JP2000128798A - 活性酸素消去作用剤およびアルドースリダクターゼ阻害作用剤 - Google Patents

活性酸素消去作用剤およびアルドースリダクターゼ阻害作用剤

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JP2000128798A
JP2000128798A JP10302866A JP30286698A JP2000128798A JP 2000128798 A JP2000128798 A JP 2000128798A JP 10302866 A JP10302866 A JP 10302866A JP 30286698 A JP30286698 A JP 30286698A JP 2000128798 A JP2000128798 A JP 2000128798A
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aldose reductase
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Junko Taki
純 子 滝
Hiroyuki Mitsunami
並 博 行 三
Yoshiyasu Fukuyama
山 愛 保 福
Toyokichi Yoshizawa
澤 豊 吉 吉
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SEIWA YAKUHIN KK
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SEIWA YAKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の化学的手段により合成された薬剤の場
合にみられたタキフィラキシーや種々の副作用等の問題
のない、活性酸素消去作用剤またはアルドースリダクタ
ーゼ阻害作用剤を提供することにある。 【解決手段】 ネムノキ属植物由来成分を有効成分とす
る、活性酸素消去作用剤またはアルドースリダクターゼ
阻害作用剤、を得ることによる。これらは、生体中の酸
化的傷害によって誘起される各種の疾患の予防および治
療に有効であり、また、糖尿病性白内障、腎不全、神経
障害、動脈硬化などの糖尿病性合併症の予防および治療
に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】[発明の背景]本発明は、活
性酸素消去作用剤およびアルドースリダクターゼ阻害作
用剤に関するものである。さらに詳しくは、植物からの
抽出物を有効成分とする活性酸素消去作用剤およびアル
ドースリダクターゼ阻害作用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】正常時の生体内においては、身体にとっ
て異物である細菌やウイルスなどが侵入してくると、食
細胞はその取込んだ異物を溶かして排除するために、細
胞内で活性酸素を作り出して異物を溶解させる働きが見
られる。しかるに、異常時においては必要以上の活性酸
素が生産され、これが食細胞外にまで流出し、身体中に
各組織で溶解する作用を発揮して正常な細胞を破壊した
り、刺激を加えて様々な障害を与えたりするようにな
る。特に、高度不飽和脂肪酸は、その構造上の点から、
生体内で生成した活性酸素による反応を非常に受け易
く、化学的に活性なアルキルラジカルになり易い性質を
有している。更にこのアルキルラジカルは、酸素と反応
することにより、ペルオキシラジカルを経てヒドロペル
オキシドと呼ばれる過酸化物、即ち過酸化脂質、を形成
する。これは更に分解、重合して、種々のアルデヒド、
ケトン、ポリマー等を生ずる。また、活性酸素による生
体内での無差別的で有害な酸化反応の惹起は、直接、癌
や老化等の種々の疾患病態の成因ともなるといわれてい
る。
【0003】以上のように、活性酸素による生体内での
反応は、癌、動脈硬化、高血圧、老人性痴呆症といった
疾患の発生原因にもなっている。また、老化との関わり
では、脂質の過酸化との関係が特に注目を集めている。
それは活性酸素に由来するフリーラジカルが生体膜の構
成成分である不飽和脂肪酸の過酸化を誘導し、それによ
り生じた細胞障害や組織障害が老化につながっていると
考えられるからである。老化に伴い過酸化脂質が増加す
ることは、既に動物実験により証明されている。即ち、
生体は老化に伴い、活性酸素、フリーラジカル、過酸化
脂質などの除去能が低下しているといえるからである。
これらが細胞の機能低下、代謝異常などの原因となり、
前述のような様々な疾患を引き起こしているのである。
したがって、上記のような癌、動脈硬化、高血圧、老人
性痴呆症等の疾患や、老化、等の防止の観点から、これ
らの発生要因となる活性酸素の生体内での作用を抑制消
去することが望まれている。
【0004】生体内におけるアルドースリダクターゼの
働きは、未だ不明な点が多いが、現在のところ細胞内浸
透圧の調整のために働くと考えられている。このアルド
ースリダクターゼは、ポリオール代謝系中においてグル
コースからソルビトールを生成するのに関与する酵素で
ある。ポリオール代謝の重要性が明らかにされたのは、
精子のエネルギー源であるフルクトース産生経路として
見出されたことに始まる。それと前後して、糖尿病合併
症が多発する毛細血管、末梢神経、レンズ、網膜などの
種々の組織中に、この代謝経路の律速酵素であるアルド
ースリダクターゼが存在することが次々と明らかにされ
るに従い、この酵素が糖尿病との関係において重要であ
ることが認識された。
【0005】通常、細胞内に取り込まれたグルコースの
大部分は、アルドースリダクターゼよりも強いグルコー
ス親和性を示すヘキソキナーゼによって、解糖系へと代
謝される。しかしながら、糖尿病のような高血糖状態で
は、インシュリン非依存性組織においては、アルドース
リダクターゼの活性亢進によって、ポリオール代謝が容
易に促進されるようになり、その結果、グルコースか
ら、糖アルコール(ポリオール)が産生されることとな
る。ところが、ここでの生成物は比較的安定なため、い
ったん産生されると細胞内に蓄積されることとなり、こ
れにより、浸透圧上昇、水分貯留を招いて細胞障害を生
じ、結果として、白内障、網膜症等の種々の糖尿病合併
症が引き起こされることとなる。
【0006】また、実際に、ラットやイヌの糖尿病動物
モデルにアルドースリダクターゼ阻害作用剤を投与する
と、組織内ポリオール生成の抑制と共に、白内障の進行
や網膜の血管病変が阻止され、末梢神経伝導速度の低下
の点も改善されることが報告されている。したがって、
上記のような症状を引き起こす原因となるアルドースリ
ダクターゼ活性を阻害することによって、各種の糖尿病
合併症を予防治療することが期待されている。
【0007】今日までのところ、活性酸素消去作用およ
びアルドースリダクターゼ阻害作用を示す数多くの化合
物が報告されているが、それらの多くは化学的手法によ
り合成されたものであり、その性質上連続的に使用する
ことによるタキフィラキシーや様々な副作用を避けるこ
とができないのが現状である。そのため、このような副
作用の殆ど心配のない、活性酸素消去作用およびアルド
ースリダクターゼ阻害作用を示す薬剤が強く望まれてい
る。一方、ネムノキ属植物は、マメ科に属し、石垣島等
の海岸付近に生え、我が国以外では中国、東南アジア等
に広く分布している植物である。しかしながら、このネ
ムノキ属植物由来の成分が、活性酸素消去作用およびア
ルドースリダクターゼ阻害作用の両作用を有しているこ
とはこれまで全く知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に、従来の化学的手法により合成された薬剤でみられた
ような各種副作用の心配が殆どない活性酸素消去作用剤
およびアルドースリダクターゼ阻害作用剤を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】[発明の概要] <要旨>本発明は、ネムノキ属植物に含まれる成分が、
活性酸素消去作用およびアルドースリダクターゼ阻害作
用の両方の作用を有していると同時に、その成分には従
来の同様な薬剤でみられたような副作用が殆どない、と
の発見に基づくものである。
【0010】すなわち、本発明による活性酸素消去作用
剤は、ネムノキ属植物由来成分を有効成分としてなるこ
と、を特徴とするものである。一方、本発明によるアル
ドースリダクターゼ阻害作用剤は、ネムノキ属植物由来
成分を有効成分としてなること、を特徴とするものであ
る。これらのいずれの場合にも、ネムノキ属植物由来成
分の代表的なものは、ネムノキ属植物の有機溶媒抽出物
または水抽出物である。また、本発明による活性酸素消
去作用剤およびアルドースリダクターゼ阻害作用剤に用
いるネムノキ属植物の代表例は、ヤエヤマネムノキであ
る。
【0011】ここで、ネムノキ属植物由来成分とは、ネ
ムノキ属植物の植物体そのものの他、その裁断物、乾燥
粉末、およびその抽出物のことをいう。そして、この
「抽出物」は、抽剤を含んだ状態および抽剤を除去した
状態のいずれをも包含するものであり、また、抽剤除去
後にさらに精製処理に付したものをも包含するものであ
る。
【0012】<効果>本発明により提供されるネムノキ
属植物由来の活性酸素消去作用剤は、顕著な過酸化脂質
抑制作用、フリーラジカル消去作用およびスーパーオキ
シド消去作用を示し、このため、過剰の活性酸素に対す
る生体中での反応によって引き起こされる各種の疾患を
有効に予防および治療することができる。またここで、
本発明の活性酸素消去作用剤が、過酸化脂質抑制作用お
よびフリーラジカル消去作用の他に、顕著なスーパーオ
キシド消去作用を有しているため、生体内の活性酸素に
よって直接引き起こされると考えられる癌や老化等へ、
より効果的に作用することができる。また、本発明によ
り提供されるアルドースリダクターゼ阻害作用剤は、顕
著なアルドースリダクターゼ阻害作用を示し、このた
め、糖尿病性白内障、網膜症、腎不全、神経障害、動脈
硬化などの糖尿病性合併症を有効に予防および治療する
ことができる。さらに、本発明の活性酸素消去作用剤お
よびアルドースリダクターゼ阻害作用剤は、従来の薬剤
の場合にみられたタキフィラキシーや種々の副作用等の
問題を起こすことはない。
【0013】
【発明の実施の態様】<ネムノキ属植物>ネムノキ属植
物は、マメ科に属する植物であり、例えば、ネムノキ
Albizia julibrissin)、ヤエヤマネムノキ(Albizia
retusa)、アルビジア・ファルカタリア(Albizia falc
ataria)、ヒロハネム(Albizia mollis glabrior)、
オオバネムノキ(Albizia kalkora)、ビルマネム(Alb
izia lebbeck)およびアメリカネム(Albizia saman
などが挙げられる。この内で、特に、ヤエヤマネムノキ
Albizia retusa)は、高さ約15mにも達する落葉高
木で、沖縄島、石垣島、西表島の海岸付近に生えてお
り、我が国の他、台湾、中国、東南アジア、太平洋諸
島、ニューギニア島、オーストラリア北部に広く分布し
ている。本発明で使用するネムノキ属植物としては、ヤ
エヤマネムノキを用いるのが典型的である。本発明は、
このネムノキ属植物の成分が活性酸素消去作用およびア
ルドースリダクターゼ阻害作用を有するとの発見に基
き、その発見した作用を利用するものである。
【0014】本発明では、上記の活性酸素消去作用およ
びアルドースリダクターゼ阻害作用を有する成分が得ら
れる限り、ネムノキ属植物の植物体全体あるいはその一
部のいずれをも用いることができる。ただし、本発明で
は、ネムノキ属植物の枝葉部を用いるのが典型的であ
る。本発明で使用する場合、ネムノキ属植物の植物体
は、そのまま或いは加工した状態、で使用する。好まし
くは、該枝葉部を乾燥させた後、粉砕して、粉砕物とし
て使用する。更に好ましくは、次項に述べるように、ネ
ムノキ属植物からの抽出物を使用する。
【0015】<ネムノキ属植物の抽出>ネムノキ属植物
の植物体、典型的にはその枝葉部、からの抽出は、この
ネムノキ属植物の植物体を、生のままあるいは乾燥して
粉砕し、その後、抽出溶媒(抽剤)として、水、好まし
くは熱水、または有機溶媒、を用いて抽出を行うことに
より得られる。抽出は、必要に応じて、有機溶媒抽出と
水抽出を組み合わせて行うこともできる。また、有機溶
媒が水溶性のものである場合は、水との混合物、すなわ
ち水溶液、を抽剤として使用することができる。熱水抽
出する場合は、典型的には、ネムノキ属植物の植物体粉
砕物を加熱還流下で抽出が行われる。有機溶媒抽出する
場合に使用する有機溶媒としては、メタノール、n−ブ
タノール、酢酸エチルなどが挙げられる。好ましくはメ
タノールが用いられる。例えば、メタノール抽出する場
合は、ネムノキ属植物の植物体粉砕物を加熱還流下で、
抽出を行うのが典型的である。
【0016】<ネムノキ属植物抽出物>上記のようにし
て得られるネムノキ属植物抽出物は、抽剤を減圧で留去
すれば、タール状で黒茶色の抽出物を与えることが普通
である。使用抽剤が、無毒のもの、例えば水、である場
合は、抽剤を含んだまま調剤に使用することもできる
が、抽剤を分離したエキス分を調剤に付すことが普通で
ある。抽剤分離後のエキス分を適当な溶剤、例えば水、
に再溶解させて、調剤に使用することもできる。また、
このようにして得たエキス分を合目的的な精製手段、例
えば分別抽出、二溶媒間の分配、適当な吸着剤による分
別吸着/溶離ないしクロマトグラフィー、等によって、
精製ないし力価の向上を行うこともできる。
【0017】上記のようにして得られたネムノキ属植物
抽出物を、そのまま、あるいは溶媒分配、カラムクロマ
トグラフィーまたはこれらの組み合わせ、によって精製
すると、得られる各画分には、活性酸素消去作用および
(または)アルドースリダクターゼ阻害作用があること
が見出されている。例えば、後記の[実施例]の項で記
載したように、ネムノキ属植物抽出物から得られた各種
の画分(試料1〜13)中には、多くで、活性酸素消去
作用および(または)アルドースリダクターゼ阻害作用
があることが見出されている。すなわち、活性酸素消去
作用の内、フリーラジカル消去作用は後記試料10、1
1に、スーパーオキシド消去作用は後記試料7、10、
11、12、13に、また過酸化脂質抑制作用は後記試
料1、4、5、7、10、11、12、13に、それぞ
れ強い活性が見出されている。また、アルドースリダク
ターゼ阻害作用は後記試料1、2、3、4、5、7、1
1、12、13にそれぞれ見出されている。
【0018】なお、本明細書においては、活性酸素消去
作用を評価するにあたって、フリーラジカル消去作用、
スーパーオキシド消去作用、および過酸化脂質抑制作用
を考慮している。これらの作用を考慮するのは、スーパ
ーオキシダントが活性酸素の源となるものであり、ま
た、フリーラジカルが活性酸素に由来して過酸化脂質を
生ずる働きをするものであり、さらに、過酸化脂質が活
性酸素を原因として生じて種々の疾患を誘発するもので
あるため、これらを消去抑制することは、本発明で求め
られる活性酸素消去作用の効果を評価する上で、極めて
密接な関わりがあるからである。
【0019】<活性酸素消去作用剤およびアルドースリ
ダクターゼ阻害作用剤>本発明による活性酸素消去作用
剤およびアルドースリダクターゼ阻害作用剤は、上記の
ようなネムノキ属植物由来成分を有効成分として含有す
るものである。ここでいう「ネムノキ属植物由来成分」
は、その「由来成分」という表現において、最も広い意
味を持つものであって、その典型例である「抽出物」
も、抽剤含有不含有のいずれであっても良いだけでな
く、抽剤除去後に精製に付したものをも包含するもので
あることは、前記したところである。また、「有効成分
とする」ということは、剤型に応じた担体を含む場合を
包含することは当然として、併用可能な他の薬剤を含有
してもよいことも意味する。このような併用可能な薬剤
としては、例えば、賦形剤、防腐剤、結合剤、安定化
剤、香味料、等のものが挙げられる。
【0020】本発明による活性酸素消去作用剤およびア
ルドースリダクターゼ阻害作用剤は、医薬品または食品
の形態で提供される。医薬品として用いられる場合に
は、乾燥粉末、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル、
液剤などの形で提供される。また食品として用いられる
場合には、ガム、キャンディ、ゼリー、錠菓、飲料など
の形で提供される。医薬品として用いて投与する場合に
は、経口投与、非経口投与、吸入、経直腸投与、局所投
与などの各種投与形態を採用することができる。このう
ち、非経口投与には、皮下注射、静脈内投与、筋肉内投
与、鼻腔内投与または注入などが含まれる。用量は、一
般に1回当たり約0.1〜200mg/kg体重の範囲
内であり、通常1日に1〜5回投与される。ただし、正
確な用量は、患者の年齢、体重、症状、投与経路などを
考慮して、前記範囲内から決められる。
【0021】
【実施例】下記諸例は、本発明を具体的に説明するもの
である。ただし、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 [例1]ヤエヤマネムノキ(石垣島で採取)の乾燥した
枝葉部11.3kgを粉砕した後、室温下で1ヶ月間3
6Lのメタノール中で浸漬させて抽出を行った。抽出液
を減圧下で濃縮し、1.5kgの抽出物(試料1)を得
た。この抽出物150gをメタノール1Lに溶解させた
後、セライト150gを加えて撹拌し、メタノールを減
圧下で完全に留去した。得られたセライト吸着体を細粉
末化し、ガラスカラム(6cm)に充填した後、充填物
を以下に示した溶媒で順次溶出させた。それぞれの溶媒
を減圧下で完全に留去し、試料2〜5を得た。 (試料2) n−ヘキサン 1.5Lで溶出させたもの、 7g (試料3) 塩化メチレン 2.0Lで溶出させたもの、11g (試料4) 酢酸エチル 3.0Lで溶出させたもの、 48g (試料5) メタノール 3.0Lで溶出させたもの、 64g
【0022】[例2]試料5(1.5g)をカラムクロ
マトグラフィー(ファルマシア製セファーデックスLH
−20、500ml)に付して、メタノールで溶出させ
て各20mlずつ分取して、試料6〜13に分画した。 (試料6) 黄土色シロップ状物 27mg (試料7) 黄土色シロップ状物 42mg (試料8) 黄土色シロップ状物 213mg (試料9) 黄土色シロップ状物 22mg (試料10)暗緑色シロップ状物 187mg (試料11)黄緑色シロップ状物 542mg (試料12)黄緑色シロップ状物 231mg (試料13)薄茶色粉末 115mg
【0023】(1)活性酸素消去作用試験 これらの各試料1〜13を用いて、活性酸素消去作用試
験(フリーラジカル消去作用試験、スーパーオキシド消
去作用試験および過酸化脂質抑制作用試験)を行った。
【0024】《フリーラジカル消去作用試験》100m
M 1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルのエ
タノール溶液900μlに各種濃度(10または5μg
/ml)に調製した試料100μlを加え、20分間経
過後の波長517nmにおける吸光度の減少量を分光光
度計で測定した。なお、アスコルビン酸100μg/m
lを用いたときの吸光度の減少量を100とし、各試料
の阻害率(単位:%)を求めた。なお、この阻害率が高
いほど、フリーラジカル消去作用の活性が強いことを示
す。
【0025】《スーパーオキシド消去作用試験》300
mMリン酸カルシウム緩衝溶液(pH7.8、600m
Mのエチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩含有)
250μl、チトクロムC(0.06mM)水溶液25
0μl、0.3mMキサンチン水溶液250μlおよび
水500μlを含む溶液に、各種濃度(10または5μ
g/ml)に調製した試料または水150μlを加え、
そこにキサンチンオキシダーゼ(7.5〜15×10-5
mM)100μlを添加した後、25℃にて波長550
nmにおける吸光度の増加を2分間連続して記録し、直
線部より1分間変化値を求め阻害率(単位:%)とし
た。なお、この阻害率が高いほど、スーパーオキシド消
去作用の活性が強いことを示す。
【0026】《過酸化脂質抑制作用試験》7(w/v)
%ラット脳ホモジネートの40mMリン酸緩衝液(pH
7.4、14.2mMのNaCl含有)1.5mlに、
各種濃度(10、5または1μg/ml)に調製した試
料または水15μlを加え、37℃で1時間振とうす
る。次いで、28%トリクロロ酢酸水溶液600μlを
加えた後、3000rpmで10分間の遠心分離を行
い、その上澄液1.2mlを採取し、そこに1%チオバ
ルビツール酸水溶液300μlを加え、沸騰水浴上で1
5分間加熱して反応させた。生じた赤色溶液の濃度を分
光光度計(波長532nm)で測定し、阻害率(単位:
%)を求めた。その際、対照として、37℃で振とうす
る前に28%トリクロロ酢酸水溶液を加え、同様に反応
および処理したものを用いた。なお、この阻害率が高い
ほど、過酸化脂質抑制作用の活性が強いことを示す。以
上の試験結果を表1に示す。
【0027】 表1 試料No.フリーラジカル スーパーオキシド 過酸化脂質抑制 消去作用試験 消去作用試験 作用試験 (阻害率 (%)) (阻害率 (%)) (阻害率 (%)) 試料濃度(μg/ml) 試料濃度(μg/ml) 試料濃度(μg/ml) 10 5 10 5 10 5 1 1 18.3 − 5.1 − 75.3 54.0 20.8 2 5.9 − − − 18.3 − − 3 11.0 − − − 31.6 − − 4 46.0 − − − 78.6 52.9 23.5 5 22.2 − − 32.1 76.9 44.9 17.9 6 11.9 − − 10.7 − 6.7 − 7 48.3 − − 60.7 − 71.8 − 8 1.3 − − 3.5 − 0.0 − 9 29.6 − − 39.5 − 29.7 − 10 94.1 59.3 − 100 − 85.0 − 11 96.8 67.8 − 100 − 66.4 − 12 31.0 − − 53.6 − 50.4 −13 34.8 − − 57.1 − 74.0 −
【0028】得られた結果(上記表1)から明らかなよ
うに、フリーラジカル消去作用は試料10、11に、ス
ーパーオキシド消去作用は試料7、10、11、12、
13に、また過酸化脂質抑制作用は試料1、4、5、
7、10、11、12、13に、それぞれ強い活性が見
出された。この結果から、ネムノキ属植物から抽出され
た、この活性酸素消去作用剤は、過酸化脂質抑制作用、
フリーラジカル消去作用およびスーパーオキシド消去作
用に対して優れた効果を示しており、過剰の活性酸素に
対する生体内での反応によって引き起こされる各種の疾
患の予防および治療に有効であることがわかる。
【0029】(2)アルドースリダクターゼ阻害作用試
試料1〜13を用いて、アルドースリダクターゼ阻害作
用試験を行った。
【0030】《酵素溶液の調製》ラットの眼より抽出し
た水晶体を5mMリン酸緩衝液(pH7.4)中でホモ
ジネートし、遠沈操作後の上澄液を40〜75%硫酸ア
ンモニウム水溶液で塩析した。得られた酸素溶液は、
0.015〜0.020U/mlの濃度に調製した。こ
のときの1Uは、1分間に1μMのNADPHが酸化さ
れる活性を示している。
【0031】《活性試験》0.2Mリン酸緩衝液(pH
6.2)500μlに、2M硫酸アンモニウム水溶液2
00μl、16mM NADPH10μl、上記酸素溶
液20μl、水250μlおよび被験物質(終濃度10
μg/ml)または水(ブランク)10μlを加え、こ
こに1.0M DL−グリセルアルデヒド10μlを添
加した後、30℃で酵素反応を行い、10分後のNAD
PH減少量を波長340nmにおける吸光度の減少量か
ら求め、阻害率(単位:%)を算出した。なお、本実験
条件下において、比較対照薬として用いたONO−22
35は、5×10-8Mで50.3%の阻害活性を示し
た。なお、この阻害率が高いほど、アルドースリダクタ
ーゼ阻害作用の活性が強いことを示す。以上の試験結果
を表2に示す。
【0032】
【0033】得られた結果(上記表2)から明らかなよ
うに、アルドースリダクターゼ阻害作用は試料1、2、
3、4、5、7、11、12、13にそれぞれ見出され
た。この結果から、ネムノキ属植物から抽出されたこの
アルドースリダクターゼ阻害作用剤は、アルドースリダ
クターゼ阻害作用に対して優れた効果を有しており、糖
尿病性白内障、網膜症、腎不全、神経障害、動脈硬化な
どの糖尿病性合併症の予防および治療に対して有効であ
ることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明によりネムノキ属植物由来の成分
を有効成分とする活性酸素消去作用剤およびアルドース
リダクターゼ阻害作用剤、が提供される。本発明による
この活性酸素消去作用剤が、副作用を伴うことなく、顕
著な過酸化脂質抑制作用、フリーラジカル消去作用およ
びスーパーオキシド消去作用などを示すものであって、
それが、過剰の活性酸素に対する生体中での反応によっ
て引き起こされる各種の疾患の予防および治療に有効で
あること、ならびに、本発明によるアルドースリダクタ
ーゼ阻害作用剤が、副作用を伴うことなく、顕著なアル
ドースリダクターゼ阻害作用を示し、それが、糖尿病性
白内障、網膜症、腎不全、神経障害、動脈硬化などの糖
尿病性合併症の予防および治療に対して有効であるこ
と、は、[発明の概要]の項において前記したところで
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 39/06 A61K 31/00 639C 43/00 643D (72)発明者 吉 澤 豊 吉 茨城県北茨城市大津町北町1−1−8 Fターム(参考) 4C088 AB59 AC01 AC05 AC06 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 MA17 NA14 ZA01 ZA20 ZA33 ZA45 ZA81 ZB26 ZC20 ZC21 ZC33 ZC35 ZC52

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ネムノキ属植物由来成分を有効成分として
    なる、活性酸素消去作用剤。
  2. 【請求項2】ネムノキ属植物由来成分が有機溶媒抽出物
    または水抽出物である、請求項1に記載の活性酸素消去
    作用剤。
  3. 【請求項3】ネムノキ属植物がヤエヤマネムノキであ
    る、請求項1または2に記載の活性酸素消去作用剤。
  4. 【請求項4】ネムノキ属植物由来成分を有効成分として
    なる、アルドースリダクターゼ阻害作用剤。
  5. 【請求項5】ネムノキ属植物由来成分が有機溶媒抽出物
    または水抽出物である、請求項4に記載のアルドースリ
    ダクターゼ阻害作用剤。
  6. 【請求項6】ネムノキ属植物がヤエヤマネムノキであ
    る、請求項4または5に記載のアルドースリダクターゼ
    阻害作用剤。
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