチレン系樹脂で設計する場合には、通常
樹脂中のゴム成分の含有量を増加させなければならない
が、しかし、単に樹脂中のゴム成分の含有量を増加させ
ると流動性が低下して成形性が悪化する。また、流動性
を向上させるためにゴム強化スチレン系樹脂のマトリッ
クスを形成する芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合
体の分子量を低下させることも考えられるが、単に分子
量を下げると耐衝撃性が低下してしまうため、問題の解
決には到らない。従って、低い曲げ弾性率でありながら
耐衝撃性、落錘衝撃強度さらには成形性および成形品外
観に優れた低剛性材料が望まれていた。
性率であっても優れた耐衝撃性、落錘衝撃強度、成形性
および成形品外観を有する低剛性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。
の解決について鋭意研究した結果、小粒子径のジエン系
ゴムラテックスを凝集肥大化させた肥大化ジエン系ゴム
を用いてなるグラフト共重合体と特定の固有粘度を有す
る共重合体および特定の共重合体からなる樹脂組成物を
用いることにより、低い曲げ弾性率であっても優れた耐
衝撃性、落錘衝撃強度、成形性および成形品外観を有す
る低剛性樹脂組成物が得られることを見いだし本発明に
到達した。
〜0.15μmの小粒子ジエン系ゴムラテックスを重量
平均粒子径0.15〜0.8μmに凝集肥大化させた肥
大化ジエン系ゴムラテックスと芳香族ビニル系単量体お
よびシアン化ビニル系単量体からなる単量体を重合して
なるグラフト重合体(A)10〜80重量%、芳香族ビ
ニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体からなる単
量体を重合してなる固有粘度が0.3〜0.6dl/g
の共重合体(B)80〜10重量%および炭素数が4〜
12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル
単量体50〜90重量%、芳香族ビニル系単量体および
/またはシアン化ビニル系単量体10〜50重量%およ
び炭素数が1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体0〜40重量%を重合してなる共重
合体(C)1〜20重量%からなる樹脂組成物あって、
該樹脂組成物の曲げ弾性率が18000kg/cm2
以下であることを特徴とする低剛性樹脂組成物を提供す
るものである。
する。本発明にて用いられるグラフト重合体(A)と
は、重量平均粒子径0.05〜0.15μの小粒子ジエ
ン系ゴムラテックスを重量平均粒子径0.15〜0.8
μに凝集肥大化させたジエン系ゴムラテックス(固形
分)と芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単
量体を重合して得られるグラフト重合体である。
エン系ゴムラテックスは、例えば1,3−ブタジエン等
に代表されるジエン系単量体を50重量%以上含む単量
体からなる重合体のラテックスであり、該ジエン系単量
体と共重合可能な他の単量体としては、スチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量
体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチル
メタアクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル系単量体等が挙げられる。具体的には、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、ブタジエン−メチルメタアクリ
レート共重合体である。また、使用される小粒子ジエン
ゴムラテックスのゲル含有量(溶媒:トルエン)には特
に制限はないが、好ましくは60〜95重量%のものが
好ましく使用できる。
平均粒子径は0.05〜0.15μであるが、0.05
μ未満のゴムラテックスの製造は困難であり、また0.
15μを超えると凝集肥大化による効果が得られない。
クスの重量平均粒子径が0.15μ未満でも凝集肥大化
による効果が得られず、また0.8μを超える凝集肥大
化の操作も困難となる。好ましくは0.2〜0.6μで
ある。本発明においては、上記した特定の凝集肥大化し
たジエン系ゴムラテックスを使用することにより、耐衝
撃性、落錘衝撃強度、成形性、さらには外観に優れた材
料が得られるものである。
集肥大化する方法としては、従来公知の方法、例えば酸
性物質を添加する方法(特公昭42−3112、特公昭
55−19246、特公平2−9601、特開昭63−
117005、特開昭63−132903、特開平7−
157501、特開平8−259777)、酸基含有ラ
テックスを添加する方法(特開昭56−166201、
特開昭59−93701、特開平1−126301、特
開平8−59704)等を採用することができ、特に制
限はない。
ニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチ
レン等が挙げられ、1種または2種以上用いることがで
きる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等が挙げられ、1種または2種以上
用いることができる。特にアクリロニトリルが好まし
い。また、本発明においては、上記の一部を他の共重合
可能な単量体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、マレイン酸無水物等の不飽和カルボン酸または
不飽和ジカルボン酸無水物、マレイミド、メチルマレイ
ミド、エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の
マレイミド化合物、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量
体等に置換することも可能である。
成する肥大化ジエン系ゴム(a−1)と単量体(a−
2)との組成比率は、最終的に得られる樹脂組成物の曲
げ弾性率を考慮して適宜調整されるが、好ましくは肥大
化ジエン系ゴム(a−1)25〜90重量%および単量
体(a−2)75〜10重量%であり、さらに好ましく
は肥大化ジエン系ゴム(a−1)30〜80重量%およ
び単量体(a−2)70〜20重量%である。また、単
量体(a−2)を構成する芳香族ビニル系単量体とシア
ン化ビニル系単量体の組成比率は、芳香族ビニル系単量
体50〜90重量%およびシアン化ビニル系単量体50
〜10重量%であることが好ましく、さらにこれら単量
体と共に他の共重合可能な単量体を使用する際には0〜
40重量%の範囲で使用可能である。
とは、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単
量体からなる単量体を重合してなる固有粘度(30℃、
ジメチルホルムアミド溶媒)が0.3〜0.6dl/g
の共重合体である。共重合体(B)の固有粘度が0.3
dl/g未満では耐衝撃性に劣り、また0.6dl/g
を超えると成形性および成形品外観に劣るため好ましく
ない。
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラ
メチルスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン等が
挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特
にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。シアン化
ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等が挙げられ、1種または2種以上用いるこ
とができる。特にアクリロニトリルが好ましい。また、
本発明においては、上記の一部を他の共重合可能な単量
体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マ
レイン酸無水物等の不飽和カルボン酸または不飽和ジカ
ルボン酸無水物、マレイミド、メチルマレイミド、エチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド
化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピル
メタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体等に置換す
ることも可能である。また、共重合体(B)を構成する
芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成
比率は、芳香族ビニル系単量体50〜90重量%および
シアン化ビニル系単量体50〜10重量%であることが
好ましく、さらにこれら単量体と共に他の共重合可能な
単量体を使用する際には0〜40重量%の範囲で使用可
能である。
は、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル単量体50〜90重量%、芳香族ビニ
ル系単量体および/またはシアン化ビニル系単量体10
〜50重量%および炭素数が1〜3のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸エステル単量体0〜40重量%を
重合してなる共重合体である。炭素数が4〜12のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が5
0重量%未満では耐光性および耐衝撃性に劣り、また9
0重量%を超えると加工性に劣り好ましくない。また炭
素数が1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸
エステル単量体が40重量%を超えると耐衝撃性に劣る
ため好ましくない。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチ
ル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸
ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソ
ノニルなどが挙げられ、一種または二種以上用いること
ができる。これらのうち特にアクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸n−ブチルが好ましい。
ロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、一種
または二種以上用いることができる。これらのうち特に
アクリロニトリルが好ましい。
α−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ο−エチルスチレン、p−エチルスチレンな
どが挙げられ、一種または二種以上用いることができ
る。これらのうち特にスチレンが好ましい。
タ)アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロ
ピルが挙げられ、一種又は二種以上用いることができ
る。これらのうち特にメタクリル酸メチルが好ましい。
として、公知の乳化重合、溶液重合によって重合するこ
とができる。
入高分子網目構造を有する共重合体であることが好まし
く、特に炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル単量体50〜89重量%、芳香
族ビニル系単量体および/またはシアン化ビニル系単量
体10〜49重量%および炭素数が1〜3のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体1〜40重
量%を重合してなる相互侵入高分子網目構造を有する共
重合体であることが好ましい。該相互侵入高分子網目構
造を有する共重合体とは、従来のポリマーブレンド、グ
ラフト共重合体とは異なり、それぞれの成分ポリマーが
橋かけしていて、その網目鎖が互いにからみあった構造
を有しているものである(1981年4月1日社団法人
高分子学会発行 ポリマーアロイ−基礎と応用−、第3
38〜341頁参照)。このような構造を有する共重合
体を製造する方法としては、一般にポリマー、プレポリ
マー、モノマーを架橋剤、触媒と共に、乳化状態、溶液
状態または塊状状態で混合し、これを重合・硬化させる
ことにより架橋剤と共に絡み合いを形成させるという方
法により得ることができる。
基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、炭素数
が1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル単量体およびシアン化ビニル系単量体を架橋剤と共
に乳化重合して第1段重合を行った後、芳香族ビニル系
単量体およびシアン化ビニル系単量体を追加の架橋剤と
共に乳化重合する2段重合工程により得ることができ
る。特に、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル単量体50〜89重量%、炭素
数が1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体1〜40重量%およびシアン化ビニル系単
量体1〜30重量%を架橋剤と共に乳化重合して第1段
重合を行った後、芳香族ビニル系単量体5〜30重量%
およびシアン化ビニル系単量体1〜30重量%を追加の
架橋剤と共に乳化重合する2段重合工程により得ること
が好ましい。
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレー
ト、ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート等
が挙げられる。
フト重合体(A)10〜80重量%および共重合体
(B)80〜10重量%および共重合体(C)1〜20
重量%からなり、該範囲外では本発明の目的とする樹脂
組成物が得られ難いため好ましくない。
18000kg/cm2 以下であることが必須であ
る。曲げ弾性率が18000kg/cm2 を超えると
耐衝撃性および落錘衝撃強度に劣るため好ましくない。
好ましくは15000kg/cm2 以下である。ま
た、その特性上、曲げ弾性率の下限は5000kg/c
m2である。
化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑
剤、染料、顔料、可塑剤、難燃剤、離型剤、ガラス繊
維、金属繊維、炭素繊維、金属フレーク等の公知の添加
剤、補強材、充填材等を添加することができ、さらに混
合に際しては、通常の押出機、ロール等公知の方法を採
用することができる。
用内外装部品、例えばサイドモール、ピラー、ドアトリ
ム、グリルガード、フロントグリル、リアーガーニッシ
ュ、クラクションホール、コンソールパネル、センター
コンソール、シフトノブ、エアダクト等に使用される
が、これらに何ら限定されるものではなく、これら以外
の各種の部品にも使用することができる。
具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限
されるものではない。なお、実施例中にて示す部および
%は重量に基づくものである。
エン100部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、過
硫酸カリウム0.25部、ロジン酸ナトリウム2.5
部、水酸化ナトリウム0.1部、純水170部を仕込
み、80℃に昇温したのち重合を開始した。重合は10
時間で終了させた。得られたジエン系ゴムラテックス
(a−i)は、固形分37%、重量平均粒子径0.1
μ、ゲル含有量90%であった。なお、ゲル含有量は、
ラテックスを乾燥させてフィルムを作製し、約1gを秤
量した後、トルエンに23℃で48時間浸漬させた後、
不溶分を100メッシュ金網で濾別・乾燥し、その重量
%を測定した。
エン100部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、過
硫酸カリウム0.25部、ロジン酸ナトリウム0.5
部、水酸化ナトリウム0.1部、純水200部を仕込
み、80℃に昇温したのち、ロジン酸ナトリウム1.0
部を15時間かけて連続的に添加し重合を行い、さらに
10時間重合を継続し、重合を終了させた。得られたジ
エン系ゴムラテックス(a−ii)は、固形分33%、重
量平均粒子径0.3μ、ゲル含有量90%であった。
得られたジエン系ゴムラテックス(a−i)270重量
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部を
添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液2
0部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化
カリウム水溶液10部を添加し、固形分34%、重量平
均粒子径0.3μの肥大化ジエン系ゴムラテックス(a
−1)を得た。
エン系ゴムラテックス(固形分)、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム1.5部、過硫酸カリウム、0.3
部を仕込み、70℃に昇温した後、表1に示すスチレン
およびアクリロニトリルからなる単量体混合物を5時間
に亘って連続添加し、グラフト重合体ラテックス(A−
i〜ii、A−1)を得た。得られた各々ラテックス10
0重量部(固形分)当たり酸化防止剤としてフェノール
系酸化防止剤(住友化学工業社製:スミライザーBB
M)1部およびトリスノニルフェニルホスファイト2部
を添加した後、硫酸マグネシウムを用いて塩析・脱水・
乾燥し、グラフト重合体(A−i〜ii、A−1)を得
た。
および過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ後、攪拌下に
65℃に昇温した。その後、アクリロニトリル30部、
スチレン70部およびt−ドデシルメルカプタン0.3
8部からなる混合モノマー溶液および不均化ロジン酸カ
リウム2部を含む乳化剤水溶液30部を各々4時間に亘
って連続添加し、その後重合系を70℃に昇温し、2時
間熟成を行ない重合を終了した。塩析、脱水、乾燥後、
固有粘度0.4dl/gの共重合体(B−1)を得た。
また、t−ドデシルメルカプタンの使用量を0.22部
とする以外は(B−1)と同様の操作を行い、固有粘度
0.7dl/gの共重合体(B−i)を得た。
素数16の脂肪族アルコールから合成されたマレイン酸
のハーフエステル石鹸3.0部、50%の水酸化カリウ
ム溶液1.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.2部、アクリル酸n−ブチル58.9部、アクリ
ロニトリル8.5部、アクリル酸メチル16.7部、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート1.2部、t
−ドデシルメルカプタン0.26部、過硫酸カリウム
0.19部を添加し、60℃にて重合を開始した。全固
形分含有量が25%になった時点で、追加の過硫酸カリ
ウム0.08部を添加し、この第1段の重合を2.5時
間継続し、重合体ラテックスを得た。次いで、第2段と
して、この第1段の重合体ラテックスが入っている重合
反応器に、アクリロニトリル4.8部、スチレン11.
1部、ジビニルベンゼン0.16部およびt−ドデシル
メルカプタン0.03部を添加し、全固形分含有量が3
0%になるまで重合を継続した。得られた重合体ラテッ
クスにつき、凝固・乾燥させ、共重合体(C)を得た。
例で製造したグラフト共重合体(A−i〜ii、A−
1)、共重合体(B−1、B−i)および共重合体
(C)を表2に示す配合割合で混合し、40mm二軸押
出機を用いて230℃で溶融混合、ペレットとした後、
射出成形機にて各種試験片を作成し物性を評価した。結
果を表2に示す。
チ、23℃。 o成形性 :ASTM D−1238に準拠。220
℃、10kg。 o落錘衝撃強度:60×60×3mmの試験片を射出成
形機にて成形し、直径12.7mmのダートを試験片上
部に設置し、ダート上部より荷重を自然落下させ、試験
片を破壊するために要する最小エネルギー(kg・c
m)を測定する。なお、試験は常温(23℃)、低温
(−30℃)の2種類の条件にて測定した。 o成形品外観:60×60×3mmの試験片を射出成形
機にて成形し、得られた成形品表面のフローマークの有
無を目視にて判定した。○:良好、×不良
い曲げ弾性率であっても優れた耐衝撃性、落錘衝撃強
度、成形性および成形品外観を有するものであり、特に
車両用内外装部品として好適に使用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量平均粒子径0.05〜0.15μm
の小粒子ジエン系ゴムラテックスを重量平均粒子径0.
15〜0.8μmに凝集肥大化させた肥大化ジエン系ゴ
ムラテックスと芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビ
ニル系単量体からなる単量体を重合してなるグラフト重
合体(A)10〜80重量%、芳香族ビニル系単量体お
よびシアン化ビニル系単量体からなる単量体を重合して
なる固有粘度が0.3〜0.6dl/gの共重合体
(B)80〜10重量%および炭素数が4〜12のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体50
〜90重量%、芳香族ビニル系単量体および/またはシ
アン化ビニル系単量体10〜50重量%および炭素数が
1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル単量体0〜40重量%を重合してなる共重合体(C)
1〜20重量%からなる樹脂組成物あって、該樹脂組成
物の曲げ弾性率が18000kg/cm2 以下である
ことを特徴とする低剛性樹脂組成物。 - 【請求項2】 共重合体(C)が炭素数が4〜12のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体5
0〜89重量%、芳香族ビニル系単量体および/または
シアン化ビニル系単量体10〜49重量%および炭素数
が1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル単量体1〜40重量%を重合してなる相互侵入高分
子網目構造を有する共重合体である請求項1記載の低剛
性樹脂組成物。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
JP30797498A JP4331291B2 (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 低剛性樹脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002187923A (ja) * | 2000-12-19 | 2002-07-05 | Nippon A & L Kk | 軟質性樹脂組成物およびその連続的製造方法 |
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1998
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JP2002187923A (ja) * | 2000-12-19 | 2002-07-05 | Nippon A & L Kk | 軟質性樹脂組成物およびその連続的製造方法 |
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